JP2016188896A - 両面ハードコートフィルム - Google Patents

両面ハードコートフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2016188896A
JP2016188896A JP2015068133A JP2015068133A JP2016188896A JP 2016188896 A JP2016188896 A JP 2016188896A JP 2015068133 A JP2015068133 A JP 2015068133A JP 2015068133 A JP2015068133 A JP 2015068133A JP 2016188896 A JP2016188896 A JP 2016188896A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard coat
refractive index
film
layer
coat layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015068133A
Other languages
English (en)
Inventor
伸明 佐々木
Nobuaki Sasaki
伸明 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2015068133A priority Critical patent/JP2016188896A/ja
Publication of JP2016188896A publication Critical patent/JP2016188896A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 透明導電層をパターン化した透明導電積層体に使用された際に、パターン形成部とパターン開口部との視認性の差を抑制可能であるとともに、耐ブロッキング性を有し透明性の高いハードコートフィルムを提供する。【解決手段】 内部ヘーズが0.5%以下であるポリエステルフィルムの一方の面に、屈折率が1.57〜1.82の範囲である、厚みが20〜300nmの屈折率調整層、屈折率が1.56〜1.79の範囲である第1ハードコート層をこの順で有し、もう一方の面に、300nm以下の粒子を含有する第2ハードコート層を有する両面ハードコートフィルムであり、第1ハードコート層の屈折率と屈折率調整層の屈折率との差の絶対値が0.17以下であることを特徴とする両面ハードコートフィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、パターニングされた透明導電性フィルムのパターンを見えにくくし、タッチパネル用途において見栄えの良い透明導電性フィルムに好適に利用することができる両面ハードコートフィルムに関するものである。
タッチパネルには検出方法の違いにより、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式、超音波方式等がある。中でも近年、スマートフォンやタブレット型パーソナルコンピュータ等においてマルチタッチが可能な静電容量方式のタッチパネルの市場が増大している。静電容量方式、特に投影型のタッチパネルは、パターニングされた透明導電性フィルムが対になって構成されており、タッチした部分の静電容量の変化を検知して位置情報を検出する方式である。静電容量方式に使用される透明導電性フィルムは透明導電層を有するパターン部と非パターン部とが存在することとなり、そのため、パターン部と非パターン部とで膜構成が異なることから、目視にてパターニングが認められ、タッチパネルのような表示素子として見た場合に見栄えがよくないという問題点がある。
一般的なハードコートフィルムはこの特性を満たすが、表面が平滑のため粗さがなく、巻取り性が悪くなり、保護フィルムが必要になるという欠点を有している。この場合、保護フィルムの分のコストが嵩んでしまう。
一方、巻取り性を得るために表面に粗さを持たせたフィルムは、その表面にて光が散乱され、ヘーズが上がってしまうという欠点がある。そうした中、近年のタッチパネルの成長に伴い透明性の向上も合わせて求められており、巻取り性と透明性を兼ね備えたフィルムが求められている。
特許第4667471号公報 特開2012−25066号公報 特開2010−208169号公報 特許第5446665号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、タッチパネル用透明導電フィルムに用いられるハードコートフィルムおいて、パターニングを施した透明導電層を設けた際に、パターンが見えにくくするとともに、透明性が高く、耐ブロッキング性を有するハードコートフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、内部ヘーズが0.5%以下であるポリエステルフィルムの一方の面に、屈折率が1.57〜1.82の範囲である、厚みが20〜300nmの屈折率調整層、屈折率が1.56〜1.79の範囲である第1ハードコート層をこの順で有し、もう一方の面に、300nm以下の粒子を含有する第2ハードコート層を有する両面ハードコートフィルムであり、第1ハードコート層の屈折率と屈折率調整層の屈折率との差の絶対値が0.17以下であることを特徴とする両面ハードコートフィルム
に存する。
本発明によれば、パターニングを施した透明導電層を設けた際にパターニング形状が目立つことなく、透明性が高く、耐ブロッキング性が良好な両面ハードコートフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明において、ポリエステルフィルム(以下、フィルムと略記することがある)とは、いわゆる押出法に従い押出口金から溶融押出しされたシートを必要に応じ延伸して配向させたフィルムである。上記のフィルムを構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるポリエステルを指す。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られる。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレ−ト(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト(PEN)等が例示される。
また、本発明で用いるポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。共重合ポリエステルの場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体である。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、および、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)の一種または、二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノーネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
本発明のポリエステルフィルムのフィルム厚みは、10〜100μmの範囲である。全フィルム厚みが10μm未満の場合、透明導電性膜を形成するために、ITO膜を形成する際、フィルム強度が加工テンションに負けてしまい、シワが生じて適正に透明導電膜が形成できないことがある。また、100μmを超えると、スパッタおよび蒸着処理を行う場合、真空漕中でロールtoロールによる加工を行う際に外径制限により一度で加工できるフィルム長が短くなり生産性が悪くなることがある。
また、本発明のポリエステルフィルムの150℃で30分加熱後のフィルム長手方向および幅方向の収縮率は、通常0.8%以下である。いずれかの収縮率が0.8%を上回る場合、ハードコート塗工後にカールの原因になる場合がある。
本発明のポリエステルフィルム中には、易滑性の付与および各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子を配合してもよい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭59−5216号公報、特開昭59−217755号公報等に記載されている耐熱性有機粒子を用いてもよい。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられる。
さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。一方、使用する粒子の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。これら一連の粒子は、必要に応じて2種類以上を併用してもよい。
ポリエステルフィルム中に配合する粒子の平均粒径としては、特に限定されるものではないが、通常0.02〜3μm、好ましくは0.02〜2.5μm、さらに好ましくは0.02〜2μmの範囲である。平均粒径が0.02μm未満の粒子を用いた場合には、充分な易滑性の付与ができないため、フィルム製造工程における巻き特性が劣る傾向がある。また、平均粒径が3μmを超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎてフィルムヘーズが上昇する場合がある。
さらにポリエステル層中の粒子含有量は、通常0.0005〜0.5重量%、好ましくは0.001〜0.3重量%の範囲である。粒子含有量が0.0005重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分な場合がありフィルム加工時に傷等の外観不良が生じる。一方、0.5重量%を超えて添加する場合にはフィルムの透明性が不十分な場合がある。
本発明において、ポリエステルフィルムの内部ヘーズは0.5%以下であり、好ましくは0.4%以下である。0.5%を超える場合、透明性が低くなってしまう。
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
また、本発明におけるポリエステルフィルムにはハードコート層との密着性を向上したり、ハードコート層形成時の干渉斑を抑制したりする等の目的において、アンカー層を形成するのが好ましい。また、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
屈折率調整層としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂等からなる層が挙げられる。これらの樹脂は単独あるいは複数種併用することができる。
屈折率調整層は、屈折率を調節するため、高屈折率微粒子を含有してもよい。従来公知の微粒子を適宜選択して用いることができ、例えば、金属酸化物微粒子等が挙げられる。金属酸化物微粒子の具体例としては、例えば、酸化チタン(TiO、屈折率:2.71)、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率:2.10)、酸化セリウム(CeO、屈折率:2.20)、酸化錫(SnO、屈折率:2.00)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜1.95)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、五酸化アンチモン(Sb、屈折率:2.04)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)およびアンチモン酸亜鉛(ZnSb2O6、屈折率:1.90〜2.00)等が挙げられる。
屈折率調整層に用いられる微粒子の平均粒径は、3〜35nmの範囲が好ましく、5〜20nmの範囲がより好ましい。また、屈折率調整層の微粒子の含有量は5〜200重量%が好ましく、50〜150重量%であることがより好ましい。屈折率調整層中に微粒子を含有することによって、屈折率調整層の屈折率の調整を容易に行うことができる。
微粒子を形成する無機酸化物としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)、中空ナノシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム等の微粒子が挙げられる。これらの中でも、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウムの微粒子が好ましい。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
屈折率調整層は、ポリエステルフィルムと第1ハードコート層との間に介在し、ポリエステルフィルムと第一ハードコート層との密着性を向上させる機能(密着性向上機能)を有することが好ましい。この観点から屈折率調整層は樹脂としておりポリエステル樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
屈折率調整層の厚さは、20〜300nmであり、25〜200nmであることが好ましい。厚みが20nm未満の場合、均一にコーティングするのが困難となり、300nmを超える場合、ブロッキングが発生しやすくなることがある。
屈折率調整層の屈折率は1.57〜1.82の範囲であり、1.62〜1.76の範囲であることが好ましい。屈折率が前期範囲からはずれるとパターニングを施した透明導電層を設けた際に、パターンが顕著となってしまう。
屈折率調整層は、上記の材料を用いて、ウェットコーティング法(塗工法)により製膜できる。また、ポリエステルフィルム製膜工程中にフィルム表面を処理するインラインコーティングで塗工しても、一旦製造したフィルム上に系外で塗工するオフラインコーティングにて塗工を実施してもよい。
インラインコーティングについては、以下に限定するものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては、特に縦延伸が終了した横延伸前にコーティング処理を施すことができる。インラインコーティングによりポリエステルフィルム上に屈折率調整層が設けられる場合には、製膜と同時に塗布が可能になると共に、延伸後のポリエステルフィルムの熱処理工程で、屈折率調整層を高温で処理することができるため、屈折率調整層上に形成されるハードコート層との接着性や耐湿熱性等の性能を向上させることができる。また、延伸前にコーティングを行う場合は、屈折率調整層の厚みを延伸倍率により変化させることもでき、オフラインコーティングに比べ、薄膜で均一な塗工を行うことができる。すなわち、インラインコーティング、特に延伸前のコーティングにより、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造することができる。
オフラインコーディングについては、リバースグラビアコート、ダイレクトグラビアコート、ロールコート、ダイコート、バーコート、カーテンコート等、従来公知の塗工方式を用いることができる。塗工方式に関しては「コーティング方式」槇書店 原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。乾燥条件について下記に限定でするものではないが通常、50〜120℃で30〜60秒間、好ましくは70〜100℃で30〜60秒間を目安として熱処理を行うのが良い。また、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。尚、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源としては、従来公知の装置,エネルギー源を用いることができる。
本発明では、ポリエステルフィルムの一方の面に第1ハードコート層、他方の面に第2ハードコート層を形成する構成となっているが、両方のハードコート層に共通する場合は「ハードコート層」と表示する。
ハードコート層の形成材料としては、ハードコート層形成後の皮膜として十分な強度を持ち、透明性のあるものを特に制限なく使用できる。用いる樹脂としては熱硬化型樹脂、熱可塑型樹脂、放射線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂、二液混合型樹脂などがあげられるが、これらのなかでも放射線照射による硬化処理にて、簡単な加工操作にて効率よくハードコート層を形成することができる放射線硬化型樹脂が好適である。
放射線硬化性樹脂は、放射線により架橋し、硬化させることができるモノマー、オリゴマー、あるいはポリマーである。本発明における放射線硬化性樹脂としては、硬化後の架橋密度を高くすることができ、表面硬度の向上効果を高くすることができ、かつ透明性の向上効果を高くすることができるという観点から、多官能(メタ)アクリレートモノマー、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー、あるいは多官能(メタ)アクリレートポリマー等の多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。なお、ここで「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよび/またはメタクリレートを表わす。
かかる多官能(メタ)アクリレート化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を含有する化合物であるが、分子内に少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を含有することが好ましく、そのような態様とすることによって、放射線硬化性樹脂の架橋反応が進行しやすくなり、表面硬度の向上効果を高くすることができる。なお、本発明における多官能(メタ)アクリレート化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基以外の他の重合性官能基を含有してもよい。なお、ここで「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を表わす。
分子内に少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えばネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート)、メラミン(メタ)アクリレート等のモノマー、およびこれらのうち少なくとも1種からなる2〜20量体程度のオリゴマー、これらのうち少なくとも1種からなるポリマーを挙げることができる。このような多官能(メタ)アクリレート化合物は、一種類を単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
ハードコート層用組成物におけるバインダー成分の含有量は、通常、ハードコート層用組成物の全固形分に対して、後述する微粒子を含有する場合には、30〜90質量%であることが好ましく、60〜85質量%であることがより好ましい。また、後述する微粒子を含有しない場合には、70〜100質量%であることが好ましい。
多官能(メタ)アクリルオリゴマー/ポリマーの繰り返し単位数は、特には制限されないが、例えば数平均分子量で150〜1000000、好ましくは1000〜500000であることが好ましく、塗布外観の向上効果を高くすることができる。数平均分子量が150に満たない場合や、1000000を超える場合は、粘度が低すぎたり高すぎたりする傾向にあり、塗布外観の向上効果が低くなる傾向にある。
以上のような、分子内に少なくとも2つの(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物は、例えばアロニックスM−400、M−450、M−305、M−309、M−310、M−315、M−320、TO−1200、TO−1231、TO−595、TO−756(以上、東亞合成製)、KAYARD D−310、D−330、DPHA、DPHA−2C(以上、日本化薬製)、ニカラックMX−302(三和ケミカル社製)等の市販品として入手することができる。
ハードコート層内には硬化性組成物は、さらにラジカル重合開始剤を含有していてもよい。上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、放射線(光)照射により活性ラジカル種を発生させる化合物(放射線(光)重合開始剤)、熱的に活性ラジカル種を発生させる化合物(熱重合開始剤)等を挙げることができる。なお、必要に応じて放射線(光)重合開始剤と熱重合開始剤とを併用することができる。
放射線(光)重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであれば特に制限はなく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物およびアゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
ハードコート層用組成物における上記ラジカル重合開始剤の含有量は、ハードコート層の質量を基準として、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。0.01質量%未満であると硬度が不十分となることがあり、10質量%を超えると内部まで十分に硬化しないことがある。
上記硬化性組成物は、その他の重合性化合物を含有していてもよい。この重合性化合物としては、ビニル化合物類を挙げることができる。
このビニル化合物類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等を挙げることができる。
上記ハードコート層用組成物は、さらに他の添加剤を含有していてもよい。上記添加剤としては、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、染料、充頃剤、分散剤、可塑剤、界面活性剤、チキソトロビー化剤等を挙げることができる。
これらの各添加剤は、単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。また、これらの他の添加剤の含有量としては、全固形文中、10質量%以下が好ましく、3質量部以下が好ましい。
ハードコート層の膜厚(乾燥後)は、0.1〜10μmの範囲内あることが好ましく、さらに0.5μ〜8μの範囲であることが好ましい。0.1μm未満の場合、硬度が不十分になり、10μmを超える場合、加熱工程を経た際にハードコート層が収縮しフィルムがカールしやすくなってしまうことがある。
第1ハードコート層は、屈折率調整層上に形成されている。第1ハードコート層は、屈折率を調節するため、高屈折率微粒子を含有してもよい。従来公知の微粒子を適宜選択して用いることができ、例えば、金属酸化物微粒子等が挙げられる。金属酸化物微粒子の具体例としては、例えば、酸化チタン(TiO、屈折率:2.71)、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率:2.10)、酸化セリウム(CeO、屈折率:2.20)、酸化錫(SnO、屈折率:2.00)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜1.95)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、五酸化アンチモン(Sb、屈折率:2.04)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)およびアンチモン酸亜鉛(ZnSb2O6、屈折率:1.90〜2.00)等が挙げられる。
前記微粒子の平均粒径は特に限定されないが、通常、5〜100nmであり、10〜50nmであることが好ましい。5nm以上とすることにより、ハードコート層に十分な硬度を付与することができ、100nm以下とすることにより、ハードコート層がより透明性に優れたものとなる。
第1ハードコート層の屈折率は、1.56〜1.79の範囲であり、1.61〜1.75の範囲であることが好ましい。屈折率が前期範囲からはずれるとパターニングを施した透明導電層を設けた際に、パターンが顕著となってしまう。
第1ハードコート層と屈折率調整層の屈折率の差の絶対値は0.17以下であり、さらに0.15以下であることが好ましい。この範囲よりも絶対値が大きくなるとパターニングを施した透明導電層を設けた際に、パターンが顕著となってしまう。
第1ハードコート層の上面に機能層を設けても構わない。機能層の屈折率は1.45以上1.60以下が好ましく、厚みは10nm以上60nm以下が好ましい。前記範囲を外れるとパターニングを施した透明導電層を設けた際に、パターンが顕著となってしまう。
第2ハードコート層は、ポリエステルフィルムの屈折率調整層および第1ハードコート層が形成されている面の他方の面上に形成されている。
また、本発明においては巻取り性を良好にするために、ハードコート第2層表面の表面平均粗さ(Sa)が5〜20nmであることが好ましい。5nm未満では、巻取り性不十分であり、20nmを超えるとヘーズが上昇してしまう。
第2ハードコート層内にはアンチブロッキング性を発現させるため、粒子を含有させることを必須とする。かかる粒子の態様としては、目的の効果を奏することができれば特に限定されず、有機粒子であってもよいし、無機粒子であってもよい。有機粒子としては、シリコーン樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋ポリエステル、架橋ポリスチレン、スチレン樹脂をアクリルで表面処理したコアシェル型粒子などの有機高分子粒子等が挙げられる。また無機粒子としては、球状シリカ粒子、アルミナ粒子、炭酸カルシウム粒子等が挙げられる。
粒子の平均粒径は、300nm以下の場合、透明性をより維持しやすくなる。かかる観点から、平均粒径は、250nm以下がさらに好ましい。
第2ハードコート層における粒子の含有量は、第2ハードコート層の全量に対して5〜80質量%である。粒子の含有量が少な過ぎると、ブロッキングの防止が困難となる場合があり、粒子の含有量が多過ぎると、ヘーズの増大や製造適性を損なう等の不具合が生じる場合がある。
また、本発明の両面ハードコートフィルムは100℃で60分間加熱した後のヘーズは加熱前と比較しての増大が0.1%以下であることが好ましい。0.1%よりも増大すると、透明導電層を形成する工程で透明性が悪化してしまう場合がある。
本発明において、積層フィルムのb*が1〜−1であることが望ましい。1以上になると、パネルとして使用された際に黄色味が強く、−1よりも小さいと青色が強くなってしまい、パネルの色合いに影響を及ぼしてしまう。
本発明において、両面ハードコートフィルムのヘーズが1.5%以下であることが好ましい。1.5%を超えると、静電容量タイプのフィルムで使用する場合、文字の美麗さに影響を及ぼすので好ましくない。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いた測定法は次のとおりである。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)ポリエステル原料に含有される粒子の平均粒径の測定(d50)
(株)島津製作所社製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則にもとづく沈降法によって粒子の大きさを測定した。
(3)ポリエステル原料に含有される含有エステル環状三量体量の測定方法
ポリエステル原料を約200mg秤量し、クロロホルム/HFIP(ヘキサフルオロ−2−イソプロパノル)の比率3:2の混合溶媒2mlに溶解させる。溶解後、クロロホルム20mlを追加した後、メタノール10mlを少しずつ加える。沈殿物を濾過により除去し、さらに沈殿物をクロロホルム/メタノールの比率2:1の混合溶媒で洗浄し、濾液・洗浄液を回収し、エバポレーターにより濃縮、その後、乾固させる。乾固物をDMF(ジメチルホルムアミド)25mlに溶解後、この溶液を液体クロマトグラフィー(島津製作所製:LC−7A)に供給して、DMF中のエステル環状三量体量を求め、この値をクロロホルム/HFIP混合溶媒に溶解させたポリエステル原料量で割って、含有エステル環状三量体量(重量%)とする。DMF中のエステル環状三量体量は、標準試料ピーク面積と測定試料ピーク面積のピーク面積比より求めた(絶対検量線法)。
標準試料の作成は、予め分取したエステル環状三量体を正確に秤量し、正確に秤量したDMFに溶解し作成した。標準試料の濃度は、0.001〜0.01mg/mlの範囲が好ましい。
なお、液体クロマトグラフの条件は下記のとおりとした。
移動相A:アセトニトリル
移動相B:2%酢酸水溶液
カラム:三菱化学(株)製『MCI GEL ODS 1HU』
カラム温度:40℃
流速:1ml/分
検出波長:254nm
(4)各層の粒子の平均粒径の測定
TEM(Hitachi社製 H−7650、加速電圧100V)を使用してアンカー層を観察し、粒子10個の粒径の平均値を平均粒径とした。
(5)屈折率調整層の膜厚測定
塗布面をRuOで染色し、エポキシ樹脂中に包埋した。その後、超薄切片法により作成した切片をRuO染色し、塗布層断面をTEM(Hitachi社製 H−7650、加速電圧100V)を用いて測定した。
(6)ポリエステルフィルム、ハードコート層の厚み
フィルム小片をエポキシ樹脂にて固定成形した後、ミクロトームで切断し、フィルムの断面を透過型電子顕微鏡写真にて観察した。その断面のうちフィルム表面とほぼ平行に2本、明暗によって界面が観察される。その2本の界面とフィルム表面までの距離を10枚の写真から測定し、平均値を積層厚さとした。
(7)ヘーズの測定
JIS−K−7136に準じ、日本電色工業製濁度計NDH−300Aによりフィルムヘーズを測定した。
(8)内部ヘーズの測定
内部ヘーズは、スガ試験機製のヘーズメータ(HZ−2)を用いて測定した。測定は、フィルムをガラスセルにセットし、エタノールに浸漬することで行った。
(9)色目(b*値)
日本電色工業(株)製分光色色差計 SE−2000型を用いて、JIS Z−8722の方法に準じて、透過法によるb*値を測定した。
(10)両面ハードコートフィルムの表面粗さ、平均粗さ(Sa):
直接位相検出干渉法、いわゆるマイケルソンの干渉を利用した2光束干渉法を用いた、非接触表面計測システム(マイクロマップ社製「Micromap512)」により、試料フィルムの塗布面および反塗布面(塗布層が設けられていないフィルム面)の表面粗さ(Sa)を計測した。なお、測定波長は554nmとし、対物レンズは20倍を用いて、20°視野計測し、その平均値を採用した。
(11)耐スチールウール(SW)擦傷性
テスター産業(株)製学振型耐磨耗試験機にて、100g荷重をかけた#0000スチールウールにて10往復し、試験した塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。
○:傷が10本より少ない場合
×:傷が10本以上である場合
(12)屈折率の測定
ハードコート層、高屈折率層および低屈折率層の各層形成用塗布液を準備し、これらの硬化物についての屈折率をJIS K7105に準拠して測定し、各層の屈折率とした。具体的には硬化物について、アッベ屈折率計を用い、測定光(ナトリウムD線)を入射させて25.0±1.0℃で4回測定し、測定値の平均を各層の屈折率nD25とした。
(13)透明導電膜積層後のフィルム視認性評価方法(実用特性代用評価)
積層ポリエステルフィルムにおいて、ハードコート層の反対面に、アルゴンガス95%と酸素ガス5%とからなる0.4Paの雰囲気下で、酸化インジウム95重量%、酸化スズ5重量%の焼結体材料を用いた反応性スパッタリング法により、厚さ25nmの ITO膜(透明導電性薄膜)を形成した。ITO膜上に、ストライプ状にパターン化されるようにセロハンテープを貼り合わせた後、これを50℃、10重量%の塩酸(塩化水素水溶液)に10分間浸漬して、ITO膜のエッチングを行った。得られたITO膜のパターン幅は6mmであり、パターンピッチは6mmであった。その後、セロハンテープを除去し、ITO膜のパターン化を行った。また、ITO膜は150℃×1時間の加熱処理により結晶化させた。透明導電性フィルム(サンプル)のITO形成面を視認側とし、裏面側(PETフィルム側)に黒色の粘着テープを貼り合わせて遮光層を形成し、サンプルの裏面からの反射や裏面側からの光の入射が殆どない状態とした上で、目視にて評価を行った。パターンがほとんど視認されなかった場合を「○」、パターンが視認された場合を「×」として評価した。
(14)密着性評価
JIS K5400に準拠して第1ハードコート層の密着性試験を実施した。実施例および比較例で得られたハードコートフィルムに、カッターナイフを用いて、1mm2のカット(碁盤目)が100個できるようにクロスカットを施した。次いで、作成した碁盤目の上にセロハン粘着テープを完全に付着させ、テープの一方の端を持ち上げて上方に剥がした。この剥離動作を同一箇所で3回実施した。その後、剥がれた碁盤目の数を、以下に記載の基準に沿って判定した。
10:剥がれなし
8:剥がれが5目以内である
6:剥がれが5目を超えて15目以内である
4:剥がれが15目を超えて35目以内である
2:剥がれが35目を超えて65目以内である
0:剥がれが65目を超えて100目以内である
(15)耐ブロッキング性
各フィルムを10cm角に裁断して試料片を2枚準備した。1枚の試料片をハードコート層が表になるようSUS板鏡面に固定し、もう1枚の試料片を、ハードコート層表面同士が接するように重ね合わせたのち、5kgローラを5往復させて圧着させ、ブロッキング性試験に供した。斜め45度方向より荷重(面積25cm2)をかけ、ハードコート層表面間で滑りが発生し、あとから重ね合わせた試験片が荷重方向に移動し出したときの荷重を測定した。
○:試験片が移動する荷重が10kg以下の場合
×:試験片が移動する荷重が10kgよりも重い場合
実施例1:
〈ポリエステルの製造〉
[ポリエステル(A1)の製造方法]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加した後、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.63に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステル(A1)の極限粘度は0.65、エステル環状三量体の含有量は0.97重量%であった。
[ポリエステル(A2)の製造方法]
ポリエステル(A1)を、予め160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.75、エステル環状三量体含有量0.46重量%のポリエステル(A2)を得た。
[ポリエステル(A3)の製造方法]
ポリエステル(A1)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04重量部を添加後、平均粒子径1.6μmのエチレングリコールに分散させたシリカ粒子を0.2重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、極限粘度0.65に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステル(A1)の製造方法と同様の方法を用いてポリエステル(A3)を得た。得られたポリエステル(A3)は、極限粘度0.65、エステル環状三量体含有量0.82重量%であった。
アンカー層を構成する化合物例は以下のとおりである。
(化合物例)
・ポリエステル樹脂(縮合多環式芳香族化合物含有):(I)
下記組成で共重合したポリエステル樹脂の水分散体
モノマー組成:(酸成分)2,6−ナフタレンジカルボン酸/5−ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/ジエチレングリコール=92/8//80/20(mol%)
・エポキシ化合物:(II)ポリグリセロールポリグリシジルエーテルである、デナコールEX−521(ナガセケムテックス製)
・オキサゾリン化合物:(III)
オキサゾリン基およびポリアルキレンオキシド鎖を有するアクリルポリマー エポクロスWS−500(日本触媒製、1−メトキシ−2−プロパノール溶剤約38重量%を含有するタイプ)
・メラミン化合物:(IV)ヘキサメトキシメチルメラミン
・粒子:(V)平均粒径65nmのシリカゾル
製造例1:
上記ポリエステル(A2)、(A3)、をそれぞれ85重量%、15重量%の割合で混合した混合原料を表層の原料とし、ポリエステル(A1)100重量%の原料を中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層で、表層:中間層:表層の厚み構成比が6:11:6になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。
次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、ポリエステル樹脂(I),エポキシ化合物(II),オキサゾリン化合物(III),メラミン化合物(IV),粒子(V)の化合物を、アンカー層を形成する塗布液中の全不揮発成分に対する割合として62、15、15、5、3重量%となるように混合し、塗付液を熱処理後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、テンターに導き、横方向に120℃で倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き、厚さ50μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
〈屈折率調整層の形成〉
屈折率1.52の紫外線硬化型アクリル樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名「GRANDIC PC−1070」)に酸化ジルコニウムのナノ粒子(日産化学社製、品名「OZ−S30K−AC」、平均粒径10nm)を配合し、屈折率を1.67に調整した屈折率調整層形成用塗布液を用意した。
次に、ポリエステルフィルムのアンカー層を設けていない、プレーン側の表面に高屈折率層形成用塗布液をバーコーターにて乾燥後の厚さが250nmとなるように塗布し、80℃で3分間加熱することにより塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて、積算光量200mJ/cm2の紫外線を照射することで、屈折率調整層(屈折率1.67)を形成した。
〈第1ハードコート層の形成〉
屈折率1.52の紫外線硬化型アクリル樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名「GRANDIC PC−1070」)に酸化ジルコニウムのナノ粒子(日産化学社製、品名「OZ−S30K−AC」、平均粒径10nm)を配合し、屈折率を1.70に調整した第1ハードコート層形成用塗布液を用意した。
次に、形成した屈折率調整層表面に第1ハードコート層形成用塗布液をバーコーターにて乾燥後の厚さが2.0μmとなるように塗布し、80℃で3分間加熱することにより塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて、積算光量200mJ/cm2の紫外線を照射することで、第1ハードコート層(屈折率1.70)を形成した。
〈第2ハードコート層の形成〉
屈折率1.52の紫外線硬化型アクリル樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名「GRANDIC PC−1070」)にシリカ粒子(日産化学社製、品名「IPA−ST−L」、平均粒径100nm)を15質量%(固形分換算)配合した第2ハードコート層形成用塗布液を用意した。
次に、第1ハードコート層とは他方の面のアンカー層表面に第2ハードコート層形成用塗布液をバーコーターにて乾燥後の厚さが2.0μmとなるように塗布し、80℃で3分間加熱することにより塗膜を乾燥させた。その後、高圧水銀ランプにて、積算光量200mJ/cm2の紫外線を照射することで、第2ハードコート層を形成した。
実施例2:
屈折率調整層形成用塗布液の屈折率を1.58に調整し、屈折率調整層の厚みを100nmとし、第2ハードコート層形成用塗布液に配合する粒子を平均粒径250nm
のシリカ粒子(日産化学社製、品名「MEK−ST2040」)に変更し、10質量%(固形分換算)、配合した。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
実施例3:
屈折率調整層の厚みを100nmとした。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
実施例4:
屈折率調整層の厚みを100nmとし、第1ハードコート層形成用塗布液の屈折率を1.77とし、第2ハードコート層形成用塗布液に配合する粒子を平均粒径130nm
のスチレンーアクリル系共重合樹脂粒子(ガンツ化成社製、品名「EA−1135」)に変更し、8質量%(固形分換算)、配合した。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
実施例5:
屈折率調整層の厚みを30nmとし、第1ハードコート層形成用塗布液の屈折率を1.57とした。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
実施例6:
屈折率調整層形成用塗布液の屈折率を1.75に調整し、屈折率調整層の厚みを100nmとした。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
比較例1:
屈折率調整層形成用塗布液の屈折率を1.52になるよう調整し、第1ハードコート層形成用塗布液の屈折率を1.57になるように調整した。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
比較例2:
屈折率調整層形成用塗布液の屈折率を1.85に調整し、屈折率調整層の厚みを100nmとした。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
比較例3:
屈折率調整層の厚みを350nmとした。第1ハードコート層形成用塗布液の屈折率を1.77に調整し、第2ハードコート層形成用塗布液に配合する粒子を平均粒径800nmのアクリル系粒子(積水化成品工業社製、品名「BMSA−18GN」)に変更し、2質量%(固形分換算)、配合した。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
比較例4:
屈折率調整層形成用塗布液の屈折率を1.82に調整し、屈折率調整層の厚みを15nmとした。第1ハードコート層形成用塗布液の屈折率を1.77に調整し、第2ハードコート層に配合する粒子を平均粒径500nmのシリカ粒子(CIKナノテック社製、品名「SIRMIBK15WT%−E68」)に変更し、10質量%(固形分換算)、配合した。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
比較例5:
屈折率調整層形成用塗布液の屈折率を1.58に調整し、屈折率調整層の厚みを100nmとし,第1ハードコート層形成用塗布液の屈折率を1.77に調整し、第2ハードコート層を形成しなかった。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
比較例6:
ポリエステルフィルムの表層の原料としてポリエステル(A2)、(A3)をそれぞれ75重量%、25重量%の割合で混合した混合原料を使用し、屈折率調整層形成用塗布液の屈折率を1.82に調整し、屈折率調整層の厚みを100nmとし、第1ハードコート層形成用塗布液の屈折率を1.85に調整した。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
比較例7:
屈折率調整層形成用塗布液の屈折率を1.58に調整し、屈折率調整層の厚みを100nmとし、第1ハードコート層形成用塗布液の屈折率を1.52に調整し、第2ハードコート層形成用塗布液に粒子を配合しなかった。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
比較例8:
屈折率調整層形成用塗布液の屈折率を1.82に調整し、屈折率調整層の厚みを100nmとし、第1ハードコート層調整用塗布液の屈折率を1.57に調整した。それ以外は実施例1と同様にして両面ハードコートフィルムを得た。
得られた両面ハードコートフィルムの特性を下記表1に示す。
Figure 2016188896
本発明のハードコートフィルムは、例えば、静電容量方式のタッチパネル部材として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 内部ヘーズが0.5%以下であるポリエステルフィルムの一方の面に、屈折率が1.57〜1.82の範囲である、厚みが20〜300nmの屈折率調整層、屈折率が1.56〜1.79の範囲である第1ハードコート層をこの順で有し、もう一方の面に、300nm以下の粒子を含有する第2ハードコート層を有する両面ハードコートフィルムであり、第1ハードコート層の屈折率と屈折率調整層の屈折率との差の絶対値が0.17以下であることを特徴とする両面ハードコートフィルム。
JP2015068133A 2015-03-30 2015-03-30 両面ハードコートフィルム Pending JP2016188896A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015068133A JP2016188896A (ja) 2015-03-30 2015-03-30 両面ハードコートフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015068133A JP2016188896A (ja) 2015-03-30 2015-03-30 両面ハードコートフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016188896A true JP2016188896A (ja) 2016-11-04

Family

ID=57239684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015068133A Pending JP2016188896A (ja) 2015-03-30 2015-03-30 両面ハードコートフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016188896A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108202518A (zh) * 2016-12-20 2018-06-26 新科光电材料股份有限公司 溅镀用聚酯积层体及其制造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012086551A1 (ja) * 2010-12-24 2012-06-28 大日本印刷株式会社 ハードコートフィルム、偏光板及び画像表示装置
US20130194211A1 (en) * 2012-01-27 2013-08-01 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Optical layered body, polarizer and image display device
JP2013199050A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Mitsubishi Plastics Inc 光学用ポリエステルフィルム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012086551A1 (ja) * 2010-12-24 2012-06-28 大日本印刷株式会社 ハードコートフィルム、偏光板及び画像表示装置
US20130194211A1 (en) * 2012-01-27 2013-08-01 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Optical layered body, polarizer and image display device
JP2013174852A (ja) * 2012-01-27 2013-09-05 Dainippon Printing Co Ltd 光学積層体、偏光板及び画像表示装置
JP2013199050A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Mitsubishi Plastics Inc 光学用ポリエステルフィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108202518A (zh) * 2016-12-20 2018-06-26 新科光电材料股份有限公司 溅镀用聚酯积层体及其制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4816183B2 (ja) 光学用積層二軸延伸ポリエステルフィルム及びそれを用いたハードコートフィルム
TWI686432B (zh) 光學用聚酯薄膜及使用其之偏光板
KR20050005785A (ko) 하드코트필름, 반사방지필름 및 화상표시장치
WO2010143551A1 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP5520138B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2011230437A (ja) 積層ポリエステルフィルム
WO2011001759A1 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2004107627A (ja) 光学用積層フィルム、反射防止用積層フィルム、タッチパネル用積層フィルムおよびディスプレイ部材用積層フィルム
JP2008246780A (ja) 光学用積層ポリエステルフィルム
JP2007327065A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2004299101A (ja) 表面保護用透明積層フィルム
JP5460481B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2009214354A (ja) 光学用積層ポリエステルフィルム
JP2015176466A (ja) タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムおよびタッチパネル用透明導電性フィルム
JP2008266392A (ja) 反射防止フィルム用積層ポリエステルフィルム
JP2016188896A (ja) 両面ハードコートフィルム
JP6108709B2 (ja) 透明導電性膜シート
JP5963489B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2003183429A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2006076292A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2005313450A (ja) 反射防止フィルム
JP6303769B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP5489971B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2004066642A (ja) 積層ポリエステルフィルム
JP2016210040A (ja) 両面ハードコートフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170428

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180904

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190305