JP2019151170A - インパネリンホース及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
助手席側に配置され、前記アウターパイプの助手席側のアウター端部の内周に重なる運転席側のインナー端部を有し、前記助手席側のアウター端部と前記運転席側のインナー端部とによって二重パイプ部を形成するインナーパイプと、
前記二重パイプ部の外周に装着された装着穴縁部を有するブラケットと、を備え、
前記二重パイプ部は、前記装着穴縁部の軸方向の両側に隣接する部位に、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部が互いに密着する状態で外周側へ膨張して形成された膨張部をそれぞれ有しており、
前記膨張部における、前記装着穴縁部の端面と接触する前記アウターパイプの接触部位は、前記装着穴縁部の端面と平行に形成されている、インパネリンホースにある。
助手席側に配置され、前記アウターパイプの助手席側のアウター端部の内周に重なる運転席側のインナー端部を有し、前記助手席側のアウター端部と前記運転席側のインナー端部とによって二重パイプ部を形成するインナーパイプと、
前記二重パイプ部の外周に装着された装着穴縁部を有するブラケットと、を備え、
前記二重パイプ部は、
前記装着穴縁部の軸方向の運転席側に隣接する部位に、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部が外周側へ膨張して形成された運転席側膨張部と、
前記装着穴縁部の軸方向の助手席側に隣接する部位に、前記インナーパイプの軸方向の一部が外周側へ膨張して形成された助手席側膨張部と、を有しており、
前記運転席側膨張部における、前記装着穴縁部の端面と接触する前記アウターパイプの運転席側接触部位は、前記装着穴縁部の端面と平行に形成されており、
前記助手席側膨張部における、前記アウターパイプの端部と接触する前記インナーパイプの助手席側接触部位は、前記装着穴縁部の端面と平行に形成されている、インパネリンホースにある。
助手席側に配置され、前記アウターパイプの助手席側のアウター端部の内周に重なる運転席側のインナー端部を有し、前記助手席側のアウター端部と前記運転席側のインナー端部とによって二重パイプ部を形成するインナーパイプと、を備え、
前記二重パイプ部は、その周方向の一部又は全周に、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部が外周側へ膨張して形成された台座部を有しており、
前記台座部は、その軸方向の両側において、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部が、前記軸方向に交差する方向に沿って互いに平行な状態で接触する接触部位を有している、インパネリンホースにある。
前記インナーパイプの前記運転席側のインナー端部の外周に、前記アウターパイプの前記助手席側のアウター端部を装着して、前記二重パイプ部を形成するとともに、前記助手席側のアウター端部の外周に、前記装着穴縁部を装着する装着工程と、
前記二重パイプ部の全周において、内周側から外周側へ圧力を加え、前記二重パイプ部における、前記装着穴縁部の軸方向の両側に隣接する部位の、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部を外周側へ膨張させて、前記装着穴縁部の軸方向の両側に膨張部を形成する膨張工程と、を含む、インパネリンホースの製造方法にある。
前記第1発明の一態様のインパネリンホースにおいては、アウターパイプ及びインナーパイプの二重パイプ部における、装着穴縁部の軸方向の両側に隣接する部位に、アウターパイプの軸方向の一部及びインナーパイプの軸方向の一部が外周側へ膨張した膨張部が形成されている。この膨張部における、装着穴縁部の端面と接触するアウターパイプの接触部位は、装着穴縁部の端面と平行に形成されている。
また、膨張部の接触部位においては、アウターパイプの軸方向の一部とインナーパイプの軸方向の一部とが密着していることにより、インナーパイプに対するアウターパイプの軸方向への抜け強度を高めることもできる。
前記第1発明の他の態様のインパネリンホースは、アウターパイプの助手席側のアウター端部がブラケットの装着穴縁部と重なる位置の近傍までしか形成されていない場合において、膨張部を形成したものである。本態様における、装着穴縁部の軸方向の両側に形成された膨張部は、運転席側膨張部及び助手席側膨張部として互いに異なっている。助手席側膨張部は、アウターパイプの端部と接触するインナーパイプによって形成される。運転席側膨張部の構成は、前述した膨張部の構成と同様である。
前記第1発明のさらに他の態様のインパネリンホースにおいては、膨張部の代わりに台座部が形成されており、台座部の接触部位は、アウターパイプの軸方向の一部及びインナーパイプの軸方向の一部が、軸方向に交差する方向に沿って互いに平行な状態で接触している。そのため、本態様のインパネリンホースにおいては、台座部の形成により、インナーパイプに対するアウターパイプの軸方向への抜け強度を高めることができる。
第2発明の一態様のインパネリンホースの製造方法においては、装着工程及び膨張工程を行って、アウターパイプ、インナーパイプ、及びブラケットの装着穴縁部が三重に重なった状態で、装着穴縁部の軸方向の両側に膨張部を形成する。そして、膨張部の形成によって、アウターパイプ、インナーパイプ及びブラケットの3部品を同時に組み付けることができる。
<実施形態1>
本形態のインパネリンホース1は、図1及び図2に示すように、アウターパイプ2、インナーパイプ3及び第1ブラケット5A等を備える。アウターパイプ2は、運転席側D1に配置される。インナーパイプ3は、助手席側D2に配置される。インナーパイプ3は、アウターパイプ2の助手席側D2のアウター端部202の内周に重なる運転席側D1のインナー端部301を有する。助手席側D2のアウター端部202と運転席側D1のインナー端部301とによって二重パイプ部4が形成されている。第1ブラケット5Aは、二重パイプ部4の外周に装着された装着穴縁部51を有する。
図1に示すように、インパネリンホース1は、自動車の車体における車室内の前方に配置されたインストルメントパネル(インパネ)を、車室内から見たときの裏側から支持するためのフレームとして使用される。また、インパネリンホース1は、操舵装置の一部であるステアリングコラム11を支持するためのフレームとしても使用される。インパネリンホース1の両端部は、車体の左右の側部に取り付けられる。インパネリンホース1は、ステアリングサポートビームとも呼ばれる。アウターパイプ2、インナーパイプ3、第1ブラケット5A等は、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属材料、又はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)によって構成される。
図1に示すように、アウターパイプ2は、インパネリンホース1の全長において、ステアリングコラム11が配置される運転席側D1の部位の強度を高めるために、運転席側D1に配置される。二重パイプ部4は、アウターパイプ2の全体においては形成されておらず、アウターパイプ2の助手席側D2のアウター端部202にのみ形成されている。また、アウターパイプ2は、車体の車幅方向において、ステアリングコラム11に対向する位置に配置される。アウターパイプ2は、インナーパイプ3の外周に重なって二重パイプ部4を形成する小径部21と、小径部21よりも拡径して小径部21の運転席側D1に隣接して形成された大径部22とを有する。
インナーパイプ3は、インパネリンホース1の全長において、助手席側D2に配置される。インナーパイプ3は、アウターパイプ2に比べて長く形成されている。
図1に示すように、本形態のインパネリンホース1は、複数のブラケット5A,5B,5C,5Dを有する。インパネリンホース1は、二重パイプ部4に取り付けられた第1ブラケット5A、アウターパイプ2の運転席側D1のアウター端部201に取り付けられた第2ブラケット5B、アウターパイプ2の大径部22の外周に取り付けられた第3ブラケット5C、及びインナーパイプ3の助手席側D2のインナー端部302に取り付けられた第4ブラケット5Dを備える。第1ブラケット5Aは、車体の車室内の前方に位置するフレーム12に固定される。第2ブラケット5B及び第4ブラケット5Dは、車体の左右の側部に位置するフレーム12に固定される。第3ブラケット5Cには、ステアリングコラム11が固定される。
図2及び図3に示すように、本形態の第1膨張部41は、装着穴縁部51のテーパ面511X,512Xに接触するアウターパイプ2の接触部位411の面積が大きくなるようにしたものである。そして、アウターパイプ2の接触部位411は、装着穴縁部51のテーパ面511X,512Xに平行な状態で接触する。また、第1膨張部41は、アウターパイプ2及びインナーパイプ3の周方向Cの全周に亘って形成されている。
図1に示すように、第2膨張部42は、アウターパイプ2の軸方向Dの一部であって第2ブラケット5Bの軸方向Dの両側に隣接する部位が外周側へ膨張して形成されたものである。第3膨張部43は、アウターパイプ2の軸方向Dの一部であって第3ブラケット5Cの軸方向Dの両側に隣接する部位が外周側へ膨張して形成されたものである。第4膨張部44は、インナーパイプ3の軸方向Dの一部であって第4ブラケット5Dの軸方向Dの両側に隣接する部位が外周側へ膨張して形成されたものである。
図4〜図6に示すように、インパネリンホース1の成形装置6は、アウターパイプ2及びインナーパイプ3の部分拡径加工を行うものである。そして、この部分拡径加工により、アウターパイプ2とインナーパイプ3とが互いに嵌合されるとともに、アウターパイプ2及びインナーパイプ3の少なくとも一方への第1〜第4ブラケット5A,5B,5C,5Dの取り付けも行われる。
インパネリンホース1を製造するに当たっては、成形前のアウターパイプ2(パイプ材料)と、成形前のインナーパイプ3(パイプ材料)と、第1〜第4ブラケット5A,5B,5C,5Dとを準備する。そして、装着工程においては、インナーパイプ3の運転席側D1のインナー端部301の外周に、アウターパイプ2の助手席側D2のアウター端部202を装着して、二重パイプ部4を形成する。
本形態のインパネリンホース1においては、第1ブラケット5Aの装着穴縁部51の軸方向Dの両側に、二重パイプ部4の第1膨張部41が形成されている。この第1膨張部41における、装着穴縁部51のテーパ面511X,512Xと接触するアウターパイプ2の接触部位411は、装着穴縁部51のテーパ面511X,512Xと平行に形成されている。また、アウターパイプ2の接触部位411に接触するインナーパイプ3の接触部位414も、装着穴縁部51のテーパ面511X,512X及びアウターパイプ2の接触部位411と平行に形成されている。
また、第1膨張部41の各接触部位411,414においては、アウターパイプ2の軸方向Dの一部とインナーパイプ3の軸方向Dの一部とが密着していることにより、インナーパイプ3に対するアウターパイプ2の軸方向Dへの抜け強度を高めることもできる。
本形態のインパネリンホース1は、図10に示すように、アウターパイプ2の助手席側D2のアウター端部202が第1ブラケット5Aの装着穴縁部51と重なる位置の近傍までしか形成されていない場合において、第1膨張部41A,41Bを形成したものである。本形態の第1ブラケット5Aの装着穴縁部51の軸方向Dの運転席側D1に位置する運転席側第1膨張部41Aは、アウターパイプ2及びインナーパイプ3に形成されている。運転席側第1膨張部41Aは、装着穴縁部51の軸方向Dの運転席側D1に隣接する部位において、アウターパイプ2の軸方向Dの一部及びインナーパイプ3の軸方向Dの一部が外周側へ膨張して形成されている。
本形態のインパネリンホース1においては、図11に示すように、第1ブラケット5Aの装着穴縁部51の軸方向Dの両側に位置する第1膨張部41が、二重パイプ部4の周方向Cにおける複数箇所に分散して形成されている。本形態の分散型の第1膨張部41は、実施形態1のインパネリンホース1に適用した場合を示す。図示は省略するが、本形態のインパネリンホース1の製造方法において用いられる成形型の成形面には、周方向Cの複数箇所に分散された第1膨張部41を形成するための凹部が形成されている。
本形態のインパネリンホース1においては、図12及び図13に示すように、種々の小物部品5Eが、二重パイプ部4に形成された台座部45に取り付けられる。二重パイプ部4においては、台座部45によって、アウターパイプ2とインナーパイプ3とが固定される。
また、図14に示すように、装着穴縁部51の軸方向Dの一方側に隣接する第1膨張部41は、平行部位412を有する形状に形成し、装着穴縁部51の軸方向Dの他方側に隣接する第1膨張部41は、平行部位412を有しない形状に形成してもよい。この場合、平行部位412には、小物部品5E等を取り付けることができる。
2 アウターパイプ
3 インナーパイプ
4 二重パイプ部
41 第1膨張部(膨張部)
411 接触部位
412 平行部位
45 台座部
451 接触部位
452 被取付部
5A 第1ブラケット(ブラケット)
51 装着穴縁部
511X,512X テーパ面
Claims (11)
- 運転席側に配置されるアウターパイプと、
助手席側に配置され、前記アウターパイプの助手席側のアウター端部の内周に重なる運転席側のインナー端部を有し、前記助手席側のアウター端部と前記運転席側のインナー端部とによって二重パイプ部を形成するインナーパイプと、
前記二重パイプ部の外周に装着された装着穴縁部を有するブラケットと、を備え、
前記二重パイプ部は、前記装着穴縁部の軸方向の両側に隣接する部位に、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部が互いに密着する状態で外周側へ膨張して形成された膨張部をそれぞれ有しており、
前記膨張部における、前記装着穴縁部の端面と接触する前記アウターパイプの接触部位は、前記装着穴縁部の端面と平行に形成されている、インパネリンホース。 - 前記装着穴縁部の軸方向の両側の端面には、内周側に向かうほど前記装着穴縁部の軸方向の幅を小さくするテーパ面が形成されており、
前記アウターパイプの接触部位は、前記テーパ面に密着して前記テーパ面と平行に形成されており、
前記アウターパイプの接触部位に接触する前記インナーパイプの接触部位は、前記装着穴縁部の前記テーパ面及び前記アウターパイプの接触部位と平行に形成されている、請求項1に記載のインパネリンホース。 - 前記膨張部を形成する、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部は、前記軸方向に平行な平行部位として形成されている、請求項1又は2に記載のインパネリンホース。
- 前記膨張部は、前記二重パイプ部の周方向における複数箇所に分散して形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインパネリンホース。
- 運転席側に配置されるアウターパイプと、
助手席側に配置され、前記アウターパイプの助手席側のアウター端部の内周に重なる運転席側のインナー端部を有し、前記助手席側のアウター端部と前記運転席側のインナー端部とによって二重パイプ部を形成するインナーパイプと、
前記二重パイプ部の外周に装着された装着穴縁部を有するブラケットと、を備え、
前記二重パイプ部は、
前記装着穴縁部の軸方向の運転席側に隣接する部位に、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部が外周側へ膨張して形成された運転席側膨張部と、
前記装着穴縁部の軸方向の助手席側に隣接する部位に、前記インナーパイプの軸方向の一部が外周側へ膨張して形成された助手席側膨張部と、を有しており、
前記運転席側膨張部における、前記装着穴縁部の端面と接触する前記アウターパイプの運転席側接触部位は、前記装着穴縁部の端面と平行に形成されており、
前記助手席側膨張部における、前記アウターパイプの端部と接触する前記インナーパイプの助手席側接触部位は、前記装着穴縁部の端面と平行に形成されている、インパネリンホース。 - 前記装着穴縁部の軸方向の両側の端面には、内周側に向かうほど前記装着穴縁部の軸方向の幅を小さくするテーパ面が形成されており、
前記アウターパイプの運転席側接触部位は、前記テーパ面と密着して前記テーパ面と平行に形成されており、
前記アウターパイプの運転席側接触部位に接触する前記インナーパイプの運転席側接触部位は、前記装着穴縁部の前記テーパ面及び前記アウターパイプの運転席側接触部位と平行に形成されている、請求項5に記載のインパネリンホース。 - 前記運転席側膨張部を形成する、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部は、前記軸方向に平行な平行部位として形成されており、
前記助手席側膨張部を形成する、前記インナーパイプの軸方向の一部は、前記軸方向に平行な平行部位として形成されている、請求項5又は6に記載のインパネリンホース。 - 前記運転席側膨張部及び前記助手席側膨張部は、前記二重パイプ部の周方向における複数箇所に分散して形成されている、請求項5〜7のいずれか1項に記載のインパネリンホース。
- 運転席側に配置されるアウターパイプと、
助手席側に配置され、前記アウターパイプの助手席側のアウター端部の内周に重なる運転席側のインナー端部を有し、前記助手席側のアウター端部と前記運転席側のインナー端部とによって二重パイプ部を形成するインナーパイプと、を備え、
前記二重パイプ部は、その周方向の一部又は全周に、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部が外周側へ膨張して形成された台座部を有しており、
前記台座部は、その軸方向の両側において、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部が、前記軸方向に交差する方向に沿って互いに平行な状態で接触する接触部位を有している、インパネリンホース。 - 前記台座部は、前記二重パイプ部の周方向における複数箇所に分散して形成されている、請求項9に記載のインパネリンホース。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のインパネリンホースを製造する方法であって、
前記インナーパイプの前記運転席側のインナー端部の外周に、前記アウターパイプの前記助手席側のアウター端部を装着して、前記二重パイプ部を形成するとともに、前記助手席側のアウター端部の外周に、前記装着穴縁部を装着する装着工程と、
前記二重パイプ部の全周において、内周側から外周側へ圧力を加え、前記二重パイプ部における、前記装着穴縁部の軸方向の両側に隣接する部位の、前記アウターパイプの軸方向の一部及び前記インナーパイプの軸方向の一部を外周側へ膨張させて、前記装着穴縁部の軸方向の両側に膨張部を形成する膨張工程と、を含む、インパネリンホースの製造方法。
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