JP2019137265A - 車体後部構造 - Google Patents

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【課題】車体重量の大幅な増大を招くことなく、バックドア開口部の開口縁の剛性を高めることができる車体後部構造を提供する。【解決手段】バックドア開口部に備えられるピラーインナロア51およびロアバックリインフォースメント32それぞれは、略車幅方向に沿って延在する第1壁部(ピラーインナロア本体部51aおよびリインフォースメント本体部32a)と、該第1壁部に連続し且つこの第1壁部の延在方向に対して交差する方向に沿って延在する第2壁部(屈曲部51b,32b)とを有している。ピラーインナロア51およびロアバックリインフォースメント32は、これらの第1壁部同士および第2壁部同士が互いに重ね合わされ、これら第1壁部と第2壁部との間の稜線部分を挟んだ両側位置において、第1壁部同士および第2壁部同士がそれぞれ互いに接合されている。【選択図】図3

Description

本発明は車体後部構造に係る。特に、本発明は、バックドア開口部の開口縁の剛性を高めるための対策に関する。
従来、例えば特許文献1にも開示されているように、ハッチバックタイプの車両の車体後部には、バックドアによって開閉される開口部(バックドア開口部)が備えられている。このバックドア開口部の開口縁を構成する車体構造としては、このバックドア開口部の下端縁を構成するロアバック(特許文献1ではリインフォースリヤパネルと称する部材を含んで構成されている)、および、バックドア開口部における車幅方向の両側縁を構成するピラー部材(Dピラーとも呼ばれる;特許文献1ではイクステンションリヤピラーおよびリヤピラーインナと称する部材を含んで構成されている)が設けられている。
また、このバックドア開口部の開口縁の形態としては、前記ロアバックおよび前記ピラー部材の接合構造の差異に応じて、突き当て構造と呼ばれるものと、環状構造と呼ばれるものとがある。
図10は、突き当て構造のバックドア開口部aを示している。図10(a)はバックドア開口部aを車体前側から見た縦断面図であり、図10(b)はロアバックbとピラー部材cとの接合部分を車体前側から見た図(図10(a)において一点鎖線で囲んだ部分の拡大図)である。これらの図における矢印UPは上方向、矢印LHは車体左方向、矢印RHは車体右方向をそれぞれ示している。これらの図に示すように、バックドア開口部aは、前記ロアバックb、ピラー部材c,c、リヤヘッダdによって枠状に形成されている。そして、突き当て構造のものにあっては、閉断面構造で成るロアバックbの上部にピラー部材cの下端が突き当てられた(ピラー部材cの下端に設けられたフランジc1が重ね合わされた)状態でこれら両者b,cが溶接等の手段によって接合されている。
一方、図11は、環状構造のバックドア開口部aを示している。図11(a)はバックドア開口部aを車体前側から見た縦断面図であり、図11(b)はロアバックbとピラー部材cとの接合部分を車体前側から見た図(図11(a)において一点鎖線で囲んだ部分の拡大図)である。これらの図に示すように、環状構造のものにあっては、閉断面構造で成るピラー部材cの下端部が水平方向(車幅方向の内側)に屈曲され、同じく閉断面構造で成るロアバックbの端縁にピラー部材cの端縁が溶接等の手段によって接合されている。つまり、ピラー部材cとロアバックbとが連続した閉断面構造となっている。
特開平3−16881号公報
しかしながら、前述した突き当て構造および環状構造の何れにおいても課題があった。
具体的には、突き当て構造のものにあっては、閉断面構造で成るロアバックbの両端を車体の車幅方向の両端近傍にまで到達させることができ、バックドア開口部aの下端部の剛性を高めることが可能であるものの、このロアバックbとピラー部材cとの接合強度を十分に得ることが難しい。
このため、車両が凹凸路面を走行する際、左右の各リヤサスペンションタワーから上下逆位相の入力を受けた場合には、車体に捩れが生じ、バックドア開口部aの隅角部におけるロアバックbとピラー部材cとの間で成す角度が大きく変化(所謂マッチ箱変形)してしまうことになる(図10(a)においては、この場合の変形状態を仮想線で表している)。
一方、環状構造のものにあっては、ロアバックbとピラー部材cとの接合強度を高く得ることが可能であるものの、閉断面構造で成るロアバックbの両端を車体の車幅方向の両端近傍にまで到達させることができず、バックドア開口部aの下端部の剛性を高めることが難しい。
このため、他の車両等を牽引することによるトレーラヒッチ入力がロアバックbに作用した場合、図12に示すように、ヒッチメンバeが車体後方に向けて斜め上方に変位することに伴ってロアバックbが大きく変形してしまう虞がある(この図12における仮想線は、トレーラヒッチ入力が作用する前の状態、つまり、ロアバックbが変形していない状態を表している)。図13は図11(a)におけるXIII−XIII線に沿った断面図であって、図13(a)はトレーラヒッチ入力が作用していない状態を、図13(b)はトレーラヒッチ入力が作用した状態をそれぞれ示している。図12および図13(b)に示すように、トレーラヒッチ入力が作用した場合、前述した如くロアバックbの両端が車体の車幅方向の両端近傍にまで到達していないことに起因して、このロアバックbの両端を起点とした折れが発生し(折れ点を図13(b)にXで示す)、ロアバックbが車体後方に向けて斜め上方に変形すると共に、ピラー部材cの下端部が車体後方に向けて変形することになる。なお、図13におけるb1はロアバックパネルであり、b2はロアバックリインフォースメントである。また、c2はピラーインナロアであり、c3はピラーアウタロアである。また、fはサイドメンバアウタである。
以上の課題を解消する手段として、バックドア開口部aの各所に補強部材を適用することが考えられるが、これでは車体重量の大幅な増大に繋がってしまい、エネルギ消費率(例えば燃料消費率)の悪化を招いてしまうため好ましくない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車体重量の大幅な増大を招くことなく、バックドア開口部の開口縁の剛性を高めることができる車体後部構造を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、車両のバックドア開口部の開口縁における車幅方向の両側の下側の隅角部に配設されたピラーインナロア、および、前記開口縁の下端部において車幅方向に沿って延在するロアバックリインフォースメントを備えた車体後部構造を前提とする。そして、この車体後部構造は、前記ピラーインナロアおよび前記ロアバックリインフォースメントそれぞれが、略車幅方向に沿って延在する第1壁部と、該第1壁部に連続し且つこの第1壁部の延在方向に対して交差する方向に沿って延在する第2壁部とを有し、前記ピラーインナロアおよび前記ロアバックリインフォースメントは、これらの前記第1壁部同士および前記第2壁部同士が互いに重ね合わされ、これら第1壁部と第2壁部との間の稜線部分を挟んだ両側位置において、前記第1壁部同士および前記第2壁部同士がそれぞれ互いに接合されていることを特徴とする。
この特定事項により、ピラーインナロアおよびロアバックリインフォースメントそれぞれの第1壁部同士が接合された部分にあっては、これら第1壁部が略車幅方向に沿って延在していることから、その接合方向は車体前後方向となっている。これに対し、ピラーインナロアおよびロアバックリインフォースメントそれぞれの第2壁部同士が接合された部分にあっては、これら第2壁部が第1壁部の延在方向に対して交差する方向に沿って延在していることから、その接合方向は車体前後方向とは異なる方向(車幅方向や上下方向等)となっている。このように、ピラーインナロアおよびロアバックリインフォースメントは、第1壁部と第2壁部との間の稜線部分を挟んだ両側位置において、互いに異なる方向から接合されていることになる。このため、ピラーインナロアとロアバックリインフォースメントとの接合部分での接合強度を高めることができ、これら両者間での荷重伝達が良好に行えることになって、外力によるバックドア開口部の変形を抑制することができる。つまり、左右の各リヤサスペンションタワーから上下逆位相の入力を受けた場合であっても、車体の捩れを抑制できて、バックドア開口部の隅角部におけるロアバックとピラー部材との間で成す角度の変化を抑制できる。また、他の車両等を牽引することによるトレーラヒッチ入力が作用した場合であっても、ロアバックの変形を抑制できる。
本発明では、車両のバックドア開口部の開口縁に配設されたピラーインナロアおよびロアバックリインフォースメントそれぞれに第1壁部と第2壁部とを備えさせ、これら第1壁部と第2壁部との間の稜線部分を挟んだ両側位置において、第1壁部同士および第2壁部同士をそれぞれ互いに接合している。このため、ピラーインナロアとロアバックリインフォースメントとの接合部分での接合強度を高めることができ、これら両者間での荷重伝達が良好に行えることになって、外力によるバックドア開口部の変形を抑制することができる。
実施形態に係る車両の車体骨格を示す側面図である。 図1におけるII−II線に沿った断面図である。 図2におけるIII−III線に沿った断面図である。 図2において一点鎖線IVで囲んだ部分の拡大図である。 図4におけるV−V線に沿った断面図である。 外力が作用した場合の荷重伝達を説明するための図4相当図である。 トレーラヒッチ入力が作用した場合の図3相当図である。 変形例における図4相当図である。 図8におけるIX−IX線に沿った断面図である。 従来技術に係る突き当て構造のバックドア開口部を示す図であって、図10(a)は図2相当図であり、図10(b)は図4相当図である。 従来技術に係る循環構造のバックドア開口部を示す図であって、図11(a)は図2相当図であり、図11(b)は図4相当図である。 従来技術に係る循環構造のバックドア開口部にトレーラヒッチ入力が作用した場合の車体後部の斜視図である。 図11(a)におけるXIII−XIII線に沿った断面図であって、図13(a)はトレーラヒッチ入力が作用していない状態を、図13(b)はトレーラヒッチ入力が作用した状態をそれぞれ示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、ハッチバックタイプの車両の車体後部に備えられたバックドア開口部に本発明を適用した場合について説明する。
−バックドア開口部の概略構造−
図1は本実施形態に係る車両の車体骨格(モノコックボデー)1を示す側面図である。図2は図1におけるII−II線に沿った断面図である。図3は図2におけるIII−III線に沿った断面図である。図4は図2において一点鎖線IVで囲んだ部分の拡大図である。また、図5は図4におけるV−V線に沿った断面図である。これらの図における矢印FRは車体前方向、矢印UPは上方向、矢印LHは車体左方向、矢印RHは車体右方向をそれぞれ示している。
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両の車体骨格1は、ルーフサイドレール11およびロッカ12を備えており、この両者11,12間に亘って、略鉛直方向に沿って延在する3本のピラー部材(Aピラー〜Cピラー)13,14,15が配設されている。
そして、この車体骨格1の後部には、図示しないバックドアによって開閉されるバックドア開口部2が備えられており、このバックドア開口部2が、その下端縁を構成するロアバック3、上端縁を構成するリヤヘッダ4、車幅方向の両側縁を構成するピラー部材(Dピラーとも呼ばれる)5,5が一体的に接合されることによって枠状に形成されている。ピラー部材5,5の上端には前記ルーフサイドレール11の後端が接合されている。また、ロアバック3はリヤフロアパネル16(図2を参照)に一体的に接合されており、該リヤフロアパネル16の下面には、車幅方向の両側において車体前後方向に沿って延在するハット型形状のリヤサイドメンバ17,17が接合されている。
ロアバック3、リヤヘッダ4、ピラー部材5,5はそれぞれ複数枚のパネル材が一体的に接合されて成る閉断面構造で構成されている。以下、ロアバック3およびピラー部材5の構造について具体的に説明する。
−ロアバック−
ロアバック3は、それぞれ縦断面がハット型形状とされたロアバックパネル31およびロアバックリインフォースメント32を備えており、これらロアバックパネル31とロアバックリインフォースメント32とが一体的に接合されて成る閉断面構造で構成されている。
具体的に、ロアバックパネル31は、図3および図5(ロアバックパネル31の横断面)に示すように、車幅方向の中央側に向かって車体前後方向の後側に向けて湾曲する形状とされたロアバックパネル本体部31a、該ロアバックパネル本体部31aにおける車幅方向の外側端縁から車体前方に向かって所定角度をもって屈曲された屈曲部31b,31b、該屈曲部31b,31bにおける車幅方向の外側端縁から車幅方向の外側に向かって屈曲されたフランジ部31c,31cを有している。
一方、ロアバックリインフォースメント32は、前記ロアバックパネル31よりも車体前後方向の前側に位置すると共に、バックドア開口部2の開口縁の下端部において車幅方向に沿って延在されており、車幅方向の中央側に向かって車体前後方向の後側に向けて湾曲する形状とされたリインフォースメント本体部(第1壁部)32a、該リインフォースメント本体部32aにおける車幅方向の外側端縁から車体後方に向かって所定角度をもって屈曲された屈曲部(第2壁部)32b、該屈曲部32bにおける車幅方向の外側端縁から車幅方向の外側に向かって屈曲されたフランジ部32cを有している。
このロアバックリインフォースメント32における屈曲部32bの水平方向の長さ寸法は、前記ロアバックパネル31における屈曲部31bの水平方向の長さ寸法よりも短く設定されている。また、このロアバックリインフォースメント32におけるフランジ部32cの水平方向の長さ寸法は、前記ロアバックパネル31におけるフランジ部31cの水平方向の長さ寸法よりも長く設定されている。
前述した如くロアバックリインフォースメント32は縦断面がハット型形状とされているため、前記リインフォースメント本体部32aにあっては、鉛直方向に沿って延在する鉛直壁部32d(図4を参照)、該鉛直壁部32dの上端縁および下端縁それぞれから車体前後方向の後側に向けて延在する水平壁部32e,32f、該水平壁部32e,32fの後端縁から鉛直方向に沿って延在するフランジ部32g,32hを有している。図5に示すものは、図4におけるV−V線に沿った断面での形状であることから、前述したリインフォースメント本体部32a、屈曲部32bおよびフランジ部32cは、ロアバックリインフォースメント32の鉛直壁部32d、水平壁部32f、フランジ部32hに亘って形成されていることになる。
そして、ロアバックパネル31のフランジ部31cとロアバックリインフォースメント32のフランジ部(車幅方向の両外側部分のフランジ部)32cの先端部分とが重ね合わされ、これらフランジ部31c,32c同士が溶接等によって一体的に接合されている。また、ロアバックリインフォースメント32の上端部および下端部それぞれに形成されたフランジ部32g,32hとロアバックパネル31の上端部および下端部それぞれに形成されたフランジ部(図示省略)とが重ね合わされ、これら重ね合わされたフランジ部32g,32h同士が溶接等によって一体的に接合されている。これにより、ロアバック3は閉断面構造で構成されている。
また、これらロアバックパネル31およびロアバックリインフォースメント32の車幅方向の両端は、車体の外板を成すサイドメンバアウタ6の近傍まで延在されており、前記ロアバックリインフォースメント32のフランジ部32cの先端部分がサイドメンバアウタ6に溶接等によって一体的に接合されている。このように閉断面構造で成るロアバック3の両端が車体骨格1の車幅方向の両端近傍にまで到達していることにより、バックドア開口部2の下端部の剛性は高くなっている。
そして、前記ロアバックリインフォースメント32の特徴としては、リインフォースメント本体部32aと屈曲部32bとの境界部分である稜線部分Aの形状にある。図4に示すように、この稜線部分Aの形状としては、ロアバックリインフォースメント32の下端から上端に向かうに従って車幅方向の外側に向けて湾曲する形状となっている。また、後述するように、この稜線部分Aの上側部分は、ロアバックリインフォースメント32に対するピラーインナロア51の接合部分に重ね合わされる位置となっている。
また、このロアバックリインフォースメント32の屈曲部32bとフランジ部32cとの境界部分である稜線部分Bの形状は前記稜線部分Aと略平行となっている。つまり、この稜線部分Bの形状も、ロアバックリインフォースメント32の下端から上端に向かうに従って車幅方向の外側に向けて湾曲する形状となっている。
−ピラー部材−
ピラー部材5は、それぞれ横断面がハット型形状とされたピラーインナロア51およびピラーインナアッパ52と、ピラーアウタパネル53とを備えており、これらピラーインナロア51、ピラーインナアッパ52およびピラーアウタパネル53が一体的に接合されて成る閉断面構造で構成されている。
具体的に、ピラーインナロア51は、図3および図5(ピラーインナロア51の横断面)に示すように、前記ロアバックリインフォースメント32よりも車体前後方向の前側に位置すると共に、バックドア開口部2の開口縁における車幅方向の両側の下側の隅角部に配設されており、車幅方向に沿って延在するピラーインナロア本体部(第1壁部)51a、該ピラーインナロア本体部51aにおける車幅方向の外側端縁から車体後方に向かって所定角度をもって屈曲された屈曲部(第2壁部)51b、該屈曲部51bにおける車幅方向の外側端縁から車幅方向の外側に向かって屈曲されたフランジ部51cを有している。
前述した如くピラーインナロア51およびピラーインナアッパ52は横断面がハット型形状とされているため、これらピラーインナロア51およびピラーインナアッパ52は、それぞれ鉛直方向および車幅方向に沿って延在する車幅方向壁部51d,52d(図4を参照)、該車幅方向壁部51d,52dの車幅方向の両側縁それぞれから車体前後方向の後側に向けて延在する前後方向壁部51e,51f,52e,52f、該前後方向壁部51e,51f,52e,52fの後端縁から車幅方向に沿って延在するフランジ部51g,51h,52g,52hを有している。図5に示すものは、図4におけるV−V線に沿った断面での形状であることから、前述したピラーインナロア本体部51aは車幅方向壁部51dの一部として形成されており、屈曲部51bは前後方向壁部51fの一部として形成されており、フランジ部51cはフランジ部51hの一部として形成されていることになる。
そして、ピラーインナアッパ52の下端部にピラーインナロア51の上端部が重ね合わされていると共に、これらピラーインナロア51およびピラーインナアッパ52のフランジ部51g,51h,52g,52hが、ピラーアウタパネル53に重ね合わされ、これら重ね合わせ部分が一体的に接合されている。これにより、ピラー部材5は閉断面構造で構成されている。
そして、前記ピラーインナロア51の特徴としては、ピラーインナロア本体部51aと屈曲部51bとの境界部分である稜線部分Cの形状にある。図4に示すように、この稜線部分Cの形状としては、前述したロアバックリインフォースメント32におけるリインフォースメント本体部32aと屈曲部32bとの境界部分である稜線部分Aの形状に合致している。つまり、この稜線部分Cの形状としては、ピラーインナロア51の下端から上端に向かうに従って車幅方向の外側に向けて湾曲する形状となっている。前述したようにピラーインナロア本体部51aは車幅方向壁部51dの一部として形成されており、屈曲部51bは前後方向壁部51fの一部として形成されているため、前記稜線部分Cは、これら車幅方向壁部51dと前後方向壁部51fとの境界部分でもある。
また、このピラーインナロア51の屈曲部51bとフランジ部51cとの境界部分である稜線部分Dの形状は前記稜線部分Cと略平行となっている。つまり、この稜線部分Dの形状も、ピラーインナロア51の下端から上端に向かうに従って車幅方向の外側に向けて湾曲する形状となっている。
−ロアバックリインフォースメントとピラーインナロアとの接合構造−
次に、ロアバックリインフォースメント32とピラーインナロア51との接合構造について説明する。
図5に示すように、ピラーインナロア51のピラーインナロア本体部51aはロアバックリインフォースメント32のリインフォースメント本体部32aの前側面(車体前側を向いている面)に重ね合わされ、ピラーインナロア51の屈曲部51bはロアバックリインフォースメント32の屈曲部32bの前側面に重ね合わされ、更に、ピラーインナロア51のフランジ部51cはロアバックリインフォースメント32のフランジ部32cの前側面に重ね合わされている。そして、ピラーインナロア本体部51aとリインフォースメント本体部32aとの間、および、屈曲部51b,32b同士の間それぞれが一体的に溶接されている。図4および図5では、この溶接箇所に×印を付している。
つまり、ロアバックリインフォースメント32におけるリインフォースメント本体部32aと屈曲部32bとの境界部分である稜線部分Aを挟んだ両側位置と、ピラーインナロア51におけるピラーインナロア本体部51aと屈曲部51bとの境界部分である稜線部分Cを挟んだ両側位置とにおいて、ロアバックリインフォースメント32とピラーインナロア51とが一体的に溶接されている。
そして、ロアバックリインフォースメント32におけるリインフォースメント本体部32aの延在方向と屈曲部32bの延在方向との間は所定角度を存している。同様に、ピラーインナロア51におけるピラーインナロア本体部51aの延在方向と屈曲部51bの延在方向との間も同様の所定角度を存している。このため、稜線部分A,Cを挟んだ両側位置での接合方向は互いに異なる方向となっている。つまり、ロアバックリインフォースメント32のリインフォースメント本体部32aとピラーインナロア51のピラーインナロア本体部51aとが接合された部分にあっては、これら本体部32a,51aが車幅方向に沿って延在していることから、その接合方向は車体前後方向となっている。これに対し、ロアバックリインフォースメント32の屈曲部32bとピラーインナロア51の屈曲部51bとが接合された部分にあっては、これら屈曲部32b,51bが前記本体部32a,51aの端縁から車体後方に向かって所定角度をもって屈曲されたものであることから、その接合方向は車体前後方向とは異なる方向(車幅方向)となっている。このように、ロアバックリインフォースメント32およびピラーインナロア51は、本体部32a,51aと屈曲部32b,51bとの間の稜線部分A,Cを挟んだ両側位置において、互いに異なる方向から接合されていることになる。
このため、ロアバックリインフォースメント32およびピラーインナロア51との接合部分での接合強度を高めることができ、これら両者32,51間での荷重伝達が良好に行えることになって、外力による変形を抑制することができる。
図6は外力が作用した場合の荷重伝達を説明するための図4相当図である。この図6に一点鎖線で示す矢印のように、ロアバックリインフォースメント32における鉛直壁部32dと水平壁部32eとの境界部分である稜線部分と、ピラーインナロア51における車幅方向壁部51dと前後方向壁部51eとの境界部分である稜線部分との間で荷重伝達が良好に行われる(この図6に一点鎖線で示す矢印は、ロアバックリインフォースメント32とピラーインナロア51との間での引っ張り方向の荷重の伝達を示している)。また、図6に二点鎖線で示す矢印のように、ロアバックリインフォースメント32における鉛直壁部32dと水平壁部32fとの境界部分である稜線部分と、ピラーインナロア51における車幅方向壁部51dと前後方向壁部51fとの境界部分である稜線部分との間でも荷重伝達が良好に行われる(この図6に二点鎖線で示す矢印は、ロアバックリインフォースメント32とピラーインナロア51との間での圧縮方向の荷重の伝達を示している)。このため、バックドア開口部2の広範囲で外力を吸収することが可能になり、この外力による変形を抑制することができる。
例えば、左右の各リヤサスペンションタワー(図示省略)から上下逆位相の入力を受けた場合、従来技術にあっては、図10を用いて説明したように、車体に捩れが生じ、バックドア開口部aの隅角部におけるロアバックbとピラー部材cとの間で成す角度が大きく変化(所謂マッチ箱変形)してしまうことになっていた。これに対し、本実施形態では、ロアバックリインフォースメント32とピラーインナロア51との間で効果的に荷重伝達が行えるため、車体の捩れを抑制できて、バックドア開口部2の隅角部におけるロアバック3とピラー部材5,5との間で成す角度の変化を抑制できる。
また、他の車両等を牽引することによるトレーラヒッチ入力が作用した場合であっても、ロアバック3の変形を抑制できる。これは、閉断面構造で成るロアバック3の両端が車体骨格1の車幅方向の両端近傍にまで到達していることに起因する。図7はトレーラヒッチ入力(図中の矢印を参照)が作用した場合の図3相当図である。この図からも明らかなように、トレーラヒッチ入力が作用した場合であっても、ロアバック3の変形は殆ど無いものとなっている。
(変形例)
次に、変形例について説明する。本変形例は、ロアバックリインフォースメント32およびピラーインナロア51の構造が前記実施形態のものと異なっている。その他の構造は前記実施形態と同様であるので、ここでは前記実施形態との相違点についてのみ説明する。
図8は本変形例における図4相当図である。また、図9は図8におけるIX−IX線に沿った断面図である。これらの図においても矢印UPは上方向、矢印RHは車体右方向をそれぞれ示している。
これらの図に示すように、本変形例にあっては、ロアバックリインフォースメント32の構造としては、前記リインフォースメント本体部32a(図9参照)を備えているが、屈曲部(図5における符号32b部分)およびフランジ部(図5における符号32c部分)を備えていない。
一方、ピラーインナロア51の構造としては、前記実施形態のものと同様に、ピラーインナロア本体部51a、屈曲部51b、フランジ部51cを有している。本変形例に係るピラーインナロア51にあっては、ピラーインナロア本体部51aが車幅方向の中央側へ延長されており、その端縁が前記ロアバックリインフォースメント32のリインフォースメント本体部32aの端縁に重ね合わされて溶接されている。また、本変形例に係るピラーインナロア51は、車幅方向の外側に向かって延在する略平板状の延在部51iが設けられており、この延在部51iの一部が前記フランジ部51cを構成している。
そして、これらピラーインナロア51およびロアバックリインフォースメント32は共に断面がハット型形状とされているため、図8に示すように、これらピラーインナロア51およびロアバックリインフォースメント32は、それぞれ鉛直方向および車幅方向に沿って延在するピラーインナロア51の車幅方向壁部51dとロアバックリインフォースメント32の鉛直壁部32dとが溶接され、それぞれ車体前後方向の後側に向けて延在するピラーインナロア51の前後方向壁部51e,51fとロアバックリインフォースメント32の水平壁部32e,32fとが溶接され、それぞれ上下方向に沿って延在するピラーインナロア51のフランジ部51g,51hとロアバックリインフォースメント32のフランジ部32g,32hとが溶接されている。
また、ピラーインナロア51のフランジ部(車幅方向の両外側部分のフランジ部)51cの先端部分とロアバックパネル31のフランジ部(車幅方向の両外側部分のフランジ部)31cの先端部分とが重ね合わされ、これらフランジ部51c,31c同士が溶接等によって一体的に接合されている。
このような構造により、ピラーインナロア51における、本発明でいう第1壁部は車幅方向壁部51dであり、第2壁部は前後方向壁部51e,51fである。そして、これら車幅方向壁部51dと前後方向壁部51e,51fとの各境界部分が本発明でいう稜線部分となる。また、ロアバックリインフォースメント32における、本発明でいう第1壁部は鉛直壁部32dであり、第2壁部は水平壁部32e,32fである。そして、これら鉛直壁部32dと水平壁部32e,32fとの各境界部分が本発明でいう稜線部分となる。
本変形例においても前記実施形態のものと同様に、ロアバックリインフォースメント32およびピラーインナロア51との接合部分での接合強度を高めることができ、これら両者32,51間での荷重伝達が良好に行えることになって、外力による変形を抑制することができる。このため、左右の各リヤサスペンションタワーから上下逆位相の入力を受けた場合であっても、車体の捩れを抑制できて、バックドア開口部2の隅角部におけるロアバック3とピラー部材5,5との間で成す角度の変化を抑制できる。また、他の車両等を牽引することによるトレーラヒッチ入力が作用した場合であっても、ロアバック3の変形を抑制できる。
−他の実施形態−
なお、本発明は、前記実施形態および前記変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態および前記変形例では、ロアバックパネル31、ロアバックリインフォースメント32、ピラーインナロア51、ピラーインナアッパ52を共にハット型形状のものとしていたが、これら部材の断面形状はこれに限定されるものではない。
本発明は、ハッチバックタイプの車両の車体後部に備えられたバックドア開口部の構造に適用可能である。
2 バックドア開口部
3 ロアバック
32 ロアバックリインフォースメント
32a リインフォースメント本体部(第1壁部)
32b 屈曲部(第2壁部)
5 ピラー部材
51 ピラーインナロア
51a ピラーインナロア本体部(第1壁部)
51b 屈曲部(第2壁部)
A,C 稜線部分

Claims (1)

  1. 車両のバックドア開口部の開口縁における車幅方向の両側の下側の隅角部に配設されたピラーインナロア、および、前記開口縁の下端部において車幅方向に沿って延在するロアバックリインフォースメントを備えた車体後部構造において、
    前記ピラーインナロアおよび前記ロアバックリインフォースメントそれぞれは、略車幅方向に沿って延在する第1壁部と、該第1壁部に連続し且つこの第1壁部の延在方向に対して交差する方向に沿って延在する第2壁部とを有し、
    前記ピラーインナロアおよび前記ロアバックリインフォースメントは、これらの前記第1壁部同士および前記第2壁部同士が互いに重ね合わされ、これら第1壁部と第2壁部との間の稜線部分を挟んだ両側位置において、前記第1壁部同士および前記第2壁部同士がそれぞれ互いに接合されていることを特徴とする車体後部構造。
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