JP2019157051A - 軟質塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

軟質塩化ビニル樹脂組成物 Download PDF

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博幸 西井
Hiroyuki Nishii
博幸 西井
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Abstract

【課題】優れた機械特性や耐熱性を有する、可塑剤としてイソソルバイド系可塑剤を用いた軟質塩化ビニル樹脂組成物の提供。【解決手段】ポリ塩化ビニル樹脂(A)とイソソルバイド系可塑剤(B)とアクリル系加工助剤(C)を含む軟質塩化ビニル樹脂組成物、およびアクリル系加工助剤(C)の重量平均分子量が100万以上である軟質塩化ビニル樹脂組成物による。【選択図】なし

Description

本発明は軟質塩化ビニル樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、イソソルバイド系可塑剤を用いた際に、機械特性・耐熱性に優れる軟質塩化ビニル樹脂組成物に関する。
塩化ビニル樹脂は、耐薬品性・耐候性・難燃性・電気絶縁性等の優れた化学的・物理的性質を有し、かつ安価であることから、汎用樹脂材料として広く用いられている。
その中でも優れた性質を有することや、可塑剤添加により容易に柔軟性を付与できること等から、軟質塩化ビニル樹脂組成物が広く普及しており、被覆電線・床材・防水シートをはじめとした被覆材やシート類、テープ・農業用をはじめとしたフィルム類等、用途は多岐に渡る。このような軟質塩化ビニル樹脂組成物に用いられる可塑剤としては、例えばフタル酸ジ2−エチルへキシル(DOP)およびフタル酸ジイソノニル(DINP)に代表されるフタル酸エステル系の塩化ビニル用可塑剤が汎用的に使用されている。
しかし、近年、化学物質に対する安全性について求められる中でDOPをげっし類に大量に投与した際に精巣毒性が認められることから、予防原則に則り日欧米の地域にて、乳幼児を主たる保護対象としてDOP等のフタル酸エステル系化合物の使用制限が行われており、可塑剤分野においても非フタル酸エステル系可塑剤が市場で望まれている。非フタル酸系可塑剤としては、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、アジピン酸ジ2−エチルへキシル(DOA)、トリメリット酸トリ2−エチルへキシル(TOTM)等の可塑剤があるが、特に近年では植物由来原料を用いたイソソルバイド系可塑剤が注目されている。
しかしながら、イソソルバイド系可塑剤を用いた軟質塩化ビニル樹脂組成物は、従来可塑剤と比較し、機械特性や耐熱性に劣る課題がある。特許文献1には、イソソルバイド系可塑剤を用いた軟質塩化ビニル樹脂組成物が開示されているが、上記課題に対する対策はされていないため、依然としてイソソルバイド系可塑剤を用いた軟質塩化ビニル樹脂組成物の課題は残されている。
特開2015−30823号公報
本発明は、イソソルバイド系可塑剤を用いた軟質塩化ビニル樹脂組成物の機械特性及び耐熱性を改善することにある。
本発明は以下の態様を有する。
(1)ポリ塩化ビニル樹脂(A)とイソソルバイド系可塑剤(B)とアクリル系加工助剤(C)を含む軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる。
(2)アクリル系加工助剤(C)の重量平均分子量が100万以上である、軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる。
(3)アクリル系加工助剤(C)の重量平均分子量が200万以上である、軟質塩化ビニル樹脂組成物からなる。
本発明の軟質塩化ビニル樹脂組成物によれば、イソソルバイド系可塑剤を配合した場合でも機械特性、耐熱性が良好となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(ポリ塩化ビニル樹脂(A))
本発明で用いることができるポリ塩化ビニル樹脂は、−CH−CHCl−で表される基を有する全ての重合体を指し、塩化ビニルの単独重合体;塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、塩化ビニル・マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル・エチレン共重合体、塩化ビニル・プロピレン共重合体、塩化ビニル・スチレン共重合体、塩化ビニル・イソブチレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・スチレン・無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル・スチレン・アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・イソプレン共重合体、塩化ビニル・塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン・酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル・アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル・各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニルと塩化ビニルと共重合可能な他のモノマーとの共重合体;後塩素化ビニル共重合体等の塩化ビニル単独重合体や塩化ビニル系共重合体を改質したもの;更には塩素化ポリエチレン等の構造上塩化ビニル樹脂と類似の塩素化ポリオレフィンを包含する。さらに、これらのポリ塩化ビニル樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明に用いることができるポリ塩化ビニル樹脂(A)の平均重合度は、300〜5000の範囲にあることが好ましく、500〜4000のものがより好ましく、700〜3000がさらに好ましい。平均重合度を300以上とすることで、得られる成形体の機械特性が良好となる。また、平均重合度を5,000以下とすることで、加工性が良好となる。
本発明に用いることができるポリ塩化ビニル樹脂(A)の製造方法は特に制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等の種々の重合法で製造したものを使用することができる。
(イソソルバイド系可塑剤(B))
本発明で使用されるイソソルバイド系可塑剤(B)としては、イソソルバイドと脂肪酸とのエステルである。市販品としては、例えば、POLYSORB ID46(イソソルバイド系可塑剤、Roquette社製、商品名)が挙げられる。
イソソルバイド系可塑剤(B)の添加量は、ポリ塩化ビニル系樹脂100質量部に対して10〜100質量部であり、20〜95質量部がより好ましく、25〜90質量部が更に好ましい。イソソルバイド系可塑剤の添加量を10質量部以上とすることで、軟質塩化ビニル樹脂組成物の柔軟性が良好となり、100質量部以下とすることで、軟質塩化ビニル樹脂組成物を成形加工する際、可塑剤のブリードに伴うべたつきが少なく外観及び成形加工性に優れる。
(アクリル系加工助剤(C))
本発明に使用されるアクリル系加工助剤(C)は、ポリ塩化ビニル樹脂(A)のゲル化を促進させ、溶融時の弾性を向上させることで成形加工性を付与することを目的に添加される。また、本願では、さらに機械特性及び耐熱性も向上することが見出された。
アクリル系加工助剤(C)は、メタクリル酸メチル単量体及び、他のメタクリル酸アルキルエステル単量体及び、アクリル酸エステル単量体、その他の単量体の共重合体からなる。
メタクリル酸メチル単量体は、ポリ塩化ビニル樹脂(A)との相溶性が良好であるため本願のアクリル系加工助剤(C)に用いられる。メタクリル酸メチル単量体単位の含有率は、共重合体(アクリル系加工助剤(C))を構成する全ての構成単位の合計を100質量%としたときに、20〜95質量%であり、40〜95質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましい。メタクリル酸メチル単量体単位の含有率が20質量%以上であれば、ポリ塩化ビニル樹脂(A)の分子鎖との絡まり合いを強く持たせることができ、その結果、成形体の機械特性が向上する。メタクリル酸メチル単量体単位の含有率が95質量%以下であれば、アクリル系加工助剤(C)の分子がポリ塩化ビニル樹脂(A)中に分散しやすくなりフィッシュアイなどの外観不良になりにくい。
他のメタクリル酸エステル単量体としては、炭素数2〜4のものが好ましく、例えばメタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ターシャリブチル等を挙げることができる。これら単量体は、目的に応じて単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に好ましい他のメタクリル酸エステル単量体としては、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルである。
他のメタクリル酸エステル含有率は、共重合体(アクリル系加工助剤(C))を構成する全ての構成単位の合計を100質量%としたときに、0〜80質量%であり、0〜60質量%が好ましく、さらに好ましくは0〜40質量%である。他のメタクリル酸エステル単位が80質量%以下であれば、ポリ塩化ビニル樹脂(A)との相溶性が損なわれない。
アクリル酸エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。これらの中では特に、アクリル酸−n−ブチルが好ましい。アクリル酸エステル単量体単位含有率は、共重合体(アクリル系加工助剤(C))を構成する全ての構成単位の合計を100質量%としたときに、1〜50質量%含むことが好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜25質量%がさらに好ましい。これら単量体は、目的に応じて単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。アクリル酸エステル単量体単位を50質量%以下とすることで、アクリル系加工助剤(C)のガラス転移温度が低くなりすぎず、粉体回収が容易となる。また、アクリル酸エステル単量体単位を1質量%以上とすることで、アクリル系加工助剤(C)の耐熱分解性やポリ塩化ビニル樹脂(A)への分散性が良好になる。
その他の単量体単位としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクレロニトリル等のシアン化ビニル化合物、酢酸ビニル等のビニルエステル、無水マレイン酸等の酸無水物などが挙げられる。これら単量体は、目的に応じて単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アクリル系加工助剤(C)の重量平均分子量(Mw)は、10万〜1000万が好ましく、100万〜800万がさらに好ましく、200万〜700万が特に好ましい。Mwを10万以上とすることで、軟質塩化ビニル樹脂組成物に対するゲル化促進効果、溶融弾性付与効果、成形物の機械特性向上効果、耐熱性向上効果が確認される。また、1000万以下とすることで、軟質塩化ビニル樹脂組成物に対するアクリル系加工助剤(C)の分散性を高めることができる。ここでMwは、アクリル系加工助剤(C)をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。重量平均分子量(Mw)を調節する方法としては、重合時の連鎖移動剤、開始剤の使用量の調節及び重合温度の調節等の常用の方法を用いることができる。
共重合体(アクリル系加工助剤(C))の重合には、種々の方法を用いることができ、例えば重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合が挙げられる。これらの重合方法の中でも、分子量の制御が容易な点から、乳化重合が好ましい。
乳化重合法を適用する場合に用いることのできる乳化剤としては、特に限定されるものではなく各種のものが使用でき、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、及びジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン酸脂肪エステル、及びグリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤;並びにアルキルアミン塩等カチオン性界面活性剤を使用することができる。また、これらの乳化剤は単独で又は併用して使用することができる。
また、重合開始剤としては、水溶性、油溶性の単独系もしくはレドックス系のものでよく、例えば、通常の過硫酸塩等の無機開始剤を単独で用いるか、又は亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、若しくはチオ硫酸塩等と組み合わせてレドックス系開始剤として用いることもできる。さらにt−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、若しくは過酸化ラウロイル等の有機過酸化物、又はアゾ化合物等を単独で用いるかあるいはナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等と組み合わせてレドックス系開始剤として用いることもできるが、本発明はこれら具体例のみに限定されるものではない。
連鎖移動剤としては、例えばn−オクチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタンが挙げられる。連鎖移動剤の量は特に制限されないが、例えば共重合体(アクリル系加工助剤(C))100質量部に対して、0〜3質量部であることが好ましく、0.01〜3質量部であることがより好ましく、0.01〜1質量部であることが更に好ましい。
アクリル系加工助剤(C)を粉体状で回収する方法としては特に制限されないが、例えば乳化重合法により加工助剤(C)を製造する場合には、得られた共重合体のラテックスを冷却し、その後、硫酸、塩酸、リン酸等の酸、または塩化アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸カルシウム等の塩などの電解質により、酸凝固もしくは塩析させて共重合体を沈澱せしめた後、さらに濾過、洗浄、乾燥して加工助剤(C)を得ることができる。 また、噴霧乾燥、凍結乾燥等の種々の方法によっても、加工助剤(C)を粉体状で回収することできる。
アクリル系加工助剤(C)のポリ塩化ビニル樹脂(A)に対する添加量はポリ塩化ビニル樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜30質量部であり、好ましくは0.3〜20質量部であり、さらに好ましくは0.3〜10質量部である。アクリル系加工助剤(C)を30質量部以下とすることで、軟質塩化ビニル樹脂組成物の溶融弾性を制御しやすくなり加工性が向上する。また、アクリル系加工助剤(C)を0.1質量部以上添加することで、加工性、機械特性、耐熱性が向上する。
本発明の軟質塩化ビニル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、その目的に応じて、慣用の安定剤、滑剤、難燃剤、充填材、又は耐衝撃性改質剤等の各種添加剤を必要に応じて添加することができる。
安定剤としては、例えば三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、ケイ酸鉛等の鉛系安定剤、カリウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、鉛等の金属と2‐エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、ベヘニン酸等の脂肪酸から誘導される金属石けん系安定剤;アルキル基、エステル基、脂肪酸基、マレイン酸基、含硫化物基等を有してなる有機スズ系安定剤;Ba−Zn系、Ca−Zn系、Ba−Ca−Sn系、Ca−Mg−Sn系、Ca−Zn−Sn系、Pb−Sn系、Pb−Ba−Ca系等の複合金属石けん系安定剤;バリウム、亜鉛等の金属基と2−エチルヘキサン酸、イソデカン酸、トリアルキル酢酸等の分岐脂肪酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸、ナフテン酸等の脂環族酸、石炭酸、安息香酸、サリチル酸、それらの置換誘導体等の芳香族酸といった有機酸の通常二種以上から誘導される金属塩系安定剤;これら安定剤を石油系炭化水素、アルコール、グリセリン誘導体等の有機溶剤に溶解し、さらに亜リン酸エステル、エポキシ化合物、発色防止剤、透明性改良剤、光安定剤、酸化防止剤、ブリードアウト防止剤、滑剤等の安定化助剤を配合してなる金属塩液状安定剤等といった金属系安定剤のほか、エポキシ樹脂、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等のエポキシ化合物、有機亜リン酸エステル等の非金属系安定剤が挙げられ、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いられる。
安定剤の添加量については特に制限されないが、ポリ塩化ビニル樹脂(A)100質量部に対して、0.5〜15質量部が好ましく、さらに好ましくは1〜8質量部である。0.5質量部以上とすることで、加工時の熱分解を抑制することができ、15質量部以下とすることで、成形体の機械特性の低下を防ぐことができる。
また、滑剤としては、例えば流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、低分子量ポリエチレン等の純炭化水素系滑剤、ハロゲン化炭化水素系滑剤、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミド等の脂肪酸アミド系滑剤、脂肪酸の低級アルコールエステル、グリセリド等の脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステル(エステルワックス)等のエステル系滑剤のほか、金属石けん、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロール、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル、脂肪酸とポリグリコール、ポリグリセロールの部分エステル等が挙げられ、これらは1種あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
滑剤の添加量については特に制限されないが、ポリ塩化ビニル樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.1〜5質量部がさらに好ましい。0.1質量部以上とすることで、樹脂組成物の成形機への付着を低減することができ、15質量部以下とすることで、加工性の低下を防ぐことができる。
また、難燃剤としては、例えば金属水酸化物、臭素系化合物、トリアジン環含有化合物、亜鉛化合物、リン系化合物、ハロゲン系難燃剤、シリコン系難燃剤、イントメッセント系難燃剤、酸化アンチモン等が使用できる。これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
難燃剤の添加量については特に制限されないが、ポリ塩化ビニル樹脂(A)100質量部に対して、1〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がさらに好ましい。1質量部以上とすることで、成形体の難燃性を向上することができ、150質量部以下とすることで、成形体の柔軟性の低下を防ぐことができる。
また、充填材としては、タルク、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、クレー、マイカ、ウォラストナイト、ゼオライト、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、カーボンブラック、グラファイト、ガラスビーズ、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の無機質系のもののほか、ポリアミド等のような有機繊維も使用でき、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
充填材の添加量については特に制限されないが、ポリ塩化ビニル樹脂(A)100質量部に対して、1〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がさらに好ましい。1質量部以上とすることで、成形体に適度な剛性を付与することができ、150質量部以下とすることで、成形体の柔軟性の低下を防ぐことができる。
さらに、耐衝撃性改質剤を配合する場合には、例えエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、塩素化ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、フッ素ゴム、スチレン‐ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル‐スチレン‐ブタジエン共重合体ゴム、メタクリル酸メチル‐スチレン‐ブタジエン共重合体ゴム、アクリル酸エステル‐メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系コアシェル型ゴム、シリコーン‐アクリル酸エステル‐メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン‐アクリル酸エステル‐アクリロニトリル‐スチレン共重合体等のシリコーン系コアシェル型ゴム、スチレン‐ブタジエン‐スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン‐エチレン‐ブチレン‐スチレンブロック共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン‐プロピレン‐ジエン共重合体ゴム(EPDM)等が挙げられる。EPDMのジエンとしては、1,4‐ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、プロペニルノルボルネン等が使用できる。これらの耐衝撃性改質剤は1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
耐衝撃性改質剤の添加量については特に制限されないが、ポリ塩化ビニル樹脂(A)100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がさらに好ましい。1質量部以上とすることで、成形体の衝撃強度を向上することができ、20質量部以下とすることで、成形外観の低下を防ぐことができる。
その他、離型剤、流動性改良剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、防曇剤、抗菌剤、発泡剤等も、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて任意に配合することができる。
本発明の軟質塩化ビニル系樹脂組成物を得る方法は特に制限されるものではなく、一般公知の方法を用いることができ、例えば所定量のポリ塩化ビニル樹脂(A)と可塑剤(B)、加工助剤(C)、安定剤等をヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、V型ミキサー、リボンブレンダー等で混合することで得られる。
得られた軟質塩化ビニル系樹脂組成物は、単軸押出機、二軸押機等の混練押出機による押出成形の他、通常の公知の成形方法、例えば、射出成形、中空成形、ロール加工等にも適用して各種所望の成形体を得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、各実施例、比較例中「部」とあるのは「質量部」を示し、評価は下記により行った。
(引張伸度)
軟質塩化ビニル樹脂組成物の成形体シート(2mmt)をJISK−7162 5A型ダンベルに打ち抜き、引張試験機(ストログラフT、東洋精機製作所製)にて500mm/minの速度で引張試験を行い、引張伸度を計測した。引張伸度が高いほど機械特性に優れる。
(耐熱性)
軟質塩化ビニル樹脂組成物の成形体シート(2mmt)を150℃、20時間の条件で熱処理を行い、上記同様の手法で引張伸度を計測した。熱処理前後で引張伸度変化が少ないものが耐熱性に優れる。
(溶融粘度)
軟質塩化ビニル樹脂組成物をキャピラリーレオメーター(ツインキャピラリーレオメーター RH−7:ROSAND社製)を用いて、剪断速度5000/秒で測定した。ダイスのL/Dは16.0mm×直径1.0mm、温度160℃で押し出した。溶融粘度が高いほど溶融弾性効果に優れるため加工性が高い。
(アクリル系加工助剤(C)の製造例)
(製造例1(C−1))
撹拌機、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えた反応容器に溶存酸素を低減させたイオン交換水を143部、メタクリル酸メチル単量体単位を30部、メタクリル酸n−ブチルを50部、n−オクチルメルカプタンを0.07部、アルケニルコハク酸ジカリウムを1.2部仕込み、系内を45℃に昇温させた。系内が45℃に到達後、4%濃度の過硫酸カリウム水溶液を4.4部添加し重合を開始させた。重合発熱ピーク確認後、系内の温度が70℃で、メタクリル酸メチル単量体単位を20部、ノルマルオクチルメルカプタン0.01部からなるモノマー混合液を40分かけて系内に滴下、70分保持させ、アクリル系加工助剤(C−1)を得た。得られたアクリル系加工助剤(C−1)エマルション固形分は39.5%であり、重量平均分子用(Mw)は32万であった。なお、アクリル系加工助剤(C−1)のテトラヒドロフラン可溶分を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量を測定した。GPCの測定条件は下記の通りであり、標準ポリスチレンによる検量線から質量平均分子量を求めた。
装置:東ソー(株)製「HLC8220」
カラム:東ソー(株)製「TSKgel SuperMultiporeHZ−H」(内径4.6mm×長さ15cm×2本、排除限界:4×10
溶離液:THF
溶離液流量:0.35ml/分
測定温度:40℃
試料注入量:10μl(試料濃度0.1質量%)
次いで、撹拌中の0.4%濃度の硫酸アルミニウム水溶液500部を70℃に温調した。そこへ、アクリル系加工助剤(C−1)エマルションを徐々に滴下し凝析させた後、95℃に昇温させ5分間保持した。その後、析出物を分離、濾過、洗浄、乾燥し加工助剤粉体(C−1)を得た。
(製造例2(C−2))
撹拌機、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えた反応容器に溶存酸素を低減させたイオン交換水を143部、メタクリル酸メチル単量体単位を40部、アクリル酸−n−ブチルを2部、n−オクチルメルカプタンを0.002部、アルケニルコハク酸ジカリウムを1.1部仕込み、系内を50℃に昇温させた。系内が50℃に到達後、3%濃度の過硫酸カリウム水溶液を4.2部添加し重合を開始させた。重合発熱ピーク確認後、系内の温度が70℃で、メタクリル酸メチル単量体単位を44部、アクリル酸ブチル単量体単位を14部、n−オクチルメルカプタンを0.01部からなるモノマー混合液を90分かけて系内に滴下、120分保持させ、アクリル系加工助剤(C−2)を得た。得られたアクリル系加工助剤(C−2)エマルション固形分は40.2%であり、重量平均分子用(Mw)は109万であった。後の操作は製造例1と同様に行い、アクリル系加工助剤(C−2)を得た。
(製造例3(C−3))
撹拌機、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えた反応容器に溶存酸素を低減させたイオン交換水を222部、メタクリル酸メチル単量体単位を68部、メタクリル酸n−ブチルを29部、アクリル酸−n−ブチルを3部、n−オクチルメルカプタンを0.004部、アルケニルコハク酸ジカリウムを1.0部仕込み、系内を45℃に昇温させた。系内が45℃に到達後、2.6%濃度の過硫酸カリウム水溶液を5.6部添加し重合を開始させた。重合発熱ピーク確認後、系内の温度が60℃で冷却を開始し重合を完結させた。得られたアクリル系加工助剤(C−3)エマルション固形分は30.1%であり、重量平均分子用(Mw)は210万であった。後の操作は製造例1と同様に行い、アクリル系加工助剤(C−3)を得た。
(製造例4(C−4))
撹拌機、コンデンサー、熱電対、窒素導入口を備えた反応容器に溶存酸素を低減させたイオン交換水を222部、メタクリル酸メチル単量体単位を80部、アクリル酸−n−ブチルを20部、アルケニルコハク酸ジカリウムを1.1部仕込み、系内を45℃に昇温させた。系内が45℃に到達後、2.6%濃度の過硫酸カリウム水溶液を5.6部添加し重合を開始させた。重合発熱ピーク確認後、系内の温度が50℃で冷却を開始し重合を完結させた。得られたアクリル系加工助剤(C−4)エマルション固形分は30.3%であり、重量平均分子用(Mw)は310万であった。後の操作は製造例1と同様に行い、アクリル系加工助剤(C−4)を得た。
(実施例1)
ポリ塩化ビニル樹脂100部(TK−1300 重合度1300 信越化学工業製)、Ca−Zn系安定剤3.0部(RUP−110 ADEKA社製)、イソソルバイド系可塑剤として、POLYSORB ID46(Roquette社製)60部をヘンシェルミキサーで120℃になるまで2000回転で高速混合した。得られた軟質塩化ビニル樹脂組成物に製造例1で作製したアクリル系加工助剤(C−1)を1部配合し、8inch熱ロールで160℃、5分混練し軟質塩化ビニル樹脂組成物シートを成形した。得られた軟質塩化ビニル樹脂組成物シートを160℃の熱プレス機で2mm厚に成形し、各種評価に供した。
実施例2以降もアクリル系加工助剤量、及び、アクリル系加工助剤種を変更した以外は同様の操作を行い、各種評価を実施した。
比較例1のアクリル系加工助剤未添加と比較し、実施例1〜12のアクリル系加工助剤を添加したものは、引張伸度及び熱処理後の引張伸度保持性に優れ、イソソルバイド系可塑剤を用いた軟質塩化ビニル樹脂組成物の課題である、機械特性、耐熱性が大きく改善する。また、分子量が100万以上のアクリル系加工助剤では溶融粘度も大きく向上し、加工性が良好となる。

Claims (3)

  1. ポリ塩化ビニル樹脂(A)とイソソルバイド系可塑剤(B)とアクリル系加工助剤(C)を含む軟質塩化ビニル樹脂組成物。
  2. アクリル系加工助剤(C)の重量平均分子量が100万以上である請求項1記載の軟質塩化ビニル樹脂組成物。
  3. アクリル系加工助剤(C)の重量平均分子量が200万以上である請求項1記載の軟質塩化ビニル樹脂組成物。
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