JP6613904B2 - インクジェット用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用インク及びインクジェット記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6613904B2
JP6613904B2 JP2016003790A JP2016003790A JP6613904B2 JP 6613904 B2 JP6613904 B2 JP 6613904B2 JP 2016003790 A JP2016003790 A JP 2016003790A JP 2016003790 A JP2016003790 A JP 2016003790A JP 6613904 B2 JP6613904 B2 JP 6613904B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin particles
urethane resin
ink
pigment
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016003790A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017125095A (ja
Inventor
直博 戸田
正博 木戸
英文 長島
壽一 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2016003790A priority Critical patent/JP6613904B2/ja
Publication of JP2017125095A publication Critical patent/JP2017125095A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6613904B2 publication Critical patent/JP6613904B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、インクジェット用インク、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易であるなどの利点を有することからデジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。
近年では、家庭用のみならず、大判ポスターや掲示板など、大判記録媒体への印刷にもインクジェット技術が利用されてきている。
また、記録媒体として、従来の紙媒体だけでなく、樹脂などの非浸透基材(非多孔質基材)を用いた非浸透記録媒体への適用や、印字速度の高速化などが求められている。
こうした背景もあり、最近では、非浸透記録媒体上に、水性インクを用いるインクジェット技術の開発が行われてきている(例えば、特許文献1〜2参照)。
しかし、非浸透記録媒体に画像形成する際には、インク液滴が非浸透基材に浸透せず、複数の色の液滴間の合一(ビーディング)が発生しやすく、特に高速で印字する場合に顕著になるという問題がある。
この問題は、着滴したインク液滴が基材上で十分乾燥する前に、隣接するインク滴が着滴して、インク滴同士が移動し混ざり合うことで発生するものである。
また、印字速度の高速化のため、インクの乾燥性を高めるなどの方法も提案されているが(例えば、特許文献3参照)、画像品質については、いまだ不十分である。
本発明における棒状樹脂粒子に相当する樹脂粒子を用いた従来例としては、特許文献4の非球形樹脂粒子を含むインクジェット記録用インクがある。しかし、この発明は浸透記録媒体における画像品位の向上を目的とするものであり、非浸透記録媒体に用いる水性インクに関する記載はない。また、本発明のように形状の異なる複数の樹脂粒子を混合して用いることについても全く記載されていない。
本発明は、非浸透記録媒体に対しても高い生産性と優れた画像品質を得ることが可能なインクジェットインクの提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 水、有機溶剤、顔料、及びウレタン樹脂粒子を含有し、該ウレタン樹脂粒子として球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子を含み、かつ棒状ウレタン樹脂粒子のアスペクト比が2.5〜5.0であることを特徴とするインクジェット用インク。
本発明によれば、非浸透記録媒体に対しても高い生産性と優れた画像品質を得ることが可能なインクジェットインクを提供できる。
インクジェット記録装置の一例を示す概略図。 図1の記録装置の内部構造の説明図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明1)の実施の形態には、次の2)〜5)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記球状ウレタン樹脂粒子の体積平均粒径が10〜50nmであり、前記棒状ウレタン樹脂粒子の平均長軸径が90〜250nmであることを特徴とする1)記載のインクジェット用インク。
3) 前記球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子の混合比率(粒子数比)が、10/1〜1/1であることを特徴とする1)又は2)記載のインクジェット用インク。
4) 前記球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子のうち、少なくとも一方のガラス転移温度が、0℃以下であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
5) 非浸透基材を用いた記録媒体に対し、1)〜4)のいずれかに記載のインクジェット用インクをインクジェットヘッドのノズルから吐出し飛翔させて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明者らは、インクの配合と記録媒体適性に関して検討した結果、インク中に、少なくとも球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子を含み、かつ棒状ウレタン樹脂粒子のアスペクト比が2.5〜5.0であるインクジェット用水性インクを用いると、非浸透記録媒体に対しても、特に高速印刷時のビーディングがなく、優れた画像が得られることを見出し、本発明に至った。上記効果が得られる詳細な理由は不明であるが、高いアスペクト比を有する棒状ウレタン樹脂粒子が、基材上に着弾したインク液滴の水分が乾燥した際に、インクの流動性を大きく低下させ、その結果、インク液滴を速やかに定着させ、異なる色のインク液滴が隣接した位置に着弾した場合も、液滴間での合一を防ぐことができるものと推察される。
本発明のインクは、少なくとも水、有機溶剤、顔料、ウレタン樹脂粒子を含有する。
<顔料>
顔料としては無機顔料又は有機顔料を用いることができる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
また、顔料には、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などがある。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどが挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。
これらの顔料の中でも、溶媒と親和性の良いものが好ましい。その他に樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としてはファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)等の金属類、酸化チタン等の金属酸化物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2〔パーマネントレッド2B(Ca)〕、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等が挙げられる。
顔料は、約10〜約1500m/gの表面積を有するものが好ましく、より好ましくは約20〜約600m/g、更に好ましくは約50〜約300m/gである。 所望の表面積と合わない場合は、顔料の粒径を小さくするため、サイズ減少処理又は粉砕処理(例えばボールミル粉砕、ジェットミル粉砕、超音波処理など)を行えば良い。 インクの顔料分散安定性、吐出安定性、画像濃度、及びインク生産性の点から、インク中での顔料の体積平均粒径(D50)は、10〜300nmが好ましく、より好ましくは20〜250nmである。
インク中の顔料の含有量は、画像濃度、定着性及び吐出安定性の面から、0.1〜10質量%程度が好ましく、より好ましくは1〜10質量%程度である。
<ウレタン樹脂粒子>
本発明で用いるウレタン樹脂粒子は、球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子を含み、かつ棒状ウレタン樹脂粒子のアスペクト比が2.5〜5.0であることを特徴とする。
ウレタン樹脂は、例えばポリオールとポリイソシアネートとを反応させれば得られる。
ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールなどの低分子ジオール化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニレンメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジイソシアナトビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、m−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水素添加TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−ジクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネーネート等の脂環式ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いる球状ウレタン樹脂粒子及び棒状ウレタン樹脂粒子は、従来公知の方法で製造することができ、例えば以下の方法が挙げられる。
球状ウレタン樹脂粒子は、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤で中和し、その後、鎖延長剤と反応させ、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることが出来る。
使用可能な有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類、アセトニトリルなどの二トリル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1−エチル−2−ピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
また、前記鎖延長剤としては、ポリアミンやその他の活性水素原子含有化合物を使用することができる。前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類、ヒドラジン、N,N′−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類、コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。
前記その他活性水素含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類、ビスフェノールA、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類、及び水等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、棒状ウレタン樹脂粒子は、上記の球状ウレタン樹脂粒子に剪断力を加えて形状を変形させることにより作製することができ、公知の方法が使用できる。
剪断力を加える方法の例としては、ホモジナイザーやホモミキサーなどの分散機を用いる方法が挙げられ、剪断力100〜30000rpm、剪断時温度0〜50℃、剪断時間0.1秒〜3時間で作製することが好ましい。
本発明において、ウレタン樹脂粒子は、通常、水性媒体中に分散された樹脂エマルジョンの形態で添加する。
樹脂エマルジョン中の樹脂固形分は20質量%以上であることが好ましい。20質量%以上であれば、インク化する際の処方設計が困難となることはない。
球状ウレタン樹脂粒子の粒径は、体積平均粒径5〜500nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。この範囲であれば、棒状ウレタン樹脂粒子との均一性が高まり、高いビーディングの防止効果が得られる。体積平均粒径は、例えば粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装社製)を用いて測定することができる。
棒状ウレタン樹脂粒子の粒径は、長軸径が60〜300nmが好ましく、90〜250nmがより好ましい。この範囲であれば、球状ウレタン樹脂粒子との均一性が高まり、高いビーディングの防止効果が得られる。棒状ウレタン樹脂粒子の粒径は、電子顕微鏡を用いて撮影した粒子像の長軸方向の最大長さを長軸とし、長軸の中央で長軸に直交する軸を短軸として求める。
棒状ウレタン樹脂粒子のアスペクト比は、長軸/短軸で表されるが、2.5〜5.0の範囲とする。この範囲であれば、球状ウレタン樹脂粒子との均一性が高まり、高いビーディングの防止効果が得られる。棒状ウレタン樹脂粒子の粒径及びアスペクト比は、10個の棒状ウレタン樹脂粒子について測定した粒子径の平均値から得られる。
球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子の混合比率は、インクの安定性と画像品質の点から、粒子数で10/1〜1/1の範囲が望ましい。前記混合比率は、電子顕微鏡を用いて撮影した画像から、10個の樹脂粒子について、球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子の粒子数を数えることにより求めることができる。
また、本発明において、球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子のうち、少なくとも一方のガラス転移温度を0℃以下にすると、特にインク液滴の凝集性が高まり、ビーディングのない良好な画像を得ることができる。
また、本発明では、ウレタン樹脂以外の樹脂粒子を併用することが可能である。樹脂の種類には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、シリコーンアクリル樹脂などの樹脂粒子が挙げられる。
各色のインクにおけるウレタン樹脂粒子の含有量は、定着性やインク安定性の点から、1〜10質量%の範囲が好ましく、更にインク層の平滑性が向上し、高い光沢度が得られ、基材への定着性が向上する点から、5〜10質量%の範囲がより好ましい。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
有機溶剤のインク中における含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
インク中における界面活性剤の含有量としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては特に制限はなく、例えばシリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点からシリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他の水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中の固形分の粒径については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インクの物性としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用して測定することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34′×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側には、カートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404にはメインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「%」は「質量%」である。
<球状ウレタン樹脂粒子1の調製>
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物)1500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g及びメチルエチルケトン1347gを窒素気流下で仕込み、50℃に加熱して混合した。
次いで、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを1445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加えて70℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
反応混合物を30℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出して、強攪拌下、水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1500gを投入し、35%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、球状ウレタン樹脂粒子1(体積平均粒径100nm、ガラス転移温度58℃)を得た。
<棒状ウレタン樹脂粒子Aの調製>
球状ウレタン樹脂粒子1を含む樹脂溶液(固形分濃度30%、水70%)600gを、40℃に加温した後、T.Kホモミクサー(プライミクス社製)を用いて5000rpmで20分間攪拌した。
その結果、平均長軸径160nm、アスペクト比3.8の棒状ウレタン樹脂粒子が得られた。
<棒状ウレタン樹脂粒子B〜Gの調製>
球状ウレタン樹脂粒子1を含む樹脂溶液(固形分濃度30%、水70%)600gを、40℃に加温した後、T.Kホモミクサー(プライミクス社製)を用いて表1に示す条件で強制攪拌し、棒状ウレタン樹脂粒子B〜Gを作製した。これらの平均長軸径及びアスペクト比を表1に示す。
<球状ウレタン樹脂粒子2の調製>
攪拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートジオール(平均分子量2000)105.0部、ネオペンチルグリコール4.0部、1,4−シクロヘキサンジメタノール11.0部、ジメチロールプロピオン酸7.5部、ジブチル錫ジラウレート0.001部、及びメチルエチルケトン1347gを窒素気流下で仕込み、50℃に加熱して混合した。
次いで、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを1445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加えて70℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
反応混合物を30℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出して、強攪拌下、水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1500gを投入し、35%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、球状ウレタン樹脂粒子2(体積平均粒径100nm、ガラス転移温度51℃)を得た。
<棒状ウレタン樹脂粒子Hの調製>
球状ウレタン樹脂粒子2を含む樹脂溶液(固形分濃度30%、水70%)600gを、40℃に加温したのち、T.Kホモミクサー(プライミクス社製)を用いて5000rpmで20分間攪拌した。
その結果、平均長軸径151nm、アスペクト比3.3の棒状ウレタン樹脂粒子が得られた。
<球状ウレタン樹脂粒子3の調製>
攪拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートジオール(平均分子量1800)340.0部、ネオペンチルグリコール4.0部、1,4−シクロヘキサンジメタノール11.0部、ジメチロールプロピオン酸7.5部、ジブチル錫ジラウレート0.001部、及びメチルエチルケトン1347gを窒素気流下で仕込み、50℃に加熱して混合した。
次いで、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを670g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加えて70℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
反応混合物を30℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出して、強攪拌下、水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1500gを投入し、35%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、球状ウレタン樹脂粒子3(体積平均粒径95nm、ガラス転移温度27℃)を得た。
<棒状ウレタン樹脂粒子Iの調製>
球状ウレタン樹脂粒子3を含む樹脂溶液(固形分濃度30%、水70%)600gを、40℃に加温したのち、T.Kホモミクサー(プライミクス社製)を用いて5000rpmで20分間攪拌した。
その結果、平均長軸径225nm、アスペクト比4.3の棒状ウレタン樹脂粒子が得られた。
<球状ウレタン樹脂粒子4の調製>
攪拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートジオール(平均分子量1500)460.0部、ネオペンチルグリコール4.0部、1,4−シクロヘキサンジメタノール11.0部、ジメチロールプロピオン酸7.5部、ジブチル錫ジラウレート0.001部、及びメチルエチルケトン1347gを窒素気流下で仕込み、50℃に加熱して混合した。
次いで、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを510g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加えて70℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
反応混合物を30℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出して、強攪拌下、水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1500gを投入し、35%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、球状ウレタン樹脂粒子4体積平均粒径90nm、ガラス転移温度−5℃)を得た。
<棒状ウレタン樹脂粒子Jの調製>
球状ウレタン樹脂粒子4を含む樹脂溶液(固形分濃度30%、水70%)600gを、40℃に加温したのち、T.Kホモミクサー(プライミクス社製)を用いて5000rpmで20分間攪拌した。
その結果、平均長軸径240nm、アスペクト比4.6の棒状ウレタン樹脂粒子が得られた。
Figure 0006613904
<ブラック顔料分散体の調製>−ポリマー溶液Aの調製− 機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を、2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。 65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液Aを800g得た。
−ブラック顔料分散体の調製− ポリマー溶液Aを28g、カーボンブラック(デグサ社製FW100)42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及び水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータでメチルエチルケトン及び水を留去して分散液を得た。更に、該分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過して粗大粒子を除去し、顔料固形分15%、固形分濃度20%のブラック顔料分散体を得た。
<マゼンタ、シアン、イエローの各顔料分散体の調製>
前記ブラック顔料分散体の調製におけるカーボンブラックを、以下の各顔料に変えた点以外は同様にして、マゼンタ、シアン、イエローの各顔料分散体を得た。
・マゼンタ:Sun Chemical社製 Pigment Red 122
・シアン:東洋インキ社製 銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメント・ブルー
1:4、商品名:LX4033)
・イエロー:大日精化工業社製 イエロー顔料(ピグメント・イエロー74、
商品名:イエローNO.46)
実施例1〜17、比較例1〜4
表1に示す棒状ウレタン樹脂粒子、表2に示す球状ウレタン樹脂粒子、及び前記各色の顔料分散体を用い、表3−1〜3−3及び表4の実施例及び比較例の各欄に示す処方で、以下のようにしてインクを作製した。
即ち、攪拌子を入れたビーカーに、水と各溶剤を入れて混合した後、防腐防黴剤と界面活性剤を入れて混合し、更に樹脂粒子を加えて10分攪拌した。次いで顔料分散体を加えて30分攪拌し、各色のインクを得た。インクの色と用いた顔料分散体の種類は以下のとおりである。
K:ブラック顔料分散体
C:シアン顔料分散体
M:マゼンタ顔料分散体
Y:イエロー顔料分散体

なお、表中の材料欄の数値は「質量%」であり、イオン交換水の欄の「残余」は、全体が100質量%になる量である。
また、サーフィノール104Aは、日信化学社製のアセチレングリコール系界面活性剤であり、プロキセルLVはアビシア社製である。
下記表2中の球状ウレタン樹脂粒子は、いずれも第一工業製薬社製である。
Figure 0006613904
Figure 0006613904
Figure 0006613904
Figure 0006613904
Figure 0006613904
<ビーディング評価>
実施例1〜12、及び比較例1〜4で作製した各インクを、インクジェットプリンター(リコー社製IPSiO GXe5500改造機)に充填し、非浸透基材の記録媒体である白PVCシート(光沢塩ビグレー糊S CF:桜井社製)に、各色のインク(K:ブラック、C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー)、及び前記インクの2種類を組み合わせて印刷することにより形成される2次色(R:レッド、G:グリーン、B:ブルー)のベタ画像のテストパターンを高速、及び標準モードの2種類の印刷速度で印字した。
なお、レッドはマゼンタ+イエロー、グリーンはシアン+イエロー、ブルーはシアン+マゼンタである
また、実施例13〜17で作製した各インクを、前記と同じインクジェットプリンターに充填し、非浸透基材の記録媒体である透明PETシート(LS透明PET:桜井社製)に、ベタ画像のテストパターンを印字した。
そして、テストパターンのベタ部のビーディングの状態を目視観察し、以下の基準で評価した。高速モードの印刷結果を表5に、標準モードの印刷結果を表6に示す。

〔評価基準〕
A ビーディング未発生
B ベタ部に僅かにビーディングが確認される
C ベタ部にビーディングがはっきり認識される
各インクを、恒温槽中、70℃で2週間保管した後、上記と同様の評価を実施した。
結果を表5〜表6に示すが、本発明のインクを用いることにより、高速印刷時においても良好な画像が得られた。
Figure 0006613904
Figure 0006613904
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2005−220352号公報 特開2011−094082号公報 特開2011−201230号公報 特許第3897130号公報

Claims (5)

  1. 水、有機溶剤、顔料、及びウレタン樹脂粒子を含有し、該ウレタン樹脂粒子として球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子を含み、かつ棒状ウレタン樹脂粒子のアスペクト比が2.5〜5.0であることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記球状ウレタン樹脂粒子の体積平均粒径が10〜50nmであり、前記棒状ウレタン樹脂粒子の平均長軸径が90〜250nmであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット用インク。
  3. 前記球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子の混合比率(粒子数比)が、10/1〜1/1であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット用インク。
  4. 前記球状ウレタン樹脂粒子と棒状ウレタン樹脂粒子のうち、少なくとも一方のガラス転移温度が、0℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用インク。
  5. 非浸透基材を用いた記録媒体に対し、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インクをインクジェットヘッドのノズルから吐出し飛翔させて記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
JP2016003790A 2016-01-12 2016-01-12 インクジェット用インク及びインクジェット記録方法 Active JP6613904B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016003790A JP6613904B2 (ja) 2016-01-12 2016-01-12 インクジェット用インク及びインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016003790A JP6613904B2 (ja) 2016-01-12 2016-01-12 インクジェット用インク及びインクジェット記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017125095A JP2017125095A (ja) 2017-07-20
JP6613904B2 true JP6613904B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=59365509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016003790A Active JP6613904B2 (ja) 2016-01-12 2016-01-12 インクジェット用インク及びインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6613904B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019023266A (ja) * 2017-07-25 2019-02-14 三洋化成工業株式会社 複合粒子水性分散体
JP7087642B2 (ja) * 2018-05-07 2022-06-21 株式会社リコー インク、インク収容容器、記録装置、及び記録方法
JP7463667B2 (ja) * 2019-05-31 2024-04-09 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク
JP2021011554A (ja) * 2019-07-09 2021-02-04 セイコーエプソン株式会社 溶剤系インク組成物

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3588875B2 (ja) * 1995-10-06 2004-11-17 東洋紡績株式会社 着色ポリエステル水分散体
JP3817813B2 (ja) * 1997-03-04 2006-09-06 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット記録用水性インク
JP2003313473A (ja) * 2002-04-22 2003-11-06 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録用水性インク及びインクジェット記録用水性インクセット
KR100650284B1 (ko) * 2005-02-22 2006-11-27 제일모직주식회사 도전성능이 우수한 고분자 수지 미립자, 전도성 미립자 및이를 포함한 이방 전도성 접속재료
JP2013082885A (ja) * 2011-07-12 2013-05-09 Dic Corp 水性インクジェット記録用白色インク、白色顔料ペースト、インクジェット記録用水性インクセット
JP5881570B2 (ja) * 2012-09-18 2016-03-09 富士フイルム株式会社 画像記録方法及び画像記録物
JP2015010143A (ja) * 2013-06-27 2015-01-19 株式会社ミマキエンジニアリング インクジェット印刷用インク、インクジェット印刷用インクの製造方法、及びインクジェット印刷方法
JP6149632B2 (ja) * 2013-09-17 2017-06-21 株式会社リコー インクジェット用水性インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置
JP5780285B2 (ja) * 2013-11-14 2015-09-16 日清紡ホールディングス株式会社 紫外線散乱剤及びその用途
JP6295825B2 (ja) * 2014-01-09 2018-03-20 株式会社リコー インクジェット用水性インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録物の製造方法及びインクジェット記録装置
JP6087391B2 (ja) * 2015-06-09 2017-03-01 日立マクセル株式会社 インクジェット記録用水性顔料インク

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017125095A (ja) 2017-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6187022B2 (ja) 水性インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録物
JP5757405B2 (ja) インクジェット用記録インクセット及びこれを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法及び画像形成物
WO2017126345A1 (ja) インク、インクと基材のセット、インクジェット印刷方法、インクジェット印刷装置、及び印刷物
JP7124564B2 (ja) インク、収容容器、記録装置、記録セット、及び記録方法
JP2015034283A (ja) 水性インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェット記録物
JP6776648B2 (ja) インク、インクセット、インク収容容器、インクジェット記録方法、記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物
JP6613904B2 (ja) インクジェット用インク及びインクジェット記録方法
JP6743373B2 (ja) 水系インク、及びインクジェット記録方法
JP2018094851A (ja) 洗浄液、洗浄方法および印刷装置
JP2017222744A (ja) インクセット、印刷物、印刷方法、及び印刷装置
JP2019038117A (ja) 画像形成方法、画像形成装置及び印刷物の製造方法
JP7073824B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット用インクセット、インク収容容器、およびインクジェット記録方法
JP6794623B2 (ja) インク、及びインクジェット記録方法
JP2017210528A (ja) インクセット、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物
JP2018127521A (ja) インク、インク収容容器、インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法並びに記録物
JP6866734B2 (ja) 印刷方法
JP2020152743A (ja) インク、インク収容容器、記録装置、及び記録方法
JP2017088839A (ja) インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物
JP2019064250A (ja) 画像形成方法、画像形成装置及び印刷物の製造方法
JP2020062783A (ja) 画像形成方法及びインクセット
JP6627516B2 (ja) インク、及びインクジェット記録方法
JP7331540B2 (ja) 表面処理液組成物とインクのセット、印刷方法、及び印刷装置
JP2018109118A (ja) インク、インクセット、インクカートリッジ、印刷方法および印刷装置
JP6610879B2 (ja) インク及びインクジェット記録方法
JP6064471B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、画像形成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191021

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6613904

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04