JP2019137444A - 補強用コーナー部材および収納容器およびその製造方法 - Google Patents

補強用コーナー部材および収納容器およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】補強用コーナー部材の溶着部分に熱可塑性樹脂からなるバリが生じ難い補強用コーナー部材を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂からなるシート9を折り曲げ成形してなり、上部に開口6aを有する箱6と、開口6aにおけるコーナーに嵌設される補強用コーナー部材1aと、を備え、箱6と補強用コーナー部材1aの重なり部分に熱溶着ホーン11を挿入してこれらを一体に溶着してなる収納容器8Aに用いられる補強用コーナー部材1aであって、この強補用コーナー部材1aは、熱可塑性樹脂からなり、コーナーにおけるシート9の端面及びこの端面を形成するシート9の両側面の一部を被覆する断面コ字状の補強部2と、熱溶着ホーン11の外形寸法よりも大きい内形寸法を有し、かつ補強部2において箱6の内側面側2b又は外側面側2aのいずれかに穿設されているホーン挿入ガイド孔3aと、を備えてなるものである。【選択図】図2

Description

本発明は、その製造時に溶着部位の周辺にバリ等が生じ難い熱可塑性樹脂からなる収納容器と、この収納容器に用いられる補強用コーナー部材と、この補強用コーナー部材を用いてなる収納容器の製造方法に関する。
従来から簡易な収納容器として熱可塑性樹脂からなる段ボール様のシートを折り曲げ成形してなり、その開口を同じく熱可塑性樹脂からなる補強部材で補強してなる箱が用いられている。
このような熱可塑性樹脂からなる収納容器の製法としては、例えば以下に示す特許文献1に開示されるような技術が知られている。
特許文献1には「プラスチックシート製箱体及びその製造方法、製造装置、並びにプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材」という名称で、熱可塑性樹脂からなる段ボール様のシート状部材を用いて箱体状に形成されるプラスチックシート製箱体及びその製造方法、製造装置、並びにプラスチックシート製箱体積重ね用のコーナー部材に関する発明が開示されている。
上述の特許文献1の明細書段落0119及び同文献の図34には、熱可塑性樹脂からなる段ボール様のシートを折り曲げ成形してなる箱の開口に補強部材を一体に固設する方法について「上記コーナー部材50とプラスチック製ダンボール箱1の側壁9、10、11、12との溶着は、図34に示すように、側壁9、10、11、12の裏面側まで貫通しなくともよく、コーナー部材50の表面を貫通して側壁9、10、11、12の表面側のプラスチック製ダンボール2と溶着しても勿論良い。」との開示がある。
したがって、特に特許文献1中における上記抜粋部分の記載を参照すれば、熱可塑性樹脂からなる段ボール様のシートに、同じく熱可塑性樹脂からなる補強部材を、金属製の金具等を一切用いることなく一体に固設することができる。
特開2010−1066号公報
図12は特許文献1に開示される方法により熱可塑性樹脂からなる箱の開口にコーナー補強部を熱溶着した場合のコーナー補強部の外観を示す画像である。
特許文献1に開示される方法をそのまま実施すると、図12に示すように熱溶着ピン(熱溶着ホーン)の挿入跡の周囲に溶融した熱可塑性樹脂からなるバリが生じてしまうという課題があった。
この場合、最終製品である収納容器の外観の審美性が低下してしまうという課題があった。
さらに、特許文献1に開示される技術をそのまま採用する場合は、コーナー補強部を箱の開口に熱溶着した後に、熱溶着ピンの挿入跡の周囲に生じたバリを除去する作業を別途行う必要があり煩雑であった。
本発明はかかる従来の課題に対処してなされたものでありその目的は、熱可塑性樹脂からなる箱に、同じく熱可塑性樹脂からなる補強用コーナー部材を熱溶着して箱を作製する際に、溶着部分の外観を美しく仕上げることができる補強用コーナー部材及びそれを用いてなる収納容器及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための第1の発明である補強用コーナー部材は、熱可塑性樹脂からなるシートを折り曲げ成形してなり、上部に開口を有する箱と、開口におけるコーナーに嵌設される補強用コーナー部材と、を備え、箱と補強用コーナー部材の重なり部分に熱溶着ホーンを挿入してこれらを一体に溶着してなる収納容器に用いられる補強用コーナー部材であって、補強用コーナー部材は、熱可塑性樹脂からなり、コーナーにおけるシートの端面及びこの端面を形成するシートの両側面の一部を被覆する断面コ字状の補強部と、熱溶着ホーンの外形寸法よりも大きい内形寸法を有し、かつ補強部において箱の内側面側又は外側面側のいずれかに穿設されているホーン挿入ガイド孔と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第1の発明において、補強部は、熱可塑性樹脂からなるシートにより形成される箱において、コーナーをなすシートの端面を被覆して補強するという作用を有する。また、補強部に形成されるホーン挿入ガイド孔は、補強用コーナー部材と箱とを溶着する際の熱溶着ホーンの挿入位置を示すガイド孔として作用する。また、このホーン挿入ガイド孔の内形寸法を、熱溶着ホーンの外形寸法よりも大きく設定しておくことで、ホーン挿入ガイド孔に熱溶着ホーンを挿入した際に、熱溶着ホーンの周側面がホーン挿入ガイド孔の入口側の周縁に接触しないようにするという作用を有する。この場合、熱溶着ホーンが挿入されているホーン挿入ガイド孔の周縁が溶融しないので、熱溶着ホーンの周側面上において溶融した熱可塑性樹脂が、熱溶着ホーンの周側面を伝って補強用コーナー部材の表面に溢れ出てくるのを抑制するという作用を有する。つまり、第1の発明を用いて収納容器を製造する際に、ホーン挿入ガイド孔に熱溶着ホーンを挿入した時に、その周縁に熱可塑性樹脂からなるバリが生じるのを好適に抑制するという作用を有する。
なお、第1の発明において、ホーン挿入ガイド孔の内形(より具体的には、ホーン挿入ガイド孔の中心軸に対する垂直断面における内形)は、円形に限定されず、多角形、楕円形、その他丸以外の任意の図形を含む概念である。また、同様に熱溶着ホーンの外形(より具体的には、熱溶着ホーンの中心軸に対する垂直断面における外形)も円形に限定されず、多角形、楕円形、その他丸以外の任意の図形を含む概念である。さらに、第1の発明において「ホーン挿入ガイド孔の内形寸法よりも熱溶着ホーンの外形寸法が大きい」とは、ホーン挿入ガイド孔の中心軸と熱溶着ホーンの中心軸を合致させた状態でホーン挿入ガイド孔に熱溶着ホーンを挿入した際に、ホーン挿入ガイド孔の内側面に熱溶着ホーンの外側面が直接接触しないことを意味している。
第2の発明である補強用コーナー部材は、上述の第1の発明であって、ホーン挿入ガイド孔の内形寸法は、熱溶着ホーンに対する入口側内形寸法よりも出口側内形寸法が縮小したテーパー状をなしていることを特徴とするものである。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用に加えて、ホーン挿入ガイド孔の内形寸法を、熱溶着ホーンに対する入口側内形寸法よりも出口側内形寸法が縮小したテーパー状とすることで、熱溶着後に補強用コーナー部材とシートの間の段差を入口側から見えないようにする作用を有する。具体的には、ホーン挿入ガイド孔に熱溶着ホーンを挿入する際に、熱溶着ホーンの挿入位置がホーン挿入ガイド孔の中心位置から周方向に位置ズレを起こした場合に、ホーン挿入ガイド孔の周方向で中心位置から離れた側では熱溶融した樹脂が届かず、ホーン挿入ガイド孔を塞ぎきれず補強用コーナー部材とシートの間に熱溶着のない状態での段差が生じる可能性がある。このような段差の発生は技術的には全く問題がないが、見栄えが悪く収納容器の外観の審美性を損なってしまう。そこで、ホーン挿入ガイド孔をテーパー状にしておくことでその段差を入口側から見えないよう作用させるのである。
なお、第2の発明において「ホーン挿入ガイド孔の内形寸法が、熱溶着ホーンに対する入口側内形寸法よりも出口側内形寸法が縮小したテーパー状をなしている」とは、ホーン挿入ガイド孔の内形において入口側内形と出口側内形が互いに相似であり、かつ入口側内形の面積よりも出口側内形の面積が連続的に漸次小さくなる状態をいう。
第3の発明である収納容器は、熱可塑性樹脂からなるシートを折り曲げ成形してなり、上部に開口を備える箱と、上記開口におけるコーナーに嵌設される第1又は第2の発明である補強用コーナー部材と、熱溶着ホーンの外形寸法と同じ内形寸法を有する有底穴であり、かつホーン挿入ガイド孔内に形成されているホーン挿入跡と、を備えていることを特徴とするものである。
上記構成の第3の発明において、補強用コーナー部材は、上述の第1又は第2の発明による作用と同じ作用を有する。つまり、補強用コーナー部材として特に第1又は第2の発明である補強用コーナー部材を用いることにより、ホーン挿入ガイド孔の周囲に熱可塑性樹脂からなるバリが生じるのを好適に抑制するという作用(第1、第2の発明)を有する。また、熱溶着後に補強用コーナー部材とシートの間の段差を入口側から見えないようにする作用(第2の発明)を有する。
また、箱が熱可塑性樹脂からなるシートにより構成されることで、段ボール等の紙製の箱を用いる場合に比べて箱に高い強度と耐久性を付与するとともに、この箱に補強用コーナー部材を溶着することを可能にするという作用を有する。さらに、ホーン挿入跡は、その外側面側に補強用コーナー部材及び箱を構成する熱可塑性樹脂が一旦溶融した後再硬化してなる再硬化部を備えている。そして、この再硬化部は、箱及び補強用コーナー部材の積層部分を貫通しながらこれらを一体化するという作用を有する。
したがって、このような第3の発明によれば、熱可塑性樹脂からなる箱と、同じく熱可塑性樹脂からなる補強用コーナー部材とを金属製の金具等を一切用いることなく一体化するという作用を有する。
第4の発明である収納容器製造方法は、熱可塑性樹脂からなるシートを折り曲げ成形して、上部に開口を備えてなる箱とする箱成形工程と、上述の第1又は第2の発明である補強用コーナー部材を開口のコーナーに嵌設する補強用コーナー部材嵌設工程と、補強用コーナー部材におけるホーン挿入ガイド孔にその内形寸法よりも小さい外形寸法を有している熱溶着ホーンを、補強部の重なり部を貫通しないように挿入して補強用コーナー部材とシートとを一体に溶着する熱溶着工程と、を有することを特徴とするものである。
上記構成の第4の発明において箱成形工程は、熱可塑性樹脂からなるシートを折り曲げ成形して、上部に開口を備えてなる箱を作成するという作用を有する。また、補強用コーナー部材嵌設工程は、先の箱成形工程において作成された箱の開口におけるコーナーに第1又は第2の発明である補強用コーナー部材を嵌設することで、箱の立体形状を保持させるという作用を有する。そして、最後の熱溶着工程は、箱のコーナーに嵌設された補強用コーナー部材のホーン挿入ガイド孔に、その内形寸法よりも小さい外形寸法を有している熱溶着ホーンを、補強部の重なり部を貫通しないように挿入することで、熱溶着ホーンの入口側のホーン挿入ガイド孔の周縁にバリを生じさせることなく箱と補強用コーナー部材とを一体に溶着させるという作用を有する。
また、熱溶着工程時に、熱溶着ホーンが補強部の重なり部を貫通しないことで、最終製品である収納容器の開口近傍に不必要な貫通孔が生じる、あるいは、同部位に製品の美観を低下させる変形や陥没が生じるのを抑制するという作用を有する。
上述のような第1の発明によれば、コーナー補強部がホーン挿入ガイド孔を備えていることで熱溶着ホーンの挿入位置を明確にすることができる。さらに、第1の発明によれば、ホーン挿入ガイド孔に熱溶着ホーンを挿入した際に、熱溶着ホーンの入口側のホーン挿入ガイド孔の周縁に熱溶着ホーンの周側面が接触しないようにすることができる。
この結果、箱と第1の発明である補強用コーナー部材の重なり部を熱溶着する際に、ホーン挿入ガイド孔の周縁に熱可塑性樹脂からなるバリが生じるのを好適に防止することができる。
したがって、第1の発明である補強用コーナー部材を用いて収納容器を製造する際に、熱溶着された部分の外観を美しくすることができる。
つまり、熱可塑性樹脂からなる箱と、第1の発明である補強用コーナー部材とを一体化した後に、熱可塑性樹脂からなるバリを除去する作業を行う必要がない。
よって、第1の発明によれば、ホーン挿入ガイド孔を備えていない補強用コーナー部材を用いる場合に比べて、溶着直後の補強用コーナー部材の表面が美しく、外観上の審美性が高い収納容器を効率良く生産することができる。
第2の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果を有する。また、第2の発明の場合は、補強用コーナー部材に形成されているホーン挿入ガイド孔において、その内形寸法が熱溶着ホーンに対する入口側内形寸法よりも出口側内形寸法が縮小したテーパー状に形成されていることで、ホーン挿入ガイド孔に熱溶着ホーンを挿入する際に、熱溶着ホーンの挿入位置に多少のズレが生じた場合でも、熱溶着後に補強用コーナー部材とシートの間の段差が補強用コーナー部材における熱溶着ホーンの入口側から見えず、収納容器の美観を損なわないようにすることができる。
したがって第2の発明によれば、上述の第1の発明の場合よりも一層確実に外観上の審美性が高い収納容器を効率良く生産することができる。
第3の発明は、上述の第1又は第2の発明である補強用コーナー部材を備えてなる収納容器を物の発明として特定したものであり、第3の発明における補強用コーナー部材による効果は、上述の第1又は第2の発明による効果と同じである。
このような第3の発明は、ホーン挿入ガイド孔の内側に、ホーン挿入ガイド孔の内形寸法よりも小さい外形寸法を有しているホーン挿入跡を備えているので、上述の特許文献1に開示されている収納容器と明確に区別することができる。
また、第3の発明によれば、収納容器全体が熱可塑性樹脂のみで構成され、かつ補強用コーナー部材と箱とを一体化させるための金属製の金具等が一切使用されていないので、第3の発明をリサイクルする際に分別作業を行う必要がない。
このため第3の発明によれば、不要になった収納容器のリサイクルを容易にできるという効果を有する。
第4の発明は、上述の第3の発明の製造工程を方法の発明として特定したものである。したがって、第4の発明により製造されてなる収納容器による効果は、上述の第3の発明による効果と同じである。
さらに、第4の発明によれば、ホーン挿入ガイド孔に挿入される熱溶着ホーンの軸方向に対する垂直断面における外形寸法が、ホーン挿入ガイド孔の内形寸法よりも小さく設定されていることで、ホーン挿入ガイド孔に熱溶着ホーンを挿入する際に、ホーン挿入ガイド孔における熱溶着ホーンの入口側周縁に、熱溶着ホーンの周側面が触れないようにすることができる。
この結果、第4の発明によれば、熱可塑性樹脂からなる箱に、同じく熱可塑性樹脂からなる補強用コーナー部材を溶着する際に、ホーン挿入ガイド孔の周囲に溶けた熱可塑性樹脂からなるバリが生じるのを好適に防止することができる。
よって、第4の発明によれば、熱溶着した部分の外観が美しい収納容器を効率良く生産することができる。
(a)本発明の実施の形態に係る補強用コーナー部材を鉛直上方側から見た斜視図であり、(b)同補強用コーナー部材を鉛直下方側から見た斜視図である。 本発明の実施の形態に係る収納容器の斜視図である。 (a)本発明の実施の形態に係る収納容器を構成するシートの断面図であり、(b)本発明の実施の形態に係る収納容器に用いる辺補強部の斜視図である。 本発明の実施の形態に係る収納容器製造方法のフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る収納容器に用いる箱の展開図である。 本発明の実施の形態に係る収納容器に用いる箱を折り曲げ成形した状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る収納容器に用いる箱に辺補強部を嵌設した状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る収納容器に用いる箱にコーナー補強部を嵌設した状態を示す斜視図である。 (a)〜(d)はいずれも箱と補強用コーナー部材の重なり部を熱溶着する際の各ステップの状態を示す部分断面図である。 (a)、(b)は本発明の実施の形態に係る収納容器の部分断面図である。 (a)は本発明の実施の形態の変形例に係る補強用コーナー部材を鉛直下方側から見た斜視図であり、(b)は同補強用コーナー部材を熱可塑性樹脂からなる箱に嵌設した状態を示す部分断面図であり、(c)は本発明の実施の形態の変形例に係る補強用コーナー部材及びそれを備えてなる収納容器の部分断面図である。 特許文献1に開示される方法により熱可塑性樹脂からなる箱の開口にコーナー補強部を熱溶着した場合のコーナー補強部の外観を示す画像である。
本発明の実施の形態に係る補強用コーナー部材及びそれを用いてなる収納容器及びその製造方法について図1乃至図11を参照しながら詳細に説明する。
はじめに、本実施の形態に係る補強用コーナー部材について図1を参照しながら説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態に係る補強用コーナー部材を鉛直上方側から見た斜視図であり、図1(b)は同補強用コーナー部材を鉛直下方側から見た斜視図である。
本実施の形態に係る補強用コーナー部材1aは、熱可塑性樹脂からなるシートを折り曲げ成形されてなる箱の開口におけるコーナーに一体に熱溶着される補強用コーナー部材である。
このような本実施の形態に係る補強用コーナー部材1aは、図1(a),(b)に示すように、上記箱のコーナーにおいて、この箱を構成する熱可塑性樹脂からなるシートの端面及びこの端面を形成するシートの両側面の一部を被覆する断面コ字状のコーナー補強部2と、このコーナー補強部2を上記箱に嵌設した際に箱の外側面側2aに配される面に穿設されているホーン挿入ガイド孔3aとにより構成されるものである。
なお、本実施の形態に係る補強用コーナー部材1aは、図1(a),(b)に示すように、コーナー補強部2の上面に、その外側の縁部に沿って突設されるスタッキング用突条4を備えていてもよい(選択的構成要素)。
そして、本実施の形態に係る補強用コーナー部材1aが上述のようなスタッキング用突条4を備えている場合は、この補強用コーナー部材1aを備えた収納容器を鉛直方向に複数スタッキングさせることができるという効果が発揮される。
次に、図2を参照しながら、上述のような本実施の形態に係る補強用コーナー部材1aを備えてなる本実施の形態に係る収納容器について説明する。
図2は本発明の実施の形態に係る収納容器の斜視図である。なお、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る収納容器8Aは、図2に示すように、熱可塑性樹脂からなるシート9を折り曲げ成形してなり、その上部に開口6aを備えている箱6と、この開口6aにおけるコーナーに嵌設されている本実施の形態に係る補強用コーナー部材1a[図1(a),(b)を参照]と、箱6と補強用コーナー部材1aを一体に熱溶着する際に用いる熱溶着ホーン(後段における図9中の熱溶着ホーン11を参照)の軸方向に対する垂直断面直径と同じ(略同じの概念を含む)直径(図10中の符号Qを参照)を有する有底穴で、かつホーン挿入ガイド孔3aの内側に形成されているホーン挿入跡7とを備えてなるものである。
ここで図3を参照しながら本実施の形態に係る収納容器8Aの細部について説明する。
図3(a)は本発明の実施の形態に係る収納容器を構成するシートの断面図であり、図3(b)は本発明の実施の形態に係る収納容器に用いる辺補強部の斜視図である。なお、図1,2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る収納容器8Aでは、箱6を構成するシート9として、例えば図3(a)に示すような熱可塑性樹脂からなるシート材10を段ボール様の多層構造体にしたものを使用することができる。
なお、シート9の断面の態様は、図3(a)に示すものに特定される必要はなく、図3(a)に示す以外の態様、例えば一対のシート材10の間に多数の間仕切り材が平行にあるいは所望の規則性を有しながら配されているものを用いることもできる。
さらに、シート9は、図3(a)に示す形態や上述の他の形態に特定される必要はなく、例えば厚手の1枚もののシート材10からなるシート9を用いてもよいし、複数枚のシート材10を層状に貼り合わせてなるシート9を用いてもよい。いずれの場合も、シート9を構成する全ての材質が熱可塑性樹脂であればよい。
したがって、本実施の形態に係る収納容器8Aの箱6に用いるシート9は、熱可塑性樹脂からなり、かつ収納容器として使用するのに十分な強度と耐久性を有し、さらにそれ自体で形状を保持できる程度の剛性を有するものであればどのような形態のものでもよい。
さらに、本実施の形態に係る収納容器8Aは、図2に示すように、箱6の開口6aに嵌設される補強用コーナー部材1a同士の間に、辺補強部5を備えていてもよい(選択的構成要素)。
この辺補強部5は、図3(b)に示すように、熱可塑性樹脂からなる断面コ字状の棒状体である。また、このような辺補強部5は、先の図2に示す箱6の開口6aにおいて、コーナーを除く辺部のシート9の端面を被覆するように嵌設されて使用されるものである(後段における図7を参照)。
なお、本実施の形態に係る収納容器8Aにおける辺補強部5の固定方法としては、後段においても説明するが、箱6の開口6aにおける辺部に辺補強部5を嵌設した後、この辺補強部5の両端部のそれぞれが別々の補強用コーナー部材1aの下層側に配されるように各補強用コーナー部材1aを嵌設してから、補強用コーナー部材1aと辺補強部5とが重なり合う部分を熱溶着するという方法を用いることができる。
この場合、箱6の開口に補強用コーナー部材1aを溶着する作業と、箱6に辺補強部5を溶着する作業を同時に行うことができるというメリットがある。
続いて、図4乃至図9を参照しながら本実施の形態に係る収納容器製造方法について説明する。
図4は本発明の実施の形態に係る収納容器製造方法の概要を示すフローチャートである。また、図5乃至図8はいずれも本発明の実施の形態に係る収納容器製造方法の各工程における作業状態を示す斜視図である。なお、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態に係る収納容器製造方法13におけるステップS01の箱成形工程は、図5に示すような展開図を有するシート9を、その折り目9aに沿って折り曲げ成形して、図6に示すような上部に開口6aを備える箱6を形作る工程である。
また、この箱6の展開図は、図5に示すものに特定される必要はなく、最終的に上部に開口を有する立方体状又は直方体状の箱6を形成できれば、図5に示される展開図と異なっていてもよい。
また、この箱6を、図6に示すような立体形状に維持しておくために、箱6におけるシート9の重なり部分を、例えば特許文献1に開示されるような手段にて熱溶着して固定してもよい。なお、箱6におけるシート9の重なり部分を熱溶着する作業は、後述のステップ03の熱溶着工程時に行ってもよい。
さらに、本実施の形態では、1枚のシート9を折り曲げ成形して箱6を形作る場合を例に挙げて説明しているが、シート9からなる複数のパーツ(図示せず)を貼り合わせて、あるいは、シート9に予め形成される掛止構造等を利用して箱6を立体的に形作ってもよい。いずれの場合も、それぞれのパーツの接合部を、例えば特許文献1に開示されるような手段を用いて熱溶着してもよい。
なお、箱6の立体形状を維持する目的でシート9同士の重なり部を固定する方法を熱溶着に限定する必要は特になく、本実施の形態に係る収納容器8Aをリサイクルする際に、分別作業の支障にならない成分からなる接着剤を用いる、あるいは、熱可塑性樹脂からなる別体の固定具を用いてシート9同士の重なり部を固定してもよい。
また、本実施の形態に係る収納容器製造方法13において、先の図2に示されるような辺補強部5を備えた収納容器8Aを製造する場合は、図6に示すような状態に箱6を成形してから、その開口6aにおける辺部に、先の図4(b)に示す辺補強部5を嵌設すればよい(図7を参照)。なお、本実施の形態に係る収納容器8Aは、この辺補強部5を備えていなくともよい。
また、本実施の形態に係る収納容器8Aが辺補強部5を備える場合は、この辺補強部5を、箱6の立体形状を維持させるための仮止め部材として用いることができる。
続くステップS02の補強用コーナー部材嵌設工程は、図8に示すように、箱6の開口6aにおける個々のコーナーに先の図1(a),(b)に示す補強用コーナー部材1aを嵌設する工程である。
なお、本実施の形態に係る収納容器8Aが箱6の開口6aに辺補強部5を備える場合は、このステップS02で、開口6aに嵌設されている辺補強部5(先の図7を参照)の端部領域と、補強用コーナー部材1aにおけるコーナー補強部2とが重なり部14を形成するように補強用コーナー部材1aを嵌設するとよい。
この場合、後のステップS03の熱溶着工程において、補強用コーナー部材1aと辺補強部5とを同時に箱6に溶着することができる。
さらに、最後のステップS03の熱溶着工程について図9を参照しながら説明する。
図9(a)〜(d)はいずれも箱と補強用コーナー部材の重なり部を熱溶着する際の各ステップの状態を示す部分断面図である。なお、図1乃至図8に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
箱6の開口6aにおけるコーナーに本実施の形態に係る補強用コーナー部材1aを、あるいは、辺補強部5及び補強用コーナー部材1aを、溶着するには、図9(a),(b)に示すように、補強用コーナー部材1aに形成されているホーン挿入ガイド孔3aから熱溶着ホーン11を必要な深さだけ挿入すればよい。
また、本実施の形態に係る収納容器製造方法13では、ホーン挿入ガイド孔3aに挿入される熱溶着ホーン11の先端部分の軸方向に対する垂直断面直径Qは、ホーン挿入ガイド孔3aの直径P(後段における図10を参照。)よりも小さく構成されている。
この時、図9(b)に示すように、熱溶着ホーン11に触れた部分とその周囲の熱可塑性樹脂が一時的に溶融して溶融部12となり、シート9とコーナー補強部2との重なり部分(辺補強部5を備えている場合は、シート9と辺補強部5とコーナー補強部2との重なり部分)にさらに深く熱溶着ホーン11を挿入することができる[図9(c)を参照]。
そして、ホーン挿入ガイド孔3aに挿入した熱溶着ホーン11の先端が、ホーン挿入ガイド孔3aと対向して配されるコーナー補強部2の内側面に到達している状態、又は、コーナー補強部2の内側面に近接している状態にすることで、シート9とコーナー補強部2との重なり部分(辺補強部5を備えている場合は、シート9と辺補強部5とコーナー補強部2との重なり部分)を構成する熱可塑性樹脂のうち、熱溶着ホーン11の周囲に配されている部分を溶融して一体化させることができる[図9(c)を参照]。このときホーン挿入ガイド孔3aには溶融した熱可塑性樹脂の一部が流れ込むが、熱溶着ホーン11の外径とホーン挿入ガイド孔3aの内径に径差があることからホーン挿入ガイド孔3aから溢れてバリを形成するには至らない。
この後、シート9とコーナー補強部2との重なり部分(辺補強部5を備えている場合は、シート9と辺補強部5とコーナー補強部2との重なり部分)から熱溶着ホーン11を抜き取ると、図9(d)に示すように、ホーン挿入ガイド孔3a内において熱溶着ホーン11が存在していた部分にホーン挿入跡7が形成されるとともに、このホーン挿入跡7の外側面側には、溶融した熱硬化樹脂(溶融部12)が再硬化してなる中空容器状の再硬化部12aが形成されている。
そして、この再硬化部12aは、シート9とコーナー補強部2との重なり部分(辺補強部5を備えている場合は、シート9と辺補強部5とコーナー補強部2との重なり部分)において、これらを貫いて設置される固定ピンと同等の機能を発揮する。
よって、本実施の形態に係る収納容器製造方法13におけるステップ03の熱溶着工程では、シート9とコーナー補強部2との重なり部分(辺補強部5を備えている場合は、シート9と辺補強部5とコーナー補強部2との重なり部分)を一体に溶着することができる。
また、本実施の形態に係る収納容器製造方法13では、図9(c)に示すように、ホーン挿入ガイド孔3aから挿入される熱溶着ホーン11が、コーナー補強部2が重なり合う部分を貫通してしまうことがないよう熱溶着ホーン11の挿入深さを調整する必要がある。
これにより、箱6に補強用コーナー部材1a(及び辺補強部5)を溶着する際に、箱6に不必要な貫通孔が形成されてしまうのを好適に防止することができる。
この結果、最終製品である収納容器8Aの外観上の審美性を高めることができる。
よって、上述のような本実施の形態に係る収納容器製造方法13によれば、先の図2に示すような、補強用コーナー部材1aのホーン挿入ガイド孔3a内に有底穴であるホーン挿入跡7を有する収納容器8Aを製造することができる。
ここで、図10を参照しながら本実施の形態に係る収納容器製造方法13による独自の効果について説明する。
図10(a)、(b)はともに本発明の実施の形態に係る収納容器の部分断面図である。なお、図1乃至図9に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。また、図10(a)は先の図9(d)に示されている収納容器8Aの部分断面図と同一である。
先の図9(a)や図10(a)に示すように、本実施の形態に係る収納容器8Aでは、補強用コーナー部材1aにおけるホーン挿入ガイド孔3aの直径Pが、先のステップS03の熱溶着工程の際に形成されるホーン挿入跡7の直径Q、すなわち、熱溶着ホーン11の直径Qよりも大きい。
この場合、熱溶着ホーン11の先端部を箱6と補強用コーナー部材1a(及び必要に応じて辺補強部5)の積層部分に挿入した際に、熱溶着ホーン11の入口側のホーン挿入ガイド孔3aの周縁に、熱溶着ホーン11の周側面が接触しないようにすることができる。
これにより、ホーン挿入ガイド孔3aの周縁を形作る熱可塑性樹脂が溶融しないので、この部分が熱溶着ホーン11の先端側で溶融したシート9、辺補強部5あるいは補強用コーナー部材1aの内側面側2bの熱可塑性樹脂が熱溶着ホーン11の周側面を伝って補強用コーナー部材1aの表面に漏出しようとする際に熱溶着ホーン11の外径とホーン挿入ガイド孔3aの内径に径差があることからホーン挿入ガイド孔3aから溢れてバリを形成するには至らない。
したがって、本実施の形態に係る収納容器製造方法13によれば、熱溶着工程(ステップS03;図4を参照)を完了した直後の補強用コーナー部材1aの表面を、バリ等の不必要な突起物が存在しない平坦な状態にすることができる。
よって、本実施の形態に係る収納容器製造方法13によれば、ステップS03の熱溶着工程が完了した直後に、ホーン挿入ガイド孔3aの周縁にバリが生じていない状態を実現することができるので、先の特許文献1に開示される方法を採用する場合に比べて、補強用コーナー部材1aの表面状態を美しい状態にすることが容易である。
この場合、ステップS03の熱溶着工程が完了した後に、ホーン挿入ガイド孔3aの周囲から熱可塑性樹脂からなるバリを除去する作業を行う必要がない。
したがって、本実施の形態に係る収納容器製造方法13によれば、外観が美しい収納容器8Aを、確実にかつ効率良く生産することができるという独自の効果を有している。
一方、図10(b)は図10(a)と同一のホーン挿入ガイド孔3aを備えている補強用コーナー部材1aであるが、熱溶着ホーン11がホーン挿入ガイド孔3aの中心からずれて挿入された場合を示している。
図10(b)では、熱溶着ホーン11が中心からずれて挿入されているため、補強用コーナー部材1aの外側面側2aと辺補強部5の間で段差15を生じており、それが外側面側2aから見えることになってしまい、収納容器8Aの美観を損ねてしまう。
このような補強用コーナー部材1a又は収納容器8Aでは、ホーン挿入ガイド孔3bの直径Pが、このホーン挿入ガイド孔3bに挿入される熱溶着ホーン11の直径Qよりも大きく設定されていることで、上述したようにホーン挿入ガイド孔3aの周縁に熱可塑性樹脂からなるバリを生じにくくさせるという効果を発揮させることができるものの、熱溶着ホーン11の挿入位置がホーン挿入ガイド孔3aの周方向に位置ズレを起こした場合、補強用コーナー部材1aの外側面側2aと辺補強部5の間で生じた段差15が外側面側2aから見えてしまう。
このような段差15を生じても、既に述べたとおり、再硬化部12aがシート9とコーナー補強部2との重なり部分(辺補強部5を備えている場合は、シート9と辺補強部5とコーナー補強部2との重なり部分)において、これらを貫いており、固定ピンと同等の機能を発揮するので強度的には問題ない。しかしながら、この段差15が外側面側2aから見えてしまうと見栄えが悪く、収納容器8Aの外観の審美性が損なわれてしまう。
このような段差15は、外側面側2aと熱溶着ホーン11の隙間が再硬化部12aの厚み(熱溶着ホーン11の挿入方向に対して垂直方向の厚み)よりも広くなる場合に生じるので、本来、ホーン挿入ガイド孔3aの直径P(内形寸法)と熱溶着ホーン11の直径Q(外形寸法)の差は、再硬化部2aの厚み以内であることが望ましい。
しかしながら、そうであったとしても現実には熱溶着ホーン11による作業時には位置ズレを起こす可能性もあり、収納容器8Aの美観が損なわれてしまう可能性があった。
そこで、次に図11を参照しながら本実施の形態の変形例に係る補強用コーナー部材及び収納容器について説明する。
図11(a)は本発明の実施の形態の変形例に係る補強用コーナー部材を鉛直下方側から見た斜視図であり、(b)は同補強用コーナー部材を熱可塑性樹脂からなる箱に嵌設した状態を示す部分断面図であり、(c)は本発明の実施の形態の変形例に係る補強用コーナー部材及びそれを備えてなる収納容器の部分断面図である。なお、図1乃至図10に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施の形態の変形例に係る補強用コーナー部材1bは、図11(a)に示すように、先の図1(b)に示されている補強用コーナー部材1aのホーン挿入ガイド孔3aに代えて、熱溶着ホーン11が挿入される入口側の直径から縮径してテーパー状をなすホーン挿入ガイド孔3bを備えてなるものである。また、このホーン挿入ガイド孔3bは、図11(b)に示すように、熱溶着ホーン11に対する入口側の直径Pが、熱溶着ホーン11に対する出口側の直径Pよりも大きく構成されている。
このようなホーン挿入ガイド孔3bを備える補強用コーナー部材1bでは、熱溶着ホーン11の挿入位置がホーン挿入ガイド孔3bの中心から多少位置ズレを起こしても、熱溶着ホーン11に対して入口側の直径よりも出口側の直径が小さく構成され、かつその外形がテーパー状をなしているので、一部テーパー部分が溶融する場合はあるものの図10(b)に見えていた段差15は生じることなく、図11(c)に示すようにホーン挿入ガイド孔3bの外側面側2aからの見栄えがよい。
すなわち、入口側の直径Pと出口側の直径Pとの差で熱溶着ホーン11の挿入時の位置ズレを吸収することが可能となっている。
したがって、本実施の形態の変形例に係る補強用コーナー部材1b及びそれを備えてなる収納容器8Bによれば、上述の補強用コーナー部材1aを用いる場合に比べて、熱溶着ホーン11の挿入位置がホーン挿入ガイド孔3bの周方向に多少位置ズレを起こした場合でも、最終製品である収納容器8Bの外観の審美性を維持することが可能である。もちろん、補強用コーナー部材1aと同様に、ホーン挿入ガイド孔3bの周縁にバリが生じるのを確実に防ぐことができるという効果をも有する。
なお、ホーン挿入ガイド孔3bの直径は、テーパー状であるので、熱溶着ホーン11に対して入口側の直径Pが熱溶着ホーン11の直径Qよりも大きくあればよく、出口側Pの直径は入口側の直径Pよりも小さいが、必ずしも熱溶着ホーン11の直径Qに対しては大きくなくともよい[図11(b),(c)を参照]。
また、本実施の形態においては、補強用コーナー部材1a,1bにおけるコーナー補強部2の外側面側2aにホーン挿入ガイド孔3a,3bを設ける場合を例に挙げて説明しているが、ホーン挿入ガイド孔3a,3bは、コーナー補強部2の内側面側2bに設けてもよい。
この場合、本実施の形態に係る収納容器製造方法13におけるステップ03の熱溶着工程時に、熱溶着ホーン11の挿入方向を変更する必要があるが、それ以外は全て本実施の形態に係る収納容器製造方法13と同じである。
また、特に補強用コーナー部材1a,1bがコーナー補強部2の内側面側2bにホーン挿入ガイド孔3a,3bを備える場合は、ホーン挿入跡7が箱6の内側に形成されるので、最終製品である収納容器の外観を一層美しくすることができるという効果が発揮される。
なお、本実施の形態においては、ホーン挿入ガイド孔3a内形(より具体的には、ホーン挿入ガイド孔の中心軸に対する垂直断面における内形)が特に円形である場合を例に挙げて説明しているが、ホーン挿入ガイド孔3aの内形を円形に特定する必要はなく、円形以外にも多角形、楕円形、その他丸以外の任意の図形でよい。
また、同様に熱溶着ホーン11の外形(より具体的には、熱溶着ホーン11の中心軸に対する垂直断面における外形)も円形に特定する必要はなく、多角形、楕円形、その他丸以外の任意の図形でよい。
さらに、上述のようにホーン挿入ガイド孔3a内形が円形に特定されない場合で、かつ熱溶着ホーン11の外形も円形に特定されない場合に、本発明が上述のような独自の効果を発揮するには、ホーン挿入ガイド孔3aの内形寸法を熱溶着ホーン11の外形寸法よりも大きく設定しておく必要がある。この場合、ホーン挿入ガイド孔3aの中心軸と熱溶着ホーン11の中心軸を合致させた状態でホーン挿入ガイド孔3aに熱溶着ホーン11を挿入した際に、ホーン挿入ガイド孔3aの内側面に熱溶着ホーン11の外側面が直接接触しないので、溶融した熱可塑性樹脂がホーン挿入ガイド孔3aの外に溢れ出るのを好適に防止することができる。
この結果、ホーン挿入ガイド孔3a内形が円形に特定されない場合で、かつ熱溶着ホーン11の外形も円形に特定されない場合でも、ホーン挿入ガイド孔3aの周囲の外観を美しい状態に維持するという効果を発揮させることができる。加えて、ホーン挿入ガイド孔3aの内形及び/又は熱溶着ホーン11の外形を丸以外の任意の形状にした場合は、本発明に係る収納容器におけるホーン挿入ガイド孔3aやホーン挿入跡7を見た場合の視覚的な楽しさや心地良さを演出することができるので、これらの内形又は外形を単純な丸形にする場合に比べてその審美性を向上させることができる。
さらに、ホーン挿入ガイド孔3aの内形が円形に特定されない場合でも、ホーン挿入ガイド孔3aがテーパー状をなしていれば、ホーン挿入ガイド孔の内形における入口側内形と出口側内形が互いに相似であり、かつ入口側内形の面積よりも出口側内形の面積が連続的に漸次小さくなるので、熱溶着ホーン11の入口側の内径寸法と出口側の内径寸法との差で熱溶着ホーン11の挿入時の位置ズレを吸収することが可能である。
よって、上述のような溶融した熱可塑性樹脂がホーン挿入ガイド孔3aから溢れ出るのを防止する効果に加えて、ホーン挿入ガイド孔3a内において補強用コーナー部材1aの外側面側2aと辺補強部5の間で生じた段差15を生じさせ難くすることができるので、一層外観が美しい収納容器を製造して提供することができるという効果を有する。
以上説明したように本発明は、熱可塑性樹脂からなる箱に、熱可塑性樹脂からなる補強用コーナー部材を熱溶着して箱を作製する際に、溶着した部位の外観を美しく仕上げることができる補強用コーナー部材及びそれを用いてなる収納容器及びその製造方法であり、熱可塑性樹脂を用いた製品の製造に関する技術分野において利用可能である。
1a,1b…補強用コーナー部材 2…コーナー補強部 2a…外側面側 2b…内側面側 3…ホーン挿入ガイド孔 4…スタッキング用突条 5…辺補強部 6…箱 6a…開口 7…ホーン挿入跡 8A,8B…収納容器 9…シート 9a…折り目 10…シート材 11…熱溶着ホーン 12…溶融部 12a…再硬化部 13…収納容器製造方法 14…重なり部 15…段差

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂からなるシートを折り曲げ成形してなり、上部に開口を有する箱と、前記開口におけるコーナーに嵌設される補強用コーナー部材と、を備え、前記箱と前記補強用コーナー部材の重なり部分に熱溶着ホーンを挿入してこれらを一体に溶着してなる収納容器に用いられる前記補強用コーナー部材であって、
    前記補強用コーナー部材は、熱可塑性樹脂からなり、前記コーナーにおける前記シートの端面及びこの端面を形成する前記シートの両側面の一部を被覆する断面コ字状の補強部と、
    前記熱溶着ホーンの外形寸法よりも大きい内形寸法を有し、かつ前記補強部において前記箱の内側面側又は外側面側のいずれかに穿設されているホーン挿入ガイド孔と、を備えていることを特徴とする補強用コーナー部材。
  2. 前記ホーン挿入ガイド孔の前記内形寸法は、前記熱溶着ホーンに対する入口側内形寸法よりも出口側内形寸法が縮小したテーパー状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の補強用コーナー部材。
  3. 熱可塑性樹脂からなるシートを折り曲げ成形してなり、上部に開口を備える箱と、
    前記開口におけるコーナーに嵌設される請求項1又は請求項2に記載の補強用コーナー部材と、
    前記熱溶着ホーンの前記外形寸法と同じ内形寸法を有する有底穴であり、かつ前記ホーン挿入ガイド孔内に形成されているホーン挿入跡と、を備えていることを特徴とする収納容器。
  4. 熱可塑性樹脂からなるシートを折り曲げ成形して、上部に開口を備えてなる箱とする箱成形工程と、
    請求項1又は請求項2に記載の補強用コーナー部材を前記開口のコーナーに嵌設する補強用コーナー部材嵌設工程と、
    前記補強用コーナー部材における前記ホーン挿入ガイド孔にその内形寸法よりも小さい外形寸法を有している前記熱溶着ホーンを、前記補強部の重なり部を貫通しないように挿入して前記補強用コーナー部材と前記シートとを一体に溶着する熱溶着工程と、を有することを特徴とする収納容器製造方法。
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