JP7244308B2 - 虫の対象成分吸収量の調整方法、及び虫の繁殖調整方法 - Google Patents

虫の対象成分吸収量の調整方法、及び虫の繁殖調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、虫の対象成分の吸収量を調整する方法、及び虫の繁殖を調整する方法に関する。
従来、種々の虫に対し、駆除や飼育を目的として餌剤を喫食させることが行われている。
一般家屋、飲食店等の室内、庭や公園等の屋外にゴキブリ、アリ、ナメクジ等が存在すると、不衛生であったり、人々に不快感を与える等の問題が生じることから、これら害虫を駆除するため毒餌剤が使用されている。毒餌剤は殺虫成分と食餌成分を含む餌剤であり、害虫が喫食することで殺虫成分を体内に摂取させ致死させるものである。
害虫を致死させるには、有効量の殺虫成分を喫食させる必要があり、十分な喫食性を得るため、例えば、殺虫活性成分とともに酵母エキスを含有したり(特許文献1)、分枝デキストリンを含有したり(特許文献2)することが提案されている。
一方、クワガタムシやカブトムシは、上記の害虫とは違い、広く飼育、繁殖が行われている。これらの虫を飼育、繁殖させるための食餌(昆虫飼育用餌)が市販され利用されている。
特開2001-048701号公報 特開2002-363019号公報
上記のように虫を駆除する場合でも、また飼育や繁殖をさせる場合でも、それぞれの目的に合った対象成分(有効成分)を虫の体内に取り込ませて(吸収させて)所望の効果を得るために、虫に餌剤を十分に喫食させる必要がある。さらに効率的に目的を達成するには、その対象成分の吸収量をコントロールすることができればよく、そのための有効な手段の提供が望まれている。
そこで、本発明は、虫が餌剤を喫食した際、餌剤中の対象成分の吸収量を調整して、虫の駆除、成育や繁殖を効率的に調整する方法を提供するものである。
本発明者らは上記課題について鋭意研究を重ねた結果、食餌成分や殺虫成分等の虫への吸収(取り込み)は、餌剤中の食物繊維の含有量に大きく影響されることを見出した。そして、餌剤における食物繊維の含有量を調整する(増減させる)ことにより、食物繊維以外の成分(対象成分)の虫体内への吸収量を調整することが可能であり、それにより所望の効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)~(2)を特徴とする。
(1)虫用餌剤における食物繊維の含有量を増減させて、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル及び殺虫成分からなる群から選択される少なくとも1つの対象成分の吸収量を調整する、虫の対象成分吸収量の調整方法。
(2)虫用餌剤における食物繊維の含有量を増減させて、虫の産卵及び/又は孵化を調整する、虫の繁殖調整方法。
本発明によれば、餌剤中の食物繊維の含有量を調整(増減)することにより、虫の対象成分の体内吸収量を調整することができる。よって、(1)害虫を駆除するために毒餌剤を喫食させる場合、食物繊維の含有量を減らすことで効率的に殺虫成分の体内吸収量を高めることができる、(2)殺虫成分を害虫の巣に持ち帰らせ、巣に生息している他個体に対して殺虫成分の影響を与えることを目的とする場合、殺虫成分の発現が巣に持ち帰った後に表れるよう、食物繊維の含有量を増やして殺虫成分の体内への吸収を遅らせる、(3)虫を飼育する場合、食物繊維の含有量を減らして所望の栄養素の体内での吸収量を向上させ、虫の成長を促進させる、(4)虫の過剰な成長を抑制する場合、食物繊維の含有量を増加させて所望の栄養素の体内吸収量を抑制させる、(5)虫の繁殖をコントロールする場合、食物繊維の含有量を増減させて産卵数や孵化数を調整する等、虫における対象成分の吸収量を調整して所望の効果を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「食物繊維」とは、水に対して難溶性の不溶性食物繊維(粗繊維)を意味するものとする。
本発明は、虫用餌剤(以下、単に「餌剤」とも言う。)における食物繊維の含有量を増減させることにより、虫に吸収させようとする対象成分の体内吸収量を調整するものである。本発明者らの検討により、餌剤中の食物繊維の含有量を減らすことにより虫の食物繊維以外の成分の体内吸収量が増加し、食物繊維の含有量を増加させることにより虫の食物繊維以外の成分の体内吸収量が低下することが判明した。この知見に基づき、本発明は、餌剤中の食物繊維の含有量を増減させて、所望の対象成分の虫体内における吸収量を調整し、当該対象成分の作用活性を調整するものである。
(虫用餌剤)
虫用餌剤は虫が喫食する食餌成分を含有している。食餌成分とは、虫が喫食する食餌や誘引成分を意味し、例えば、糖質類、油脂類、デンプン類、蛋白類、アミノ酸類、動植物のエキス類、高級アルコール類等が挙げられる。これらの食餌成分には、炭水化物、蛋白質、脂質、食物繊維、ビタミン、ミネラル等の栄養素が含まれており、餌剤はこれらの栄養素が摂取できるように適宜混合させて作製されている。
具体的な食餌成分を以下に例示する。
炭水化物源としては、例えば、小麦粉、米、トウモロコシ、コーンスターチ、マイロ、アワ、ショ糖、糖蜜、ハチミツ等が挙げられる。蛋白質源としては、例えば、大豆粕、ホワイトフィッシュミール、ブラウンフィッシュミール、酵母、脱脂粉乳、大豆粕、カゼイン、コーングルテンミール等が挙げられる。脂肪源としては、例えば、胚芽、大豆油、菜種油、綿実油、ピーナッツ、牛脂等が挙げられる。繊維源としては、フスマ、脱脂米ヌカ、アルファルファミール、セルロースパウダー、アワヌカ等が挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、塩化コリン、イノシトール等が挙げられる。ミネラル類としては、例えば、炭酸カルシウム、食塩、硫酸鉄、硫酸マガジン、硫酸コバルト、ヨウ素酸カルシウム等が挙げられる。
なお、これらの食餌成分は、上記栄養素が含まれる具体例として例示したものであり、各栄養素のみが含まれるとは限らない。例えば、胚芽には脂質だけでなく、ビタミンB群やビタミン、カルシウム、マグネシウム、リン、食物繊維も含まれる。
本発明において、虫用餌剤の組成は、対象とする虫に適したものを上記食餌成分から選択して用いることができる。例えば、餌剤の全質量に対して、餌剤中の粗蛋白質の含有割合が好ましくは5~50質量%の範囲、粗脂肪の含有割合が好ましくは1~30質量%の範囲、粗繊維の含有割合が好ましくは0.1~50質量%の範囲、粗灰分の含有割合が好ましくは0.0001~30質量%の範囲、可溶性無窒素物の含有割合が好ましくは10~80質量%の範囲、水分の含有割合が好ましくは1~30質量%の範囲となるように調整することが好ましい。
なお、餌剤中の粗蛋白質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、可溶性無窒素物、水分は従来公知の方法により分析することにより測定できる。例えば、粗蛋白質は、ケルダール法、燃焼法等により測定でき、粗脂肪はジエチルエーテル抽出法、酸分解ジエチルエーテル抽出法等により測定でき、粗繊維は、ろ過法、プロスキー法、酵素-HPLC法等により測定でき、粗灰分は、直接灰化法等により測定でき、水分は加熱乾燥法により測定でき、可溶性無窒素物は、水分、粗蛋白質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分の含有量を100より減じて算出できる。
虫用餌剤には、当該餌剤が害虫(駆除を目的とした虫)の毒餌剤として用いられる場合は、殺虫成分を含有させることができる。
殺虫成分としては、例えば、除虫菊エキス、天然ピレトリン、プラレトリン、イミプロトリン、フタルスリン、アレスリン、トランスフルトリン、レスメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、サイパーメスリン、エトフェンプロックス、シフルスリン、デルタメスリン、ビフェントリン、フェンバレレート、フェンプロパスリン、メトフルトリン、プロフルトリン、フラメトリン、エムペントリン等のピレスロイド系化合物;フェニトロチオン、ダイアジノン、マラソン、フェンチオン、ピリダフェンチオン、プロチオホス、ホキシム、クロルピリホス、ジクロルボス等の有機リン系化合物;カルバリル、プロポクスル、メソミル、チオジカルブ等のカーバメート系化合物;メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系化合物;アミドフルメト等のスルホンアミド系化合物;フィプロニル、ピリプロール等のフェニルピラゾール系化合物;ヒドラメチルノン等のアミジノヒドラゾン系化合物;ジノテフラン、アセタミプリド、イミダクロプリド、クロチアニジン、ニテンピラム等のネオニコチノイド系化合物;インドキサカルブ等のオキサジアジン系化合物;メトプレン、ハイドロプレン、ピリプロキシフェン等の昆虫成長制御化合物;ハッカ油、オレンジ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、チョウジ油、テレビン油、ユーカリ油、ヒバ油、ジャスミン油、ネロリ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ブチグレン油、レモン油、レモングラス油、シナモン油、シトロネラ油、ゼラニウム油、シトラール、l-メントール、酢酸シトロネリル、シンナミックアルデヒド、テルピネオール、ノニルアルコール、cis-ジャスモン、リモネン、リナロール、1,8-シネオール、ゲラニオール、α-ピネン、p-メンタン-3,8-ジオール、オイゲノール、酢酸メンチル、チモール、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル等の殺虫性精油類;ホウ酸、ホウ砂、クロルフェナピル、これらの異性体又は誘導体、ピペロニルブトキサイド、サイネピリン500、サイネピリン222等の共力剤、メタアルデヒド、リン酸第二鉄等の殺陸生軟体動物成分、バチルス チューリンゲンシス菌の生芽胞および産生結晶毒素等の殺虫タンパク質等が挙げられる。これらの殺虫成分は1種を単独で含有していても2種以上を組み合わせて含有していてもよい。
殺虫成分の含有量は、毒餌剤中0.0001~50質量%であることが好ましい。殺虫成分の含有量が0.0001質量%以上であると、害虫に対する充分な駆除効果を得ることができ、多量に含有すると害虫に忌避を起こさせることがあるので、50質量%以下とするのがよい。殺虫成分の含有量は、毒餌剤中、下限は0.001質量%以上であることがより好ましく、0.01質量%以上が更に好ましく、また上限は30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
虫用餌剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、誘引成分、溶媒、酸化防止剤、保存剤、誤食防止剤、色素、香料、pH調整剤等を含有することができる。
誘引成分としては、例えば、フレーバー類、エキス類、フェロモン類等を用いることができる。誘引成分としては、例えば、オニオンフレーバー、メープルフレーバー、チキンエキス、ビーフエキス、ポークエキス、牛乳、醤油、ウスターソース、ペリプラノン化合物、トリアルキルアミン塩類、アルキルアミン類、ゴキブリの糞や卵及び乾燥物、メチルシクロペンテノロン、バニリン、マルトール、メチルマルトール等を挙げることができる。誘引成分は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒としては、例えば、水、有機溶媒、界面活性剤、動物油、植物油等を用いることができ、例えば、水道水、精製水、天然水等の水;エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶媒;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、グリコール誘導体等の界面活性剤;乳酸エチル、乳酸メチル等の乳酸エステル;N-メチルピロリドン等のN-アルキルピロリドン等を挙げることができる。溶媒は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、エリソルビン酸およびその塩、ジブチルヒドロキシトルエン、dl-α-トコフェロール、ノルジヒドログアヤレチック酸、メチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、グアヤク脂、L-システイン塩等が挙げられる。
保存剤としては、例えば、安息香酸およびその塩、サリチル酸、ジフェニール、ソルビン酸およびその塩、デヒドロ酢酸およびその塩、パラヒドロキシ安息香酸エステル、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、フェノキシエタノール等が挙げられる。
誤食防止剤としては、例えば、安息香酸デナトニウム、トウガラシ末などの苦味成分や辛味成分等が挙げられる。
色素としては、例えば、黄色4号、赤色102号、青色1号などのタール系色素やカラメル等の天然色素等が挙げられる。
香料としては、例えば、チーズ香料、バター香料、ピーナッツ香料、ピーチ香料、ストロベリー香料、ミルク香料等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸水素塩等が挙げられる。
また、本発明の効果を奏する限り、必要に応じて、例えば、ホワイトカーボン、珪藻土、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、シリカ等の無機物;パラフィン、ポリエチレングリコール、デキストリン、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、結晶セルロース、寒天、ゼラチン等の有機物の1種又は2種以上を配合してもよい。
本発明では、餌剤中における食物繊維の含有量を増減させることにより、食物繊維以外の対象成分、具体的に、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル及び殺虫成分からなる群から選択される少なくとも1つの対象成分の虫体内における吸収量を調整する。
食物繊維はこれらの栄養素と殺虫成分の虫体内への吸収(取り込み)に影響し、餌剤中の食物繊維の含有量を低減させると虫における前記対象成分の吸収量(取り込み量)が増加し、食物繊維の含有量を増加させると前記対象成分の吸収量が減少する。これにより、虫の餌剤として使用する場合は、当該虫の成長(具体的に、体重の増加速度)および繁殖(具体的に、産卵数、孵化数)を調整することができ、害虫の毒餌剤として使用する場合は、殺虫成分の吸収率を調整することができる。
虫における対象成分の吸収量を増加させる場合は、餌剤中の食物繊維の含有量を減ずるように調整する。餌剤中の食物繊維の含有量が少なくなると、対象成分である炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル又は殺虫成分の虫体内における吸収率が高まり、対象成分に由来する所望の効果(機能)を向上させることができる。また、虫における対象成分の吸収量を減少させる場合は、餌剤中の食物繊維の含有量を増やすように調整する。餌剤中の食物繊維の含有量が多くなると、対象成分の虫体内への吸収を抑制することができ、対象成分の機能の発現を遅延もしくは低減させることができる。
なお、餌剤中における食物繊維の含有量の増減の基準は虫により異なり、対象とする虫に応じて適宜調整すればよい。
例えば、対象とする虫がナメクジの場合、餌剤中の食物繊維を、4質量%を基準として増減させればよい。餌剤中の食物繊維の含有量が4質量%未満、好ましくは3質量%以下であると、対象成分のナメクジ体内における吸収率を高めることができる。また、餌剤中の食物繊維の含有量が4質量%以上であると、対象成分のナメクジ体内への吸収を抑制することができる。なお、餌剤中の食物繊維の含有量は、栄養成分のバランスの観点から、0.1質量%以上が好ましい。
また、対象とする虫がゴキブリの場合、餌剤中の食物繊維を、6質量%を基準として増減させればよい。餌剤中の食物繊維の含有量が6質量%未満、好ましくは4質量%以下であると、対象成分のゴキブリ体内における吸収率を高めることができる。また、餌剤中の食物繊維の含有量が6質量%以上であると、対象成分のゴキブリ体内への吸収を抑制することができる。なお、餌剤中の食物繊維の含有量は、栄養成分のバランスの観点から、0.1質量%以上が好ましい。
なお、餌剤中の食物繊維の含有量を調整する方法としては、設定された食物繊維の含有量となるよう食餌成分を適宜組み合わせる方法が挙げられる。食物繊維を含む食餌成分の含有量を減らすことにより食物繊維の含有量を低減させることができ、逆に当該食餌成分の含有量を増やすことにより食物繊維の含有量を増加させることができる。
本発明は、上記したように餌剤中の食物繊維の含有量を増減させることにより、以下に示すような種々の作用活性を得ることができる。
1.機能増強
虫用餌剤中の食物繊維の含有量を有意に低減させて、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル及び殺虫成分からなる群から選択される少なくとも1つの対象成分の虫における体内利用効率(機能)を向上させることができる。ここで、「有意に」とは、対照(比較)となる餌剤よりも対象成分の吸収量が明らかに高い(具体的には、5%以上の差がある)ことを意味する。
対象成分の機能を増強させるためには、上記したように対象とする虫に応じて餌剤中の食物繊維の含有量を減らす。例えば、対象とする虫がナメクジの場合は餌剤中の食物繊維の含有量を4質量%未満、ゴキブリの場合は6質量%未満とすることが好ましい。食物繊維の含有量が有意に少ないと、対象成分の虫体内への吸収が抑制されないので、対象成分の虫体内における吸収率が高まり、対象成分に由来する所望の効果(機能)を増強させることができる。例えば、飼育餌剤の場合は、5大栄養素の吸収を妨げることがないため、虫の体重増加を促進させることができ、毒餌剤の場合は、殺虫成分の吸収が妨げられないので、駆除効果を高めることができる。
2.成長促進
虫用餌剤が飼育餌剤である場合、上記「1.機能増強」で記載したように、食物繊維の含有量を有意に低減させることで、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン及びミネラルの5大栄養素のうちの少なくとも1つの栄養素の虫における吸収率を向上させることができる。虫における5大栄養素の吸収率の向上により、虫の体重増加、すなわち虫の成長を促進させることができる。
例えば、対象とする虫がナメクジの場合は餌剤中の食物繊維の含有量を4質量%未満とすることが好ましい。食物繊維の含有量が有意に少ないと、対象成分の虫体内への吸収が抑制されないので、5大栄養素の虫体内における吸収率を高めることができ、結果、虫の成長を促進させることができる。
3.虫の体重のコントロール
研究施設等で虫が飼育される場合、虫の体重を増加させないように又は体重を一定量に保たせたい場合は、餌剤中の食物繊維の含有量を増減させて虫の体重をコントロールすることができる。虫の体重を増加させないようにするためには、食物繊維の含有量を有意に増加させて、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素のうちの少なくとも1つの栄養素の虫における体内利用効率(機能)を抑制することができる。
例えば、虫の喫食性を考慮し、対象とする虫がナメクジの場合は餌剤中の食物繊維の含有量を4質量%以上、ゴキブリの場合は6質量%以上とすることが好ましい。食物繊維の含有量が有意に多いと、対象成分の虫体内への吸収を抑制することができるので、虫の体重増加を抑制することができる。
4.虫の繁殖抑制
対象とする虫が害虫である場合、虫の産卵数や孵化数を低減させることは害虫駆除にもなる。このように害虫の繁殖を抑制したい場合は、餌剤中の食物繊維の含有量を有意に低減させて、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン及びミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの対象成分の虫における体内利用効率(機能)を促進させて、卵形成を阻害する成分の吸収率を向上させる。前記成分の吸収率が高くなると、卵の形成が阻害されるため、虫の産卵数が減り、孵化数を低減させることができる。
例えば、対象とする虫がナメクジの場合は、繁殖を抑制する、すなわち産卵数や孵化数を低減させるために、餌剤中の食物繊維の含有量を4質量%未満とすることが好ましい。食物繊維の含有量が有意に少ないと、卵形成を阻害する成分の虫における体内利用効率(機能)が促進されるので、喫食した虫を産卵し難くさせることができる。
5.虫の繁殖促進
研究施設等で虫が飼育される場合、効率的に飼育するために繁殖を促進したい場合は、餌剤中の食物繊維の含有量を増加させて繁殖をコントロールすることができる。餌剤中の食物繊維の含有量が増えると、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン及びミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの対象成分の虫における体内利用効率(機能)が抑制され、卵形成を阻害する成分の吸収率が低下するので、繁殖を促進することができる。
例えば、対象とする虫がナメクジの場合は、繁殖を促進するために、ナメクジの喫食性を考慮し、餌剤中の食物繊維の含有量を4質量%以上とすることが好ましい。食物繊維の含有量が有意に多いと、対象成分の虫体内への吸収を抑制することができるので、卵形成を阻害する成分の体内利用効率が抑制され、虫の繁殖を促進することができる。
(虫用餌剤の調製)
本発明の虫用餌剤は、所望の目的に応じて上記した成分を食物繊維の含有量を増減させて含有させ、混合することにより調製することができる。
虫用餌剤は、例えば、固体状、軟性固体状(例えば、ジャム状、ゲル状)、弾性固体状(例えば、グミ状)、液体状、粘性液体状、顆粒状、粉状等の各種製剤として用いることができ、対象虫の嗜好に合わせて種々選択すればよい。
本発明が対象とする虫としては、例えば、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、ヤマトゴキブリ等のゴキブリ類;クロヤマアリ、トビイロシワアリ、イエヒメアリ、アミメアリ等のアリ類;トビズムカデ、アオズムカデ、ジムカデ、イッスンムカデ、ヤケヤスデ、フジヤスデ、ヤケヤスデ、ゲジ、オオゲジ等の多足類;オカダンゴムシ、ワラジムシ等の甲殻類;イエバエ、ヒメイエバエ、センチニクバエ、ケブカクロバエ、キイロショウジョウバエ、チョウバエ、ノミバエ等のハエ類;シノメマダラメイガ等のガ類;アシナガバチ、スズメバチ等のハチ類;ナメクジ、カタツムリ、エスカルゴ等の陸生軟体動物;カブトムシ、クワガタムシ、カミキリムシ、ゲンゴロウ、オサムシ、ホタル、テントウムシ、ゾウムシ等の甲虫等が挙げられる。これらの中でも、陸生軟体動物やゴキブリ類に対して優れた効果を奏する。
なお、本発明は食物繊維の含有量を有意に低減させた虫用餌剤を給餌する虫の飼育方法も提供するものである。餌剤中の食物繊維の含有量を有意に低減させることで、その他の成分、具体的に炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン及びミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの栄養素の虫体内における吸収量を高めることができるので、虫の生育を向上させ、飼育効率を高めることができる。
本発明の飼育方法により、虫の体重増加を促進させることができるので、例えば、エスカルゴやカブトムシ、クワガタムシ等の養殖される虫の生産効率に優れた飼育効果を提供できる。さらに、本発明の飼育方法により、虫の繁殖を促進させることができるので、例えば、エスカルゴやカブトムシ、クワガタムシ等の養殖される虫の生産効率に優れた飼育効果を提供できる。
また、本発明は虫用餌剤における食物繊維の含有量を有意に低減させて虫の産卵及び孵化の少なくとも一方を抑制する虫の繁殖抑制方法も提供するものである。餌剤中の食物繊維の含有量を有意に低減させることで、卵形成を阻害する成分の虫体内における吸収量が増加するため卵形成が阻害されることとなり、これにより、虫の産卵数や孵化数を低減させることができるので、虫の繁殖を抑制することができる。
以下、下記試験例により本発明を更に説明するが、本発明は下記例に何ら制限されるものではない。
[試験例1]
下記表1に記載の処方に基づき、各成分を混合し、食物繊維であるセルロース粉末の含有量を異ならせた検体1~4の毒餌剤を作製した。
Figure 0007244308000001
<試験方法>
クロゴキブリ雌成虫1頭を、プラスチックカップ(φ12cm、高さ10cm)に入れ、カップ内にクロゴキブリの水分補給のため水を含ませた脱脂綿を入れて、室温にて24時間放置し、順化させた。
その後、カップ内に検体を約2g設置した。検体設置10時間後の状態を目視にて確認し、ノックダウンの有無を確認した。クロゴキブリがノックダウンしていた場合を「ノックダウン有り:○」、クロゴキブリがノックダウンしていなかった場合を「ノックダウン無し:×」と評価した。なお、ノックダウンとは、クロゴキブリが歩行に異常をきたしひっくり返った状態になることを言う。
試験は4回行い、その結果を表2に示す。
Figure 0007244308000002
表2の結果より、食物繊維(セルロース粉末)の含有量が多くなるほど、ノックダウンした頭数が少なくなる結果となった。この結果より、食物繊維は殺虫成分の吸収を阻害していると考えられる。
[試験例2]
以下のとおり、検体5~7の餌剤を作製し、ナメクジにおける体重増加を確認した。
なお、各検体において、餌剤中の栄養成分の割合(w/w%)は、粗蛋白質量についてはケルダール法、粗脂肪量についてはジエチルエーテル抽出法、粗繊維量についてはろ過法、粗灰分量については直接灰化法、水分量については加熱乾燥法により測定し、可溶性無窒素物量は、100-(水分量+粗蛋白質量+粗脂肪量+粗繊維量+粗灰分量)により算出した。また、代謝エネルギーは、水分量、粗蛋白質量、粗脂肪及び粗灰分を100より減じて、炭水化物量として計算し、Atwaterの換算係数により、粗蛋白質を4kcal/g、粗脂肪を9kcal/g、炭水化物を4kcal/gとして合算した。
(検体5)
蛋白質源、脂肪源、炭水化物源、ビタミン類及びミネラル類として表3に記載の食餌成分を組み合せて餌剤を作製した。
得られた餌剤の栄養成分(粗蛋白質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、可溶性無窒素物、水分)と代謝エネルギーを測定し、表4に示す。
(検体6)
蛋白質源、脂肪源、繊維源、炭水化物源、ビタミン類及びミネラル類として表3に記載の食餌成分を組み合せて餌剤を作製した。
得られた餌剤の栄養成分(粗蛋白質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、可溶性無窒素物、水分)と代謝エネルギーを測定し、表4に示す。
(検体7)
蛋白質源、脂肪源、繊維源、炭水化物源及びビタミン類として表3に記載の食餌成分を組み合せて餌剤を作製した。
得られた餌剤の栄養成分(粗蛋白質、粗脂肪、粗繊維、粗灰分、可溶性無窒素物、水分)と代謝エネルギーを測定し、表4に示す。
Figure 0007244308000003
Figure 0007244308000004
<試験方法>
(試験1回目)
ナメクジ卵(チャコウナラナメクジ)から孵化した幼体15頭に検体6の餌剤を与えて自由に喫食させ、温度約22℃、湿度約50%RHに設定した飼育室(12時間毎に明暗サイクルを繰り返す。)で約1ヶ月間飼育した。
約1ヶ月後に、ナメクジを5頭ずつ、カップ(φ9cm、高さ6cm)に分けて入れて試験区とした。
それぞれの試験区(カップ)に、各餌剤を1週間に3回、ナメクジが全量食べきる量を与え、自由に喫食させ、温度約22℃、湿度約50%RHに設定した飼育室(12時間毎に明暗サイクルを繰り返す。)で約120日間の飼育を行った。給餌量は、具体的に、試験開始から2週間目までは、1回当たり約0.02g、3週間目から4週間目までは、1回当たり約0.05g、5週間目以降は、1回当たり約0.08gとした。
約120日後(約4ヶ月後)のナメクジ1頭ずつの体重を測定し、各試験区(カップ)ごとに平均値を算出した。
(試験2回目)
1回目の試験と同様の試験を行った。
(試験3回目)
1回目の試験において、ナメクジ幼体を9頭使用し、各試験区を3頭ずつに分けた以外は同様の試験を行った。
検体5~7について、1回目から3回目の試験の約120日後(約4ヶ月後)の体重の平均値を求めた。結果を表5に示す。
Figure 0007244308000005
表5の結果より、検体6及び検体7には体重増加の有意な差は見られなかったのに対し、検体5は検体6、7に比べて、ナメクジの体重増加が顕著に見られた。この結果より、食物繊維はナメクジの生育を抑制する傾向があり、食物繊維以外の栄養成分の吸収を阻害していると考えられる。
[試験例3]
試験例2で作製した検体5~7の餌剤を用いて、ナメクジにおける産卵及び孵化の調整効果を確認した。
<試験方法>
(試験1回目)
ナメクジ卵(チャコウナラナメクジ)から孵化した幼体15頭に検体6の餌剤を与えて自由に喫食させ、温度約22℃、湿度約50%RHに設定した飼育室(12時間毎に明暗サイクルを繰り返す。)で約1ヶ月間飼育した。
約1ヶ月後に、ナメクジを5頭ずつ、カップ(φ9cm、高さ6cm)に分けて入れて試験区とした。
それぞれの試験区(カップ)に、各餌剤を1週間に3回、ナメクジが全量食べきる量を与え、自由に喫食させ、温度約22℃、湿度約50%RHに設定した飼育室(12時間毎に明暗サイクルを繰り返す。)で約1年間の飼育を行った。給餌量は、具体的に、試験開始から2週間目までは、1回当たり約0.02g、3週間目から4週間目までは、1回当たり約0.05g、5週間目以降は、1回当たり約0.08gとした。
約1年間の飼育期間中の産卵数および孵化数をカウントした。
(試験2回目)
1回目の試験と同様の試験を行った。
(試験3回目)
1回目の試験において、ナメクジ幼体を9頭使用し、各試験区を3頭ずつに分けた以外は同様の試験を行った。
検体5~7について、1回目から3回目の試験の約1年間の累計産卵数及び累計孵化数を算出し、さらに各試験区(カップ)ごとに孵化率を算出した。結果を表6に示す。
孵化率(%)=累計孵化数/累計産卵数×100
Figure 0007244308000006
表6に示したように、検体5は検体6、7に比べて、産卵数及び孵化数が顕著に少なく、また孵化率は0%であった。この結果より、食物繊維はナメクジの産卵数及び孵化数、孵化率を高める傾向があり、餌剤における食物繊維の含有量を増減させることで産卵および孵化を調整することができることが分かった。

Claims (2)

  1. 虫用餌剤における食物繊維の含有量を増減させて、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン、ミネラル及び殺虫成分からなる群から選択される少なくとも1つの対象成分の吸収量を調整する、虫の対象成分吸収量の調整方法。
  2. 虫用餌剤における食物繊維の含有量を増減させて、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン及びミネラルからなる群から選択される少なくとも1つの対象成分の吸収量を調整することにより、虫の産卵及び/又は孵化を調整する、虫の繁殖調整方法。
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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CHAUDHURY M.F. et al,A Cellulose Fiber-Based Diet for Screwworm (Diptera: Calliphoridae) Larvae,JOURNAL OF ECONOMIC ENTOMOLOGY,2007年,vol.100 No.1,241-245

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