JP2019138128A - ダクトレス型ダイナミックインシュレーションと蓄熱システム - Google Patents

ダクトレス型ダイナミックインシュレーションと蓄熱システム Download PDF

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【課題】建物の断熱・気密層の内外いずれかに通気層を設け個別に制御する方法は存在するが、断熱・気密層の外側と内側の両方にDI層を構築し、全熱交換器を利用して総合的に制御し熱損失を低減する技術は無かった。また、外壁の内外DI層及び屋根DI層、小屋裏内外空間、天井裏空間、床下空間を換気経路として一体に扱う換気手法及び断熱・気密層の内側のDI層に蓄熱材を配置して暖冷房負荷を低減するシステムは無かった。【解決手段】建物全体の熱損失量及び暖冷房負荷を断熱材の量を増やさずに低減させるため、断熱・気密層を通過する伝導熱及び太陽熱や地熱、夜間の冷気などを外壁外側DI層や屋根DI層で熱回収して室内に還元する。また、外壁内側DI層内に蓄熱材を設置し、タイムラグにより室内に蓄・放熱することにより、年間を通じて少ないエネルギーで室内環境を保全する。【選択図】図3

Description

建物の室内温熱環境において、冬期は熱損失を、夏期は熱取得を、それぞれ抑える熱回収型の断熱技術「ダイナミックインシュレーション(DI:Dynamic Insulatiom)」(以下DIという)である。DIは、室外の新鮮外気が通気機能を持つ窓や壁を通過して室内に流入する際に、流入気流と逆方向の熱輸送を移流により妨げる仕組みである。熱回収の効果を適切に実現するには躯体性能上、高い気密性能が要求され、換気動力の負荷にも一考を要する。実用化されれば住宅の断熱材を厚くしなくても熱損失・取得の抑制を図ることができ、新鮮外気を取り入れるためのレジスターが不要になる。
また太陽熱や夜間の放射冷却熱を効率的に蓄放熱可能とするダイナミックストレージ(以下DSという)システムとを融合させた、ダイナミックストレージ(以下DSSという)システムを用いた建築物に関するものである。
建築物の壁や屋根といった外皮の断熱・気密層の内外に通気を取る二重のDIシステムは、ガラス窓に対する応用例以外になく、一般に一重のDI層あるいは壁体自身に通気孔を設けて通気させる方法しかなかった。
外壁における外側DI層と内側DI層をそれぞれ独立して制御する方法は存在するが、両方を全熱交換器を介して制御することによりDI技術を構築する技術は無かった。
内側DI層に配置する蓄熱材は、熱伝導率が低いため畜放熱に長時間かかったが、本発明のように小さく薄いパッケージ化する等、数時間単位で両側面から蓄放熱を効果的に行う工夫は無かった。
外壁の内外DI層及び屋根DI層、小屋裏内外空間、天井裏空間、床下空間を換気経路として一体に扱う換気システムは無かった。
DIシステムの一部を用いた空気循環式エアサイクルシステムにおいて全熱交換装置を用いた出願(先行技術文献に示す)があるが、外壁の内外DI層及びDSシステムを用いた記述がない。
特開2001−279837
従来の空気循環式建物の外壁外側DI層の空気を方位別に制御する手立てがないため、四季を通じた昼夜の建物外壁からの受熱・放熱を制御できない。
空気循環式建物に熱交換式換気装置を組み込む場合、必要以上にダクト経路が長くなり、外壁外側DI層の空気を熱交換式換気装置で方位別に制御するためには、外壁外側DI層上部に収集するスカートダクトと制御弁を設け、さらにダクトの一部にダクトファンも必要となる。また、これらを制御するシステム機器も設置しなければならない。
また、従来の空気循環式建物には蓄熱材がなく、外壁内側DI層を流通する空気の暖気から温熱を、もしくは冷気から冷熱を蓄熱し、タイムラグにより放熱することによるDSシステムの効果が得られない。
さらに、外皮に取り付く窓においてはDIシステムを全く考慮されておらず、建物南面の大開口窓の上下ではDI層が分断され、DIシステムの効果が半減する。
本発明はこれらの問題点を解決するべくなされたものであり、その目的とするところは、建物全体の熱損失量を、断熱材の量を増やさずに低減させ、太陽熱や地熱、夜間の冷気などを回収して外壁内側DI層内の潜熱蓄熱材に蓄熱し、タイムラグにより還元することにより、四季を通じた昼夜の建物外皮からの受熱・放熱を制御し、年間を通じた建物換気と室内環境を保全することである。
一般的に、壁自体に通気孔を設けて壁内に直接外気又は室内空気を通すことによってDI効果を得る手法は、壁内・室内表面結露の可能性や換気が不十分になるなど、建物の耐久性や室内の快適性を損なう可能性がある。
省エネ化が重要課題となっている建築業界において、断熱性能を高めるには外皮の断熱材を厚くする手段しかなく、断熱材を厚くすることによるコスト増、施工手間増や、室内空間を狭める等が課題となっている。
季節ごと及び日中、夜間ごとに外壁内外DI層の空気制御を行うには、相当のダクト配管とダンパー制御が必要となり、施工が難しくなることやコストアップにつながる。そのため建物の天井裏空間や床下空間を利用することで、部材を減らしダクトレスによる施工性の向上を図りコストダウンにつなげる。
建築物の壁や屋根といった外皮に設ける二重のDI層を有するDIシステムであり、建物外皮における断熱・気密層の外側及び内側にそれぞれDI層を設け、冬期における外側のDI層は下部より外気を取り入れ、室内側からの損失熱及び外側からの太陽熱を回収しながら新鮮外気として室内に取り込む。
一方、夏期における外側のDI層は、夜間放射冷却により低温の空気を室内に取り込み、日中は外部の太陽熱や外気からの熱を回収してそのまま排熱し、室内に外からの高い熱が入らないようにする。
外壁外側DI層から得られた新鮮外気を室内に取り込む際、全熱交換器を通じて室内空気と熱交換して室内に導入するが、冬期の日中に太陽熱の集熱により室温よりも高い温度の空気を得られた場合及び夏期の夜間に放射冷却により室温よりも低い温度の空気を得られた場合は熱交換器を介さずバイパスを使って直接室内に導入することで熱ロスをできるだけ低減する。
外壁内側DI層の通気により、室内空気が循環することになるため、室内表面温度を維持することができる。
外壁内側DI層内には蓄熱材を設置し、外壁外側DI層から得られる太陽熱または放射冷却熱による温熱又は冷熱を蓄熱し、室内の暖房及び冷房負荷の低減に利用することが可能となっている
基本性能として365日、8760時間、常時DI及びDS技術によるDSSシステムで熱損失低減効果と建物躯体も含めた換気により、人も建物も健康・長寿命などを得ることが可能である。
以下に、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
図3に示す建築物の壁といった建物外皮の断熱・気密層1−3の外側と内側にそれぞれ通気層(外壁外側DI層1−1、外壁内側DI層1−2という)が配置された二重のDI層を有するDIシステムであり、外壁外側DI層1−1には下部より外気吸気口2−1、外壁外側DI層1−1上部には方位ごとに外壁外側DI層1−1内の空気の流れを制御する方位別開閉式ダンパー2−2を有している。この方位別開閉式ダンパー2−2を介して外壁外側DI層1−1の上部が、断熱・気密層の外側と内側に分割された小屋裏空間の内、小屋裏外側空間1−4と連通している。さらに、小屋裏外側空間1−4の頂部には外壁外側DI層1−1を通過して小屋裏外側空間1−4に流入した外気を排気するための開閉式ダンパー2−3を備えた排気箱1−8を配している。夏期の太陽熱排熱モードでは、日中において外壁外側DI層1−1で受熱した太陽熱をこの排熱箱1−8から排気口1−9より外気へ排熱する。小屋裏外側空間1−4に流入した空気は、熱交換式換気装置2−4の新鮮外気吸入口から室内1−6に供給し、床に設けたダンパー付きガラリ2−6を通して床下空間1−7に移動し、床下空間1−7と連通した外壁内側DI層1−2の蓄熱材3を通じて小屋裏内側空間1−5に流入し、熱交換式換気装置2−4を介して外に排気される。この時、小屋裏外側空間1−4から供給される新鮮外気と小屋裏内側空間1−5に流入した汚染空気は、熱交換式換気装置2−4において熱交換後に室内1−6に供給又は外気に排気されることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより主に太陽熱を受ける外壁外側DI層1−1において、太陽熱を取得した後、そのまま小屋裏外側空間1−4より排熱されるため、断熱・気密層1−3より室内側に外からの熱が侵入することを防止でき、冷房負荷を軽減する効果がある。
図4に示す夏期の夜間放射冷却モードでは、外壁外側DI層1−1において夜間の放射冷却によって冷やされた空気が小屋裏外側空間1−4に流入し、その空気が熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置2−4を通して小屋裏室内側空間1−5に供給される。小屋裏室内側空間1−5は、蓄熱材3が設置された外壁室内側DI層1−2と連通し、蓄熱材3に蓄冷しながら床下空間1−7に流入させる。室内1−6の空気は天井面に配したダンパー付換気扇2−5を介して小屋裏内側空間1−5に送風し、外壁内側DI層1−2を通気させて床下空間1−7に送風し、床面に配したダンパー付ガラリ2−6から室内1−6に新鮮外気として供給される。この時ダンパー付換気扇2−5の送風量は熱交換式換気装置2−4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより夜間の冷熱を断熱・気密層1−3の室内側に取入れ蓄熱材3に蓄冷することができ、その熱を高温になる日中に放冷することで冷房負荷を軽減する効果がある。
図5に示す冬期の太陽熱蓄熱モードでは、主に太陽の日射を受ける南面などの外壁外側DI層1−1を介して太陽熱を受熱し暖められた新鮮外気を小屋裏外側空間1−4に流入させる。小屋裏外側空間1−4に流入した空気は、熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置2−4を通して小屋裏室内側空間1−5に供給される。小屋裏室内側空間1−5は、蓄熱材3が設置された外壁室内側DI層1−2と連通し、蓄熱材3に蓄熱しながら床下空間1−7に流入させる。室内1−6の空気は天井面に配したダンパー付換気扇2−5を介して小屋裏内側空間1−5に送風し、外壁内側DI層1−2を通気させて床下空間1−7に送風し、床面に配したダンパー付ガラリ2−6から室内1−6に新鮮外気として供給される。この時ダンパー付換気扇2−5の送風量は熱交換式換気装置2−4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより外壁外側DI層1−2では、断熱・気密層1−3の室内側からの伝導熱を回収するとともに外からの太陽熱を取得し、その熱を断熱・気密層1−3の室内側に取り入れ、さらに蓄熱材3に蓄熱することにより暖房負荷を軽減する効果がある。
図6に示す冬期の蓄熱利用モードでは、外壁外側DI層1−1を介して小屋裏外側空間1−4に流入した新鮮外気を、熱交換式換気装置2−4を通して室内1−6に供給する。これと同時に室内1−6の空気は、天井のダンパー付換気扇2−5から小屋裏内側空間1−5に流入後、外壁内側DI層1−2を蓄熱材3から熱を授受しながら通過させ、その後、床下空間1−7を通して床面に設置したダンパー付ガラリ2−6を介して室内1−6に供給する。この時ダンパー付換気扇2−5の送風量は熱交換式換気装置2−4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより外壁外側DI層1−1では、断熱・気密層1−3の室内側からの伝導熱を回収し、その熱を断熱・気密層1−3の室内側に取り入れ、さらに日中は蓄熱材3に蓄熱した熱を放熱することにより暖房負荷を軽減する効果がある。
図7及び図8に示す建築物の壁や屋根といった建物外皮の断熱・気密層1−3の外側と内側にそれぞれ通気層(外壁外側DI層1−1、外壁内側DI層1−2、屋根DI層1−10という)が配置された二重のDI層を有するDIシステムであり、外壁外側DI層1−1には下部より外気吸気口2−1、上部には連通した屋根DI層1−10がある。屋根DI層1−10の頂部には外壁外側DI層1−1及び屋根DI層1−10を通過してきた外気が、開閉式ダンパー2−3を擁する排気口1−8と吸気口1−9を備えた換気箱1−11を配している。夏期の太陽熱排熱モードでは、日中の主に太陽熱が当たる南面等において外壁外側DI層1−1及び屋根DI層1−10で受熱した太陽熱をこの換気箱1−11から外気へ排熱する。太陽熱があまり当たらない南面等以外の面における外壁外側DI層1−1及び屋根DI層1−11を通過してきた外気は、換気箱1−11から熱交換式換気装置2−4の新鮮外気吸入口から室内1−6に供給し、床に設けたダンパー付きガラリ2−6を通して床下空間1−7に移動し、床下空間1−7と連通した外壁内側DI層1−2の蓄熱材3を通じて小屋裏内側空間1−5に流入し、熱交換式換気装置2−4を介して外に排気される。この時、屋根DI層1−10から供給される新鮮外気と小屋裏内側空間1−5に流入した汚染空気は、熱交換式換気装置2−4において熱交換後に室内1−6に供給又は外気に排気されることを特徴とする請求項2記載の空気循環式建築物である。これにより主に太陽熱を受ける外壁外側DI層1−1と屋根DI層1−10において、太陽熱を取得した後、そのまま屋根DI層1−10頂部の排気口1−9より排熱されるため、断熱・気密層1−3より室内側に外からの熱が侵入することを防止でき、冷房負荷を軽減する効果がある。
図9及び図10に示す夏期の夜間放射冷却モードでは、外壁外側DI層1−1及び屋根DI層1−10において夜間の放射冷却によって冷やされた空気が換気箱1−11に流入し、その空気が熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置2−4を通して小屋裏内側空間1−5に供給される。小屋裏内側空間1−5は、蓄熱材3が設置された外壁室内側DI層1−2と連通し、蓄熱材3に蓄冷しながら床下空間1−7に流入させる。室内1−6の空気は天井面に配したダンパー付換気扇2−5を介して小屋裏内側空間1−5に送風し、外壁内側DI層1−2を通気させて床下空間1−7に送風し、床面に配したダンパー付ガラリ2−6から室内1−6に新鮮外気として供給される。この時ダンパー付換気扇2−5の送風量は熱交換式換気装置2−4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより夜間の冷熱を断熱・気密層1−3の室内側に取入れ蓄熱材3に蓄冷することができ、その熱を高温になる日中に放冷することで冷房負荷を軽減する効果がある。
図11及び図12に示す冬期の太陽熱蓄熱モードでは、主に太陽の日射を受ける南面などの外壁外側DI層1−1及び屋根DI層1−10を介して太陽熱を受熱し暖められた新鮮外気を換気箱1−11に流入させ、その空気は熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置2−4を通して小屋裏内側空間1−5に供給される。太陽の日射を受けない南面等以外の外壁外側DI層1−1及び屋根DI層1−10を通過して換気箱1−11に入り外気へ排気する。小屋裏内側空間1−5は、蓄熱材3が設置された外壁室内側DI層1−2と連通し、蓄熱材3に蓄熱しながら床下空間1−7に流入させる。室内1−6の空気は天井面に配したダンパー付換気扇2−5を介して小屋裏内側空間1−5に送風し、外壁内側DI層1−2を通気させて床下空間1−7に送風し、床面に配したダンパー付ガラリ2−6から室内1−6に新鮮外気として供給される。この時ダンパー付換気扇2−5の送風量は熱交換式換気装置2−4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項2記載の空気循環式建築物である。これにより外壁外側DI層1−1及び屋根DI層1−10では、断熱・気密層1−3の室内側からの伝導熱を回収するとともに外からの太陽熱を取得し、その熱を断熱・気密層1−3の室内側に取り入れ、さらに蓄熱材3に蓄熱することにより暖房負荷を軽減する効果がある。
図13及び図14に示す冬期の蓄熱利用モードでは、外壁外側DI層1−1および屋根DI層1−10を介して換気箱1−11に流入した新鮮外気を、熱交換式換気装置2−4を通して室内1−6に供給する。これと同時に室内1−6の空気は、天井のダンパー付換気扇2−5から小屋裏内側空間1−5に流入後、外壁内側DI層1−2を蓄熱材3から熱を授受しながら通過させ、その後、床下空間1−7を通して床面に設置したダンパー付ガラリ2−6を介して室内1−7に供給する。この時ダンパー付換気扇2−5の送風量は熱交換式換気装置2−4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項2記載の空気循環式建築物である。これにより外壁外側DI層1−1及び屋根DI層1−10では、断熱・気密層1−3の室内側からの伝導熱を回収し、その熱を断熱・気密層1−3の室内側に取り入れ、さらに日中は蓄熱材3に蓄熱した熱を放熱することにより暖房負荷を軽減する効果がある。
図15から図20に示すものは、請求項1、2記載の建築物の外壁に設けられる窓においても外壁外側DI層1−1と外壁内側DI層1−2にそれぞれサッシ4を設け二重窓構造(外側DI窓4−1、内側DI窓4−2)とし、外壁外側DI層1−1と外壁内側DI層1−2がサッシの間を介して上下に連通させることを可能とすることを特徴する請求項1、2記載の空気循環式建築物である。
図15、図16に示すものは構造躯体の外側に断熱・気密層1−3を用い、外壁外側DI層1−1を設け、外側DI窓4−1と内側DI窓4−2の間だけを通気させた場合のDI窓構造である。さらに図17〜図20に示すものは外壁内側DI層1−2をも通気させる場合のDI窓構造である。
ここで図17、図18によるものは、外側DI窓4−1にペアガラスを用いた断熱サッシを用い、内側DI窓1−2にもペアガラスを用いた断熱サッシを用いている。しかし温暖地では、外側DI窓4−1をシングルガラスとしてもよく、さらに温暖地域では両方ともシングルガラスとしてもよい。
また、上下の通気口にはメッシュ状の防虫網を用いた例を示している。さらに、室内遮蔽用具には遮蔽板を用いているが、シャッターや、ブラインド、ロールスクリーン、カーテン、ブラインド、障子等などの代用も可能である。
ここで図19、図20によるものは、外側DI窓4−1にペアガラスを用いた断熱サッシを用い、内側DI窓4−2にはトリプルガラスを用いた断熱サッシを用いている。これは、寒冷地でのガラス面の断熱強化を図ったもので、適宜断熱サッシの仕様変更を可能とする。
また、外壁外側DI層の上下の通気口、外壁内側DI層1−2の上下の通気口にはガラリ状の通気部材を用いた例を示している。ここで、この通気部材を開閉可能とし、通気量を調節することも可能とすることでDIシステムの機能向上を図ることができる。さらに、室内遮蔽用具には遮蔽用ロールスクリーンや、カーテン、ブラインド、障子等を具備して制御可能としている。
産業上の利用の可能性を本システム用いることでの効果と共に以下に示す。
本発明請求項1記載の構成断面図 本発明請求項2記載の構成断面図 本発明の夏期・日中の構成断面図 本発明の夏期・夜間の構成断面図 本発明の冬期・日中の構成断面図 本発明の冬期・夜間の構成断面図 本発明の夏期・日中の構成断面図 本発明の夏期・日中の構成断面図 本発明の夏期・夜間の構成断面図 本発明の夏期・夜間の構成断面図 本発明の冬期・日中の構成断面図 本発明の冬期・日中の構成断面図 本発明の冬期・夜間の構成断面図 本発明の冬期・夜間の構成断面図 本発明請求項4記載の構成断面図
本発明の空気循環式建築物
1−1 外壁外側DI層
1−2 外壁内側DI層
1−3 断熱・気密層
1−4 小屋裏外側空間
1−5 小屋裏内側空間
1−6 室内空間
1−8 排気箱
1−7 床下空間
1−9 吸・排気口
1−10 屋根DI層
1−11 換気箱
2−1 外気吸気口
2−2 方位別開閉式ダンパー
2−3 開閉式ダンパー
2−4 バイパス機能を有する熱交換式換気装置
2−5 ダンパー付き換気扇
2−6 床ダンパー付きガラリ
2−7 天井ダンパー付きガラリ
3 蓄熱材
4−1 外側DI窓
4−2 内側DI窓
建物外皮において、冬期は熱損失を、夏期は熱取得を、それぞれ抑える熱回収型の断熱技術「ダイナミックインシュレーション(DI:Dynamic Insulatiom)」(以下DIという)である。DIは、室外の新鮮外気が通気機能を持つ窓や壁を通過して室内に流入する際に、流入気流と逆方向の熱輸送を移流により妨げる仕組みである。熱回収の効果を適切に実現するには躯体性能上、高い気密性能が要求され、換気動力の負荷にも一考を要する。実用化されれば住宅の断熱材を厚くしなくても熱損失・取得の抑制を図ることができ、新鮮外気を取り入れるためのレジスターが不要になる。
また太陽熱や夜間の放射冷却熱を効率的に蓄放熱可能とするダイナミックストレージ(以下DSという)とを融合させた、ダイナミックストレージシステム(以下DSSという)を用いた建築物に関するものである。
建築物の壁や屋根といった外皮の断熱・気密層の内外に通気を取る二重のDIシステムは、ガラス窓に対する応用例以外になく、一般に一重のDI層あるいは壁体自身に通気孔を設けて通気させる方法しかなかった。
外壁における外側DI層と内側DI層をそれぞれ独立して制御する方法は存在するが、両方を全熱交換器を介して制御することによりDI技術を構築する技術は無かった。
内側DI層に配置する蓄熱材は、熱伝導率が低いため放熱に長時間かかったが、本発明のように小さく薄いパッケージ化する等、数時間単位で両側面から蓄放熱を効果的に行う工夫は無かった。
外壁の内外DI層及び屋根DI層、小屋裏内外空間、天井裏空間、床下空間を換気経路として一体に扱う換気システムは無かった。
Iの一部を用いた空気循環式エアサイクルシステムにおいて全熱交換装置を用いた出願(先行技術文献に示す)があるが、外壁の内外DI層及びDSを用いた記述がない。
特開2001‐279837
従来の空気循環式建物では、外壁外側DI層の空気を方位別に制御する手立てがないため、四季を通じた昼夜の建物外壁からの受熱・放熱を制御できない。
空気循環式建物に熱交換式換気装置を組み込む場合、必要以上にダクト経路が長くなり、外壁外側DI層の空気を熱交換式換気装置で方位別に制御するためには、外壁外側DI層上部に空気を収集するためのスカートダクトと制御弁を設け、さらにダクトの一部にダクトファンも必要となる。また、これらを制御するシステム機器も設置しなければならない。
また、従来の空気循環式建物には蓄熱材がなく、外壁内側DI層を流通する空気の暖気から温熱を、もしくは冷気から冷熱を蓄熱し、タイムラグにより放熱することによるDSの効果が得られない。
さらに、外皮に取り付く窓においてはDIを全く考慮されておらず、建物の大開口窓の上下ではDI層が分断され、DIの効果が半減する。
本発明はこれらの問題点を解決するべくなされたものであり、その目的とするところは、建物全体の熱損失量を、断熱材の量を増やさずに低減させ、太陽熱や地熱、夜間の冷気などを回収して外壁内側DI層内の潜熱蓄熱材に蓄熱し、タイムラグにより還元することにより、四季を通じた昼夜の建物外皮からの受熱・放熱を制御し、年間を通じた建物換気と室内環境を保全することである。
一般的に、壁自体に通気孔を設けて壁内に直接外気又は室内空気を通すことによってDI効果を得る手法は、壁内・室内表面結露の可能性や換気が不十分になるなど、建物の耐久性や室内の快適性を損なう可能性がある。
省エネ化が重要課題となっている建築業界において、断熱性能を高めるには外皮の断熱材を厚くする手段しかなく、断熱材を厚くすることによるコスト増、施工手間増や、室内空間を狭める等が課題となっている。
季節ごと及び日中、夜間ごとに外壁内外DI層の空気制御を行うには、相当のダクト配管とダンパー制御が必要となり、施工が難しくなることやコストアップにつながる。そのため建物の天井裏空間や床下空間を利用することで、部材を減らしダクトレスによる施工性の向上を図りコストダウンにつなげる。
建築物の壁や屋根といった外皮に設ける二重のDI層を有するDIシステムであり、建物外皮における断熱・気密層の外側及び内側にそれぞれDI層を設け、冬期における外側のDI層は下部より外気を取り入れ、室内側からの損失熱及び外側からの太陽熱を回収しながら新鮮外気として室内に取り込む。
一方、夏期における外側のDI層は、夜間放射冷却により低温の空気を室内に取り込み、日中は外部の太陽熱や外気からの熱を回収してそのまま排熱し、室内に外からの高い熱が入らないようにする。
外壁外側DI層から得られた新鮮外気を室内に取り込む際、全熱交換器を通じて室内空気と熱交換して室内に導入するが、冬期の日中に太陽熱の集熱により室温よりも高い温度の空気を得られた場合及び夏期の夜間に放射冷却により室温よりも低い温度の空気を得られた場合は熱交換器を介さずバイパスを使って直接室内に導入することで熱ロスをできるだけ低減する。
外壁内側DI層の通気により、室内空気が循環することになるため、室内表面温度を維持することができる。
外壁内側DI層内には蓄熱材を設置し、外壁外側DI層から得られる太陽熱は放射冷却熱による温熱又は冷熱を蓄熱し、室内の暖房及び冷房負荷の低減に利用することが可能となっている
基本性能として365日、8760時間、常時DI及びDSによるDSS技術で熱損失低減効果と建物躯体も含めた換気により、人も建物も健康・長寿命などを得ることが可能である。
以下に、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
図3に示す建築物の壁といった建物外皮の断熱・気密層1-3の外側と内側にそれぞれ通気層(外壁外側DI層1-1、外壁内側DI層1-2という)が配置された二重のDI層を有するDIシステムであり、外壁外側DI層1-1には下部より外気吸気口2-1、外壁外側DI層1-1上部には方位ごとに外壁外側DI層1-1内の空気の流れを制御する方位別開閉式ダンパー2-2を有している。この方位別開閉式ダンパー2-2を介して外壁外側DI層1-1の上部が、断熱・気密層の外側と内側に分割された小屋裏空間の内、小屋裏外側空間1-4と連通している。さらに、小屋裏外側空間1-4の頂部には外壁外側DI層1-1を通過して小屋裏外側空間1-4に流入した外気を排気するための開閉式ダンパー2-3を備えた排気箱1-8を配している。夏期の太陽熱排熱モードでは、日中において外壁外側DI層1-1で受熱した太陽熱をこの排熱箱1-8から吸・排気口1-9より外気へ排熱する。小屋裏外側空間1-4に流入した空気は、熱交換式換気装置2-4の新鮮外気吸入口から室内1-6に供給し、床に設けたダンパー付きガラリ2-6を通して床下空間1-7に移動し、床下空間1-7と連通した外壁内側DI層1-2の蓄熱材3を通じて小屋裏内側空間1-5に流入し、熱交換式換気装置2-4を介して外に排気される。この時、小屋裏外側空間1-4から供給される新鮮外気と小屋裏内側空間1-5に流入した汚染空気は、熱交換式換気装置2-4において熱交換後に室内1-6に供給又は外気に排気されることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより主に太陽熱を受ける外壁外側DI層1-1において、太陽熱を取得した後、そのまま小屋裏外側空間1-4より排熱されるため、断熱・気密層1-3より室内側に外からの熱が侵入することを防止でき、冷房負荷を軽減する効果がある。
図4に示す夏期の夜間放射冷却モードでは、外壁外側DI層1-1において夜間の放射冷却によって冷やされた空気が小屋裏外側空間1-4に流入し、その空気が熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置2-4を通して小屋裏室内側空間1-5に供給される。小屋裏室内側空間1-5は、蓄熱材3が設置された外壁内側DI層1-2と連通し、蓄熱材3に蓄冷しながら床下空間1-7に流入させる。室内1-6の空気は天井面に配したダンパー付換気扇2-5を介して小屋裏内側空間1-5に送風し、外壁内側DI層1-2を通気させて床下空間1-7に送風し、床面に配したダンパー付ガラリ2-6から室内1-6に新鮮外気として供給される。この時ダンパー付換気扇2-5の送風量は熱交換式換気装置2-4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより夜間の冷熱を断熱・気密層1-3の室内側に取入れ蓄熱材3に蓄冷することができ、その熱を高温になる日中に放冷することで冷房負荷を軽減する効果がある。
図5に示す冬期の太陽熱蓄熱モードでは、主に太陽の日射を受ける南面などの外壁外側DI層1-1を介して太陽熱を受熱し暖められた新鮮外気を小屋裏外側空間1-4に流入させる。小屋裏外側空間1-4に流入した空気は、熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置2-4を通して小屋裏室内側空間1-5に供給される。小屋裏室内側空間1-5は、蓄熱材3が設置された外壁内側DI層1-2と連通し、蓄熱材3に蓄熱しながら床下空間1-7に流入させる。室内1-6の空気は天井面に配したダンパー付換気扇2-5を介して小屋裏内側空間1-5に送風し、外壁内側DI層1-2を通気させて床下空間1-7に送風し、床面に配したダンパー付ガラリ2-6から室内1-6に新鮮外気として供給される。この時ダンパー付換気扇2-5の送風量は熱交換式換気装置2-4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより外壁外側DI層1-1では、断熱・気密層1-3の室内側からの貫流熱を回収するとともに外からの太陽熱を取得し、その熱を断熱・気密層1-3の室内側に取り入れ、さらに蓄熱材3に蓄熱することにより暖房負荷を軽減する効果がある。
図6に示す冬期の蓄熱利用モードでは、外壁外側DI層1-1を介して小屋裏外側空間1-4に流入した新鮮外気を、熱交換式換気装置2-4を通して室内1-6に供給する。これと同時に室内1-6の空気は、天井のダンパー付換気扇2-5から小屋裏内側空間1-5に流入後、外壁内側DI層1-2を蓄熱材3から熱を授受しながら通過させ、その後、床下空間1-7を通して床面に設置したダンパー付ガラリ2-6を介して室内1-6に供給する。この時ダンパー付換気扇2-5の送風量は熱交換式換気装置2-4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより外壁外側DI層1-1では、断熱・気密層1-3の室内側からの貫流熱を回収し、その熱を断熱・気密層1-3の室内側に取り入れ、さらに日中は蓄熱材3に蓄熱した熱を放熱することにより暖房負荷を軽減する効果がある。
図7及び図8に示す建築物の壁や屋根といった建物外皮の断熱・気密層1-3の外側と内側にそれぞれ通気層(外壁外側DI層1-1、外壁内側DI層1-2、屋根DI層1-10という)が配置された二重のDI層を有するDIシステムであり、外壁外側DI層1-1には下部より外気吸気口2-1、上部には連通した屋根DI層1-10がある。屋根DI層1-10の頂部には外壁外側DI層1-1及び屋根DI層1-10を通過してきた外気が、開閉式ダンパー2-3を擁する排気口1-8と吸・排気口1-9を備えた換気箱1-11を配している。夏期の太陽熱排熱モードでは、日中の主に太陽熱が当たる南面等において外壁外側DI層1-1及び屋根DI層1-10で受熱した太陽熱をこの換気箱1-11から外気へ排熱する。太陽熱があまり当たらない南面等以外の面における外壁外側DI層1-1及び屋根DI層1-10を通過してきた外気は、換気箱1-11から熱交換式換気装置2-4の新鮮外気吸入口から室内1-6に供給し、床に設けたダンパー付きガラリ2-6を通して床下空間1-7に移動し、床下空間1-7と連通した外壁内側DI層1-2の蓄熱材3を通じて小屋裏内側空間1-5に流入し、熱交換式換気装置2-4を介して外に排気される。この時、屋根DI層1-10から供給される新鮮外気と小屋裏内側空間1-5に流入した汚染空気は、熱交換式換気装置2-4において熱交換後に室内1-6に供給又は外気に排気されることを特徴とする請求項2記載の空気循環式建築物である。これにより主に太陽熱を受ける外壁外側DI層1-1と屋根DI層1-10において、太陽熱を取得した後、そのまま屋根DI層1-10頂部の吸・排気口1-9より排熱されるため、断熱・気密層1-3より室内側に外からの熱が侵入することを防止でき、冷房負荷を軽減する効果がある。
図9及び図10に示す夏期の夜間放射冷却モードでは、外壁外側DI層1-1及び屋根DI層1-10において夜間の放射冷却によって冷やされた空気が換気箱1-11に流入し、その空気が熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置2-4を通して小屋裏内側空間1-5に供給される。小屋裏内側空間1-5は、蓄熱材3が設置された外壁室内側DI層1-2と連通し、蓄熱材3に蓄冷しながら床下空間1-7に流入させる。室内1-6の空気は天井面に配したダンパー付換気扇2-5を介して小屋裏内側空間1-5に送風し、外壁内側DI層1-2を通気させて床下空間1-7に送風し、床面に配したダンパー付ガラリ2-6から室内1-6に新鮮外気として供給される。この時ダンパー付換気扇2-5の送風量は熱交換式換気装置2-4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の空気循環式建築物である。これにより夜間の冷熱を断熱・気密層1-3の室内側に取入れ蓄熱材3に蓄冷することができ、その熱を高温になる日中に放冷することで冷房負荷を軽減する効果がある。
図11及び図12に示す冬期の太陽熱蓄熱モードでは、主に太陽の日射を受ける南面などの外壁外側DI層1-1及び屋根DI層1-10を介して太陽熱を受熱し暖められた新鮮外気を換気箱1-11に流入させ、その空気は熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置2-4を通して小屋裏内側空間1-5に供給される。太陽の日射を受けない南面等以外の外壁外側DI層1-1及び屋根DI層1-10を通過して換気箱1-11に入り外気へ排気する。小屋裏内側空間1-5は、蓄熱材3が設置された外壁室内側DI層1-2と連通し、蓄熱材3に蓄熱しながら床下空間1-7に流入させる。室内1-6の空気は天井面に配したダンパー付換気扇2-5を介して小屋裏内側空間1-5に送風し、外壁内側DI層1-2を通気させて床下空間1-7に送風し、床面に配したダンパー付ガラリ2-6から室内1-6に新鮮外気として供給される。この時ダンパー付換気扇2-5の送風量は熱交換式換気装置2-4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項2記載の空気循環式建築物である。これにより外壁外側DI層1-1及び屋根DI層1-10では、断熱・気密層1-3の室内側からの貫流熱を回収するとともに外からの太陽熱を取得し、その熱を断熱・気密層1-3の室内側に取り入れ、さらに蓄熱材3に蓄熱することにより暖房負荷を軽減する効果がある。
図13及び図14に示す冬期の蓄熱利用モードでは、外壁外側DI層1-1および屋根DI層1-10を介して換気箱1-11に流入した新鮮外気を、熱交換式換気装置2-4を通して室内1-6に供給する。これと同時に室内1-6の空気は、天井のダンパー付換気扇2-5から小屋裏内側空間1-5に流入後、外壁内側DI層1-2を蓄熱材3から熱を授受しながら通過させ、その後、床下空間1-7を通して床面に設置したダンパー付ガラリ2-6を介して室内1-6に供給する。この時ダンパー付換気扇2-5の送風量は熱交換式換気装置2-4の送風量よりも大きくすることを特徴とする請求項2記載の空気循環式建築物である。これにより外壁外側DI層1-1及び屋根DI層1-10では、断熱・気密層1-3の室内側からの貫流熱を回収し、その熱を断熱・気密層1-3の室内側に取り入れ、さらに日中は蓄熱材3に蓄熱した熱を放熱することにより暖房負荷を軽減する効果がある。
図15から図20に示すものは、請求項1、2記載の建築物の外壁に設けられる窓においても外壁外側DI層1-1と外壁内側DI層1-2にそれぞれサッシ4を設け二重窓構造(外側DI窓4-1、内側DI窓4-2)とし、外壁外側DI層1-1と外壁内側DI層1-2がサッシの間を介して上下に連通させることを可能とすることを特徴する請求項1、2記載の空気循環式建築物である。
図15、図16に示すものは構造躯体の外側に断熱・気密層1-3を用い、外壁外側DI層1-1を設け、外側DI窓4-1と内側DI窓4-2の間だけを通気させた場合のDI窓構造である。さらに図17〜図20に示すものは外壁内側DI層1-2をも通気させる場合のDI窓構造である。
ここで図17、図18によるものは、外側DI窓4-1にペアガラスを用いた断熱サッシを設置し外壁内側DI1-2にもペアガラスを用いた断熱サッシを設置している。しかし温暖地では、外側DI窓4-1をシングルガラスとしてもよく、さらなる温暖地域では両方ともシングルガラスとしてもよい。
また、上下の通気口にはメッシュ状の防虫網を用いた例を示している。さらに、室内遮蔽用具には遮蔽板を用いているが、シャッターや、ブラインド、ロールスクリーン、カーテン、ブラインド、障子等などの代用も可能である。
ここで図19、図20によるものは、外側DI窓4-1にペアガラスを用いた断熱サッシを設置し、内側DI窓4-2にはトリプルガラスを用いた断熱サッシを設置している。これは、寒冷地でのガラス面の断熱強化を図ったもので、適宜断熱サッシの仕様変更を可能とする。
また、外壁外側DI層の上下の通気口、外壁内側DI層1-2の上下の通気口にはガラリ状の通気部材を用いた例を示している。ここで、この通気部材を開閉可能とし、通気量を調節することも可能とすることでDIシステムの機能向上を図ることができる。さらに、室内遮蔽用具には遮蔽用ロールスクリーンや、カーテン、ブラインド、障子等を具備して制御可能としている。
本発明請求項1記載の構成断面図 本発明請求項2記載の構成断面図 本発明の夏期・日中の構成断面図 本発明の夏期・夜間の構成断面図 本発明の冬期・日中の構成断面図 本発明の冬期・夜間の構成断面図 本発明の夏期・日中の構成断面図 本発明の夏期・日中の構成断面図 本発明の夏期・夜間の構成断面図 本発明の夏期・夜間の構成断面図 本発明の冬期・日中の構成断面図 本発明の冬期・日中の構成断面図 本発明の冬期・夜間の構成断面図 本発明の冬期・夜間の構成断面図 本発明請求項4記載の構成断面図 本発明請求項4記載の構成断面図 本発明請求項4記載の構成断面図 本発明請求項4記載の構成断面図 本発明請求項4記載の構成断面図 本発明請求項4記載の構成断面図
本発明の空気循環式建築物
1-1 外壁外側DI層
1-2 外壁内側DI層
1-3 断熱・気密層
1-4 小屋裏外側空間
1-5 小屋裏内側空間
1-6 室
1-7 床下空間
1-8 排気箱
1-9 吸・排気口
1-10 屋根DI層
1-11 換気箱
2-1 外気吸気口
2-2 方位別開閉式ダンパー
2-3 開閉式ダンパー
2-4 交換式換気装置
2-5 ダンパー付き換気扇
2-6 ダンパー付きガラリ
2-7 天井ダンパー付きガラリ
3 蓄熱材
4-1 外側DI窓
4-2 内側DI窓


Claims (4)

  1. 建築物の壁といった建物外皮の断熱・気密層の外側と内側にそれぞれ通気層(以下DI層という)が配置された二重のDI層を有するダイナミックインシュレーション(以下DIという)システムであり、
    外壁外側DI層には下部に外気吸気口、上部に方位ごとに外壁外側DI層内の空気の流れを制御する方位別開閉式ダンパーを有し、
    これを介して外壁外側DI層の上部が、小屋裏の断熱・気密層の外側と内側に分割された小屋裏空間の内、小屋裏外側空間と連通し、
    小屋裏外側空間の頂部には外壁外側DI層を通過して小屋裏外側空間に流入した外気を排気するための開閉式ダンパーを備えた排気箱を配し、
    小屋裏外側空間から吸気するための熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置と、
    熱交換換気を通して室内又は小屋裏内側空間に新鮮外気を導入するダンパー付きガラリと、
    室内と天井裏内側空間の境界には室内を負圧にするためのダンパー付き換気扇と、
    床下空間と室内を連通させるダンパー付きガラリとを備えることを特徴とする空気循環式建築物。
  2. 建築物の壁や屋根に二重のDI層を有するDIシステムであり、
    外壁外側DI層には下部に外気吸気口、上部に連通した屋根DI層があり、
    屋根DI層の頂部には外壁外側DI層及び屋根DI層を通過してきた外気が開閉式ダンパーを擁する排気口と室内への吸気口を備えた換気箱を通過するように配し、
    屋根DI層を通過してきた外気を室内に吸気するための熱交換を行わないバイパス機能を有する熱交換式換気装置と、
    熱交換換気を通して室内又は天井裏空間に新鮮外気を導入するダンパー付きガラリと、
    室内と天井裏空間の境界には室内空間を負圧にするためのダンパー付き換気扇と、
    床下空間と室内を連通させるダンパー付きガラリとを備えることを特徴とする空気循環式建築物。
  3. 請求項1、2記載の建築物において上記外壁内側DI層内に潜熱蓄熱材を設置し、バイパスを通して送られてくる温熱又は冷熱を蓄熱することを特徴する請求項1、2記載の空気循環式建築物。
  4. 請求項1、2、3記載の建築物の外壁に設けられる窓においても外壁外側DI層と外壁内側DI層にそれぞれサッシを設け二重窓構造とし、外壁外側DI層と外壁内側DI層がサッシの間を介して上下に連通させることを可能とすることを特徴する請求項1、2、3記載の空気循環式建築物。
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