JP2019156865A - 透明性フィルム用ラテックス、ならびに、透明性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

透明性フィルム用ラテックス、ならびに、透明性フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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雅俊 石葉
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慎二 加藤
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Takashi Iga
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Abstract

【課題】ラテックスとしての安定性に優れ、フィルムを形成してもクラックを生じさせにくく、しかも、透明性および導電性に優れるフィルムを与えることのできる透明性フィルム用ラテックスを提供すること。【解決手段】リチウム塩、重合体粒子および水を含有する透明性フィルム用ラテックスであって、前記リチウム塩の含有量が、前記重合体粒子100重量部に対して、0.02〜9重量部であり、分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤の含有量が、前記重合体粒子100重量部に対して、1.0重量部以下である透明性フィルム用ラテックスを提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、透明性フィルムを与えることのできる透明性フィルム用ラテックス、ならびに、透明性フィルムおよびその製造方法に関する。
電子ペーパー、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの表示デバイス、太陽電池などの受光デバイスなどにおいては、透明導電フィルムが設置されている。このような透明導電フィルムの形成方法としては、形成が容易であることから、塗布液を用いて形成する方法が検討されている。
たとえば、特許文献1には、タンデム型有機光電子変換素子の中間層を形成するために、PEDOT−PSSなどの導電性高分子および自己分散型ポリマーを水系溶媒に分散した塗布液を用いることが開示されている。
特開2013−161917号公報
本発明は、ラテックスとしての安定性に優れ、フィルムを形成してもクラックを生じさせにくく、しかも、透明性および導電性に優れるフィルムを与えることのできる透明性フィルム用ラテックス、ならびに、このような透明性フィルム用ラテックスを用いて得られる透明性フィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、重合体粒子および水を含有するラテックスに配合する導電性材料として、リチウム塩を選択した上で、当該リチウム塩を極めて限定された量で用いるとともに、ラテックス中のアニオン性界面活性剤の含有量を低減することによって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、リチウム塩、重合体粒子および水を含有する透明性フィルム用ラテックスであって、前記リチウム塩の含有量が、前記重合体粒子100重量部に対して、0.02〜9重量部であり、分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤の含有量が、前記重合体粒子100重量部に対して、1.0重量部以下である透明性フィルム用ラテックスが提供される。
本発明の透明性フィルム用ラテックスにおいて、前記リチウム塩が、有機リチウム塩であることが好ましい。
本発明の透明性フィルム用ラテックスは、分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤を実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の透明性フィルム用ラテックスにおいて、前記重合体粒子が、前記重合体粒子を構成する重合体の全単量体単位に対して、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位10〜60重量%を含有するニトリルゴムの粒子であることが好ましい。
本発明の透明性フィルム用ラテックスは、反応性乳化剤の存在下に、または、反応性乳化剤の存在下の重合により得られたコア粒子の存在下に、単量体混合物を乳化重合することにより得られるものであることが好ましい。
本発明は、また、上記の透明性フィルム用ラテックスから得られる透明性フィルムを提供する。
本発明は、また、上記の透明性フィルムを備える電子ペーパーを提供する。
本発明は、また、上記のいずれかに記載の透明性フィルム用ラテックスから透明性フィルムを得る工程を備える透明性フィルムの製造方法を提供する。
本発明の製造方法は、反応性乳化剤の存在下に、または、反応性乳化剤の存在下の重合により得られたコア粒子の存在下に、単量体混合物を乳化重合することにより、前記重合体粒子を含有するラテックスを得る工程、および、前記ラテックスに前記リチウム塩を添加することにより、前記透明性フィルム用ラテックスを得る工程をさらに含むことが好ましい。
本発明によれば、ラテックスとしての安定性に優れ、フィルムを形成してもクラックを生じさせにくく、しかも、透明性および導電性に優れるフィルムを与えることのできる透明性フィルム用ラテックス、ならびに、このような透明性フィルム用ラテックスを用いて得られる透明性フィルムおよびその製造方法を提供することができる。
本発明の透明性フィルム用ラテックスは、リチウム塩、重合体粒子および水を含有する。
リチウム塩
リチウム塩としては、無機リチウム塩、有機リチウム塩などが挙げられるが、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムが得られることから、有機リチウム塩が好ましく、フルオロ基およびスルホニル基を有する有機リチウム塩がより好ましく、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSOおよびLi(CFSOCがさらに好ましい。これらのリチウム塩は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
透明性フィルム用ラテックスにおけるリチウム塩の含有量は、重合体粒子100重量部に対して、0.02〜9重量部であり、好ましくは0.05〜9重量部であり、より好ましくは0.1〜8重量部である。リチウム塩の含有量が少なすぎると、得られる透明性フィルムは、導電性に劣るものとなり、リチウム塩の含有量が多すぎると、透明性フィルム用ラテックスの安定性が不十分となり、フィルムを形成した場合にクラックが生じる。
透明性フィルム用ラテックスは、リチウム塩とともに、ポリエーテルを含有してもよい。ポリエーテルを含有することにより、リチウムイオンが安定化されるとともに、リチウムイオン移動しやすくなり、より高い導電性を有する透明性フィルムが得られる。ポリエーテルとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリアルキレングリコール;アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸などの多価カルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールなどの多価アルコールとから得られるポリエステルポリエーテルなどが挙げられる。これらのなかでも、アジピン酸と多価アルコールとから得られるポリエステルポリエーテルが好ましく、アジピン酸ビス[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]がより好ましい。
透明性フィルム用ラテックスにおけるポリエーテルの含有量は、リチウム塩の含有量に対して、1〜20倍であることが好ましく、2〜6倍であることがより好ましい。ポリエーテルの含有量を上記範囲とすることにより、透明性を損なうことなく、より高い導電性を有する透明性フィルムが得られる。
重合体粒子
本発明の透明性フィルム用ラテックスが含有する重合体粒子としては、ゴムの粒子が好ましく、ニトリルゴム(a1)、スチレン−ブタジエンゴム(a2)および共役ジエンゴム(a3)から選択される少なくとも1種のゴムの粒子がより好ましく、ニトリルゴム(a1)の粒子がさらに好ましい。重合体粒子として、ゴムの粒子を含有することによって、得られる透明性フィルムを、透明性および導電性に優れるものとすることができるだけでなく、柔軟性にも優れるものとすることができ、フレキシブルデバイスなどの柔軟性が要求される用途にも適用が可能となる。
また、ゴムを溶融させて成膜することによって、透明性フィルムを得る場合に、耐熱性に劣る基材上に透明性フィルムの層を直接設けようとすると、溶融したゴムの熱によって、基材が劣化する問題があった。これに対し、ゴムの粒子を含有する透明性フィルム用ラテックスは、比較的低温でフィルムを形成することが可能であるため、例えば、耐熱性に劣る基材上に透明性フィルムを形成する場合であっても、基材を劣化させにくいものである。
さらに、ゴムの粒子を含有する透明性フィルム用ラテックスからは、基材との接着性に優れた透明性フィルムが得られることから、基材と透明性フィルムとを接着させるための接着層が不要である。さらに、ゴムの粒子を含有する透明性フィルム用ラテックスは、基材が凹凸を有する場合であっても、該基材との接着性に優れた透明性フィルムを得ることができるものである。
重合体粒子を構成するゴムのガラス転移温度としては、好ましくは−40〜25℃であり、より好ましくは−30〜10℃である。ガラス転移温度を上記範囲とすることにより、得られる透明性フィルムを低温で使用することが可能となり、電子ペーパーなどの、低温で用いてもフレキシブル性が要求される用途にも好適に利用できるようになる。
また、重合体粒子としては、前記重合体粒子を構成する重合体の全単量体単位に対して、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位10〜60重量%を含有するニトリルゴム(a1)の粒子であることがより好ましい。エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合としては、10〜50重量%がより好ましく、10〜45重量%がさらに好ましい。エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を上記範囲とすることにより、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
重合体粒子は、コア粒子と、実質的にコア粒子を包囲するシェル層とを有するものであってもよい。シェル層は、シェル層を形成するための単量体混合物を、コア粒子の存在下で乳化重合することにより形成される。
ニトリルゴム(a1)としては、共役ジエン単量体単位およびエチレン性不飽和ニトリル単量体単位を含有するものが好ましい。
共役ジエン単量体単位を形成する共役ジエン単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンおよびクロロプレンなどが挙げられる。これらのなかでも、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましく、1,3−ブタジエンがより好ましい。これらの共役ジエン単量体は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。ニトリルゴム(a1)中における、共役ジエン単量体により形成される共役ジエン単量体単位の含有割合は、好ましくは40〜90重量%であり、より好ましくは45〜80重量%であり、さらに好ましくは47〜78重量%であり、特に好ましくは50〜70重量%である。共役ジエン単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。なお、本明細書において、重合体粒子がコア粒子とシェル層とを有する場合、ニトリルゴム(a1)、スチレン−ブタジエンゴム(a2)および共役ジエンゴム(a3)における各単量体単位の含有割合は、上述した「重合体粒子を構成する重合体の全単量体単位に対するニトリル単量体単位の含有割合」を除いて、シェル層を構成する重合体における含有割合である。
エチレン性不飽和ニトリル単量体単位を形成するエチレン性不飽和ニトリル単量体としては、ニトリル基を含有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されないが、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリルなどが挙げられる。なかでも、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルがより好ましい。これらのエチレン性不飽和ニトリル単量体は、単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。ニトリルゴム(a1)中における、エチレン性不飽和ニトリル単量体により形成されるエチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は、好ましくは10〜60重量%であり、より好ましくは10〜50重量%であり、さらに好ましくは20〜45重量%であり、特に好ましくは25〜45重量%である。エチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
ニトリルゴム(a1)は、共役ジエン単量体単位およびエチレン性不飽和ニトリル単量体単位に加えて、エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を含有することが、透明性フィルム用ラテックスの安定性がより一層優れたものとなることから、好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を形成するエチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、カルボキシル基を含有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されないが、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸無水物;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステル単量体;などが挙げられる。これらのなかでも、エチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体はアルカリ金属塩またはアンモニウム塩として用いることもできる。また、エチレン性不飽和カルボン酸単量体は単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。ニトリルゴム(a1)中における、エチレン性不飽和カルボン酸単量体により形成されるエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有割合は、好ましくは1〜10重量%であり、より好ましくは2〜8重量%であり、さらに好ましくは2〜5重量%である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有割合を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
ニトリルゴム(a1)としては、共役ジエン単量体単位およびエチレン性不飽和ニトリル単量体単位に加えて、共役ジエン単量体およびエチレン性不飽和ニトリル単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体により形成されるその他のエチレン性不飽和単量体単位を含有するものであってもよい。その他のエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、スチレン、アルキルスチレン、ビニルナフタレンなどのビニル芳香族単量体;フルオロエチルビニルエーテルなどのフルオロアルキルビニルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和アミド単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸−2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸−1−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸−2−エチル−6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸−3−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートなどの架橋性単量体;などを挙げることができる。なかでも、エチレン性不飽和アミド単量体およびエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体がより好ましい。これらのエチレン性不飽和単量体は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
ニトリルゴム(a1)中における、その他のエチレン性不飽和単量体単位の含有割合は、好ましくは1〜10重量%であり、より好ましくは2〜8重量%であり、さらに好ましくは2〜5重量%である。
また、ニトリルゴム(a1)のラテックスには、必要に応じて、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、分散剤などを適宜添加してもよい。
ニトリルゴム(a1)のラテックスの中位粒子径(d50)は、好ましくは30〜300nmであり、より好ましくは40〜150nmである。粒子径は、反応性乳化剤および重合開始剤の使用量を調節するなどの方法により、所望の値に調整することができる。
スチレン−ブタジエンゴム(a2)としては、1,3−ブタジエン単位およびスチレン単位を含有するものが好ましい。
スチレン−ブタジエンゴム(a2)中における、1,3−ブタジエンにより形成される1,3−ブタジエン単位の含有割合は、好ましくは36〜68重量%であり、より好ましくは36〜63重量%であり、さらに好ましくは36〜58重量%である。1,3−ブタジエン単位の含有量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
スチレン−ブタジエンゴム(a2)中における、スチレンにより形成されるスチレン単位の含有割合は、好ましくは32〜64重量%であり、より好ましくは32〜58重量%であり、さらに好ましくは38〜58重量%である。スチレン単位の含有量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
スチレン−ブタジエンゴム(a2)は、1,3−ブタジエン単位およびスチレン単位に加えて、エチレン性不飽和アミド単量体単位およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を含有することが、透明性フィルム用ラテックスの安定性がより一層優れたものとなることから、好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を形成するエチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、カルボキシル基を含有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されないが、たとえば、上述したニトリルゴム(a1)のラテックスと同様のものを用いることができる。また、エチレン性不飽和アミド単量体単位を形成するエチレン性不飽和アミド単量体としては、特に限定されないが、たとえば、上述したニトリルゴム(a1)のラテックスと同様のものを用いることができる。スチレン−ブタジエンゴム(a2)中における、エチレン性不飽和アミド単量体単位およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有割合は、好ましくは1〜10重量%であり、より好ましくは2〜8重量%であり、さらに好ましくは2〜5重量%である。エチレン性不飽和アミド単量体単位およびエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
スチレン−ブタジエンゴム(a2)としては、1,3−ブタジエン単位およびスチレン単位に加えて、1,3−ブタジエンおよびスチレンと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体により形成されるその他のエチレン性不飽和単量体単位を含有するものであってもよい。その他のエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、上述したニトリルゴム(a2)のラテックスと同様のもの(ただし、スチレンを除く)の他、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンおよびクロロプレンなどの1,3−ブタジエン以外の共役ジエン単量体などが挙げられる。スチレン−ブタジエンゴム(a2)中における、その他のエチレン性不飽和単量体により形成されるその他の単量体単位の含有割合は、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下であり、さらに好ましくは3重量%以下である。
また、スチレン−ブタジエンゴム(a2)のラテックスには、必要に応じて、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、分散剤などを適宜添加してもよい。
スチレン−ブタジエンゴム(a2)のラテックスの中位粒子径(d50)は、好ましくは60〜300nmであり、より好ましくは80〜150nmである。粒子径は、反応性乳化剤および重合開始剤の使用量を調節するなどの方法により、所望の値に調整することができる。
共役ジエンゴム(a3)としては、共役ジエン単量体単位を含有するものが好ましい。
共役ジエン単量体単位を形成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンおよびクロロプレンなどが挙げられ、共役ジエン単量体としてはこれらの何れかを単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
共役ジエンゴム(a3)中における、共役ジエン単量体により形成される共役ジエン単量体単位の含有割合は、好ましくは80〜98重量%であり、より好ましくは90〜98重量%であり、さらに好ましくは95〜97.5重量%である。共役ジエン単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
共役ジエンゴム(a3)は、共役ジエン単量体単位に加えて、エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を含有することが、透明性フィルム用ラテックスの安定性がより一層優れたものとなることから、好ましい。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、カルボキシル基を含有するエチレン性不飽和単量体であれば特に限定されないが、たとえば、上述したニトリルゴム(a1)のラテックスと同様のものを用いることができる。共役ジエンゴム(a3)中における、エチレン性不飽和カルボン酸単量体により形成されるエチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有割合は、好ましくは2〜10重量%であり、より好ましくは2〜7.5重量%であり、さらに好ましくは2.5〜5重量%である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
共役ジエンゴム(a3)としては、共役ジエン単量体単位に加えて、共役ジエン単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体により形成されるその他のエチレン性不飽和単量体単位を含有するものであってもよい。共役ジエン単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、上述したニトリルゴム(a1)のラテックスと同様のものが挙げられる。共役ジエンゴム(a3)中における、その他のエチレン性不飽和単量体により形成されるその他の単量体単位の含有割合は、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下であり、さらに好ましくは3重量%以下である。
また、共役ジエンゴム(a3)のラテックスには、必要に応じて、老化防止剤、防腐剤、抗菌剤、分散剤などを適宜添加してもよい。
共役ジエンゴム(a3)のラテックスの中位粒子径(d50)は、好ましくは60〜300nmであり、より好ましくは80〜150nmである。粒子径は、反応性乳化剤および重合開始剤の使用量を調節するなどの方法により、所望の値に調整することができる。
本発明の透明性フィルム用ラテックスは、得られる透明性フィルムの透明性を損なわない範囲で、リチウム塩以外の導電性材料を含むものであってもよい。導電性材料としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)などの導電性高分子などが挙げられる。導電性材料の含有量は、透明性を損なわないように、重合体粒子100重量部に対して、好ましくは25重量部以下であり、下限は特に限定されないが、0.01重量部以上であってよい。
本発明で用いる重合体粒子は、例えば、反応性乳化剤の存在下に、水中で、上述した単量体を含有してなる単量体混合物を乳化重合することによって、重合体粒子を含有するラテックスを得る工程を含む製造方法により、得られたものであることが好ましい。重合体粒子が、反応性乳化剤の存在下に乳化重合することによって得られたものであると、透明性フィルム用ラテックスの安定性がより一層優れたものとなり、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
また、本発明で用いる重合体粒子は、反応性乳化剤の存在下に、エチレン性不飽和カルボン酸単量体およびこれと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体を、乳化重合することによって、コア粒子を含有する水性分散液を得る工程と、前記コア粒子の存在下に、水中で、上述した単量体を含有してなる単量体混合物を乳化重合することによって、重合体粒子を含有するラテックスを得る工程とを含む製造方法により、得られたものであることも好ましい。コア粒子の存在下に、上述した単量体を含有してなる単量体混合物を乳化重合することにより、コア粒子を実質的に包囲するシェル層が形成される。重合体粒子がこの製造方法により得られたものであると、透明性フィルム用ラテックスの安定性がより一層優れたものとなり、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
すなわち、本発明の透明性フィルム用ラテックスが、反応性乳化剤の存在下に、または、反応性乳化剤の存在下の重合により得られたコア粒子の存在下に、上述した単量体を含有してなる単量体混合物を乳化重合することにより得られる重合体粒子を含有するものであると、透明性フィルム用ラテックスの安定性がより一層優れたものとなり、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。例えば、透明性フィルム用ラテックスが多価カルボン酸と多価アルコールとから得られるポリエステルポリエーテルを含有する場合であっても、ポリエステルポリエーテルが凝集しにくいことから、ラテックスの優れた安定性が得られる。同時に、アニオン性界面活性剤が成形時にフィルム表面にブリードすることがないので、優れた透明性を有する透明性フィルムを得ることができる。
反応性乳化剤は、分子中に1個以上の重合可能なビニル基を有する界面活性剤である。その具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム塩、プロペニル−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン硫酸エステル、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン燐酸エステルなどのアニオン性の反応性乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテルなどのノニオン性の反応性乳化剤などが挙げられる。これらのなかでも、アニオン性の反応性乳化剤が好ましく、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルエーテル硫酸アンモニウム塩およびポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム塩が、乳化分散性能および単量体混合物との共重合性のバランスが優れていることから、より好ましい。
反応性乳化剤の量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜5.0重量部であり、より好ましくは0.05〜5.0重量部であり、さらに好ましくは0.05〜1.0重量部である。
反応性乳化剤は、そのまま単独で添加してもよいし、単量体、水、又は重合副資材に混合しあるいは溶解して添加してもよい。反応性乳化剤の添加方法のうち、反応性乳化剤を単量体および水と混合して乳化して、重合開始後に反応器に添加する方法が、重合体鎖におけるエチレン性不飽和酸単量体の連鎖分布が均一になるので好ましい。
コア粒子は、エチレン性不飽和酸単量体単位を含有するものであることが好ましい。コア粒子を得るために用いるエチレン性不飽和酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸無水物;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸部分エステル単量体;などが挙げられる。これらのなかでも、エチレン性不飽和モノカルボン酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。
コア粒子におけるエチレン性不飽和酸単量体単位の含有割合は、好ましくは5〜50重量%であり、より好ましくは10〜40重量%であり、さらに好ましくは15〜30重量%である。エチレン性不飽和酸単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
コア粒子は、エチレン性不飽和酸単量体単位に加えて、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体により形成されるその他のエチレン性不飽和単量体単位を含有するものであってもよい。コア粒子を得るために用いる、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有エチレン性不飽和単量体;アリルグリシジルエーテルなどのエチレン性不飽和グリシジルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和アミド単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン単量体;酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル;などが挙げられる。これらのなかでも、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸エチルがより好ましい。
コア粒子におけるその他のエチレン性不飽和単量体単位の含有割合は、好ましくは59〜95重量%であり、より好ましくは60〜90重量%であり、さらに好ましくは70〜85重量%である。その他のエチレン性不飽和単量体単位の含有量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
コア粒子を構成する重合体の重量平均分子量は、好ましくは500〜20,000であり、より好ましくは1,000〜15,000である。重量平均分子量を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
コア粒子を構成する重合体の重量平均分子量は、乳化重合を分子量調整剤の存在下に行うことにより、調整することができる。分子量調整剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;α−メチルスチレンダイマー;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのスルフィド類;2−メチル−3−ブテンニトリル、3−ペンテンニトリルなどのニトリル化合物;チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸プロピル、チオグリコール酸オクチルなどのチオグリコール酸エステル;β−メルカプトプロピオン酸メチル、β−メルカプトプロピオン酸オクチルなどのβ−メルカプトプロピオン酸エステル;などが挙げられ、これらは単独又は二種以上で使用できる。これらのなかでも、チオグリコール酸エステルが好適である。
コア粒子を含有する水性分散液を得る工程においては、上記に記載した単量体などを用いる以外は、後述する重合体粒子を得るための方法と、同様の方法にて乳化重合を行うことができる。
コア粒子を含有する水性分散液を得た後、コア粒子の存在下に、上述した単量体を含有してなる単量体混合物を乳化重合することによって、重合体粒子を含有するラテックスを得ることができる。この際、重合時の凝集物の発生が抑制できることから、コア粒子を中和し、中和されたコア粒子の存在下に、乳化重合することが好ましい。
コア粒子を中和するために用いる塩基性物質としては、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミンなどのアミン;水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;などが挙げられる。これらのなかでも、アンモニアが好ましい。塩基性物質の使用量は、コア粒子の中和度を、通常、70%以上にする量である。
コア粒子と単量体混合物との比率としては、コア粒子100重量部に対して、単量体混合物が5〜200重量部であることが好ましく、10〜100重量部であることがより好ましく、15〜50重量部であることがさらに好ましい。コア粒子と単量体混合物との比率を上記範囲とすることにより、ラテックスとしての安定性に一層優れ、クラックの発生を一層抑制し、透明性および導電性に一層優れる透明性フィルムを得ることができる。
重合体粒子を含有するラテックスは、上述した反応性乳化剤の存在下に、あるいは、コア粒子の存在下に、単量体混合物の乳化重合を行うことによって、得られる。
上述した単量体を含有してなる単量体混合物を乳化重合する際には、通常用いられる、重合開始剤、分子量調整剤などの重合副資材を使用することができる。これら重合副資材の添加方法は特に限定されず、初期一括添加法、分割添加法、連続添加法などいずれの方法でもよい。乳化重合は、反応性乳化剤の存在下に、あるいは、コア粒子の存在下に、行うものであるので、非反応性アニオン性界面活性剤を用いる必要はなく、非反応性アニオン性界面活性剤を用いないことが好ましい。
重合開始剤としては、特に限定されないが、たとえば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素などの無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチルなどのアゾ化合物;などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.01〜2重量部である。
また、過酸化物開始剤は還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することができる。この還元剤としては、特に限定されないが、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅などの還元状態にある金属イオンを含有する化合物;ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウムなどのスルフィン酸塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アルデヒド亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウムの亜硫酸塩;ジメチルアニリンなどのアミン化合物;などが挙げられる。これらの還元剤は単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。還元剤の使用量は、過酸化物100重量部に対して3〜1000重量部であることが好ましい。
乳化重合する際に使用する水の量は、使用する全単量体100重量部に対して、80〜600重量部が好ましく、100〜400重量部が特に好ましい。
単量体の添加方法としては、たとえば、反応器に使用する単量体を一括して添加する方法、重合の進行に従って連続的または断続的に添加する方法、単量体の一部を添加して特定の転化率まで反応させ、その後、残りの単量体を連続的または断続的に添加して重合する方法などが挙げられ、いずれの方法を採用してもよい。単量体を混合して連続的または断続的に添加する場合、混合物の組成は、一定としても、あるいは変化させてもよい。また、各単量体は、使用する各種単量体を予め混合してから反応器に添加しても、あるいは別々に反応器に添加してもよい。
さらに、必要に応じて、キレート剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤などの重合副資材を用いることができ、これらは種類、使用量とも特に限定されない。
乳化重合を行う際の重合温度は、特に限定されないが、通常、−5〜95℃、好ましくは0〜90℃である。重合時間は5〜40時間程度である。
以上のように単量体混合物を乳化重合し、所定の重合転化率に達した時点で、重合系を冷却したり、重合停止剤を添加したりして、重合反応を停止する。重合反応を停止する際の重合転化率は、好ましくは90重量%以上であり、より好ましくは93重量%以上である。
重合停止剤としては、特に限定されないが、たとえば、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミン硫酸塩、ジエチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ハイドロキノン誘導体、カテコール誘導体、ならびに、ヒドロキシジメチルベンゼンチオカルボン酸、ヒドロキシジエチルベンゼンジチオカルボン酸、ヒドロキシジブチルベンゼンジチオカルボン酸などの芳香族ヒドロキシジチオカルボン酸およびこれらのアルカリ金属塩などが挙げられる。重合停止剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、好ましくは0.05〜2重量部である。
重合反応を停止した後、所望により、未反応の単量体を除去し、固形分濃度やpHを調整することで、重合体粒子を含有するラテックスを得ることができる。
アニオン性界面活性剤の含有量
本発明の透明性フィルム用ラテックスにおいては、分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤の含有量が、前記重合体粒子100重量部に対して、1重量部以下であり、好ましくは0.8重量部以下である。また、本発明の透明性フィルム用ラテックスは、分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤を実質的に含有しないことが特に好ましい。実質的に含有しないとは、アニオン性界面活性剤の含有量が、後述するアニオン性界面活性剤の含有量の測定方法の定量下限未満であることを意味する。
分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩などを挙げることができる。
透明性フィルム
本発明の透明性フィルムは、透明性フィルム用ラテックスから得られる透明性を有するフィルムである。
透明性フィルムのヘイズ値は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。透明性フィルムのヘイズ値は、10μmの厚みを有する透明性フィルムについて、JIS K7136に準拠して、ヘイズメーター(NDH 7000、日本電色工業社製)を用いて測定しうる。フィルムのヘイズ値が上記範囲である場合、そのフィルムは透明性を有するものである。
透明性フィルムの厚みは、好ましくは0.1〜50μmであり、より好ましくは1〜40μmであり、さらに好ましくは1〜30μmである。厚みを上記範囲とすることにより、透明性および導電性を高度にバランスさせることができる。
透明性フィルムの表面抵抗率は、好ましくは10〜1010.5Ω/□であり、より好ましくは10〜1010Ω/□であり、さらに好ましくは106.5〜1010Ω/□である。表面抵抗率は、後述する実施例に記載の表面抵抗率の測定と同様の方法で測定することができる。
透明性フィルムの製造方法
透明性フィルム用ラテックスから透明性フィルムを得る工程を備える透明性フィルムの製造方法によって、透明性フィルムを得ることができる。上記の製造方法は、本発明の透明性フィルムの製造方法として好適である。この製造方法は、反応性乳化剤の存在下に、または、反応性乳化剤の存在下の重合により得られたコア粒子の存在下に、単量体混合物を乳化重合することにより、重合体粒子を含有するラテックスを得る工程、および、上記ラテックスに前記リチウム塩を添加する工程をさらに含むものであってよい。
上記の工程においては、透明性フィルム用ラテックスを基材上に塗布し、乾燥することによって、透明性フィルム用ラテックスから透明性フィルムを得ることができる。
塗布する方法としては、特に限定されないが、キャスト法、スピンコート法、ブレードコート法、グラビア法、インクジェット法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スリットコート法などの公知の塗布方法が挙げられる。
基材としては、無機基材および有機基材のいずれであってもよいが、透明性を有する基材が好ましく、柔軟性および透明性を有する基材がより好ましい。基材を構成する材料としては、ガラス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などが挙げられるが、熱可塑性樹脂が好ましい。
乾燥温度は、通常20〜200℃、好ましくは30〜150℃であり、乾燥時間は、通常30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間である。
本発明の透明性フィルムは、クラックをほとんど有しておらず、透明性および導電性に優れるものであるため、電子ペーパー、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの表示デバイス、太陽電池などの受光デバイスなどに好適に用いることができる。また、曲げて使用することもできるため、フレキシブル電子ペーパー、フレキシブルディスプレイなどのフレキシブルデバイスなどにも、好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下において、特記しない限り「部」は重量基準である。なお、試験、評価は以下によった。
固形分濃度
アルミ皿(重量:X1)に試料2gを精秤し(重量:X2)、これを105℃の熱風乾燥器内で2時間乾燥させた。次いで、デシケーター内で冷却した後、アルミ皿ごと重量を測定し(重量:X3)、下記の計算式にしたがって、固形分濃度を算出した。
固形分濃度(重量%)=(X3−X1)×100/X2
アクリロニトリル単位の含有割合測定
アクリロニトリル単位の含有割合は、JIS K6384に従い、ケルダール法により、ニトリルゴム中の窒素含量を測定することにより算出した。
ガラス転移温度
示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温条件にて測定した。
重合体粒子の中位粒子径(d50)
重合体粒子の中位粒子径は、PIDS法レーザ回折・散乱法測定装置(LS13 320、ベックマン・コールター社製)により測定した。
分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤の含有量
ラテックスに希塩酸を添加して、重合体粒子を凝固した後、濾過した。得られた濾液にメタノールを添加して試験液を調製し、UV吸光度計を用いて、この試験液の吸光度を測定し、吸光度と界面活性剤濃度との検量線から、アニオン性界面活性剤の含有量を求めた。定量下限は、分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤100重量部に対して、0.001重量部である。
表面抵抗率
実施例および比較例で得られたフィルムから、10cm角の試験片を切り抜き、20℃、相対湿度が65%の恒温恒湿室で12時間放置した後、同じ雰囲気下で、表面抵抗計(YC−103、アズワン社製)で、試験片の表面抵抗率を測定した。
凝集物の量
実施例および比較例で得られたラテックス(固形分濃度:9〜45重量%)を、30℃の条件下で30分間攪拌した。その後、ラテックス200gを取り出し、ASTM標準ふるい(200メッシュ)を用いて、発生した凝集物を濾過した。そして、ふるい上の凝集物を乾燥して、乾燥後の凝集物の重量を秤量し、ラテックスの固形分に対する割合を百分率で求め、これを凝集物量とした。
透明性(ヘイズ)
JIS K7136に準拠して、ヘイズメーター(NDH 7000、日本電色工業社製)を用いて測定
クラック
実施例および比較例で得られたフィルムを目視で観察し、以下の基準で評価した。
〇:クラックが無い
×:クラックがある
実施例1
メチルメタクリレート51部、エチルアクリレート26部、メタクリル酸23部、チオグリコール酸オクチル8部、反応性乳化剤(アクアロンHS10、第一工業製薬社製)0.3部および軟水39部を混合分散し単量体エマルジョンを得た。
一方、攪拌機付き反応器の内部を窒素置換した後、軟水204.2部を仕込み85℃に加熱し、5%過硫酸カリウム水溶液19部を反応器に添加後、85℃に維持したまま前記単量体エマルジョンを2時間かけて連続添加して反応させた。単量体エマルジョン添加終了後、更に1時間85℃に保持してアルカリ可溶性重合体を得た。これに28%のアンモニア水16.1部を加えて30分間攪拌を続けたのち室温まで冷却して、固形分濃度28%のアルカリ可溶性重合体中和物水溶液(A1)を得た。
窒素置換した攪拌機付オートクレーブに、軟水160部、アルカリ可溶性重合体中和物水溶液(A1)を固形分換算で25部、1,3−ブタジエン55部、アクリロニトリル37部、グリシジルメタクリレート4部を添加して単量体混合物を得た。
別の窒素置換した攪拌機付オートクレーブに軟水50部を仕込み、過硫酸アンモニウム水溶液(軟水11部と過硫酸アンモニウム0.5部の混合物)を仕込み、45℃に保持して、前記単量体混合物を19時間かけて滴下した。その後、更に過硫酸アンモニウム水溶液(軟水3部と過硫酸アンモニウム0.1部の混合物)を添加し、内温を45℃に保持して5時間反応させた。重合終了時の転化率は99%であった。反応後、未反応の単量体を除去し、pHを調整して水性重合体分散液Aを得た。水性重合体分散液Aに含まれる重合体粒子について、アクリロニトリル単位の含有割合、ガラス転移温度および中位粒子径(d50)を測定した。結果を表1に示す。
得られた水性重合体分散液Aに、重合体粒子100部に対して、1.0部のリチウムアジペート(サンコノール0862−20R、三光化学工業社製(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li(CFSON)20重量%と、アジピン酸ビス[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]80重量%との混合物))を添加し、透明性フィルム用ラテックスを得た。得られた透明性フィルム用ラテックスについて、上記方法にしたがい、アニオン性界面活性剤の含有量および凝集物の量を測定した。結果を表1に示す。
次いで、透明性フィルム用ラテックスの固形分濃度を10重量%に調整し、クリアランス100μmのアプリケーターを用いてゼオノアフィルム(ZF14−060、日本ゼオン社製)に塗布し、20℃の雰囲気中で乾燥して、透明性フィルム(膜厚10μm)を得た。得られた透明性フィルムを基材に乗せたまま、上記方法にしたがい、表面抵抗率を測定し、透明性およびクラックを評価した。結果を表1に示す。
実施例2〜3
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの量が表1に記載の量になるように、リチウムアジペートの添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、透明性フィルム用ラテックスおよび透明性フィルムを得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例4
得られたラテックスに、重合体粒子100部に対して、0.05部のPEDOT−PSS(デナトロンF−900E5、ナガセケムテックス社製)をさらに添加した以外は、実施例2と同様にして、透明性フィルム用ラテックスおよび透明性フィルムを得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
実施例5
実施例1で得られたアルカリ可溶性重合体中和物水溶液(A1)を用いた。コア粒子が30.0部となるように、実施例1で得られたアルカリ可溶性重合体中和物水溶液(A1)を、脱イオン水100部に添加し、さらに、1,3−ブタジエン45部、スチレン50部、N−メチロールアクリルアミド2.5部およびグリシジルメタクリレート2.5部を添加し、攪拌して、単量体混合物(b)を得た。一方、窒素置換した攪拌機付きオートクレーブに脱イオン水50部、エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム0.05部を仕込み、60℃に加温し、4.8%の過硫酸カリウム水溶液10.4部を添加した後、単量体混合物(b)を3時間かけて添加し、単量体混合物(b)の添加が終了した後、反応をさらに3時間行った。その後、亜硝酸ナトリウム0.05部を添加し、アンモニア水を添加して、未反応の単量体を除去し、pHを調整して水性重合体分散液Bを得た。水性重合体分散液Bに含まれる重合体粒子について、ガラス転移温度および中位粒子径(d50)を測定した。結果を表1に示す。
得られた水性重合体分散液Bに、重合体粒子100部に対して、30部のリチウムアジペート(サンコノール0862−20R、三光化学工業社製(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li(CFSON)20重量%と、アジピン酸ビス[2−(2−ブトキシエトキシ)エチル]80重量%との混合物))を添加し、透明性フィルム用ラテックスを得た。得られた透明性フィルム用ラテックスについて、上記方法にしたがい、アニオン性界面活性剤の含有量および凝集物の量を測定した。結果を表1に示す。
次いで、透明性フィルム用ラテックスの固形分濃度を10重量%に調整し、クリアランス100μmのアプリケーターを用いてゼオノアフィルム(ZF14−060、日本ゼオン社製)に塗布し、20℃の雰囲気中で乾燥して、透明性フィルム(膜厚10μm)を得た。得られた透明性フィルムを基材に乗せたまま、上記方法にしたがい、表面抵抗率を測定し、透明性およびクラックを評価した。結果を表1に示す。
比較例1
リチウムアジペートを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、透明性フィルム用ラテックスおよび透明性フィルムを得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例2
リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの量が表1に記載の量になるように、リチウムアジペートの添加量を変更した以外は、実施例1と同様にして、透明性フィルム用ラテックスおよび透明性フィルムを得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例3
リチウムアジペートを添加せず、重合体粒子100部に対して、5部のPEDOT−PSS(デナトロンF−900E5、ナガセケムテックス社製)を添加した以外は、実施例1と同様にして、透明性フィルム用ラテックスおよび透明性フィルムを得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
比較例4
アクリロニトリル単位29.0重量%、メタクリル酸単位7.0重量%および1,3−ブタジエン単位64.0重量%を含有する重合体粒子C、水、並びに、アニオン性界面活性剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウムおよびナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩を含有するラテックスを用いた以外は、実施例1と同様にして、フィルムを作製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2019156865
表1において、「<LOQ」は、定量下限(Limit of Quantification)未満であることを示す。また、比較例4のシェル層の欄に記載の組成は、比較例4についてのみ、重合体粒子の組成(重量%)である。
表1より、リチウム塩、重合体粒子、水および特定の量のリチウム塩を含有し、分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤の含有量が特定の量以下である透明性フィルム用ラテックスは、凝集物を含有していなかった(実施例1〜5)。また、この透明性フィルム用ラテックスを用いて得られた透明性フィルムは、表面抵抗率が低く、透明性が高く、クラックを有していなかった。
一方、リチウム塩の含有量が少なすぎるラテックスを用いて得られたフィルムは、表面抵抗率が高かった(比較例1)。また、リチウム塩の含有量が多すぎるラテックスは、凝集物を多く含有し、このラテックスを用いて得られたフィルムは、クラックを有していた(比較例2)。
また、リチウム塩を含有せず、PEDOT−PSSを含有するラテックスを用いて得られたフィルムは、透明性に劣るものであった(比較例3)。
さらに、分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤を含有するラテックスは、意外にも、凝集物を多く含有し、得られたフィルムは、透明性に劣るものであり、クラックを有するものであった(比較例4)。

Claims (9)

  1. リチウム塩、重合体粒子および水を含有する透明性フィルム用ラテックスであって、
    前記リチウム塩の含有量が、前記重合体粒子100重量部に対して、0.02〜9重量部であり、
    分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤の含有量が、前記重合体粒子100重量部に対して、1.0重量部以下である
    透明性フィルム用ラテックス。
  2. 前記リチウム塩が、有機リチウム塩である請求項1に記載の透明性フィルム用ラテックス。
  3. 分子量が1000以下であるアニオン性界面活性剤を実質的に含有しない請求項1または2に記載の透明性フィルム用ラテックス。
  4. 前記重合体粒子が、前記重合体粒子を構成する重合体の全単量体単位に対して、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位10〜60重量%を含有するニトリルゴムの粒子である請求項1〜3のいずれかに記載の透明性フィルム用ラテックス。
  5. 反応性乳化剤の存在下に、または、反応性乳化剤の存在下の重合により得られたコア粒子の存在下に、単量体混合物を乳化重合することにより得られる請求項1〜4のいずれかに記載の透明性フィルム用ラテックス。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の透明性フィルム用ラテックスから得られる透明性フィルム。
  7. 請求項6に記載の透明性フィルムを備える電子ペーパー。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の透明性フィルム用ラテックスから透明性フィルムを得る工程を備える透明性フィルムの製造方法。
  9. 反応性乳化剤の存在下に、または、反応性乳化剤の存在下の重合により得られたコア粒子の存在下に、単量体混合物を乳化重合することにより、前記重合体粒子を含有するラテックスを得る工程、および、
    前記ラテックスに前記リチウム塩を添加することにより、前記透明性フィルム用ラテックスを得る工程
    をさらに含む請求項8に記載の透明性フィルムの製造方法。
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