JPWO2016136518A1 - 積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

ポリエステルフィルムの少なくとも片側に樹脂層が設けられた積層フィルムであって、該樹脂層表面の波長550nmにおける反射率が6.0%以上であり、該樹脂層表面の表面比抵抗値が1012Ω/□以下であり、該樹脂層表面の煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγ(Δγ=|煮沸処理試験後の樹脂層の表面エネルギー− 煮沸処理試験前の樹脂層の表面エネルギー|)が5mN/m以下であることを特徴とする積層フィルム。透明性、高屈折率ハードコート層積層時の干渉斑抑制性、高屈折率ハードコート層との接着性に優れ、湿度によらず高いレベルの帯電防止性を示す積層フィルムを提供する。

Description

本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片側に樹脂層が設けられた積層フィルムおよびその製造方法に関する。
熱可塑性樹脂フィルム、中でも二軸延伸ポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、耐薬品性などに優れた性質を有するため、磁気記録材料、包装材料などの多くの用途において広く使用されている。
ポリエステルフィルムは、特に近年、タッチパネル、液晶ディスプレイパネル(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、等の表示部材用途をはじめ、各種光学用フィルムに用いられている。
特にこのような用途においては、ポリエステルフィルム上にハードコート層が積層されたハードコートフィルムが使用されている。このハードコートフィルムにおいては、基材であるポリエステルフィルムとハードコート層との接着性を向上させるために、これらの中間層として、易接着性を有する塗布層が設けられる場合が多い。また、ポリエステルフィルムは帯電しやすいため、ハードコート層の加工工程において、塵埃が付着しやすく、塵埃付着により異物欠点が発生したり、歩留まりが低下したりする場合が多い。そのため、ハードコートフィルムの基材となるフィルムには帯電防止性が求められている。
さらに、ハードコートフィルムには、常温下、高温高湿下における基材との接着性、透明性、耐擦傷性、防汚性などが求められている。また、ディスプレイ等の表面に用いられることが多いため、ハードコートフィルムには視認性や意匠性が要求されている。基材であるポリエステルフィルム上にハードコート層を積層した場合、ハードコート層と基材であるポリエステルフィルムとの屈折率が異なる場合には界面反射による干渉斑が生じ、視認性が悪化することから、干渉斑の低減が求められている。
特に近年、さらなる大画面化、高精細化、高級化にともない、特に蛍光灯下での干渉斑の抑制、透明性、層間の接着性に対する要求レベルが高くなってきている。
一方、ハードコート層表面に、高屈折率層/低屈折率層、から構成される屈折率調整層を積層する場合、ハードコート層を高屈折率化することにより、屈折率調整層から高屈折率層を省略することができる。その結果、フィルムの製造工程において、機能を損なうことなく、工程を省略することができ、歩留まりの向上、大幅なコスト低減が可能となる。近年の強い低コスト化要求のためにこの技術は注目されている。
このような屈折率の高いハードコート層(例えば屈折率1.63)を基材のポリエステルフィルム上(例えば屈折率1.65)に設けた場合に、干渉斑を抑制する方法として、(a)易接着層を形成した後、基材フィルムにカレンダー処理を行い、基材フィルムの局所的な厚みのばらつきを小さくする方法が開示されている(特許文献1)。
また、(b)基材フィルムの表層に屈折率の低い層を設け、ハードコート層と基材フィルムの中間の屈折率を有する易接着層を設け、干渉の打消しを利用する方法が開示されている(特許文献2)。
さらに、(c)ハードコート層と基材フィルムの間に、それらの中間の屈折率(1.63〜1.66)を有する高屈折率の易接着層を設ける方法などが開示されている(特許文献3)。
また、ポリエステルフィルムに帯電防止性を付与する手法としては、ポリエステル樹脂に帯電防止を添加し塗布する方法(例えば特許文献4参照)、スチレンスルホン酸共重合体を塗布する方法(例えば特許文献5参照)が知られている。これらの方法は、イオン導電タイプの帯電防止剤を使った帯電防止方法である。
また、ポリエステルフィルムの表面にポリアニリン系導電層を塗布などにより設ける方法(例えば、特許文献6参照)が知られている。この方法は、電子伝導タイプの帯電防止剤を使った帯電防止方法である。
また、ポリエステルフィルムの表面にアンチモンドーピングした酸化スズ系導電剤の層を塗布などにより設ける方法(特許文献7)が知られている。この方法は、電子伝導タイプの帯電防止剤を使った帯電防止方法である。
また、他の電子伝導タイプの化合物を用いた帯電防止方法として、ポリチオフェン系導電剤による帯電防止性付与が提案されている。例えば、ポリチオフェン系導電剤とラテックス重合体を含む塗液を塗布した帯電防止方法(特許文献8)が知られている。また、ポリチオフェン系導電剤にエポキシ架橋剤を併用し、塗膜の透明性と帯電防止性を両立する帯電防止性付与が提案されている(特許文献9)。
特開2001−71439号公報 特許第4169548号公報 特許第3632044号公報 特開昭60−141525号公報 特開昭61−204240号公報 特開平7−101016号公報 特開平11−278582号公報 特開平6−295016号公報 特許第3966171号公報
特許文献1の方法では、ハードコート層の屈折率が1.60以下の場合には比較的干渉斑が抑制できるものの、屈折率が1.60以上1.65以下のハードコート層を積層した場合には、密着性は良好なものの、干渉斑が目立つものであった。また、特許文献2の方法では、基材となるフィルムの材料がポリエチレンナフタレンジカルボキシレート(屈折率1.7以上)の場合にしか適用できず汎用性に欠けるものであった。
特許文献3には、それぞれ、水溶性ポリエステル樹脂に水溶性金属キレート化合物または金属アシレート化合物を添加する方法が提案されている。しかしながら、水溶性金属キレート化合物や金属アシレート化合物は、酸性度が高い場合が多く、樹脂層に他の成分を含有させた場合に凝集が生じ、透明性が低下したり、干渉斑抑制性が悪化するといった課題があった。
また、特許文献4、5のイオン導電タイプの帯電防止剤を用いる方法では帯電防止性が湿度に依存するため、湿度によっては帯電する問題があった。特許文献6〜9の方法では、湿度に依存せず帯電防止性を発現することができるものの、高屈折率ハードコート層を積層した際に干渉斑が目立つものであり、さらには高屈折率ハードコート層との接着性も低下する問題があった。
そこで、本発明では上記の欠点を解消し、透明性、干渉斑抑制性、基材や高屈折率ハードコート層との接着性に優れ、さらに湿度によらず高いレベルの帯電防止性を示す積層ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため本発明の積層フィルムは次の構成を有する。すなわち、ポリエステルフィルムの少なくとも片側に樹脂層が設けられた積層フィルムであって、該樹脂層表面の波長550nmにおける反射率が6.0%以上であり、該樹脂層表面の表面比抵抗値が1012Ω/□以下であり、該樹脂層表面の煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγ(Δγ=|煮沸処理試験後の樹脂層の表面エネルギー − 煮沸処理試験前の樹脂層の表面エネルギー|)が5mN/m以下であるポリエステルフィルムの少なくとも片側に樹脂層が設けられた積層フィルムである。
本発明の積層フィルムは、透明性、高屈折率ハードコート層を積層した際の干渉斑抑制性、高屈折率ハードコート層との接着性に優れ、湿度によらず高いレベルの帯電防止性を発現することができる。さらには、高屈折率ハードコート層を積層したフィルムにおいて、ハードコート層表面でも帯電防止性を発現することができる。
以下、本発明の積層フィルムについて詳細に説明する。
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片側に樹脂層が設けられた積層フィルムであって、該樹脂層表面の波長550nmにおける反射率が6.0%以上であり、該樹脂層表面の表面比抵抗値が1012Ω/□以下であり、該樹脂層表面の煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγ(Δγ=|煮沸処理試験後の樹脂層の表面エネルギー − 煮沸処理試験前の樹脂層の表面エネルギー|)が5mN/m以下であることが必要である。
本発明の積層フィルムは、前記樹脂層が波長550nmにおける反射率が6.0%以上であることが必要である。該樹脂層表面の波長550nmにおける反射率とは、該樹脂層の屈折率を表すものである。波長550nmにおける反射率が6.0%よりも高いと該樹脂層の屈折率が、PETフィルムに近い領域まで高屈折率化されていることを表し、高屈折率ハードコート層を積層した際の干渉斑抑制性を有することができる。より好ましくは、6.0%以上6.5%以下である。樹脂層表面の波長550nmにおける反射率を6.0%以上とする方法としては、樹脂層に後述する金属酸化物粒子(A)を含有させる方法や、金属キレート化合物を含有させる方法がある。この中でも数平均粒子径が3nm以上50nm以下の金属酸化物粒子(A)を用いる方法が、透明性、湿熱処理時の接着性に優れる点から好ましい。金属キレート化合物を含有させる方法は、湿熱処理によるキレート結合の分解が進行し、経時での外観悪化や湿熱処理後の接着性が生じる可能性がある。
本発明の積層フィルムは、樹脂層表面の表面比抵抗値が1012Ω/□以下であることが必要である。樹脂層表面の表面比抵抗値とは、樹脂層表面の帯電防止性を表す指標である。樹脂層表面の表面比抵抗値が高いと樹脂層表面に電気が流れにくく(帯電しやすく)、表面比抵抗値が低いと電気が流れやすく(帯電しにくく)なる。樹脂層表面の表面比抵抗値を1012Ω/□以下とすることで高いレベルの帯電防止性を発現することが可能となり、その結果、加工時の粉塵付着を防止することができる。樹脂層表面の表面比抵抗値は、1011Ω/□以下であることがより好ましい。
更に本発明では、積層フィルムの樹脂層表面の表面比抵抗値を1011Ω/□以下とすることで、本発明の積層フィルムに高屈折率ハードコート層を積層したフィルムにおいて、積層したハードコート層の表面においても帯電防止性を発現することができる。この理由については、次のように推定している。一般的な高屈折率を有するハードコート層はアクリル樹脂で構成される場合が多く、カルボキシル基といった極性官能基を有する。そのため、ハードコート層は、カルボン酸をはじめとする極性官能基の分極が可能となるため、完全な絶縁体ではなく、大きな抵抗を有するものの通電体となる。積層フィルムの表面比抵抗値が1011Ω/□以下である場合、高屈折率ハードコート層の表面に帯電が発生した(電荷が溜まった)としても、電荷は高屈折率ハードコート層の内部へ流れ、さらにその下にある積層フィルムの樹脂層に流れるため、電荷を効率的に流すことができる。その結果、積層フィルムに高屈折率ハードコート層を積層したフィルムにおいて、高屈折率ハードコート層の表面比抵抗を低くできる(帯電しにくくできる)ものと推定している。
また、更に興味深い事象として、本発明の積層フィルムの樹脂層表面にハードコート層を積層したフィルムにおいては、ハードコート層を積層したフィルムを巻き取ったロールを巻きだす際の帯電量が抑制されるという効果を有することを見出した。本事象はハードコート層表面の表面比抵抗値が1012Ω/□以下のような、いわゆる帯電防止領域だけでなく、1013Ω/□を超えるような、一般的には絶縁領域といわれるハードコート層表面においても、確認されている。この理由としては、表面比抵抗値には現れないような微量な電荷の流れが存在するものと推定している。そのため、本発明の積層フィルムの樹脂層表面にハードコート層を積層したフィルムは、ハードコート層表面の帯電量が抑制されるため、フィルム加工時の粉塵付着を防止することができる。
樹脂層表面の表面比抵抗値を低下させる方法としては、樹脂層に導電性高分子や、イオン導電性樹脂を含有させる方法が挙げられる。樹脂層表面の表面比抵抗値を1012Ω/□以下とする方法としては、樹脂層にポリチオフェンやポリアニリンなどのπ電子共役系高分子化合物(B)を含有させる方法や、アンモニウム塩や、スルホン酸塩などのイオン導電性化合物を含有させる方法がある。この中でも含有させる量が小量であっても樹脂層表面の表面比抵抗値が1012Ω/□以下を達成できることから、π電子共役系高分子化合物(B)を用いることが帯電防止性と低干渉性および接着性の両立の点から好ましい。なお、樹脂層表面の表面比抵抗値の下限は、特に定められるものではないが、表面比抵抗を小さくしようとしすぎると、樹脂層中に含有させる導電性高分子やイオン導電性樹脂の量が多くなり、製膜性、透明性が低下する場合があるため、10Ω/□以上であることが好ましい。
また、樹脂層表面の煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγとは、後述する方法により求められるものであり、煮沸試験による樹脂層の構造の変化を表すものである。煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγが大きいと煮沸試験による樹脂層の構造の変化が大きいことを表し、煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγが小さいと煮沸試験による樹脂層の構造の変化が小さいことを表す。煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγを5mN/m以下とすることで、透明性に加え、煮沸処理後の高屈折率ハードコート層との優れた接着性や帯電防止性を維持することができる。煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγは、3mN/m以下であることがより好ましい。煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγは、煮沸水に浸した際にも樹脂層の化学結合の変化を少なくすることによって5mN/m以下とすることができる。煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγを5mN/m以下とするには、樹脂層を構成する樹脂を高架橋化させる方法や、樹脂層を構成する樹脂を高Tg化させる方法や疎水化させる方法が挙げられる。この中でも、樹脂層にエポキシ化合物(C)とアクリル樹脂(D)を含有させる方法は、樹脂層に緻密な架橋が構築され、煮沸試験前後でのエネルギー変化量Δγを5mN/m以下にしつつ、反射率や、帯電防止性を発現できるため好ましい。
また、本発明の積層フィルムは、樹脂層が、数平均粒子径が3nm以上50nm以下の金属酸化物粒子(A)と、π電子共役系高分子化合物(B)と、エポキシ化合物(C)とアクリル樹脂(D)を含有すると、透明性、高屈折率ハードコート層を積層した際の干渉斑抑制性、高屈折率ハードコート層との接着性に優れ、湿度によらず高いレベルの帯電防止性を発現することができるため好ましい。
また、本発明の積層フィルムは、前記樹脂層表面の算術平均粗さ(Ra)が20nm以下であることが好ましい。前記樹脂層表面の算術平均粗さ(Ra)を20nm以下とすることで、加工時の塗膜削れを抑制することができ、加工後の透明性や帯電防止性、干渉斑抑制性に優れたものとすることができる。樹脂層表面の算術平均粗さ(Ra)は、樹脂層中に含有する粒子の数平均粒子径を小さくすることで、小さくすることができる。ただし、粒子径を小さくしすぎると、粒子同士のファンデルワールス力が大きくなるため凝集しやすくなり、凝集による粗大粒子が発生することによって算術平均粗さ(Ra)は大きくなる場合がある。そのため、樹脂層中に含有する粒子は、数平均粒子径を3nm以上50nm以下にすることが好ましい。また、樹脂層に含有する粒子として金属酸化物粒子(A)を用いる場合、樹脂層に金属酸化物粒子(A)の他に、エポキシ化合物(C)を含有させると、樹脂層表面の算術平均粗さ(Ra)を小さくすることができる。金属酸化物粒子(A)とともにエポキシ化合物(C)を含有させると樹脂層表面の算術平均粗さが小さくなる理由としては、エポキシ化合物(C)は、樹脂層の流動性を向上させることができるため、その結果金属酸化物粒子(A)の凝集を抑制する効果があると考えている。
[金属酸化物粒子(A)]
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層は、数平均粒子径が3nm以上50nm以下の金属酸化物粒子(A)を含むことが好ましい。かかる金属酸化物粒子(A)を用いることで、樹脂層表面の波長550nmにおける反射率を高くすることができる。その結果、本発明の積層フィルムの樹脂層に高屈折率ハードコート層を積層した際の干渉斑の抑制が可能となる。また、該金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が可視光の波長より十分小さいため、積層フィルムの透明性を高めることが可能となる。
本発明における金属酸化物粒子(A)とは、展性、延性に富み、電気および熱の良導体で、金属光沢をもつ元素、すなわち周期表において、ホウ素(B)、ケイ素(Si)、ヒ素(As)、テルル(Te)及びアスタチン(At)を結ぶ斜めの線より左に位置する元素の酸化物微粒子を指す。さらに、前記周期表にてアルカリ土類金属類(2族)よりも右に位置する元素の酸化物微粒子であることが好ましい。
このような金属酸化物微粒子としては、干渉斑抑制性の観点から、高屈折率の金属酸化物粒子、このましくは屈折率1.6以上の金属酸化物粒子であるものが好適である。この高屈折率金属酸化物粒子としては、TiO、ZrO、ZnO、CeO、SnO、Sb、インジウムドープ酸化錫(ITO)、リンドープ酸化錫(PTO)、Y 、La、Al、などが挙げられる。
これらの金属酸化物粒子は1種を単独で用いても良く、2種以上を組合せて用いてもよい。分散安定性や屈折率の観点から、酸化チタン粒子(TiO)(A’)および/または酸化ジルコニウム粒子(ZrO)(A’)が特に好ましい。
ここで、金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径について説明する。ここで数平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)により求めた粒子径をいう。倍率は50万倍とし、その画面に存在する10個の粒子の外径を、10視野について合計100個の粒子を測定した数平均粒子径である。ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表し、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を表す。
金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が小さくなると、金属酸化物粒子同士のファンデルワールス力が非常に大きくなるため凝集しやすくなり、光が散乱する結果、透明性が低下することがある。一方、該金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径が大きくなると、光が散乱する起点となりヘイズが上昇したり、反射率が低下したりすることがある。そのため、金属酸化物粒子(A)は、数平均粒子径が3nm以上50nm以下であると、透明性の観点から好ましい。好ましくは10nm以上45nm以下、より好ましくは15nm以上40nm以下である。
本発明では、樹脂層中の金属酸化物粒子(A)の含有量は、樹脂層全体に対して30重量%以上90重量%以下であることが好ましい。この範囲とすることで樹脂層表面の波長550nmにおける反射率が6.0%以上とすることができ、ハードコート層を積層した際の干渉斑抑制性が優れる。なお、樹脂層中の金属酸化物粒子(A)の含有量は、30重量%以上80重量%以下が好ましく、より好ましくは30重量%以上70重量%以下である。なお、本発明において、樹脂層中の含有量とは、樹脂層を形成する樹脂組成物の固形分([(樹脂組成物の重量)−(溶媒の重量)])中の含有量を表す。
また、本発明において、金属酸化物粒子(A)は、金属酸化物粒子(A)の表面の一部または全部に後述するアクリル樹脂(D)を有する粒子(AD)であることが、より好ましい(なお、粒子(AD)を含有する樹脂層は、金属酸化物粒子(A)とアクリル樹脂(D)を当然に含有することになる)。脂層が、かかる粒子(AD)を含有することにより、後述する樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する際に、乾燥過程における金属酸化物粒子(A)や粒子(AD)の凝集を更に抑制し、その結果、樹脂層表面の表面粗さを20nm以下とすることができる。また、樹脂層を積層したポリステルフィルムの透明性を向上することが可能となる。
ここで、本発明において、金属酸化物粒子(A)が、その表面に前記アクリル樹脂(D)を有する、とは、金属酸化物粒子(A)の表面の一部または全部にアクリル樹脂(D)が、吸着・付着していることをさす。
粒子(AD)の製造方法は特に限定されるものではないが、金属酸化物粒子(A)をアクリル樹脂(D)で表面処理する方法などを挙げることができ、具体的には、以下の(i)〜(iv)の方法が例示される。なお、本発明において、表面処理とは、金属酸化物粒子(A)の表面の全部または一部にアクリル樹脂(D)を吸着・付着させる処理をいう。
(i)金属酸化物粒子(A)とアクリル樹脂(D)をあらかじめ混合した混合物を溶媒中に添加した後、分散する方法。
(ii)溶媒中に、金属酸化物粒子(A)とアクリル樹脂(D)を順に添加して分散する方法。
(iii)溶媒中に、金属酸化物粒子(A)とアクリル樹脂(D)をあらかじめ分散し、得られた分散体を混合する方法。
(iv)溶媒中に、金属酸化物粒子(A)を分散した後、得られた分散体に、アクリル樹脂(D)を添加する方法。
また、分散を行う装置としては、ディゾルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキサー、ミーダー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、SCミル、アニュラー型ミル、ピン型ミル等が使用できる。
また、分散方法としては、上記装置を用いて、回転軸を周速5〜15m/sで、5〜10時間回転させる方法が挙げられる。
また、分散時に、ガラスビーズ等の分散ビーズを用いることが分散性を高める点でより好ましい。ビーズ径は、好ましくは0.05〜0.5mm、より好ましくは0.08〜0.5mm、特に好ましくは0.08〜0.2mmである。
混合、攪拌する方法は、容器を手で振って行ったり、マグネチックスターラーや攪拌羽根を用いたり、超音波照射、振動分散などを行うことができる。
なお、金属酸化物粒子(A)の表面の全部または一部への、アクリル樹脂(D)の吸着・付着の有無は、次の分析方法により確認可能である。測定対象物(例えば、金属酸化物粒子(A)を含む樹脂組成物)を、日立卓上超遠心機(日立工機株式会社製:CS150NX)により遠心分離を行い(回転数3,0000rpm、分離時間30分)、金属酸化物粒子(A)(及び金属酸化物粒子(A)の表面に吸着したアクリル樹脂(D))を沈降させた後、上澄み液を除去し、沈降物を濃縮乾固する。濃縮乾固した沈降物をX線光電子分光法(XPS)により分析し、金属酸化物粒子(A)の表面におけるアクリル樹脂(D)の有無を確認する。金属酸化物粒子(A)の表面に、金属酸化物粒子(A)の合計100重量%に対して、アクリル樹脂(D)が1重量%以上存在することが確認された場合、金属酸化物粒子(A)の表面に、アクリル樹脂(D)が吸着・付着しているものとする。
また、積層フィルムの樹脂層における、粒子(AD)の含有の有無は、積層フィルムの樹脂層側からアルゴンイオンにより1nm/minのエッチング速度(SiO換算)でエッチングしながらXPSを用いることにより、確認することができる。すなわち、金属酸化物粒子(A)の表面にアクリル樹脂(D)の存在が確認された場合、当該金属酸化物粒子(A)は粒子(AD)であることがわかる。
上記アクリル樹脂(D)は、式(1)で表されるモノマー単位(d1)と式(2)で表されるモノマー単位(d2)と式(3)で表されるモノマー単位(d3)を有するアクリル樹脂(D)であることが好ましい。
Figure 2016136518
(式(1)において、R基は、水素原子またはメチル基を表す。またnは、9以上34以下の整数を表す。)
Figure 2016136518
(式(2)において、R基は、水素原子またはメチル基を表す。また、R基は、飽和の炭素環を2つ以上含む基を表す。)
Figure 2016136518
(式(3)において、R基は、水素原子またはメチル基を表す。また、R基は、水酸基、カルボキシル基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、スルホン酸基、または、リン酸基を表す。)
アクリル樹脂(D)が上記モノマー単位を有することで、透明性を維持しつつ、煮沸試験前後での樹脂層表面のエネルギー変化量Δγを小さくすることができ、ハードコート層との接着性を強固なものにすることができるため好ましい。式(3)のR基をカルボキシル基としたモノマー単位を有するアクリル樹脂(D)を用いると、より接着性を向上させることができるため特に好ましい。
また、式(1)で表されるモノマー単位(d1)と式(2)で表されるモノマー単位(d2)と式(3)で表されるモノマー単位(d3)を有するアクリル樹脂(D)の含有量は、樹脂層中に含有する金属酸化物粒子(A)の重量100重量部に対して、3重量部以上25重量部以下であることが好ましい。より好ましくは、5重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは7重量部以上15重量部以下である。上記範囲とすることで、波長550nmにおける反射率が6.0%以上とすることができ、その結果、樹脂層の透明性の向上、更には、ハードコート層積層時の干渉斑抑制性を十分に発現させることが可能となるため好ましい。
ここで、本発明におけるアクリル樹脂(D)が、式(1)で表されるモノマー単位(d1)を有すると、水系溶媒中における金属酸化物粒子(A)の分散性がより向上し、透明性がより良好な積層フィルムを得ることができるため好ましく、さらに高屈折率ハードコート層を積層した際の干渉斑抑制性(視認性)がより良化するためより好ましい。
ここで、本発明におけるアクリル樹脂(D)が、式(1)で表されるモノマー単位(d1)を有するためには、次の式(4)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d1’)を原料として用い、重合することがより好ましい。
Figure 2016136518
該(メタ)アクリレートモノマー(d1’)としては、式(4)におけるnが9以上34以下の整数で表される(メタ)アクリレートモノマーが好ましく、より好ましくは11以上32以下の(メタ)アクリレートモノマー、更に好ましくは13以上30以下の(メタ)アクリレートモノマーである。
(メタ)アクリレートモノマー(d1’)は、式(4)におけるnが9以上34以下である(メタ)アクリレートモノマーであれば特に制限されないが、具体的にはデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、1−メチルトリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、トリアコンチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、特にドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは1種で使用してもよく、2種以上の混合物を使用してもよい。
また、本発明におけるアクリル樹脂(D)は、前記式(2)で表されるモノマー単位(d2)を有する樹脂であることが好ましい。
式(2)において、飽和の炭素環を2つ以上含むモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、立体障害としての十分に機能することにより、樹脂組成物中において金属酸化物粒子(A)の凝集または沈降を抑制することができ、樹脂層の波長550nmにおける反射率が6.0%以上とすることができ、ハードコート層を積層した際の低干渉性を向上することができるため好ましい。また金属酸化物粒子(A)の凝集を抑制することができるため、樹脂層中の粗大成分を減少させることができる。その結果、導電性高分子(B)も樹脂層中に均一に存在させることができ、樹脂層の表面比抵抗値を12乗未満とすることができ、優れた帯電防止性を発現することができる。また、粗大成分を減少させることができるため、樹脂層の表面粗さを20nm以下とすることができ、積層フィルムの加工性に優れる。
本発明におけるアクリル樹脂(D)が、式(2)で表されるモノマー単位(d2)を有するためには、次の式(5)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d2’)を原料として用い、重合することが好ましい。
Figure 2016136518
式(5)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d2’)としては、Rとして、架橋縮合環式(2つまたはそれ以上の環がそれぞれ2個の原子を共有して、結合した構造を有する)、スピロ環式(1個の炭素原子を共有して、2つの環状構造が結合した構造を有する)などの各種環状構造、具体的には、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ基などを有する化合物が例示でき、その中でも特にバインダーとの相溶性の観点から、ビシクロ基を含有する(メタ)アクリレートが好ましい。
上記ビシクロ基を含有する(メタ)アクリレートとしては、イソボニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、ジシロクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にイソボニル(メタ)アクリレートが好ましい。
さらに、本発明におけるアクリル樹脂(D)は、前記式(3)で表されるモノマー単位(d3)を有する樹脂であることが好ましい。
式(3)におけるR基が、水酸基、カルボキシル基、3級アミノ基、4級アンモニウム基、スルホン酸基、リン酸基、を有するモノマー単位を有するアクリル樹脂を用いると、金属酸化物粒子(A)を樹脂層中に均一に分散させることができることで、樹脂組成物中において金属酸化物粒子(A)の凝集または沈降を抑制することができるため、樹脂層の波長550nmにおける反射率が6.0%以上とすることができる。その結果、ハードコート層を積層した際の低干渉性を向上することができるため好ましい。
本発明におけるアクリル樹脂(D)が、式(3)で表されるモノマー単位(d3)を有するためには、次の式(6)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d3’)を原料として用い、重合することが必要である。
Figure 2016136518
式(6)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d3’)として次の化合物が例示される。
水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2、3−ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物、あるいは、該モノエステル化物にε−カプロラプトンを開環重合した化合物などが挙げられ、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸などのα、β−不飽和カルボン酸、あるいは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと酸無水物とのハーフエステル化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
3級アミノ基含有モノマーとしては、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、などのN、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのN、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、特にN、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
4級アンモニウム塩基含有モノマーとしては、上記3級アミノ基含有モノマーにエピハロヒドリン、ハロゲン化ベンジル、ハロゲン化アルキルなどの4級化剤を作用させたものが好ましく、具体的には、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムブロマイド、2−(メタクリロイオキシ)エチルトリメチルアンモニウムジメチルホスフェートなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリアルキルアンモニウム塩、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムブロマイドなどの(メタ)アクリロイルアミノアルキルトリアルキルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレートなどのテトラアルキル(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレートなどのトリアルキルベンジルアンモニウム(メタ9アクリレートなどが挙げられ、特に2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
スルホン酸基含有モノマーとしては、ブチルアクリルアミドスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの(メタ)アクリルアミド−アルカンスルホン酸、あるいは、2−スルホエチル(メタ)アクリレートなどのスルホアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特に2−スルホエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
リン酸基含有アクリルモノマーとしては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にアシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
特に、本発明では、式(6)で表される(メタ)アクリレートモノマー(d3’)として、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを用いることで、煮沸試験前後での樹脂層表面のエネルギー変化量Δγを小さくすることができる。その結果、樹脂層とハードコート層との接着性をより強固なものにすることができるため好ましい。その理由としては、カルボキシル基がエポキシ化合物と反応することで、より強固な樹脂層を形成することができるためと推定している。
[π電子共役系高分子化合物]
本発明において、樹脂層は、π電子共役系高分子化合物(B)を含有することが好ましい。本発明において、π電子共役系とは、交互の単結合および多重結合、あるいは、単結合および多重結合と酸素や窒素など利用可能なp軌道を有している原子によってπ電子が非局在化していることを表す。本発明において、高分子化合物とは、数平均分子量が3000以上の化合物を表す。上記、π電子共役系高分子化合物(B)は、導電性を有する(表面比抵抗値が10×10乗以下である)ことが好ましい。本発明に用いられるπ電子共役系高分子化合物としては、その繰り返し単位が、アニリンおよび/またはその誘導体、ピロールおよび/またはその誘導体、イソチアナフテンおよび/またはその誘導体、アセチレンおよび/またはその誘導体、チオフェンおよび/またはその誘導体などであることが好ましい。それらの中でも着色が少なく、高い全光線透過率が得られる点から、繰り返し単位がチオフェンおよび/またはその誘導体であるπ電子共役系高分子化合物であることが特に好ましい。
前記繰り返し単位がチオフェンおよび/またはその誘導体であるπ電子共役系高分子化合物としては、チオフェン環の3位と4位の位置が置換された構造を有する化合物が挙げられる。上記、3位と4位の炭素原子に酸素原子が結合したものが好ましい。炭素原子に直接、水素原子や炭素原子が結合したものは、水溶性が不十分なものがある。
また、前記繰り返し単位がチオフェンおよび/またはその誘導体であるπ電子共役系高分子化合物の好ましい様態として、チオフェンおよび/またはその誘導体をポリ陰イオンの存在下で重合されるものが挙げられる。ポリ陰イオンとしては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリスチレンスルホン酸などが挙げられ、ポリスチレンスルホン酸が導電性の点から好ましい。
前記チオフェンおよび/またはその誘導体をポリ陰イオンの存在下で重合することによって、下記式(7)で表される繰り返し構造および/または、
Figure 2016136518
下記式(8)で表される繰り返し構造
Figure 2016136518
を有するπ電子共役系高分子化合物を得ることができる。式(7)で表される繰り返し構造において、R,Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、もしくは芳香族炭化水素基を表し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、シクロへキシレン基、ベンゼン基などである。また、pは2以上の整数である。式(8)で表される繰り返し構造では、mは1〜4の整数であり、qは2以上の整数である。
本発明においてπ電子共役系高分子化合物(B)は、式(8)で表される繰り返し構造式からなるポリチオフェン、および/または、ポリチオフェン誘導体を用いることが好ましく、例えば、式(5)の繰り返し構造で、m=1(メチレン基)、m=2(エチレン基)、m=3(トリメチレン基)となっているものが好ましい。中でも特に好ましいのは、m=2のエチレン基の化合物、すなわち、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンである。
また、上記化合物は、例えば、特開2000−6324号公報、ヨーロッパ特許602713号、米国特許第5391472号に開示された方法により製造することができるが、これら以外の方法であってもよい。
例えば、3,4−ジヒドロキシチオフェン−2,5、−ジカルボキシエステルのアルカリ金属塩を出発物質として、3,4−エチレンジオキシチオフェンを得た後、ポリスチレンスルホン酸水溶液にペルオキソ二硫酸カリウムと硫酸鉄と、先に得た3,4−エチレンジオキシチオフェンを導入し、反応させることによりって、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などのポリチオフェンに、ポリスチレンスルホン酸などの酸性ポリマーが複合体化した組成物を得ることができる。
またポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン及びポリスチレンスルホン酸を含む水性の塗料組成物として、H.C.Starck社(ドイツ国)から、“Baytron”Pとして販売されているものなど用いることができる。
本発明において、樹脂層中に含有するπ電子共役系高分子(B)の含有量は、金属酸化物粒子(A)100重量部に対し、3〜25重量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜20重量部の範囲がより好ましい。上記範囲とすることで、干渉縞抑制性と帯電防止性を両立することができる。
[エポキシ化合物(C)]
本発明の積層フィルムは、樹脂層がエポキシ化合物(C)を含有することが好ましい。本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層がエポキシ化合物(C)を含有することで、樹脂層の硬化時の流動性を向上させ、その結果、金属酸化物粒子(A)の凝集を抑制することができ、積層フィルムの透明性が付与することができる。また、金属酸化物粒子(A)の凝集を抑制することにより、樹脂層の表面粗さを小さくすることができるため、加工時の塗膜削れを抑制することができる。例えば、ハードコート層加工時のキズを抑制することができ、また、ハードコート層の上にさらに蒸着やスパッタなどを行う際の、加工欠点を抑制することができる。なお、本発明において、樹脂層がエポキシ化合物(C)を含むとは、エポキシ化合物またはエポキシ化合物誘導体(エポキシ化合物が開環した化合物など)を含むことを表す。
また、本発明の積層フィルムの樹脂層にエポキシ化合物(C)とアクリル樹脂(D)が含まれると、エポキシ化合物(C)と、アクリル樹脂(D)に含まれるカルボン酸基との架橋反応が進行し、樹脂層の積層体との密着性を向上させることができる。
本発明に用いるエポキシ化合物(C)は、分子量が1000以下であることがより好ましい。エポキシ化合物(C)の分子量が1000以下であると、上述した樹脂組成物の流動性向上の効果をより顕著なものとすることができる。
一方、例えば、分子量が大きくなり過ぎる(分子量が1000を超える)と、塗布、乾燥後の延伸時に塗膜に亀裂が入るなどの現象が発生し、透明性を向上させる効果が十分得られない可能性がある。
本発明において、エポキシ化合物(C)は、水溶性の化合物であることが好ましい。ここでいう水溶性の化合物とは、水溶率が80%以上の化合物をいう。また、「水溶率」とは、23℃で、化合物の固形分10重量部を90重量部の水に溶解した時、化合物が溶解している割合をいう。すなわち、水溶率が80%とは、23℃で、10重量部の化合物のうち80重量%が90重量部の水に溶解し、残りの20重量%の化合物が未溶解物として残っている状態を示す。また、水溶率100%とは、23℃で10重量部の化合物が90重量部の水に全て溶解している状態を表す。なお、本発明において、エポキシ化合物(C)は、水溶率が90%以上のものが好ましく、より好ましくは水溶率が100%である。水溶率が高いと塗液自体を水溶化できるだけでなく、透明性や帯電防止性、干渉斑抑制性の点でも優れたものとすることができる。
また、樹脂層の硬化時の流動性を向上させる手法としては、樹脂層にエポキシ化合物(C)を添加・含有せしめることの他に、例えば、グリセリンなどの高沸点溶媒などを添加・含有せしめることが挙げられる。樹脂層にエポキシ化合物(C)を添加・含有せしめる方法は、高沸点溶媒を添加・含有せしめる方法に比べ、ブロッキングを起こさず、熱処理を行うテンター内部の汚染や、大気汚染がないので、好適である。
本発明の積層フィルムにおいて、エポキシ化合物(C)の種類は特に限定されないが、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル系、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル系、ジグリセロールポリグリシジルエーテル系、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル系などを用いることができる。例えば、ナガセケムテック株式会社製エポキシ化合物“デナコール”(EX−611、EX−614B、EX−512、EX−521、EX−421、EX−313、EX−810、EX−830、EX−850など)、坂本薬品工業株式会社製のジエポキシ・ポリエポキシ化合物(SR−EG、SR−8EG、SR−GLGなど)、大日本インキ工業株式会社製エポキシ化合物“EPICLON”EM−85−75W、あるいはCR−5Lなどを好適に用いることができ、中でも、水溶性を有するものが好ましい。
エポキシ化合物(C)は、エポキシ当量(weight per epoxy equivalent:WPE)が100〜300WPEであるものが反応性の点で好ましく、エポキシ当量は、より好ましくは110〜200WPEである。
ここでエポキシ化合物(C)の含有量は、金属酸化物粒子(A)の重量100重量部に対して、20重量部以上60重量部以下が好ましく、より好ましくは30重量%以上60重量%以下である。
エポキシ化合物(C)を、金属酸化物粒子(A)の重量100重量部に対して20重量%以上60重量%以下とすることにより、金属酸化物粒子(A)の分散性が良化し透明性に優れるとともに、干渉斑抑制性、帯電防止性、干渉斑抑制性が良化する。
[イオン導電性化合物(E)]
本発明の積層フィルムにおいて、帯電防止性を向上させる観点からは、樹脂層は、π電子共役系高分子化合物(B)に代えて、イオン導電性化合物(E)を含有してもよい。本発明において、イオン導電性樹脂とは、樹脂組成中にイオンを導電する特性を有する樹脂をあらわし、具体的には、ポリスチレンスルホン酸金属塩や、アンモニウム金属塩といった構造を有する樹脂が挙げられる。樹脂層中にイオン導電性化合物(E)を含有すると、イオン導電によって、電荷を移動させることができ、優れた帯電防止性を発現することができる。
本発明の積層フィルムを製造する際には、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムに、水系溶媒を含む樹脂組成物を塗布し、延伸、熱処理により結晶配向を完了させる方法が、好適に用いられる。高温での熱処理が可能であり、基材と樹脂層との接着力が向上することや、より均一で薄膜の樹脂層を設けることができるためである。この方法によって樹脂層を形成する場合には、樹脂組成物は水系溶媒に溶解、乳化、あるいは懸濁し得る水系のものが環境汚染や防爆性の点で好ましい。このような、水に溶解、乳化または懸濁が可能な樹脂組成物は、親水性基を有するモノマー(アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニルスルホン酸およびその塩等)との共重合や反応性乳化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、ソープフリー重合等の方法によって作製することができる。
重合開始剤としては特に限定されるものではないが一般的なラジカル重合開始剤、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素等の水溶性過酸化物、または過酸化ベンゾイルやt−ブチルハイドロパーオキサイド等の油溶性過酸化物、あるいはアゾジイソブチロニトリル等のアゾ化合物が使用できる。
[ポリエステルフィルム]
本発明の積層フィルムにおいて、基材フィルムとして用いられるポリエステルフィルムについて述べる。まずポリエステルとは、エステル結合を主鎖に有する高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分とするものを好ましく用いることができる。
上記ポリエステルを使用したポリエステルフィルムは、二軸配向されたものであるのが好ましい。二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシート又はフィルムを長手方向および長手方向に直行する幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸され、その後、熱処理を施されて、結晶配向が完了されたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。ポリエステルフィルムが二軸配向している場合には、熱安定性、特に寸法安定性や機械的強度が十分で、平面性も良好である。
また、ポリエステルフィルム中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機系易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
ポリエステルフィルムの厚みは特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、通常は好ましくは10〜500μm、より好ましくは15〜250μm、最も好ましくは20〜100μmである。また、ポリエステルフィルムは、共押出しによる複合フィルムであってもよいし、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせたフィルムであっても良い。
[樹脂層の作製方法]
本発明の積層フィルムの樹脂層の作製方法について以下に例を示すが、以下に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す例により限定的に解釈されるべきものではない。
本発明の樹脂層は、前記金属酸化物粒子(A)と、前記π電子共役系高分子(B)と、エポキシ化合物(C)と、アクリル樹脂(D)を含有すると、波長550nmにおける反射率を高くすることができ、また、煮沸試験前後の表面エネルギーの変化量を小さくできるため好ましい。
樹脂層中に、(A)〜(D)はそれぞれ複数種類含んでいても良い。また、必要に応じて、(B)〜(D)以外の他の化合物、例えば、上述したイオン導電性化合物(E)や、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、チタンキレートなどのチタネート系カップリング剤、メチロール化あるいはアルキロール化したメラミン化合物、アクリルアミド系化合物などを含んでいてもよい。
また、各種添加剤、例えば、有機系易滑剤、有機又は無機の微粒子、帯電防止剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
水系溶媒を用いた樹脂組成物は、少なくとも水分散化または水溶化したアクリル樹脂(D)、金属酸化物粒子(A)を、(A)、(D)の順に添加し一度分散を行い、金属酸化物粒子(A)の表面に、アクリル樹脂(D)を吸着させた後、π電子共役系高分子(B)と、エポキシ化合物(C)を添加し、水系溶媒を所望の重量比で混合、攪拌することで作製することができる。次いで、必要に応じて各種添加剤(易滑剤、無機粒子、有機粒子、界面活性剤、酸化防止剤など)を、上記樹脂組成物に所望の重量比で混合、攪拌することで作製することができる。
[樹脂層の形成方法および積層フィルムの製造方法]
本発明の積層フィルムの樹脂層の形成方法について以下に例を示して説明するが、以下に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す例により限定的に解釈されるべきものではない。
本発明の樹脂層は、金属酸化物粒子(A)と、π電子共役系高分子化合物(B)と、エポキシ化合物(C)と、アクリル樹脂(D)を含有する樹脂組成物をポリエステルフィルム上へ塗布し、樹脂組成物が溶媒を含む場合には、溶媒を乾燥させることによって、ポリエステルフィルム上に樹脂層を形成することができる。
また本発明において、樹脂組成物に溶媒を含有せしめる場合は、溶媒として水系溶媒を用いることが好ましい。水系溶媒を用いることで、乾燥工程での溶媒の急激な蒸発を抑制でき、均一な組成物層を形成できるだけでなく、環境負荷の点で優れているためである。
ここで、水系溶媒とは、水、または水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類など水に可溶である有機溶媒が任意の比率で混合させているものを指す。
樹脂組成物のポリエステルフィルムへの塗布方法はインラインコート法であることが好ましい。インラインコート法とは、ポリエステルフィルムの製造の工程内で塗布を行う方法である。具体的には、ポリエステル樹脂を溶融押し出ししてから二軸延伸後熱処理して巻き上げるまでの任意の段階で塗布を行う方法を指し、通常は、溶融押出し後・急冷して得られる実質的に非晶状態の未延伸(未配向)ポリエステルフィルム(Aフィルム)、その後に長手方向に延伸された一軸延伸(一軸配向)ポリエステルフィルム(Bフィルム)、またはさらに幅方向に延伸された熱処理前の二軸延伸(二軸配向)ポリエステルフィルム(Cフィルム)の何れかのフィルムに塗布する。
本発明では、結晶配向が完了する前の上記Aフィルム、Bフィルム、の何れかのポリエステルフィルムに、樹脂組成物を塗布し、その後、ポリエステルフィルムを一軸方向又は二軸方向に延伸し、溶媒の沸点より高い温度で熱処理を施しポリエステルフィルムの結晶配向を完了させるとともに樹脂層を設ける方法を採用することが好ましい。この方法によれば、ポリエステルフィルムの製膜と、樹脂組成物の塗布乾燥(すなわち、樹脂層の形成)を同時に行うことができるために製造コスト上のメリットがある。また、塗布後に延伸を行うために樹脂層の厚みをより薄くすることが容易である。
中でも、長手方向に一軸延伸されたフィルム(Bフィルム)に、樹脂組成物を塗布し、その後、幅方向に延伸し、熱処理する方法が優れている。未延伸フィルムに塗布した後、二軸延伸する方法に比べ、延伸工程が1回少ないため、延伸による組成物層の欠陥や亀裂が発生しづらく、透明性や平滑性に優れた組成物層を形成できるためである。
本発明において該樹脂層は、上述した種々の利点から、インラインコート法により設けられることが好ましい。ここで、ポリエステルフィルムへの樹脂組成物の塗布方式は、公知の塗布方式、例えばバーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法等の任意の方式を用いることができる。
したがって、本発明において最良の樹脂層の形成方法は、水系溶媒を用いた樹脂組成物を、ポリエステルフィルム上にインラインコート法を用いて塗布し、乾燥、熱処理することによって形成する方法である。またより好ましくは、一軸延伸後のBフィルムに樹脂組成物をインラインコートする方法である。本発明の積層フィルムの製造方法において、乾燥は樹脂組成物の溶媒の除去を完了させるために、80〜130℃の温度範囲で実施することができる。また、熱処理はポリエステルフィルムの結晶配向を完了させるとともに樹脂組成物の熱硬化を完了させ樹脂層の形成を完了させるために、160〜240℃の温度範囲で実施することができる。
さらに樹脂組成物の固形分濃度は10重量%以下であることが好ましい。固形分濃度が10重量%以下とすることにより、樹脂組成物に良好な塗布性を付与でき、透明かつ均一な組成物層を設けた積層フィルムを製造することができる。
なお、固形分濃度とは、樹脂組成物の重量に対して、樹脂組成物の重量から溶媒の重量を除いた重量が占める割合を表す(すなわち、[固形分濃度]=[(樹脂組成物の重量)−(溶媒の重量)]/[樹脂組成物の重量]である)。
次に、本発明の積層フィルムの製造方法について、ポリエステルフィルムとしてポリエチレンテレフタレート(以下、PET)フィルムを用いた場合を例にして説明するが、これに限定されるものではない。まず、PETのペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給し、約280℃でシート状に溶融押し出し、冷却固化せしめて未延伸(未配向)PETフィルム(Aフィルム)を作製する。このフィルムを80〜120℃に加熱したロールで長手方向に2.5〜5.0倍延伸して一軸配向PETフィルム(Bフィルム)を得る。このBフィルムの片面に所定の濃度に調製した本発明の樹脂組成物を塗布する。
この時、塗布前にPETフィルムの塗布面にコロナ放電処理等の表面処理を行ってもよい。コロナ放電処理等の表面処理を行うことで、樹脂組成物のPETフィルムへの濡れ性が向上し、樹脂組成物のはじきを防止し、均一な塗布厚みの樹脂層を形成することができる。塗布後、PETフィルムの端部をクリップで把持して80〜130℃の熱処理ゾーン(予熱ゾーン)へ導き、樹脂組成物の溶媒を乾燥させる。乾燥後幅方向に1.1〜5.0倍延伸する。引き続き160〜240℃の熱処理ゾーン(熱固定ゾーン)へ導き1〜30秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了させる。
この熱処理工程(熱固定工程)で、必要に応じて幅方向、あるいは長手方向に3〜15%の弛緩処理を施してもよい。かくして得られた積層フィルムは透明かつ帯電防止性、高屈折率ハードコート層を積層した際の干渉斑抑制性(視認性)に優れた積層フィルムとなる。
本発明における該樹脂層の厚みとしては、10nm以上80nm以下であることが好ましい。より好ましくは、10nm以上50nm以下であり、さらに好ましくは10nm以上40nm以下である。該樹脂層の厚みを、10nm以上80nm以下とすることにより、干渉斑抑制性および帯電防止性を十分に発現させることが可能となる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)ヘイズ、透明性
ヘイズの測定は、常態(23℃、相対湿度50%)において、積層フィルムサンプルを40時間放置した後、日本電色工業(株)製濁度計「NDH5000」を用いて、JIS
K 7136「透明材料のヘイズの求め方」(2000年版)に準ずる方式で行った。なお、サンプルの樹脂層が積層された面側から光を照射して測定した。サンプルは一辺50mmの正方形のものを10サンプル準備し、それぞれ1回ずつ、合計10回測定した平均値をサンプルのヘイズ値とした。
また、透明性はヘイズ値により、4段階評価を行った。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、AとSのものは良好とした。
S:0.6%以下
A:0.6%を超えて1.0%以下
B:1.0%を超えて1.5%以下
C:1.5%を超える。
(2)反射率
A4カットサイズに裁断したフィルムシートを縦横それぞれ3分割し、合計9点を測定サンプルとして用いた。長辺側を長手方向とした。分光反射率の測定は、測定面(該樹脂層)の裏面に50mm幅の黒色光沢テープ(ヤマト(株)製、ビニ−ルテープNo.200−50−21:黒)を、気泡を噛みこまないようにサンプルとテープの長手方向を合わせて貼り合わせた後、約4cm角のサンプル片に切り出し、分光光度計((株)島津製作所製、UV2450)に入射角5°での分光反射率を測定した。サンプルを測定器にセットする方向は、測定器の正面に向かって前後の方向にサンプルの長手方向を合わせた。なお反射率を基準化するため、標準反射板として付属のAl板を用いた。反射率は、波長550nmにおける樹脂層側の反射率を求めた。なお、測定値には、10点の平均値を用いた。
(3)積層体との接着性
(3−1)初期接着性
積層フィルムの樹脂層側に、下記の割合で混合したUV硬化型樹脂を、バーコーターを用いて硬化後の膜厚が2μmとなるように均一に塗布した。
<ハードコート剤の調整>
・二酸化チタン微粒子(石原産業(株)製、TTO−55B):30重量部
・カルボン酸基含有モノマー(東亜合成(株)製、アロニックスM−5300):4.5重量部
・シクロヘキサノン:65.5重量部
上記混合物を、サンドグラインダーミルにより分散し、平均粒子径が55nmの二酸化チタン微粒子の分散液を調整した。
前記の二酸化チタン微粒子の分散液に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、DPHA)と、光開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア184)をジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレート100重量部に対し5重量%添加し、混合し、ハードコート層の屈折率が1.65になるように調整した。
次いで、UV硬化樹脂層を積層した面から9cmの高さにセットした120W/cmの照射強度を有する集光型高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製、H03−L31)で、積算照射強度が300mJ/cmとなるように紫外線を照射し、硬化させ、積層ポリエステルフィルム上にハードコート層が積層されたハードコート積層ポリエステルフィルムを得た。なお、紫外線の積算照射強度測定には工業用UVチェッカー(日本電池(株)製、UVR−N1)を用いた。得られたハードコート積層ポリエステルフィルムについて、得られたハードコート積層ポリエステルフィルムのハードコート積層面に、1mmのクロスカットを100個入れ、“セロテープ”(登録商標)(ニチバン(株)製、CT405AP)を貼り付け、ハンドローラーで1.5kg/cmの荷重で押しつけた後、ハードコート積層ポリエステルフィルムに対して90度方向に急速に剥離した。接着性は残存した格子の個数により、4段階評価を行った。評価は10回実施した平均の値で行った。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、AとSのものは良好とした。
S:90〜100個残存
A:80〜89個残存
B:50〜79個残存
C:0〜50個未満残存。
(3−2)湿熱接着性
(3−1)初期接着性と同様にハードコート積層ポリエステルフィルムを得た後、高温高湿度環境下(温度85℃、相対湿度85%)で240時間保管し、湿熱処理後のハードコート積層ポリエステルフィルムを得た。この湿熱処理後のハードコート積層ポリエステルフィルムについて、ハードコート積層ポリエステルフィルムのハードコート積層面に、1mmのクロスカットを100個入れ、“セロテープ”(登録商標)(ニチバン(株)製、CT405AP)を貼り付け、ハンドローラーで1.5kg/cmの荷重で押しつけた後、ハードコート積層ポリエステルフィルムに対して90度方向に急速に剥離した。接着性は残存した格子の個数により、4段階評価を行った。評価は10回実施した平均の値で行った。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、AとSのものは良好とした。
S:90〜100個残存
A:80〜89個残存
B:50〜79個残存
C:0〜50個未満残存。
(4)帯電防止性(表面比抵抗値)
帯電防止性は、表面比抵抗値により測定した。表面比抵抗値の測定は、相対湿度23%において24時間放置後、その雰囲気下でデジタル超高抵抗/微小電流計R8340A(アドバンテスト(株)製)を用い、印加電圧100V、10秒間印加後、測定を行った。単位は、Ω/□である。積層サンプルの樹脂積層面を評価し、合計10回測定した平均値をサンプルの表面比抵抗値(R1)とした。
1×1011Ω/□以下は良好であり、1×1012Ω/□以下は実用上レベル、1×1012Ω/□を超える場合は実用上問題あるレベルとした。
(5)数平均粒子径
金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)により積層フィルムの断面構造を観察することにより求めた。倍率を50万倍とし、その画面内に存在する10個の粒子の外径を、10視野について合計100個の粒子を測定し、その平均粒子径を求めた。画面内に10個の粒子が存在しない場合は、同じ条件で別の箇所を観察し、その画面内に存在する粒子の外径を測定して、合計で100個の粒子の外径を測定して平均値とした。ここで外径とは、粒子の最大の径(つまり粒子の長径であり、粒子中の最も長い径を示す)を表し、内部に空洞を有する粒子の場合も同様に、粒子の最大の径を表す。
(6)樹脂層の膜厚
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面を観察することにより、ポリエステルフィルム上の樹脂層の厚みを測定した。樹脂層の厚みは、TEMにより20万倍の倍率で撮影した画像から樹脂層の厚みを読み取った。合計で20点の樹脂層厚みを測定して平均値とした。
(7)干渉斑抑制性
(3)と同様の方法にて、積層ポリエステルフィルム上に厚み2μmのハードコート層(屈折率1.65)が積層されたハードコート積層ポリエステルフィルムを得た。
次いで、得られた光学用積層フィルムから、8cm(積層ポリエステルフィルム幅方向)×10cm(積層ポリエステルフィルム長手方向)の大きさのサンプルを切り出し、ハードコート層の反対面に黒色光沢テープ(ヤマト(株)製、ビニ−ルテープNo.200−50−21:黒)を、気泡を噛み込まないように貼り合わせた。
このサンプルを暗室にて3波長蛍光灯(パナソニック(株)製、3波長形昼白色(F・L
15EX−N 15W))の直下30cmに置き、視角を変えながら目視により干渉斑の程度を観察し、以下の評価を行った。A以上のものを良好とした。
S:干渉斑がほぼ見えない
A:干渉斑がわずかに見える
B:弱い干渉斑が見える。
C:干渉斑が強い。
(8)煮沸処理試験
積層フィルムサンプルを10cm×10cmの大きさに切り出し煮沸処理試験後の反射率評価サンプルを得た。該サンプルをクリップに固定し吊り下げた状態にした後、ビーカーに準備した純水からなる沸騰した湯(100℃)の中に積層フィルム全面が浸漬する状態で2時間入れた。その後、煮沸処理試験後の反射率評価サンプルを取り出し、風量1m/分で30分乾燥させ、水分を除去し、常態(23℃、相対湿度65%)にて12時間乾燥させ、煮沸処理試験後の反射率評価用サンプルを得た。
(9)煮沸処理試験前後の樹脂層の表面エネルギー変化量Δγ
(9−1)表面エネルギーの算出方法
積層フィルムを室温23℃相対湿度65%の雰囲気中に24時間放置後した。その後、同雰囲気下で、積層フィルムの樹脂層(X)側表面に対して、純水、エチレングリコール、ホルムアミド、ジヨードメタンの4種の溶液のそれぞれの接触角を、接触角計CA−D型(協和界面科学(株)社製)により、それぞれ5点測定する。5点の測定値の最大値と最小値を除いた3点の測定値の平均値をそれぞれの溶液の接触角とする。
次に、得られた4種類の溶液の接触角を用いて、畑らによって提案された「固体の表面自由エネルギー(γ)を分散力成分(γ )、極性力成分(γ )、および水素結合力成分(γ )の3成分に分離し、Fowkes式を拡張した式(拡張Fowkes式)」に基づく幾何平均法により、本発明の分散力、極性力、及び分散力と極性力の和である表面エネルギーを算出する。
具体的な算出方法を示す。各記号の意味について下記する。γ は固体と液体の界面での張力である場合、数式(1)が成立する。
γ : 樹脂層(X)と表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギー
γ: 樹脂層(X)の表面自由エネルギー
γ: 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギー
γ : 樹脂層(X)の表面自由エネルギーの分散力成分
γ : 樹脂層(X)の表面自由エネルギーの極性力成分
γ : 樹脂層(X)の表面自由エネルギーの水素結合力成分
γL : 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギーの分散力成分
γL : 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギーの極性力成分
γL : 表1に記載の既知の溶液の表面自由エネルギーの水素結合力成分
γ =γ+γ−2(γ ・γ )1/2−2(γ ・γ )1/2−2(γ ・γ )1/2 ・・・ 数式(1)。
また、平滑な固体面と液滴が接触角(θ)で接しているときの状態は次式で表現される(Youngの式)。
γ=γ +γcosθ ・・・ 数式(2)。
これら数式(1)、数式(2)を組み合わせると、次式が得られる。
・γ )1/2+(γ ・γ )1/2+(γ ・γ )1/2=γ(1+cosθ)/2 ・・・ 数式(3)。
実際には、水、エチレングリコール、ホルムアミド、及びジヨードメタンの4種類の溶液に接触角(θ)と、表1に記載の既知の溶液の表面張力の各成分(γL 、γL 、γL )を数式(3)に代入し、4つの連立方程式を解く。その結果、固体の表面自由エネルギー(γ)、すなわち樹脂層(X)表面の表面自由エネルギーが算出される。
(9−2)煮沸処理前後の表面エネルギー変化量Δγ
煮沸処理試験後の樹脂層の表面エネルギーから煮沸処理試験前の樹脂層の表面エネルギーを引いた値の絶対値(Δγ=|煮沸処理試験後の樹脂層の表面エネルギー − 煮沸処理試験前の樹脂層の表面エネルギー|)にて算出した。煮沸処理試験後の評価用サンプルは、(8)の方法に従って得たサンプルを用いた。A以上のものを良好とした。
S:3mN/m以下
A:3mN/mを超えて5mN/m以下
B:5mN/mを超えて7mN/m以下
C:7mN/mを超える。
(10)表面粗さ(算術平均粗さ:Ra)
BRUKER製原子間力顕微鏡「Dimension Icon ScanAsyst」のScanAsyst Airモードにて、積層フィルムの樹脂層側を測定範囲10μm×10μm、測定ライン数512本、測定レート1.0Hzで測定し、得られた表面情報から、JIS−B−0601−1994に定められた方法にて算術平均粗さ(Ra)を算出した。具体的には、ソフトウェアとして「NanoScope Analysis」を用い、「Flatten Order」の「3rd」を選択し、三次元でのうねり処理を行なう。その後「Roughness」を選択し、該画面の「Image Ra」に記載される数値を算術平均粗さとする。また、合計10回測定し、最大値と最小値を除いた計8個のデータの平均値をサンプルの算術平均粗さ(Ra)とした。
なお、算術平均粗さは、4段階評価を行った。Cは実用上問題のあるレベル、Bは実用レベルであり、AとSのものは良好とした。
S:10nm以下
A:10nmを超えて15nm以下
B:15nmを超えて20nm以下
C:20nmを超える。
(11)樹脂層の組成分析
樹脂層の組成分析は、積層フィルムの表面について、X線光電子分光分析装置(ESCA)、フーリエ赤外分光光度計(FT−IR)ATR法、飛行時間型二次イオン重量分析装置(TOF−SIMS)により行った。また、樹脂層を溶剤にて溶解抽出し、クロマトグラフィーで分取した後、プロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR)、カーボン核磁気共鳴分光法(13C−NMR)、フーリエ赤外分光光度計(FT−IR)により構造を解析し、熱分解ガスクロマトグラフィー重量分析(GC−MS)を行い樹脂層の組成分析を行った。上記方法により、樹脂層中における金属酸化物粒子(A)、π電子共役系高分子化合物(B)、エポキシ化合物(C)、アクリル樹脂(D)、イオン導電性化合物(E)の有無を確認した。樹脂層中に、上記化合物を含有する場合はA、含有しない場合はBとした。
(12)高屈折率ハードコート積層後の帯電防止性(表面比抵抗値)
(3)と同様の方法にて、積層ポリエステルフィルム上に厚み2μmのハードコート層(屈折率1.65)が積層されたハードコート積層ポリエステルフィルムを得た。該ハードコート積層ポリエステルフィルムのハードコート層表面の表面比抵抗値を測定した。なお、表面比抵抗値の測定は(4)に記載の方法で行い、合計5回測定した平均値をサンプルの表面比抵抗値とし、B以上のものを良好とした。
A:1×1012Ω/□以下
B:1×1012Ω/□を超えて、1×1013Ω/□以下
C:1×1013Ω/□を超える
Aは良好であり、Bは実用上レベル、Cは実用上問題あるレベルである。
(13)高屈折率ハードコート積層後の帯電防止性(帯電量)
積層フィルムの樹脂層側に、(3−1)初期密着性で用いたものと同じUV硬化型樹脂を、硬化後の膜厚が2μmとなるようにバーコーターを用いて均一に塗布し、ロール形状に巻き取り、ハードコート積層フィルムを巻き取ったフィルムロールを得た。その後巻き取られたハードコート積層フィルムロールを巻きだした際の、巻きだし面から5cm離れた位置においてハードコート層表面の電位を測定した。なお、帯電量の測定はシシド電機製STATIRON TYPE-THを用いて測定し、合計5回測定した平均値をサンプルの帯電量とし、B以上のものを良好とした。
A:電位の絶対値が2kV以下
B:電位の絶対値が2kVを超えて、5kV以下
C:電位の絶対値が5kVを超える。
<参考例1>π電子共役系高分子化合物(B−1)
酸性ポリマー化合物であるポリスチレンスルホン酸を20.8重量部含む1887重量部の水溶液中に、1重量%硫酸鉄(III)水溶液49重量部、チオフェン化合物である3,4−エチレンジオキシチオフェン8.8重量部、および10.9重量%のペルオキソ二硫酸水溶液117重量部を加えた。この混合物を18℃で、23時間攪拌した。ついで、この混合物に、154重量部の陽イオン交換樹脂および232重量部の陰イオン交換樹脂を加えて、2時間攪拌した後、イオン交換樹脂をろ別して、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる混合物の水分散体(固形分濃度は1.3重量%)を得た。
<参考例2>金属酸化物粒子(A)とアクリル樹脂(D)の混合体(AD)の調整
攪拌機、温度計、還流冷却管の備わった通常のアクリル樹脂反応槽に、溶剤としてイソプロピルアルコール100部を仕込み、加熱攪拌して100℃に保持した。この中に、(メタ)アクリレート(d1’)として、n=19のノナデシルメタクリレート40部、(メタ)アクリレート(d2’)として、2個の環を有するイソボニルメタクリレート40部、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート(d3’)として、メタクリル酸20部からなる混合物を3時間かけて滴下した。そして、滴下終了後、100℃で1時間加熱し、次にt−ブチルパーオキシ2エチルヘキサエート1部からなる追加触媒混合液を仕込んだ。次いで、100℃で3時間加熱した後冷却し、アクリル樹脂(D)を得た。
次に、水系溶媒中に、酸化ジルコニウム粒子(A)の水分散液(堺化学工業(株)製酸化ジルコニウム分散液SZR−CW、酸化ジルコニウムの数平均粒子径20nm)と、上記アクリル樹脂(D)を順に添加し、以下の方法で分散せしめ、粒子(A)とアクリル樹脂(D)の混合体を得た。(前記(ii)の方法。)金属酸化物粒子(A)およびアクリル樹脂(D)の添加量比(重量比)は、(A)/(D)=100/20とした(なお重量比は、小数点第1位を四捨五入して求めた)。分散処理は、ホモミキサーを用いて行い、周速10m/sで5時間回転させることによって行った。また、最終的に得られた混合体における、粒子(A)とアクリル樹脂(D)の重量比は、(A)/(D)=100/20であった(なお、重量比は小数点第1位を四捨五入して求めた)。
なお、得られた粒子(AD)を、日立卓上超遠心機(日立工機(株)製:CS150NX)により遠心分離を行い(回転数3,000rpm、分離時間30分)、金属酸化物粒子(A)(及び金属酸化物粒子(A)の表面に吸着したアクリル樹脂(D))を沈降させた後、上澄み液を除去し、沈降物を濃縮乾固させた。濃縮乾固した沈降物をX線光電子分光法(XPS)により分析した結果、金属酸化物粒子(A)の表面にアクリル樹脂(D)が存在することが確認された。つまり、金属酸化物粒子(A)の表面には、アクリル樹脂(D)が吸着・付着しており、得られた粒子(AD)が金属酸化物粒子(A)の表面にアクリル樹脂(D)を有する粒子に該当することが判明した。
<参考例3>イオン導電性化合物(ポリスチレンスルホン酸リチウム塩(E−1)の調整
窒素ガス雰囲気下かつ常温(25℃)下で、容器1に、水200重量部、過硫酸アンモニウム1重量部を仕込み、これを85℃に昇温し、溶解させ、85℃の溶液1を得た。
常温(25℃)下で、容器2に、スチレンスルホン酸リチウム塩100重量部、過硫酸アンモニウム3重量部、水100部添加し、溶液2を得た。
窒素ガス雰囲気下で、溶液1を反応器に移し、反応器内の溶液の温度を85℃に保ちつつ、溶液2を溶液1に4時間かけて連続滴下せしめた。滴下終了後、更に3時間攪拌したのち、25度まで冷却し、ポリスチレンスルホン酸リチウム塩(E−1)を得た。
なお、以下の実施例や比較例にて得られた積層フィルムの特性等を、表1〜表4に示した。
<実施例1>
はじめに、樹脂組成物1を次の通り調製した。
<樹脂組成物>
水系溶媒に、上記の粒子(A)とアクリル樹脂(D)、π電子共役系高分子化合物(B)とエポキシ化合物(C)をこの順に添加し、表1に記載の比率で混合し、樹脂組成物を得た。・粒子(A)とアクリル樹脂(D)の混合体(AD)
・π電子共役系高分子化合物(B)
・エポキシ化合物(C):ポリグリセロールポリグリシジルエーテル系エポキシ架橋剤(ナガセケムテック(株)性“デナコール(登録商標)”EX−512(分子量役630、エポキシ当量168、水溶率100%)
<積層フィルム>
次いで、実質的に粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルム(Bフィルム)とした。
次に樹脂組成物1を一軸延伸フィルムのコロナ放電処理面にバーコートを用いて塗布厚み約6μmで塗布した。樹脂組成物を塗布した一軸延伸フィルムの幅方向両端部をクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃とした後、引き続いてラジエーションヒーターを用いて雰囲気温度を110℃とし、次いで雰囲気温度を90℃として、樹脂組成物を乾燥させ、樹脂層を形成せしめた。引き続き連続的に120℃の加熱ゾーン(延伸ゾーン)で幅方向に3.5倍延伸し、続いて230℃の熱処理ゾーン(熱固定ゾーン)で20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した積層フィルムを得た。得られた積層フィルムにおいてPETフィルムの厚みは100μm、樹脂層の厚みは約0.02μmであった。得られた積層フィルムの特性等を表3に示す。
ヘイズが低く、反射率が高く、表面エネルギー変化量、表面比抵抗値も小さく、透明性、干渉斑抑制性、接着性、さらには帯電防止性に優れるものであった。
<実施例2〜12>
塗液中の樹脂組成物の比率を表1の通り変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<実施例13〜16>
金属酸化物粒子(A)の数平均粒子径を3nm(実施例13)、15nm(実施例14)、30nm(実施例15)、50nm(実施例16)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<実施例17>
金属酸化物粒子(A)を酸化チタン粒子である“NanoTek”(登録商標)TiOスラリー(シーアイ化成(株)、数平均粒子径20nm)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<実施例18〜20>
金属酸化物粒子(A)を酸化亜鉛粒子であるFINEX−50(堺化学工業(株)製、数平均粒子径20nm)(実施例18)、ITOスラリー(シーアイ化成(株)製、数平均粒子径20nm)(実施例19)、酸化イットリウムである“NanoTek” (登録商標)Yスラリー(シーアイ化成(株)製、数平均粒子径20nm)(実施例20)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<実施例21〜23>
樹脂層の膜厚を10nm(実施例21)、30nm(実施例22)、50nm(実施例23)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<実施例24>
(メタ)アクリレートモノマー(d3’)を、3級アミノ基を有するN、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートに変更した(式(3)で表されるモノマー単位のR基をカルボキシル基を有さないアクリル樹脂とした)以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<実施例25>
アクリル樹脂(D)として、アクリル樹脂(日本カーバイド(株)製、RX7013ED)に変更した(式(1)で表されるモノマー単位、および式(2)で表されるモノマー単位を有さないアクリル樹脂とした)以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<実施例26>
金属酸化物粒子(A)に変えて、ジルコニアキレート(マツモトファインケミカル“オルガチックス”(登録商標)ZC300)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<実施例27>
π電子共役系高分子化合物(B)に変えて、イオン導電性化合物(アンモニウム塩)((株)ADEKA製、アデカカチオエース PD50)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<実施例28>
π電子共役系高分子化合物(B)に変えて、イオン導電性化合物(スチレンスルホン酸リチウム塩)(E−1)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<比較例1>
実施例1における金属酸化物粒子(A)を、シリカ粒子である“スノーテックス”(登録商標)CM(日産化学工業(株)製、数平均粒子径20nm)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<比較例2〜3>
実施例1における金属酸化物粒子(A)を、MgF粒子である“NanoTek”(登録商標)MgFスラリー(シーアイ化成(株)製、数平均粒子径20nm)(比較例2)、中空のシリカ粒子である“スルーリア”(登録商標)TR112(日揮触媒化成(株)製、数平均粒子径20nm)(比較例3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの特性などを表1に示す。
<比較例4>
実施例1におけるπ電子共役系高分子化合物(B)を用いない以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。実施例1と比較して、表面比抵抗値が高く、同等の透明性、視認性、積層体との接着性を示したものの、帯電防止性に欠けるものであった。
<比較例5>
実施例1におけるエポキシ化合物(C)にかえて、ポリエステル樹脂(高松油脂製、ペスレジンA110)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。実施例1と比較して、ポリエステル樹脂を用いたことで、煮沸処理後の表面エネルギーの変化が大きく、湿熱接着性に欠けるものであった。
<比較例6>
実施例1におけるアクリル樹脂(D)を用いない以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。実施例1と比較し、アクリル樹脂を用いないことで、煮沸処理後の表面エネルギーの変化が大きく、湿熱接着性に欠けるものであった。
<比較例7>
実施例1における樹脂層の厚みを7nmとする以外は、実施例1と同様の方法で、積層フィルムを得た。実施例1と比較し、表面比抵抗値が高く、同等の透明性、視認性、積層体との接着性を示したものの、帯電防止性に欠けるものであった。
Figure 2016136518
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本発明は、透明性、高屈折率ハードコート層を積層した際の干渉斑抑制性、高屈折率ハードコート層との接着性に優れ、さらに湿度によらず高いレベルの帯電防止性を示す積層フィルムに関するものであり、ディスプレイ用途の光学用易接着フィルムへ利用可能である。

Claims (10)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片側に樹脂層が設けられた積層フィルムであって、該樹脂層表面の波長550nmにおける反射率が6.0%以上であり、該樹脂層表面の表面比抵抗値が1012Ω/□以下であり、該樹脂層表面の煮沸試験前後の表面エネルギー変化量Δγ(Δγ=|煮沸処理試験後の樹脂層の表面エネルギー − 煮沸処理試験前の樹脂層の表面エネルギー|)が5mN/m以下であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記樹脂層表面の算術平均粗さ(Ra)が20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記樹脂層が、数平均粒子径が3nm以上50nm以下の金属酸化物粒子(A)と、π電子共役系高分子化合物(B)と、エポキシ化合物(C)と、アクリル樹脂(D)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記樹脂層における金属酸化物粒子(A)の含有量が、樹脂層全体に対して30重量%以上90重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載の積層フィルム。
  5. 前記樹脂層におけるエポキシ化合物(C)の含有量が、樹脂層中の金属酸化物粒子(A)の含有量を100重量部としたときに20〜60重量部であることを特徴とする請求項3または4に記載の積層フィルム。
  6. 前記金属酸化物粒子(A)が、その表面に前記アクリル樹脂(D)を有する粒子であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 前記金属酸化物粒子(A)が、酸化チタン粒子(A’)および/または酸化ジルコニウム粒子(A’)である請求項3〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 前記アクリル樹脂(D)が、式(1)で表されるモノマー単位(d1)と、式(2)で表されるモノマー単位(d2)と、式(3)で表されるモノマー単位(d3)を有する樹脂であることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに積層フィルム。
    Figure 2016136518
    (式(1)において、R基は、水素原子またはメチル基を表す。またnは、9以上34以下の整数を表す。)
    Figure 2016136518
    (式(2)において、R基は、水素原子またはメチル基を表す。また、R基は、飽和の炭素環を2つ以上含む基を表す。)
    Figure 2016136518
    (式(3)において、R基は、水素原子またはメチル基を表す。また、R基は、水酸基、カルボキシル基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、スルホン酸基、または、リン酸基を表す。)
  9. 前記樹脂層の厚みが、10〜80nmである請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
  10. ポリエステルフィルムの少なくとも片側に樹脂層が設けられた積層フィルムの製造方法であって、
    前記樹脂層が、数平均粒子径が3nm以上50nm以下の金属酸化物粒子(A)と、π電子共役系高分子化合物(B)と、エポキシ化合物(C)と、アクリル樹脂(D)を含有する樹脂組成物をポリエステルフィルムの少なくとも片側に塗布した後、乾燥することにより形成される層であり、
    前記樹脂組成物中におけるエポキシ化合物(C)の含有量が、樹脂組成物中の金属酸化物粒子(A)の含有量を100重量部としたときに20〜60重量部であることを特徴とする積層フィルムの製造方法。
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