JP2019156811A - 害虫用毒餌剤 - Google Patents

害虫用毒餌剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2019156811A
JP2019156811A JP2018049728A JP2018049728A JP2019156811A JP 2019156811 A JP2019156811 A JP 2019156811A JP 2018049728 A JP2018049728 A JP 2018049728A JP 2018049728 A JP2018049728 A JP 2018049728A JP 2019156811 A JP2019156811 A JP 2019156811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
poison bait
pest
bait
poison
pests
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018049728A
Other languages
English (en)
Inventor
匠 藤川
Takumi Fujikawa
匠 藤川
夏基 菅野
Natsuki SUGANO
夏基 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Earth Corp
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Earth Chemical Co Ltd filed Critical Earth Chemical Co Ltd
Priority to JP2018049728A priority Critical patent/JP2019156811A/ja
Publication of JP2019156811A publication Critical patent/JP2019156811A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

【課題】喫食性が高く、喫食時間を長くして害虫の毒餌剤摂取量を増加させる害虫用毒餌剤を提供すること。【解決手段】毒餌剤の表面を害虫が喫食した際に、前記表面に先端が尖った凸部が形成される害虫用毒餌剤とする。【選択図】なし

Description

本発明は害虫用毒餌剤に関し、更に詳しくは、特にゴキブリ、ムカデ、アリ等の匍匐害虫に対して有効な害虫用毒餌剤に関する。
従来から、ゴキブリ等の害虫を駆除するために、害虫の生息、活動場所に毒餌剤を配置することが行われている。毒餌剤は、駆除対象となる害虫がこれを食べることにより当該害虫を死滅させることができるものであるが、害虫が十分量の毒餌剤を喫食しなければ十分な駆除効果を得ることができない。
そこで、毒餌剤の喫食性を向上させるために毒餌剤に誘引物質を含有させることが行われている。例えば、特許文献1には、ゴキブリの喫食性を促進させる誘引剤として、主要成分としてエチルアセテート、エチルブチレート、アミルアセテート、アミルブチレートの少なくとも2成分以上を含有する発散性のソフトフルーツ系フレーバーからなるゴキブリ用喫食誘起性誘引剤が提案されている。
一方、毒餌剤の形態や物性に着目して害虫に対する喫食活性を高める提案も種々なされている。例えば、0.5kgf〜7kgfの製剤強度を有するベイト剤(特許文献2)、殺虫有効成分を含有し、油脂または脂肪酸と、乾性油とを常温での粘度が7500〜30000cPとなるように配合してなる害虫駆除剤(特許文献3)、粒度または比重の異なる複数種類の害虫誘引性食餌材と、殺虫有効成分と、オリゴ糖類と、水およびゲル化剤とを含有し、50〜60℃での粘度が20000〜60000mPa・sであるように配合されてなる害虫駆除用毒餌剤(特許文献4)、含水されてなるゲル化剤を基材とし、有効成分としてフィプロニルを含有する害虫駆除用毒餌剤(特許文献5)等が提案されている。
特開2001−199801号公報 特開2000−128703号公報 特開平9−175903号公報 特開2007−161687号公報 特開平9−087111号公報
特許文献1は発散性の誘引物質を用いているため、経時的に誘引物質の発散量が減ったり、変質したりして充分に誘引効果が得られなかった。また、特にゴキブリは雑食性であり、嗜好性が異なるために誘引剤のみでは効率的に誘引することができなかった。
そして、特許文献2〜5のように、毒餌剤の強度や粘度を調整することにより喫食性を高める場合であっても、十分な駆除効果を得るだけの毒餌剤を喫食させるにはまだ十分とは言えない。
そこで、本発明は、喫食性が高く、喫食時間を長くして害虫の毒餌剤摂取量を増加させる害虫用毒餌剤を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、食餌材や誘引物質ではなく、害虫用毒餌剤の伸び特性に着目し、毒餌剤を、害虫により喫食された(齧られた)際に、喫食部にある程度の凸部(突出部)が残るような製剤とすることで害虫の喫食性が高まることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(4)を特徴とする。
(1)毒餌剤の表面を害虫が喫食した際に、前記表面に先端が尖った凸部が形成されることを特徴とする害虫用毒餌剤。
(2)前記毒餌剤の伸長度が170〜290%であることを特徴とする前記(1)に記載の害虫用毒餌剤。
(3)前記毒餌剤の空隙率が2〜10%であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の害虫用毒餌剤。
(4)前記害虫がゴキブリ類であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の害虫用毒餌剤。
本発明の害虫用毒餌剤によれば、害虫が毒餌剤を喫食するためにその表面を齧った際に、齧られた後の毒餌剤表面に先端が尖った凸部が形成されるので、この凸部により毒餌剤が齧りやすくなり、続けての喫食を促すことができる。これにより、害虫による毒餌剤の喫食時間を長くすることが可能となり、毒餌剤摂取量を増加させることができる。よって、十分な駆除効果を得るだけの毒餌剤を害虫に喫食させることができるため、製剤設計がしやすく、また、効果的な害虫駆除を行うことができる。
試験例1の試験方法を説明するための図である。 伸長度の算出方法を説明するための図であり、(a)は引張試験において成型体が切れずに伸びた場合、(b)は引張試験において成型体が途中で千切れた場合を示す図である。
以下、本発明の害虫用毒餌剤について詳細に説明する。
本発明の害虫用毒餌剤は、該害虫用毒餌剤の表面を害虫が喫食した際に、その表面に先端が尖った凸部(突出部)が形成されることを特徴とする。害虫が喫食することにより毒餌剤表面に凸部が形成され、該凸部が害虫の口器に当たって次の喫食へと誘導するとともに、凸部により害虫が毒餌剤を齧りやすくなるので続けての喫食を促すことができる。これにより、喫食時間を長引かせ、結果毒餌剤摂取量を増加させることができる。
なお、害虫が喫食した際に毒餌剤の表面に先端が尖った凸部が形成されるとは、害虫が毒餌剤に齧りつき、口に含んで引っ張った際に、毒餌剤の表面が伸びて先端が尖った状態で切り取られることをいう。
本発明の害虫用毒餌剤(単に「毒餌剤」とも言う。)は、少なくとも害虫駆除の有効成分と食餌成分とを含有する。
有効成分としては各種殺虫成分を用いることができる。殺虫成分の具体例としては、例えば、除虫菊エキス、天然ピレトリン、プラレトリン、イミプロトリン、フタルスリン、アレスリン、トランスフルトリン、レスメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、サイパーメスリン、エトフェンプロックス、シフルスリン、デルタメスリン、ビフェントリン、フェンバレレート、フェンプロパスリン、シラフルオフェン、メトフルトリン、プロフルトリン、トラロメトリン、アクリナトリン等のピレスロイド系化合物;フェニトロチオン、ダイアジノン、マラソン、ピリダフェンチオン、プロチオホス、ホキシム、クロルピリホス、ジクロルボス、ジクロロフェンチオン、テトラクロルビンホス、プロペタンホス等の有機リン系化合物;シラフルオフェン等の有機ハロゲン系化合物;カルバリル、プロポクスル、メソミル、チオジカルブ、フェノブカルブ等のカーバメート系化合物;メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物;ジノテフラン、イミダクロプリド、アセタミプリド、クロチアニジン、チアクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム等のネオニコチノイド系化合物;フィプロニル、ピリプロール等のフェニルピラゾール系化合物;クロルフェナピル等のピロール系化合物;アミドフルメト等のスルホンアミド系化合物;メトプレン、ハイドロプレン、ピリプロキシフェン、ジフルベンズロン、トリフルムロン、テフルベンズロン、クロルフルアズロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、シロマジン等の昆虫成長制御化合物;ヒドラメチルノン等のアミジノヒドラゾン系化合物;インドキサカルブ等のオキサダイアジン系化合物、ブロフラニリド等のメタジアミド系化合物;ベンジルアルコール、ハッカ油等の殺虫性精油類;ホウ酸、ホウ砂、クロルフェナピル、これらの異性体又は誘導体;ピペロニルブトキサイド、サイネピリン500、サイネピリン222、S−421等の共力剤等が挙げられる。殺虫成分は、駆除対象とする害虫の種に応じて、1種を単独で使用してもよく、また2種以上組み合わせて使用してもよい。
殺虫成分の含有量は、駆除対象とする害虫の種と使用する殺虫成分の駆除有効量に基づき適宜調整すればよいが、毒餌剤中、0.001〜70質量%の範囲で含有させることが好ましく、0.05〜65質量%がより好ましい。具体的に、ゴキブリ類に対してホウ酸を使用する場合、毒餌剤中、ホウ酸を5〜70質量%、好ましくは20〜70質量%、より好ましくは35〜65質量%の範囲で含有させることができ、アリ類に対してフィプロニルを使用する場合、毒餌剤中、フィプロニルを0.001〜0.05質量%、好ましくは0.002〜0.05質量%の範囲で含有させることができ、ムカデ類に対してジノテフランを使用する場合、毒餌剤中、ジノテフランを0.1〜1質量%、好ましくは0.2〜1質量%の範囲で含有させることができる。
食餌成分とは、害虫を毒餌剤に誘引し、摂食させることのできる食餌・誘引成分を意味するものである。食餌・誘引成分としては、例えば、グルコース、果糖、ガラクトース、麦芽糖、ショ糖、デキストリン、グラニュー糖、黒糖等の糖類、りんご、ナシ、洋ナシ、グレープフルーツ、オレンジ、レモン、ブドウ、イチゴ、パイナップル、マンゴー、ライチ、キウイ、モモ、ブルーベリー、クランベリー、ラズベリー、パッションフルーツ、ブルーベリー、バナナ等の果汁パウダー;アラニン、グリシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸;ゴマ、豆類、粟、ヒエ、タマネギ、カボチャ種等の植物又は植物種子;コーンスターチ、大豆粉、サツマイモパウダー、澱粉、小麦粉、米ぬか、フスマ等の植物性粉末;やし油、オリーブ油、肉油、魚油、ゴマ油等の油類;ピーナッツペースト、さなぎ粉、ハチノコ、ビーフ、タマゴ、オキアミ、エビ、チーズ、畜肉、魚肉、綿実等のその他成分等が挙げられる。これらの成分は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
食餌成分の含有量は、特には限定されないが、毒餌剤中、27〜99質量%の範囲で含有させることが好ましく、28〜98質量%がより好ましい。食餌成分を27質量%以上含有することで、害虫が毒餌剤に誘引されやすくなり、また99質量%以下とすることで、駆除効果を損なうことがない。
本発明の毒餌剤には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、酸化防止剤、保存剤、誤食防止剤、色素、香料、pH調整剤等の添加剤を配合することもできる。
酸化防止剤としては、例えば、エリソルビン酸及びその塩、ジブチルヒドロキシトルエン、dl−α−トコフェロール、ノルジヒドログアヤレチック酸、メチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、グアヤク脂、L−システイン塩等が挙げられる。
保存剤としては、例えば、安息香酸及びその塩、サリチル酸、ジフェニール、ソルビン酸及びその塩、デヒドロ酢酸及びその塩、パラヒドロキシ安息香酸エステル、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化セチルピリジニウム、等が挙げられる。
誤食防止剤としては、例えば、安息香酸デナトニウム、トウガラシ末等の苦味成分や辛味成分等が挙げられる。
色素としては、例えば、黄色4号、赤色102号、青色1号等のタール系色素やカラメル等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸水素塩等が挙げられる。
なお、本発明の毒餌剤は固形であればよく、粉体や顆粒等の固形成分、ペーストや液体等の液体成分を適宜用いることができる。毒餌剤の固形成分と液体成分の重量比は60:40〜80:20が好ましく、65:35〜75:25がさらに好ましい。
本発明の毒餌剤は、上記害虫駆除の有効成分と食餌成分と、所望により任意の添加剤とを溶媒に混合させて製造することができる。
溶媒としては、例えば、常水、精製水、イオン水、鉱水等の水;エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶媒;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリコール誘導体等の界面活性剤;乳酸エチル、乳酸メチル等の乳酸エステル;N−メチルピロリドン等のN−アルキルピロリドン等が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
溶媒の含有量としては、本発明の効果を得られる量を適宜調整して使用すればよいが、例えば、毒餌剤中、0.7〜14質量%の範囲で使用することが好ましく、5〜14質量%がより好ましく、5〜11質量%が更に好ましい。毒餌剤中、溶媒の含有量が0.7質量%よりも少ないと、毒餌剤を成形し難い。また、毒餌剤中、溶媒を14質量%を超えて含有すると、毒餌剤が成形後の形状を保ち難く、また、害虫が喫食しても表面に凸部が出来難いため、14質量%以下で含有することが好ましい。
本発明の毒餌剤の製造方法は、常法により製造できる。例えば、上記した害虫駆除の有効成分と食餌成分を、所望により任意の添加剤を加えて、溶媒と共に混合、練合し、所望の形状に成形することにより製造することができる。成形方法としては、例えば、加圧押し出し成型が挙げられる。本発明において、製造中、具体的には原料成分の混合時や練合時に加温してもよい。
本発明の毒餌剤は、24〜26℃で引張速度8cm/分で引張試験した際の引張強度が0.03〜0.13kgfであることが好ましい。毒餌剤の引張強度は製剤の柔らかさの指標である。引張強度が0.03kgf以上であると、喫食時に毒餌剤への害虫の顎(もしくは歯)の挿入が容易となるため害虫が喫食しやすく、また、0.13kgf以下であると、毒餌剤の噛み切りが容易となるため好ましい。毒餌剤の引張強度は、喫食のしやすさの観点から、0.03〜0.1kgfがより好ましく、0.04〜0.06kgfがさらに好ましい。
なお、引張強度は、ゼムクリップの外周直線部を外方に向けて開き、当該外周直線部を毒餌剤の長軸方向の略中央に軸方向に対して垂直に挿入し、ゼムクリップの本体部分をデジタルフォースゲージ(例えば、IMADA製「DS2−200N」)で8cm/分の速さで軸方向に引っ張り、毒餌剤が伸びきる又は千切れるまでの最大荷重を測定することにより求められる。
本発明の毒餌剤は、24〜26℃で引張速度8cm/分で引張試験した際の引張破断時の伸長度が170〜290%であることが好ましい。毒餌剤の伸長度が170%未満の場合は、害虫が齧った際に毒餌剤が塊で齧り取られ、毒餌剤表面に凹部が形成される場合があり、害虫の口器に毒餌剤が当たり難くなるため、伸長度は170%以上であることが好ましい。毒餌剤の伸長度が170%以上であると、害虫が喫食した際に、毒餌剤が適度に伸びた状態で千切れるため、毒餌剤本体側の表面には、先端が尖った凸部が形成される。また、毒餌剤の伸長度が290%以下であると、害虫が喫食した際に適度な力で噛み千切ることができるので食い付きと咀嚼をバランスよくさせることができる。毒餌剤の伸長度は、喫食面を多くする観点から、180%以上がより好ましく、また270%以下がより好ましい。
なお、伸長度は、上記引張強度の測定において、毒餌剤が切れずに伸びた場合は下記式(1)により、毒餌剤が途中で千切れた場合は下記式(2)により算出できる。
伸長度(%)=dB/dA×100 ・・・(1)
(ただし、dAは試験前の毒餌剤のクリップ挿入位置から毒餌剤先端までの距離(mm)、dBは試験後の毒餌剤のクリップ挿入位置から毒餌剤の先端までの距離(mm)である。)
伸長度(%)=(dC+dA)/dA×100 ・・・(2)
(ただし、dAは試験前の毒餌剤のクリップ挿入位置から毒餌剤先端までの距離(mm)、dCは千切れた毒餌剤の上端からクリップ挿入位置までの距離(mm)である。)
また、本発明において、毒餌剤の空隙率が2〜10%であることが好ましい。毒餌剤の空隙率が2%以上であると、毒餌剤中の成分同士の結着性が適度に低くなり、毒餌剤が伸びやすくなって、害虫が喫食した際に毒餌剤の表面に先端の尖った凸部が形成されやすくなる。また、空隙率が大きすぎると逆に毒餌剤の伸長が妨げられるので、10%以下であることが好ましい。毒餌剤の空隙率は、毒餌剤の壊れやすさの観点から、2〜7%がより好ましく、2.5〜4%がさらに好ましい。
なお、空隙率は以下により求めることができる。
まず、毒餌剤を切断し、切断面を走査型電子顕微鏡を用いて倍率80倍で撮影する。次に、観察面積3mm(1.5mm×2mm)の画像中のピクセル数(px)を、画像処理ソフト「ImageJ」を用いて測定し、同観察面積の画像中の空隙の個数と総空隙面積(px)を、同様に画像処理ソフト「ImageJ」を用いて計算する。得られた観察面積とその観察面積中の総空隙面積から、以下の式(3)により空隙率を算出する。
なお「ImageJ」はアメリカ国立衛生研究所(NIH)で開発されたオープンソースでパブリックドメインの画像処理ソフトウェアである。
空隙率(%)=総空隙面積(px)÷観察面積(px)×100 ・・・(3)
本発明において駆除の対象とする害虫は、本発明の効果が得られる限り制限されないが、クロゴキブリ,チャバネゴキブリ,ヤマトゴキブリ,ワモンゴキブリ,トビイロゴキブリ等のゴキブリ類、ヒメアリ,クロヤマアリ,アミメアリ,トビイロケアリ等のアリ類、アオズムカデ,セスジアカムカデ,トビズムカデ等のムカデ類、クモ、ムカデ、アリ、ゲジ、ヤスデ、ダンゴムシ、ワラジムシ、シロアリ、ケムシ、ダニ、シラミ、マダニ、トコジラミ等の匍匐害虫が挙げられる。本発明の毒餌剤は、特にゴキブリ類に好適である。
本発明の毒餌剤を用いた害虫の駆除方法としては、製剤化した毒餌剤を、対象害虫の生息、活動場所に施用することにより行われる。具体的には、害虫の生息、活動場所に毒餌剤を配置しておくと、害虫が毒餌剤を摂食し、害虫が致死量分接触することにより致死させることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明は下記例に何ら制限されるものではない。
<試験例1>
(実施例1)
表1の実施例1に記載の成分を、常温下で、混合し、練合して害虫用毒餌剤の混合物を作製した。
得られた混合物を直径10mm、高さ15mmの円柱状に成型し、害虫用毒餌剤の成型体を作製した。
(比較例1)
表1の比較例1に記載の成分を用いた以外は実施例1と同様に成型体を作製した。
(比較例2)
表1の比較例2に記載の成分を用いた以外は実施例1と同様に成型体を作製した。
<引張強度の測定>
図1に示すように、成型体1をプラスチック板3にエチレン酢酸ビニル系接着剤5で固定し試験検体10を作製した。ゼムクリップ7の外周直線部7aを屈曲部から外方に向けて約90°開き、外周直線部7aを成型体1の上端から7.5mmの位置(クリップ挿入位置8)に水平に挿入した。
ゼムクリップ7の本体部分をデジタルフォースゲージ(IMADA製「DS2−200N」)で8cm/分の速さで上方向(矢印A)に引っ張った。成型体1が伸びきる又は千切れるまでの最大荷重(引張強度)を測定した。なお、ゼムクリップ7が成型体1から離れたとき、成型体1が伸びきったと判断した。
試験は、実施例1は12回、比較例1は5回、比較例2は10回行い、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
<伸長度の算出>
引張強度の測定において、図2(a)に示すように、成型体1が切れずに伸びた場合は、クリップ挿入位置8から成型体1の先端までの距離(dB)を測定し、下記式(1)により伸長度を算出した。
伸長度(%)=dB/dA×100 ・・・(1)
(ただし、dAは試験前の成型体のクリップ挿入位置から成型体先端までの距離:7.5(mm)、dBは試験後の成型体のクリップ挿入位置から成型体先端までの距離(mm)である。)
引張強度の測定において、図2(b)に示すように、成型体1の上部が途中で千切れた場合は、下記式(2)により伸長度を算出した。
伸長度(%)=(dC+dA)/dA×100 ・・・(2)
(ただし、dAは試験前の成型体のクリップ挿入位置から成型体先端までの距離:7.5(mm)、dCは残った成型体の上端からクリップ挿入位置までの距離(mm)である。)
試験は、実施例1は12回、比較例1は5回、比較例2は10回行い、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
<引っ掻き外観評価>
成型体1の表面をピンセットの先端で掻き取るようにして少量を剥離させた。剥離後の成型体表面を目視にて観察し、下記基準に基づき評価した。
〔評価基準〕
○:成型体表面に、先端が尖った凸部が形成されている。
×:成型体表面は掻き取られた形状のままであり、凸部が見られない。
Figure 2019156811
表1から分かるとおり、実施例1は引っ掻き試験により成型体表面に先端の尖った凸部が形成された。また、実施例1は比較例1、2に比べて伸長度が大きく、具体的に平均で196%という伸長度を有していた。
<試験例2>
試験例1で作製した実施例1、比較例1、2の害虫用毒餌剤(成型体)を用いて、下記のとおり空隙率を求めた。
成型体を円柱の軸線と平行な面でカッターで切断した。切断面を、走査型電子顕微鏡を用いて倍率80倍で撮影した。
観察面積3mm(1.5mm×2mm)の画像中のピクセル数(px)を、画像処理ソフト「ImageJ」を用いて測定し、同観察面積の画像中の空隙の個数と総空隙面積(px)を、同様に画像処理ソフト「ImageJ」を用いて計算した。得られた観察面積とその観察面積中の総空隙面積から、以下の式(3)により空隙率を算出した。なお「ImageJ」はアメリカ国立衛生研究所(NIH)で開発されたオープンソースでパブリックドメインの画像処理ソフトウェアである。
空隙率(%)=総空隙面積(px)÷観察面積(px)×100 ・・・(3)
試験は2回行い、平均値を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2019156811
表2の結果より、実施例1は、比較例1、2に比べて空隙率が高かった。これらの結果から、実施例1はある程度大きな空隙を多く含んでおり、害虫用毒餌剤の含有成分同士の結着性が低く、伸びやすい製剤となっていることが分かった。
<試験例3>
試験例1で作製した実施例1、比較例1、2の害虫用毒餌剤(成型体)を用いて、喫食試験を行った。
供試虫としてクロゴキブリの雌成虫を用いた。
一晩絶食させた供試虫1頭を、直径13cmのプラスチックカップ(KP−650M、鴻池プラスチック株式会社製)に入れ、プラスチックカップの底面に重量測定した害虫用毒餌剤の成型体を設置した。設置後から喫食の様子を観察し、供試虫が害虫用毒餌剤を喫食しなくなるまでビデオ撮影した。
各例につき、新しい供試虫を用いて5〜7頭の観察を行った後、害虫用毒餌剤の重量を測定して試験前後の重量差から合計喫食量を算出した。
動画の喫食時間から、下記式(4)、(5)により、平均喫食量、平均喫食時間を算出した。
平均喫食量(mg/頭)=合計喫食量÷供試虫数 ・・・(4)
平均喫食時間(sec/頭)=合計喫食時間÷供試虫数 ・・・(5)
試験は2回行い、平均値を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2019156811
表3の結果より、実施例1は、比較例1、2に比べて平均喫食時間が増え、また喫食量も増加することがわかった。特に、実施例1は有効成分であるホウ酸が比較例1の約1.86倍、比較例2の65倍であり、このことからもゴキブリ類に対して多量の有効成分を摂取させることができることが分かった。なお、実施例1の害虫用毒餌剤は試験後に表面に先端の尖った凸部が観察された。
1 成型体
3 プラスチック板
5 接着剤
7 ゼムクリップ
8 クリップ挿入位置
10 試験検体

Claims (4)

  1. 毒餌剤の表面を害虫が喫食した際に、前記表面に先端が尖った凸部が形成されることを特徴とする害虫用毒餌剤。
  2. 前記毒餌剤の伸長度が170〜290%であることを特徴とする請求項1に記載の害虫用毒餌剤。
  3. 前記毒餌剤の空隙率が2〜10%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の害虫用毒餌剤。
  4. 前記害虫がゴキブリ類であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の害虫用毒餌剤。
JP2018049728A 2018-03-16 2018-03-16 害虫用毒餌剤 Pending JP2019156811A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018049728A JP2019156811A (ja) 2018-03-16 2018-03-16 害虫用毒餌剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018049728A JP2019156811A (ja) 2018-03-16 2018-03-16 害虫用毒餌剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019156811A true JP2019156811A (ja) 2019-09-19

Family

ID=67995695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018049728A Pending JP2019156811A (ja) 2018-03-16 2018-03-16 害虫用毒餌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019156811A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0481902U (ja) * 1990-11-28 1992-07-16
JPH0481901U (ja) * 1990-11-27 1992-07-16
JPH092905A (ja) * 1995-06-16 1997-01-07 Earth Chem Corp Ltd 害虫誘引剤および害虫防除用毒餌剤

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0481901U (ja) * 1990-11-27 1992-07-16
JPH0481902U (ja) * 1990-11-28 1992-07-16
JPH092905A (ja) * 1995-06-16 1997-01-07 Earth Chem Corp Ltd 害虫誘引剤および害虫防除用毒餌剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100358421C (zh) 凝胶状飞翔昆虫引诱组合物以及使用了该组合物的引诱飞翔昆虫的成套器具
JP2974373B2 (ja) 害虫駆除用毒餌剤
KR101272413B1 (ko) 바퀴벌레용 유인 독이제식 살충제 조성물 및 그 제조방법
JP5361549B2 (ja) 害虫防除用固形毒餌剤
JP3909779B2 (ja) 害虫誘引方法及び害虫防除方法
ITTO990267A1 (it) Composizioni di esca avvelenata.
JP2006131614A (ja) 害虫の誘引方法
JP2019156811A (ja) 害虫用毒餌剤
JP2017008015A (ja) アリ防除用毒餌剤、誘引剤
JP4364574B2 (ja) 多足類用誘引剤及び毒餌剤
JP2007070275A (ja) 害虫防除用毒餌剤
JPH1192301A (ja) 害虫防除用毒餌剤、害虫誘引剤および害虫の防除方法
JPH092905A (ja) 害虫誘引剤および害虫防除用毒餌剤
JP2012067015A (ja) 害虫駆除用毒餌剤
JP7317174B2 (ja) ムカデ類防除用毒餌剤
US9420779B1 (en) Insect baits
JP2001199801A (ja) ゴキブリ用喫食誘起性誘引剤
JP4413726B2 (ja) アリ用誘引剤および殺アリ用製剤
JP4185293B2 (ja) ゴキブリ用毒餌剤
JP4339972B2 (ja) 腹足類用錠剤
JP4302259B2 (ja) 害虫駆除用毒餌剤
JP6878097B2 (ja) 害虫防除用餌剤の喫食性向上方法
JP7244308B2 (ja) 虫の対象成分吸収量の調整方法、及び虫の繁殖調整方法
JP4731741B2 (ja) 害虫防除用毒餌剤
JP2004315508A (ja) 害虫の誘引、摂食向上方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210812

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210824

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211223

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220426