JP2016166476A - ライザー管 - Google Patents

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誠二 丹
寿仁 加藤
Hisakimi Kato
寿仁 加藤
和則 竹内
Kazunori Takeuchi
和則 竹内
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Abstract

【課題】ガスハイドレートがライザー管を閉塞させるのを抑制するようにしたライザー管を提供する。
【解決手段】ライザー管1の外周面から内部に向かって複数の貫通孔6を形成して、これら貫通孔6の延長方向がライザー管1の中心軸cと交差しない状態に形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、水底から回収したガスハイドレートを水上に揚送するライザー管に関するものであり、詳しくはガスハイドレートがライザー管を閉塞させるのを抑制するようにしたライザー管に関するものである。
海底に存在するメタンガスハイドレートを回収する回収システムが種々提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特許文献1は、海底から洋上に延びるライザー管を配置して、このライザー管内に空気を供給して上昇流を発生させ、この上昇流により海底で回収された塊状のガスハイドレートを洋上に搬送するメタンガスハイドレート(以下、ガスハイドレートという)の回収システムを提案する。
ガスハイドレートが存在している領域は、ガスハイドレートを生成する温度と圧力の条件が満たされ、かつガスハイドレートを構成する原料ガスと水が存在している。
ライザー管によりガスハイドレートと海水を揚収する場合、ライザー管内における海水中に溶解する原料ガス濃度は高くなる。また水深が深くなればライザー管内の圧力は高く、水温は低くなるため、圧力および水温がガスハイドレートの生成条件に収まると、ガスハイドレートを再生成する(以下、本明細書では再ハイドレート化ということがある。)。
ライザー管により揚収中のガスハイドレートは、ライザー管の内壁面に付着しやすい。またライザー管の内壁面付近において、再ハイドレート化も発生し易く、ライザー管内壁面に付着したガスハイドレートまたは再生成したガスハイドレートは成長していき、やがてライザー管を閉塞させる不具合が生じる。
ライザー管が閉塞するとガスハイドレートを回収する作業を継続することは不可能となる。ライザー管が閉塞した場合は、復旧作業が極めて困難である。そのため長期間に渡り連続して海底からガスハイドレートを回収することができない。
特許文献2は、海底に比べて原料ガス濃度が低く水温が高い洋上付近の海水を、連続的に大量に海底に送り込み、この海水でガスハイドレートを融解させて原料ガスを海水中に溶解させ、洋上に汲み上げるガスハイドレートの原料ガス回収システムを提案する。
この回収システムでは、海底から負圧で海水を汲み上げるので、膨大なエネルギーが必要となる。負圧による海水の汲み上げは、水深が深くなるほど必要となるエネルギー量が著しく増大する。
またガスハイドレートを融解させ、海水中の原料ガス濃度を希釈するために原料ガス濃度が低い海水を海底に送り込む場合、洋上から圧送するため、水深が深くなるほど必要となるエネルギー量が著しく増大する。
特表2002−536573号公報 特許5294110号公報
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的はガスハイドレートがライザー管を閉塞させるのを抑制するようにしたライザー管を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明のライザー管は、ライザー管の外周面から内部に向かって形成される複数の貫通孔を有し、これら貫通孔の延長方向が前記ライザー管の中心軸と交差しないことを特徴とする。
本発明によれば、ライザー管により、ガスリフト方式の要領でガスハイドレートを水上側に揚送する際に、ライザー管の内側の圧力がライザー管の外側の圧力よりも低くなるので、複数の貫通孔を介してライザー管の外側の水が自動的にライザー管内に取り込まれる。ライザー管の外側の水は内側の水に比べて原料ガス濃度が低いので、ライザー管内の水の原料ガス濃度を低減させて、再ハイドレート化することを抑制できる。
貫通孔がライザー管の中心軸に向かう方向から傾いた状態で形成されているので、ライザー管の外側から内側に取り込まれる水は、ライザー管の中心軸回りを旋回する旋回流を形成する。この旋回流により、比較的比重の軽い塊状のガスハイドレートは中心軸の近傍に集まる。ガスハイドレートがライザー管の内壁面に付着し難いので、ガスハイドレートがライザー管を閉塞することを抑制するには有利となる。
貫通孔の延長方向がライザー管の中心軸に直交する方向から上方に傾いた状態に形成することができる。外部の水がライザー管の内側に取り込まれる際に、上方に向かって供給されるので、ライザー管内の上昇流を妨げることがない。ライザー管内の上昇流を妨げることなく外部の水はスムーズに流れ込むことができるので、ライザー管の内壁面にガスハイドレートが付着することを抑制するには有利となる。
複数の貫通孔が、ライザー管内に時計回りの旋回流を発生させる右旋回貫通孔と、反時計回りの旋回流を発生させる左旋回貫通孔とで構成され、右旋回貫通孔と左旋回貫通孔とがライザー管の周方向および/または深さ方向に交互に配置され、右旋回貫通孔または左旋回貫通孔の一方を閉止し他方を開放する切替機構を備える構成にすることができる。
切換機構によりライザー管内で発生する旋回流の旋回方向を切り替えることができる。そのためライザー管内を流れる水の流速が遅くなり、ガスハイドレートが付着し易い領域が発生したとしても、旋回方向を切り替えることによりこの領域に逆方向の旋回流を衝突させることができる。特定の領域でガスハイドレートが付着して、ライザー管が閉塞する可能性を低減するには有利となる。
切換機構は、ライザー管の外側または内側に配置される可動スリットで構成することができる。また切換機構は、貫通孔にそれぞれ設置される開閉バルブで構成することができる。
切換機構を、ライザー管の深さ方向の任意の貫通孔を閉止する構成にすることができる。切替機構が旋回流の方向を切り替える機能の他に、一部の貫通孔を閉止する機能を備えるため、ライザー管の外側から内側に供給される原料ガス濃度が低い水の量を、ライザー管の軸方向の位置に応じて緻密に制御することができる。
ライザー管の水上側に比べて水底側に複数の貫通孔が多数形成される構成にすることができる。ライザー管内の比較的原料ガス濃度が高くなる水底側で、原料ガス濃度が低い水を多く供給するので、ライザー管内の原料ガス濃度を早期に低下させることができ、再ハイドレート化を抑制するには有利である。水底側で貫通孔の数を増やしてライザー管内に発生する上昇流の速度を抑制できるので、ガスハイドレートに随伴する土砂を沈降させるには有利となる。
本発明のライザー管を使用したガスハイドレート回収システムを例示する説明図である。 図1のライザー管をA−A断面で例示する説明図である。 図2のライザー管をB−B断面で例示する説明図である。 ライザー管の別の実施形態を例示する説明図である。 図4のライザー管をC−C断面で例示する説明図である。 図5の可動スリットを回転させた状態を例示する説明図である。 図4の切替機構の変形例を例示する説明図である。 図7の可動スリットを上下方向に移動させた状態を例示する説明図である。 図4の切替機構の変形例を例示する説明図である。 ライザー管の別の実施形態を例示する説明図である。
以下、本発明のライザー管を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1に例示するように本発明のライザー管1は、例えば海や湖の底である水底2に存在する表層メタンハイドレートを回収するガスハイドレート回収システム3で使用される。ガスハイドレート回収システム3は、水底2に存在するガスハイドレートmを掘削して捕集する掘削手段4と、捕集されたガスハイドレートmを水上に搬送するライザー管1と、ライザー管1により搬送されるガスハイドレートmを収集する収集船5とを備えている。
水深数百メートルから数千メートルの水底2下には、ガスハイドレートmが密集してその一部が水底2から露出しているいわゆる表層型メタンハイドレートや、ガスハイドレートmが水底2下、数百メートルの地盤中の砂粒の間に分散しているいわゆる砂層型メタンハイドレートが存在している。ガスハイドレート回収システム3は、主に表層型メタンハイドレートを対象としているが、他のガスハイドレートの回収にも利用できる。
ガスハイドレートmは、水分子の立体的な網状構造のすき間にメタンガス等の分子が入り込み氷状の結晶になっているものである。本明細書において網状構造を構成する海水や湖水等を原料水といい、メタンガスやメタンガスを含む複数種類のガスで構成される天然ガス等を原料ガスということがある。
掘削手段4は例えば水中重機やドリル等で構成され、水底2を掘削して塊状のガスハイドレートmを水底2から分離させて捕集し、ライザー管1の水底側端部に送る機能を備えている。塊状のガスハイドレートmを捕集してライザー管1内に導き易くするために、ライザー管1の水底側端部には拡大部1aが形成されている。塊状のガスハイドレートmの比重は0.9程度なので、ライザー管1の水底側端部に送られたガスハイドレートmは浮力によりライザー管1内を上昇していく。
ライザー管1内の圧力(水圧)は水深が浅くなるにしたがって低くなるので、ライザー管1の上方に行くにしたがって塊状のガスハイドレートmの一部が溶けて原料ガスの気泡
が発生することがある。また水深が浅くなるにしたがって原料ガスが水中に溶解できる量が低下(溶解度が低下)するので、溶解できなくなった原料ガスが気泡の状態になることがある。ライザー管1の水上側端部に近いほど気泡が発生し易く、その量が増えるので、ライザー管1内を流れる流体の密度は水上側端部に近いほど低くなる。
ライザー管1内の流体の密度が周囲の水よりも小さくなるので、ライザー管1の水底側端部から周囲の水が流入し、ライザー管1内には上昇流が発生する。この上昇流によってもガスハイドレートmは、水上に向かって揚送される。いわゆるガスリフト方式と同様の効果を得られる。ガスハイドレートmに発生する浮力やライザー管1内と周囲の水との密度差を利用するので、膨大なエネルギーを必要とすることなくガスハイドレートmを水底2から水上まで搬送することができる。水底2が深い位置にある場合はこのメリットが顕著となる。
ライザー管1内に強制的に気体を送り込むエアリフトポンプを設置して、ライザー管1内の密度差をさらに大きくすることができる。密度差が大きくなるとライザー管1内に発生する上昇流の流速が上昇するので、ガスハイドレートmの移動速度を上昇させて搬送効率を向上することができる。ライザー管1内の流体を吸引するポンプを収集船5に設置して、ライザー管1内に発生する上昇流の流速を上昇させてもよい。
ライザー管1の水上側端部に揚送された塊状のガスハイドレートmは収集船5により回収され貯蔵される。ガスハイドレートmをライザー管1内で融解させて原料ガスの状態で回収する構成にしてもよい。
図1に例示するように本発明のライザー管1の外面には、ライザー管1の水底側から水上側に向かう軸方向および周方向に間隔をあけて複数の貫通孔6が形成されている。ライザー管1の内側の水圧は上昇流の発生により外側よりも低くなるので、ライザー管1の外側の水が貫通孔6を介して内側に流れ込む。塊状のガスハイドレートmとともにライザー管1内を上昇する水に比べて、貫通孔6を介してライザー管1内に流れ込む水は原料ガス濃度が低くなる。
ライザー管1内に原料ガス濃度が低い水を供給することにより、ライザー管1内の水の原料ガス濃度を低下させることができる。ライザー管1内の水の原料ガス濃度が低下するので、この水に溶解していた原料ガスが再ハイドレート化してライザー管1の内壁面に付着して閉塞させることを抑制するには有利である。
この貫通孔6は、原料ガスが再ハイドレート化する可能性のある場所に形成され、たとえば400m以深となる位置に設置される。400m以浅となる位置では水圧が低くかつ海水温が高くなりガスハイドレートmの生成条件を満たさない可能性がある。水温の低い場所では400m以浅となる位置であってもガスハイドレートmの生成条件を満たすことがあるので、その場合には400m以浅であっても貫通孔6を形成することが望ましい。
ライザー管1の材質および大きさは、水底2の水深や水底2に存在するガスハイドレートmの規模に応じて適宜変更できるが、鉄やその他の金属または樹脂で形成され、その大きさは例えば内径を0.5〜3.0m程度、軸方向の長さを350〜2000m程度とすることができる。
図2に例示するようにライザー管1の中心軸cに直交する方向の断面において、貫通孔6はその延長方向がライザー管1の中心軸cと交差しない状態に形成されている。この実施形態では貫通孔6は、ライザー管1の周面から中心軸cに向かう半径方向から予め定めた角度θ1を有する状態に水平方向に傾けて形成されている。貫通孔6は中心軸cを中心
とする周方向において同一方向に傾いているので、貫通孔6を通ってライザー管1内に流れ込む原料ガス濃度が低い水wは、反時計回りの旋回流を発生させる。ライザー管1内には上昇流が発生しているので、ライザー管1内を流れる水は、上昇しつつ反時計回りに旋回する流れとなる。
ライザー管1内を上昇する塊状のガスハイドレートmや再ハイドレート化により生成したガスハイドレートは、周囲の水に比べて比重が小さいので、この旋回流によりライザー管1の中心方向に集まる。即ちガスハイドレートはライザー管1の内壁面から離れる方向に移動するので、ガスハイドレートが内壁面に付着して堆積することを抑制することができ、ライザー管1の閉塞を抑制するには有利である。
ライザー管1の中心軸cに直交する方向の面内(水平面内)における貫通孔6の傾きを規定する角度θ1は、ライザー管1の厚みにより適宜変更できるが、例えば0°より大きく45°以下の範囲で設定することが望ましい。尚、旋回流を時計回りに発生させる場合は、図2に例示する方向とは逆向きに、0°より大きく45°以下の範囲に傾けた貫通孔6を形成する。
ライザー管1内で発生する旋回流を妨げないように、ライザー管1の中心軸cに直交する方向の断面形状は、円形にすることが望ましい。旋回流に比較的大きな抵抗を与えない場合は、ライザー管1の断面形状を例えば四角形や六角形などの多角形にすることもできる。
図3に例示するように貫通孔6は、ライザー管1の中心軸に直交する方向(水平方向)に対してライザー管1の外側から内側に向かって上向きに予め定めた角度θ2を有する状態に傾けて形成することができる。ライザー管1の外側から内側に流れ込む原料ガス濃度の低い水wは、ライザー管1内の上昇流を妨げることなくスムーズに流れ込むことができる。
貫通孔6の垂直面内における傾きを規定する角度θ2は、ライザー管1の厚みにより適宜変更できるが、例えば0°以上であり90°より小さい範囲で設定することが望ましい。ライザー管1内には上昇流が発生しているので、角度θ2を0°、即ち貫通孔6を水平方向に形成しても原料ガス濃度が低い水wをライザー管1内に吸い込み上方に流すことはできる。
ライザー管1に形成される貫通孔6の数および内径の大きさ等は、ライザー管1内に流入させる原料ガス濃度が低い水wの量に応じて任意に決定することができる。
図4に例示するように反時計回りの旋回流を発生させる左旋回貫通孔6Lと、時計回りの旋回流を発生させる右旋回貫通孔6Rとをライザー管1の周方向に交互に形成することができる。この実施形態では同一方向の旋回流を発生させる貫通孔6がライザー管1の軸方向に並べて形成されている。
ライザー管1には旋回流の方向を切り替える切替機構7が設置されている。この実施形態では切換機構7は、ライザー管1の外周面に沿って配置される環状の可動スリット8と、この可動スリット8をライザー管1に対して移動させる駆動機構9とを備えている。ライザー管1には、可動スリット8と駆動機構9とからなる切替機構7が、その軸方向に複数並べて設置されている。
可動スリット8は、ライザー管1の軸方向に延びて左旋回貫通孔6Lまたは右旋回貫通孔6Rのいずれか一方を閉止する複数の閉止部10と、いずれの貫通孔6も閉止すること
なく複数の閉止部10を互いに周方向に連結する連結部11とを備えている。以下の図では閉止部10により閉止されている左旋回貫通孔6Lまたは右旋回貫通孔6Rを破線で示すことがある。可動スリット8はライザー管1に設置される例えばモータなどの回転型の駆動機構9により、ライザー管1の中心軸cを回転軸としてライザー管1の外周面に沿って回転する。
それぞれの駆動機構9には、収集船5から延びるケーブル12が接続されている。このケーブル12は少なくとも駆動機構9に電気や油圧などの動力を供給する導線と、制御信号を伝達するための信号線とが含まれている。
図5に例示するように、可動スリット8を構成する閉止部10が右旋回貫通孔6Rを閉止する位置にあるときは、原料ガス濃度の低い水wが左旋回貫通孔6Lからライザー管1内に流入する。そのためライザー管1内には反時計回りの左旋回流が発生する。
このとき左旋回貫通孔6Lのライザー管1内側の開口近傍であって、左旋回流の下流側に流速が遅くなる領域Sが発生する可能性があり、この領域Sにおいてガスハイドレートが付着したり、再ハイドレート化が進んだりする可能性がある。
図6に例示するように、可動スリット8を回転させて閉止部10が左旋回貫通孔6Lを閉止する位置に移動させると、原料ガス濃度の低い水wが右旋回貫通孔6Rからライザー管1内に流入する。そのためライザー管1内には時計回りの右旋回流が発生する。
可動スリット8の回転により旋回流の方向を反対にすれば、右旋回貫通孔6Rから流入する原料ガス濃度の低い水wにより図5に例示する領域S内の流速を上昇することができる。図5に例示する領域S内でガスハイドレートの付着等が発生していたとしても、旋回流の方向を切り替えることにより、この領域Sに付着したガスハイドレートを融かすことができるので、ライザー管1が閉塞することを抑制できる。
ライザー管1でガスハイドレートを水底側から水上側に搬送する際に、一定時間が経過するごとに可動スリット8を回転させ、ライザー管1内に発生する旋回流の方向を切り替える制御を行えば、流速が遅くなる領域Sが発生してガスハイドレートmが堆積することを抑制できるので、ライザー管1の閉塞を抑制するには有利である。
左旋回貫通孔6Lおよび右旋回貫通孔6Rの配列は上記に限定されない。切替機構7により旋回流の方向を切り替えられる構成であればよい。例えば図7に例示するように同一方向の旋回流を発生させる貫通孔6を周方向に並べて形成することもできる。この実施形態では左旋回貫通孔6Lと右旋回貫通孔6Rとは上下方向(ライザー管1の軸方向)に交互となる状態に形成されている。また上下方向に隣接する左旋回貫通孔6Lと右旋回貫通孔6Rは上下方向に整列した位置ではなく、互いに周方向にずれた位置に形成されている。
可動スリット8は、上下方向の同じ高さに形成される左旋回貫通孔6Lまたは右旋回貫通孔6Rのいずれか一方を閉止する複数の環状の閉止部10と、いずれの貫通孔6も閉止することなく複数の閉止部10を互いに上下方向に連結する連結部11とを備えている。可動スリット8はライザー管1に設置される例えばシリンダ機構などの直動型の駆動機構9により、ライザー管1の外周面に沿って上下方向に移動する。
図7に例示するように閉止部10が右旋回貫通孔6Rを閉止する位置にあるときは、原料ガス濃度の低い水wが左旋回貫通孔6Lからライザー管1内に流入する。そのためライザー管1内には反時計回りの左旋回流が発生する。図8に例示するように可動スリット8
を下方に移動させて閉止部10が左旋回貫通孔6Lを閉止する位置に移動させると、旋回流の方向が切り替わりライザー管1内には時計回りの右旋回流が発生する。
図4〜6に例示した実施形態と同様に、旋回流の方向を切り替えられるので、ライザー管1内において流れがよどむ領域Sが形成されることを抑制できる。上下方向において隣接する左旋回貫通孔6Lと右旋回貫通孔6Rの位置が周方向にずれているので、図8に例示するように右旋回貫通孔6Rから流入した原料ガス濃度が低い水wを上方に位置する左旋回貫通孔6Lの開口部近傍に流すことができる。左旋回貫通孔6L近傍の流れのよどむ領域Sに積極的に原料ガス濃度が低い水wを供給することができるので、ガスハイドレートmの付着等を抑制するには有利となる。
上下方向における左旋回貫通孔6Lと右旋回貫通孔6Rの位置は、周方向にずれることなく上下方向に整列した状態に形成してもよい。
ライザー管1に設置される複数の切替機構7を制御する際には、ライザー管1の水底側から水上側まで同一方向の旋回流が形成されるように制御することができる。またライザー管1の途中で旋回流の方向が逆方向となる部分が形成されるように制御してもよい。
例えば可動スリット8をライザー管1と同様に水底側から収集船5まで延びる一つの管で構成し、収集船5に設置する一つの駆動機構9により可動スリット8を移動させる構成にすることができる。ライザー管1に対する可動スリット8の相対的な位置が移動する構成であればよいため、ライザー管1を駆動機構9により移動させる構成にしてもよい。
可動スリット8はライザー管1の内側に配置することもできるが、可動スリット8の凹凸が旋回流の抵抗となったり、可動スリット8の凹凸により流体の流れがよどむ領域Sが発生し易くなったりする可能性がある。そのため、可動スリット8はライザー管1の外側に配置することが望ましい。
図9に例示するように切替機構7を、ライザー管1に形成される貫通孔6にそれぞれ設置する開閉バルブ13で構成することができる。この実施形態では開閉バルブ13はライザー管1の外周面に設置されている。各開閉バルブ13には、収集船5から延びるケーブル12が接続されている。このケーブル12は少なくとも開閉バルブ13を開閉させるための電気や油圧などを供給する導線と、開閉を制御する制御信号を伝達するための信号線とが含まれている。この実施形態では左旋回貫通孔6Lと右旋回貫通孔6Rとが、ライザー管1の上下方向および周方向に交互となる状態で形成されている。
ライザー管1内に反時計回りの左旋回流を発生させる場合には、収集船5からの制御信号により右旋回貫通孔6Rに設置されている開閉バルブ13を閉止し、左旋回貫通孔6Lに設置されている開閉バルブ13を開放する。ライザー管1内に時計回りの右旋回流を発生させる場合には、開閉バルブ13の制御により右旋回貫通孔6Rを開放して、左旋回貫通孔6Lを閉止する。
可動スリット8を回転させたり上下方向に移動させたりする図4〜図8に例示する実施形態に比べて、開閉バルブ13は開閉制御に必要となる動力を小さくすることができる。ライザー管1の途中部分が潮流等の影響により湾曲している場合であっても、旋回流の旋回方向の切り替えを確実に行なうことができる。
開閉バルブ13はライザー管1の内側に配置することもできるが、開閉バルブ13の凹凸が旋回流の抵抗となったり、開閉バルブ13の凹凸により流体の流れがよどむ領域Sが発生し易くなったりする可能性がある。そのため、開閉バルブ13はライザー管1の外側
に配置することが望ましい。また開閉バルブ13を貫通孔6の内部に組み込み、ライザー管1の内側および外側のいずれにも突出しない構成にしてもよい。
例えば反時計回りの左旋回流を発生させている際に、左旋回貫通孔6Lの一部を閉止する制御(以下、一部閉止制御ということがある)を行うことができる。左旋回貫通孔6Lの一部を閉止する制御により、ライザー管1内に流入する原料ガス濃度が低い水wの流量を調整できるので、例えばライザー管1が大きく湾曲して上昇流の流速が低下し易い場所では開口する左旋回貫通孔6Lの数を多くして、それ以外の部分では少なくすることができる。
この一部閉止制御により、例えばライザー管1内に流入する原料ガス濃度が低い水wの全体量を変えずに、ライザー管1のある領域で流入量を増やし、別の領域で流入量を減らすなど、ライザー管1内に流入する原料ガス濃度が低い水wの流量を緻密に制御することができる。ライザー管1が湾曲して流れがよどむ領域Sが発生している場合は、この近傍において原料ガス濃度が低い水wの流入量を増加させることにより、再ハイドレート化が進みライザー管1が閉塞することを抑制できる。
任意の貫通孔6を閉止する一部閉止制御は、切替機構7が可動スリット8で構成されている場合にも採用することができる。しかし切替機構7を開閉バルブ13で構成した方が、貫通孔6ごとに開閉を制御できるので、流入する原料ガス濃度が低い水wの流量を緻密に制御するには有利となる。
図10に例示するようにライザー管1の水上側に比べて水底側に多くの貫通孔6を形成する構成にすることができる。尚、図10ではライザー管1の断面を示している。この構成によれば比較的原料ガス濃度の高い水底側で、ライザー管1内に原料ガス濃度の低い水wを多く供給できる。そのためライザー管1内の原料ガス濃度を早期に低下させることができ、ライザー管1内における再ハイドレート化を抑制するには有利である。
ライザー管1を通過する流体の流量を一定とすると、原料ガス濃度の低い水wの流入量は貫通孔6を多数形成している水底側の方で多くなるため、水底側においてライザー管1内の上昇流の流速を早期に低下させることができる。ライザー管1の水底側における上昇流の流速を小さくできるので、ガスハイドレートmに随伴する土砂dを沈降させることができる。即ちライザー管1の水底側において、回収対象であるガスハイドレートmから土砂dを分離できるので、収集船5でガスハイドレートmと土砂dを分離するための装置や作業等が不要となる。
ライザー管1内を上昇する土砂dの量を抑制することにより、ライザー管1の水上側における流体の密度を低下させることができるので、ライザー管1内に発生する上昇流の流速を増加させるには有利となる。上昇流の流速が増加することにより、ライザー管1の内壁面にガスハイドレートmが付着し難くなるので、ライザー管1の閉塞を防止するには有利となる。
この構成は上記した一部閉止制御と組み合わせることができる。例えばガスハイドレートmの回収を開始する段階などライザー管1内の上昇流の流速が十分でない場合は、水底側の貫通孔6の大部分を閉止して上昇流の流速が上昇し易くなるように制御し、ライザー管1内の上昇流の流速が十分となり定常状態となったときに、水底側の貫通孔6を開放して随伴土砂dを沈降させることができる。
本発明のライザー管1は、塊状のガスハイドレートmを回収するガスハイドレート回収システム3に限らず、融解させたガスハイドレートmをライザー管1で揚送するシステム
においても使用することができる。この場合であっても、原料ガスが再ハイドレート化してライザー管1を閉塞することを防止するには有利である。
1 ライザー管
1a 拡大部
2 水底
3 ガスハイドレート回収システム
4 掘削手段
5 収集船
6 貫通孔
6L 左旋回貫通孔
6R 右旋回貫通孔
7 切替機構
8 可動スリット
9 駆動機構
10 閉塞部
11 連結部
12 ケーブル
13 開閉バルブ
m ガスハイドレート
g 原料ガス
w 原料ガス濃度が低い水
c 中心軸
S 領域
d 土砂

Claims (7)

  1. ライザー管の外周面から内部に向かって形成される複数の貫通孔を有し、これら貫通孔の延長方向が前記ライザー管の中心軸と交差しないことを特徴とするライザー管。
  2. 前記貫通孔の延長方向が前記ライザー管の中心軸と直交する方向から上方に傾いた状態で形成される請求項1に記載のライザー管。
  3. 前記複数の貫通孔が、前記ライザー管内に時計回りの旋回流を発生させる右旋回貫通孔と、反時計回りの旋回流を発生させる左旋回貫通孔とで構成され、前記右旋回貫通孔と前記左旋回貫通孔とが前記ライザー管の周方向および/または深さ方向に交互に配置され、前記右旋回貫通孔または左旋回貫通孔の一方を閉止し他方を開放する切替機構を備える請求項1または2に記載のライザー管。
  4. 前記切換機構が、前記ライザー管の外側または内側に配置される可動スリットである請求項3に記載のライザー管。
  5. 前記切換機構が、前記貫通孔にそれぞれ設置される開閉バルブである請求項3に記載のライザー管。
  6. 前記切換機構が、前記ライザー管の深さ方向の任意の貫通孔を閉止する構成を有する請求項3〜5のいずれかに記載のライザー管。
  7. 前記ライザー管の水上側に比べて水底側に前記複数の貫通孔が多数形成される請求項1〜6のいずれかに記載のライザー管。
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