JP2016210040A - 両面ハードコートフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 積層ポリエステルフィルムの両面に、縮合多環式芳香族を有する化合物とエポキシ化合物とを含有する塗布液から形成された塗布層を有し、当該塗布層上にそれぞれハードコート層を有するハードコートフィルムであり、ハードコート層表面の絶対反射率の変位量が波長500〜600nmの範囲で0.5%以下であることを特徴とする両面ハードコートフィルム。
【選択図】 なし
Description
(メタ)アクリレート)、メラミン(メタ)アクリレート等のモノマー、およびこれらのうち少なくとも1種からなる2〜20量体程度のオリゴマー、これらのうち少なくとも1種からなるポリマーを挙げることができる。このような多官能(メタ)アクリレート化合物は、一種類を単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
り以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、さらに沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のエステル環状三量体量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有エステル環状三量体量(重量%)とする。DMF中のエステル環状三量体量は、標準試料ピーク面
積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
TEM(Hitachi社製 H−7650、加速電圧100V)を使用してアンカー層を観察し、粒子10個の粒径の平均値を平均粒径とした。
塗布面をRuO4で染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuO4染色し、塗布層断面をTEM(Hitachi社製 H−7650、加速電圧100V)を用いて測定した。
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、屈折率を算出した。なお、屈折率の測定は、ナトリウムD線を用い、23℃で行なった。
試料フィルムをJIS−K−7136に準じ、村上色彩技術研究所製ヘーズメーター「HM−150」により、フィルムヘーズを測定した。
幅10mm、長さ100mmの平滑なガラス板上にフィルムを貼り付け、その上に幅18mm、長さ120mmに切り出したフィルムを直径8mmの金属ピンに押し当て、金属ピンをガラス板の長手方向に、加重30g、40mm/分で滑らせて摩擦力を測定し、10mm滑らせた点での摩擦係数を動摩擦係数として評価した。動摩擦係数として0.8以上は滑り性が悪い場合があり、好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下である。また、値がμd>1.0となった場合は正確な値の判断が難しいため、×とした。なお、測定は、室温23±1℃ 、湿度50±0.5%RHの雰囲気下で行った。
テスター産業(株)製学振型耐磨耗試験機にて、100g荷重をかけた#0000スチールウールにて10往復し、試験した塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。
○:傷が10本より少ない場合
×:傷が10本以上である場合
あらかじめ、ポリエステルフィルムの測定裏面に黒テープ(ニチバン株式会社製ビニールテープVT―50)を貼り、分光光度計(日本分光株式会社製 紫外可視分光光度計 V−570 および自動絶対反射率測定装置 AM−500N)を使用して同期モード、入射角5°、N偏光、レスポンス Fast、データ取区間隔1.0nm、バンド幅10nm、走査速度1000m/分で塗布層面を波長範囲500〜600nmの絶対反射率を測定し、評価した。
○:500〜600nmの反射率の変位量が0.5%以内
×:500〜600nmの反射率の変位量が0.5%を超える
試料フィルムを5cm×5cmに切り出し、150度×90分加熱後、浮き上がっている面を上面にし、水平な机の上にフィルムを置き、各角の高さを測定しその平均値を測定し、評価した。
ハードコートを塗布したフィルムのハードコート面とは反対の面に黒マジックで塗りつぶしを行った。これはハードコート面の不具合を、より見やすくするために行うものである。三波長ライトの元で外観検査を行った。
○:干渉のムラもスジも確認できない
×:干渉のムラ、スジのどちらかが確認できる
積層ポリエステルフィルムにおいて、ハードコート層の反対面に、アルゴンガス95%と酸素ガス5%とからなる0.4Paの雰囲気下で、酸化インジウム95重量%、酸化スズ5重量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さ25nmの ITO膜(透明導電性薄膜)を形成した。また、ITO膜は150℃×1時間の加熱 処理により結晶化させた。得られたフィルムの透明性・視認性について、下記判定基準により、判定を行った。
《判定基準》
○:透明性・視認性、良好(実用上、問題ないレベル)
×:透明性・視認性不良(実用上、問題あるレベル)
各フィルムを10cm角に裁断して試料片を2枚準備した。1枚の試料片をハードコー
ト層が表になるようSUS板鏡面に固定し、もう1枚の試料片を、ハードコート層表面同
士が接するように重ね合わせたのち、5kgローラを5往復させて圧着させ、ブロッキン
グ性試験に供した。斜め45度方向より荷重(面積25cm2)をかけ、ハードコート層
表面間で滑りが発生し、あとから重ね合わせた試験片が荷重方向に移動し出したときの荷
重を測定した。
○:試験片が移動する荷重が10kg以下の場合
×:試験片が移動する荷重が10kgよりも重い場合
[ポリエステル(A1)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加した後、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A1)の極限粘度は0.65、エステル環状三量体の含有量は0.97重量%であった。
ポリエステル(A1)を、あらかじ160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、エステル環状三量体含有量0.46重量%のポリエステル(A2)を得た。
ポリエステル(A1)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.2重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A1)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(A3)を得た。得られたポリエステル(A3)は、極限粘度0.65、エステル環状三量体含有量0.82重量%であった。
(化合物例)
・ポリエステル樹脂(縮合多環式芳香族化合物含有):(I)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)2,6−ナフタレンジカルボン酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸/(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=92/8/80/20(mol%)
反応性乳化剤としてアルコキシポリエチレングリコールメタクリレートを存在下に、アク
リル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸、N−メチロールアクリルアミドを主成分として共重合した、ガラス転移点が50℃、酸価が14mgK
OH、平均粒径が0.05μmであるアクリル樹脂
・オキサゾリン化合物:(IV)
オキサゾリン基およびポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー エポクロスWS−500(日本触媒製、1−メトキシ−2−プロパノール溶剤約38重量%を含有するタイプ)
・メラミン化合物:(V)ヘキサメトキシメチルメラミン
・粒子:(VI)平均粒径65nmのシリカゾル
(化合物例)
・ハードコート主剤(α)
M−402(東亜合成製 DPHA系 ジペンタエリスリトールペンタ率 30〜40% アクリロイル基を含有する多官能アクリレート化合物含有)
・粒子(β1)
平均粒径20nmの反応性シリカ(日揮触媒化成 DP1039SIV)
・粒子(β2)
平均粒径500mのアクリル粒子
・開始剤(σ)
Irugacure127 (チバジャパン)
上記ポリエステル(A2)、(A3)、をそれぞれ85重量%、15重量%の割合で混合した混合原料を表層の原料とし、ポリエステル(A1)100重量%の原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層で、表層:中間層:表層の厚み構成比が6:11:6になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。
製造例1にて得られたフィルムに対して、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムの両面に、下記表1に示すアンカー層を熱処理後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き、厚さ23μmの積層ポリエステルフィルムを得た。次いで、作成されたポリエステルフィルムの片面の塗布層上(以下A面と呼ぶ)下記表1および表2に示す塗布液をMIBKで希釈し、乾燥硬化後の塗布厚みが2μmになるように、オフラインにて、リバースグラビアコート方式により塗布した後、90℃、60秒間熱処理し、その後、高圧水銀ランプ照射装置(EUV482A:セリテック社製)で300mJ/cm2で照射を行った。得られたフィルムの反対面(以下B面と呼ぶ)に、下記表1および表2に示す塗布液をMIBKで希釈し、乾燥硬化後の塗布厚みが2μmになるように、オフラインにて、リバースグラビアコート方式により塗布した後、90℃、60秒間熱処理し、その後、高圧水銀ランプ照射装置(EUV482A:セリテック社製)で300mJ/cm2で照射を行った特性を下記表3に示す。
実施例1において、両面のアンカー層の厚みを0.1μmになるように変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
実施例1において、A面のハードコート層を表1および表2に示すハードコート液2に変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
実施例1において、A面およびB面のハードコート層を表1および表2に示すハードコート液3に変更しハードコート層の厚みを0.5μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
実施例1において、A面のハードコート層を表1および表2に示すハードコート液3に変更し、ハードコート層の厚みを0.5μmに変更した以外は、実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
比較例1において、A面のハードコート層を表1および表2に示すハードコート液4に変更する以外は実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
比較例2において、B面のハードコート層を表1および表2に示すハードコート液4に変更する以外は実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
実施例1において、A面のアンカー層を表1および表2に示すアンカー液2に変更する以外は実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
実施例3において、A面のアンカー層を表1および表2に示すアンカー液2に変更する以外は実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
実施例4において、A面のアンカー層を表1および表2に示すアンカー液2に変更する以外は実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
実施例1において、A面のアンカー層の塗布厚みを0.15μmに変更する以外は実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
実施例1において、A面のアンカー層の塗布厚みを0.02μmに変更する以外は実施例1と同様の方法でポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を下記表3に示す。
Claims (2)
- 積層ポリエステルフィルムの両面に、縮合多環式芳香族を有する化合物とエポキシ化合物とを含有する塗布液から形成された塗布層を有し、当該塗布層上にそれぞれハードコート層を有するハードコートフィルムであり、ハードコート層表面の絶対反射率の変位量が波長500〜600nmの範囲で0.5%以下であることを特徴とする両面ハードコートフィルム。
- ハードコートフィルムのヘーズが2%以下であり、ハードコート層の屈折率が1.4〜1.5である請求項1に記載の両面ハードコートフィルム。
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