JP2019140956A - 製麺用ミックス粉、それを用いた麺及びその製造方法 - Google Patents

製麺用ミックス粉、それを用いた麺及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 小麦粉や小麦由来のグルテンを使用することなく、うるち米粉、甘藷粉、大豆粉、バナナ澱粉、もち米粉を使用して、小麦アレルギー罹患者及び予備軍の人達が安心して食することができ、しかも、毎日飽きずに食せるようなおいしいグルテンフリー麺を提供すること。【解決手段】 うるち米粉、甘藷粉、脱皮生大豆粉、バナナ澱粉粉末、もち米粉を所定の配合量含有し、小麦及びグルテンを含まない製麺用ミックス粉;当該ミックス粉に対して、蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液を加えて混練することにより生地を得る工程(生地混練工程)と、当該得られた生地を線状に成形した後に、加熱処理することにより麺を得る工程(麺成形工程)と、を含むことを特徴とする、麺の製造方法;並びに、それにより製造されたグルテンフリー麺;を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、米粉を主原料とし、小麦及びグルテンを含まないミックス粉、並びにそれを用いた麺とその製造方法に関するものである。
米等の消費を拡大して日本の食糧自給率を向上することや、小麦グルテンによるアレルギー症状を防止することなどを目的とする、グルテンフリー麺及びその他の加工食品は公知である。
例えば、特許文献1には、主原料粉として米粉やトウモロコシ粉を含むグルテンフリー穀粉を使用し、これに補充的つなぎ成分としてアルファ化穀粉/アルファ化澱粉や増粘剤/増粘多糖類のうち少なくとも1つを混合し、加水して原料を調製することによる、グルテンフリー麺の製造方法が開示されている。
しかし、特許文献1には、脱皮生大豆粉や甘藷粉、バナナ澱粉、糯粉を原料として用いることは開示されていない。
例えば、特許文献2には、発芽玄米粉にコンニャクイモ抽出物(グルコマンナン)又はこんにゃく粉を含有させた、製パン用の発芽玄米ミックス粉が開示されている。
しかし、特許文献2にも、脱皮生大豆粉や甘藷粉、バナナ澱粉、糯粉を原料として用いることは開示されていない。また、特許文献2は製パン用ミックス粉に関する発明であり、製麺に用いることは開示していない。
上記のような公知のグルテンフリーの麺及びその他の加工食品は、米粉又は大豆粉に増粘剤を添加して製造するものが主流であるが、小麦粉又はグルテンを用いて製造した食品とは食感が異なるため、おいしくなく、毎日食べ続けることが難しいものが多い。
特開2017-169589号公報 特開2012-69号公報
本発明は、小麦粉や小麦由来のグルテンを使用することなく、うるち米粉,甘藷粉,大豆粉,バナナ澱粉,もち米粉を使用し、小麦アレルギー罹患者及び予備軍の人達が安心して食せる加工食品を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、公知のグルテンフリー麺及びその他の加工食品と比較して、毎日飽きずに食せるようなおいしい加工食品を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は、うるち米粉、甘藷粉、及び脱皮生大豆粉を含有し、小麦及びグルテンを含まない製麺用ミックス粉であって、
前記うるち米粉に対する前記甘藷粉の配合比(質量比)が1:0.84〜1.06であり、かつ、
前記ミックス粉における脱皮生大豆粉の配合量(質量比)が17〜28%であることを特徴とする、製麺用ミックス粉に関するものである。

請求項2に係る本発明は、さらにバナナ澱粉粉末を4.5〜7.5%(質量比)含有する、請求項1に記載の製麺用ミックス粉に関するものである。

請求項3に係る本発明は、さらにもち米粉を0.01〜0.6%(質量比)含有する、請求項1又は2に記載の製麺用ミックス粉に関するものである。

請求項4に係る本発明は、さらにコーンスターチを4.5〜7.5%(質量比)含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の製麺用ミックス粉に関するものである。

請求項5に係る本発明は、さらに上記以外の原料として、穀物粉、澱粉又は機能性食品を1〜20%(質量比)含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の製麺用ミックス粉に関するものである。

請求項6に係る本発明は、小麦及びグルテンを含まない麺の製造方法であって、
請求項1〜5のいずれかに記載の製麺用ミックス粉に対して、蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液を加えて混錬することにより生地を得る工程;
当該得られた生地を線状に成形した後に、加熱処理することにより麺を得る工程;
を含むことを特徴とする、麺の製造方法に関するものである。

請求項7に係る本発明は、前記蒟蒻粉の水溶液が、水に対して0.1〜0.2%(質量比)の蒟蒻粉を溶解させたものであり、前記増粘多糖類の水溶液が、水に対して0.1〜0.2%(質量比)の増粘多糖類を溶解させたものである、請求項6に記載の方法に関するものである。

請求項8に係る本発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の製麺用ミックス粉に対して、蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液を、加水率43.8〜44.4%となるように加えるものである、請求項6又は7に記載の方法に関するものである。

請求項9に係る本発明は、請求項6〜8のいずれかに記載の方法により得られた、小麦及びグルテンを含まない麺に関するものである。
本発明によれば、小麦粉や小麦由来のグルテンを使用することなく、うるち米粉,甘藷粉,大豆粉,バナナ澱粉,もち米粉を特定の配合量で使用して加工食品を製造することにより、小麦アレルギーを心配することなく、毎日飽きずに安心して食せるおいしい加工食品を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[グルテンフリーミックス粉]
本発明に係る製麺用ミックス粉は、うるち米粉、甘藷粉、及び脱皮生大豆粉を主原料として含有し、小麦及びグルテンを含まないことを特徴とするものである。
本発明においてうるち米粉としては、生のうるち米を粉砕、粉末化したものを用いることができる。
うるち米の種類は特に限定されない。
また、うるち米粉の粒径も特に限定されるものではないが、粒径80μm以下のものが好ましい。
本発明において甘藷粉としては、生のサツマイモを乾燥させて粉砕、粉末化したものを用いることができる。
サツマイモの種類は特に限定されないが、皮を剥いたものを用いることが好ましい。
また、甘藷粉の粒径も特に限定されるものではないが、粒径30μm以下のものが好ましい。
本発明のミックス粉における米粉と甘藷粉の配合は、米粉に対する甘藷粉の配合比(質量比)が1:0.84〜1.06、好ましくは1:0.89〜1.0となるように設定することができる。
また、好ましくはミックス粉における米粉の配合量(質量比)を34〜38%とすることができ、より好ましくは35〜37%とすることができる。
また、好ましくはミックス粉における甘藷粉の配合量(質量比)を32〜36%とすることができ、より好ましくは33〜35%とすることができる。
米粉と甘藷粉の配合量を上記のように設定することにより、従来のグルテンフリー麺の課題であった麺の太さのばらつきを改善し、概ね均一な太さのグルテンフリー麺を製造することができる。
本発明において脱皮生大豆粉としては、脱皮した(種皮を除去した)生の大豆を粉砕、粉末化したものを用いることができる。
本発明では、脱皮生大豆粉に含まれる植物性蛋白質の熱凝固作用を利用して、加熱処理により製麺を行う。
大豆の種類は、脱皮した生の大豆であれば海外産、国産等の限定なく使用することができる。
また、脱皮生大豆粉の粒径も特に限定されるものではないが、粒径100μm以下のものが好ましい。
本発明のミックス粉における脱皮生大豆粉の配合量(質量比)は17〜28%とすることができ、好ましくは20〜27%、より好ましくは23〜25%である。
脱皮生大豆粉の配合量(質量比)が上記の下限値より少ないと麺としての形状を保つことが難しくなるため好ましくなく、上記の上限値より多いと麺がべたついて食感が悪くなるため、やはり好ましくない。
これは、麺線を押出成形した後に加熱することで、未加熱の大豆蛋白質が熱変性して凝固し、麺のつなぎ成分として機能しているためと考えられる。
本発明のミックス粉においては、上記の主原料のほかに、バナナ澱粉粉末(以下、単に「バナナ澱粉」ということもある。)を用いることができる。
本発明においてバナナ澱粉とは、青バナナから抽出した澱粉を乾燥させて粉末化したものを用いることができる。
バナナ澱粉は、他の澱粉と比べて溶解性が非常に低く溶けにくい性質の澱粉であるため、これを用いてグルテンフリー麺及びその他の加工食品を製造した場合に、調理後の粉っぽさが消え、抜群に食感がよいものとなる。
本発明のミックス粉におけるバナナ澱粉の配合量(質量比)は4.5〜7.5%とするのが好ましく、5.5〜6.5%とするのがより好ましい。
バナナ澱粉の配合量(質量比)が上記の下限値より少ないと麺に弾力が無く、伸び易い麺となるため好ましくなく、上記の上限値より多いと弾力はあるが伸びにくさに大差なく、食感が悪い麺となるため、やはり好ましくない。
本発明のミックス粉においては、コーンスターチを用いることができる。
コーンスターチは、バナナ澱粉よりは溶解性が高いものの、他の澱粉と比べて溶解性に劣るため、弾力があって伸びにくく、ゆで汁が白濁しにくく、かつ、食感の良いグルテンフリー麺を製造することができる。
本発明のミックス粉におけるコーンスターチの配合量(質量比)は4.5〜7.5%とするのが好ましく、5.5〜6.5%とするのがより好ましい。
コーンスターチはバナナ澱粉の代わりに単体で用いることもできるが、バナナ澱粉よりは溶解性が高いため、コーンスターチ単体で用いるよりもバナナ澱粉と併用することにより、より食感の良いグルテンフリー麺を製造することができる。
バナナ澱粉とコーンスターチを併用する場合も、ミックス粉におけるそれぞれの好ましい配合量(質量比)は、上記と同様である。
本発明のミックス粉においては、上記の原料のほかにもち米粉(以下、単に「もち粉」ということもある。)を用いることによって、もちもち感のある美味しいグルテンフリー麺を製造することができる。
本発明においてもち粉としては、生のもち米を粉砕、粉末化したものを用いることができる。
もち米の種類は特に限定されない。
また、もち粉の粒径も特に限定されるものではないが、粒径80μm以下のものが好ましい。
本発明のミックス粉におけるもち粉の配合量(質量比)は0.01〜0.6%とすることができ、0.2〜0.6%とするのが好ましい。
もち粉の配合量(質量比)が上記の上限値より多いと、粘りが強すぎて吐出バランスが悪くなり、麺の太さにばらつきが出るので好ましくない。
本発明のミックス粉においては、上記の原料のほかに、必要に応じて食塩を用いてもよい。
本発明において食塩としては、塩化ナトリウム含量が99%以上である精製塩、天日塩や粗塩といった粗製塩、などが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
本発明のミックス粉においては、本発明の効果を阻害しない限度において、上記以外の原料や添加物を用いてもよい。
上記以外の原料としては、小麦及びグルテンを含まないものであれば特に制限はないが、例えば穀物粉や澱粉、機能性食品などが挙げられる。
また、その配合量も本発明の効果を阻害しない限り特に制限はないが、例えば1〜20%(質量比)とすることができる。
本発明において穀物粉としては、小麦以外であり、グルテンを含まない穀物、例えばキヌア等を粉砕、粉末化したものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらの穀物粉は、1種のみを用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
本発明において、上記したバナナ澱粉、コーンスターチ以外の澱粉としては、例えばタピオカ(キャッサバ澱粉)、さご澱粉、蓮根澱粉等の粉末を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらの澱粉は、1種のみを用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
本発明において機能性食品としては、豆乳粉などの大豆加工品、桑粉のデオキシリノジリマイシンなどの血糖値上昇抑制物質、難消化性デキストリンなどの食物繊維、等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらの機能性食品は、1種のみを用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
本発明のミックス粉に用い得る添加物としては、グルテンを含まないものであれば特に制限はないが、例えば増粘剤、増粘多糖類などが挙げられる。
また、その配合量も本発明の効果を阻害しない限り特に制限はないが、例えば0.1〜0.2%(質量比)とすることができる。
上記の原料(及び必要であれば上記の添加物)を混合、撹拌することにより、本発明のグルテンフリーミックス粉を得ることができる。
なお、混合、撹拌する手段は特に限定されず、例えば食品用の一般的なミキサー、混練機などを用いることができる。
上記のようにして得られた本発明のグルテンフリーミックス粉は、製麺用でありグルテンフリー麺の製造に専ら用いられるものであるが、餃子やピザ、お好み焼き、たこ焼き、クレープ、ナンその他の多種多様な加工食品の製造に用いることもできる。
本発明のミックス粉を用いて製造した加工食品は、小麦粉を使用した従来の加工食品と比較して、具材の風味がより鮮明に感じられると共に、食後に胸やけせずにさっぱりとした食感が得られる、といった優れた効果が得られる。
[製麺方法]
本発明に係る小麦及びグルテンを含まない麺(グルテンフリー麺)の製造方法は、
上記した本発明のミックス粉に対して、蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液を加えて混練することにより生地を得る工程(生地混練工程);
当該得られた生地を線状に成形した後に、加熱処理することにより麺を得る工程(麺成形工程);
を含むことを特徴とする。
本発明の製麺方法では、はじめに、本発明のグルテンフリーミックス粉に対して、蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液(ゲル)を加えて混練することにより生地を得る「生地混練工程」を行う。
本発明において蒟蒻粉はアルコール洗浄したものであり、コンニャクイモの種類は特に限定されない。
また、蒟蒻粉の粒径も特に限定されるものではない。
本発明において増粘多糖類としては、特に制限なくいずれの種類でも用いることができ、例えばキサンタンガム、ローカストビーンガムなどが挙げられる。
なお、これらの増粘多糖類は、複数種を混合して用いることが好ましい。
複数種類の増粘多糖類を用いる場合の混合比は特に限定されるものではなく、例えば市販されている混合品を用いることもできる。
上記の蒟蒻粉又は増粘多糖類は、水と混合して水溶液(ゲル)として、ミックス粉に加える(加水する)。
ここで、水としては真水又は塩水を用いることができ、塩水の食塩濃度は1〜1.5%(質量比)の範囲内で用途に応じて設定することができる。
また、水は常温のものを用いればよい。
本発明において、蒟蒻粉の水溶液(ゲル)は、水に対して0.1〜0.2%、好ましくは0.13〜0.17%、最も好ましくは0.14〜0.16%(いずれも質量比)の蒟蒻粉を溶解させたものとすることができる。
また、本発明において、増粘多糖類の水溶液(ゲル)は、水に対して0.1〜0.2%、好ましくは0.12〜0.18%、最も好ましくは0.14〜0.16%(いずれも質量比)の増粘多糖類を溶解させたものとすることができる。
蒟蒻粉又は増粘多糖類の含有量が上記の上限値より多いと、粘度が高すぎてミックス粉と混合し難いため好ましくなく、上記の下限値より少ないと、粘度が低すぎるため、やはり好ましくない。
本発明において、ミックス粉に対する蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液(ゲル)の添加量(加水率)は43.5〜44.5%とすることができ、好ましくは43.8〜44.3%であり、最も好ましくは44%(いずれも質量比)である。なお、加水率44%とは、ミックス粉100gに対して蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液(ゲル)を44g添加することを指す。
加水率が上記の上限値より高いと生地硬度が低くなるため好ましくなく、上記の下限値より少ないと生地硬度が高くなるため、やはり好ましくない。
上記のように、ミックス粉に蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液(ゲル)を加えた(加水した)後は、これらを混練して生地状とする。
ここで、混練する手段は特に限定されず、例えば食品用の一般的なミキサー、混練機などを用いることができる。
また、混練する際の温度条件としては、好ましくは28〜31℃、特に好ましくは29〜30℃である。
上記の上限値より温度が高い場合は生地の粘度および硬度が低くなり過ぎるため好ましくなく、また、上記の下限値より温度が低い場合は生地の粘度および硬度が高くなり過ぎて麺を均一に押し出すことができない(吐出バランスが悪くなる)ため、やはり好ましくない。
本発明においては、このようにして原料を混練することにより、小麦及びグルテンを一切含有しない(グルテンフリーの)麺生地を得ることができる。
なお、上記の方法で得られた本発明の生地は、製麺用でありグルテンフリー麺の製造に専ら用いられるものであるが、一般的に小麦粉を用いて製造される様々な加工食品(餃子やピザ、お好み焼き、たこ焼き、クレープ、ナンなど)の製造にも用いることができる。
麺以外の加工食品を製造する場合、加水する水溶液(ゲル)は、水に対して蒟蒻粉では0.15%程度、増粘多糖類では0.2%程度(いずれも質量比)を溶解させたものとすることができる。
また、麺以外の加工食品を製造する場合、加水する水溶液(ゲル)として、水に対して、0.2〜0.3%(質量比)の蒟蒻粉と1〜1.5%(質量比)の食塩を溶解させた水溶液(ゲル)を用いることもできる。
続いて、本発明の製麺方法においては、上記の生地混練工程により得られた生地を線状に成形した後に、加熱処理することにより麺を得る「麺成形工程」を行う。
まず、生地を線状に成形して麺線を得るが、その方法としては、例えば押出機を用いて生地を多孔ノズルから吐出する方法や、麺帯を形成して線状に切り出す方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、麺線の形状は特に限定されず、一般的な麺の形状であれば、パスタにも平打ち麺にも問題なく適用することができる。
上記配合のミックス粉及び蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液(ゲル)と加水率を採用することにより、従来のグルテンフリー麺において懸案であった多孔ノズルからの吐出バランスを改善し、押出機を用いた場合にも概ね均一な太さの麺を製造することが可能となった。
本発明においては、上記のようにして得た麺線を加熱処理することにより、大豆蛋白質の熱凝固作用を利用した「つなぎ効果」を発揮させる。
つまり、本発明における加熱処理は、大豆蛋白質が熱変性(凝固)を起こす温度条件である78℃以上、好ましくは80〜90℃で行うことが必要である。
また、加熱処理時間については、温度条件によって異なるが、通常は50秒〜100秒とすることができる。
ここで、加熱処理の方法は特に限定されないが、例えば過熱水蒸気を用いる方法、熱水中で茹でる方法などを用いることができる。
このようにして麺線を加熱処理することにより、本発明に係るグルテンフリー麺を得ることができる。
本発明の製麺方法においては、必要に応じて、さらに乾燥処理工程を設けることができる。
乾燥処理を行って、グルテンフリー麺に含まれる水分を減少させることで、品質劣化を防ぐことができる。
乾燥処理条件としては特に制限はなく、通常の乾麺の製造条件と同様とすることができる。
[グルテンフリー麺]
本発明は、上記の本発明の製麺方法により製造された、小麦及びグルテンを一切含有しない(グルテンフリーの)麺を提供するものである。
本発明のグルテンフリー麺は、上記の配合と製法を採用することにより、従来の米粉麺にはない好ましい食感(もちもち感、ツルツル感、喉ごしの良さ)を有し、かつ、弾力があって伸びにくい、という優れた特徴を備えており、小麦アレルギー罹患者などが毎日食しても飽きないような美味しい麺である。
また、本発明のグルテンフリー麺は、うどんやパスタ、中華麺などとして幅広い料理に用いることができる。
なお、本発明の方法により得られたグルテンフリーの生地は、前述したように、麺以外の様々な加工食品の製造にも用いることができる。
その場合の各加工食品の製造方法は、従来の方法と同様とすることができる。
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例A)
米粉36%,甘藷粉34%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,を混練ミキサーにて攪拌し、ミックス粉を得た。
なお、米粉はうるち米を粉末化したものであり、甘藷粉は生のサツマイモを乾燥させて粉末化したものであり、バナナ澱粉は青バナナから抽出した澱粉を乾燥させて粉末化したものであり、それぞれ市販品を使用した。
次に、水に対して蒟蒻粉0.15(w/w)%を溶解させて水溶液(ゲル)を調製し、上記で得られたミックス粉に対して44(w/w)%の上記水溶液(ゲル)を加え(加水し)、混練ミキサーにて練り上げることにより麺生地(温度29〜30℃)を作製した。
なお、蒟蒻粉はアルコール洗浄したものであり、市販品を使用した。
次工程として、上記で得られた麺生地をロータリー式粘体定量押出機に投入し、扇状多孔ノズル(2.7φ×30孔)より押し出した。
多孔ノズルから吐出した麺線を加熱ラインSUSコンベアに展開し、下記の条件で加熱することによりグルテンフリー麺を製造した。
(加熱条件)
ライン長4m 速度50秒〜100秒
炉内設定温度 170℃
蒸気温度 150℃
麺出口温度 78〜82℃
上記の配合を採用したことにより多孔ノズルからの吐出バランスが改善し、従来のグルテンフリー麺における課題であった麺の太さのばらつきが極小になった。
また、上記で得られたグルテンフリー麺を沸騰水中で約2分間茹で、3名による官能評価を実施した。
その結果、実施例Aのグルテンフリー麺は、喉ごし、ツルツル感に優れ、もちもちした食感を有し、しかも伸びにくい、おいしい麺であった。また、ゆで汁中に澱粉が溶け出すこともなかった。
官能評価の結果は、下記の基準に基づき5点満点で評価した点数の平均値で示した(表1)。
(喉ごし)
5点:喉ごしが非常に良い
4点:喉ごしが良い
3点:どちらとも言えない
2点:喉ごしが悪い
1点:喉ごしが非常に悪い
(もちもち感)
5点:もちもちした食感を強く感じる
4点:もちもちした食感を感じる
3点:どちらとも言えない
2点:もちもちした食感をあまり感じない
1点:もちもちした食感を全く感じない
(ツルツル感)
5点:ツルツルした食感を強く感じる
4点:ツルツルした食感を感じる
3点:どちらとも言えない
2点:粉っぽい食感を感じる
1点:粉っぽい食感を強く感じる
(ゆで汁溶けだし)
5点:麺の澱粉はほとんど溶けだしておらず、ゆで汁はほぼ透明である
4点:麺の澱粉はあまり溶けだしておらず、ゆで汁はやや濁っている
3点:麺の澱粉は多少溶けだしており、ゆで汁は多少白濁している
2点:麺の澱粉が溶けだしており、ゆで汁は白濁している
1点:麺の澱粉が多く溶けだしており、ゆで汁は真っ白に濁っている
(麺伸びやすさ)
5点:麺が非常に伸びにくい
4点:麺が伸びにくい
3点:どちらとも言えない
2点:麺が伸びやすい
1点:麺が非常に伸びやすい
(吐出バランス)
5点:多孔ノズルから吐出した麺の太さがほぼ均一である
4点:多孔ノズルから吐出した麺の太さがある程度均一である
3点:どちらとも言えない
2点:多孔ノズルから吐出した麺の太さにある程度ばらつきがある
1点:多孔ノズルから吐出した麺の太さにばらつきがある
<米粉・甘藷粉配合比の検討>
(実験例A1)
ミックス粉の配合を米粉60%,甘藷粉10%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、喉ごし、ツルツル感が劣り、もちもち感も多少足りなかった。また、吐出バランスが悪く麺の太さにばらつきがでた(表1)。
(実験例A2)
ミックス粉の配合を米粉50%,甘藷粉20%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、食感及び喉ごしは少し劣っていた。また、吐出バランスが悪く麺の太さにばらつきがでた(表1)。
(実験例A3)
ミックス粉の配合を米粉34%,甘藷粉36%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、もちもち感が多少足りないが美味しかった。吐出バランスなど他の点においては実施例Aと同程度によかった(表1)。
(実験例A4)
ミックス粉の配合を米粉38%,甘藷粉32%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、喉越しが多少良くないが美味しかった。吐出バランスなど他の点においては実施例Aと同程度によかった(表1)。
(実験例A5)
ミックス粉の配合を米粉20%,甘藷粉50%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、食感及び喉ごしは少し劣っていた。また、吐出バランスが悪く麺の太さにばらつきがでた(表1)。
(実験例A6)
ミックス粉の配合を米粉10%,甘藷粉60%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、食感及び喉ごし、もちもち感が劣っていた。また、吐出バランスが悪く麺の太さにばらつきがでた(表1)。
Figure 2019140956
*:単位は質量%
以上の結果から、米粉に対する甘藷粉の配合比(質量比)を(米粉:甘藷粉)=34〜38:36〜32=1:0.84〜1.06とすることによって、従来のグルテンフリー麺の課題であった麺の太さのばらつき(吐出バランス)を改善し、均一な太さのグルテンフリー麺を製造できることが示された。
また、上記の配合比を採用したグルテンフリー麺は、もちもち感、ツルツル感に優れ、喉ごしが良く、伸びにくい麺となることが分かった。
<各種澱粉源の比較>
バナナ澱粉とコーンスターチ、馬鈴薯澱粉はいずれも麺のツルツル感を出してくれるため、以下の比較試験を行った。
すなわち、バナナ澱粉の代わりに同量のコーンスターチ又は馬鈴薯澱粉を用いたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
次に、出来上がったそれぞれの麺を2分程度茹で、ゆで汁の色を比較した。
その結果、コーンスターチや馬鈴薯澱粉を用いた麺の場合はゆで汁が白濁したのに対し、バナナ澱粉を用いた実施例Aの麺の場合はゆで汁が白濁することが少なく、ほぼ透明のままであった。
また、バナナ澱粉を用いた実施例Aの麺は、コーンスターチや馬鈴薯澱粉を用いた麺と比べて食感が良いものとなった。
これは、馬鈴薯澱粉とバナナ澱粉の溶解性の差が大きく、95℃近辺ではバナナ澱粉よりも4倍以上馬鈴薯澱粉が溶け出しやすい為である。また、バナナ澱粉の溶解性に比較的近いコーンスターチでも、バナナ澱粉とは約2倍程度溶解性の開きがある。
<脱皮生大豆粉配合量の検討>
(実験例B1)
ミックス粉の配合を米粉42%,甘藷粉40%,脱皮生大豆粉10%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
実施例Aで製造した麺と比べると、麺にはなるが、粉っぽくおいしくなかった(表2)。
(実験例B2)
ミックス粉の配合を米粉40%,甘藷粉38%,脱皮生大豆粉16%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、麺にはなるが、やや粉っぽくおいしくなかった(表2)。
(実験例B3)
ミックス粉の配合を米粉39%,甘藷粉38%,脱皮生大豆粉17%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が悪いがおいしかった(表2)。
(実験例B4)
ミックス粉の配合を米粉34%,甘藷粉32%,脱皮生大豆粉28%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が悪いがおいしかった(表2)。
(実験例B5)
ミックス粉の配合を米粉34%,甘藷粉31%,脱皮生大豆粉29%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、べたつき感がありおいしくなかった(表2)。
(実験例B6)
ミックス粉の配合を米粉30%,甘藷粉29%,脱皮生大豆粉35%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、相当べたついておいしくなかった(表2)。
Figure 2019140956
*:単位は質量%
以上の結果から、麺としての形状を維持し、食感の良いグルテンフリー麺を製造するには、ミックス粉における脱皮生大豆粉の配合量(質量比)を17〜28%とするのが最適であることが示された。
一方、脱皮生大豆粉の配合量(質量比)が17%未満であると麺としての形状を保つことが難しくなり、28%を超えるとべたついて食感が悪くなることが分かった。
これは、麺線を吐出後に加熱することで、未加熱の大豆蛋白質が熱変性して凝固し、麺のつなぎ成分として機能しているためと考えられる。
<バナナ澱粉配合量の検討>
(実験例C1)
ミックス粉の配合を米粉38%,甘藷粉37%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)1%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
実施例Aで製造した麺と比べると、弾力が特に劣りおいしくなかった。(表3)。
(実験例C2)
ミックス粉の配合を米粉37%,甘藷粉35%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)4%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、食感が劣り、おいしくなかった(表3)。
(実験例C3)
ミックス粉の配合を米粉36.2%,甘藷粉35.3%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)4.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が劣るが、おいしかった(表3)。
(実験例C4)
ミックス粉の配合を米粉34.7%,甘藷粉33.8%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)7.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が劣るが、おいしかった(表3)。
(実験例C5)
ミックス粉の配合を米粉35%,甘藷粉33%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)8%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、ぼそぼそ感があり、おいしくなかった(表3)。
(実験例C6)
ミックス粉の配合を米粉34%,甘藷粉32%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)10%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、相当硬くておいしくなかった(表3)。
Figure 2019140956
*:単位は質量%
以上の結果から、弾力があって伸びにくく、かつ、食感の良いグルテンフリー麺を製造するには、ミックス粉におけるバナナ澱粉の配合量(質量比)を4.5〜7.5%とするのが最適であることが示された。
一方、バナナ澱粉の配合量(質量比)が4.5%未満であると麺に弾力が無く、伸び易い麺となり、7.5%を超えると弾力はあるが伸びにくさに大差なく、食感が悪い麺となることが分かった。
<もち粉配合量の検討>
(実験例D1)
ミックス粉の配合を米粉35.9%,甘藷粉33.9%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,もち粉0.2%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
なお、もち粉はもち米(精白米)を粉末化したものであり、市販品を使用した。
実施例Aで製造した麺と比べると、実施例Aの麺よりももちもち感があり、おいしかった(表4)。
(実験例D2)
米粉35.8%,甘藷粉33.8%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,もち粉0.4%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、実施例Aの麺よりももちもち感があり、おいしかった(表4)。
(実験例D3)
ミックス粉の配合を米粉35.7%,甘藷粉33.7%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,もち粉0.6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、実施例Aの麺よりももちもち感があり、おいしかった(表4)。
(実験例D4)
ミックス粉の配合を米粉35.6%,甘藷粉33.7%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,もち粉0.7%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、粘りが強すぎて吐出バランスが悪く、麺の太さにばらつきがあった(表4)。
Figure 2019140956
*:単位は質量%
以上の結果から、ミックス粉にさらにもち粉を0.2〜0.6%(質量比)配合することによって、もちもち感のある美味しいグルテンフリー麺を製造できることが示された。
一方、もち粉の配合量(質量比)が0.7%以上になると、粘りが強すぎて吐出バランスが悪くなることが分かった。
<コーンスターチ配合量の検討>
(実験例E1)
ミックス粉の配合を米粉37%,甘藷粉35%,脱皮生大豆粉24%,コーンスターチ4%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低く、おいしくなかった(表5)。
(実験例E2)
ミックス粉の配合を米粉36.5%,甘藷粉35%,脱皮生大豆粉24%,コーンスターチ4.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低いが、合格点は得られた(表5)。
(実験例E3)
ミックス粉の配合を米粉34.7%,甘藷粉33.8%,脱皮生大豆粉24%,コーンスターチ7.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低いが、合格点は得られた(表5)。
(実験例E4)
ミックス粉の配合を米粉35%,甘藷粉33%,脱皮生大豆粉24%,コーンスターチ8%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低く、おいしくなかった(表5)。
(実験例E5)
ミックス粉の配合を米粉33.9%,甘藷粉33.1%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)4.5%,コーンスターチ4.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が悪いが、おいしかった(表5)。
(実験例E6)
ミックス粉の配合を米粉30.9%,甘藷粉30.1%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)7.5%,コーンスターチ7.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少もちもち感が劣るが、おいしかった(表5)。
Figure 2019140956
*:単位は質量%
以上の結果から、バナナ澱粉の代わりにコーンスターチを用いて製造したグルテンフリー麺は、全体的に評価が劣るものになるが、ミックス粉におけるコーンスターチの配合量(質量比)が4.5〜7.5%である場合には、食感や吐出バランスの良い麺が製造できることが示された。
また、コーンスターチと同程度の量のバナナ澱粉を併用することで、よりおいしい麺となることが分かった。
(実験例F1)
ミックス粉の配合を米粉36%,甘藷粉35%,脱皮生大豆粉24%,馬鈴薯澱粉5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低いが、合格点は得られた(表6)。
(実験例F2)
ミックス粉の配合を米粉26%,甘藷粉24%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,豆乳粉20%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、柔らかいが遜色ないおいしさであった(表6)。
(実験例F3)
ミックス粉の配合を米粉36%,甘藷粉33%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,桑粉(微粉末)1%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
なお、桑粉は桑の葉を微粉末化したものであり、市販品を使用した。
実施例Aで製造した麺と比べると、独特の風味があるがおいしかった(表6)。
(実験例F4)
ミックス粉の配合を米粉33%,甘藷粉32%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,難消化性デキストリン5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が悪いがおいしかった(表6)。
(実験例F5)
ミックス粉の配合を米粉36%,甘藷粉34%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%とし、蒟蒻粉水溶液(ゲル)の代わりに、水に対して増粘多糖類(キサンタンガムとローカストビーンガムを主成分として含む市販品)を溶解させて得られた増粘多糖類水溶液(ゲル)を用いて加水したこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べても遜色なくおいしかった(表6)。
Figure 2019140956
*:単位は質量%
以上の結果から、バナナ澱粉の代わりに馬鈴薯澱粉を用いて製造したグルテンフリー麺は、全体的に評価は低いが合格点は得られたことが示された(実験例F1)。
また、米粉に対する甘藷粉の配合比はそのままとして、ミックス粉における米粉と甘藷粉の配合量を減らし、その代わりに豆乳粉を加えることにより、大豆由来の機能性成分を豊富に含有し、かつ、おいしいグルテンフリー麺を製造できることが分かった(実験例F2)。なお、ミックス粉における豆乳粉の配合量(質量比)は18〜22%とすることが最適であった。
また、米粉に対する甘藷粉の配合比はそのままとして、ミックス粉における米粉と甘藷粉の配合量を減らし、その代わりに機能性成分として知られている桑粉(デオキシリノジリマイシン)や難消化性デキストリンを加えた場合にも、機能性を有し、かつ、おいしいグルテンフリー麺を製造できることが示された(実験例F3、F4)。なお、このような機能性食品類のミックス粉における配合量(質量比)は1〜5%とすることが最適であった。
また、蒟蒻粉の代わりに増粘多糖類を用いたゲルを加水して製造した場合にも、実施例Aに劣らずおいしいグルテンフリー麺を製造できることが分かった(実験例F5)。
本発明は、小麦及びグルテンを一切含有しない(グルテンフリーの)製麺用ミックス粉、それを用いた製麺方法、並びに、それにより得られたグルテンフリー麺を提供する。
本発明により、小麦アレルギー罹患者などが毎日食しても飽きないような美味しいグルテンフリー麺が提供されるため、本発明は食品製造業および外食産業などへの貢献が期待される。

Claims (9)

  1. うるち米粉、甘藷粉、及び脱皮生大豆粉を含有し、小麦及びグルテンを含まない製麺用ミックス粉であって、
    前記うるち米粉に対する前記甘藷粉の配合比(質量比)が1:0.84〜1.06であり、かつ、
    前記ミックス粉における脱皮生大豆粉の配合量(質量比)が17〜28%であることを特徴とする、製麺用ミックス粉。
  2. さらにバナナ澱粉粉末を4.5〜7.5%(質量比)含有する、請求項1に記載の製麺用ミックス粉。
  3. さらにもち米粉を0.01〜0.6%(質量比)含有する、請求項1又は2に記載の製麺用ミックス粉。
  4. さらにコーンスターチを4.5〜7.5%(質量比)含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の製麺用ミックス粉。
  5. さらに上記以外の原料として、穀物粉、澱粉又は機能性食品を1〜20%(質量比)含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の製麺用ミックス粉。
  6. 小麦及びグルテンを含まない麺の製造方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の製麺用ミックス粉に対して、蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液を加えて混練することにより生地を得る工程;
    当該得られた生地を線状に成形した後に、加熱処理することにより麺を得る工程;
    を含むことを特徴とする、麺の製造方法。
  7. 前記蒟蒻粉の水溶液が、水に対して0.1〜0.2%(質量比)の蒟蒻粉を溶解させたものであり、前記増粘多糖類の水溶液が、水に対して0.1〜0.2%(質量比)の増粘多糖類を溶解させたものである、請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の製麺用ミックス粉に対して、蒟蒻粉又は増粘多糖類の水溶液を、加水率43.8〜44.4%となるように加えるものである、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載の方法により得られた、小麦及びグルテンを含まない麺。
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