JP2022120720A - 即席麺の製造方法 - Google Patents

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Shogo Ishida
康平 眞田
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Abstract

【課題】本発明は、製麺性に優れ、食感、塩味に優れたナトリウムが低減された即席麺の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】練り水に食塩を使用せず、主原料粉と、主原料粉1kgに対して乳酸カリウムを8~40g、グルタミン酸ナトリウムを1~5g、グルコン酸塩を0.5~3gとなるように溶解した練り水と、を混捏して麺生地を作製し、製麺して麺線を作製し、必要により麺線を蒸煮し、乾燥することにより、製麺性、食感、塩味に優れたナトリウムが低減された即席麺の製造方法を提供することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、ナトリウム含量が低減された即席麺の製造方法に関する。
近年、高血圧予防のため、ナトリウム含量を低減したいわゆる減塩商品が多数上市されている。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」2010年度版では、一日の食塩摂取目標値が成人男性で9g未満、成人女性で7.5g未満であったのに対し、「日本人の食事摂取基準」2015年度版では、一日の食塩摂取目標値が成人男性で8g未満、成人女性で7g未満、2020年度版では、日の食塩摂取目標値が成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とそれぞれ一日の食塩摂取目標値が減ったことからも、今後もさらに減塩志向が高まっていくと考えられる。
麺を減塩する技術としては、例えば特許文献1~6が開示されている。
特許文献1には、従来よりも食塩の添加量が少なくても、十分なコシを有するうどん麺に関する技術として、小麦粉と、糊料組成物と、水と、を含有するうどん麺において、糊料組成物として、キサンタンガム、ローストビーンガム、グアガムを含有するうどん麺が記載されている。
特許文献2には、ナトリウム塩、とりわけ食塩、炭酸ナトリウムの含有量を低減ないしゼロとした麺類並びに麺類の製造方法として、イソマルツロース、還元イソマルツロースのいずれか又は双方を含有する麺類及び製造方法が記載されている。
特許文献3には、食塩を添加することなく製造して無塩の麺を製造する技術として、にがりに含まれる塩化マグネシウムを利用した麺の製造方法が記載されている。
また、特許文献4~6は、乳酸カリウムを添加することにより減塩する即席麺の技術が記載されている。これらの技術は、減塩するにあたり、製麺性、食感及び風味の点で既存技術に比べ優れた技術であるが、乳酸カリウムは、塩味を増すために添加量を増すとえぐみを感じ、食感も柔らかく、製麺性も悪くなり、より製麺性や食感が良く、食塩らしい塩味を得るためには、いまだ課題があった。
特開2015-84772号公報 特許第4644298号公報 特許第4761534号公報 特許第6353499号公報 特許第6334623号公報 特開2019-140963号公報
本発明は、製麺性に優れ、食感、塩味に優れたナトリウムが低減された即席麺の製造方法を提供すること目的とする。
発明者らは、乳酸カリウムを添加する減塩技術について、さらに食塩同様の食感や塩味に近づけるべく鋭意研究した結果、本発明を見出した。
すなわち、 主原料粉と、練り水と、を混捏し、生地を作製する工程と、作製した前記生地より麺線を作製する工程と、前記麺線を乾燥する工程と、を含むことを特徴とする即席麺の製造方法であって、前記練り水は、食塩を含まず、前記練り水は、前記主原料粉1kgに対して、乳酸カリウムを8~40g、グルタミン酸塩を1~5g及びグルコン酸塩を0.5~3g含むことを特徴とする即席麺の製造方法である。
本発明により、製麺性に優れ、食感、塩味に優れたナトリウムが低減された即席麺の製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
1.原料配合
本発明に係るフライ麺の製造に使用する主原料粉としては、小麦粉(デュラム粉を含む)、そば粉、大麦粉及び米粉等の穀粉、並びに馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及びコーンスターチ等の各種澱粉が挙げられ、これらを単独で使用しても、又は混合して使用してもよい。前記澱粉として、生澱粉、α化澱粉、並びにアセチル化澱粉、エーテル化澱粉及び架橋澱粉等の加工澱粉等を使用することもできる。
本発明では、これら主原料粉1kgに対して、乳酸カリウムを8~40g練り水に溶解して添加する。乳酸カリウムが8g未満の場合、生地の伸展性や粘弾性に欠け、十分な製麺性や弾力のある食感や十分な塩味を得られにくい。乳酸カリウム単体では、添加量が20gを超えるとべたつきが発生して製麺性が悪くなり、食感も柔らかくなるが、本発明では、グルタミン酸ナトリウムを添加することにより、製麺性、食感が向上するため、乳酸カリウムを40gまで添加することが可能となる。
また、本発明では、主原料粉1kgに対して、グルタミン酸塩を1~5g練り水に溶解して添加する。グルタミン酸塩としては、グルタミン酸ナトリウムやグルタミン酸カリウムが挙げられる。特にグルタミン酸ナトリウムは、うま味調味料として使用されており、即席麺においても、麺の着味液の素材として使用されている。しかしながら、練り水に添加されていることはほとんどなく、また、練り水に添加される食塩量が多い状況では、グルタミン酸塩の製麺性や食感を改善する効果について知ることはできない。グルタミン酸塩の製麺性や食感を改善する効果は、減塩を行うにあたって、初めて知見した効果である。また、グルタミン酸塩は、乳酸カリウムと異なり、少量の添加で食感を引き締める効果があるため、乳酸カリウムを多く添加した場合でも食感の悪化を防ぐことができる。1g未満だと十分な製麺性や食感改善効果が得られにくく、5gよりも多いと食感が硬くなりすぎ、グルタミン酸塩の味が強くでてくる。グルタミン酸塩としては、グルタミン酸ナトリウムの方が風味の面で優れているが、ナトリウムを含むため、より減塩するために風味に影響のない範囲でグルタミン酸カリウムを使用することができる。
さらに、本発明では、主原料粉1kgに対して、グルコン酸ナトリウムまたはグルコン酸カリウムなどのグルコン酸塩を0.5~3g添加する。グルコン酸塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、どちらでもよいが、ナトリウムを低減する意味では、カリウム塩の方が好ましい。グルコン酸塩単体の添加は、製麺性に対する改善効果はほとんどなく、また、食感の改善や塩味を増強する効果もグルタミン酸塩と比べて弱いが、乳酸カリウムを多く添加することよるえぐみをマスキングし、食塩らしい風味を得ることができる。0.5g未満では風味改善効果が得られにくく、3gを超えると食感が硬くなるだけでなく、グルコン酸塩の味が強く出てくる。
その他副原料として、本発明では、即席麺の製造において一般に使用されているアルカリ剤、リン酸塩類、各種増粘剤、麺質改良剤、食用油脂、pH調整剤、カロチン色素等の各種色素及び保存料等を添加することができる。これらは、主原料粉と一緒に添加しても、練り水に溶かすか懸濁させて添加してもよい。食塩については、麺の着味液として使用する以外は、麺の製造において使用しない。また、炭酸塩などのアルカリ剤やリン酸塩類を添加する場合は、ナトリウム塩を添加しても含まれるナトリウム含量が少ないため、減塩に大きな影響は出ないが、より減塩するためには、カリウム塩など使用するなどできる限りナトリウム塩を使用しないことが好ましい。
2.混捏工程
本発明に係る麺生地(ドウ)の作製方法は、常法に従って行えばよい。すなわち、バッチミキサー、フロージェットミキサー、真空ミキサー等で、麺原料粉と練り水とが均一に混ざるように混捏すればよく、そぼろ状のドウを作製すればよい。
3.製麺工程
次いで作製したドウから麺線を作製する。作製方法としては、常法に従って行えばよく、ドウをロールにより粗麺帯とした後、複合等により麺帯化し、さらにロールにより複数回圧延し、所定の麺帯厚とした後、切刃と呼ばれる切出しロールにより麺帯を切出し、麺線を作製する方法が挙げられる。また、エクストルーダーを用いて麺帯を作製した後、圧延、切出しを行ってもよく、複数の麺帯を合わせて多層構造を持つ麺帯を作製した後、圧延、切出しを行ってもよい。
4.蒸煮工程
必要により、製麺工程で得られた生麺線を常法により蒸煮し、麺線をα化する。蒸煮条件は、麺の種類、麺の太さにより好ましい条件が異なるため、目的とする食感に合わせて、好ましい条件を適宜設定すればよい。蒸煮の方法としては、ボイルや飽和水蒸気による加熱だけでなく、過熱水蒸気により加熱することもでき、シャワーや浸漬などの水分補給工程を組み合わせることもできる。調理された麺は必要により、調味液浸漬やほぐれ剤の添加を行うこともできる。
5.乾燥工程
フライ麺の場合は、1食分に麺線をカット、計量し、乾燥用のリテーナと呼ばれる容器に充填し、フライ乾燥する。乾燥温度は140~160℃で行うことが好ましい。乾燥後の水分は、1.5~5重量%となるように乾燥すればよい。
ノンフライ麺の場合は、食分に麺線をカット、計量し、乾燥用のリテーナと呼ばれる容器に充填した後、熱風乾燥、高温熱風乾燥、過熱蒸気乾燥、マイクロウェーブ乾燥など公知の方法により乾燥すればよい。熱風乾燥や高温熱風乾燥などの熱風により乾燥する方法が一般的であり、乾燥温度は60~150℃で、風速1~70m/sの条件で乾燥することが好ましい。乾燥工程は、複数の条件を組み合わせて行ってもよく、乾燥後の水分が14.5重量%以下となるように乾燥すればよい。
6.その他工程
乾燥した麺は、包装工程に移り、必要によりスープや具材とともにカップまたは袋に包装され、即席麺として販売される。
以上のように、練り水に食塩を使用せず、主原料粉1kgに対して乳酸カリウムを8~40g、グルタミン酸ナトリウムを1~5g、グルコン酸塩を0.5~3gとなるように溶解した練り水を用いて麺を製造することにより、製麺性、食感、塩味に優れたナトリウムが低減された即席麺の製造方法を提供することができる。以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
<実験1:フライ麺での検討>
(実施例1-1)
中力粉1000gから成る主原料粉に78%乳酸カリウム水溶液10.2g(乳酸カリウムとして8g)、かんすい製剤(炭酸ナトリウム6:炭酸カリウム4)2.2g、グルタミン酸ナトリウム2.0g、グルコン酸カリウム1.0gを水347.8gに溶解した練り水を加え、常圧ミキサーで15分間ミキシングし、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウをロールにより粗麺帯とし、複合して麺帯を作製した。作製した麺帯を、ロールにより、最終麺帯厚1.1mmとなるように圧延し、18番丸の切刃ロールで麺帯を切断し、麺線とした。
次いで、麺線を250kg/hの飽和蒸気を導入した蒸煮庫で2分蒸煮し、麺線をα化した。
α化した麺線を2つ折りして、1食110gとしてフライ用のリテーナ(容器)に充填し、150℃で2分30秒乾燥し、水分2重量%のフライ麺サンプルを得た。
(実施例1-2)
乳酸カリウム水溶液の添加量を19g(乳酸カリウムとして15g)、水の添加量を346gとする以外は、実施例1-1に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(実施例1-3)
乳酸カリウムの添加量を32g(乳酸カリウムとして25g)、水の添加量を343gとする以外は、実施例1-1に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(実施例1-4)
乳酸カリウムの添加量を51.2g(乳酸カリウムとして40g)、水の添加量を338.8gとする以外は、実施例1-1に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(実施例1-5)
グルタミン酸ナトリウムの添加量を1gとする以外は、実施例1-3に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(実施例1-6)
グルタミン酸ナトリウムの添加量を3gとする以外は、実施例1-3に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(実施例1-7)
グルタミン酸ナトリウムの添加量を5gとする以外は、実施例1-3に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(実施例1-8)
グルタミン酸ナトリウムの添加量を1g、グルタミン酸カリウム1.6gとする以外は、実施例1-3に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(実施例1-9)
グルコン酸カリウムの添加量を0.5gとする以外は、実施例1-3に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(実施例1-10)
グルコン酸カリウムの添加量を3gとする以外は、実施例1-3に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(実施例1-11)
グルコン酸ナトリウムの添加量を1gとする以外は、実施例1-3に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1-1)
中力粉1000gから成る主原料粉に食塩16g、かんすい製剤(炭酸ナトリウム6:炭酸カリウム4)2.2gを水350gに溶解した練り水を加え、常圧ミキサーで15分間ミキシングし、麺生地(ドウ)を作製した。その他の工程は実施例1-1の方法に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1-2)
食塩を添加しない以外は、比較例1-1の方法に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1-3)
グルタミン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムを添加しない以外は実施例1-1の方法に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1-4)
グルタミン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムを添加しない以外は実施例1-2の方法に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1-5)
グルタミン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムを添加しない以外は実施例1-3の方法に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1-6)
グルタミン酸ナトリウム、グルコン酸カリウムを添加しない以外は実施例1-4の方法に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1-7)
グルコン酸カリウムを添加しない以外は実施例1-3の方法に従ってフライ麺サンプルを作製した。
(比較例1-8)
グルタミン酸ナトリウムを添加しない以外は実施例1-3の方法に従ってフライ麺サンプルを作製した。
実験1の各試験区の麺の製麺性、調理後の麺の食感について比較例1-1を基準として評価した。麺の製麺性は、比較例1-1と同等なものを5、比較例1-1とやや劣るが良好なものを4、比較例1-1に劣るが連続した機械製麺可能なもの3、比較例1-1に劣り、麺帯切れの発生により連続した機械製麺ができない可能性があるものを2、比較例1-1に著しく劣り、明らかに連続した機械製麺ができないものを1とした。
官能検査については、各サンプルを調理して喫食し行った。調理方法については、沸騰水500ml中にフライ麺サンプルを投入し、鍋で3分間茹でて調理した。評価は、熟練した5人のパネラーで行い、食感については、比較例1-1と同様に弾力があり良好なものを5、比較例1-1と比較して弾力がやや強いまたは弱いが概ね良好なものを4、比較例1-1と比較して弾力が強いまたは弱いが商品として可なものを3、比較例1-1と比較して弾力が強すぎまたは弱すぎで商品として不可なものを2、比較例1-1と比較して弾力が著しく強すぎまたは弱すぎ喫食不可なものを1とした。
また、塩味については、塩味の強さと後味からくる異味(えぐみや苦み)を評価した。塩味の強さについては、比較例1-1と同等を4とし、比較例1-1よりも強いものを5、比較例1-1よりもやや弱いが商品として可なものを3、比較例1-1よりも弱く、商品として不可なものを2、塩味をほとんど感じないもの(比較例1-2と同等)ものを1とした。
後味から来る異味(えぐみや苦み)については、比較例1-1を基準し、同等で異味を感じないものを5、ややえぐみや苦みを僅かに感じるが良好なものを4、えぐみや苦みを感じるが商品として可なものを3、えぐみや苦みを強く感じ商品として不可なものを2、著しく苦みやえぐみを感じ喫食不可なものを1とした。
実験1の各試験区の製麺性及び官能評価結果について下記表1に記載する。
Figure 2022120720000001
比較例1-2~比較例1-6で示すように食塩を練り水に添加していない場合、乳酸カリウムを添加することにより塩味の強さが強くなった。しかしながら、主原料粉に対する添加量が15gを境に製麺性はべたつきが出始め悪化していき、食感も柔らかく、乳酸カリウム独特のえぐみも強く感じていった。
それに対し、実施例1-1~1-4で示すように、乳酸カリウムに加えてグルタミン酸塩、グルコン酸塩を練り水に加えることにより、同一の乳酸カリウムの添加量に比べ、製麺性や食感だけでなく、塩味にすぐれたフライ麺を得ることができた。特に、乳酸カリウムの添加量が少ないときには、製麺性や食感だけでなく塩味の強さが改善し、乳酸カリウムの添加量が多い場合では、製麺性の悪化や食感の軟化を抑える効果と乳酸カリウムのえぐみを抑える効果が認められた。本発明における乳酸カリウムの添加量としては、添加量が少ない程、塩味が弱く、添加量が多くなると製麺性や食感だけでなく乳酸カリウムのえぐみも出てくるため、主原料粉1kgに対して8~40gが好ましいと考える。
実施例1-3、実施例1-5~1-7で示すように、グルタミン酸ナトリウムの添加量が少なくなると製麺性や食感を改善する効果や塩味の強さが弱くなり、グルタミン酸ナトリウムの添加量が多くなりすぎると、生地が硬くなり製麺性が悪くなり、食感も硬くなるだけでなく、グルタミン酸ナトリウムの苦みを感じるようになった。また、実施例1-8で示すように、グルタミン酸ナトリウムの一部をグルタミン酸カリウムに代えても同様の効果が認められた。よって、本発明におけるグルタミン酸塩の添加量としては、主原料粉1kgに対して1~5gが好ましいと考える。
実施例1-3、実施例1-9~1-10で示すように、グルコン酸カリウムの添加量が少ないと乳酸カリウムのえぐみをマスキングする効果が弱く、多すぎるとグルタミン酸ナトリウムと同様に生地が硬く、製麺性が悪くなり、食感も固くなり、グルコン酸カリウムのえぐみを感じるようになった。また、実施例1-11で示すように、グルコン酸カリウムの代わりにナトリウムを使用しても同様の効果が認められた。よって、本発明のおけるグルコン酸塩の添加量としては、主原料粉1kgに対して0.5~3gが好ましいと考える。
<実験2:ノンフライ麺での検討>
(実施例2-1)
小麦粉950g、タピオカアセチル化デンプン50gから成る主原料粉に、78%乳酸カリウム水溶液の添加量を32g(乳酸カリウムとして25g)、グルタミン酸ナトリウム2.0g、グルコン酸カリウム1.0g、リン酸3ナトリウム3g、ピロリン酸ナトリウム1g、トコフェロール製剤0.4gを水343gに溶解した練り水を加え、常圧ミキサーで15分間ミキシングし、麺生地(ドウ)を作製した。
作製したドウをロールにより粗麺帯とし、複合して麺帯を作製した。作製した麺帯を、ロールにより、最終麺帯厚0.9mmとなるように圧延し、26番丸の切刃ロールで麺帯を切断し、麺線とした。
次いで、麺線を270kg/hの飽和蒸気を導入した蒸煮庫で2分30秒蒸煮し、麺線をα化した。
α化した麺線は、大豆食物繊維12g、グルタミン酸ナトリウム4g、乳化油脂1gを水に溶解し1Lにメスアップしたほぐれ液に浸漬し、約30cmに切断した後、1食120gとしてリテーナに充填し、70℃で50分乾燥し、水分7重量%のノンフライ麺サンプルを得た。
(比較例2-1)
小麦粉950g、タピオカアセチル化デンプン50gから成る主原料粉に、、食塩15g、リン酸3ナトリウム3g、ピロリン酸ナトリウム1g、トコフェロール製剤0.4gを水350gに溶解した練り水を加え、常圧ミキサーで15分間ミキシングし、麺生地(ドウ)を作製する以外は実施例2-1に従ってノンフライ麺サンプルを製造した。
(比較例2-2)
グルタミン酸ナトリウム及びグルコン酸カリウムを添加しない以外は実施例2-1に従ってノンフライ麺サンプルを製造した。
実験2について、実験1と同様に評価を行った。ただし、調理方法については、コップ型の発泡紙カップ容器に麺サンプル及び粉末スープを入れ、沸騰水を380ml入れ、蓋をし、3分間調理を行い、喫食し食感及び風味について評価を行った。また、製麺性や食感の評価は、比較例2-1を基準にして行った。実験2の各試験区の製麺性及び官能評価結果について下記表2に記載する。
Figure 2022120720000002
実験2で示すように、ノンフライ麺においても、乳酸カリウムに加えて、グルタミン酸
塩及びグルコン酸塩を加えることにより、塩味増強のために乳酸カリウムを多く入れたと
きのべたつきによる製麺性の悪化、食感の軟化を防ぎ、塩味を強くし、乳酸カリウムが持
つえぐみもマスキングすることができた。

Claims (1)

  1. 主原料粉と、
    練り水と、を混捏し、生地を作製する工程と、
    作製した前記生地より麺線を作製する工程と、
    前記麺線を乾燥する工程と、を含むことを特徴とする即席麺の製造方法であって、
    前記練り水は、食塩を含まず、
    前記練り水は、前記主原料粉1kgに対して、乳酸カリウムを8~40g、グルタミン酸塩を1~5g及びグルコン酸塩を0.5~3g含むことを特徴とする即席麺の製造方法。
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