JP2009069742A - 光学用シート - Google Patents
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Abstract
本発明は、易滑性、アンチブロッキング性、帯電防止性、耐擦傷性、モワレ防止等の機能を付与した、液晶ディスプレイのバックライトユニット用の拡散シート、プリズムシート等の輝度向上シート用原反シートおよび拡散シート等に適用できる光学用シートを提供するものである。
【解決手段】
プラスチックシート基材の少なくとも片面に粒子を含有する樹脂層が配され、樹脂層に対する粒径50nm以上の粒子の体積含有率が0.1%以上25%以下、樹脂層に対する粒径50nm未満の粒子の体積含有率が1.5%以上50%以下、かつ樹脂層の厚みが30nm以上1000nm以下である光学用シート。
【選択図】図1
Description
・粒子の体積含有率(%)={N×(4/3)×π×(R/2)3}/T×100
ここで、Nは光学用シートの表面から観察した1mm2あたりの粒子の個数(粒子密度)、Rは粒子の平均粒子径、Tは樹脂層の厚みを表し、RとTの単位はmmである。樹脂層の厚みとは、樹脂層を構成するバインダー樹脂で形成されている部分の厚みのことであり、図1の5で示す部分の厚みのことである。つまり、樹脂層の厚みには、バインダー樹脂から飛び出している粒径50nm以上の粒子の部分は含まない。
得られた光学用シートについて、以下の評価を行なった。
粒径50nm以上の粒子の粒子密度を求める場合、日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡“JSM−6700F”を用い、光学用シートの樹脂層を設けた面を観察した写真から求めた。観察倍率は粒子径により任意に選択できるが、1枚の写真中に少なくとも粒径50nm以上の粒子が50個以上、多くとも500個以下となるようにした。粒子密度は観察写真10枚の平均値とした。
日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡“JSM−6700F”を用い、光学用シートの断面を顕微鏡倍率5000倍〜20000倍で観察した写真から求めた。厚みは測定視野内の10個の平均値とした。ここで、樹脂層の厚みとは、樹脂層を構成するバインダー樹脂で形成されている部分の厚みのことであり、図1の5で示す部分の厚みのことである。つまり、樹脂層の厚みには、バインダー樹脂から飛び出している粒子径50nm以上の粒子の部分は含まない。
粒径50nm以上の粒子は日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡“JSM−6700F”を用い、光学用シートの樹脂層の表面を顕微鏡倍率1000倍〜100000倍で観察した写真から求めた。光学用シートの樹脂層の表面に存在する粒子を100個任意に選択し、それらの粒子の直交する2方向から測定した粒子径の平均値を各々の粒子の粒子径とし、さらに100個の粒子径の平均値を平均粒子径とした。
(1)の粒子密度N(個/mm2)、(2)の樹脂層の厚みT(mm)、(3)の平均粒子径R(mm)から下記式を用いて、粒径50nm以上の粒子、粒径50nm未満の粒子のそれぞれの体積含有率を算出する。
・粒子の体積含有率(%)={N×(4/3)×π×(R/2)3}/T×100。
50mm角にカットした光学用シートを、スガ試験機(株)製自動直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(光源590nm ナトリウムランプ)を用いて、光学用シートの樹脂層を設けた面側から光を入射して測定した。3回測定した平均値を100μm当りに換算し、該サンプルの平均値とした。
直径10mmの円柱の先端に、黒のベルベットの布を取り付け、円柱の円部位を樹脂層上に置き、その円柱を3kgの力で50mmの長さを5往復擦りつけた。擦りつけた面を日本電子(株)製電界放射走査型電子顕微鏡“JSM−6700F”を用いて顕微鏡の倍率を100倍〜30000倍で観察し、粒子脱落の有無を以下の基準で評価した。
○:粒子の脱落無し
×:粒子の脱落有り。
A4サイズにカットした光学用シート5枚を、樹脂層を設けていない面同士が接しないように重ねた。重ねた5枚の光学用シートの端面が揃わないように不規則に混ぜた。つき揃えを行い、端面が揃うまでのつき揃えの回数を以下の基準で評価した。
○:つき揃え回数1〜2回
△:つき揃え回数3〜4回
×:つき揃え回数5回以上。
JIS K6911(1995年制定)に基づいて、100mm角にカットした光学用シートを23℃、65%RHの条件下、株式会社アドバンテスト製R8340を用いて、二重リングプローブ法で印加電圧100Vの条件で表面抵抗率を測定した。
新東科学株式会社製HEIDON−14D(表面性測定機)を用い、スチールウールホルダにスチールウール(#0000)をセットし、荷重20g重のおもりを載せて、測定長30mmにおいて、300mm/分の速度で3回往復させたときの傷付を目視で、以下の基準で評価した。
○:傷つき無し
×:傷つき有り。
実質的に粒子を含有しないPETペレットを十分に真空乾燥した後、押出機に供給した。押出機により285℃で溶融し、T字型口金によりシート状に押し出した。押し出したシートを、静電印加キャスト法を用いて表面温度20℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化した。
・バインダー樹脂
オキサゾリン基含有アクリレート樹脂 50部
アンモニウム塩系アクリレート樹脂帯電防止剤 50部
界面活性剤0.1部
・粒子
粒子径140nmシリカ粒子 7部
粒子径30nm酸化アルミナ粒子 10部
・水 1883部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが150nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
アクリル系樹脂 47.5部
メラミン系樹脂 2.5部
アンモニウム塩系アクリレート樹脂帯電防止剤 50部
界面活性剤0.1部
・粒子
粒子径140nmシリカ粒子 10部
粒子径20nm酸化アルミニウム粒子 50部
・水 1840部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが300nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
ウレタン系樹脂 80部
スルホン酸アンモニウム塩系帯電防止剤 20部
界面活性剤0.25部
・粒子
粒子径300nmシリカ粒子 3部
粒子径30nm酸化チタン粒子 20部
・水 1227部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが500nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
3官能アクリルモノマー 30部
2官能アクリルモノマー 30部
アンモニウム塩系アクリル樹脂帯電防止剤 40部
界面活性剤0.25部
・粒子
粒子径1500nmアクリル粒子 1部
粒子径10nm酸化アルミニウム粒子 70部
・水 829部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが150nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
アクリル系樹脂 47.5部
メラミン系樹脂 2.5部
アンモニウム塩系帯電防止剤 50部
界面活性剤0.2部
・粒子
粒子径80nmシリカ粒子 10部
粒子径3nm酸化ケイ素粒子 50部
・水 1830部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが300nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
アクリル系樹脂 47.5部
メラミン系樹脂 2.5部
アンモニウム塩系帯電防止剤 50部
界面活性剤0.25部
・粒子
粒子径800nmアクリル粒子 1部
粒子径30nm酸化アルミニウム粒子 50部
・水 1199部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが150nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
アクリル系樹脂 47.5部
メラミン系樹脂 2.5部
アンモニウム塩系帯電防止剤 50部
界面活性剤0.2部
・粒子
粒子径300nmアクリル粒子 5部
粒子径30nm酸化アルミニウム粒子 5部
・水 1890部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが150nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
オキサゾリン基含有アクリレート樹脂 50部
界面活性剤0.25部
・粒子
粒子径300nmシリカ粒子 2部
粒子径6nm酸化第二錫粒子 50部
・水 898部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが150nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
アクリル系樹脂 47.5部
メラミン系樹脂 2.5部
アンモニウム塩系アクリレート樹脂帯電防止剤 50部
界面活性剤0.25部
・粒子
粒子径140nmシリカ粒子 7部
・水 1893部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが150nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
アクリル系樹脂 47.5部
メラミン系樹脂 2.5部
アンモニウム塩系アクリレート樹脂帯電防止剤 50部
界面活性剤0.25部
・粒子
粒子径30nm酸化アルミニウム粒子 10部
・水 1910部。
実施例1と同様の方法で、塗布液の組成のみを下記のように変更して光学用シートを得た。このとき、基材PETフィルムの厚みが100μm、積層した樹脂層の厚みが150nmとなるように押出機の押出量、塗布液の塗布量を調整した。
・バインダー樹脂
アクリル系樹脂 47.5部
メラミン系樹脂 2.5部
アンモニウム塩系アクリレート樹脂帯電防止剤 50部
界面活性剤0.25部
・粒子
粒子径140nmシリカ粒子 10部
粒子径30nm酸化アルミニウム粒子 150部
・水 1740部。
対して、比較例1では、粒径50nm未満の粒子が存在しないため、耐擦傷性が悪化し、比較例2では粒径50nm以上の粒子が存在しないため、つき揃え性が悪化した。また比較例3の光学用シートでは、粒径50nm未満の粒子の体積含有率が多いため、透過率が低く、白濁していた。
2 バインダー樹脂層
3 粒径が50nm以上の粒子
4 粒径が50nm未満の粒子
5 樹脂層
6 樹脂層の厚み
Claims (8)
- プラスチックシート基材の少なくとも片面に粒子を含有する樹脂層が配され、樹脂層に対する粒径50nm以上の粒子の体積含有率が0.1%以上25%以下、樹脂層に対する粒径50nm未満の粒子の体積含有率が1.5%以上50%以下、かつ樹脂層の厚みが30nm以上1000nm以下である光学用シート。
- 前記粒径50nm以上の粒子の数平均粒子径が80nm以上2000nm以下である請求項1に記載の光学用シート。
- 前記粒径50nm未満の粒子の数平均粒子径が1nm以上50nm未満である請求項1又は2に記載の光学用シート。
- 前記粒径50nm以上の粒子が、シリカ粒子、アルミナ粒子、シリコーン粒子、ポリスチレン粒子、架橋ポリアクリル酸エステル粒子、ポリウレタン粒子、およびナイロン粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の光学用シート。
- 前記粒径50nm未満の粒子が無機粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の光学用シート。
- 前記樹脂層を構成するバインダー樹脂がポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ブロックイソシアネート樹脂およびメラミン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種で形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の光学用シート。
- 前記樹脂層が配されている面から光を入射した場合の全光線透過率が88%以上である請求項1〜6のいずれかに記載の光学用シート。
- 前記樹脂層の表面抵抗率が107〜1013Ω/sqである請求項1〜7のいずれかに記載の光学用シート。
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