JP5134304B2 - 輝度向上シート用ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、液晶ディスプレイの輝度向上シート(一般に「プリズムレンズシート」と称されることもある)に用いられるポリエステルフィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、近年、光学用フィルムに多く用いられ、例えば、液晶表示装置に用いられる輝度向上シート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルムや反射防止用フィルムのベースフィルム、プラズマディスプレイの電磁波シールドフィルム、有機ELディスプレイのベースフィルム、ディスプレイの防爆用ベースフィルム等の用途に用いられている。
このような用途に用いられるベースフィルムには、優れた透明性が要求され、さらにベースフィルムの上に設けられるプリズムレンズ層、ハードコート層、粘着層、反射防止層、スパッタ層等に対する接着性と密着性が要求される。
しかし、ポリエステルフィルム、特に二軸延伸ポリエステルフィルムは、概して、他の材料との接着性が悪く、例えばアクリル樹脂を主成分とするプリズムレンズ層やハードコート層等との接着性が悪い。
そこでこれまでにも、ポリエステルフィルムとプリズムレンズ層との接着性を改良する方法として、ポリエステルフィルムの表面にアンカーコート層を設けて接着性を改良することがこれまでも数多く提案されている。
特開2005−89622号公報 特開2006−137046号公報 特開2006−142544号公報
プリズムレンズ層の製造コストを低減にするためには、プリズムレンズ層の紫外線硬化工程を迅速に行うことが求められ、このためには、高い紫外線透過性が必要であるが、従来のアンカーコートを設ける方法では、高い紫外線透過率を得ることが難しい。
本発明は、輝度向上シートのベースフィルムに用いたときに、高輝度を達成することができるように高い光線透過率を備えるとともに、プリズムレンズ層を設ける際の紫外線硬化工程を迅速に行うことができるよう高い紫外線透過率を備える、輝度向上シート用ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルムおよびそのうえに設けられた塗布層からなり、塗布層がアクリル樹脂および平均粒子径1〜20nmかつ屈折率1.30〜1.40の微粒子からなることを特徴とする、輝度向上シート用ポリエステルフィルムである。
本発明によれば、輝度向上シートのベースフィルムに用いたときに、高輝度を達成することができるように高い光線透過率を備えるとともに、プリズムレンズ層を設ける際の紫外線硬化工程を迅速に行うことができるよう高い紫外線透過率を備える、輝度向上シート用ポリエステルフィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例としてポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)を例示することができる。
ポリエステルフィルムに用いられるポリエステルは、これらのポリエステルの共重合体であってもよく、他の樹脂とのブレンドであってもよい。いずれの場合も、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、共重合成分またはブレンド成分は少割合(例えば20モル%以下の成分)とすることが好ましい。ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。
ポリエステルフィルムは、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、触媒を含有してもよいが、内添微粒子を含有しないことが透明性の点で好ましい。
ポリエステルフィルムの厚みは、輝度向上シートとして使用する場合に必要な強度を得るために、好ましくは25〜350μm、さらに好ましくは50〜250μmである。
[塗布層]
本発明の輝度向上シート用ポリエステルフィルムは、上記のポリエステルフィルムのうえに塗布層を備える。塗布層はポリエステルフィルムの一方の面に備えてもよく両方の面に備えてもよく、好ましくは両方の面に備える。塗布層は、アクリル樹脂および平均粒子径1〜20nmかつ屈折率1.30〜1.40の微粒子からなる。このうち、アクリル樹脂はバインダー成分として位置づけられる。
輝度向上シートにおいて輝度向上の作用をするプリズムレンズ層は、一般に、エネルギー硬化型、特に紫外線硬化型のアクリル樹脂を用いて形成する。このアクリル樹脂に対する良好な接着性を得るために、塗布層のバインダー成分としてアクリル樹脂を用いる。アクリル樹脂は、塗布層を構成するアクリル樹脂と平均粒子径1〜20nmかつ屈折率1.30〜1.40の微粒子との合計100重量部あたり、好ましくは40重量部以上、さらに好ましくは50〜90重量部を占める。アクリル樹脂が40重量部未満であると輝度向上層との接着性に劣り好ましくない。アクリル樹脂が90重量部を超えると十分な光線透過率が得られず好ましくない。
[アクリル樹脂]
本発明における塗布層のアクリル樹脂は、ガラス転移点(以下、ガラス転移温度を「Tg」ということがある。)が、好ましくは30〜80℃、さらに好ましくは35〜70℃のものである。ガラス転移点が30℃未満であるとブロッキング性が悪化して好ましくなく、他方、Tgが80℃を超えると造膜性が悪くなり、透明性が低下して好ましくない。
かかるアクリル樹脂は、例えば以下に例示するアクリルモノマーの重合体であり、場合によっては共重合体であってもよい。アクリルモノマーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を含有するモノマー;スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等);アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルアクリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、Nーアルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、αーメチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマーが挙げられる。
アクリル樹脂は、水に可溶性または分散性のものが好ましい。アクリル樹脂は、例えば、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じて製造することができる。すなわち、四つ口フラスコに、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム所定量、およびイオン交換水所定量を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部、亜硝酸水素ナトリウム0.2部を添加し、アクリル樹脂の重合に用いるモノマーの混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下する。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却してアクリル樹脂の水分散体を得ることができる。
本発明におけるアクリル樹脂の屈折率は、好ましくは1.45〜1.55、さらに好ましくは1.46〜1.53、特に好ましくは1.48〜1.51である。アクリル樹脂の屈折率が1.55を超えるとUV光の透過率が上がらず、輝度向上シートを製造する際に紫外線硬化型のアクリル樹脂を用いてプリズムレンズ層を形成することが困難となり、他方、1.45未満とすることは技術的に困難である。
塗布層において、アクリル樹脂はバインダー成分として作用するが、アクリル樹脂以外のバインダー成分を併用してもよい。例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、またはこれらの樹脂の変性体を併用してもよい。
[平均粒子径1〜20nmの微粒子]
本発明において塗布層は、平均粒子径1〜20nmかつ屈折率1.30〜1.40の微粒子を含有する。この微粒子の平均粒子径が1nm未満であると二次凝集体を生成し易く安定性に劣る。他方、20nmを超えると塗膜のヘーズが高くなりやすく、光学用フィルムとして不適となる。また、微粒子の屈折率が1.40を超えると塗膜の光線透過率が不十分となる。他方、1.30未満であると化学的に安定的なものを得ることが難しく、工業的な使用が困難である。
本発明においては、上記条件を満足する微粒子として、例えばフッ化マグネシウムの微粒子、フッ素樹脂の微粒子を用いることができる。フッ素樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレンを挙げることができる。これらの微粒子のうち、フッ化マグネシウムの微粒子が好ましい。これらは、1種類を用いてもよく、2種類以上を用いてもよい。
微粒子は、塗布層のアクリル樹脂と平均粒子径1〜20nmかつ屈折率1.30〜1.40の微粒子との合計量100重量部あたり、好ましくは10〜50重量部を用いる。10重量部未満であると十分な光線透過率が得られず好ましくなく。他方、50重量部を超えると透明性が悪化して好ましくない。
本発明における塗布層の厚みは、好ましくは30〜120nm、さらに好ましくは40〜100nm、特に好ましくは50〜90nmである。塗布層の厚みが120nmを超えるとフィルムのヘーズが高くなり好ましくなく、他方、30nm未満であると光線透過率が不十分となり易く好ましくない。
[滑り剤]
本発明においては、上述の平均粒子径1〜20nmの微粒子に加えて、平均粒子径100〜400nmの粒子を滑り剤として塗布層に配合させることが好ましい。この滑り剤を配合することによってハンドリング性に優れ、かつブロッキングしない性質を得ることができる。
滑り剤の平均粒子径が100nm未満であると十分な滑性、耐傷性が得られず、またブロッキング性が悪化して好ましくない。他方、400nmを超えると滑り剤の脱落が発生しやすくなり好ましくない。滑り剤は、塗布層を構成するアクリル樹脂と平均粒子径1〜20nmかつ屈折率1.30〜1.40の微粒子との合計量100重量部あたり、好ましくは0.1〜2.0重量部の割合で用いる。
平均粒子径100〜400nmの粒子である滑り剤として、例えば、シリカ、シリコーン、アクリル樹脂の粒子を挙げることができる。これらのうち、アクリル樹脂の粒子が好ましい。
[製造方法]
本発明において塗布層の塗設に用いる塗液は、フィルム上に塗膜を形成するために、水溶液、水分散液あるいは乳化液等の水性塗液の形態で使用することが好ましい。塗液には、必要に応じて、さらに、例えば帯電防止剤、界面活性剤を配合してもよい。
塗液の固形分濃度は、通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。1重量%未満であるとポリエステルフィルムへの塗れ性が不足することがあり好ましくなく、他方、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が悪化することがあり好ましくない。
塗液のポリエステルフィルムへの塗布は、任意の段階で実施することができるが、ポリエステルフィルムの製造過程で実施することが好ましく、特に、配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに対して塗布することが好ましい。ここで、配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向させた一軸延伸フィルム、縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向させた二軸延伸フィルム(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)等を含む概念である。なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに塗液を塗布することが好ましい。この場合、そのままさらに縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すことが好ましい。また、未延伸フィルムに塗液を塗布し、そのまま縦方向および横方向に同時に延伸し、さらに熱固定を施すことで二軸延伸フィルムを製造することも好ましい製造方法である。
塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは塗液に界面活性剤を濡れ剤として配合することが好ましい。界面活性剤を塗液に配合する場合、塗液の固形分合計100重量%あたり好ましくは1〜10重量%を用いる。
界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの塗液の塗布にあたり、塗液の濡れ、特に水性塗液の濡れを促進し、塗液の安定性を向上させる。界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。
塗布方法としては、公知の任意の塗工方法を適用することができる。例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法を適用することできる。これらは単独で適用してもよく、組合せて適用してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
各種物性は下記の方法により評価した。
(1)光線透過率およびヘーズ
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器NDH−2000を使用してフィルムの光線透過率およびヘーズ値を測定した。なお、光線透過率およびヘーズの値は下記の基準で評価した。
<光線透過率>
○: 94% ≦ 光線透過率 (良好)
×: ≦ 光線透過率 < 94% (不良)
<ヘーズ>
◎: ヘーズ値 < 1.0% (極めて良好)
○: 1.0% ≦ ヘーズ値 < 1.5% (良好)
×: 1.5% ≦ ヘーズ値 (不良)
(2)屈折率
微粒子の屈折率は、90℃で乾固させた微粒子を屈折率の異なる種々の25℃の液に懸濁させ、懸濁液が最も透明に見える液の屈折率をアッベ屈折率計(ナトリウムD線)で測定した。
(3)塗布層厚み
フィルムを小さく切り出し、エポキシ樹脂で包埋させ、ミクロトームで50nm厚みにフィルム断面を薄切りした。これを2%オスミウム酸で60℃、2時間かけて染色した。染色されたフィルムの断面を透過電子顕微鏡(LEM−2000)で20万倍で観察し、塗布層厚みを測定した。
(4)粒子の平均粒子径
フィルムを小さく切り出し、エポキシ樹脂で包埋させ、ミクロトームで50nm厚みにフィルム断面を薄切りした。これを2%オスミウム酸で60℃、2時間かけて染色した。染色されたフィルムの断面を、透過電子顕微鏡(LEM−2000)で50万倍で観察した。任意の粒子を測定対象として選択し、選択された粒子の最大径と最小径を求め、これらの平均をその粒子の粒子径とした。任意に100個の粒子について粒子径を算出し、これら100個の粒子の重量平均粒子径を算出して、本発明における「粒子の平均粒子径」とした。
(5)輝度向上シートの作製
プリズムレンズのパターンを形成した型に、下記組成からなる紫外線硬化型アクリル樹脂を流し込み、その上に、本発明のポリエステルフィルムの塗布層面をアクリル樹脂側になるように配置して両者を密着させ、ポリエステルフィルム面側の30cmの距離から紫外線ランプ(照射強度80W/cm、6.4KW)を用いて30秒間照射して樹脂を硬化させ、頂角90度、ピッチ50μm、高さが30μmのプリズムレンズ層を形成し、輝度向上シートを得た。
<紫外線硬化型アクリル樹脂>
下記組成からなるものを用いた。
エチレンオキシド変性ビスフェノールAジメタクリレート
(日立化成工業社製 FA−321M) 46重量%
ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート
(日本化薬化学工業社製 R−604) 25重量%
フェノキシエチルアクリレート
(大阪有機化学工業社製 ビスコート192) 27重量%
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(メルク社製 Darocur1173) 2重量%
(6)輝度向上評価
輝度向上評価は、評価対象のフィルムを用いて作成した輝度向上シートの輝度レベルを、比較例3のフィルムを用いて作成した輝度向上シートの輝度レベルと比較して行い、以下の基準で評価した。なお、輝度レベルは、FLATRON L1515S型(LG電子社製ディスプレイ)のバックライトユニットに、上記(5)で作成した輝度向上シートを直交させて2枚重ねて組み込んで面状発光体を得て、この面状発光体について輝度計BM−7型(TOPCON社製)を用いて測定した。
◎: 輝度が0.1%以上向上した
○: 輝度は同じ(±0.1%未満の変化)
×: 輝度が0.1%以上低下した
[実施例1]
溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.63dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.2倍に延伸した後、その両面に表1に示す塗剤の濃度4%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。なお、溶融ポリエチレンテレフタレートには、滑剤としての微粒子を含有していないものを使用した。
塗布層を設けたフィルムを引き続いて110℃で乾燥し、横方向に145℃で3.7倍に延伸し、233℃で熱固定した後あに、180℃から90℃まで段階的にフィルムを冷却しつつ、テンター内にて横方向に3.5%弛緩熱処理を行い、厚さ125μm、塗布層厚さ70nmの輝度向上シート用ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
さらに、得られたポリエステルフィルムに、紫外線硬化型アクリル樹脂を用いてプリズムレンズ層を形成し輝度向上シートを得た。評価結果を表2に示す。
[実施例2]
溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.62dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いでその両面に表1に示す塗剤の濃度7%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。この塗布フィルムを引き続いて85℃で乾燥し、110℃で同時に縦方向に3.4倍、横方向に3.6倍に延伸し、225℃で熱固定した後、190℃にて縦方向および幅方向にそれぞれ2.5%弛緩熱処理し、厚さ125μm、塗布層厚さ65nmの輝度向上シート用ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
さらに、得られたポリエステルフィルムに、紫外線硬化型アクリル樹脂を用いてプリズムレンズ層を形成し輝度向上シートを得た。評価結果を表2に示す。
[実施例3]
表1に記載の塗剤を用いて塗膜を形成し、フィルムの厚さを188μmとする他は実施例2と同様にして、輝度向上シート用ポリエステルフィルムを得て、さらにこれを用いて輝度向上シートを作成した。評価結果を表2に示す。
[実施例4]
表1に記載の塗剤を用いて所定の厚みの塗膜を形成する他は実施例1と同様にして、輝度向上シートを作成した。評価結果を表2に示す。
[比較例1〜5]
表1に記載の塗剤を用いて所定の厚みの塗膜を形成する他は実施例1と同様にして、輝度向上シート用ポリエステルフィルムを得て、さらにこれを用いて輝度向上シートを作成した。評価結果を表2に示す。
[比較例6]
塗布層を形成することなく、塗布層を設けていない面に直接プリズム層を設けた他は実施例1と同様にして輝度向上シート用ポリエステルフィルムを得て、さらにこれを用いて輝度向上シートを作成した。評価結果を表2に示す。
なお、得られた輝度向上シートはベースフィルムとプリズムレンズ層との密着性が悪く、輝度向上シートとして満足に使用できないものであった。
Figure 0005134304
Figure 0005134304
塗布層を設けるための塗液を組成する成分として、以下のものを用いた。
アクリル樹脂:
メチルメタクリレート60モル%/エチルアクリレート30モル%/2−ヒドロキシエチルアクリレート5モル%/N−メチロールアクリルアミド5モル%で構成されている。
なお、アクリル樹脂は、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、四つ口フラスコに、イオン交換水302重量部を仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5重量部、亜硫酸水素ナトリウム0.2重量部を添加し、メチルメタクリレート46.7重量部、エチルアクリレート23.3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート4.5重量部、N−メチロールアクリルアミド3.4重量部の混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が25重量%のアクリル樹脂の水分散体を得た。
微粒子1:
フッ化マグネシウム微粒子の水分散体 微粒子の屈折率1.38、平均粒子径10nm
(シーアイ化成社製 MFW15WT%−E10)
微粒子2:
フッ化マグネシウム微粒子の水分散体 微粒子の屈折率1.38、平均粒子径30nm
(シーアイ化成社製 MFDNB15WT%−G26)
微粒子3:
シリカ微粒子の水分散体 微粒子の屈折率1.45、平均粒子径38nm
(日産化学工業社製 スノーテックスST−OL)
微粒子4:
フッ化マグネシウム微粒子の水分散体 微粒子の屈折率1.38、平均粒子径220nm (シーアイ化成社製 MFW15WT%−E10)
滑り剤:
アクリルフィラー 平均粒子径170nm
(触媒化成工業社製 MX100W)
濡れ剤:
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
(三洋化成社製 ナロアクティーN−70)
本発明の輝度向上シート用ポリエステルフィルムは、各種光学用途に好適に使用することができる。特に、輝度向上シートのベーフィルムとして好適に用いることができる。
本発明の輝度向上シート用ポリエステルフィルムをベースフィルムに用いた輝度向上シートを用いると、輝度の高いバックライトユニットを得ることができ、液晶表示装置の面光源として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. ポリエステルフィルムおよびそのうえに設けられた塗布層からなり、塗布層がアクリル樹脂および平均粒子径1〜20nmかつ屈折率1.30〜1.40の微粒子からなることを特徴とする、輝度向上シート用ポリエステルフィルム。
  2. 微粒子がフッ化マグネシウムからなる、請求項1記載の輝度向上シート用ポリエステルフィルム。
  3. 塗布層を構成する塗液を塗布した後に逐次二軸延伸法にて延伸して製造された、請求項1記載の輝度向上シート用ポリエステルフィルム。
  4. 塗布層を構成する塗液を塗布した後に同時二軸延伸法にて延伸して製造された、請求項1記載の輝度向上シート用ポリエステルフィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の輝度向上シート用ポリエステルフィルムのうえにプリズムレンズ層を設けた輝度向上シート。
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