JP2019137863A - 熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、カーボンナノチューブを含むと共に延性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している混合物100を誘電加熱してアニール処理を行う。熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している。誘電加熱によりアニール処理を受けた熱可塑性樹脂組成物の切断時伸び(Eb1)は、熱可塑性樹脂組成物と同配合であってアニール処理をしない組成物の切断時伸び(Eb0)の2.0倍以上である。【選択図】図3

Description

本発明は、カーボンナノチューブを含む熱可塑性樹脂組成物の製造方法及びカーボンナノチューブを含む熱可塑性樹脂組成物に関するものである。
本発明者他が先に提案した炭素繊維複合材料の製造方法によれば、エラストマーを用いることで、これまで困難とされていたカーボンナノチューブの分散性を改善し、エラストマーにカーボンナノチューブを均一に分散させることができた(例えば、特許文献1参照)。
このような炭素繊維複合材料の製造方法によれば、エラストマーとカーボンナノチューブを混練し、剪断力によって凝集性の強いカーボンナノチューブの分散性を向上させている。より具体的には、エラストマーとカーボンナノチューブとを混合すると、粘性を有するエラストマーがカーボンナノチューブの相互に侵入し、かつ、エラストマーの特定の部分が化学的相互作用によってカーボンナノチューブの活性の高い部分と結合し、この状態で、分子長が適度に長く、分子運動性の高い(弾性を有する)エラストマーとカーボンナノチューブとの混合物に強い剪断力が作用すると、エラストマーの変形に伴ってカーボンナノチューブも移動し、さらに剪断後の弾性によるエラストマーの復元力によって、凝集していたカーボンナノチューブが分離されて、エラストマー中に分散していた。
このように、マトリックスへのカーボンナノチューブの分散性を向上させることで、高価なカーボンナノチューブを効率よく複合材料のフィラーとして用いることができるようになった。
そして、熱可塑性樹脂についてもカーボンナノチューブを複合した熱可塑性樹脂組成物を製造する試みがこれまでも行われ、これまで困難とされてきた熱可塑性樹脂におけるカーボンナノチューブの解繊及び分散を可能とする製造方法が提案された(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−97525号公報 特開2016−29168号公報
しかしながら、マトリックス中に解繊及び分散されたカーボンナノチューブによる補強効果はあるものの熱可塑性樹脂組成物の延性は小さくなり、引張試験における破断伸び(Eb)が小さくなる傾向がある。
そこで本発明の目的は、カーボンナノチューブを含むと共に延性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することにある。また、本発明の目的は、カーボンナノチューブを含むと共に延性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、
熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している混合物を誘電加熱してアニール処理を行うことを特徴とする。
本発明にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法によれば、熱可塑性樹脂中に分散したカーボンナノチューブを誘電加熱により加熱して混合物の内部から効率よくアニール処理することで延性に優れた熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。
[適用例2]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記熱可塑性樹脂は、結晶性樹脂であり、
前記アニール処理は、前記混合物の表面温度が前記熱可塑性樹脂のガラス転移点を超え融点未満で行うことができる。
[適用例3]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記アニール処理は、液体の入った容器中に配置され前記混合物が前記液体に接触しない状態で誘電加熱されることができる。
[適用例4]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記アニール処理は、20秒以上60秒以下である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[適用例5]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記アニール処理は、周波数300MHz以上30GHz以下の電磁波を前記混合物に照射する、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[適用例6]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記カーボンナノチューブは、平均直径が2nm以上110nm以下であり、
前記熱可塑性樹脂は、ポリアミドであり、
前記アニール処理は、前記混合物の表面温度が200℃になるまで行われることができる。
[適用例7]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記カーボンナノチューブは、平均直径が2nm以上110nm以下であり、
前記熱可塑性樹脂は、芳香族ポリエーテルケトンであり、
前記アニール処理は、前記混合物の表面温度が330℃になるまで行われることができる。
[適用例8]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、
前記カーボンナノチューブは、平均直径が9nm以上30nm以下であり、
前記熱可塑性樹脂組成物は、前記カーボンナノチューブを5質量%以上20質量%以下含むことができる。
[適用例9]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物は、
熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、
誘電加熱によりアニール処理を受けた前記熱可塑性樹脂組成物の切断時伸び(Eb)は、前記熱可塑性樹脂組成物と同配合であって前記アニール処理をしない組成物の切断時伸び(Eb)の2.0倍以上であることを特徴とする。
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物によれば、誘電加熱によりアニール処理することで延性に優れることができる。
[適用例10]
本適用例にかかる熱可塑性樹脂組成物において、
前記カーボンナノチューブは、平均直径が2nm以上110nm以下であり、
前記熱可塑性樹脂は、ポリアミドまたは芳香族ポリエーテルケトンであることができる。
本発明によれば、カーボンナノチューブを含むと共に延性に優れた熱可塑性樹脂組成物の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、カーボンナノチューブを含むと共に延性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
オープンロールによる混合工程を模式的に示す図である。 二軸混練機による混合工程を模式的に示す図である。 アニール処理を模式的に示す図である。 実施例1及び比較例1〜3のサンプルのS−S曲線である。 比較例3のサンプルの熱処理時間(時間)−切断時伸び(%)のグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
本発明の一実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している混合物を誘電加熱してアニール処理を行うことを特徴とする。
本発明の一実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、
誘電加熱によりアニール処理を受けた前記熱可塑性樹脂組成物の切断時伸び(Eb)は、前記熱可塑性樹脂組成物と同配合であって前記アニール処理をしない組成物の切断時伸び(Eb)の2倍以上であることを特徴とする。
A.熱可塑性樹脂組成物の製造方法
まず、本実施の形態にかかる熱可塑性樹脂組成物の製造方法に用いる原料について説明する。
A−1.原料
熱可塑性樹脂は、カーボンナノチューブを解繊し分散することができれば公知のものを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、芳香族ポリエーテルケトン(PAEK)等の結晶性樹脂、またはポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネイト(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリエーテルイミド等の非晶性樹脂を用いることができる。
ポリアミドとしては、例えば、ポリアミド6(ポリカプロアミド、ポリカプロラクタム)、ポリアミド66(ポリヘキサメチレンアジパミド)、ポリアミド12(ポリラウロラクタム)、ポリアミドMXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などを挙げることができる。
芳香族ポリエーテルケトン(PAEK)としては、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)などをあげることができる。
カーボンナノチューブは、平均直径(繊維径)が2nm以上110nm以下であることができ、特に9nm以上30nm以下または30nmを超え110nm以下であることができる。カーボンナノチューブは、その平均直径が細く、比表面積が大きいため、カーボンナノチューブを解繊し、全体に分散させることができると、熱可塑性樹脂を少量のカーボンナノチューブによって効果的に補強することができる。
カーボンナノチューブは、その表面における熱可塑性樹脂との反応性を向上させるために、例えば酸化処理することもできる。
なお、本発明の詳細な説明においてカーボンナノチューブの平均直径及び平均長さは、電子顕微鏡による例えば5,000倍の撮像(カーボンナノチューブのサイズによって適宜倍率は変更できる)から200箇所以上の直径及び長さを計測し、その算術平均値として計算して得ることができる。
また、部分的にカーボンナノチューブの構造を有する炭素材料も使用することができる。なお、カーボンナノチューブという名称の他にグラファイトフィブリルナノチューブ、気相成長炭素繊維といった名称で称されることもある。
カーボンナノチューブは、気相成長法によって得ることができる。気相成長法は、触媒気相合成法(Catalytic Chemical Vapor Deposition:CCVD)とも呼ばれ、炭化水素等のガスを金属系触媒の存在下で気相熱分解させてカーボンナノチューブを製造する方法である。より詳細に気相成長法を説明すると、例えば、ベンゼン、トルエン等の有機化合物を原料とし、フェロセン、ニッケルセン等の有機遷移金属化合物を金属系触媒として用い、これらをキャリアーガスとともに高温例えば400℃以上1000℃以下の反応温度に設定された反応炉に導入し、浮遊状態あるいは反応炉壁にカーボンナノチューブを生成させる浮遊流動反応法(Floating Reaction Method)や、あらかじめアルミナ、酸化マグネシウム等のセラミックス上に担持された金属含有粒子を炭素含有化合物と高温で接触させてカーボンナノチューブを基板上に生成させる触媒担持反応法(Substrate Reaction Method)等を用いることができる。
平均直径が9nm以上30nm以下のカーボンナノチューブは触媒担持反応法によって得ることができ、平均直径が30nmを超え110nm以下のカーボンナノチューブは浮遊流動反応法によって得ることができる。
カーボンナノチューブの直径は、例えば金属含有粒子の大きさや反応時間などで調節することができる。平均直径が9nm以上30nm以下のカーボンナノチューブは、窒素吸着比表面積が10m/g以上500m/g以下であることができ、さらに100m/g以上350m/g以下であることができ、特に、150m/g以上300m/g以下であることができる。
また、熱可塑性樹脂組成物には、カーボンナノチューブ以外に熱可塑性樹脂組成物の加工に一般に用いられている充填材などを合わせて用いることができる。
A−2.混合工程
図1はオープンロール2による混合物の製造方法を模式的に示す図である。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、アニール処理の前に混合工程により混合物を得る工程を含むことができる。
混合工程は、熱可塑性樹脂30とカーボンナノチューブ80とを混合し、熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブ80が分散した混合物を得る工程である。混合物は熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブ80が解繊した状態で分散していることが好ましい。混合物中にカーボンナノチューブ80の凝集塊があると破壊起点となることにより、機械的強度が低下するおそれがあるからである。
混合工程は、混合物がゴム弾性領域を示す温度範囲において混練することができる。ゴム弾性領域は、DMA試験結果を温度−貯蔵弾性率のグラフを作成した際の平坦領域である。
混合工程は、例えば、オープンロール、密閉式混練機、押出機、射出成形機などの混練機を用いることができる。オープンロールとしては、公知の2本ロール、3本ロール等を用いることができる。密閉式混練機は、いわゆるインターナルミキサーであり、公知のバンバリータイプ、ニーダータイプ等を用いることができる。混合工程に用いるこれらの混練機は、加工中の混合物を加熱する加熱装置を有することが望ましい。
結晶性の熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂の融点(Tm)より高い温度の第1温度での混合工程と、熱可塑性樹脂の融点(Tm)より5℃低い温度から融点(Tm)より25℃未満高い温度までの第2温度での混合工程と、を含む。
図1に示すように、第2温度での混合工程では、第1のロール10と第2のロール20とのロール間隔dを、例えば0.5mm以下、より好ましくは0mm〜0.5mmの間隔に設定し、第1温度で混合された混合物をオープンロール2に投入して混練を行なうことができる。第1のロール10の表面速度をV1、第2のロール20の表面速度をV2とすると、この工程における両者の表面速度比(V1/V2)は、1.05〜3.00であることができ、さらに1.05〜1.2であることができる。このような表面速度比を用いることにより、所望の高い剪断力を得ることができる。このように狭いロール間から押し出された混合物は、第2温度が適度な弾性を有し、かつ、適度な粘性を有している温度範囲であることから、熱可塑性樹脂の弾性による復元力で大きく変形し、その際の熱可塑性樹脂の変形と共にカーボンナノチューブが大きく移動することができる。混合物の第1温
度及び第2温度は非接触温度計40を用いて混合物の表面温度を測定することができる。
混合物の混合工程は、オープンロール2の代わりに、押出機として、図2に示すような二軸混練機50を用いることができる。図2は、二軸混練機50による熱可塑性樹脂組成物の製造方法を模式的に示す図である。
図2に示す二軸混練機50は、2本のコニカル型(円錐型)のスクリュウ51,53と、バレル60内に形成された戻り流路62と、切換え部64と、を有する。熱可塑性樹脂及びカーボンナノチューブはスクリュウ51,53の後端側(太い側)から投入され、先端側(細い側)へ押し出され、切換え部64を介して戻り流路62を通って再び後端側へ送られて、繰り返し混練が行われる。切換え部64は、戻り流路62と外部へ排出する流路とを切り換える機構を有し、図2ではスクリュウ51,53の先端から戻り流路62に流路を形成している。内部の混練されている混合物の温度は、例えば切換え部64内の流路に突出する熱電対により混合物に接することで実際の混合物の温度を測定することが望ましい。
また、二軸混練機50は、加工温度の正確性・応答性に優れたものが好ましく、加工中にせん断熱による昇温分を効率よく逃がして所望の温度範囲に維持できるものが好ましい。二軸混練機50は、例えば、ヒーターによる昇温制御だけではなく、エアブローや冷却水による強制的な降温制御もできることが好ましい。
二軸混練機50に投入された熱可塑性樹脂とカーボンナノチューブの混合物は、まず第1温度で混練された後、バレル60を強制的に冷却すると共にヒーターで第2温度に調整し、第2温度で混合物を低温混練する。二軸混練機50ではコニカル型のスクリュウ51,53を用いることにより高い圧縮力が樹脂に作用する。そのため切換え部64を介して戻り流路62へ戻された樹脂の復元力によりカーボンナノチューブの解繊が行われると考えられる。
なお、混合工程は、本出願人の先願である前記特許文献2に詳細に開示された方法を採用することができ、当該方法で得られた熱可塑性樹脂組成物を本実施形態における混合物として次に説明するアニール処理を施すことができる。
A−3.アニール工程
図3は図1の製造方法で得られた混合物100のアニール処理を模式的に示す図である。
図3に示すように、熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している混合物100を誘電加熱してアニール処理を行う。混合物100は前記「A−2.混合工程」で得られる。
混合物100は密閉容器90内に収め、密閉容器90を容器60内に置く。密閉容器90には、混合物100の表面温度を測定する熱電対92と密閉容器90内を急速冷却するための冷媒を導入する冷却パイプ94とが備えられる。熱電対92は混合物100に接触するように配置される。
アニール処理は、液体82の入った容器80中に配置され混合物100が液体82に接触しない状態で誘電加熱される。容器80中の液体82は例えば水でもよい。液体82は誘電加熱に用いられる電磁波を減衰させるものであり、電磁波の強弱を調整可能な装置であれば液体82はなくてもよい。液体82は40℃〜60℃まで予め加熱されていてもよい。液体82の昇温に電磁波が用いられることによる電磁波の減衰を減少することで混合
物100の昇温速度を速くするためである。混合物100は密閉容器90内に配置されているので液体82に直接接触することはない。混合物100と液体82とが接触すると、混合物100の加熱が液体82の昇温速度に大きく影響を受けるためである。
誘電加熱装置70内に容器80を配置し、電磁波を混合物100に照射して誘電加熱する。誘電加熱装置70は、短波(HF)〜センチ波(SHF)の周波数帯域(3MHz〜30GHz)を発生する装置であり、特にマイクロ波(極超短波(UHF)〜センチ波(SHF))の周波数帯域(300MHz〜30GHz)を発生する装置であることができる。アニール処理は、周波数300MHz以上30GHz以下の電磁波を混合物100に照射することができる。特に、誘電加熱装置70の電磁波は、カーボンナノチューブを効率的に加熱することができる周波数帯であることができ、例えば電子レンジなどで使用される2450MHz帯のマイクロ波を用いることができる。
アニール処理は、誘電加熱によって行われる。アニール処理は、熱可塑性樹脂組成物中の成形時の残留応力を除去する処理である。また、アニール処理は、結晶性樹脂を用いた場合に結晶化度を高めるために行われる。混合物100を構成する熱可塑性樹脂が結晶性樹脂である場合、アニール処理は混合物100の表面温度が熱可塑性樹脂のガラス転移点を超え融点未満で行うことができる。混合物100内には結晶化している部分と結晶化していない部分とが混在しているため、適切な温度のアニール処理によって結晶化を促進し結晶化度を高くすることができる。結晶性樹脂のアニール処理の温度は、結晶性樹脂を提供するメーカによって結晶化度を最も効率よく上昇させることができる温度の情報が一般的に提供されているので、その温度に混合物100の表面温度を調整することが好ましい。
また、熱可塑性樹脂が非晶性樹脂である場合、アニール処理は混合物100の表面温度がガラス転移点未満で行われる。ガラス転移点以上になると非晶性樹脂が流動してしまうからである。非晶性樹脂の場合には、結晶化度とは関係がないが、成形時の残留応力を解放することにより熱可塑性樹脂組成物の機械的物性を向上できる。
熱可塑性樹脂中に分散したカーボンナノチューブを誘電加熱により加熱して混合物100の内部から効率よくアニール処理することで延性に優れた熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。熱可塑性樹脂は熱伝導率が小さいため熱可塑性樹脂組成物の内部まで迅速に加熱することは困難であり、アニール処理に本来であれば長時間を要する。しかしカーボンナノチューブが誘電加熱により急速に昇温し、熱可塑性樹脂組成物の内部まで効率よく加熱することができるため、一般的なアニール処理に比べて極短時間で残留応力を除去することができる。アニール処理は、20秒以上60秒以下であることができる。
熱可塑性樹脂がポリアミドである場合、アニール処理は例えば混合物100の表面温度が200℃になるまで行われることができる。例えば一般的なポリアミドの融点は260℃前後、結晶化温度は230℃であり、アニール処理は200℃で行うことで結晶化度を最も効率よく向上させることができる。混合物100の表面温度が200℃を超えないことが好ましい。通常のアニール処理は長時間(例えば5時間)かけて行われるが、本発明のアニール処理は極めて短時間(数十秒程度)とすることができる。
熱可塑性樹脂が芳香族ポリエーテルケトンである場合、アニール処理は例えば混合物100の表面温度が330℃になるまで行われることができる。例えば一般的なPEEKの融点は343℃前後であり、アニール処理は330℃で行うことで結晶化度を最も効率よく向上させることができる。混合物100の表面温度が330℃を超えないことが好ましい。本発明のアニール処理は極めて短時間(数十秒程度)とすることができる。
カーボンナノチューブは、平均直径が9nm以上30nm以下であることができ、熱可塑性樹脂組成物は、当該カーボンナノチューブを5質量%以上20質量%以下含むことができる。
B.熱可塑性樹脂組成物
熱可塑性樹脂組成物は、前記Aの製造方法で得ることができる。熱可塑性樹脂組成物は例えば熱可塑性樹脂がポリアミドまたは芳香族ポリエーテルケトンである。
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、誘電加熱によりアニール処理を受けた熱可塑性樹脂組成物の切断時伸び(Eb)は、熱可塑性樹脂組成物と同配合であってアニール処理をしない組成物の切断時伸び(Eb)の2.0倍以上である。さらにEb>2.5×Ebであることができ、特にEb>2.9×Ebであることができる。カーボンナノチューブを配合すると熱可塑性樹脂は通常延性を犠牲にすることになるが、アニール処理をすることでアニール処理をしないものより延性に優れることになる。延性に優れることにより、材料物性として延性が求められる用途にも熱可塑性樹脂組成物を採用することが可能となる。また、誘電加熱により短時間で熱可塑性樹脂組成物のアニール処理を行うことができる。
熱可塑性樹脂組成物中のカーボンナノチューブは、平均直径が2nm以上110nm以下であり、熱可塑性樹脂は、ポリアミドまたは芳香族ポリエーテルケトンであることができる。熱可塑性樹脂組成物は、解繊したカーボンナノチューブが全体に分散していることが好ましい。カーボンナノチューブを解繊させかつ熱可塑性樹脂組成物の全体に分散させるためには、前記混合工程が好ましい。解繊したカーボンナノチューブが熱可塑性樹脂組成物の全体に分散することにより、少量のカーボンナノチューブにより熱可塑性樹脂組成物の全体を内部から加熱することができる。熱可塑性樹脂組成物におけるカーボンナノチューブの偏りが少ないことで全体に均質な機械的強度を得ることができる。
前記のように、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて、本発明の範囲に含まれるものとする。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)サンプル
(1−1)実施例1のサンプルの作製
混合工程:図2に示すバレル設定温度295℃としたXplore社製卓上型二軸混練機MC15を用いて、表1に示す配合割合となるようにポリアミドペレット及びカーボンナノファイバーを投入して、溶融させ、十分に混練した。このときのポリアミドの生地表面の温度は285℃(第1温度)、混練時間は3分間、スクリュウの回転数は90rpm、加工中の応力は4000N〜6000Nであった。
さらに、バレル設定温度を280℃に設定し、エアブローによる冷却でバレル実温を280℃まで冷却した。冷却時間は3分間であった。この温度にて混練を行った。このときの第1の混合物の実際の温度は260℃(第2温度)、混練時間は8分間、スクリュウの回転数は90rpm、加工中の応力は5000N〜8000Nであった。第1の混合物の加工中の実際の温度は、バレル内の切換え部で混合物に接触する熱電対を用いて測定した。
射出成形工程:二軸混練機から取り出された熱可塑性樹脂組成物を射出成形機へ投入し
、285℃で溶融してJIS K7161 1BBダンベルを射出成形した。
なお、表1において、「CNT」は平均直径(走査型電子顕微鏡の撮像を用いて200か所以上の測定値を算術平均した値であり、以下同じ。)10nmの多層カーボンナノチューブ(Cnano Technology社製、グレード名:Flotube9110)であった。ポリアミドは、東レ社製ポリアミド66(グレード名:アミラン(「アミラン」は登録商標)CM3006、融点265℃(カタログ値)))であった。
アニール処理:射出成形で得られたJIS K7161 1BB形のダンベル試験片の混合物100を得て、混合物100を図3の密閉容器90内に収め、密閉容器90を容器60内に置いた。容器60に48℃の液体82(水)を充填し、誘電加熱装置70内に容器60を配置した。誘電加熱装置70は出力700Wの家庭用電子レンジであった。誘電加熱装置70により周波数2450MHzのマイクロ波を照射し、混合物100の表面温度が200℃に達したところでマイクロ波の照射を停止した。マイクロ波の照射時間は35秒間だった。マイクロ波の照射停止後、冷却パイプ94から冷媒HFC−134aを100℃になるまで導入し、その後40℃まで混合物100を冷却して実施例1のサンプルを取り出した。
(1−2)比較例1,2のサンプル作製
比較例1は、ポリアミド単体であるので、金型に樹脂ペレットを投入し、プレス工程を行ってサンプルを得た。比較例2は、実施例1におけるアニール処理を行わず、その他は実施例1と同様にしてサンプルを得た。
(1−3)比較例3のサンプル作製
比較例3は、実施例1におけるアニール処理に代えて試験片をオーブンに入れて200℃で5時間加熱した。オーブンは、アズワン社製定温乾燥機OF−600S強制対流方式であった。加熱温度の設定は、ポリアミドのアニール処理と結晶化度との関係を示すグラフ(東レ社の「熱処理による結晶化度の上昇」(http://www.toray.jp/plastics/amilan/technical/tec_011.html))に基づいて最も結晶化の効率の良い200℃に設定した。加熱時間は後述する引張試験の結果(図5)に基づいて5時間に設定した。
(2)引張試験
実施例及び比較例のサンプルについて、島津製作所社製オートグラフAG−Xの引張試験機を用いて、23±2℃、標準線間距離10mm、引張速度50mm/minでJIS
K7127に基づいて引張試験を行い、引張強さ(TS(MPa))及び切断時伸び(Eb(%))を測定した。測定結果を表1及び図4に示した。図4は応力−ひずみ曲線であり、実施例1を曲線Ex1,比較例1を曲線CE1,比較例2を曲線CE2,比較例3を曲線CE3で示した。
また、比較例3の試験片について、オーブンでの加熱時間を0時間〜8時間まで変化させたサンプルについて引張試験を上記と同様に行い切断時伸びを測定し、当該結果を図5に示した。
Figure 2019137863
引張試験の結果(表1及び図4、図5)によれば、以下のことがわかった。
(2−1)実施例1の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例1のサンプルに比べて切断時伸び(Eb)は落ちるものの、引張強さ(TS)が向上した。
(2−2)実施例1の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例2のサンプルに比べて引張強さ(TS)及び切断時伸び(Eb)が向上した。実施例1のサンプルの切断時伸び(Eb)は比較例2のサンプルの切断時伸び(Eb)の約2.9倍であった。
(2−3)実施例1の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例3のサンプルに比べて短時間で比較例3と同程度の引張強さ(TS)及び切断時伸び(Eb)の値を示した。図4における実施例1の実線の曲線Ex1と比較例3の破線の曲線CE3とはほとんどが重なり合っており、35秒間のアニール処理を行った実施例1のサンプルと5時間のアニール処理を行った比較例3のサンプルとがほぼ同じ引張特性を示した。
(3)サンプル
(3−1)実施例2,3のサンプルの作製
表2に示すCNTの含有量となるように実施例1と同様の条件で上記(1−1)の混合工程、射出成形工程、及びアニール処理を実施して、実施例2及び実施例3のサンプルを得た。ポリアミド及びCNTは実施例1と同じの材質であった。アニール処理におけるマイクロ波の照射時間は、表2に示す通りであった。
(3−2)比較例4〜7のサンプルの作製
比較例4は、実施例2におけるアニール処理を行わず、その他は実施例2と同様にしてサンプルを得た。比較例5は、実施例2におけるアニール処理に代えて比較例3と同様にオーブンで試験片を加熱して比較例5のサンプルを得た。
比較例6は、実施例3におけるアニール処理を行わず、その他は実施例3と同様にしてサンプルを得た。比較例7は、実施例3におけるアニール処理に代えて比較例3と同様に
オーブンで試験片を加熱して比較例7のサンプルを得た。
(4)引張試験
実施例2,3及び比較例4〜7のサンプルについて、上記(2)と同様に引張試験を行い、引張強さ(TS(MPa))及び切断時伸び(Eb(%))を測定した。測定結果を表2に示した。
Figure 2019137863
引張試験の結果(表2)によれば、以下のことがわかった。
(4−1)実施例2の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例4,5のサンプルに比べて引張強さ(TS)及び切断時伸び(Eb)が向上した。特に、実施例2のサンプルの切断時伸び(Eb)は、アニール処理を施さない比較例4のサンプルの切断時伸び(Eb)の約3倍の値であった。また、実施例3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例6のサンプルに比べて引張強さ(TS)及び切断時伸び(Eb)が向上した。特に、実施例3のサンプルの切断時伸び(Eb)は、アニール処理を施さない比較例6のサンプルの切断時伸び(Eb)の約2.8倍の値であった。
(4−2)実施例2,3の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例5,7のサンプルに比べて短時間で比較例5,7の引張強さ(TS)及び切断時伸び(Eb)と同程度またはそれ以上の値を示した。
(5)サンプル
(5−1)実施例4のサンプルの作製
混合工程:図2に示すバレル設定温度405℃としたXplore社製卓上型二軸混練機MC15を用いて、表3に示す配合割合となるようにポリエーテルエーテルケトン(以下「PEEK」という)ペレット及びカーボンナノファイバーを投入して、溶融させ、十分に混練した。このときのPEEKの生地表面の温度は380℃(第1温度)、混練時間は3分間、スクリュウの回転数は40rpm、加工中の応力は9200Nであった。
さらに、バレル設定温度を380℃に設定し、エアブローによる冷却でバレル実温を380℃まで冷却した。冷却時間は3分間であった。この温度にて混練を行った。このときの第1の混合物の実際の温度は358℃(第2温度)、混練時間は5分間、スクリュウの回転数は20rpm、加工中の応力は9000Nであった。第1の混合物の加工中の実際の温度は、バレル内の切換え部で混合物に接触する熱電対を用いて測定した。
なお、表3において、「CNT」は平均直径10.5nmの多層カーボンナノチューブ(Kumho Petrochemical社製、グレード名:K−Nanos−100T)であった。PEEKは、Victrex社製(グレード名:PEEK450G、融点343℃(カタログ値)))であった。
射出成形工程:二軸混練機から取り出された熱可塑性樹脂組成物を射出成形機へ投入し、400℃で溶融してJIS K7161 1BBダンベルを射出成形した。
アニール処理:射出成形で得られたJIS K7161 1BB形のダンベル試験片の混合物100を得て、混合物100を図3の密閉容器90内に収め、密閉容器90を容器60内に置いた。容器60に48℃の液体82(水)を充填し、誘電加熱装置70内に容器60を配置した。誘電加熱装置70は出力700Wの家庭用電子レンジであった。誘電加熱装置70により周波数2450MHzのマイクロ波を照射し、混合物100の表面温度が330℃に達したところでマイクロ波の照射を停止した。マイクロ波の照射時間は50秒間だった。マイクロ波の照射停止後、冷却パイプ94から冷媒HFC−134aを100℃になるまで導入し、その後40℃まで混合物100を冷却して実施例4のサンプルを取り出した。
(5−2)比較例8のサンプルの作製
比較例8は、実施例4におけるアニール処理を行わず、その他は実施例4と同様にしてサンプルを得た。
(6)引張試験
実施例4及び比較例8のサンプルについて、上記(2)と同様に引張試験を行い、引張強さ(TS(MPa))及び切断時伸び(Eb(%))を測定した。測定結果を表3に示した。
Figure 2019137863
(6−1)実施例4の熱可塑性樹脂組成物サンプルは、比較例8のサンプルに比べて引張強さ(TS)及び切断時伸び(Eb)が向上した。特に、実施例4のサンプルの切断時伸び(Eb)は、アニール処理を施さない比較例8のサンプルの切断時伸び(Eb)の約2.6倍の値であった。
2…オープンロール、10…第1のロール、20…第2のロール、30…熱可塑性樹脂(ポリアミド)、34…バンク、40…非接触温度計、70…誘電加熱装置、80…容器、82…液体、90…密閉容器、92…熱電対、94…冷却パイプ、80…カーボンナノチューブ、d…間隔、V1,V2…回転速度、100…混合物

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している混合物を誘電加熱してアニール処理を行う、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記熱可塑性樹脂は、結晶性樹脂であり、
    前記アニール処理は、前記混合物の表面温度が前記熱可塑性樹脂のガラス転移点を超え融点未満で行う、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記アニール処理は、液体の入った容器中に配置され前記混合物が前記液体に接触しない状態で誘電加熱される、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記アニール処理は、20秒以上60秒以下である、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    前記アニール処理は、周波数300MHz以上30GHz以下の電磁波を前記混合物に照射する、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記カーボンナノチューブは、平均直径が2nm以上110nm以下であり、
    前記熱可塑性樹脂は、ポリアミドであり、
    前記アニール処理は、前記混合物の表面温度が200℃になるまで行われる、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項において、
    前記カーボンナノチューブは、平均直径が2nm以上110nm以下であり、
    前記熱可塑性樹脂は、芳香族ポリエーテルケトンであり、
    前記アニール処理は、前記混合物の表面温度が330℃になるまで行われる、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、
    前記カーボンナノチューブは、平均直径が9nm以上30nm以下であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物は、前記カーボンナノチューブを5質量%以上20質量%以下含む、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  9. 熱可塑性樹脂中にカーボンナノチューブが分散している熱可塑性樹脂組成物であって、
    誘電加熱によりアニール処理を受けた前記熱可塑性樹脂組成物の切断時伸び(Eb)は、前記熱可塑性樹脂組成物と同配合であって前記アニール処理をしない組成物の切断時伸び(Eb)の2.0倍以上である、熱可塑性樹脂組成物。
  10. 請求項9において、
    前記カーボンナノチューブは、平均直径が2nm以上110nm以下であり、
    前記熱可塑性樹脂は、ポリアミドまたは芳香族ポリエーテルケトンである、熱可塑性樹脂組成物。
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