JP2019163383A - インクジェット用インク、インクジェット用インクセット、インク収容容器、およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用インク、インクジェット用インクセット、インク収容容器、およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コート紙やプラスチックフィルム、ファブリックにおいて、貯蔵安定性と吐出安定性が良好で、かつ、発色性、画像均一性、堅牢性、密着性に優れた画像の提供を実現可能なインクジェット用インクを提供することを目的とする。【解決手段】樹脂と、多価金属イオンとを含むインクジェット用インクであって、前記樹脂が下記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を含有し、前記樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が1.0×108Pa以下であるインクジェット用インク。−(CH2CH2O)n− 一般式(1)ただし、nは5以上100以下【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク、インクジェット用インクセット、インク収容容器、およびインクジェット記録方法に関する。
インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易であるなどの利点を有するので、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。
近年では、家庭用のみならず、コート紙等の緩浸透性メディアやプラスチックフィルム等の非吸収性メディア、織物や編物等ファブリックに対しても、インクジェット記録方法により、従来のアナログ印刷並の画質を獲得することが要求されるようになっている。
たとえば、いわゆる軟包装と呼ばれる食品包装分野においては、印刷ジョブの小ロット・多品種化が急速に進んでいる上、バリアブル印刷の需要も高まってきているおり、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の軟包装用フィルムに対応したインクジェット記録システムが望まれている。
また、軟包装分野同様、捺染分野においても、Tシャツ等の衣類に直接印字するいわゆるDTG(Direct to Garment)分野の市場規模は年々拡大しており、また、近年のアパレル業界におけるパーソナルレコメンデーションビジネスの隆盛や、インテリアテキスタイル分野において認められるファインアートとのコラボレーションの活発化といった動向より、ファブリックに対して発色性及び種々堅牢性に優れた画像を形成可能なインクジェット記録システムへの需要がますます高まりつつある。
このようなコート紙、プラスチックフィルム、ファブリック向けのインクとしては、低VOCや安全性の観点から、水性インクの開発が最も盛んである。
たとえば、特許文献1には、2価以上金属塩と、カチオン系もしくはノニオン系樹脂エマルションからなる樹脂とを含む受理溶液を記録媒体に付着させ、その後受理溶液付着部上に、顔料表面および/またはアニオン性樹脂エマルション表面にリン含有基が結合しているインクジェットインクを用いて印刷することを特徴とするインクジェット記録方法が提案され、フェザリングとカラーブリードを抑制して、鮮明な画像を得ることができるとが記載されている。
特許文献2には、発色性が高く、且つにじみが少ない印捺物が得られるインクセットとして、多価金属イオンおよび第一の高分子微粒子を含む前処理液と、第二の高分子微粒子を含むインクであって、第一の高分子微粒子および第二の高分子微粒子がいずれも、架橋性ポリウレタンおよび/または架橋性ポリウレタン−ポリウレアであるインクセットが提案されている。
しかし、従来のインクジェット記録方法やインクセットでは、透明性が損なわれたり、画像の密着性が不十分であったり、貯蔵安定性や吐出安定性に課題があった。
上記実情を鑑み、本発明の課題は、コート紙やプラスチックフィルム、ファブリックにおいて、貯蔵安定性と吐出安定性が良好で、かつ、発色性、画像均一性、堅牢性、密着性に優れた画像の提供を実現可能なインクジェット用インクを提供することを目的とする。
すなわち、上記課題は、本発明の、下記[1]によって解決される。
[1] 樹脂と、多価金属イオンとを含むインクジェット用インクであって、前記樹脂が下記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を含有し、前記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が1.0×108Pa以下であるインクジェット用インク。
−(CH2CH2O)n− 一般式(1)
ただし、nは5以上100以下
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、コート紙やプラスチックフィルム、ファブリックにおいて、貯蔵安定性と吐出安定性に優れ、かつ、高発色、高堅牢な画像の提供を実現可能なインクジェット用インクを提供することができる。
本発明のインクを用いる記録装置の一例を示す図である。 本発明のインクを収容するメインタンクの斜視図である。
本発明は、上記[1]に関するものであるが、次の[2]〜[14]も実施の形態として含む。
[2] 前記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂における前記一般式(1)で表される構造単位の含有量が5質量%以上60質量%以下である前記[1]に記載のインクジェット用インク。
[3] 前記樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の−20℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が3.0×108Pa以下である前記[1]または[2]に記載のインクジェット用インク。
[4] 前記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂がポリウレタン樹脂である前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
[5] 前記インクジェット用インクが、シリコーン界面活性剤を含む前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のインクジェット用インクからなる第一のインクと、色材を含む第二のインクとからなるインクジェット用インクセットであって、前記第二のインクを乾燥させることにより得られる乾燥膜の、25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率G’が、7.0×108Pa以下であるインクジェット用インクセット。
[7] 前記第二のインクがポリウレタン樹脂を含む前記[6]に記載のインクジェット用インクセット。
[8] 前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のインクジェット用インクを収容したインク収容部を有するインク収容容器。
[9] インクを記録ヘッドのノズルから吐出させ、記録媒体に付与して記録するインクジェット記録方法において、前記インクが、前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のインクジェット用インク乃至前記[6]または[7]に記載のインクジェット用インクセットの第一のインクおよび第二のインクであるインクジェット記録方法。
[10] ファブリックまたはプラスチックフィルム上に前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載のインクジェット用インク乃至前記[6]または[7]に記載のインクジェット用インクセットの第一のインクおよび第二のインクを用いて記録するインクジェット記録方法。
前記特許文献1に記載のインクジェット記録方法では、前処理液が塗布され、かつ、インクが塗布されない領域において、プラスチックフィルム本来の透明性が損なわれ、内容物の視認性が悪化するという課題や、画像のプラスチックフィルムへの密着性が不十分であるため、搬送経路における搬送部材との接触による画像剥離やラミネート後にデラミネーションを引き起こしやすいという課題があった。
また、上記特許文献2のインクでは、貯蔵安定性が悪く短期間にインクの状態が変化するという課題や、吐出信頼性が不十分で不吐出を生じやすいという課題があった。また、近年需要が拡大しているポリエステル等の合繊メディアにおいては、摩擦堅牢性や洗濯堅牢性等の画像堅牢性に対する市場要求レベルに及ばないという課題があった。
本発明は、インクジェット用インクに特定の樹脂を用い、樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が1.0×108Pa以下とすることにより、コート紙やプラスチックフィルム、ファブリックにおいて、貯蔵安定性と吐出安定性に優れ、かつ高発色、高堅牢な画像の提供を実現可能となった。
本発明のインクジェット用インクは、樹脂と、多価金属イオンとを含むインクジェット用インクであって、前記樹脂が一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を含有し、前記樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が1.0×108Pa以下であることを特徴とする。
−(CH2CH2O)n− 一般式(1)
ただし、nは5以上100以下
本発明のインク収容容器は、本発明の前記インクジェット用インクを容器中に収容してなる。該インク収容容器は、インクジェット記録方式によるプリンタ等に好適に使用される。
本発明のインクジェット記録方法は、インクを記録ヘッドのノズルから吐出させ、記録媒体に付与して記録するインクジェット記録方法において、前記インクとして、上記インクジェット用インク乃至上記インクセットの第一のインクと第二のインクを用いる。前記インクを塗布する工程を有することが好ましい。
(インクジェット用インク(第一のインク))
本発明の樹脂と、多価金属イオンとを含むインクジェット用インク(以下第一のインクとも称す)に含まれる樹脂の種類としては、一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を含有し、前記インクに含有される樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が1.0×108Pa以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられるが、これらの中でも堅牢性の観点からウレタン樹脂が好ましい。
−(CH2CH2O)n− 一般式(1)
ただし、nは5以上100以下
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記第一のインクに含まれる樹脂は、貯蔵安定性、吐出信頼性の観点から、一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を含有する必要がある。
また、一般式(1)におけるnは貯蔵安定性、吐出信頼性、堅牢性や密着性の観点から5以上100以下であり、好ましくは10以上80以下、より好ましくは20以上70以下である。
前記一般式(1)におけるnは、一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂に含まれる一般式(1)の繰り返し単位数の平均値である。
樹脂が前記一般式(1)で表される構造単位を有するかどうかは、G’測定時同様の前処理をした樹脂乾燥膜を取得した後、1H−NMRにより分析できる。
前記一般式(1)で表される構造単位の前記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂における含有量は、貯蔵安定性及び吐出信頼性の観点から5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
前記第一のインクに含まれる樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率は、堅牢性や密着性の観点から1.0×108Pa以下である必要があり、より好ましくは6.0×107Pa以下である。
また、前記第一のインクに含まれる樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の−20℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率は、堅牢性や密着性の観点から3.0×108Pa以下であることが好ましく、より好ましくは1.0×108Pa以下である。
前記貯蔵弾性率は、樹脂のモノマー組成、セグメント鎖長、分子量、ガラス転移温度、3官能以上のモノマー類による架橋構造を有する場合はそのモノマー類の樹脂中の濃度、ウレタン基やウレア基等の水素結合生成成分の樹脂中に占める割合等により調整することができる。
一例としては、貯蔵弾性率を前記範囲とするために、詳細は実施例にも示すが、たとえば、ウレタン系樹脂の場合には、可とう性の高いソフトセグメント(脂肪族系ポリオール等)を用い、樹脂中のジイソシアネート成分を約20〜30質量%とする方法が挙げられる。
前記第一のインクは、樹脂と、多価金属イオンとを含む。実質的に色材等を含まない。前記第一のインク中の樹脂の乾燥膜は、インクを透析し、多価金属イオン、有機溶剤、添加剤等を除き、乾燥することによって得られる。
即ち、前記第一のインク中の樹脂の乾燥膜は、第一のインクを透析チューブに投入し密閉した後、大過剰のイオン交換水に前記第一のインクを含む透析チューブを浸漬し24時間保持後、浸漬したイオン交換水を廃棄し、新たに作製した大過剰のイオン交換水に浸漬する手順を、透析チューブ内内容物の電気伝導率が1mS/m以下になるまで繰り返すことにより得た透析物を、40℃の恒温槽にて1週間乾燥させることにより得ることができる。
前記乾燥膜の25℃における動的粘弾性測定に用いる試験片の寸法は、膜厚0.2mm〜0.5mm、長さ20mm、幅4.5mm〜5.5mmである。試験片の寸法のうち、膜厚は乾燥させる透析物中の樹脂濃度を調整することにより制御可能である。
前記乾燥膜の25℃における動的粘弾性測定は、冷凍機付ARES−G2(TA Instruments社製)を用い測定を行う。試験片固定用治具としてトーションクランプを用い、20℃にて試験片を装置にセットした後、2gのAuto tensionをかけた状態で−70℃まで冷却する。−70℃に到達してから10分後、以下の測定条件にて測定を行う。得られた測定データから25℃における貯蔵弾性率を読み取る。
[測定条件]
・測定モード:temperature sweep
・測定温度範囲:−70℃〜160℃
・昇温速度:4℃/min
・周波数:1Hz
・初期歪:0.1%
・Auto tension:2g
前記樹脂に一般式(1)で表される構造単位を導入する方法は特に制限は無く、目的に応じて適宜選択が可能であり、たとえば、一般式(1)の構造単位を有するポリオールを含むアルコール成分とジカルボン酸を含む酸成分との重縮合によりポリエステル樹脂を得る方法、一般式(1)の構造単位を有するポリオールを含む成分とジイソシアネートを含む成分とを反応させプレポリマーを得た後、ポリアミン等で鎖延長させウレタン樹脂を得る方法、ラジカル重合性モノマー類とラジカル重合性官能基と一般式(1)の構造単位を有する化合物とを共重合させアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などを得る方法等が挙げられる。
前記ラジカル重合性官能基と一般式(1)の構造単位を有する化合物としては、公知のものより適宜選択できるが、貯蔵安定性及び吐出信頼性の観点から、イオン性官能基を有しないものが好ましく、例えば、ポリエチレングリコール(n=5〜100)モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(n=5〜100)モノメタクリレート、エトキシポリエチレングリコール(n=5〜100)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(n=5〜100)モノアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(n=5〜100)モノアクリレート、等を挙げることができる。具体的には、ブレンマーAME−100(日油社製)、ブレンマーPME−100(日油社製)、ブレンマーPME−200(日油社製)、ブレンマーPME−400(日油社製)、ブレンマーPME−1000(日油社製)、ブレンマーPME−4000(日油社製)などが挙げられる。
<ウレタン樹脂>
前記ウレタン樹脂は、ポリマーポリオール部分に由来するソフトセグメントだけでなく、ポリアミンや短鎖ポリオール部分に由来するハードセグメントを有していても良い。前記ソフトセグメントは該ソフトセグメント部分同士で、前記ハードセグメントは該ハードセグメント部分同士で相互作用する構造をとることにより、弾性や強靭さに優れるウレタン樹脂を形成でき、堅牢性に優れた画像を得ることができる。
<ウレタン樹脂の製造方法>
前記ウレタン樹脂の製造方法については、従来一般的に用いられている方法を用いることができ、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤存在下で、一般式(1)の構造単位を有するポリマーポリオールを含むポリマーポリオール類と、必要に応じて短鎖ポリオール、アニオン性基を有する多価アルコールと、ポリイソシアネートとを反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー乃至同有機溶剤溶液を製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー乃至有機溶剤溶液に水を投入し分散させた後、ポリアミンと反応さて鎖伸長反応を行い、必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマーポリオールとしては、前記一般式(1)の構造単位を有するポリマーポリオール以外にも、公知のものを適宜併用しても良く、たとえば、ポリカーボネート系ポリマーポリオール、ポリエーテル系ポリマーポリオール、ポリエステル系ポリマーポリオール、ポリカプロラクトン系ポリマーポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマーポリオールの数平均分子量は300以上5,000以下が好ましく、500以上3000以下がより好ましい。前記範囲外とすると、堅牢性や密着性が悪化することがある。
前記短鎖ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の炭素数2〜15の多価アルコール類などが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネーネート等の脂環式ポリイソシアネート化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環式ポリイソシアネート化合物が好ましく、脂環式ポリイソシアネート化合物がより好ましく、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが特に好ましい。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類;ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類;コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。
前記ウレタン樹脂は、元来の特色の一つである水素結合に加え、必要に応じてその分子構造内に、共有結合に由来する化学架橋を有していても良い。前記共有結合に由来する化学架橋を有することにより、最終的な画像として耐溶剤性に優れたものを得ることができ、ドライラミネーションにおけるラミネート強度を向上させることが可能である。
前記化学架橋を導入する方法としては、例えば、3官能以上のポリマーポリオール、短鎖ポリオール、ポリイソシアネート、ポリアミンを用いることなどが挙げられる。
前記の化学架橋を導入する方法は、何れか一つを単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。
前記アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。
アニオン性基の導入は、アニオン性基を有するポリオールを用いることで達成でき、前記アニオン性基を有するポリオールとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸などが挙げられる。
前記アニオン性基の中和に使用可能な中和剤としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン等の塩基性化合物、Na、K、Li、Ca等を含む水溶性のアルカリ性無機基などが挙げられる。
前記第一のインク中における一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、密着性、堅牢性、保存安定性、吐出信頼性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
前記多価金属イオンとしては、公知のものより適宜選択でき、たとえば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価金属イオンは、第一のインクに水溶性の多価金属塩を溶解させることで第一のインク中に含有させることができる。
前記多価金属塩としては、公知のものより適宜選択でき、たとえば、カルボン酸塩(酢酸、乳酸など)、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。なお、多価金属塩は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。これらの中でも水への溶解性及び水溶性有機溶媒への溶解性が良好なカルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、塩化物が発色性や耐ブリード性等の画質や吐出信頼性の観点から好ましい。
前記第一のインク中における多価金属イオンの含有量は、にじみや濃度ムラの抑制や発色性、堅牢性や密着性の観点から30mmol/L以上700mmol/Lであることが好ましく、60mmol/L以上500mmol/L以下がより好ましく、100mmol/L以上400mmol/L以下がさらに好ましい。
前記第一のインクは画像濃度やにじみ、濃度ムラの抑制の観点からシリコーン界面活性剤を含むことが好ましい。
前記シリコーン界面活性剤としては特に制限は無く、目的に応じて適宜選択できるが、画像濃度やにじみ、濃度ムラの抑制の観点から下記一般式(2)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2019163383
ただしRは水素原子またはメチル基、m1、m2は0〜6の整数
nは2〜20の整数
前記一般式(2)におけるRは、インクの貯蔵安定性や均一性観点から、水素原子であることが好ましく、また、画像濃度の観点からはRはメチル基であることが好ましく、両者を併用することがより好ましい。
前記シリコーン界面活性剤としては、たとえば、BYK−345、347、同348、349(BYK)、WET240、270、280(Evonik)、SAG002、013、503A(日信化学工業)があげられる。
インク中におけるシリコーン界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
(インクジェット用インクセット)
本発明のインクジェット用インクセットは、前記第一のインクと、色材を含む第二のインクとからなるインクジェット用インクセットであって、前記第二のインクを乾燥させることにより得られる乾燥膜の、25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率G’が、7.0×108Pa以下である。
(第二のインク)
前記第二のインクは、色材を含み、かつ、前記第二のインクを乾燥させることにより得られる乾燥膜の、25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率G’が、7.0×108Pa以下であることが堅牢性及び密着性の観点から好ましく、より好ましくは3.0×108Pa以下である。
前記第二のインクは、堅牢性や密着性の観点からポリウレタン樹脂を含むことが好ましい。
前記ポリウレタン樹脂としては、前記第一のインクに含まれるポリウレタン樹脂と同じであっても良く、また、異なっていても良い。
前記ポリウレタン樹脂としては、前記第二のインクを乾燥させることにより得られる乾燥膜の、25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率G’が、7.0×108Pa以下となるようなものが好ましい。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、密着性、堅牢性、保存安定性、吐出信頼性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
前記第二のインクを乾燥させることにより得られる乾燥膜の、25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率G’は、樹脂のモノマー組成、セグメント鎖長、分子量、ガラス転移温度、3官能以上のモノマー類による架橋構造を有する場合はそのモノマー類の樹脂中の濃度、ウレタン基やウレア基等の水素結合生成成分の樹脂中に占める割合等により調整することができる。
また、前記第二のインクは、画像濃度、ベタ画像の均一性の観点からシリコーン界面活性剤を含むことが好ましい。
前記シリコーン界面活性剤としては特に制限は無く、目的に応じて適宜選択できるが、画像濃度やにじみ、濃度ムラの抑制の観点から前記第一のインクと同様に、上記一般式(2)で表される化合物を用いることが好ましい。
第二のインク中におけるシリコーン界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
前記第一のインクおよび第二のインクは、有機溶剤、水、添加剤を含有することができる。
以下、第一のインクおよび第二のインクに用いることができる有機溶剤、水、添加剤について説明する。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 2019163383
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F-2)
2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)−Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、ファブリック、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
本発明においてファブリックとは、編み物、織物、不織布等、繊維からなる布及び生地をいう。
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、色材を含む第二のインクを吐出する部分だけでなく、第一のインクを吐出する部分を含む。第一のインクを吐出する一態様としては、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、第一のインクを有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、第一のインクをインクジェット記録方式で吐出する態様がある。第一のインクを塗布する工程は、第二のインクを塗布する工程の前に行うことが好ましい。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、後処理装置と称される装置などを含むことができる。後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による後処理装置を設ける態様がある。
<後処理液>
後処理液は、透明な層を形成することが可能であれば、特に限定されない。後処理液は、有機溶剤、水、樹脂、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等、必要に応じて選択し、混合して得られる。また、後処理液は、記録媒体に形成された記録領域の全域に塗布しても良いし、インク像が形成された領域のみに塗布しても良い。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。部は質量部を示す。
(顔料分散体の調製例1)
<ブラック顔料分散体の調製>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してブラック顔料分散体(顔料濃度:15質量%)を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)
・・・15部
・アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)
・・・2部
・イオン交換水 ・・・83部
[樹脂粒子分散液の製造]
樹脂粒子分散液1〜26については、下記手順にて合成した。まず、攪拌機、温度計、及び還流管を備えた500mLのセパラブルフラスコに、表1に記載のポリオール1〜3、ポリイソシアネート、及びモレキュラーシーブにより脱水処理したアセトン90部を仕込み、窒素気流下にて70℃まで昇温した後、2−エチルヘキサン酸スズを200ppm加え、系内のイソシアネート濃度を測定しながら70℃にて3時間〜10時間反応させた。次いで、系内の温度を40℃まで下げ、必要に応じてトリエチルアミンを添加した後300rpmの速度で攪拌しながらイオン交換水270部を添加し、1時間攪拌した後、伸長剤を加え、3時間〜6時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、エバポレーターにて溶媒を留去し、イオン交換水により固形分30%になるように調整することで樹脂粒子分散液1〜26を得た。
一方、以下手順により樹脂粒子分散液27〜36を得た。
まず、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管を備えた300mLのフラスコ内に、イオン交換水87.0部を仕込み、窒素気流下70℃に昇温し、2時間保持した。一方、表2に記載のモノマー類、架橋剤、及び、アクアロンHS−10(第一工業製薬製)1.5部、イオン交換水42.9部を混合し、ホモミキサーにて乳化した乳化液を調整した。
次いで、10%アクアロンHS−10水溶液3.0%、5%過硫酸アンモニウム水溶液2.6部をフラスコ内に添加した後、前記乳化液を2.5時間かけて連続的に滴下した。また、滴下開始から3時間経過するまでの間、1時間毎に5%過硫酸アンモニウム水溶液0.5部を投入した。滴下終了後70℃で2時間熟成した後、室温に冷却し、28%アンモニア水でpH7〜8、イオン交換水により固形分30%になるように調整し、樹脂粒子分散液27〜36を得た。
Figure 2019163383
なお、表中の材料は以下を表す。
・PEG−200:ポリエチレングリコール(三洋化成製、数平均分子量200)
・PEG−300:ポリエチレングリコール(三洋化成製、数平均分子量300)
・PEG−400:ポリエチレングリコール(三洋化成製、数平均分子量400)
・PEG−600:ポリエチレングリコール(三洋化成製、数平均分子量600)
・PEG−1000:ポリエチレングリコール(三洋化成製、数平均分子量1000)
・PEG−2000:ポリエチレングリコール(三洋化成製、数平均分子量2000)
・PEG−4000N:ポリエチレングリコール(三洋化成製、数平均分子量3100)
・PEG−6000S:ポリエチレングリコール(三洋化成製、数平均分子量8300)
・PCL 210:ポリカプロラクトンジオール(ダイセル製)
・T5651、T5660E:ポリカーボネートジオール(旭化成製)
・PTMG 1000:ポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱ケミカル製)
・1,4−BD:1,4−ブタンジオール
・DMPA:ジメチロールプロピオン酸
・IPDI:イソホロンジイソシアネート
・水添MDI:ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート
・HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
Figure 2019163383
なお、表中の材料は以下を表す。
・MMA:メタクリル酸メチル
・EHA:アクリル酸2―エチルへキシル
・PME−200:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(日油製、n=4)
・PME−400:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(日油製、n=9)
・PME−1000:
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(日油製、n=23)
・PME−4000:
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(日油製、n=90)
・VTES:ビニルトリエトキシシラン
得られた樹脂粒子分散液1〜20、22、23に含まれる樹脂粒子の上記一般式(1)で表される構造単位におけるnの値は以下のとおりであった。
Figure 2019163383
(実施例I−1〜実施例I−38、比較例I−1〜比較例I−10)
第一のインクの調製
表4に記載の処方で材料を混合し、一時間撹拌した後、1.2μmセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、第一のインク1〜48を得た。イオン交換水は、合計が100部となるように添加した。
Figure 2019163383
Figure 2019163383
なお、表中の材料は以下を表す。
・ソルフィットMMB:3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(クラレ製)
・Wet 270:シリコーン界面活性剤(Evonik社製)
・サフィノール420:アセチレングリコール界面活性剤(日信化学工業社製)
・BYK348:シリコーン界面活性剤(BYK社製)
・AD01:Envirogem AD01(AIR PRODUCT社製)
・プロキセルLV:Benzisothiazolin-3-one溶液(ロンザジャパン社製)
第二のインクの調製
表5に記載の処方で材料を混合し、一時間撹拌した後、1.2μmセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、第二のインク1〜7を得た。イオン交換水は、合計が100部となるように添加した。
Figure 2019163383
<第一のインク中の樹脂の乾燥膜のG’測定>
前記第一のインク中の樹脂の乾燥膜のG’測定は、以下の方法により行った。まず、第一のインクをヴィスキングチューブ(孔径50Å、分画分子量12,000〜14,000)に投入し密閉した後、大過剰のイオン交換水に前記第一のインクを含むヴィスキングチューブを浸漬し24時間保持後、浸漬したイオン交換水を廃棄し、新たに作製した大過剰のイオン交換水に浸漬する手順を、ヴィスキングチューブ内内容物の電気伝導率が1mS/m以下になるまで繰り返すことにより得た内容物を、40℃の恒温槽にて1週間乾燥させることにより第一のインク中の樹脂の乾燥膜を得た。
前記乾燥膜を、長さ20mm、幅5.0mmに切り出した。なお、膜厚は0.2〜0.4mmの範囲内となるように乾燥させる透析後の内容物の量等を調整した。
前記乾燥膜の25℃におけるG’測定は、冷凍機付ARES−G2(TA Instruments社製)を用い測定を行った。試験片固定用治具としてトーションクランプを用い、20℃にて試験片を装置にセットした後、2gのAuto tensionをかけた状態で−70℃まで冷却した。−70℃に到達してから10分後、以下の測定条件にて測定を行った。得られた測定データから25℃及び−20℃におけるG’を読み取った。
[測定条件]
・測定モード:temperature sweep
・測定温度範囲:−70℃〜160℃
・昇温速度:4℃/min
・周波数:1Hz
・初期歪:0.1%
・Auto tension:2g
<第二のインク乾燥膜のG’測定>
前記第二のインク中の樹脂の乾燥膜のG’測定は、以下の方法により行った。まず、第二のインクを40℃の恒温槽にて10時間乾燥させた後、150℃にて24時間乾燥させ、更に150℃、10mmHg以下にて3時間減圧乾燥させることにより第二のインク乾燥膜を得た。得られた乾燥膜について、第一のインク中の樹脂乾燥膜のG’測定と同様にして測定を行った。
<貯蔵安定性>
ラボランスクリュー管瓶No.3(アズワン製)に第一のインク5gを入れ、70℃に設定した恒温槽に1週間保管し、保管前後のインクの粘度から粘度変化率を算出し、以下の基準で評価した。
粘度変化率=100×(70℃2週間後の粘度−初期の粘度)/初期の粘度 [%]
○:粘度変化率が±10%未満
△:粘度変化率が±10%以上30%未満
×:粘度変化率が±30%以上
[吐出信頼性評価]
インクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に第一のインクを充填し、デキャップ後の吐出性を評価した。まず、25℃、20%RHの環境下、プリンターのメンテナンスコマンドよりヘッドクリーニングを実行し、テストチャートを印刷してノズルの全チャンネルが吐出状態にあることを確認した。次に、ヘッドのキャップを外した状態で10分間放置した後、プリンターのメンテナンスコマンドよりヘッドクリーニングを1回実行し、再度テストチャートを印刷した。放置前後のテストチャートより、不吐出チャンネル数をカウントし、以下の基準により判定した。
〔評価基準〕
○:不吐出チャンネル数が3個未満
△:不吐出チャンネル数が3個以上10個未満
×:不吐出チャンネル数が10個以上
Figure 2019163383
Figure 2019163383
(実施例II−1〜実施例II−44、比較例II−1〜比較例II−10)
<プラスチックフィルムへの印刷方法>
評価用べた画像の作成には、IPSiO GXe5500機(株式会社リコー製)を、30mpmの記録速度相当の記録をワンパスで再現できるように改造したインクジェットプリンターを用いた。
前記インクジェットプリンター2台にそれぞれ第一のインク、第二のインクを充填し、厚さ20μmのパイレンフィルムP2111(TOYOBO製)のコロナ処理面に、付着量0.5mg/cm2で第一のインクを均一に塗布した後、未乾燥状態のまま付着量1.0mg/cm2で第二のインクを塗布してべた画像を形成し、100℃に設定した熱風循環式恒温槽にて1分間乾燥させることによりベタ画像を得た。
<プラスチックフィルムにおける画像濃度>
得られたベタ画像について、X-rite exactを用いて測色し、画像ODを評価した。
〔評価基準〕
○:ODが2.4以上
△:ODが2.0以上2.4未満
×:ODが2.0未満
<プラスチックフィルムにおける画像均一性>
得られたベタ画像について、目視により画像均一性を評価した。
〔評価基準〕
○:濃度ムラが認められず均一な画像である
△:若干の濃度ムラが認められるが、実用上問題ないレベルである
×:著しい濃度ムラが認められ、実用に耐えないレベルである
<プラスチックフィルムへの密着性>
得られた画像について、布粘着テープ(ニチバン株式会社製、123LW−50)を用いた碁盤目剥離試験を実施した。試験マス目100個の残存マス数をカウントし、下記評価基準に基づいて、密着性を評価した。
〔評価基準〕
◎:残存マス数が100個
○:残存マス数が98個以上100個未満
△:残存マス数が90個以上98個未満
×:残存マス数が90個未満
<ファブリックへの印刷方法>
Ri100(株式会社リコー製)にトムス社製ポリエステルTシャツ(白)をセットし、前記インクジェットプリンターに第一のインク及び第二のインクを充填し、付着量1.0mg/cm2で第一のインクを均一に塗布した後、付着量2.0mg/cm2で第二のインクを塗布してべた画像を形成し、160℃に設定したヒートプレスにて1分間乾燥させることでベタ画像を得た。
<ファブリックにおける画像濃度>
得られたベタ画像について、X-rite exactを用いて測色し、画像ODを評価した。
〔評価基準〕
◎:ODが1.3以上
○:ODが1.2以上1.3未満
△:ODが1.1以上1.2未満
×:ODが1.1未満
<ファブリックにおける画像摩擦堅牢性>
JIS L0849に準拠し学振型摩擦堅牢度試験機を用いて摩擦堅牢性試験(乾摩擦)を行い、綿布への転写ODを測色し下記評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:綿布への転写ODが0.15未満
○:綿布への転写ODが0.15以上0.20未満
△:綿布への転写ODが0.20以上0.25未満
×:綿布への転写ODが0.25以上0.30未満
<ファブリックにおける画像洗濯堅牢性>
AATCC 61 2Aに準拠し洗濯堅牢性試験を行い、下記評価基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:等級が4.5級以上
○:等級が4.0級
△:等級が3.5級
×:等級が3.0級以下
Figure 2019163383
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特許第5480446号公報 特許第5891589号公報

Claims (10)

  1. 樹脂と、多価金属イオンとを含むインクジェット用インクであって、前記樹脂が下記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂を含有し、前記樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が1.0×108Pa以下であるインクジェット用インク。
    −(CH2CH2O)n− 一般式(1)
    ただし、nは5以上100以下
  2. 前記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂における前記一般式(1)で表される構造単位の含有量が5質量%以上60質量%以下である請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記樹脂を乾燥させることにより得られる乾燥膜の−20℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が3.0×108Pa以下である請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記一般式(1)で表される構造単位を有する樹脂がポリウレタン樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
  5. 前記インクジェット用インクが、シリコーン界面活性剤を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット用インク。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット用インクからなる第一のインクと、色材を含む第二のインクとからなるインクジェット用インクセットであって、前記第二のインクを乾燥させることにより得られる乾燥膜の、25℃における動的粘弾性測定による貯蔵弾性率G’が、7.0×108Pa以下であるインクジェット用インクセット。
  7. 前記第二のインクがポリウレタン樹脂を含む請求項6に記載のインクジェット用インクセット。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット用インクを収容したインク収容部を有するインク収容容器。
  9. インクを記録ヘッドのノズルから吐出させ、記録媒体に付与して記録するインクジェット記録方法において、前記インクが、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット用インク乃至請求項6または7に記載のインクジェット用インクセットの第一のインクおよび第二のインクであるインクジェット記録方法。
  10. ファブリックまたはプラスチックフィルム上に請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット用インク乃至請求項6または7に記載のインクジェット用インクセットの第一のインクおよび第二のインクを用いて記録するインクジェット記録方法。
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