JP2019160992A - チップ抵抗器、およびチップ抵抗器の製造方法 - Google Patents

チップ抵抗器、およびチップ抵抗器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 一対の外部電極に形成される空隙を抑制することが可能なチップ抵抗器、およびその製造方法を提供する。【解決手段】 上面11、裏面12および一対の側面13を有する基板10と、上面11に接する一対の上面電極31と、一対の上面電極31に導通する抵抗体20と、裏面12に接する一対の裏面電極32と、一対の側面13に個別に接し、かつ一対の上面電極31および一対の裏面電極32の双方に個別に導通する一対の側方電極33と、一対の上面電極31、一対の裏面電極32および一対の側方電極33を個別に覆う一対の外部電極34と、を備え、一対の側方電極33の各々は、上面電極31の一部を覆い、かつ上面11から厚さ方向zに向けて膨出する上面部331と、裏面電極32の一部を覆い、かつ裏面12から厚さ方向zに膨出する裏面部332と、側面13を覆い、かつ側面13に沿った形状である側面部333を有する。【選択図】 図5

Description

本発明は、チップ抵抗器、およびその製造方法に関する。
従来、様々な電子機器の配線基板に表面実装されるチップ抵抗器が広く知られている。特許文献1には、チップ抵抗器の一例が開示されている。当該チップ抵抗器は、絶縁基板と、絶縁基板の両端にそれぞれ配置された一対の上面電極および一対の裏面電極と、一対の上面電極に導通する抵抗体と、一対の上面電極と一対の裏面電極とを相互に導通させる一対の側方電極(端面電極)とを備える。一対の側方電極は、絶縁基板の一対の側面に個別に接している。当該チップ抵抗器は、一対の上面電極、裏面電極および側方電極を覆う一対の外部電極をさらに備える。一対の外部電極の各々は、上面電極、裏面電極および端面電極を覆うニッケルめっき層と、ニッケルめっき層を覆う錫めっき層とを含む。
当該チップ抵抗器では、一対の側方電極は、銀などが含有された導電性ペーストを絶縁基板の一対の側面、一対の上面電極および一対の裏面電極に塗布した後、当該ペーストを乾燥させることにより形成される。一対の側方電極の形成にかかる当該ペーストにおいては、一対の側面に塗布される体積割合が最も高い。このため、一対の側方電極では、一対の側面に個別に接する部分を中心に、当該ペーストに取り込まれていた気泡により空隙が形成される。
当該チップ抵抗器の使用時において、温度サイクルにより一対の側方電極に亀裂が発生することがある。これは、一対の側方電極に熱応力が繰り返し作用するためである。特に一対の側面に個別に接する部分では、形成された空隙の体積比が比較的高くなるため、繰り返し熱応力に対する耐力が低下し、亀裂が発生しやすくなると考えられる。
特開2008−53251号公報
本発明は上記事情に鑑み、一対の側方電極に亀裂が発生することを抑制可能なチップ抵抗器、およびその製造方法を提供することをその課題とする。
本発明の第1の側面によれば、厚さ方向において互いに反対側を向く上面および裏面を有し、並びに前記厚さ方向に対して直交する第1方向において互いに離間し、かつ前記上面および前記裏面の双方につながる一対の側面を有する基板と、前記第1方向において互いに離間し、かつ前記上面に接する一対の上面電極と、前記上面に配置され、かつ一対の前記上面電極に導通する抵抗体と、前記第1方向において互いに離間し、かつ前記裏面に接する一対の裏面電極と、一対の前記側面に個別に接し、かつ一対の前記上面電極および一対の前記裏面電極の双方に個別に導通する一対の側方電極と、一対の前記上面電極、一対の前記裏面電極および一対の前記側方電極を個別に覆う一対の外部電極と、を備え、一対の前記側方電極の各々は、前記上面電極の一部を覆う上面部と、前記裏面電極の一部を覆う裏面部と、前記側面を覆い、かつ前記上面部および前記裏面部の双方につながる側面部と、を有し、一対の前記上面部は、前記上面から前記厚さ方向に向けて膨出しており、一対の前記裏面部は、前記裏面から前記厚さ方向に向けて膨出しており、一対の前記側面部は、一対の前記側面に沿った形状であることを特徴とするチップ抵抗器が提供される。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記側方電極の構成材料は、金属粒子および合成樹脂を含む。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記上面部の各々は、前記厚さ方向において前記上面から最も離れた頂部と、前記第1方向において前記頂部の両側に位置する一対の上部膨出面と、を有し、前記厚さ方向および前記第1方向の双方に対して直交する第2方向から視て、一対の前記上部膨出面は、全体にわたって前記上面から離れる向きに膨らんだ弧をなしている。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記上面電極の各々は、前記厚さ方向において前記上面が向く側を向く第1表面を有し、一対の前記側面部の各々の厚さは、前記第1表面から前記頂部までにおける一対の前記上面部の各々の厚さよりも小である。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記裏面部の各々は、前記厚さ方向において前記裏面から最も離れた底部と、前記第1方向において前記底部の両側に位置する一対の裏部膨出面と、を有し、前記第2方向から視て、一対の前記裏部膨出面は、全体にわたって前記裏面から離れる向きに膨らんだ弧をなしている。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記裏面電極の各々は、前記厚さ方向において前記裏面が向く側を向く第2表面を有し、一対の前記側面部の各々の厚さは、前記第2表面から前記底部までにおける一対の前記裏面部の各々の厚さよりも小である。
本発明の実施において好ましくは、前記第2表面から前記底部までにおける一対の前記裏面部の各々の厚さは、前記第1表面から前記頂部までにおける一対の前記上面部の各々の厚さよりも小である。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記裏面電極の各々の厚さは、一対の前記上面電極の各々の厚さよりも小である。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記裏面電極の構成材料は、銀およびガラスを含む。
本発明の実施において好ましくは、前記基板は、前記第1方向における前記裏面の両端に位置し、かつ前記裏面および一対の前記側面の双方に対して傾斜する一対の裏部切欠面を有し、前記第1方向において、一対の前記裏面電極は、前記裏面と一対の前記裏部切欠面との境界よりも前記裏面の内方に位置する。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記外部電極の各々は、前記上面電極、前記裏面電極および前記側方電極を覆う第1外部電極と、前記第1外部電極を覆う第2外部電極と、を含み、一対の前記第2外部電極の構成材料は、錫を含む。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記第1外部電極の構成材料は、ニッケルを含む。
本発明の実施において好ましくは、前記抵抗体と、一対の前記上面電極のそれぞれ一部ずつと、を覆う上部保護層をさらに備え、一対の前記上面部は、前記上部保護層に接している。
本発明の実施において好ましくは、前記抵抗体と前記上部保護層とに挟まれた下部保護層をさらに備え、前記下部保護層の構成材料は、ガラスを含む。
本発明の第2の側面によれば、厚さ方向において互いに反対側を向く上面および裏面を有する基材において、前記厚さ方向に対して直交する第1方向に離間し、かつ前記裏面に接する複数の裏面電極を形成する工程と、前記厚さ方向から視て複数の前記裏面電極に重なり、かつ前記上面に接する複数の上面電極を形成する工程と、前記第1方向において隣り合う2つの前記上面電極に接する抵抗体を形成する工程と、前記厚さ方向および前記第1方向の双方に対して直交する第2方向に沿って前記基材を分割することにより、前記第1方向を向き、かつ前記上面および前記裏面の双方につながる一対の側面を前記基材に形成する工程と、複数の前記裏面電極および複数の前記上面電極のそれぞれ一部ずつに接し、かつ一対の前記側面に個別に接する一対の側方電極を形成する工程と、前記第1方向に沿って前記基材を分割することにより、複数の前記抵抗体が個別に搭載された複数の個片を形成する工程と、複数の前記個片の各々において、一対の前記裏面電極、一対の前記上面電極および一対の前記側方電極を個別に覆う一対の外部電極を形成する工程と、を備え、一対の前記側方電極を形成する工程では、複数の前記裏面電極および複数の前記上面電極のそれぞれ一部ずつと、一対の前記側面と、に金属粒子および合成樹脂を含むペーストを塗布した後、前記ペーストにおいて一対の前記側面を覆う部分の各々を平板部材に押し当てることを特徴とするチップ抵抗器の製造方法が提供される。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記側方電極を形成する工程では、前記ペーストにおいて一対の前記側面を覆う部分の各々を平板部材に複数回ずつ押し当てる。
本発明の実施において好ましくは、一対の前記外部電極を形成する工程では、電解バレルめっきにより一対の前記外部電極が形成される。
本発明にかかるチップ抵抗器、およびその製造方法によれば、一対の側方電極に亀裂が発生することを抑制可能となる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態にかかるチップ抵抗器の平面図である。 図1に対して一対の外部電極、および上部保護層の図示を省略した平面図である。 図1に示すチップ抵抗器の底面図である。 図3に対して一対の外部電極、および上部保護層の図示を省略した底面図である。 図1のV−V線に沿う断面図である。 図5の部分拡大図(上面電極周辺)である。 図5の部分拡大図(裏面電極周辺)である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する底面図である。 図8のIX−IX線に沿う断面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する平面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する平面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する平面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する平面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する平面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する平面図である。 図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する断面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する断面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する断面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する断面図である。 図20の部分拡大図(上面電極周辺)である。 図20の部分拡大図(裏面電極周辺)である。 図1に示すチップ抵抗器の製造工程を説明する平面図である。 図23のXXIV−XXIV線に沿う断面図である。 図1に示すチップ抵抗器の作用効果を説明する部分拡大断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるチップ抵抗器の断面図である。 図26の部分拡大図(上面電極付近)である。 図26の部分拡大図(裏面電極付近)である。
本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について、添付図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1〜図6に基づき、本発明の第1実施形態にかかるチップ抵抗器A10について説明する。チップ抵抗器A10は、基板10、抵抗体20、一対の電極30、下部保護層41および上部保護層42を備える。なお、図2および図4は、理解の便宜上、一対の電極30を構成する一対の外部電極34(詳細は後述)、および上部保護層42の図示を省略している。
チップ抵抗器A10の説明においては、便宜上、基板10の厚さ方向を「厚さ方向z」と呼ぶ。厚さ方向zに対して直交する一方向を「第1方向x」と呼ぶ。厚さ方向zおよび第1方向xの双方に対して直交する方向を「第2方向y」と呼ぶ。「厚さ方向z」、「第1方向x」および「第2方向y」は、後述するチップ抵抗器A20の説明においても適用する。
チップ抵抗器A10は、様々な電子機器の配線基板に表面実装される。チップ抵抗器A10は、当該配線基板に流れる電流を制限する、または電流を検出するという機能を有する。チップ抵抗器A10は、厚膜(メタルグレーズ皮膜)型の抵抗器である。図1に示すように、厚さ方向zから視て、チップ抵抗器A10は矩形状である。第1方向xは、厚さ方向zから視たチップ抵抗器A10の長手方向に相当する。
基板10は、図1および図5に示すように、抵抗体20、一対の電極30、下部保護層41および上部保護層42が配置された電気絶縁部材である。厚さ方向zから視て、基板10は、第1方向xに沿った一対の周縁を長辺とする矩形状である。チップ抵抗器A10の使用の際、抵抗体20から熱が発生するため、基板10は、放熱性に優れていることが求められる。このため、基板10の構成材料は、熱伝導率が比較的高いことが望ましい。チップ抵抗器A10では、基板10の構成材料は、アルミナ(Al23)である。図5に示すように、基板10は、上面11、裏面12、一対の側面13、一対の上部切欠面141および一対の裏部切欠面142を有する。
図5に示すように、上面11および裏面12は、厚さ方向zにおいて互いに反対側を向く。上面11は、図5の上方を向く。上面11には、抵抗体20が配置される。裏面12は、図5の下方を向く。チップ抵抗器A10を配線基板に実装した際、裏面12は、当該配線基板に対向する。上面11および裏面12は、ともに平坦である。
図2、図4および図5に示すように、一対の側面13は、第1方向xにおいて互いに離間している。一対の側面13は、上面11および裏面12の双方につながっている。これにより、一対の側面13は、第1方向xにおいて互いに反対側を向く。チップ抵抗器A10では、一対の側面13は、第1方向xに対して直交している。
図5に示すように、一対の上部切欠面141は、第1方向xにおける上面11の両端に位置する。一対の上部切欠面141の各々は、上面11および側面13の双方につながっている。また、一対の上部切欠面141の各々は、上面11および側面13の双方に対して傾斜している。
図5に示すように、一対の裏部切欠面142は、第1方向xにおける裏面12の両端に位置する。一対の裏部切欠面142の各々は、裏面12および側面13の双方につながっている。また、一対の裏部切欠面142の各々は、裏面12および側面13の双方に対して傾斜している。
抵抗体20は、図1、図2および図5に示すように、基板10の上面11に配置され、かつ一対の電極30に導通する受動素子である。厚さ方向zから視て、抵抗体20は、第1方向xに延びる帯状である。チップ抵抗器A10では、抵抗体20の構成材料は、金属粒子およびガラスを含む。当該金属粒子は、酸化ルテニウム(RuO2)、または銀(Ag)−パラジウム(Pd)合金などである。
図2および図5に示すように、抵抗体20には、厚さ方向zに貫通するトリミング溝21が形成されている。トリミング溝21は、抵抗体20と、抵抗体20を覆う下部保護層41との双方に一体となって形成されている。厚さ方向zから視て、トリミング溝21はL字状である。第2方向yにおける抵抗体20の一端の一部は、トリミング溝21により開口している。
一対の電極30は、図1〜図5に示すように、第1方向xにおいて互いに離間した状態で基板10に配置された導電部材である。一対の電極30は、第1方向xにおける抵抗体20の両端において抵抗体20に導通している。チップ抵抗器A10を配線基板に実装した際、一対の電極30は、当該配線基板にハンダ接合される。これにより、一対の電極30は、抵抗体20と当該配線基板との導電経路を構成している。図1〜図5に示すように、一対の電極30の各々は、上面電極31、裏面電極32、側方電極33および外部電極34を備える。
一対の上面電極31は、図2および図5に示すように、第1方向xにおいて互いに離間した状態で基板10の上面11に接している。一対の上面電極31は、第1方向xにおける抵抗体20の両端に接している。これにより、一対の上面電極31は、抵抗体20に導通している。一対の上面電極31は、第2方向yに延びる帯状である。一対の上面電極31の構成材料は、銀およびガラスを含む。図6に示す一対の上面電極31の各々の厚さtaは、6〜7μmである。
図6に示すように、一対の上面電極31の各々は、厚さ方向zにおいて基板10の上面11が向く側を向く第1表面31Aを有する。一対の上面電極31は、基板10の一対の上部切欠面141に個別に接している。一対の上面電極31の各々には、上面凹部311が形成されている。上面凹部311は、第1方向xにおける上面電極31の一端に位置する。上面凹部311は、第1表面31Aから上部切欠面141に向けて凹んでいる。
一対の裏面電極32は、図4および図5に示すように、第1方向xにおいて互いに離間した状態で基板10の裏面12に接している。一対の裏面電極32は、第2方向yに延びる帯状である。図7に示すように、第1方向xにおいて、一対の裏面電極32は、裏面12と基板10の一対の裏部切欠面142との境界よりも裏面12の内方に位置する。これにより、裏面12には、第1方向xにおいて、裏面12と裏部切欠面142との境界と、裏面電極32との間に隙間121が設けられている。一対の上面電極31の構成材料は、銀およびガラスを含む。
図7に示すように、一対の裏面電極32は、基板10の裏面12に沿った形状である。一対の裏面電極32の各々の厚さtbは、3〜4μmである。したがって、一対の裏面電極32の各々の厚さtbは、一対の上面電極31の各々の厚さtaよりも小である。一対の裏面電極32の各々は、厚さ方向zにおいて裏面12が向く側を向く第2表面32Aを有する。
一対の側方電極33は、図2、図4および図5に示すように、基板10の一対の側面13に個別に接している。一対の側方電極33は、一対の上面電極31および一対の裏面電極32の双方に個別に導通している。一対の側方電極33の構成材料は、金属粒子および合成樹脂を含む。当該金属粒子は、たとえば銀粒子である。当該合成樹脂は、たとえばエポキシ樹脂である。
図5に示すように、一対の側方電極33の各々は、上面部331、裏面部332および側面部333を有する。
図2および図5に示すように、一対の上面部331の各々は、厚さ方向zから視て基板10の上面11に重なり、かつ上面電極31の一部を覆っている。これにより、一対の上面部331は、一対の上面電極31に個別に導通している。一対の上面部331は、上面11から厚さ方向zに向けて膨出している。図6に示すように、一対の上面部331の各々は、頂部331Aおよび一対の上部膨出面331Bを有する。
図6に示すように、頂部331Aは、厚さ方向zにおいて基板10の上面11から最も離れて位置する上面部331の表面の一部である。上面電極31の第1表面31Aから頂部331Aまでにおける、一対の上面部331の各々の厚さtc1は、20〜25μmである。
図6に示すように、一対の上部膨出面331Bは、第1方向xにおいて頂部331Aの両側に位置する上面部331の表面の一部である。第2方向yから視て、一対の上部膨出面331Bは、全体にわたって基板10の上面11から離れる向きに膨らんだ弧をなしている。
図4および図5に示すように、一対の裏面部332の各々は、厚さ方向zから視て基板10の裏面12に重なり、かつ裏面電極32の一部を覆っている。これにより、一対の裏面部332は、一対の裏面電極32に個別に導通している。図7に示すように、一対の裏面部332は、裏面12から厚さ方向zに向けて膨出している。一対の裏面部332の各々は、底部332Aおよび一対の裏部膨出面332Bを有する。
図7に示すように、底部332Aは、厚さ方向zにおいて基板10の裏面12から最も離れて位置する裏面部332の表面の一部である。裏面電極32の第2表面32Aから底部332Aまでにおける、一対の裏面部332の各々の厚さtc2は、15μm以上かつ20μm未満である。したがって、一対の裏面部332の各々の厚さtc2は、一対の上面部331の各々の厚さtc1よりも小である。
図7に示すように、一対の裏部膨出面332Bは、第1方向xにおいて底部332Aの両側に位置する裏面部332の表面の一部である。第2方向yから視て、一対の裏部膨出面332Bは、全体にわたって基板10の裏面12から離れる向きに膨らんだ弧をなしている。
図5〜図7に示すように、一対の側面部333は、基板10の一対の側面13を個別に覆っている。一対の側面部333の各々は、厚さ方向zにおける側面部333の両端において上面部331および裏面部332の双方につながっている。これにより、一対の側方電極33は、一対の上面電極31および一対の裏面電極32の双方に個別に導通することとなる。一対の側面部333は、一対の側面13に沿った形状である。チップ抵抗器A10では、一対の側面部333は、第1方向xに対して平坦である。
図6および図7に示すように、一対の側面部333の各々の厚さtc3は、12〜13μmである。したがって、一対の側面部333の各々の厚さtc3は、一対の上面部331の各々の厚さtc1と、一対の裏面部332の各々の厚さtc2との双方よりも小である。
一対の外部電極34は、図1、図3および図5に示すように、一対の上面電極31、一対の裏面電極32および一対の側方電極33を個別に覆っている。これにより、一対の外部電極34は、一対の上面電極31、一対の裏面電極32および一対の側方電極33のいずれにも導通している。
図5および示すように、一対の外部電極34の各々は、第1実装部341および第2実装部342を有する。一対の第1実装部341は、一対の裏面電極32、および一対の側方電極33の裏面部332の双方を個別に覆っている。一対の第2実装部342は、一対の側方電極33の側面部333を個別に覆っている。これにより、一対の第2実装部342は、一対の側面13および一対の側面部333の双方に沿った形状である。チップ抵抗器A10では、一対の第2実装部342は、第1方向xに対して平坦である。
図5〜図7に示すように、一対の外部電極34の各々は、第1外部電極34Aおよび第2外部電極34Bを含む。一対の第1外部電極34Aの各々は、上面電極31、裏面電極32および側方電極33を覆っている。一対の第1外部電極34Aの構成材料は、ニッケル(Ni)を含む。一対の第2外部電極34Bの各々は、第1外部電極34Aを覆っている。一対の第2外部電極34Bの構成材料は、錫(Sn)を含む。
下部保護層41は、図2および図5に示すように、抵抗体20の一部を覆っている。下部保護層41は、抵抗体20と上部保護層42とに挟まれている。第1方向xにおける下部保護層41の両端から、抵抗体20が第1方向xに向けてはみ出している。下部保護層41には、先述したトリミング溝21が形成されている。下部保護層41の構成材料は、ガラスを含む。
上部保護層42は、図1および図5に示すように、抵抗体20と、一対の上面電極31のそれぞれ一部ずつとを覆っている。抵抗体20を覆う上部保護層42の領域には、下部保護層41を介して抵抗体20を覆う部分が存在する。上部保護層42は、さらに基板10の上面11の一部も覆っている。図6に示すように、一対の側方電極33の上面部331は、第1方向xにおいて上部保護層42に接している。上部保護層42の構成材料は、たとえば黒色のエポキシ樹脂である。
次に、図8〜図24に基づき、チップ抵抗器A10の製造方法の一例について説明する。なお、図17〜図20が示す断面位置は、図16が示す断面位置と同一である。
最初に、図8に示すように、厚さ方向zにおいて互いに離間した上面811および裏面812を有するシート状の基材81において、裏面812に接する複数の裏面電極82を形成する。裏面812には、第2方向yに沿った複数の一次溝81Aと、第1方向xに沿った複数の二次溝81Bとが設けられている。複数の一次溝81Aおよび複数の二次溝81Bは、ともに裏面812から厚さ方向zに凹んでいる。複数の一次溝81Aおよび複数の二次溝81Bは、上面811にも設けられている。上面811における複数の一次溝81Aおよび複数の二次溝81Bの形成位置は、裏面812における複数の一次溝81Aおよび複数の二次溝81Bの形成位置に対応している。上面811および裏面812において、複数の一次溝81Aおよび複数の二次溝81Bにより区画された複数の領域80の各々が、チップ抵抗器A10の基板10に相当する。基材81の構成材料は、たとえばアルミナである。
図8に示すように、複数の裏面電極82は、基材81の裏面812に位置する複数の領域80において、第1方向xにおいて互いに離間した状態で個別に形成される。複数の領域80の各々において、領域80を区画する一対の一次溝81Aの間に一対の裏面電極82が形成される。一対の裏面電極82が、チップ抵抗器A10の一対の裏面電極32に相当する。これにより、図9に示すように、第1方向xにおいて一次溝81Aと裏面電極82との間に位置する裏面812には、隙間812Aが設けられる。複数の裏面電極82は、銀粒子およびガラスフリットが含有されたペーストを裏面812に印刷した後、当該ペーストを焼成することにより形成される。
次いで、図10に示すように、基材81の上面811に接する複数の上面電極83を形成する。複数の上面電極83は、厚さ方向zから視て複数の裏面電極82に重なり、かつ上面811に設けられた複数の一次溝81Aを跨いで形成される。これにより、複数の上面電極83の各々は、上面811に位置し、かつ第1方向xにおいて隣り合う2つの領域80の双方に接している。また、複数の領域80の各々には、第1方向xにおいて互いに離間した一対の上面電極83のそれぞれ一部が形成される。一対の上面電極83のそれぞれ一部が、チップ抵抗器A10の一対の上面電極31に相当する。複数の上面電極83は、銀粒子およびガラスフリットが含有されたペーストを裏面812に印刷した後、当該ペーストを焼成することにより形成される。
次いで、図11に示すように、基材81の上面811と、第1方向xにおいて隣り合う2つの上面電極83との双方に接する抵抗体84を形成する。複数の抵抗体84は、上面811に位置する複数の領域80に個別に形成される。複数の領域80の各々における抵抗体84が、チップ抵抗器A10の抵抗体20に相当する。複数の抵抗体84は、金属粒子およびガラスフリットが含有されたペーストを裏面812に印刷した後、当該ペーストを焼成することにより形成される。当該金属粒子は、酸化ルテニウム、または銀−パラジウム合金などである。
次いで、図12に示すように、複数の抵抗体84を個別に覆う下部保護層851を形成する。複数の下部保護層851の各々が、チップ抵抗器A10の下部保護層41に相当する。複数の下部保護層851は、ガラスペーストを複数の抵抗体84に個別に印刷した後、当該ガラスペーストを焼成することにより形成される。
次いで、図13に示すように、厚さ方向zに貫通する複数のトリミング溝841を、複数の抵抗体84および複数の下部保護層851の双方に個別に形成する。複数のトリミング溝841の各々が、チップ抵抗器A10の抵抗体20および下部保護層41の双方に形成されたトリミング溝21に対応する。複数のトリミング溝841は、レーザトリミング装置により形成される。
複数のトリミング溝841の各々は、次の手順により形成される。最初に、トリミング溝841の形成対象となる抵抗体84の第1方向xにおける両端に、抵抗値測定用のプローブを接触させる。次いで、第2方向yにおける抵抗体84の一端から、抵抗体84および下部保護層851の双方を厚さ方向zに貫通する溝を第2方向yに沿って形成する。抵抗体84の抵抗値が所定の値(チップ抵抗器A10の抵抗値)に近い値になるまで溝を形成した後、当該溝の終端から今度は第1方向xに沿った溝を形成する。抵抗体84の抵抗値が所定の値となったとき、当該溝の形成を終了する。以上より、複数のトリミング溝841の各々が形成される。
次いで、図14に示すように、複数の抵抗体84および複数の下部保護層851の双方と、複数の上面電極83のそれぞれ一部ずつとを覆う複数の上部保護層852を形成する。複数の上部保護層852は、第1方向xにおいて互いに離間した状態で、かつ第2方向yに延びる帯状となるように形成される。複数の上部保護層852は、基材81の上面811に設けられた複数の二次溝81Bを跨いでいる。上面811に位置する複数の領域80における上部保護層852の一部が、チップ抵抗器A10の上部保護層42に相当する。複数の上部保護層852は、エポキシ樹脂を主剤としたペーストを複数の抵抗体84および複数の下部保護層851の双方に一体となって印刷した後、当該ペーストを熱硬化させることにより形成される。
次いで、図15および図16に示すように、第2方向yに延びる複数の一次溝81Aに沿って基材81を分割することにより、一対の側面813を基材81に形成する。一対の側面813は、第1方向xを向き、かつ上面811および裏面812の双方につながっている。チップ抵抗器A10の製造においては、一対の側面813は、第1方向xに対して直交している。本工程により、基材81は、第2方向yに延びる帯状をなした複数の基材81に分割される。
図16に示すように、基材81の上面811に設けられた複数の一次溝81Aが第1方向xに分断されることにより、第1方向xにおいて互いに離間した一対の上部切欠面814Aが基材81に現れる。複数の領域80の各々に現れる一対の上部切欠面814Aが、チップ抵抗器A10の基板10の一対の上部切欠面141に相当する。また、基材81の裏面812に設けられた複数の一次溝81Aが第1方向xに分断されることにより、第1方向xにおいて互いに離間した一対の裏部切欠面814Bが基材81に現れる。複数の領域80の各々に現れる一対の裏部切欠面814Bが、チップ抵抗器A10の基板10の一対の裏部切欠面142に相当する。厚さ方向zにおいて、一対の側面813は、一対の上部切欠面814Aと一対の裏部切欠面814Bとに挟まれている。
次いで、図17〜図20に示すように、基材81の一対の側面813に個別に接する一対の側方電極86を形成する。一対の側方電極86は、複数の裏面電極82および複数の上面電極83のそれぞれ一部ずつに接している。複数の領域80の各々における一対の側方電極86が、チップ抵抗器A10の一対の側方電極33に相当する。以下、一対の側方電極86の形成手順について説明する。
まず、図17に示すように、複数の裏面電極82および複数の上面電極83のそれぞれ一部ずつと、基材81の一対の側面813とにペースト86Aを塗布する。ペースト86Aにおいて一対の側面13を覆う部分の各々は、側面13から第1方向xに向けて膨出している。ペースト86Aは、金属粒子および合成樹脂を含む。当該金属粒子は、たとえば銀粒子である。当該合成樹脂は、たとえばエポキシ樹脂である。
次いで、図18に示すように、ペースト86Aにおいて基材81の一対の側面13を覆う部分の各々を平板部材89に押し当てる。平板部材89の構成材料は、たとえば基材81と同じくアルミナである。平板部材89は、第1方向xに対して平坦である。ペースト86Aにおいて一対の側面13を覆う部分の各々は、平板部材89に接触して第1方向xに押しつぶされた形状となる。
次いで、図19に示すように、平板部材89に押し当てた基材81を、平板部材89から離す。このとき、基材81の一対の側面13の各々を覆うペースト86Aの一部ずつが、転写体86Bとして平板部材89に取り残される。この後、ペースト86Aを乾燥させることにより、一対の側方電極86が形成される。
ペースト86Aにおいて一対の側面13を覆う部分の各々を平板部材89に複数回ずつ押し当てることが好ましい。当該部分の各々を平板部材89に押し当てる回数は、2回ずつであることが、より好ましい。
図20は、図17〜図19に示す工程により一対の側方電極86が形成された基材81の状態を示している。一対の側方電極86の各々は、上面部861、裏面部862および側面部863を有する。上面部861は、厚さ方向zから視て基材81の上面811に重なり、かつ上面電極83の一部を覆っている。上面部861が、チップ抵抗器A10の側方電極33の上面部331に相当する。裏面部862は、厚さ方向zから視て基材81の裏面812に重なり、かつ裏面電極82の一部を覆っている。裏面部862が、チップ抵抗器A10の側方電極33の裏面部332に相当する。側面部863は、側面813を覆っている。側面部863が、側面部863が、チップ抵抗器A10の側方電極33の側面部333に相当する。
図21に示すように、一対の側方電極86の上面部861の各々は、頂部861Aおよび一対の上部膨出面861Bを有する。頂部861Aは、厚さ方向zにおいて基材81の上面811から最も離れて位置する上面部861の表面の一部である。頂部861Aが、チップ抵抗器A10の上面部331(側方電極33)の頂部331Aに相当する。一対の上部膨出面861Bは、第1方向xにおいて頂部861Aの両側に位置する上面部861の表面の一部である。一対の上部膨出面861Bが、チップ抵抗器A10の上面部331の上部膨出面331Bに相当する。
図22に示すように、一対の側方電極86の裏面部862の各々は、底部862Aおよび一対の裏部膨出面862Bを有する。底部862Aは、厚さ方向zにおいて基材81の裏面812から最も離れて位置する裏面部862の表面の一部である。底部862Aが、チップ抵抗器A10の裏面部332(側方電極33)の底部332Aに相当する。一対の裏部膨出面862Bは、第1方向xにおいて底部862Aの両側に位置する裏面部862の表面の一部である。一対の裏部膨出面862Bが、チップ抵抗器A10の裏面部332の裏部膨出面332Bに相当する。
次いで、図23に示すように、第1方向xに延びる複数の二次溝81Bに沿って帯状をなす基材81を分割することにより、複数の抵抗体84が個別に搭載された複数の個片87を形成する。個片87となった基材81が、チップ抵抗器A10の基板10に相当する。個片87となった基材81には、一対の裏面電極82、一対の上面電極83、抵抗体84、下部保護層851および上部保護層852および一対の側方電極86が配置されている。
最後に、図24に示すように、複数の個片87の各々において、一対の裏面電極82、一対の上面電極83および一対の側方電極86を個別に覆う一対の外部電極88を形成する。一対の外部電極88が、チップ抵抗器A10の一対の外部電極34に相当する。一対の外部電極88の各々は、第1外部電極88Aおよび第2外部電極88Bを含む。第1外部電極88Aが、チップ抵抗器A10の外部電極34の第1外部電極34Aに相当する。第2外部電極88Bが、チップ抵抗器A10の外部電極34の第2外部電極34Bに相当する。
一対の第1外部電極88Aおよび一対の第2外部電極88Bは、それぞれ電解バレルめっきにより形成される。一対の第1外部電極88Aは、個片87から露出した一対の裏面電極82、一対の上面電極83および一対の側方電極86にニッケルを析出させることにより形成される。一対の第2外部電極88Bは、一対の第1外部電極87Aに錫を析出させることにより形成される。以上の工程を経ることによって、チップ抵抗器A10が製造される。
図24に示すように、一対の外部電極88の各々は、第1実装部881および第2実装部882を有する。一対の第1実装部881は、一対の裏面電極82、および一対の側方電極86の裏面部862の双方を個別に覆っている。一対の第1実装部881が、チップ抵抗器A10の一対の外部電極34の第1実装部341に相当する。一対の第2実装部882は、一対の側方電極86の側面部863を個別に覆っている。一対の第2実装部882が、チップ抵抗器A10の一対の外部電極34の第2実装部342に相当する。
次に、チップ抵抗器A10、およびチップ抵抗器A10の製造方法の作用効果について説明する。
チップ抵抗器A10の構成によれば、一対の側方電極33の各々は、上面部331、裏面部332および側面部333を有する。図5および図6に示すように、一対の上面部331は、基板10の上面11から厚さ方向zに向けて膨出している。図5および図7に示すように、一対の裏面部332は、基板10の裏面12から厚さ方向zに向けて膨出している。図5〜図7に示すように、一対の側面部333は、基板10の一対の側面13に沿った形状である。これにより、一対の側面部333の厚さを、より均一、かつより薄くすることが可能であり、一対の側面部333に形成される空隙を減少させることができる。このため、一対の側面部333の繰り返し熱応力に対する耐力が向上する。したがって、チップ抵抗器A10によれば、一対の側方電極33に亀裂が発生することを抑制可能となる。
一対の側方電極33の各々において、上面部331、裏面部332および側面部333の各形状は、一対の側方電極33の構成材料が金属粒子および合成樹脂を含むことにより具現される。
図25は、チップ抵抗器A10を配線基板50に実装したときの状態を示している。チップ抵抗器A10は、導電接合層51により配線基板50に接合される。導電接合層51は、一対の第2外部電極34B(外部電極34)とハンダとの合金である。導電接合層51は、第1実装部341および第2実装部342(外部電極34の第1外部電極34A)の双方に接している。一対の外部電極34に形成される空隙が抑制されることにより、導電接合層51に発生する気泡が減少する。したがって、チップ抵抗器A10によれば、配線基板50に対するチップ抵抗器A10の実装強度の低下を抑制することができる。
チップ抵抗器A10の製造方法によれば、一対の側方電極86を形成する工程では、ペースト86Aにおいて基材81の一対の側面813を覆う部分の各々を平板部材89に押し当てる。これにより、一対の側面部333(側方電極33)に相当する一対の側面部863が形成される。当該部分を平板部材89に押し当てた後に基材81を平板部材89から離した際、図19に示すように、平板部材89には、一対の側面813を覆うペースト86Aの一部である転写体86Bが取り残される。一対の側面813を覆うペースト86Aを平板部材89に押し当てると、当該ペースト86Aに取り込まれていた気泡の一部が転写体86Bに移るため、ペースト86Aに残存する気泡が減少する。したがって、本工程により形成された一対の側面部863において、空隙の形成を減少させることができる。
一対の側方電極86を形成する工程では、ペースト86Aにおいて基材81の一対の側面813を覆う部分の各々を平板部材89に複数回ずつ押し当てることが、本工程により形成された一対の側面部863の表面に露出する気泡をより効果的に抑制できる。当該部分の各々を平板部材89に押し当てる回数は、それぞれ2回ずつであることが好ましい。仮に、当該部分の各々を平板部材89に3回以上ずつ押し当てると、一対の側面部863の各々の厚さが極度に小となり、図23に示す個片87において、一対の裏面電極82と一対の上面電極83との相互導通に支障が生じる恐れがある。また、一対の側面部863を個別に覆う一対の外部電極88の第2実装部882の形成されにくくなる恐れがある。
一対の側方電極33の裏面部332は、一対の裏面電極32の一部を個別に覆っている。一対の裏面部332は、基板10の裏面12から厚さ方向zに向けて膨出している。これにより、一対の裏面部332に覆われた一対の裏面電極32の部分の表面に気泡が露出していた場合であっても、一対の裏面部332により当該気泡が覆われる。したがって、一対の外部電極34の各々において、裏面部332を覆う第1実装部341に形成される空隙を抑制できる。
基板10は、第1方向xにおける裏面12の両端に位置する一対の裏部切欠面142を有する。第1方向xにおいて、一対の裏面電極32は、裏面12と一対の裏部切欠面142との境界よりも裏面12の内方に位置する。これにより、チップ抵抗器A10の製造において、図15および図16に示すように、一次溝81Aに沿って基材81を分割する際、複数の裏面電極82に損傷が発生することを防止できる。複数の裏面電極82は、複数の上面電極83よりも曲げに対して弱い。これは、一対の裏面電極32の各々の厚さは、一対の上面電極31各々の厚さよりも小であるためと、一対の裏面電極32がガラスを含むためである。
〔第2実施形態〕
図26〜図28に基づき、本発明の第2実施形態にかかるチップ抵抗器A20について説明する。これらの図において、先述したチップ抵抗器A10と同一または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。なお、図26が示す断面位置は、図5が示す断面位置と同一である。
チップ抵抗器A20では、基板10、一対の側方電極33の側面部333、および一対の外部電極34の第2実装部342の構成が、先述したチップ抵抗器A10と異なる。
図26〜図28に示すように、基板10の一対の側面13は、第1方向xにおいて上面11および裏面12の双方から離れる向きに膨出している。これにより、一対の側面13は、一対の上部切欠面141および一対の裏部切欠面142の双方に対して、第1方向xにおいて基板10から離れる側に位置する。
一対の側方電極33の側面部333は、基板10の一対の側面13に沿った形状である。図27および図28に示すように、チップ抵抗器A20では、一対の側面部333は、第1方向xに湾曲した形状である。
一対の外部電極34の第2実装部342は、基板10の一対の側面13と、一対の側方電極33の側面部333との双方に沿った形状である。図27および図28に示すように、チップ抵抗器A20では、一対の第2実装部342は、第1方向xに湾曲した形状である。
次に、チップ抵抗器A20の作用効果について説明する。
チップ抵抗器A20の構成によれば、一対の側方電極33の各々は、上面部331、裏面部332および側面部333を有する。図26および図27に示すように、一対の上面部331は、基板10の上面11から厚さ方向zに向けて膨出している。図26および図28に示すように、一対の裏面部332は、基板10の裏面12から厚さ方向zに向けて膨出している。図26〜図28に示すように、一対の側面部333は、基板10の一対の側面13に沿った形状である。したがって、チップ抵抗器A20によっても、一対の側方電極33に亀裂が発生することを抑制可能となる。
本発明は、先述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A10,A20:チップ抵抗器
10:基板
11:上面
12:裏面
121:隙間
13:側面
141:上部切欠面
142:裏部切欠面
20:抵抗体
21:トリミング溝
30:電極
31:上面電極
31A:第1表面
32:裏面電極
32A:第2表面
33:側方電極
331:上面部
331A:頂部
331B:上部膨出面
332:裏面部
332A:底部
332B:裏部膨出面
333:側面部
34:外部電極
34A:第1外部電極
34B:第2外部電極
341:第1実装部
342:第2実装部
41:下部保護層
42:上部保護層
50:配線基板
51:導電接合層
80:領域
81:基材
81A:一次溝
81B:二次溝
811:上面
812:裏面
812A:隙間
813:側面
814A:上部切欠面
814B:裏部切欠面
82:裏面電極
83:上面電極
84:抵抗体
841:トリミング溝
851:下部保護層
852:上部保護層
86:側方電極
86A:ペースト
86B:転写体
861:上面部
861A:頂部
861B:上部膨出面
862:裏面部
862A:底部
862B:裏部膨出面
863:側面部
87:個片
88:外部電極
88A:第1外部電極
88B:第2外部電極
881:第1実装部
882:第2実装部
89:平板部材
ta,tb,tc1,tc2,tc3:厚さ
z:厚さ方向
x:第1方向
y:第2方向

Claims (17)

  1. 厚さ方向において互いに反対側を向く上面および裏面を有し、並びに前記厚さ方向に対して直交する第1方向において互いに離間し、かつ前記上面および前記裏面の双方につながる一対の側面を有する基板と、
    前記第1方向において互いに離間し、かつ前記上面に接する一対の上面電極と、
    前記上面に配置され、かつ一対の前記上面電極に導通する抵抗体と、
    前記第1方向において互いに離間し、かつ前記裏面に接する一対の裏面電極と、
    一対の前記側面に個別に接し、かつ一対の前記上面電極および一対の前記裏面電極の双方に個別に導通する一対の側方電極と、
    一対の前記上面電極、一対の前記裏面電極および一対の前記側方電極を個別に覆う一対の外部電極と、を備え、
    一対の前記側方電極の各々は、前記上面電極の一部を覆う上面部と、前記裏面電極の一部を覆う裏面部と、前記側面を覆い、かつ前記上面部および前記裏面部の双方につながる側面部と、を有し、
    一対の前記上面部は、前記上面から前記厚さ方向に向けて膨出しており、
    一対の前記裏面部は、前記裏面から前記厚さ方向に向けて膨出しており、
    一対の前記側面部は、一対の前記側面に沿った形状であることを特徴とする、チップ抵抗器。
  2. 一対の前記側方電極の構成材料は、金属粒子および合成樹脂を含む、請求項1に記載のチップ抵抗器。
  3. 一対の前記上面部の各々は、前記厚さ方向において前記上面から最も離れた頂部と、前記第1方向において前記頂部の両側に位置する一対の上部膨出面と、を有し、
    前記厚さ方向および前記第1方向の双方に対して直交する第2方向から視て、一対の前記上部膨出面は、全体にわたって前記上面から離れる向きに膨らんだ弧をなしている、請求項2に記載のチップ抵抗器。
  4. 一対の前記上面電極の各々は、前記厚さ方向において前記上面が向く側を向く第1表面を有し、
    一対の前記側面部の各々の厚さは、前記第1表面から前記頂部までにおける一対の前記上面部の各々の厚さよりも小である、請求項3に記載のチップ抵抗器。
  5. 一対の前記裏面部の各々は、前記厚さ方向において前記裏面から最も離れた底部と、前記第1方向において前記底部の両側に位置する一対の裏部膨出面と、を有し、
    前記第2方向から視て、一対の前記裏部膨出面は、全体にわたって前記裏面から離れる向きに膨らんだ弧をなしている、請求項4に記載のチップ抵抗器。
  6. 一対の前記裏面電極の各々は、前記厚さ方向において前記裏面が向く側を向く第2表面を有し、
    一対の前記側面部の各々の厚さは、前記第2表面から前記底部までにおける一対の前記裏面部の各々の厚さよりも小である、請求項5に記載のチップ抵抗器。
  7. 前記第2表面から前記底部までにおける一対の前記裏面部の各々の厚さは、前記第1表面から前記頂部までにおける一対の前記上面部の各々の厚さよりも小である、請求項6に記載のチップ抵抗器。
  8. 一対の前記裏面電極の各々の厚さは、一対の前記上面電極の各々の厚さよりも小である、請求項3ないし7のいずれかに記載のチップ抵抗器。
  9. 一対の前記裏面電極の構成材料は、銀およびガラスを含む、請求項8に記載のチップ抵抗器。
  10. 前記基板は、前記第1方向における前記裏面の両端に位置し、かつ前記裏面および一対の前記側面の双方に対して傾斜する一対の裏部切欠面を有し、
    前記第1方向において、一対の前記裏面電極は、前記裏面と一対の前記裏部切欠面との境界よりも前記裏面の内方に位置する、請求項9に記載のチップ抵抗器。
  11. 一対の前記外部電極の各々は、前記上面電極、前記裏面電極および前記側方電極を覆う第1外部電極と、前記第1外部電極を覆う第2外部電極と、を含み、
    一対の前記第2外部電極の構成材料は、錫を含む、請求項8ないし10のいずれかに記載のチップ抵抗器。
  12. 一対の前記第1外部電極の構成材料は、ニッケルを含む、請求項11に記載のチップ抵抗器。
  13. 前記抵抗体と、一対の前記上面電極のそれぞれ一部ずつと、を覆う上部保護層をさらに備え、
    一対の前記上面部は、前記上部保護層に接している、請求項11または12に記載のチップ抵抗器。
  14. 前記抵抗体と前記上部保護層とに挟まれた下部保護層をさらに備え、
    前記下部保護層の構成材料は、ガラスを含む、請求項13に記載のチップ抵抗器。
  15. 厚さ方向において互いに反対側を向く上面および裏面を有する基材において、前記厚さ方向に対して直交する第1方向に離間し、かつ前記裏面に接する複数の裏面電極を形成する工程と、
    前記厚さ方向から視て複数の前記裏面電極に重なり、かつ前記上面に接する複数の上面電極を形成する工程と、
    前記第1方向において隣り合う2つの前記上面電極に接する抵抗体を形成する工程と、
    前記厚さ方向および前記第1方向の双方に対して直交する第2方向に沿って前記基材を分割することにより、前記第1方向を向き、かつ前記上面および前記裏面の双方につながる一対の側面を前記基材に形成する工程と、
    複数の前記裏面電極および複数の前記上面電極のそれぞれ一部ずつに接し、かつ一対の前記側面に個別に接する一対の側方電極を形成する工程と、
    前記第1方向に沿って前記基材を分割することにより、複数の前記抵抗体が個別に搭載された複数の個片を形成する工程と、
    複数の前記個片の各々において、一対の前記裏面電極、一対の前記上面電極および一対の前記側方電極を個別に覆う一対の外部電極を形成する工程と、を備え、
    一対の前記側方電極を形成する工程では、複数の前記裏面電極および複数の前記上面電極のそれぞれ一部ずつと、一対の前記側面と、に金属粒子および合成樹脂を含むペーストを塗布した後、前記ペーストにおいて一対の前記側面を覆う部分の各々を平板部材に押し当てることを特徴とする、チップ抵抗器の製造方法。
  16. 一対の前記側方電極を形成する工程では、前記ペーストにおいて一対の前記側面を覆う部分の各々を平板部材に複数回ずつ押し当てる、請求項15に記載のチップ抵抗器の製造方法。
  17. 一対の前記外部電極を形成する工程では、電解バレルめっきにより一対の前記外部電極が形成される、請求項15または16に記載のチップ抵抗器の製造方法。
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