以下、本発明の実施形態の一例として、音楽ゲームを業務用ゲーム装置にて実行する例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
図1は、本実施形態における業務用ゲーム装置1300の構成例を示す図である。
業務用ゲーム装置1300はコンピュータシステムであって、打楽器演奏をモチーフとした音楽ゲーム用の専用装置である。
業務用ゲーム装置1300は、ゲーム本体装置1301の前方に突設された操作台1304に、プレーヤが各種操作入力をするための打楽器を模した操作入力装置1306を備える。本実施形態では、複数のプレーヤが同時にゲームプレイできるように2つの操作入力装置1306を備える構成となっているが、その数は適宜設定することができる。
また、業務用ゲーム装置1300は、ゲーム本体装置1301の上部に、ゲーム画像を表示させるためのフラットパネルディスプレイ等で実現されるビデオモニタ1322と、ゲーム音や効果音を放音するスピーカ1324と、を備える。更に、ゲーム本体装置1301の下部及び内部には、携行可能なカード型の記憶媒体であるゲームカード3からデータを読み出すカードリーダ1330と、硬貨投入装置1340と、制御基板1350とを備える。
本実施形態の操作入力装置1306は、和太鼓を模した外形を有しており、各所に感圧センサや振動センサを内蔵している。プレーヤ2が、操作棒1308を持って和太鼓を叩く要領で操作入力装置1306を叩くと、叩かれた場所のセンサから操作入力信号が制御基板1350へ出力される。
ゲームカード3は、カード型の情報担持媒体であって、所謂「トレーディングカード」に相当する。1つのゲームカード3には、何れか1種類のキャラクタが割り当てられており、表面に当該キャラクタの画像が印刷され、当該キャラクタの種類を示す情報が担持されている。図1の例では、ゲームカード3は印刷されたバーコードによりカードの識別情報(カードID)が担持されている。よって、カードリーダ1330は、このバーコードを読み取って、読み取った情報を制御基板1350へ出力する。
プレーヤは、自分が所有しているゲームカード3の中から所定枚数をカードリーダ1330に読み取らせて、これから実行するゲームにて使用するプレーヤキャラクタを設定することができる。
なお、ゲームカード3は、実体としてのカードに限らず仮想カードであってもよい。すなわち、オンラインショッピングによる購入や、会員サイト等による配付により入手した仮想カードの識別情報を、サーバシステム1100で管理される会員サイトでプレーヤ固有のユーザアカウントと紐付け・登録し、非接触式ICカードやウェアラブルコンピュータ、スマートフォン等にその識別情報を記憶させてゲームカード3の代用とするとしてもよい。その際、それらに電子マネー機能やプリペイドポイント機能を具備させ、プレイ対価の支払機能も兼ねると好適である。また、ゲームカード3に対応づけられるのは、キャラクタに限らずアイテムであってもよい。
硬貨投入装置1340は、本実施形態におけるプレイ対価の徴収手段である。プレイ対価の徴収は硬貨等の現金に限らず、電子マネーやプリペイドポイントなどによる徴収形式を採用してもよい。
制御基板1350は、CPU(Central Processing Unit)1351やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ICメモリ1352などの電気電子機器を備える。また、制御基板1350は通信装置1353を備え、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線9と有線又は無線接続し、外部装置との間でデータ通信することが可能に構成されている。制御基板1350の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
そして、制御基板1350は、搭載されているICメモリ1352やハードディスクなどの記憶媒体からシステムプログラムやゲームプログラムを読み出して演算処理し、業務用ゲーム装置1300の各部を制御して、タイミングゲームの一種である音楽ゲームを実行する。
なお、本実施形態では操作入力形態を、操作棒1308を使った動作としているが、タイミングゲームとするゲーム内容に応じて、その他の形態を採用することも可能である。例えば、プレーヤ自身の身体的な動きであるモーションを操作入力とすることもできる。その場合には、ビデオカメラ1326による撮影画像や、測距センサ1328による測距結果からプレーヤ別のモーションを認識するモーション認識方式を採用し、適宜、制御基板1350にモーション認識チップ1356を搭載するとよい。
[ゲームの説明]
図2は、本実施形態のゲーム内容について説明するための図であって、業務用ゲーム装置1300のビデオモニタ1322にて表示されるゲーム画面の一例を示している。ゲーム画面W2は、音楽ゲームのプレイに使用するとして選択された選択済楽曲の音声出力と同期して表示され、規準タイミングや規準操作などの各種情報をプレーヤに提供する。
音楽ゲームのプレイに使用する楽曲は、選択候補の中からプレーヤ自らが所定数を選択する。本実施形態では、2曲とするが、1曲でも良いし、3曲以上でもよい。
ゲーム画面W2には、1)選択済曲のうちプレイ中である曲(以下、「プレイ曲」と呼称)の再生開始からの経過時間を示す経過時間表示部10と、2)何番目の選択済曲をプレイしているかを示すプレイ曲順表示11と、3)プレイ曲の楽曲名表示12と、4)プレーヤ別に用意される譜面20と、5)受動ゲーム画面30と、が表示される。
図1の例は、1人プレイを想定した例なので譜面20及び受動ゲーム画面30は1セットだけ描かれているが、複数人プレイの場合は譜面20と受動ゲーム画面30とがプレーヤ別に複数セット表示されることになる。以降、本実施形態では、基本的に1人プレイを前提として説明する。
譜面20のデザインは適宜設定可能であるが、本実施形態では、当該譜面がどのプレーヤ宛であるかを示すための宛先表示21と、プレーヤキャラクタ表示部22と、選択されたゲーム難易度を示す難易度表示部23と、基準位置24と、指示体25(25a,25b,25c)と、小節区切り線26と、評価通知部27と、スコア表示部28と、を有する。
プレーヤキャラクタ表示部22には、プレイ開始前にプレーヤが読み取らせたゲームカード3のプレーヤキャラクタ4の姿が表示される。
難易度表示部23には、プレイ開始前にゲーム難易度候補の中からプレーヤが選択したプレイ難易度が表示される。
基準位置24は、規準タイミングを示すための基準となる位置を示している。
指示体25は、規準操作の種類別に異なるデザインで用意される。指示体25は、本実施形態では譜面20の右側から出現表示され、小節区切り線26とともに基準位置24へ向けてライン状に流れるように左側へ向けて移動表示される。小節区切り線26の間が1つ分の小節を表すことになる。指示体25が基準位置24と重なったタイミングが、本実施形態における規準タイミングであり、当該重なった指示体25の種類が規準操作の種類を示すこととなる。なお、小節区切り線26の表示は、省略することができる。
本実施形態の指示体25は、1)和太鼓形状の操作入力装置1306の鼓面(打面)を叩打する操作入力を表す第1種指示体であるドン25a(図2中の白丸)と、2)操作入力装置1306の打面外縁部(鼓面フチや胴部の外周とも言える)を叩打する操作入力を表す第2種指示体であるカツ25b(図2中の網掛け四角)と、を含む。勿論、これら以外の種類の指示体も適宜含めることができる。
評価通知部27は、最新の操作入力についての入力評価の結果を表示する。入力評価は、規準タイミングと操作入力タイミングとの時間差と、規準操作の種類と操作入力の種類との比較結果とに基づいて行われる。本実施形態では、成績の良い方から順に、「優」「良」「可」「スルー」の4段階とするが、段階数や呼称は適宜設定可能である。規準操作の種類と操作入力の種類とが合致し、且つ規準タイミングと操作入力タイミングとの時間差が小さい程良い評価とされる。規準操作の種類と操作入力の種類とが合致しない場合は「スルー」とされる。
スコア表示部28は、入力評価の結果に応じて付与・蓄積された得点を表示する。具体的には、「優」「良」「可」「スルー」それぞれに点数が設定されており、入力評価の結果が合算された結果が表示される。それぞれの点数は適宜設定可能である。
受動ゲーム画面30は、受動ゲームにおけるゲーム進行状況を示す表示を行う。受動ゲームとは、ゲーム内ゲームである。主たるゲームである音楽ゲームの進行に応じて並行して進行制御されるサブゲームに相当する。その操作入力が主たるゲームのそれを流用しているので受動的なサブゲーム、受動ゲームと呼称する。
受動ゲームは、ゲームプレイ開始前に、プレイ曲として選択された楽曲に応じて決定される選択候補のなかからプレーヤが所定数を選択する。本実施形態では、1つ選択する構成としているが複数としてもよい。
受動ゲームのゲームジャンル、内容は適宜設定可能である。本実施形態では、プレーヤキャラクタ4が敵キャラクタ6と交戦するアクションRPG風のゲームを例に挙げて説明する。
本実施形態では、選択済楽曲のうち選択順が1番目の選択済楽曲がプレイ曲に設定されて、音楽ゲームがプレイ開始されると、選択済受動ゲームのうち選択された順番で1番目の選択済受動ゲームがプレイ受動ゲームに設定され、起動される。そして、音楽ゲームにおける操作入力の評価結果に応じて、あたかも当該受動ゲームに対するプレーヤの操作入力であるかのように見なされて、音楽ゲームと並行して受動ゲームが進行制御される。
図3は、音楽ゲームのゲーム進行の良し悪しが受動ゲームに与える基本的な影響の例を説明するための図である。
本実施形態の受動ゲームは、音楽ゲームにおける評価1つ1つの結果に応じて、キャラクタアクションが発動して進行制御されるゲームである。プレーヤキャラクタ4や支援NPCといったプレーヤ側キャラクタが、音楽ゲームにおける評価1つが決まる毎に敵キャラクタ6に攻撃を実行する。ある一定の評価が集まるごとに実行される種類の特別な攻撃(以下、「特別アクション」と呼称する。)で攻撃する。そして、それらの攻撃においては、音楽ゲームにおけるプレイ成績が良いほどプレーヤキャラクタ4が敵キャラクタ6に与える1ヒット当たりのダメージが大きくなり、プレイ成績が悪くなると、敵キャラクタ6に与える1ヒット当たりのダメージが小さくなる。つまり、キャラクタアクションの発動効果が可変に制御される。
勿論、基本的な影響の内容はコレに限らない。例えば、プレーヤキャラクタ4が受ける1ヒット当たりのダメージが、プレイ成績が良いほど小さくなり、プレイ成績が悪いほど大きくなるとしてもよい。或いは、その両方としてもよい。
なお、ここで言う「音楽ゲームにおけるプレイ成績」は、例えば、操作入力1回毎に評価通知部27にて表示される評価結果や、所定種類の評価結果の連続数(いわゆる「コンボ数」)、所定の組み合わせに設定された複数の規準タイミングにおける評価結果群、現在のスコア、スコアの増減率、などの中から選択的に利用することができる。また、ここで言う「所定の組み合わせに設定された複数の規準タイミングにおける評価結果群」の例としては、楽曲のサビの部分の特定小節間に含まれる各規準タイミングの評価結果、その楽曲中に設定されている特に操作入力が難しい時間範囲、などが挙げられる。
このように、音楽ゲームのゲーム進行の良し悪しが受動ゲームに影響を与えるようにして受動ゲームが実行されるので、プレーヤは音楽ゲームのプレイを介して受動ゲームをプレイしている状況となり、受動ゲームを内包しない音楽ゲームに比べて、音楽ゲームをプレイする楽しみに加えて、受動ゲームをプレイする楽しみを味わえる。しかも、受動ゲームでの進行状況は、音楽ゲームでのプレイ成績を反映しているので、自ずと受動ゲーム、ひいては音楽ゲームへの意識が集中し、ゲームへの没入感を高める効果を生む。
さて、プレイできる受動ゲームが固定であると、すぐに飽きがくることが予想されるが、本実施形態では複数の選択肢のなかからプレイする受動ゲームを選択できる構成なので、すぐに飽きられる恐れは低い。ただし、プレーヤによっては、お気に入りの受動ゲームが少ないことによって、受動ゲームが固定であることと同じようなシチュエーションになることも予想される。すなわち、お気に入りの受動ゲームの内容が固定されていては、やはり直ぐに飽きられる恐れがあるのである。そこで、本実施形態では、受動ゲームのプレイ時の態様に多様性を持たせることで、プレーヤがゲームに飽きにくくなる工夫をしている。
図4は、受動ゲームのプレイ時の態様に多様性を持たせる原理を説明するための概念図である。受動ゲームのプレイ時の態様に多様性を持たせるために、音楽ゲームに係る要素から、プレイされている受動ゲーム(プレイ受動ゲーム)に影響を与える要素を設定する。
「影響を与える要素」は、本実施形態では、タイミングゲームが音楽ゲームなので、
(1)選択済楽曲の組み合わせ、又は選択済楽曲の楽曲属性の組み合わせ、
(2)選択済楽曲と選択済受動ゲームとの組み合わせ、又は選択済楽曲の楽曲属性と選択済受動ゲームのゲーム属性との組み合わせ、
(3)選択済曲の再生時間の長さと、選択済受動ゲームに想定されるゲーム終了までに要する基本時間長との差異、
(4)音楽ゲームにおける操作入力の個別の評価結果、所定の組み合わせ対象に設定された複数の規準タイミングにおける評価結果群、
などのうちの何れか1つ又は複数を設定することができる。勿論、影響を与える要素の内容は、これら以外にも適宜設定することができる。
そして、受動ゲームの側に「影響を受ける要素」を設定する。「影響を受ける要素」は、受動ゲームの内容に応じて、その内容に関するパラメータとすることができる。本実施形態の受動ゲームは、敵キャラクタ6を倒すアクションRPG風のゲームなので、例えば、敵キャラクタ6に関しては、1)登場する敵キャラクタの種類、2)登場する敵キャラクタの数、3)登場する敵キャラクタの出現タイミング、4)敵キャラクタの能力パラメータ値(例えば、耐久値、攻撃力値、防御力値、時間当たりの耐久値の回復数、スキルの種類、スキルの効果値、など)、を設定することができる。
また、プレーヤ側キャラクタについては、5)プレーヤキャラクタ4の能力パラメータ値、6)プレーヤキャラクタ4に装備されるアイテムの種類、7)プレーヤキャラクタ4を補佐・補助する味方NPC(Non-Playable Character)の登場の有無や、登場数、味方NPCの種類、を設定することができる。
また、受動ゲームのステージについては、8)受動ゲームを構成するゲームステージの種類、9)受動ゲームを構成するゲームステージの分岐、10)受動ゲームを構成するゲームステージの開放条件、を設定することができる。
そして、単数又は複数の影響を受ける要素が変更される変更実施条件を、影響を与える要素の単数又複数によるAND条件又はOR条件で定義する。そして、音楽ゲームのゲーム進行に応じて、満たされた変更実施条件に対応づけられている単数又は複数の影響を受ける要素が変更される。これによって、プレイされる受動ゲームに多彩な態様を実現することができる。
[機能構成の説明]
図5は、本実施形態における業務用ゲーム装置1300の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。本実施形態における業務用ゲーム装置1300は、操作入力部100と、媒体読取部110と、処理部200と、音出力部390、画像表示部392と、通信部394と、記憶部500とを備える。
操作入力部100は、各種操作を入力するための手段である。本実施形態では、第1種指示体に対応づけられる種類の操作入力を検出するための第1検出部102と、第2種及び第3種指示体に対応づけられる種類の操作入力を検出するための第2検出部104と、を備える。図1の構成では、操作入力装置1306がこれに該当する。
媒体読取部110は、情報担持媒体から情報の読み取りや書き込みを行う手段である。情報担持媒体の種類に応じたハードウェア、例えば、バーコードリーダや、ICカードリーダライター、磁気カード読取装置、非接触通信機、などにより実現される。図1の例では、カードリーダ1330がこれに該当する。
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC、FPGA、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号などに基づいて各種の演算処理を実行して業務用ゲーム装置1300の動作を統合的に制御する。図1の例では、制御基板1350がこれに該当する。
そして、本実施形態の処理部200は、ゲーム管理部220と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294とを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
ゲーム管理部220は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態では、ゲーム管理部220は、プレーヤキャラクタ設定部222と、難易度受付制御部224と、楽曲選択制御部226と、受動ゲーム選択制御部228と、タイミングゲーム進行制御部230と、受動ゲーム進行制御部240と、を含む。勿論、音楽ゲームの実行に係るこれら以外の機能部も適宜含めることができる。
プレーヤキャラクタ設定部222は、受動ゲームにおいてプレーヤ側キャラクタの1つとされるプレーヤキャラクタ4(図2参照)を、プレイ開始前に設定するための制御を行う。本実施形態では、プレーヤ別に、所定数のゲームカード3をカードリーダ1330に挿入しカードを読み取りさせるように促す。ここで言う、所定数は、本実施形態では1枚とするが、複数枚でもよい。そして、ゲームカード3からゲーム開始前に読み取った当該カードが担持する情報に対応づけられるキャラクタをプレーヤのプレーヤキャラクタ4に設定する。
難易度受付制御部224は、プレイ開始前に、プレーヤ別にプレイするゲーム難易度(プレイ難易度)の選択入力を受け付ける制御を行う。
楽曲選択制御部226は、操作入力部100とともに、プレーヤがゲームプレイする楽曲を、複数の楽曲の中から選択する楽曲選択手段を構成する。具体的には、予め用意されている選択候補のリストをビデオモニタ1322(図1参照)に表示させ、操作入力装置1306の操作入力に応じて、所定数の楽曲を順次選択して、選択順と対応づけて「選択済楽曲」として記憶部500に記憶させる。
受動ゲーム選択制御部228は、タイミングゲームの進行制御中の評価の結果に基づいて進行制御される受動ゲームを、複数の受動ゲームの中から選択する。具体的には、選択済楽曲の組み合わせ(又は、選択楽曲の楽曲属性の組み合わせ)に応じて、受動ゲームの選択候補を決定し、当該選択候補のリストをビデオモニタ1322(図1参照)に表示させ、操作入力装置1306の操作入力に応じて、所定数の受動ゲームを順次選択して、選択順と対応づけて「選択済受動ゲーム」として記憶部500に記憶させる。
タイミングゲーム進行制御部230は、楽曲選択制御部226により選択された楽曲に基づくタイミングゲームの進行制御を含むタイミングゲームの実行を制御する。具体的には、選択済楽曲をプレイ曲として再生制御、譜面20の表示制御、規準タイミング毎の操作入力の評価、評価結果の履歴を記憶部500に記憶させる制御、評価結果の表示、スコアの計算、などを実行することができる。
そして、タイミングゲーム進行制御部230は、楽曲選択制御部226が複数の楽曲を選択する一方、受動ゲーム選択制御部228が1つの受動ゲームを選択する場合には、楽曲選択制御部226により選択された複数の楽曲それぞれに基づくタイミングゲームを順番に進行制御させることができる。
そして、タイミングゲーム進行制御部230は、支障付与制御部231を有する。
支障付与制御部231は、受動ゲームの進行状況に基づいて、タイミングゲームにおけるプレーヤのゲームプレイに支障を与える支障付与制御を行う。
ここで言う「支障付与制御」は、端的に言えばプレーヤのプレイを邪魔する内容の制御である。例えば、譜面20の一部を隠しながら移動する遮蔽オブジェクトの表示制御、譜面20の一部又は全部をぼかしたり明度を低減して指示体の種類を視認しにくくする制御、譜面20の一部又は全部を振動するように表示させて指示体の種類を視認しにくくする、プレイ曲の再生音量を低減する、プレイ曲のリズムとは異なるリズム音をプレイ楽曲の再生音と重ねて放音させる制御、などを設定することができる。支障付与制御の内容は、タイミングゲームのジャンルに応じて適宜設定することができる。
受動ゲーム進行制御部240は、タイミングゲーム進行制御部230によるタイミングゲームの進行制御と並行して、受動ゲーム選択制御部228により選択された受動ゲームの進行制御を含む当該受動ゲームの実行を制御する。そして、受動ゲーム選択制御部228により選択された同一の受動ゲームを、楽曲選択制御部226により選択された楽曲に基づいて可変に制御する。
具体的には、受動ゲーム進行制御部240は、受動ゲーム選択制御部228により選択された受動ゲームに登場するキャラクタ、登場するキャラクタの数、登場するキャラクタのパラメータ値、登場するキャラクタの登場タイミング、の1つ又は複数を、楽曲選択制御部226により選択された楽曲に基づいて可変に制御することができる。
可変に制御するにあたっては、受動ゲーム進行制御部240は、受動ゲーム選択制御部228により選択された受動ゲームの属性(ゲーム属性)と、楽曲選択制御部226により選択された楽曲の属性(楽曲属性)とが所定の相性条件を満たしているか否かに基づいて、受動ゲームを可変に制御することができる。
ここで言う「属性」の内容は適宜設定可能である。「タグ情報」「メタデータ」と読み替えることもできる。例えば、その楽曲がとあるアニメの主題歌である場合には、楽曲属性に「アニメ」や「当該アニメのタイトル」を設定し、その受動ゲームには、同じアニメのキャラクタが登場するゲーム内容とすれば、ゲーム属性にも「アニメ」や「当該アニメのタイトル」を設定する。そして、楽曲属性とゲーム属性とが同じである場合に、「良」相性と判定し、「良」相性の場合には、当該受動ゲームに登場するアニメのキャラクタの能力を、「良」相性以外のケースよりも高めるように可変に制御することができる。
また、受動ゲーム進行制御部240は、受動ゲーム選択制御部228により選択された受動ゲームに設定されている情報である基準時間長と、楽曲選択制御部226により選択された楽曲の長さとの差異に基づいて、受動ゲームを可変に制御することができる。
また、楽曲選択制御部226が複数の楽曲を選択する一方、受動ゲーム選択制御部228が1つの受動ゲームを選択する場合には、タイミングゲーム進行制御部230が、楽曲選択制御部226により選択された複数の楽曲それぞれに基づくタイミングゲームを順番に進行制御させるのに対して、受動ゲーム進行制御部240は、複数の楽曲それぞれに基づくタイミングゲームの進行制御と並行して、受動ゲーム選択制御部228により選択された1つの受動ゲームを進行制御させることができる。
また、受動ゲーム進行制御部240は、タイミングゲームにおけるプレーヤの操作入力の種類、タイミングに係る評価の結果、評価結果の連続性に基づいて、キャラクタアクションの発動効果を可変に制御することができる。
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時やプレイ開始からの経過時間、制限時間等の計時を行う。
音生成部290は、音声データの生成、デコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、ゲームプレイに係る音、BGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、音声信号を音出力部390へ出力する。本実施形態では、プレイする楽曲の音楽データに基づく音声再生(音出力・放音と同義)の制御を実行する。また、操作入力の種類別の叩打演出音の音声再生の制御を行うことができる。
音出力部390は、入力された音声信号に基づいて放音する。図1の例ではスピーカ1324がこれに該当する。
画像生成部292は、ゲーム画面W2(図2参照)等の各種表示画面の画像データ等を生成することができる。そして、画像データに基づく画像信号を画像表示部392へ出力することができる。
画像表示部392は、画像生成部292から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1の例ではビデオモニタ1322がこれに該当する。
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。本実施形態では、サーバシステム1100や、オンラインストレージなどとのデータ通信に係る処理を実行することができる。
通信部394は、通信回線9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の例では通信装置1353が該当する。
記憶部500は、処理部200に業務用ゲーム装置1300を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。図1の例では制御基板1350が搭載するICメモリ1352やハードディスクなどの記憶媒体がこれに該当する。
図6は、本実施形態における記憶部500が記憶するプログラムやデータの例を示す図である。記憶部500は、ゲームプログラム503と、楽曲定義データ520と、受動ゲーム定義データ600と、を予め記憶する。また、記憶部500は、逐次生成・管理されるデータとして、プレイデータ700と、現在日時800と、を記憶する。その他、タイマーや、カウンタ、各種フラグなどの情報を適宜記憶できる。
ゲームプログラム503は、処理部200が読み出して実行することで、ゲーム管理部220(図5参照)としての機能を実現させるためのプログラムである。計時部280、音生成部290、画像生成部292、通信制御部294として機能させるためのプログラムも適宜これに含めることができる。
楽曲定義データ520は、プレイ可能な楽曲毎に用意され、当該楽曲に関する各種初期設定データを格納する。例えば、1つの楽曲定義データ520は、図7に示すように、固有の楽曲名521と、楽曲音声データ522と、譜面20のオリジナルを定義する譜面定義データ523と、楽曲属性524と、楽曲の再生時間に相当する楽曲長さ525と、規準タイミング組み合わせ定義データ526と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
譜面定義データ523は、譜面20(図2参照)にて各種指示体を流れ表示するためのオリジナルのデータである。譜面定義データ523は、プレイ難易度別に用意され、規準タイミングの時系列リストと、各規準タイミングと対応付けられる規準操作種類の時系列リスト、小節区切り線26の配列位置等を定義している。その他、1拍分の時間的長さの基準となるテンポを表すBPM(Beats Per Minute)や、拍子、なども適宜含めることができる。
楽曲属性524は、当該楽曲に設定されている属性を示す情報である。例えば、楽曲のジャンル(例えば、アニメ、ロック、JPOP、クラシック、ダンス、…など)、BMP、関連するアニメやゲームのタイトル、曲調、などを設定することができる。勿論、これら以外の属性も適宜設定することができる。
規準タイミング組み合わせ定義データ526は、連続する特定範囲の規準タイミングを1つの組み合わせと見なして、それに対応する操作入力に対して組み合わせとして評価するためのデータである。例えば、組み合わせ対象規準操作タイミングリストと、評価結果を良好と見なす評価結果良好条件と、を格納する。評価結果良好条件は、例えば、評価結果のうち所定種評価が占める割合の閾値、などでもよい。
図6に戻って、受動ゲーム定義データ600は、受動ゲーム毎に用意され、当該受動ゲームを定義する各種データを格納する。1つの受動ゲーム定義データ600は、例えば図8に示すように、固有の受動ゲーム名601と、受動ゲーム開放条件602と、ゲーム属性603と、当該受動ゲームの想定される標準プレイ時間である基本時間長604と、キャラクタ初期設定データ610と、ステージ分岐定義データ650と、ステージ定義データ660と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
受動ゲーム開放条件602は、当該受動ゲームがプレイ可能になる条件を示す。本実施形態では、ゲーム開始前にプレーヤが選択する選択候補とすることができる条件と同義である。具体的には、選択済楽曲に含まれるべき楽曲名リスト、選択済楽曲の楽曲属性、を設定することができる。本実施形態では、少なくともカードリーダ1330で読み込んだゲームカード3(図1参照)に対応する種類のキャラクタがキャラクタ初期設定データ610に含まれていることが開放条件として設定されている。
ゲーム属性603は、当該ゲームの属性に関する情報を格納する。例えは、ゲームジャンル、アニメやコミックの原作名、などを設定することができる。何れかの楽曲属性の種類と対をなす属性を設定すると好適である。
キャラクタ初期設定データ610は、当該受動ゲームに登場するキャラクタの種類毎に用意され、当該キャラクタを定義する各種データを格納する。1つのキャラクタ初期設定データ610は、例えば図9に示すように、固有のキャラクタ名611と、所属612と、初期登場タイミング614と、登場タイミング変更パターンデータ620と、初期能力パラメータ値リスト628と、能力パラメータ値変更パターンデータ630と、初期特別アクション定義データ638と、特別アクション変更パターンデータ640と、を含む。勿論、これら以外のデータ、例えばキャラクタモデルや、キャラクタのモーションデータ、なども適宜含めることができる。
所属612は、当該受動ゲームにおける当該キャラクタがプレーヤ側キャラクタであるか、受動ゲームの目的のために存在する敵キャラクタであるかを示す。本実施形態の受動ゲームは、アクションRPG風のゲームなので、所属612は、プレーヤキャラクタ4や支援NPCとされ得るキャラクタの所属612は「プレーヤ側」に設定され、敵キャラクタ6の所属612は「目的側(本実施形態では敵側に同義)」に設定される。
初期登場タイミング614は、当該キャラクタが受動ゲームが開始されてどのタイミングで登場するかを定義する。具体的には、プレイ曲の再生開始からの経過時間又は描画フレーム数で定義する。当該キャラクタがプレーヤキャラクタ4とされるキャラクタであれば、初期登場タイミング614は、ゲーム開始冒頭からの登場を意味する「0:00」となる。
登場タイミング変更パターンデータ620は、当該キャラクタの登場タイミングを、初期登場タイミング614からどのように変更するかを定義するデータであって、変更のパターン別に用意される。1つの登場タイミング変更パターンデータ620は、変更実施条件622と、変更後登場タイミング624と、を格納する。
変更実施条件622は、単数又は複数の条件記述要素のAND又はORによって定義される。条件記述要素は、適宜設定可能である。
本実施形態では、ゲーム開始前のプレーヤによる選択結果に関する条件記述要素としては、例えば、1)選曲済楽曲に含まれるべき楽曲名、2)選曲済楽曲の楽曲名の組み合わせ、3)選択済楽曲の楽曲属性の組み合わせ、4)楽曲長さと当該受動ゲームの基本時間長604との長さ差異条件(例えば、30秒以上異なる、など)、を設定できる。長さ差異条件は、規準タイミングの数と、当該受動ゲームにおいて初期設定されている敵キャラクタ6の出現数との差で表すとしてもよい。或いは、単純に、選択済楽曲の規準タイミング数としてもよい。
また、ゲーム開始以降の音楽ゲームの進行状況に関する条件記述要素としては、5)スコアの条件(例えば、100点に到達など)、6)音楽ゲームで連続N回(N≧2の自然数)の評価結果の条件(例えば、いわゆるコンボの回数;評価結果「良」以上で連続5回以上など)、7)所定の良好条件を満たす評価結果の割合の条件、8)1つの組み合わせとして設定された規準タイミングに係る評価結果が所定の良好条件を充足すべきか否かの要否、などを設定することができる。
変更後登場タイミング624としては、「登場させない」も設定することができる。或いは、変更後登場タイミング624を、初期登場タイミング614からの変更増減値で設定するとしてもよい。
初期能力パラメータ値リスト628は、当該キャラクタに設定されている能力パラメータの初期値を所定順に格納する。能力パラメータの種類は、当該受動ゲームの内容に応じて適宜設定可能である。
例えば、当該受動ゲームが、アクションRPG風のゲームであれば、耐久値、攻撃力、防御力、時間当たりの回復力、攻撃回避能力、クリティカルヒットの出現率、スキル発動確率、などを適宜設定可能である。ここで言う「耐久値」は、ダメージを受けると減算され、「0」に至ると行動不能になるパラメータ値であり、体力値などとも称される。
当該キャラクタが敵キャラクタ6の場合でその初期耐久値を、音楽ゲームの評価結果「良」の時にプレーヤキャラクタ4から受けるダメージとして設定される最小ダメージ値と同じ値にすれば、音楽ゲームで1回操作入力して「良」以上の評価結果が得られると、1体のキャラクタを撃破できることになる。
能力パラメータ値変更パターンデータ630は、当該キャラクタの能力パラメータ値を、初期設定値からどのように変更するかを定義するデータであって、変更のパターン別に用意される。1つの能力パラメータ値変更パターンデータ630は、変更実施条件632と、変更対象パラメータ634と、変更内容定義データ636と、を格納する。
変更実施条件632は、登場タイミング変更パターンデータ620の変更実施条件622と同様に記述することができる。そして、変更実施条件632が満たされたならば、変更対象パラメータ634を変更内容定義データ636に従って変更する。
初期特別アクション定義データ638は、当該キャラクタのキャラクタアクションのうち、特別に発動条件が限定された特別アクションの初期設定データである。特別アクションの位置付けは、受動ゲームの内容に応じて適宜設定可能である。例えば、時間経過や敵からのダメージを受けるにつれて貯まってゆくゲージを設定し、当該ゲージが所定の閾値に到達すると発動する所謂「スキル」や「特殊能力」としても良い。勿論、特別アクションは「なし」に設定することもできる。
特別アクション変更パターンデータ640は、特別アクションの初期設定からどのように変更するかのパターンを定義するデータであって、パターン毎に用意される。1つの特別アクション変更パターンデータ640は、変更実施条件642と、変更内容定義データ644と、を格納する。
変更実施条件642は、登場タイミング変更パターンデータ620の変更実施条件622と同様に記述することができる。そして、変更実施条件642が満たされているならば、変更内容定義データ644に従って初期特別アクション定義データ638を変更する。
なお、登場タイミング変更パターンデータ620、能力パラメータ値変更パターンデータ630、特別アクション変更パターンデータ640は、何れもプレーヤ側キャラクタであろうと敵キャラクタ6であろうと設定することができる。勿論、これらの変更パターンが設定されていないキャラクタが有ってもよい。
図8に戻って、ステージ分岐定義データ650は、当該受動ゲームが複数のゲームステージ(ゲームシナリオなどでも良い。)で構成されている場合に用意される。そして、ステージ分岐定義データ650は、プレイするゲームステージの順番や分岐を定義するデータを格納する。分岐を含む場合には、そのゲームステージに分岐するための条件である分岐条件を対応づけて格納する。勿論、ゲームステージは1つのみとしてもよい。なお、分岐条件は、登場タイミング変更パターンデータ620(図9参照)の変更実施条件622と同様にして定義することができる。
ステージ定義データ660は、各ゲームステージ毎に用意され、当該ゲームステージに係る各種定義データが格納されている。
1つのステージ定義データ660は、固有のステージ名661と、当該ステージのステージ開放条件662と、登場キャラクタ定義データ664と、支障定義データ670と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
ステージ開放条件662は、登場タイミング変更パターンデータ620の変更実施条件622と同様に記述することができる。
登場キャラクタ定義データ664は、当該受動ゲームに登場させるキャラクタの種類や数を定義するデータであって、本実施形態では複数用意されている。
1つの登場キャラクタ定義データ664は、適用条件665と対応づけて、登場させるキャラクタ名を連ねるキャラクタ名リスト666を含む。キャラクタ名リスト666は、登場させるキャラクタのキャラクタ名と適用される登場タイミングとを対応づけたテーブルデータであってもよい。
適用条件665は、登場タイミング変更パターンデータ620(図9参照)の変更実施条件622と同様に記述することができる。従って、適用条件665を定義する条件記述要素は、ゲーム開始前のプレーヤによる選択結果に関する条件記述要素を用いることができる、例えば、1)選曲済楽曲の楽曲名、2)楽曲名の組み合わせ、3)選択済楽曲の楽曲属性の組み合わせ、4)楽曲長さと当該受動ゲームの基本時間長604との長さ差異条件、のみで定義すれば、ゲーム開始前の選択結果に応じて、登場するキャラクタや数が決まるように設定できる。
具体的な例としては、音楽ゲームにおいて「良」以上の評価が得られると、1操作で1体の敵キャラクタ6を倒すように受動ゲームの内容を設定しようとするならば、適用条件665に、規準タイミングの数の範囲を長さ差異条件として設定する。そして、キャラクタ名リスト666に、「良」以上の評価で与えられるダメージの最小値以下の耐久値に設定された種類の敵キャラクタ6を、選択済楽曲の規準タイミングの数と同数又はそれ以下で出現させるように設定すればよい。
また、別の例としては、選択済楽曲のタイトルや楽曲属性に応じて特定のキャラクタを登場させるとしてもよい。適用条件665に、選択済楽曲のタイトルがあるアニメのタイトルであることを設定し、キャラクタ名リスト666に当該アニメの登場キャラクタを模した支援NPCを設定する。すると、プレーヤが、意図的に当該アニメで使用される楽曲を選択して音楽ゲームをプレイすると、当該アニメのキャラクタと一緒に受動ゲームを楽しめることとなる。
また、適用条件665には、ゲーム開始以降の音楽ゲームの進行状況に関する条件記述要素を用いることもできる。例えば、音楽ゲームのプレイ成績がある高成績条件(例えば、スコアが1000点に達した、「良」以上の評価結果が連続20回、など)に設定し、登場するキャラクタに、耐久値の高い敵キャラクタ6を登場させる、という設定も可能である。この場合、音楽ゲームになれた上級プレーヤには、歯ごたえのある敵キャラクタ6を出現させて、やりごたえ感を演出できる。
支障定義データ670は、当該受動ゲームのプレイ状況・進行状況に応じて主たるゲームである音楽ゲームにフィードバックされる内容を定義するデータである。本実施形態では、音楽ゲームにおけるプレーヤのプレイを邪魔する支障付与制御毎に用意されるが、逆に、音楽ゲームにおけるプレーヤのプレイを支援する支援付与制御について同様に用意することもできる。
1つの支障定義データ670は、固有の支障名671と、支障発動条件672、支障内容データ673と、支障停止条件674とを含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
支障発動条件672は、本実施形態では、受動ゲーム進行制御部240の進行制御によって受動ゲームの進行状況が悪化した場合を条件内容とするように定義される。例えば、プレーヤキャラクタ4の耐久値が20%を下回った場合、敵キャラクタ6に与えるダメージ値の直近所定時間(例えば、1分間)の合計が基準値を下回る、倒されずに残存する敵キャラクタ6が目標値を下回っている、などとすることができる。
支障内容データ673は、支障付与制御を実現するために必要なデータを含む。例えば、譜面20(図2参照)の視認を邪魔するオブジェクトデータ、当該オブジェクトの移動パターンデータ、などである。
支障停止条件674は、当該支障定義データによる発動中の支障付与制御を停止するための条件であって、受動ゲームの進行状況の条件、或いは音楽ゲームにおける進行状況の条件で定義できる。例えば、受動ゲームにてプレーヤキャラクタ4がクリティカルヒットを出した、などである。
図6に戻って、プレイデータ700は、ゲーム進行状況を記述する各種データを格納する。本実施形態では、選択済楽曲リスト701と、プレーヤキャラクタ種類703と、選択済受動ゲームリスト705と、タイミングゲーム進行制御データ710と、受動ゲーム進行制御データ730と、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納するとしてもよい。
プレーヤキャラクタ種類703は、プレーヤが所有するゲームカード3(図1参照)のうち、カードリーダ1330で読み込ませたカードに対応づけられるキャラクタ種類が設定される。
タイミングゲーム進行制御データ710は、プレーヤ毎に用意され、当該プレーヤがプレイする音楽ゲーム(本実施形態におけるタイミングゲーム)の進行状況を記述する各種データを格納する。本実施形態では、1人プレイを想定しているので、図6中には1つだけタイミングゲーム進行制御データ710を記しているが、マルチプレイの場合には人数分用意される。
タイミングゲーム進行制御データ710は、プレイ曲名711と、プレイ経過時間712と、譜面20(図2参照)の表示制御するための各種データを格納する譜面表示制御データ713と、評価結果履歴データ714と、タイミングゲームプレイ成績データ715と、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納するとしてもよい。
プレイ曲名711は、選択済楽曲リスト701に格納されている楽曲のうち、今現在プレイに使用されている楽曲名を格納する。
評価結果履歴データ714には、規準タイミングの順に当該規準タイミングにおける操作入力の評価結果を履歴的に格納する。
受動ゲーム進行制御データ730は、現在実行中の受動ゲーム毎に用意され、当該受動ゲームの進行状況を記述する各種データを格納する。本実施形態では、1人プレイを想定しているので、図中には1つだけ受動ゲーム進行制御データ730を記しているが、マルチプレイの場合には人数分用意される。
受動ゲーム進行制御データ730は、例えば図10に示すように、プレイ受動ゲーム名731と、プレイステージ名732と、適用登場キャラクタ名リスト733と、登場キャラクタ設定データ740と、受動ゲームプレイ成績データ760と、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納するとしてもよい。
プレイ受動ゲーム名731は、選択済受動ゲームリスト705に格納されている受動ゲーム名のうち、今現在プレイされている受動ゲームを示す。
プレイステージ名732は、今現在受動ゲームにおいてプレイされている当該受動ゲームにおけるゲームステージの識別情報を格納する。プレイ中の受動ゲームが、ゲームステージを持たない内容であれば、当該データは省略される。
適用登場キャラクタ名リスト733は、プレイステージ名732が示すゲームステージのステージ定義データ660(図8参照)の登場キャラクタ定義データ664のうち、適用条件665を満たした定義データのキャラクタ名リスト666がコピーされる。
登場キャラクタ設定データ740は、受動ゲームに登場しているキャラクタ別に用意される。本実施形態では、プレーヤキャラクタ4、敵キャラクタ6、それぞれについて用意される。そして、1つの登場キャラクタ設定データ740は、固有のキャラクタ識別ID741と、登場キャラクタ名742と、適用登場タイミング743と、適用能力パラメータ値リスト744と、適用特別アクション定義データ745と、を格納する。勿論、これら以外のデータも適宜格納するとしてもよい。例えば、ゲーム空間内における当該キャラクタの位置情報や、速度、動作制御データ、使用するアイテムの状態データ、などを適宜格納することができる。
同じ種類のキャラクタが複数体登場する場合には、登場キャラクタ名742は同じだがキャラクタ識別ID741を違えてそれらを個別に識別する。
適用登場タイミング743は、受動ゲームのプレイ開始時点で、当該キャラクタのキャラクタ初期設定データ610(図9参照)の初期登場タイミング614が一旦コピーされる。そして、受動ゲームのプレイ開始前及びプレイ中において、変更実施条件622が満たされると、それに対応する変更後登場タイミング624で適用登場タイミング743が変更される。
適用能力パラメータ値リスト744は、受動ゲームのプレイ開始時点で、当該キャラクタのキャラクタ初期設定データ610(図9参照)の初期能力パラメータ値リスト628が一旦コピーされる。そして、受動ゲームのプレイ開始前及びプレイ中において、変更実施条件632が満たされると、適用能力パラメータ値リスト744のうち、満たされた変更実施条件632に対応する変更対象パラメータ634の値が、変更内容定義データ636に従って変更される。
適用特別アクション定義データ745は、受動ゲームのプレイ開始時点で、当該キャラクタのキャラクタ初期設定データ610(図9参照)の初期特別アクション定義データ638が一旦コピーされる。そして、受動ゲームのプレイ開始前及びプレイ中において、変更実施条件642が満たされると、それに対応する変更内容定義データ644に従って適用特別アクション定義データ745が変更される。
[動作の説明]
図11は、本実施形態の業務用ゲーム装置1300における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する一連の流れは、処理部200にてゲームプログラム503を実行することにより実現される。なお、1人プレイを前提として説明するが、マルチプレイでもよい。
業務用ゲーム装置1300は、先ずプレイする楽曲の選択受け付けを行う(ステップS10)。具体的には、楽曲定義データ520の楽曲名521(図7参照)の一覧を表示させて、プレーヤに所定数を選択させる。本実施形態では、2曲選択させるが、1曲でもよいし3曲以上でもよい。選択された楽曲の楽曲名は、選択順に、選択済楽曲リスト701に格納される。
次に、業務用ゲーム装置1300は、プレーヤキャラクタ4とするキャラクタの受け付けを行う(ステップS12)。具体的には、プレーヤが所有しているゲームカード3(図1参照)を所定数カードリーダ1330へ挿入するように促す表示を行う。カードリーダ1330で読まれたゲームカード3が担持していたキャラクタ種類の情報(或いは、別途用意されるゲームカード3の個体識別情報とキャラクタ種類との紐付け関係の定義データから得られる種類の情報)は、プレーヤキャラクタ種類703に格納される。
次に、業務用ゲーム装置1300は、プレイする受動ゲームの選択受け付けを行う(ステップS14)。具体的には、受動ゲーム開放条件602(図8参照)が満たされている受動ゲーム定義データ600を抽出し、それらの受動ゲーム名601の一覧を表示させて、プレーヤに所定数を選択させる。本実施形態では、1つとするが複数でもよい。選択結果は、選択済受動ゲームリスト705に格納される。また、受動ゲーム進行制御データ730(図10参照)を作成し、プレイ受動ゲーム名731を設定し、プレイステージ名732に最初のステージ名を設定する。
次に、業務用ゲーム装置1300は、受動ゲームにおける登場キャラクタを選択して、各登場キャラクタを設定する(ステップS20)。
具体的には、当該受動ゲームにおいて最初にプレイされるゲームステージのステージ定義データ660(図8参照)の登場キャラクタ定義データ664の中から、適用条件665を満たす定義データを検索する。そして、そのキャラクタ名リスト666を適用登場キャラクタ名リスト733にコピーする。そして、当該リストに登録されているキャラクタ毎に登場キャラクタ設定データ740を作成する。
次に、業務用ゲーム装置1300は、選択済楽曲リスト701の1曲目をプレイ曲に設定して(ステップS22)、音楽ゲーム(本実施形態におけるタイミングゲーム)の進行制御を開始するとともに、並行して受動ゲームの進行制御を開始する(ステップS24)。
これ以降、受動ゲームにおいては、適用登場タイミング743(図10参照)に達したキャラクタがゲーム内に登場し、適用能力パラメータ値リスト744で定義される能力が適用される。そして、適用特別アクション定義データ745に従って、特別アクションの発動が制御される。また、プレイするゲームステージが終了すると、ステージ分岐の定義に従って、次のゲームステージでのプレイに移行する。
プレイ中、業務用ゲーム装置1300は、登場する各キャラクタについて、それぞれのキャラクタ初期設定データ610(図9参照)に従って、登場タイミング、能力パメータ値、特別アクションそれぞれの変更実施条件(変更実施条件622,変更実施条件632、変更実施条件642)が満たされたかを逐次判定する。そして、満たされている変更実施条件に対応する変更内容の定義に従って、該当するキャラクタの登場キャラクタ設定データ740(図10参照)を変更する。具体的には、適用登場タイミング743、適用能力パラメータ値リスト744、適用特別アクション定義データ745を変更する(ステップS26)。変更後は、変更された各パラメータ値に基づいて受動ゲームは進行制御される。
また、プレイ中は、業務用ゲーム装置1300は、支障定義データ670(図8参照)を参照して、支障発動条件672を満たす支障付与制御を逐次開始し、また支障停止条件674を満たす支障付与制御を逐次終了させる(ステップS28)。
タイミングゲームにおいて、プレイ曲が終了すると(ステップS30のYES)、業務用ゲーム装置1300は、選択済楽曲リスト701に未プレイの楽曲が残っている場合には(ステップS32のNO)、未プレイの楽曲をプレイ曲に設定して、タイミングゲームを再開する(ステップS34)。
また、これに伴って業務用ゲーム装置1300は、受動ゲームの継続又は新規開始を行う(ステップS36)。本実施形態では、選択済みの受動ゲームは1つなので、受動ゲーム進行制御データ730(図10参照)はそのまま持ち越しされ、再開されるタイミングゲームについても継続される。もし、受動ゲームを複数選択受け付けする構成では、このタイミングで選択済受動ゲームリスト705に残っている未プレイの受動ゲームをプレイ受動ゲームとし、受動ゲーム進行制御データ730を一旦破棄して、ステップS14及びステップS16と同様の処理を行って新たなプレイ受動ゲームに合わせて再設定するとしても良い。
もし、選択済楽曲リスト701の全ての楽曲をプレイしたならば、(ステップS32のNO)、業務用ゲーム装置1300は所定のプレイ終了処理を実行して(ステップS38)、一連の処理を終了する。
なお、プレイする楽曲を共通としたマルチプレイの場合には、ステップS12〜ステップS20、ステップS24〜ステプS28をプレーヤ別に実行すればよい。
以上、本実施形態によれば、タイミングゲームの実行に対して受動的に実行される受動ゲームを内包するゲームにおいて、受動ゲームに多様性を付与することができる。プレイに使用する楽曲の選択や、受動ゲームの選択、更にはタイミングゲームにおけるプレイ成績等に応じて受動ゲームの内容に変化が生まれるので、プレーヤが飽きる可能性を低く、或いは、飽きが来るまでの時間を長期化させることができる。
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
[その1]
上記実施形態では、ゲームの進行制御を業務用ゲーム装置1300にて行うスタンドアローンのゲームシステムとしていたが、これに限らない。業務用ゲーム装置1300をコントローラ兼表示装置すなわちプレーヤ端末として位置付け、ゲーム進行制御をサーバシステム1100(図1参照)にて実行する形態も可能である。すなわち、クライアント・サーバシステムとすることもできる。
[その2]
また、上記実施形態の業務用ゲーム装置1300は、パソコン、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯型ゲーム機、家庭用据置型ゲーム機、などのその他の形態の装置により実現することもできる。1台の装置を複数人で使用できない場合には、適宜、装置間を通信接続して通信対戦形式とすればよい。通信接続の方式は問わない。
例えば、図12に示すように、タッチパネル1506を搭載したスマートフォン1500にて、ゲームプログラム503に相当するアプリケーションプログラムを実行する形態も可能である。
具体的には、スマートフォン1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、スピーカ1510と、内蔵バッテリー1509と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。
制御基板1550は、CPU1551やGPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、通信回線9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、インターフェース回路1557などを搭載する。
インターフェース回路1557には、タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、上記実施形態の記憶部500に記憶されるプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
上記実施形態におけるゲームプログラム503に相当するプログラムは、スマートフォン1500をスタンドアローンとして本発明が適用されたコンピュータシステムとして機能させるアプリケーションプログラムであっても良い。サーバシステム1100とともにゲームシステム1000を構成するならば、クライアントプログラムとして実現してもよい。必要なプログラムや各種設定データは、サーバシステム1100からダウンロードするとしても良いし、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
当該構成においては、上記実施形態の操作入力装置1306に代えて、タッチパネル1506に表示されるゲーム画面内に、適宜、規準操作の種類別の規準操作入力アイコンを表示させ、規準タイミングと、どの規準操作入力アイコンにタッチ操作があったかに応じて入力評価すると好適である。
[その3]
また、上記実施形態では、タイミングゲームを、和太鼓を仮想演奏する音楽ゲームとして例示したが、その他の楽器を仮想演奏する音楽ゲームとしてもよいことは勿論のこと、他ジャンルのゲームであってもよい。
例えば、操作入力装置1306をピアノ等の鍵盤型とし、鍵盤それぞれに対応する指示体25の移動レーンを用意する。そして、基準位置24に到達した指示体25の移動レーンに対応する鍵盤を、到達したタイミングに合わせて操作入力してプレイする形態とすることもできる。
また例えば、操作入力にタッチパネルを採用して、規準操作の種類に対応する指示体25を画面に表示し、当該指示体にタッチして操作入力する形態に対しても、本発明を同様に適用できる。すなわち、ゲーム画面に出現表示された指示体25は出現位置から移動せず、付属表示物が指示体25に向けて移動して、両者が重なることで規準タイミングを示し、その後にゲーム画面から消える。プレーヤは、付属表示物が指示体25に重なるタイミングに合わせて、当該指示体をタッチしてプレイするとしてもよい。
[その4]
また、上記実施形態では、受動ゲームをプレーヤがプレイ開始前に選択する構成としたが、楽曲の選択結果に応じて自動的に受動ゲームが選択される構成とすることもできる。その場合は、予め想定される選択済楽曲の組み合わせ、或いは選択済楽曲の楽曲属性の組み合わせに応じて、少なくとも1つの受動ゲームを対応づけた定義データを用意しておき、当該定義データに従って自動的に選択すればよい。
[その5]
また、上記実施形態では、受動ゲームについては、登場するキャラクタに敵味方の区別の有る例を示したが、敵味方の区別がないゲーム内容としても良いのは勿論である。また、上記実施形態では、受動ゲームにおいてプレーヤキャラクタ4を使用する形態を例示したが、プレーヤキャラクタ4を省略し、全てNPCとすることができる。なお、この場合、NPCは、人型に限らず、動物、植物、仮想生物、光の粒子や光の流れなどの不定形なアンビエント要素、などでもよい。