JP2019154372A - 膨化食品用着味液、および膨化食品 - Google Patents
膨化食品用着味液、および膨化食品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019154372A JP2019154372A JP2018048277A JP2018048277A JP2019154372A JP 2019154372 A JP2019154372 A JP 2019154372A JP 2018048277 A JP2018048277 A JP 2018048277A JP 2018048277 A JP2018048277 A JP 2018048277A JP 2019154372 A JP2019154372 A JP 2019154372A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sodium chloride
- seasoning liquid
- weight
- seasoning
- chloride
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Confectionery (AREA)
- Grain Derivatives (AREA)
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
- Seasonings (AREA)
Abstract
Description
ここで、膨化食品とは、米、コーン、小麦等の穀類をペレット化、又はそのまま乾燥等した後に、熱をかけて膨化させることで得られる食品であり、具体的には、煎餅、ポップコーン、シリアル等が挙げられる。なお、一般的に膨化食品とは、ペレットを加熱等して得られる食品全般を指すが、本発明においては着味液塗布後の膨化食品を“膨化食品“、着味液塗布前の膨化食品を”膨化生地“として区別して説明する。
1−1.塩化マグネシウム
塩化マグネシウムとしては、純度の高い塩化マグネシウムに限らず、苦汁(にがり)等の塩化マグネシウムを主成分とする素材を用いることができる。塩化マグネシウムは塩味と共に苦味も強い素材であるため、塩化ナトリウムを減らしたことによる塩味の低下を、塩化マグネシウムのみで補おうとすると苦味が強くなってしまう。このため、本発明では、後述するように塩化マグネシウムと、乳酸カリウムおよび塩化ナトリウムを含む大豆系発酵調味料を併用する必要がある。
乳酸カリウムは、塩味と共に酸味や苦味(エグ味)の強い素材であるため、塩化マグネシウムと同様に、塩味の低下を乳酸カリウムのみで補おうとすると酸味やエグ味が強くなってしまう。このため、本発明では、塩化マグネシウムと乳酸カリウムとを併用する必要がある。
大豆系発酵調味料とは、大豆を発酵させることで得られる調味料であって、具体的には味噌や醤油が挙げられる。大豆系発酵調味料には、塩化ナトリウムの他に、塩味増強剤として知られるアミノ酸や、苦味のマスキング剤として知られる多糖類等が多量に含まれている。このため、大豆発酵調味料を添加することで、塩味の強化や苦味の抑制を期待できる。
前記の通り、本発明に係る着味液は、少なくとも大豆系発酵調味料に由来する塩化ナトリウムを含有する。塩化ナトリウムを過剰に摂取すると高血圧症や心疾患等のリスクが高まるとされているが、塩味を誘起する最も一般的な物質であり、代替物(塩化マグネシウムや乳酸カリウム)の異味を緩和することができる。なお、必要に応じて、大豆系発酵調味料とは別に塩化ナトリウムを添加してもよい。
本発明では、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、および乳酸カリウム以外にも塩味を有する無機塩を含んでいてもよい。具体的には、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩、塩化カリウム、塩化カルシウム等の塩化物塩(ただし、塩化ナトリウムおよび塩化マグネシウムを除く)、臭化ナトリウム、臭化カリウム等の臭化仏塩、炭酸ナトリウム、および炭酸マグネシウム等の炭酸塩が含まれてもよい。また、乳酸ナトリウムは、無機塩ではないが優れた塩味を呈するため、その他塩味成分に含めるものとする。
糖質とは、ケトン基又はアルデヒド基を一つ持ち、且つ水酸基を2つ以上もつ化合物である。膨化食品用着味液に糖質を添加することで、着味液の粘度を調整して塗布適性を高めることができる。具体例としては、グリセルアルデヒド、グルコース、フルクトース等の単糖、スクロース、マルトース、トレハロース等の二糖、オリゴ糖、デキストリン、澱粉等の多糖類が挙げられ、これらの糖質を必要に応じて単独又は組み合わせて使用することができる。
2−1.塩味成分量
本発明の着味液は、塩味成分全量に対して、塩化ナトリウムを10〜70重量%、塩化マグネシウムを15〜60重量%、乳酸カリウムを15〜60重量%含み、且つ、塩味成分全量に対して、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムおよび乳酸カリウムの総量が80〜100重量%であることが必要である。
本発明では、塩化マグネシウム100重量部に対して、乳酸カリウムを50〜200重量含有することが好ましい。塩化マグネシウムと乳酸カリウムをこの比率で配合することで、両成分の苦味を抑制することが可能である。
本発明では、塩化ナトリウム全量中、大豆系発酵調味料由来の塩化ナトリウムを50〜100重量%含むことが好ましい。着味液に含まれる塩化ナトリウムの半分以上を、大豆系発酵調味料由来の塩化ナトリウムにすることで、大豆系発酵調味料の添加量を増やし、苦味のマスキング効果を得ることができる。なお、大豆系発酵調味料のマスキング効果を最大限生かすために、着味液に含まれる塩化ナトリウムの全てを大豆系発酵調味料由来の塩化ナトリウムとすることがより好ましい。
本発明では、着味液の粘度を15〜100CPS(=mPa・S)とすることが好ましく、20〜80 CPSとすることがより好ましい。着味液の粘度が高すぎると、着味液が膨化生地に染み込みにくくなって塗布量が減少したり、着味液が配管や容器に残留して歩留まりが悪くなる。一方、着味液の粘度が低すぎると、着味液が膨化生地の内部まで染み込んでしまい、塗布量が増えすぎてしまう。なお、膨化食品の味(塩味等)は、膨化生地表面に塗布された着味液の寄与が大きいため、着味液が膨化生地の内部まで染み込むと、膨化生地表面に存在する着味液の量が減少し、味の低下を招く原因となる。
本発明における膨化生地とは、米、コーン、小麦等の穀類をペレット化、又はそのまま乾燥等した後に、熱をかけて膨化させることで得られる食品である。膨化の際に生地内部に無数の気泡が発生するため比容積が大きくなる。本発明では、比容積2.0〜4.5ml/gの膨化生地に、15〜100CPSの着味液を塗布することで、好適な膨化食品を実現することができる。
米粉を蒸して団子状に練り、平たく伸ばした後に丸型抜きし、乾燥後冷却して水分を8%に調整した。乾燥後のペレットの厚さは3.5〜4.0mm、直径は33〜35mm であった。
ペレットを240℃の油で約40秒揚げて比容積3.4ml/gの膨化生地1を作製した。また、油で揚げる温度を調整して比容積2.3ml/gの膨化生地2と、比容積4.3ml/gの膨化生地3を作製した。
(試作例1)
濃口醤油(塩化ナトリウム濃度16.3%)190重量部、上白糖400重量部、塩化ナトリウム76重量部に水334重量部を加えて、よく撹拌し試作例1を調整した。
試作例1の配合を表1〜4の通り変更して試作例2〜21を調整した。食物繊維としては、難消化性デキストリン(ファイバーソル2、松谷化学社製)を使用した。
(1)塩化ナトリウム削減率
塩化ナトリウムのみを含有している試作例1を基準にして、塩化ナトリウムの削減率を計算した。
B型粘度計を使用して、試作例1〜21の粘度を測定した。測定条件は以下の通りである。
装置名:B8L(東京計器社製)
ローター:No2
回転数:60rpm
温度:25℃
表面温度60℃に温めた膨化生地1を40℃の着味液(試作例1〜21)に4秒間浸漬し、余分な着味液を遠心分離で除去してから乾燥した。着味液の塗布量は、着味前の膨化生地1の重量と、乾燥後の膨化食品の重量との差を取ることで測定した。この試験を試作例ごとに10回実施し、塗布量の平均値を求めた。評価基準は以下の通りである。
○:試作例1の塗布量と比較して、着味液の塗布量が80〜120重量%である。
×:“○”以外の評価
試作例1を基準に、以下の通り評価した。
×:試作例1と塩味が弱いと評価したパネラーが9名以上
○:試作例1と比較して塩味が同等、又塩味が強い評価したパネラーが9名以上
△:上記以外(○と×の中間)の評価
試作例1と試作例2を基準に、以下の通り評価した。
×:試作例2と比較して苦味が同等、又は苦味が強い(悪い)評価したパネラーが9名以上
○:試作例1と比較して苦味が同等、又は苦味を感じないと評価したパネラーが9名以上
△:上記以外の評価
膨化生地1を膨化生地2及び3に変更し、試作例1〜21の塗布適性を評価した。なお、膨化生地以外の条件(温度、時間等)は変更していない。
着味液の粘度が高い場合には、着味液が生地の表面にしか塗布されず、着味液を十分に付着させることができなかった(試作例1、試作例13)。一方、着味液の粘度が低い場合には、着味液が膨化生地の内部まで染み込んでしまった(試作例16)。この傾向は、膨化生地の比重を変更しても同様だった。
Claims (4)
- 少なくとも塩化マグネシウムと、乳酸カリウムと、塩化ナトリウムを含有する大豆系発酵調味料とを含んでなる膨化食品用着味液であって、
塩味成分全量に対して、塩化ナトリウムを10〜70重量%、塩化マグネシウムを15〜60重量%、乳酸カリウムを15〜60重量%含み、
且つ、塩味成分全量に対して、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムおよび乳酸カリウムの総量が80〜100重量%であることを特徴とする膨化食品用着味液。 - 塩化マグネシウム100重量部に対して、乳酸カリウムを50〜200重量含有することを特徴とする請求項1記載の膨化食品用着味液。
- 塩化ナトリウム全量中、大豆系発酵調味料由来の塩化ナトリウムを50〜100重量%含むことを特徴とする請求項1又は2記載の膨化食品用着味液。
- 請求項1〜3いずれか記載の膨化食品用着味液を粘度15〜100mCPSに調整し、次いで、当該着味液を比容積2.0〜4.5ml/gの膨化生地に塗布することを特徴とする膨化食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018048277A JP6937257B2 (ja) | 2018-03-15 | 2018-03-15 | 膨化食品用着味液、および膨化食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018048277A JP6937257B2 (ja) | 2018-03-15 | 2018-03-15 | 膨化食品用着味液、および膨化食品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019154372A true JP2019154372A (ja) | 2019-09-19 |
JP6937257B2 JP6937257B2 (ja) | 2021-09-22 |
Family
ID=67994272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018048277A Active JP6937257B2 (ja) | 2018-03-15 | 2018-03-15 | 膨化食品用着味液、および膨化食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6937257B2 (ja) |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58209957A (ja) * | 1982-05-31 | 1983-12-07 | Ichikawa Kagaku Kenkyusho:Kk | 減塩醤油 |
JPS6437253A (en) * | 1987-08-04 | 1989-02-07 | Yamazaki Baking Co | Preparation of rice confectionery dough utilizing twin-screw type extruder |
JPH06343417A (ja) * | 1993-06-07 | 1994-12-20 | Chiyoujiyuen Kk | 塩化調味料 |
JP2002204660A (ja) * | 2001-01-10 | 2002-07-23 | Yamazaki Baking Co Ltd | 揚げ米菓とその製造方法 |
JP2005287408A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Maruhiko Seika Kk | 半生米菓の製造方法 |
JP2007215489A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Nihon Kaisui:Kk | 塩辛味増強用添加剤及びそれを用いた減塩調味料並びに食味改善飲食品。 |
JP2011062167A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Nippon Suisan Kaisha Ltd | 塩味増強剤を含有する低食塩醤油又は低食塩醤油調味料 |
JP2011062171A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Nippon Suisan Kaisha Ltd | 塩味増強剤及びそれを含有する飲食品 |
-
2018
- 2018-03-15 JP JP2018048277A patent/JP6937257B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58209957A (ja) * | 1982-05-31 | 1983-12-07 | Ichikawa Kagaku Kenkyusho:Kk | 減塩醤油 |
JPS6437253A (en) * | 1987-08-04 | 1989-02-07 | Yamazaki Baking Co | Preparation of rice confectionery dough utilizing twin-screw type extruder |
JPH06343417A (ja) * | 1993-06-07 | 1994-12-20 | Chiyoujiyuen Kk | 塩化調味料 |
JP2002204660A (ja) * | 2001-01-10 | 2002-07-23 | Yamazaki Baking Co Ltd | 揚げ米菓とその製造方法 |
JP2005287408A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Maruhiko Seika Kk | 半生米菓の製造方法 |
JP2007215489A (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-30 | Nihon Kaisui:Kk | 塩辛味増強用添加剤及びそれを用いた減塩調味料並びに食味改善飲食品。 |
JP2011062167A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Nippon Suisan Kaisha Ltd | 塩味増強剤を含有する低食塩醤油又は低食塩醤油調味料 |
JP2011062171A (ja) * | 2009-09-18 | 2011-03-31 | Nippon Suisan Kaisha Ltd | 塩味増強剤及びそれを含有する飲食品 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
NEW FOOD INDUSTRY, vol. 57, no. 12, JPN6019037262, 2015, pages 11 - 16, ISSN: 0004539688 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6937257B2 (ja) | 2021-09-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5972167B2 (ja) | 飲食物の塩味改善方法及び塩味改善剤 | |
WO2018043448A1 (ja) | ノンフライ麺の製造方法 | |
JP2022016575A (ja) | 乳酸カリウム含む即席麺の製造方法 | |
CN106659210B (zh) | 油炸食品面衣用混合物 | |
TWI730131B (zh) | 含有澱粉食品用的鬆動改良劑、含有澱粉食品以及含有澱粉食品的製造方法 | |
JP2018033363A (ja) | 生麺及び冷凍麺の製造方法 | |
JP7325586B2 (ja) | 調理済み冷凍麺類の製造方法 | |
JP7160039B2 (ja) | 液状食品の塩味増強方法 | |
JP6577279B2 (ja) | 即席麺の製造方法 | |
JP2019154372A (ja) | 膨化食品用着味液、および膨化食品 | |
JP7055033B2 (ja) | 即席麺の製造方法 | |
JP2002325543A (ja) | 麺類の製造方法 | |
JP6523541B1 (ja) | 麺類または麺皮類の製造方法 | |
US20220183331A1 (en) | Method for producing instant japanese noodles | |
JP2020120691A (ja) | すぐれた官能を有する醤油 | |
JP2000236829A (ja) | 即席麺用の食感改良剤 | |
JP2015149979A (ja) | 竜田揚げ用ミックス | |
JP3410585B2 (ja) | 水溶きタイプのカラ揚げ粉 | |
TWI773865B (zh) | 添加食材之調味料及其製造方法 | |
JP7268971B2 (ja) | 減塩カレーソース | |
JP7111462B2 (ja) | 即席麺製造用の麺線及び即席麺の製造方法 | |
TW201438596A (zh) | 增強鹽味及/或鮮甜味之飲食品及其製造方法、增強飲食品之鹽味及/或鮮甜味用之組成物、增強飲食品之鹽味及/或鮮甜味之方法 | |
JP3993520B2 (ja) | 即席麺用結着防止剤、即席麺およびその製法 | |
JP2001025361A (ja) | 海老せんべい又は海老スナック菓子類 | |
JP2022120720A (ja) | 即席麺の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200908 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210625 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210706 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210804 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210824 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210830 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6937257 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |