JP2019151435A - ガラス板の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス板を搬送する工程における省スペース化と効率化とを実現する。【解決手段】ガラス板の製造方法は、姿勢変更工程と、移載工程と、搬送工程と、を備える。姿勢変更工程では、第二姿勢の本体フレーム12の少なくとも一部が、搬送装置4の上方位置でこの搬送装置4に平面視で重なるように配置される。移載工程では、本体フレーム12を下降させて搬送装置4を通過させることにより、本体フレーム12が支持する横置き姿勢のガラス板Gを搬送装置4に移載する。【選択図】図12
Description
本発明は、ガラス板を搬送する工程を含むガラス板の製造方法及び製造装置に関する。
ガラス板の製造工程では、ガラス板を縦置き姿勢又は横置き姿勢で積層した積層体をパレット等に収容した状態で、移送や保管等が実施されるのが通例である。この場合、所定のタイミングで、積層体からガラス板を一枚ずつ取り出して搬送する搬送工程が実施される。
特許文献1には、パレットに縦置き姿勢で収容される積層体から取り出されたガラス板を横置き姿勢に変更することが可能な反転装置が開示される。反転装置は、ガラス板を浮上させた状態で支持することが可能なステージと、このステージにガラス板の収納トレイを固定するトレイ固定手段と、ステージを反転させるステージ反転手段とを主に備える。
この反転装置を使用して、ガラス板の姿勢変更を伴う搬送を行う場合、まず、パレットに収容される積層体からガラス板を取り出した後、当該ガラス板をステージに載置する。ガラス板は、複数の吸着パッドを備えた吸着ハンド等により持ち上げられることで、パレットから取り出される。
ガラス板は、薄膜トランジスタ又はカラーフィルタが形成される処理面が下側となり、裏面が上側となるように、ステージに載置される。ステージは、ガラス板をエアにより浮上させた状態で保持する。
次に、ガラス板を覆うように、収納トレイをステージに載置する。その後、収納トレイをトレイ固定手段によりステージに固定する。さらに、ステージ反転手段によって、ガラス板及び収納トレイを保持するステージを180°反転させる。これにより、ガラス板は、処理面が上側となった状態となり、自重により落下して、ステージに固定されている収納トレイに収納される。
その後、トレイ固定手段による収納トレイの固定が解除される。収納トレイを所定の位置まで搬送して積載することで、複数のガラス板が横置き姿勢で保管される。その後、ガラス板は、収納トレイに収納された状態で、加工ラインへと移送される。
上記のように、従来の搬送工程では、ガラス板は収納トレイに収納された状態で、反転装置から当該収納トレイの積載位置まで搬送される。しかしながら、特許文献1には、反転装置から収納トレイの積載位置までの間で、ガラス板及び収納トレイがどのような態様(姿勢、搬送方向及び搬送手段等)で搬送されるかについて、何ら明示されていない。ガラス板の搬送態様の如何によっては、製造ラインのフットプリント(装置占有面積)及び搬送時間の増大を招くおそれがあるため、これらの問題を防止することが必要となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ガラス板を搬送する工程における省スペース化と効率化とを実現可能なガラス板の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、姿勢変更装置によりガラス板を縦置き姿勢から横置き姿勢へと変更する姿勢変更工程と、前記横置き姿勢に変更された前記ガラス板を、前記姿勢変更装置から搬送装置に前記横置き姿勢のままで移載する移載工程と、移載された前記ガラス板を前記搬送装置により前記横置き姿勢で搬送する搬送工程と、を備えるガラス板の製造方法において、前記姿勢変更装置は、前記ガラス板を前記縦置き姿勢から前記横置き姿勢へと変更する本体フレームを備え、前記本体フレームは、前記ガラス板を前記縦置き姿勢で支持する第一姿勢と、前記搬送装置の上方位置で前記ガラス板を前記横置き姿勢で支持する第二姿勢と、に姿勢を変更するように、昇降可能及び回動可能に構成されており、前記姿勢変更工程では、前記第二姿勢の前記本体フレームの少なくとも一部が、前記搬送装置の上方位置で前記搬送装置に平面視で重なるように配置され、前記移載工程では、前記本体フレームを下降させて前記搬送装置を通過させることにより、前記本体フレームが支持する前記横置き姿勢の前記ガラス板を前記搬送装置に移載することを特徴とする。
かかる構成によれば、姿勢変更工程において、第二姿勢とされた本体フレームの一部を、搬送装置の上方位置で当該搬送装置に重なるように配置する。このため、姿勢変更装置及び搬送装置の設置面積を可及的に低減できる。また、本体フレームを下降させることでガラス板を本体フレームから搬送装置へと移載するので、短時間で効率よく移載できる。
本方法において、前記本体フレームは、間隔をおいて配置される複数のフレーム構成部材を備え、前記搬送装置は、間隔をおいて配置される複数のローラ部材を備え、前記移載工程では、前記フレーム構成部材の一部が前記ローラ部材の間を通過するように、前記第二姿勢とされた前記本体フレームを前記搬送装置の上方位置から下降させることが望ましい。
上記の本方法において、前記姿勢変更装置は、前記ガラス板を前記搬送装置に移載した後に、前記本体フレームを、前記搬送装置の下方で下降させながら回動させることにより前記第二姿勢から前記第一姿勢に変更することが望ましい。これにより、移載されたガラス板が搬送装置に位置する状態で、本体フレームを第二姿勢から第一姿勢に変更する動作を実施することができる。このため、単位時間あたりに処理可能なガラス板の枚数を増加させることができる。
また、本方法によれば、前記姿勢変更装置は、搬送方向と直交する方向に沿って前記ガラス板を移動させる送り機構を備え、前記姿勢変更工程を経た前記横置き姿勢の前記ガラス板を前記送り機構で移動する移動工程をさらに備えることが望ましい。これにより、横置き姿勢のガラス板の位置を調整することができる。また、姿勢変更工程を経た横置き姿勢のガラス板の一部が平面視で搬送装置から食み出していても、移動工程によってガラス板の全部を平面視で搬送装置上に位置させることができる。このため、様々な寸法のガラス板に柔軟に対応することができる。
前記搬送装置は、前記送り機構による前記ガラス板の移動を補助する補助機構を備え、補助機構は、昇降可能であり、前記移動工程では、前記横置き姿勢の前記ガラス板の移動を補助機構で補助し、前記移載工程では、前記第二姿勢とされた前記本体フレームと共に、前記補助機構を下降させることが望ましい。これにより、移動工程でのガラス板の移動を円滑かつ精度よく行うことができる。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ガラス板を縦置き姿勢から横置き姿勢へと変更する姿勢変更装置と、前記姿勢変更装置から移載された前記横置き姿勢の前記ガラス板を搬送する搬送装置とを備えるガラス板の製造装置において、前記姿勢変更装置は、前記ガラス板を前記縦置き姿勢から前記横置き姿勢へと変更する本体フレームと、前記本体フレームを昇降させる昇降装置と、前記本体フレームを回動させる回動装置とを備え、前記昇降装置及び前記回動装置は、前記ガラス板を前記縦置き姿勢で支持する第一姿勢と、前記ガラス板を前記横置き姿勢で支持する第二姿勢と、に前記本体フレームの姿勢を変更するように構成され、かつ、前記第二姿勢の前記本体フレームの少なくとも一部が、前記搬送装置の上方位置で前記搬送装置に平面視で重なる状態で、前記本体フレームを下降させて前記搬送装置を通過させることにより、前記本体フレームが支持する前記横置き姿勢の前記ガラス板を前記搬送装置に移載するように構成されてなることを特徴とする。
かかる構成によれば、本体フレームを第二姿勢とした場合に、当該本体フレームの一部を搬送装置の上方位置で当該搬送装置に重なるように配置できる。これにより、姿勢変更装置及び搬送装置の設置面積を可及的に低減できる。また、本体フレームを下降させることでガラス板を本体フレームから搬送装置へと移載するので、短時間で効率よく移載できる。
本発明によれば、ガラス板を搬送する工程における省スペース化と効率化とを実現できる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図19は、本発明に係るガラス板の製造方法及び製造装置の一実施形態を示す。なお、図中のXYZは直交座標系である。X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。
図1に示すように、製造装置1は、パレットPに縦置き姿勢で積載される積層体Lからガラス板Gを一枚ずつ取り出して垂直姿勢で搬送する垂直搬送装置2a,2bと、垂直搬送装置2a,2bから受け取ったガラス板Gの姿勢を変更する姿勢変更装置3と、ガラス板Gを横置き姿勢で搬送する水平搬送装置4と、水平搬送装置4から受け取ったガラス板Gを加工する加工装置5とを備える。
なお、パレットPは、積層体Lの底面を支持する底面支持部Paと、底面支持部Paに立設され、積層体Lの背面を支持する背面支持部Pbとを備えている。背面支持部Pbは、ガラス板Gの上端部Gaがその下端部Gbよりも背面側に位置する後方傾斜姿勢となるように、積層体Lの背面を支持する。以下の説明では、Y方向において、背面支持部Pb側を後方、背面支持部Pb側と反対側を前方という場合がある。
本明細書において、「垂直姿勢」の語は、鉛直方向に対して若干傾斜した状態を含むものとする。垂直姿勢における鉛直方向に対する傾斜角度は、10°以下である。また、「水平姿勢」の語は、水平方向に対して若干傾斜した状態を含むものとする。水平姿勢における水平方向に対する傾斜角度は、10°以下である。
ガラス板Gは、パレットPに収容された状態で、水平面に対して45°〜88°の傾斜姿勢であることが好ましく、水平面に対して75°〜88°の傾斜姿勢であることがより好ましい。ガラス板Gの厚みは、0.5〜3.2mmであることが好ましく、1.4〜2.8mmであることがより好ましい。ガラス板Gの大きさは、一辺が900〜2100mmであることが好ましく、一辺が1100〜1400mmであることがより好ましい。ガラス板Gは、この実施形態ではフロート法により成形されたものであるが、ダウンドロー法(例えば、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法、リドロー法)などの他の成形方法により成形されたものであってもよい。
図1に示すように、垂直搬送装置2a,2bは、第一垂直搬送装置2aと、第二垂直搬送装置2bとを含む。各垂直搬送装置2a,2bは、図2及び図3に示すように、積層体Lにおいて最前面のガラス板Gの上端部Gaを前方側から吸着する吸着パッド6と、最前面のガラス板Gの上端部Gaを表裏両側から挟持するチャック7と、ベース部8とを備える。吸着パッド6及びチャック7は、最前面のガラス板Gの上端部Gaに対して、間隔を置いて複数個配置される。本実施形態では、一個の吸着パッド6と一個のチャック7とを一組とし、複数組が一つのベース部8に装着される。
吸着パッド6は、シリンダ9により往復動可能に支持されている。吸着パッド6は、第一アーム10を介してシリンダ9のピストンロッド9aに装着されている。吸着パッド6は、シリンダ9の伸縮動作により待機位置からガラス板Gの吸着位置へと移動できる。
チャック7は、第二アーム11を介してベース部8に装着されている。チャック7の側面には、シリンダ9が装着されている。チャック7は、内蔵されたシリンダ(不図示)の伸縮動作によって開閉する。
吸着パッド6を移動させるシリンダ9、及びチャック7を開閉するためのシリンダ(不図示)には、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを有する電動シリンダが使用できる。
ベース部8は、三次元的に移動可能な移動体である。ベース部8を移動させることで、吸着パッド6及びチャック7の待機位置(図3の状態の位置)の調整やガラス板Gの搬送が可能となる。ベース部8の移動は、例えば複数の送り機構を組み合わせることによって実現される。
図4及び図5に示すように、第一垂直搬送装置2a及び第二垂直搬送装置2bは、所定の経路(以下、各々の経路を「第一搬送経路」及び「第二搬送経路」という)R1,R2を辿ってガラス板Gを搬送する。
図4に示すように、第一搬送経路R1は、第一垂直搬送装置2aによる以下の動作(移動)により構成される。すなわち、第一搬送経路R1は、ガラス板Gの前方からガラス板Gの取り出し位置(待機位置)まで移動する接近動作R1aと、ガラス板Gを取り出した後、当該ガラス板Gを姿勢変更装置3に移送する往路移動R1bと、ガラス板Gを姿勢変更装置3に供給した後、当該姿勢変更装置3から離れる退避動作R1cと、退避動作R1c後に、パレットPに向かう復路移動R1dとにより構成される。第一搬送経路R1には、上記のような平面視における動作の他、移動中又は停止した上での第一垂直搬送装置2aの昇降動作も含まれる(第二搬送経路R2に係る第二垂直搬送装置2bの動作において同じ)。
図5に示すように、第二搬送経路R2は、第一搬送経路R1と同様に、第二垂直搬送装置2bによる、接近動作R2a、往路移動R2b、退避動作R2c及び復路移動R2dにより構成される。但し、第二搬送経路R2は、以下の点において第一搬送経路R1と異なる。
すなわち、第一搬送経路R1における接近動作R1aにおいて、第一垂直搬送装置2aは、前方から積層体Lに接近するのに対し、第二搬送経路R2の接近動作R2aにおいて、第二垂直搬送装置2bは、後方から積層体Lに接近する。また、第二搬送経路R2の退避動作R2cにおいて、第二垂直搬送装置2bは、第一垂直搬送装置2aの退避方向とは反対の方向に退避する。したがって、第二垂直搬送装置2bの復路移動R2dは、第一垂直搬送装置2aの復路から離れた位置で行われる。
また、第二搬送経路R2の退避動作R2c及び復路移動R2dにおいて、第二垂直搬送装置2bは、水平搬送装置4の上方を移動する。すなわち、第一垂直搬送装置2aは、ガラス板Gを姿勢変更装置3に載せた後に、平面視において水平搬送装置4から離れる方向に移動するのに対し、第二垂直搬送装置2bは、ガラス板Gを姿勢変更装置3に載せた後に、水平搬送装置4の上方を通過してパレットPに向かう。
図1及び図6に示すように、姿勢変更装置3は、ガラス板Gを支持する本体フレーム12を備える。本体フレーム12は、フレーム構成部材13と、ガラス板Gを移動させる送り機構14とを備える。
フレーム構成部材13は、長尺状に構成される。例えばフレーム構成部材13は、アルミニウム、その他の金属により、四角筒状に構成されるが、この構成に限定されるものではない。各フレーム構成部材13は、所定の間隔をおいて連結部材15により相互に連結される。
各フレーム構成部材13は、ガラス板Gの下端部Gbを支持する受け部16を有する。受け部16は、フレーム構成部材13の長手方向に沿って、その位置を変更できる。フレーム構成部材13に対する受け部16の位置を変更することで、本体フレーム12は、大きさの異なるガラス板Gを好適に支持できる。
本体フレーム12は、各垂直搬送装置2a,2bからガラス板Gを受け取るための第一姿勢と、ガラス板Gを水平搬送装置4に移載するための第二姿勢とに変更可能に構成される。第一姿勢において、本体フレーム12は、鉛直方向に対して所定の角度で傾斜する。第一姿勢における本体フレーム12の鉛直方向に対する傾斜角度は、2〜10°であることが好ましい。これにより、本体フレーム12は、第一姿勢においてガラス板Gを縦置き姿勢で支持する。第二姿勢において、姿勢変更装置3は、本体フレーム12のフレーム構成部材13を水平姿勢とする。これにより、本体フレーム12は、ガラス板Gを横置き姿勢で支持できる。なお、この構成に限らず、姿勢変更装置3は、第二姿勢においてフレーム構成部材13を水平面に対して若干傾斜させてもよい。
姿勢変更装置3は、本体フレーム12を第一姿勢と第二姿勢とに変更するために、当該本体フレーム12を回動させる回動装置(不図示)と、本体フレーム12を昇降させる昇降装置(不図示)とを備える。
送り機構14は、本体フレーム12の各フレーム構成部材13に回転自在に支持される対のプーリ14aと、当該プーリ14aに巻き掛けられるベルト14bとを備える。プーリ14aは、不図示の駆動モータにより回転駆動される。ベルト14bは、例えばゴム製のものが使用されるが、この材質に限定されるものではない。
送り機構14は、本体フレーム12が第二姿勢となった場合に、ガラス板Gの搬送方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向、本体フレーム12の長手方向)に沿って、ガラス板Gを水平方向(受け部16から離れる方向)に移動させる。
図1及び図6に示すように、水平搬送装置4は、ローラコンベアにより構成される。水平搬送装置4は、複数のローラ部材17と、送り機構14によるガラス板Gの移動を補助する補助機構18とを備える。
各ローラ部材17は、ガラス板Gの搬送方向(X軸方向)に沿って所定の間隔をおいて配置される。姿勢変更装置3からガラス板Gを受け取る際、当該姿勢変更装置3に係るフレーム構成部材13の長手方向の一部及び送り機構14の長手方向の一部がローラ部材17の間を通過する。このため、各ローラ部材17は、フレーム構成部材13及び送り機構14が通過するのに十分な間隔をもって配置される。
ローラ部材17は、複数の送りローラ19と、各送りローラ19を回転させる軸部20とを備える。水平搬送装置4は、不図示の駆動装置により、軸部20を同期して回転駆動することで、送りローラ19を回転させる。
補助機構18は、ローラ部材17によるガラス板Gの搬送方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に沿って、ガラス板Gを移動させる。本実施形態において、水平搬送装置4には、複数の補助機構18が設けられているが、これに限らず、一つの補助機構18が設けられてもよい。各補助機構18は、隣り合う二つのローラ部材17の間に配置される。補助機構18は、例えばベルトコンベアにより構成されるが、この構成に限定されるものではない。各補助機構18は、対のプーリ18aと各プーリ18aに巻き掛けられるベルト18bとを備える。各補助機構18は、昇降装置(不図示)によって、上下移動可能に構成される。
以下、上記構成の製造装置1を使用して、ガラス板Gを製造する方法について説明する。
本方法は、パレットPに収容される積層体Lからガラス板Gを一枚ずつ取り出し、当該ガラス板Gを垂直姿勢で姿勢変更装置3に搬送する垂直搬送工程と、姿勢変更装置3によりガラス板Gの姿勢を変更する姿勢変更工程と、姿勢変更工程後に、ガラス板Gを水平搬送装置4に移載する移載工程と、水平搬送装置4によってガラス板Gを加工装置5へと搬送する水平搬送工程と、加工装置5による加工工程と、を備える。
垂直搬送工程において、第一垂直搬送装置2a及び第二垂直搬送装置2bは、積層体Lからガラス板Gを交互に取り出して搬送する。
垂直搬送工程は、積層体Lにおける最前面のガラス板Gを吸着パッド6で吸着して、その一部を積層体Lから引き離す吸着工程と、最前面のガラス板Gにおいて積層体Lから引き離された部分をチャック7で挟持する挟持工程とを備える。
吸着工程では、まず、図7及び図8に示すように、ベース部8の移動(接近動作R1a,R2a)により、吸着パッド6及びチャック7をそれぞれの待機位置に位置決めする。このとき、チャック7は開状態で待機させる。待機位置は、パレットP上に積層されているガラス板Gの枚数によって変更される。例えば、パレットP上からガラス板Gが取り出される度に、ベース部8が取り出されたガラス板Gの厚みに相当する距離だけ背面支持部Pb側に接近することで、待機位置は変更される。
次に、シリンダ9を縮めることにより、待機位置から吸着パッド6が後方に移動して最前面のガラス板Gの上端部Gaに前方側から接触する(図8において二点鎖線で示す)。この状態で、吸着パッド6によって最前面のガラス板Gの上端部Gaを吸着する。
その後、シリンダ9を伸ばすことにより、吸着パッド6で吸着している最前面のガラス板Gの上端部Gaが積層体Lから引き離される。吸着パッド6は、図8において実線で示すように、最前面のガラス板Gの上端部Gaを待機位置で待機しているチャック7で挟持可能な位置まで移動させる。
挟持工程では、吸着パッド6によって積層体Lから引き離されたガラス板Gの上端部Gaを、待機位置で待機しているチャック7で表裏両側から挟持する(図8において二点鎖線で示す)。
本実施形態では、吸着工程において、ガラス板Gの下端部GbをパレットPの底面支持部Paに接地させたまま、ガラス板Gの下端部Gbを支点Fとしてガラス板Gの上端部Ga全体をd方向に引き起こしている(図8参照)。このようにすれば、ガラス板Gの下端部Gbの位置を基準としてガラス板Gの上端部Gaの位置を決定できるため、チャック7に対するガラス板Gの位置決め精度が向上する。従って、複数のチャック7でガラス板Gの上端部Gaを確実に挟持できる。
チャック7でガラス板Gの上端部Gaを挟持すると、吸着パッド6の吸着が解除されると共にシリンダ9が更に伸び、吸着パッド6がガラス板Gの上端部Gaから離れる。このように吸着パッド6からチャック7にガラス板Gが引き渡されると、ガラス板Gは上端部Gaがチャック7で支持された垂直姿勢のまま、ベース部8の移動に伴って搬送される。具体的には、ベース部8は、ガラス板Gの下端部Gbを底面支持部Paから離した後、その表面に平行な方向に沿って当該ガラス板Gを姿勢変更装置3へ搬送する(往路移動R1b)。
図9及び図10に示すように、第一垂直搬送装置2aは、ガラス板Gが姿勢変更装置3の上方位置で停止する。このとき、ガラス板Gの下端部Gbは、姿勢変更装置3における受け部16の上方に位置している。この状態から、第一垂直搬送装置2aは、チャック7を開き、ガラス板Gの挟持を解除する。これにより、ガラス板Gの下端部Gbが受け部16に接触する。その後、ガラス板Gの一方の面(裏面)が送り機構14のベルト14bに接触する。第一垂直搬送装置2aは、次のガラス板Gを搬送すべく、姿勢変更装置3から離れ(退避動作R1c)、パレットPに向かって移動(復路移動R1d)する。
姿勢変更工程において、姿勢変更装置3は、第一垂直搬送装置2aからガラス板Gを受け取ると、本体フレーム12を第一姿勢から第二姿勢へと変更させる。具体的には、本体フレーム12は、図10に示す第一姿勢の位置から上昇しながら、反時計回りに回動する。これにより、本体フレーム12は、水平搬送装置4よりも上方位置で第二姿勢(水平姿勢)となる(図11参照)。図12に示すように、第二姿勢となった本体フレーム12は、その長手方向の一部が、水平搬送装置4の一部と平面視で重なり合った状態となる。以上により、ガラス板Gの姿勢は、縦置き姿勢から横置き姿勢へと変更される。その後、送り機構14及び補助機構18によって、横置き姿勢のガラス板Gを移動させる(移動工程)。
移動工程では、送り機構14が作動して、ガラス板Gを図13中の矢印Aの方向に移動させる。これにより、ガラス板Gの一部が、本体フレーム12の端部から食み出た状態となる。このとき、補助機構18は、本体フレーム12と同じ高さ位置に配置されており、ガラス板Gのうちで本体フレーム12の端部から食み出た部分は、補助機構18で支持されながら移動する。これにより、ガラス板Gの搬送方向と直交する方向(Y軸方向)の位置が、加工装置5に搬入可能な位置に調整される。
移載工程において、本体フレーム12は第二姿勢を維持し、その一部が水平搬送装置4と重なった状態のままで下降する。また、本体フレーム12の下降と共に、補助機構18も下降する。
上記の下降途中において、図13及び図14に示すように、本体フレーム12の一部、すなわち各フレーム構成部材13の一部と送り機構14の一部とが、隣り合うローラ部材17の間を通過する(正面視において重なる)こととなる。また、補助機構18も隣り合うローラ部材17の間を通過することとなる。
上記のように本体フレーム12及び補助機構18が水平搬送装置4の上方位置から下方位置へと移動することで、本体フレーム12に支持されるガラス板Gが、横置き姿勢のままで水平搬送装置4に移載される。
水平搬送装置4を通過した本体フレーム12は、水平搬送装置4の下方位置において、第一姿勢に復帰するための動作を開始する。具体的には、図15に示すように、本体フレーム12は下降しながら時計回りに回動する。これにより、本体フレーム12は、図16において実線で示すように、水平搬送装置4の下方位置から脱し、当該水平搬送装置4の側方に位置する。その後、図16において二点鎖線で示すように、本体フレーム12は上昇し、ガラス板Gを受け取り可能な待機位置(第一姿勢)へと復帰する。
図17及び図18に示すように、第一姿勢に復帰した本体フレーム12には、第二垂直搬送装置2bによって搬送されたガラス板Gが供給される。第二垂直搬送装置2bは、第一垂直搬送装置2aと同様に、パレットPからガラス板Gを取り出した後、当該ガラス板Gを垂直姿勢で姿勢変更装置3へと搬送する(図17参照)。第二垂直搬送装置2bは、姿勢変更装置3にガラス板Gを供給すると、退避動作R2c(図18参照)及び復路移動R2d(図19参照)によりパレットPに向かって移動する。
姿勢変更装置3は、第二垂直搬送装置2bからガラス板Gを受け取ると、上記のように姿勢変更工程を再度実行し、当該ガラス板Gを水平搬送装置4に移載する。
水平搬送工程において、水平搬送装置4は、ローラ部材17を回転駆動して、ガラス板Gの搬送を開始する。図17及び図19に示すように、ガラス板Gは、横置き姿勢を維持したままで、水平搬送装置4の搬送方向(X軸方向)の下流側に位置する加工装置5へと移動する。なお、移載工程を終了して水平搬送装置4の下方位置にある補助機構18は、ガラス板Gが水平搬送装置4によって搬送された後に上昇を開始し、次のガラス板Gを受け取るために、水平搬送装置4の上方位置(待機位置)へと移動する(図18参照)。
加工工程では、例えば、加工装置5により切断加工や端面加工、洗浄等が実施される。
以上説明した本実施形態に係るガラス板Gの製造方法及び姿勢変更装置3によれば、姿勢変更工程において、第二姿勢とされた本体フレーム12の一部を、水平搬送装置4の上方位置で当該水平搬送装置4に平面視において重なるように配置することで、姿勢変更装置3及び水平搬送装置4の設置面積を可及的に低減できる。また、本実施形態では、第二姿勢の本体フレーム12を下降させてガラス板Gを水平搬送装置4に移載することから、移載工程を短時間で効率よく行うことができる。したがって、本発明によれば、ガラス板Gを搬送する工程(水平搬送工程)における省スペース化と効率化とを実現できる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、水平搬送装置4としてローラコンベアを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば水平搬送装置4は、ベルトコンベアその他の搬送手段により構成され得る。また、送り機構14及び補助機構18としてベルトコンベアを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば送り機構14及び補助機構18は、ローラコンベアその他の搬送手段により構成され得る。
上記の実施形態では、複数のフレーム構成部材13を連結部材15により連結してなる本体フレーム12を例示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば本体フレーム12は、一つのフレーム構成部材13により構成され得る。また、連結部材15により連結されていない複数のフレーム構成部材13を本体フレーム12として使用してもよい。
また、上記の実施形態では、移載工程において、第二姿勢となった本体フレーム12の一部が水平搬送装置4に重なる態様を例示したが、これに限らず、本体フレーム12の全体が水平搬送装置4と重なるようにしてもよい。
上記の実施形態では、移動工程で送り機構14及び補助機構18によってガラス板Gを搬送方向と直交する方向に沿って移動させるが、移動工程を省略してもよい。また、移動工程では、送り機構14のみでガラス板Gを移動させてもよい。
上記の実施形態において、姿勢変更装置3は、垂直搬送装置2a,2bからガラス板Gを受け取るが、これに限らず、例えば、姿勢変更装置3は、ロボットアームからガラス板Gを受け取ってもよい。
3 姿勢変更装置
4 水平搬送装置
12 本体フレーム
13 フレーム構成部材
14 送り機構
17 ローラ部材
18 補助機構
G ガラス板
L 積層体
4 水平搬送装置
12 本体フレーム
13 フレーム構成部材
14 送り機構
17 ローラ部材
18 補助機構
G ガラス板
L 積層体
Claims (6)
- 姿勢変更装置によりガラス板を縦置き姿勢から横置き姿勢へと変更する姿勢変更工程と、前記横置き姿勢に変更された前記ガラス板を、前記姿勢変更装置から搬送装置に前記横置き姿勢のままで移載する移載工程と、移載された前記ガラス板を前記搬送装置により前記横置き姿勢で搬送する搬送工程と、を備えるガラス板の製造方法において、
前記姿勢変更装置は、前記ガラス板を前記縦置き姿勢から前記横置き姿勢へと変更する本体フレームを備え、
前記本体フレームは、前記ガラス板を前記縦置き姿勢で支持する第一姿勢と、前記搬送装置の上方位置で前記ガラス板を前記横置き姿勢で支持する第二姿勢と、に姿勢を変更するように、昇降可能及び回動可能に構成されており、
前記姿勢変更工程では、前記第二姿勢の前記本体フレームの少なくとも一部が、前記搬送装置の上方位置で前記搬送装置に平面視で重なるように配置され、
前記移載工程では、前記本体フレームを下降させて前記搬送装置を通過させることにより、前記本体フレームが支持する前記横置き姿勢の前記ガラス板を前記搬送装置に移載することを特徴とするガラス板の製造方法。 - 前記本体フレームは、間隔をおいて配置される複数のフレーム構成部材を備え、
前記搬送装置は、間隔をおいて配置される複数のローラ部材を備え、
前記移載工程では、前記フレーム構成部材の一部が前記ローラ部材の間を通過するように、前記第二姿勢とされた前記本体フレームを前記搬送装置の上方位置から下降させる請求項1に記載のガラス板の製造方法。 - 前記姿勢変更装置は、前記ガラス板を前記搬送装置に移載した後に、前記本体フレームを、前記搬送装置の下方で下降させながら回動させることにより前記第二姿勢から前記第一姿勢に変更する請求項2に記載のガラス板の製造方法。
- 前記姿勢変更装置は、搬送方向と直交する方向に沿って前記ガラス板を移動させる送り機構を備え、
前記姿勢変更工程を経た前記横置き姿勢の前記ガラス板を前記送り機構で移動する移動工程をさらに備える請求項2又は3に記載のガラス板の製造方法。 - 前記搬送装置は、前記送り機構による前記ガラス板の移動を補助する補助機構を備え、
補助機構は、昇降可能であり、
前記移動工程では、前記横置き姿勢の前記ガラス板の移動を補助機構で補助し、
前記移載工程では、前記第二姿勢とされた前記本体フレームと共に、前記補助機構を下降させる請求項4に記載のガラス板の製造方法。 - ガラス板を縦置き姿勢から横置き姿勢へと変更する姿勢変更装置と、前記姿勢変更装置から移載された前記横置き姿勢の前記ガラス板を搬送する搬送装置とを備えるガラス板の製造装置において、
前記姿勢変更装置は、前記ガラス板を前記縦置き姿勢から前記横置き姿勢へと変更する本体フレームと、前記本体フレームを昇降させる昇降装置と、前記本体フレームを回動させる回動装置とを備え、
前記昇降装置及び前記回動装置は、前記ガラス板を前記縦置き姿勢で支持する第一姿勢と、前記ガラス板を前記横置き姿勢で支持する第二姿勢と、に前記本体フレームの姿勢を変更するように構成され、かつ、
前記第二姿勢の前記本体フレームの少なくとも一部が、前記搬送装置の上方位置で前記搬送装置に平面視で重なる状態で、前記本体フレームを下降させて前記搬送装置を通過させることにより、前記本体フレームが支持する前記横置き姿勢の前記ガラス板を前記搬送装置に移載するように構成されてなることを特徴とするガラス板の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018036398A JP2019151435A (ja) | 2018-03-01 | 2018-03-01 | ガラス板の製造方法及び製造装置 |
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JP2018036398A JP2019151435A (ja) | 2018-03-01 | 2018-03-01 | ガラス板の製造方法及び製造装置 |
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Family Applications (1)
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JP2018036398A Pending JP2019151435A (ja) | 2018-03-01 | 2018-03-01 | ガラス板の製造方法及び製造装置 |
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2018
- 2018-03-01 JP JP2018036398A patent/JP2019151435A/ja active Pending
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