JP2019157462A - ガス生産システム、及びガス生産方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然ガスハイドレート等のガスハイドレートを分解してガスを生産するに際し、ライザー管内での液体とガスの分離性能を高くする。【解決手段】ガス生産システムは、地中内に埋設される先端部を有する長尺のライザー管を備える。ライザー管は、減圧法によりガスハイドレートから分解した気液混合物を管内の液体に取り込むように、先端部に開口した孔が設けられている。システムは、気液混合物を取り込んだ液体から気泡を分離する気液分離装置と、気液分離装置でガスが分離された液体をライザー管から排出するために液体を吸い上げるポンプと、前記ライザー管内の前記液体の液面位置情報を取得する液面位置取得装置と、ポンプの回転数を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記液体の液面の位置が、前記気液分離装置の空間内に位置するように、前記液面位置情報に基づいて前記ポンプの回転数を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、地中内のガスハイドレートを分解してガスを生産するガス生産システム及びガス生産方法に関する。
近年、天然ガス資源として、天然ガスハイドレートが注目されている。天然ガスは、燃焼時の二酸化炭素排出量が石油や石炭に比べ少なく、天然ガスと水からなる天然ガスハイドレートは、地球温暖化抑制の点で有望な資源である。
天然ガスハイドレートは、メタン分子を水分子が籠状に取り囲んだ結晶構造を有する包接化合物である。天然ガスハイドレートは、低温、高圧の環境下で、固体の状態で存在し、このような環境を満たす、深海の海底の表層や海底面下の地層中に安定して存在している。
従来、海底内に存在する天然ガスハイドレートから天然ガスを取り出す方法として、天然ガスハイドレートにかかる高い水圧に対して減圧された圧力を作用させることで天然ガスハイドレートを分解する減圧法が知られている(例えば、特許文献1)。
減圧法では、具体的に、天然ガスを海底から海上に向けて運ぶ管(ライザー管)を用いて、管内の海水を排出することで液面を下げ、ライザー管内の海水の低い圧力を、天然ガスハイドレートを含んだ海底内の地層(ハイドレート層)に作用させ、分解させる。天然ガスハイドレートが分解して生成した天然ガスは、液体と混ざり合った混相流(気液混合物)としてライザー管内の海水に取り込まれる。混相流を取り込んだ海水は、ライザー管内で、天然ガスと海水とに分離され(気液分離され)、それぞれ海上に排出される。
減圧法を用いて天然ガスの生産量を増やすためには、天然ガスハイドレートに作用する圧力を、天然ガスハイドレートが分解する圧力(分解圧力)の範囲に保つことが重要である。このため、減圧法では、ライザー管内の液体の液面高さが、分解圧力と対応した高さ位置に調整されるように、ライザー管内に進入した水や海水等の液体を排出する。つまり、減圧法では、混相流を取り込む取り込み口のあるライザー管の先端部における圧力(坑底圧)を計測して坑底圧を監視しながら、坑底圧の変動に応じてライザー管内の液面の高さ位置を調整することが行われる。このような液面高さの調整は、ポンプの回転周波数を制御して海水の排出量を制御することにより行われる。
特開2010−261252号公報
このように、減圧法では、天然ガスハイドレートの分解の制御のためにポンプの回転数を制御しながら気液分離装置で生成した気体を、生産すべきガスとしてライザー管からガス生成管を通して取り出す。しかし、ガス生成管から取り出されるガスに、液体が含まれる場合があり、気液分離が十分にできていない場合もあった。このような場合、再度、気液分離を行って、液体を排除しなければならず、装置構成が複雑になっていた。
そこで、本発明は、天然ガスハイドレート等のガスハイドレートを分解してガスを生産するに際し、ライザー管内での液体とガスの分離性能を高くすることができるガス生産システム及びガス生産方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、地中内のガスハイドレートを分解してガスを生産するガス生産システムである。当該システムは、
地中内に埋設されるように構成された先端部を有する長尺状の管であって、前記先端部から上方に延びる前記管内の液体によって生じる圧力を用いて前記管の外部にあるガスハイドレートに作用する圧力を低減することにより、前記ガスハイドレートから分解して生成される気泡を含む気液混合物を前記管内の前記液体に取り込むように、前記先端部に設けられ前記管の外部に開口した孔を備えたライザー管と、
前記ライザー管内に設けられ、前記気液混合物を取り込んだ前記ライザー管内の前記液体から前記液体の液面で前記気泡を分離する気液分離装置と、
前記気泡から生成されたガスを、生産するガスとして、前記気液分離装置から取り出すガス生成管を備えるガス生成ラインと、
前記気液分離装置で前記ガスが分離された前記液体を前記ライザー管から排出するために前記液体を吸い上げるポンプと、
前記ポンプで吸い上げられた前記液体を前記ライザー管から取り出す液体排出管を備える液体排出ラインと、
前記ライザー管内の前記液体の液面位置情報を取得する液面位置取得装置と、
前記液体の液面の位置が、前記気液分離装置の空間内に位置するように、前記液面位置取得装置が取得した前記液面位置情報に基づいて前記ポンプの回転数を制御する液面制御を行う制御装置と、を備える。
前記液面位置取得装置は、前記ガス生成管を介して生成される前記ガスの単位時間当たりのガス生成量の情報と、前記液体排出管から排出される前記液体の単位時間当たりの液体排出量の情報から計算されるガスホールドアップの情報を用いて、前記液面位置情報を算出する、ことが好ましい。
前記液面位置取得装置は、前記先端部における前記液体の圧力が、前記ガスハイドレートが分解を開始する前記圧力の分解開始圧力となるような前記液体の液面位置を基準として、前記液面位置情報を算出する、ことが好ましい。
前記制御装置は、前記ガスハイドレートの分解が制御できるように、前記ポンプの回転を前記先端部における前記圧力に応じて制御するハイドレート分解制御を行い、前記ハイドレート分解制御によって制御された前記ポンプの回転数を、さらに、前記液面制御によって制御する、ことが好ましい。
本発明の他の一態様は、地中内のガスハイドレートを分解してガスを生産するガス生産方法である。当該方法は、
地中内に埋設された先端部を有し、前記先端部から上方に延びるライザー管内の液体によって前記ライザー管内に生じる前記先端部における圧力を用いて前記ライザー管の外部にあるガスハイドレートに作用する圧力を低減させるステップと、
前記ガスハイドレートに作用する、低減された圧力によって前記ガスハイドレートから分解して生成される気泡を含む気液混合物を、前記ライザー管の外部に開口した孔から前記ライザー管内の前記液体に取り込むステップと、
気液分離装置で、前記気液混合物を取り込んだ前記液体から前記液体の液面で気液分離を行ってガスを取り出すステップと、
前記気液分離した前記液体を、前記ライザー管から排出するためにポンプにより吸い上げるステップと、
前記液体の液面の位置が、前記気液分離装置の空間内に位置するように、前記ポンプの回転数を制御する液面位置制御のステップと、
を備える。
前記液体の液面の位置の情報は、生成される前記ガスの単位時間当たりのガス生成量の情報と、排出される前記液体の単位時間当たりの液体排出量の情報から計算されるガスホールドアップの情報を用いて算出される、ことが好ましい。
前記液面位置情報は、前記先端部における前記液体の圧力が、前記ガスハイドレートが分解を開始する前記圧力の分解開始圧力となるような前記液体の液面位置を基準として、算出される、ことが好ましい。
さらに、前記ガスハイドレートの分解が制御できるように、前記ポンプの回転を前記先端部における前記圧力に応じて制御するハイドレート分解制御のステップを含み、
前記液面位置制御のステップでは、前記ハイドレート分解制御のステップで制御した前記ポンプの回転数に対して制御が行われる、ことが好ましい。
上述のガス生産システム及びガス生産方法によれば、ライザー管内で液体とガスの分離性能を高めることができるので、ガス生成管から取り出されるガスに、液体が混入することを従来に比べて抑制することができる。
一実施形態のガス生産システムを概略的に示す図である。 ライザー管の先端部付近の内部構成の例を説明する図である。 一実施形態のガス生産システムにおけるガスホールドアップεの計算値と計測値の比較の一例を示す図である。
以下、本発明のガスの生産システム及びガス生産方法について説明する。なお、以降の説明では、ガスハイドレートとして天然ガスハイドレートを例として挙げるが、ガスハイドレートは天然ガスハイドレートに限定されない。
また、本明細書でいうガス生産システムは、地中に埋設されているガスハイドレートを減圧して分解することによりガスを生成するものであり、海底表面にあるガスハイドレートからガスを生成するシステムと異なる。
(ガス生産システムの概略説明)
一実施形態のガスの生産システム(以下、システムともいう)は、地中内のガスハイドレートを分解してガスを生産するシステムである。システムは、ライザー管と、気液分離装置と、ガス生成ラインと、ポンプと、液体排出ラインと、液面位置取得装置と、制御装置と、を主に備える。
ライザー管は、地中内に埋設されるように構成された先端部を有する長尺状の管である。ライザー管には、管の外部に開口した孔が先端部に設けられる。この外部に開口した孔は、ガスハイドレートから分解して生成される気泡を含む気液混合物を管内の液体に取り込むように設けられている。ガスハイドレートは、ライザー管の先端部から上方に延びる管内の液体によって生じる圧力を用いて管の外部にあるガスハイドレートに作用する圧力を低減することにより分解される。
気液分離装置は、ライザー管内に設けられ、気液混合物を取り込んだライザー管の内の液体から液体の液面で気泡を分離するように構成される。
ガス生成ラインは、気泡から生成されたガスを、生産するガスとして、ライザー管から取り出すガス生成管を備える。
ポンプは、気液分離装置でガスが分離された液体をライザー管から排出するために液体を吸い上げるように構成されている。
液体排出ラインは、ポンプで吸い上げられた液体をライザー管から取り出すように構成された液体排出管を備える。
液面位置取得装置は、ライザー管内の液体の液面位置情報を取得する装置である。
制御装置は、ライザー管内の液体の液面の位置が、気液分離装置の空間内に位置するように、液面位置取得装置が取得した液面位置情報に基づいてポンプの回転数を制御する液面制御を行うように構成される。
ライザー管には、先端部の開口からライザー管内の取り込まれた気液混合物が液体に取り込まれるので、液体中には多数の気泡が存在する。ガスハイドレートの分解は、ガスハイドレートの成分及びガスハイドレートを取り巻く地層内の環境等によって変化してライザー管内の気泡のサイズや気泡の数も変化する。このため、液体内の気泡の形態によって液面も変化し易い。
例えば、気液分離するための気液分離装置内の空間から液面が上昇して、気液分離装置内の空間から上方に延びるガス生成管内まで進入する場合もある。このような場合、ガス生成管から取り出されるガスに、液体が含まれる場合が多い。すなわち、気液分離装置が機能しない場合がある。気液分離装置における気液分離性能は、液体の液面の位置が、気液分離装置に設けられている広い空間内にある場合に効果的に機能する。このため、ライザー管内の液体の液面位置情報を取得する液面位置取得装置が設けられる。この液面位置情報は、上述したように、液体内に存在する気泡によって液面が上昇した(ガスホールドアップ)状態における液面の位置情報である。
一方、ライザー管内では、ライザー管の先端部の開口から、水や海水が流入してライザー管内の液体に取り込まれるのでポンプにより常時液体は排出される。このため、水や海水が常時流入することによって、さらに気泡の形態によるガスホールドアップによって変化する液面の位置情報を取得して、液体の液面が気液分離装置の空間内に位置するように制御することは、気液分離性能を高める上で重要である。
このため、制御装置は、ライザー管内の液体の液面の位置が、気液分離装置の空間内に位置するように、液面位置取得装置が取得した液面位置情報に基づいてポンプの回転数を制御する。上記ポンプの回転数を制御することにより、ライザー管内における液体とガスの分離性能を高めることができるので、ガス生成管から取り出されるガスに、液体が混入することを従来に比べて抑制することができる。
(ガス生産システムの具体的な説明)
図1は、一実施形態のシステム1を概略的に示す図である。図2は、ライザー管10の先端部10a付近の内部構成を説明する図である。以下、海底の地中内の天然ガスハイドレートを分解して天然ガスを生産するシステム1を例に説明する。
システム1は、海上にある掘削船3から海底を経由して地中に延びるライザー管10内で、地中内の天然ガスハイドレートを分解して天然ガスを生成して地上に取り出すシステムである。
システム1は、ライザー管10と、気液分離装置20と、ポンプ23と、ガス生成ライン12と、液体排出ライン13と、制御装置40と、液面位置取得装置50と、を主に備える。
ライザー管10は、地中内に埋設されるように構成された先端部10aを有する長尺状の管である。ライザー管10は、図2に示す例では、掘削船3から鉛直下方に延び、先端部10aが、海底の坑井7内に埋設されている。坑井7は、掘削により設けられた穴であり、図2に示す例において、海底面2を含む上層4を貫通し、下層に位置するハイドレート層5内で閉塞している。上層4は、例えば、泥を多く含む泥質層である。ハイドレート層5は、例えば、泥と砂を多く含む砂泥互層と呼ばれる層である。ハイドレート層5は、天然ガスハイドレートが砂や泥に取り込まれて存在する、横方向に広がった砂質層を有している。上層4とハイドレート層5との境界は、例えば、海底面下数百メートルの位置にあり、海底面2は、例えば、水深300メートル〜千数百メートルの位置にある。
ライザー管10は、管本体11と、スクリーン19(図3参照)と、を備える。
気液分離装置20と、ポンプ23と、ガス生成ライン12と、液体排出ライン13と、ヒータ26とが、管本体11内に設けられている。
管本体11は、後述する揚収管として機能する部分18の孔18aを除いて、内側の空間を水や海水から隔絶する部材である。管本体11には、図1に示す例では、内側の空間を上下に仕切る隔壁17a、17b、及び隔壁17cが設けられている。隔壁17cからライザー管10の先端まで延びる管本体11の部分は、ハイドレート層5から液体内に取り込まれた気液混合物が液体とともに上方に向かって流れる部分18(以降、この部分を、揚収管部分18ともいう)であり、図1に示す例では、隔壁17cから上方の管本体11の部分と比べ、管径が小さい。揚収管部分18は、ハイドレート層5内に位置している。
スクリーン19は、揚収管部分18にライザー管10の外部に開口した孔18aを覆うように設けられている。孔18aは、ライザー管10の、地中の最も深い位置に延びている先端部に設けられている。孔18aは、ハイドレート層5内の砂質層と接する深さ位置にある揚収管部分18に設けられている。
孔18aに設けられたスクリーン19は、天然ガスハイドレートの分解によって生成した気泡及び水、さらには海水を取り込み、砂や泥を分離除去する部材である。スクリーン19は、気泡、水、海水を通過させるが、砂や泥を通過させない機能を有している。スクリーン19は、例えば、多数の孔を有するシート状又は板状の構造体であって、互いに孔の大きさや形態が異なる複数の構造体から構成される。複数の構造体の組み合わせの具体例として、ジョンソンスクリーン、メッシュ、及びグレーチングが挙げられる。ジョンソンスクリーンは、ジョンソンスクリーン社製の金網状の構造体として周知である。グレーチングは鋼材を格子状に組んだ部材である。ジョンソンスクリーン、メッシュ、グレーチングは、揚収管部分18の側からハイドレート5層の側に向かって、この順に、揚収管部分18に重ねて配置される。
図2に示すように、揚収管部分18には、スクリーン19を通過した気液混合物を取り込むための複数の孔18aが深さ方向に沿って設けられている。孔18aは、揚収管部分18の壁部を貫通し、揚収管部分18の外部に開口している。ライザー管10が孔18aを備えることで、坑底圧を用いて天然ガスハイドレートに作用する圧力を低減し、これによって、気液混合物をライザー管10内に取り込むことができる。
坑底圧とは、ライザー管10の先端部10aから上方に延びるライザー管10内の液体によってライザー管10内の先端部10aにおいて生じる圧力と後述する気相空間Gの圧力の和であり、後述する液面Sの下方の液体によって、ライザー管10の下端が受ける水頭圧によって略定まる圧力である。ライザー管10の下端は、坑井7の穴底(坑底)と略同じ高さに位置している。先端部10aは、下端と略同じ位置にあり、この先端部10aに孔18aが設けられている。
ライザー管10内の液体には、天然ガスハイドレートから分解して生成された気液混合物が取り込まれるほか、孔18aを通して進入した水や海水が取り込まれる。気液混合物は気泡を含むので、ライザー管10内の液体には気泡が混在している。水や海水は、ハイドレート層5に含まれる水や海水、ハイドレート層5と接する他の地層に含まれる水や海水を起源としている。
ライザー管10は、揚収管部分18の先端部10a、詳細にはライザー管10の下端に設けられた、坑底圧を測定する圧力計31を、さらに有している。圧力計31は、制御装置40に接続されており、坑底圧の計測信号を制御装置40に向けて出力する。
図2に示すように、気液分離装置20、ポンプ23、及びヒータ26は、隔壁17b、17cによって仕切られたライザー管10の空間15b内に設けられている。空間15b内には、図2に示す例において、液体の液面Sの上方に、気液分離装置20によって液体から分離されたガスが流入する気相空間Gが形成される。なお、気相空間Gは、海底面2より上方に位置するようライザー管10内に形成されることが好ましい。
気液分離装置20は、揚収管部分18内で液体に取り込まれる気液混合物中の気泡の少なくとも一部を分離する装置である。分離された気泡内のガスは、生産されるガスである。気液分離装置20は、一実施形態によれば、囲み容器21と、遠心分離器22と、を有する。
囲み容器21は、液体排出ライン13を構成する液体輸送管14(後述)の下端を外側から囲むコップ形状の部材である。なお、液体輸送管14内には、遠心分離器22及びポンプ23が設けられている。図2に示す例では、囲み容器21は、管本体11の内壁と隙間をあけて配置された筒状の側壁21aと、側壁21aの下端を塞ぐ底壁21bと、を有する。側壁21aの上端が、液体輸送管14の下端より上方に位置している。これにより、気液混合物を含んだ液体は、図2に示す細い矢印に沿って、管本体11と側壁21aの隙間を上昇した後、液体は、側壁21aと液体輸送管14との隙間を下降し、液体輸送管14内に流れ込む。この過程で、比較的大きい気泡は、浮上速度が大きいため、液体が液体輸送管14内に流れ込むまでに、液体の流れと分離して液面Sに浮上し、ガスが気相空間Gに放出される。図2において、気泡の流れを太い矢印で示す。
すなわち、気液分離装置20は、液体の流路が上方に向いた上昇路と、液体から気泡の一部を排除するために、上昇路に接続され液体の流路を上方から下方に変更させる下降路と、を備える。このような気液分離の方式を、気体と液体にかかる重力(比重)を利用して分離するので、重力分離方式という。
遠心分離器22は、液体輸送管14内に流れ込む液体中に依然として残存する比較的小さい気泡を液体から分離する装置である。遠心分離器22は、図2に示す例では、液体輸送管14内に設けられ、鉛直方向に延びる回転中心線の周りに回転する回転体22aを有する。回転体22aは、後述するモータ24によって駆動される。気泡を含んだ液体は、回転体22aに接近すると、回転体22aの回転によって作られた旋回流に沿って流れる。このとき、気泡及び液体に遠心力が作用し、液体は、気泡より比重が大きいため、回転中心線から遠ざかるように移動し、気泡は、液体に比べて回転中心線に近い側に集められる。このとき、集められて大きくなった気泡は、液体輸送管14に設けられた、液体輸送管14の外部に開口する孔から放出される。これにより、液面Sに浮上し気相空間Gに放出される。このように、遠心力を利用して分離する方式を遠心分離方式という。
気液分離装置20は、重力分離方式と遠心分離方式を併用するが、一実施形態によれば、重力分離方式のみで気液分離を行うことができる。また、一実施形態によれば、遠心分離方式のみで気液分離を行うこともできる。
ポンプ23は、液体を液体輸送管14内に引き込んでライザー管10から排出する。図2に示す例のポンプ23は、液体輸送管14内に配置されており、モータ24と、モータ24によって駆動されるスクリュー25と、を有するオーガポンプである。スクリュー25は、鉛直方向に延びる軸と、軸の周りを螺旋状に延びる羽根と、を有しており、液体輸送管14内の液体をスクリュー25の回転によって加圧しながら上方に送る機能を有する。モータ24は、掘削船3の制御装置40に電気的に接続されている。モータ24は、制御装置40から出力された信号を受けて、設定された周波数あるいは調整された周波数で駆動するよう制御される。モータ24は、液体輸送管14内に、液体の流路となる隙間を形成するよう、液体輸送管14内に配置されている。なお、システム1の運転中、ライザー管10には孔18aを通して海水あるいは水が流入し続けることから、通常、ポンプ23は稼働した状態に維持される。
ヒータ26は、空間15b内に流れ込んだ液体を加熱する装置である。ヒータ26は、制御装置40に接続されている。天然ガスハイドレートの分解反応は吸熱反応であるため、液体に取り込まれた気液混合物の温度が低下して天然ガスハイドレートが再生成し、例えば、液体輸送管14の下端を閉塞させる場合がある。ヒータ26は、システム1の運転中に継続してあるいは断続的に、液体を加熱して、天然ガスハイドレートの再生成を抑制する。また、天然ガスハイドレートが再生成したと判断された場合に、制御装置40から出力された信号を受けて駆動するよう制御され、液体を加熱することで、再生成した天然ガスハイドレートを加熱し、分解させる。
ガス生成ライン12は、ガス生成管12aと、ガス流量計測装置12bと、を備える。
ガス生成管12aは、液面Sに浮上した気泡から生成され、気相空間Gに流入したガスを、生産する天然ガスとしてライザー管10から取り出す。ガス生成管12aは、気相空間G内のガスを生産する天然ガスとして掘削船3に向けて運ぶ。ガス生成管12aは、管本体11内に、液面Sの上方に配置されており、ガス生成管12aの下端は、気相空間Gに接続されている。ガス流量計測装置12bは、ガス生成管12aの先端の掘削船3上の部分に設けられ、天然ガスの単位時間当たりの生成量を計測する。計測された天然ガスの生成量の情報は、後述する液面位置取得装置50に送信される。
また、ガス生成管12aの上方の先端は、例えば、掘削船3あるいは他の船舶に備え付けられた貯蔵タンク(図示せず)、あるいは陸地にある貯蔵システムに延びるパイプラインに接続されている。貯蔵タンクに貯蔵された天然ガスは、適宜、液化され、掘削船3あるいは他の船舶で海上を輸送される。
液体排出ライン13は、管本体11内で天然ガスと分離した液体を掘削船3まで運ぶ液体排出管13aと、液体流量計測装置13bと、を備えている。
液体排出管13aは、図1に示す例において、気液分離装置20から空間15aまで延びる液体輸送管14と、管本体11から分岐して、空間15aから掘削船3まで延びる管16と、を有している。空間15aは、隔壁17a,17bで仕切られた空間である。
液体流量計測装置13bは、管16の上端の、掘削船3上の部分に設けられ、ポンプ23によって排出される液体の単位時間当たりの排出量を計測する。計測された液体の排出量の情報は、後述する液面位置取得装置50に送信される。
排出された液体は、例えば掘削船3から海上に廃棄される。
ライザー管10の先端部10aには、ライザー管10の先端部10aにおける圧力(坑底圧)を計測する圧力計31が設けられている。圧力計31は、制御装置40に接続されており、先端部10aにおける圧力(坑底圧)の計測結果の情報が、制御装置40に送信される。先端部10aにおける圧力は、液体の液面Sの位置及び気相空間Gの圧力によって定まり、ハイドレート層5の天然ガスハイドレートの分解の速度に影響を与える圧力である。
液面位置取得装置50は、ライザー管10内の液体の液面位置情報を取得するように構成されている。液面位置情報は、後述するように、ガス生成管12aを介して生成されるガスの単位時間当たりのガス生成量の情報と、液体排出管13aから排出される液体の単位時間当たりの液体排出量の情報から計算されるガスホールドアップの情報を用いて、液面位置情報を算出することが好ましい。液面位置取得装置50は、取得した液面位置情報を制御装置40に送信する。
なお、別の一実施形態によれば、液面位置取得装置50は、ライザー管10内に設けられた液面検出センサからの計測信号を用いて液面Sの位置の情報を取得してもよい。液面検出センサは、例えば、レーザーや超音波を利用した公知のセンサを用いることができる。しかし、ライザー管10内の圧力は数10MPaの高圧状態になっているので、センサに耐圧機能を備えるための装置構成が煩雑になり易い。この点から、単位時間当たりのガス生成量の情報と、単位時間当たりの液体排出量の情報から計算されるガスホールドアップの情報を用いて、液面位置情報を取得することが好ましい。
制御装置40は、天然ガスハイドレートの分解が制御できるように、圧力計31で計測した結果、すなわち先端部10aにおける圧力の計測結果の情報に応じて、ポンプ23の回転を制御(ハイドレート分解制御)するように構成されている。
さらに、制御装置40は、液体の液面Sの位置が、気液分離装置20の空間内に位置するように、液面位置取得装置50で取得したライザー管10内の液体の液面位置情報に基づいてポンプ23の回転数を制御(液面制御)するように構成されている。
制御装置40が行う上記2つの制御については後述する。制御装置40は、CPU、メモリ等を含むコンピュータで構成される。制御装置40は、図1に示す例において、掘削船3に設けられている。
システム1は、例えば、ライザー管10となる資材、及び圧力計31、制御装置40を掘削船3に積み、海上の所定の位置まで輸送して組み立てられる。坑井7は、システム1を組み立てる前に予め掘削される。
システム1は、掘削船3の代わりに、固定式又は浮遊式の洋上プラットフォームを備えてもよい。この場合、洋上プラットフォームと陸地とを接続し、洋上プラットフォームから陸地に天然ガスを輸送するパイプラインを備えることが好ましい。
(制御装置40の制御)
制御装置40は、圧力計31で計測した、先端部10aにおける圧力の計測結果の情報に応じて、天然ガスハイドレートに作用する圧力を制御して天然ガスハイドレートの分解の速度を制御し、これにより、気液混合物の生成量を調整する。以降、この制御をハイドレート分解制御という。上述したように、通常、液面Sの位置が高くなると、先端部10aにおける圧力(坑底圧)は高くなり、先端部10aにおける圧力(坑底圧)が高くなると、天然ガスハイドレートに作用する圧力も高くなる。このため、先端部10aにおける圧力(坑底圧)を制御するために、ポンプ23の回転数を制御して液体の液面Sの位置を制御する。
具体的には、制御装置40は、先端部10aにおける圧力(坑底圧)に関して目標圧力の範囲の情報を保持している。目標圧力の範囲は、天然ガスハイドレートを分解させる圧力に対応した先端部10aにおける圧力(坑底圧)の範囲である。先端部10aにおける圧力(坑底圧)が目標圧力の範囲内であれば、メタンハイドレートの分解の速度を所定の範囲に制御することができる。
制御装置40は、一定の時間間隔で、先端部10aにおける圧力の計測結果の情報が目標圧力の範囲にあるか否かを判定する。この判定において、先端部10aにおける圧力の計測結果の情報が目標圧力の範囲内にあれば、ポンプ23の回転数を維持する。一方、先端部10aにおける圧力の計測結果の情報が目標圧力の範囲内を超えて高くなっている場合、天然ガスハイドレートの分解の速度が所定の範囲にないので、先端部10aにおける圧力が低くなるようポンプ23の回転数を上げる制御を行う。これにより、天然ガスハイドレートの分解の速度を促進させることができる。
また、先端部10aにおける圧力の計測結果、すなわち、圧力計31の計測結果の情報が目標圧力の範囲内より低くなっている場合、天然ガスハイドレートの分解の速度が所定の範囲にないので、先端部10aにおける圧力が高くなるように、ポンプ23の回転数を下げる制御を行う。これにより、天然ガスハイドレートの分解の速度を抑制することができる。
以上が、制御装置40が行うハイドレート分解制御である。
このようなハイドレート分解制御では、ポンプ23の回転数を制御してポンプ23による液体の排出量を制御するが、先端部10の孔10aからライザー管10内に取り込まれた気液混合物がライザー管10内の液体に取り込まれることで、液体には多数の気泡が存在する。一方、ガスハイドレートの分解は、ガスハイドレートの成分及びガスハイドレートを取り巻く地層内の環境等によって変化してライザー管内の気泡のサイズや気泡の数も変化する。このため、ライザー管10内を流れる液体内の気泡の形態も変化し、これにより液面Sも変化し易い。例えば、液体内の気泡に起因したガスホールドアップによって、図2に示す気液分離装置20内の空間からガス生成管12a内に液面Sが上昇する場合もある。このような場合、ガス生成管12aから取り出されるガスに、液体が含まれる場合が多い。すなわち、気液分離装置20が機能しない場合がある。
このため、気液分離が十分に行われるように、液面位置取得装置50は、ライザー管10内の液体の液面位置情報を取得する。制御装置40は、液体の液面Sの位置が、気液分離装置20の空間内に位置するように(液面Sがガス生成管12aに進入しないように)、液面位置取得装置50が取得した液面位置情報に基づいてポンプ23の回転数を制御する。このように、液面Sの位置を制御することは、天然ガスハイドレートの分解の制御を行うためのみならず、気液分離を十分に行う点から重要である。このように、ライザー管10内で液体とガスの分離性能を高めることができるので、ガス生成管12aから取り出されるガスに、液体が混入することを従来に比べて抑制することができる。
このような制御装置40による制御は、天然ガスハイドレートの分解の制御を行ってポンプ23の回転数を制御した状態で、間欠的に液面制御を行うことが好ましい。すなわち、天然ガスハイドレート分解制御によって設定されたポンプ23の回転数に対して、液面位置情報に応じてポンプ23の回転数を制御することが好ましい。ポンプ23の回転数の変化に対する液面Sの位置の変化の応答は、ポンプ23の回転数の変化に対する天然ガスハイドレートの分解速度の応答より早い。このため、一実施形態によれば、制御装置40は、大局的な時間の進行の中で天然ガスハイドレートの分解制御を行いつつ、間欠的に液面位置制御を行うことが好ましい。
一実施形態によれば、液面位置取得装置50は、ガス生成管12aを介して生成されるガスの単位時間当たりのガス生成量の情報と、液体排出管13aから排出される液体の単位時間当たりの液体排出量の情報から計算されるガスホールドアップの情報を用いて、液面位置情報を算出することが好ましい。単位時間当たりのガス生成量の情報は、ガス流量計測装置12bで取得されて液面位置取得装置50に送信された情報であり、単位時間当たりの液体排出量の情報は、液体流量計測装置13bで取得され液面位置取得装置50に送信された情報である。液面位置取得装置50は、単位時間当たりのガス生成量の情報を揚収管部分18の断面積で除算して液体中の気泡の流速を算出し、単位時間当たりの液体排出量の情報を揚収管部分18の断面積で除算して液体の流速を算出する。この算出結果を用いて、液面位置取得装置50は、気泡のウェーバー数We及び気泡のフルード数Frと、液体のフルード数Frを算出する。ウェーバー数(慣性力と表面張力の比を表す無次元量)は、(気泡の密度)×(代表長さL)×(流速)/(表面張力)で表され、フルード数(慣性力と重力の比を表す無次元量)は、(流速)/((代表長さL)×重力加速度)1/2で表される数である。ここで、代表長さLは、システム1において例えば気泡径の寸法を用いる。こうして算出された気泡のウェーバー数We、気泡のフルード数Fr、及び液体のフルード数Frを用いて、液面位置取得装置50は、図3に示す式にしたがってガスホールドアップεを算出する。ガスホールドアップεは、気泡が液体中に存在しない場合の液面の高さに比べて、液体中の気泡によって液面Sがどのくらい上昇するか、高さの比率を表す。したがって、気泡が液体中に存在しない場合の液面位置を基準として現在の液面Sの位置を計算することができる。例えば、基準の液面位置が先端部10aからの高さがHであれば、H×ε/(1−ε)が液面Sの上昇量となる。なお、上昇した液面Sの位置が、気相空間Gを超えて上昇する場合、図2に示すように、ガス生成管12aの小さな断面積を考慮して、液面Sの位置が計算される。
なお、図3は、システム1におけるガスホールドアップεの計算値と計測値の比較を示す図である。図3によると、ウェーバー数We、気泡のフルード数Fr、及び液体のフルード数Frによって算出されたガスホールドアップεの計算値は、システム1を模擬した実験によって得られるガスホールドアップεの計測値と良く一致している。これより、図3に示す式にしたがって、液面位置取得装置50は、ガスホールドアップεを算出し、算出したガスホールドアップεを用いて液体の液面Sを精度高く計算することができる。
このように、液面位置取得装置50は、ガス生成管12aから生成されるガスの単位時間当たりのガス生成量の情報と、液体排出管13aから排出される液体の単位時間当たりの液体排出量の情報とを用いて、ガスホールドアップを計算し、ガスホールドアップの計算結果を用いて液面Sの位置を計算することができるので、液面検出センサを用いることなく効率よく液面位置制御を行うことができる。
一実施形態によれば、液面位置取得装置50は、先端部10aにおける液体の圧力が、天然ガスハイドレートが分解を開始する圧力の分解開始圧力となるような液体の液面位置を基準として、液面位置情報を算出することが好ましい。このような基準とする液面位置は、システム1の動作開始前に、ライザー管10内に海面まで充填されている液体をポンプ23で徐々にくみ出して水頭圧を下げ、天然ガスハイドレートが分解を開始して気泡が液面Sから浮上し始める直前のポンプ23の液体の総排出量から知ることができる。なお、孔18aからライザー管10に流入する水や海水の単位時間の流入量は、先端部10aにおける圧力を下げて行くときの先端部10aの内外の圧力差から計算することができる。したがって、この後、ハイドレート分解制御を行ってポンプ23による液体排出量を液体流量計測装置13bにて常時計測することにより、気泡ホールドアップがないときの液面Sを推定することができる。液面位置取得装置50は、この液面Sの推定した位置を、現在のガスホールドアップした液面Sの位置を計算するための基準となる液面位置とする。このため、液面位置取得装置50は、液面Sの位置を計測することなく、計算で液面位置情報を容易に取得することができる。
一実施形態によれば、制御装置40は、ガスハイドレートの分解が制御できるように、ポンプ23の回転を先端部10aにおける圧力に応じて制御するハイドレート分解制御を行い、この制御によって制御されたポンプの回転数を、さらに、液面制御によって制御する。このため、天然ガスハイドレートの分解を制御しつつ、ライザー管10内で液体とガスの分離性能を高めることができるので、ガス生成管12aから取り出されるガスに、液体が混入することを従来に比べて抑制することができる。
したがって、一実施形態として、地中内のガスハイドレートを分解してガスを生産する天然ガスの生産方法を以下のように実現することができる。
地中内に埋設された先端部10aを有し、先端部10aから上方に延びるライザー管10内の液体によってライザー管10内に生じる先端部10aにおける圧力を用いてライザー管10の外部にある天然ガスハイドレートに作用する圧力を低減させる。
次に、天然ガスハイドレートに作用する、低減された圧力によって天然ガスハイドレートから分解して生成される気泡を含む気液混合物を、ライザー管10の外部に開口した孔10aからライザー管10内の液体に取り込む。
気液分離装置20で、気液混合物を取り込んだライザー管10内の液体から液体の液面で気液分離を行ってガスを取り出す。
気液分離した液体を、ライザー管10から排出するためにポンプ23により吸い上げる。
このとき、液体の液面Sの位置が、気液分離装置20の空間内に位置するように、ポンプ23の回転数を制御する。
このとき、液体の液面Sの位置の情報は、液面位置取得装置50により、生成されるガスの単位時間当たりのガス生成量の情報と、排出される液体の単位時間当たりの液体排出量の情報から計算されるガスホールドアップの情報を用いて算出されることが好ましい。
このとき、液面位置情報は、液面位置取得装置50により、先端部10aにおける液体の圧力が、天然ガスハイドレートが分解を開始する圧力の分解開始圧力となるような液体の液面位置を基準として算出されることが好ましい。
さらに、制御装置40では、天然ガスハイドレートの分解が制御できるように、ポンプ23の回転を先端部10aにおける圧力に応じて制御するハイドレート分解制御が行われ、液面位置制御では、ハイドレート分解制御で制御したポンプ23の回転数に対して制御が行われることが好ましい。
以上、本発明のガス生産システム及びガス生産方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 ガス生産システム
2 海底面
3 掘削船
4 上層
5 ハイドレート層
7 坑井
10 ライザー管
10a 先端部
11 管本体
12 ガス生成ライン
13 液体排出ライン
13a 液体排出管
14 液体輸送管
15a 空間
16 管
17a,17b,17c 隔壁
18 揚収管部分
20 気液分離装置
21 囲み容器
21a 側壁
21b 底壁
22 遠心分離器
23 ポンプ
24 モータ
25 スクリュー
26 ヒータ
31 圧力計
40 制御装置
50 液面位置取得装置

Claims (8)

  1. 地中内のガスハイドレートを分解してガスを生産するガス生産システムであって、
    地中内に埋設されるように構成された先端部を有する長尺状の管であって、前記先端部から上方に延びる前記管内の液体によって生じる圧力を用いて前記管の外部にあるガスハイドレートに作用する圧力を低減することにより、前記ガスハイドレートから分解して生成される気泡を含む気液混合物を前記管内の前記液体に取り込むように、前記先端部に設けられ前記管の外部に開口した孔を備えたライザー管と、
    前記ライザー管内に設けられ、前記気液混合物を取り込んだ前記ライザー管内の前記液体から前記液体の液面で前記気泡を分離する気液分離装置と、
    前記気泡から生成されたガスを、生産するガスとして、前記気液分離装置から取り出すガス生成管を備えるガス生成ラインと、
    前記気液分離装置で前記ガスが分離された前記液体を前記ライザー管から排出するために前記液体を吸い上げるポンプと、
    前記ポンプで吸い上げられた前記液体を前記ライザー管から取り出す液体排出管を備える液体排出ラインと、
    前記ライザー管内の前記液体の液面位置情報を取得する液面位置取得装置と、
    前記液体の液面の位置が、前記気液分離装置の空間内に位置するように、前記液面位置取得装置が取得した前記液面位置情報に基づいて前記ポンプの回転数を制御する液面制御を行う制御装置と、を備えることを特徴とするガス生産システム。
  2. 前記液面位置取得装置は、前記ガス生成管を介して生成される前記ガスの単位時間当たりのガス生成量の情報と、前記液体排出管から排出される前記液体の単位時間当たりの液体排出量の情報から計算されるガスホールドアップの情報を用いて、前記液面位置情報を算出する、請求項1に記載のガス生産システム。
  3. 前記液面位置取得装置は、前記先端部における前記液体の圧力が、前記ガスハイドレートが分解を開始する前記圧力の分解開始圧力となるような前記液体の液面位置を基準として、前記液面位置情報を算出する、請求項2に記載のガス生産システム。
  4. 前記制御装置は、前記ガスハイドレートの分解が制御できるように、前記ポンプの回転を前記先端部における前記圧力に応じて制御するハイドレート分解制御を行い、前記ハイドレート分解制御によって制御された前記ポンプの回転数を、さらに、前記液面制御によって制御する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス生産システム。
  5. 地中内のガスハイドレートを分解してガスを生産するガス生産方法であって、
    地中内に埋設された先端部を有し、前記先端部から上方に延びるライザー管内の液体によって前記ライザー管内に生じる前記先端部における圧力を用いて前記ライザー管の外部にあるガスハイドレートに作用する圧力を低減させるステップと、
    前記ガスハイドレートに作用する、低減された圧力によって前記ガスハイドレートから分解して生成される気泡を含む気液混合物を、前記ライザー管の外部に開口した孔から前記ライザー管内の前記液体に取り込むステップと、
    気液分離装置で、前記気液混合物を取り込んだ前記液体から前記液体の液面で気液分離を行ってガスを取り出すステップと、
    前記気液分離した前記液体を、前記ライザー管から排出するためにポンプにより吸い上げるステップと、
    前記液体の液面の位置が、前記気液分離装置の空間内に位置するように、前記ポンプの回転数を制御する液面位置制御のステップと、
    を備えることを特徴とするガス生産方法。
  6. 前記液体の液面の位置の情報は、生成される前記ガスの単位時間当たりのガス生成量の情報と、排出される前記液体の単位時間当たりの液体排出量の情報から計算されるガスホールドアップの情報を用いて算出される、請求項5に記載のガス生産方法。
  7. 前記液面位置情報は、前記先端部における前記液体の圧力が、前記ガスハイドレートが分解を開始する前記圧力の分解開始圧力となるような前記液体の液面位置を基準として、算出される、請求項6に記載のガス生産方法。
  8. さらに、前記ガスハイドレートの分解が制御できるように、前記ポンプの回転を前記先端部における前記圧力に応じて制御するハイドレート分解制御のステップを含み、
    前記液面位置制御のステップでは、前記ハイドレート分解制御のステップで制御した前記ポンプの回転数に対して制御が行われる、請求項5〜7のいずれか1項に記載のガス生産方法。
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