JP2019132895A - 有機発光表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示画面の上下方向における上方向からの外光の正反射を効果的に抑制できる有機発光表示装置を提供する。【解決手段】表示画面を有する有機発光表示装置であって、前記有機発光表示装置が、偏光子と、液晶性化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層と、有機発光表示パネルとを、この順に備え、前記液晶硬化層に含まれる前記液晶性化合物の少なくとも一部の分子が、前記液晶硬化層の面内方向に対して傾斜していて、前記偏光子が、前記表示画面の上下方向に対して、45°より大きく90°以下の角度をなす吸収軸を有し、前記液晶硬化層が、前記偏光子の吸収軸に対して、45°±5°の角度をなす遅相軸を有する、有機発光表示装置。【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光表示装置に関する。
有機発光表示装置には、通常、様々な光学要素が設けられる(特許文献1〜4)。このような光学要素の一つとして、液晶性化合物を含む液晶組成物を配向させ、その配向状態を維持したままで硬化させた硬化物で形成された液晶硬化層がある。液晶硬化層は、通常、液晶性化合物に応じた複屈折を有するので、波長板及び位相差板等の光学要素として用いることができる。
特許第5363022号公報 特開2015−161714号公報 特開2016−110153号公報 特開2017−138608号公報
有機発光表示装置には、その表示画面に、外光の反射を抑制するための反射抑制フィルムとして、円偏光板及び楕円偏光板等の偏光板が設けられることがある。この偏光板は、例えば、偏光子及び液晶硬化層を組み合わせることによって、得ることができる。
表示画面を傾斜方向から見た場合に反射を抑制して優れた視野角特性を得る観点から、液晶硬化層は、厚み方向における複屈折を調整されることが好ましい。厚み方法における複屈折を調整するための方法としては、例えば、液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の分子を、当該液晶硬化層の面内方向に対して傾斜させる方法が挙げられる。液晶性化合物の分子の傾斜角を適切に調整することにより、液晶硬化層の厚み方向の複屈折を調整できるので、従来は、傾斜方向において外光の反射を効果的に抑制できると期待されていた。
ところが、現実の有機発光表示装置では、傾斜方向において満足できるほどの効果的な反射抑制は、達成されていない。一般に、有機発光表示装置は、太陽又は照明が発した外光を、表示画面の上下方向においては上方向から受ける。また、表示画面での反射は、通常、散乱、回折、屈折等の光学現象の影響をうけうるものの、光の大部分は正反射する。「正反射」とは、光の入射角と反射角とが同じである反射をいう。よって、表示画面での外光の反射の効果的な抑制のためには、上方向から受けた外光の正反射を抑制することが求められる。しかし、このような正反射の抑制は、従来の技術では不十分であった。
本発明は、前記の課題に鑑みて創案されたもので、表示画面の上下方向における上方向からの外光の正反射を効果的に抑制できる有機発光表示装置を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するべく、鋭意検討した。従来は、反射抑制フィルムとしての偏光板について盛んに検討がなされていたのに対し、本発明者は、反射抑制フィルムと有機発光表示パネルとを含む有機発光表示装置の全体に着目した。そして、本発明者は、表示画面の上下方向と、偏光子及び液晶硬化層の光学軸との関係を適切に調整することにより、効果的な反射抑制が可能であることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のものを含む。
〔1〕 表示画面を有する有機発光表示装置であって、
前記有機発光表示装置が、偏光子と、液晶性化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層と、有機発光表示パネルとを、この順に備え、
前記液晶硬化層に含まれる前記液晶性化合物の少なくとも一部の分子が、前記液晶硬化層の面内方向に対して傾斜していて、
前記偏光子が、前記表示画面の上下方向に対して、45°より大きく90°以下の角度をなす吸収軸を有し、
前記液晶硬化層が、前記偏光子の吸収軸に対して、45°±5°の角度をなす遅相軸を有する、有機発光表示装置。
〔2〕 前記液晶硬化層に含まれる前記液晶性化合物の分子のチルト方向が、前記表示画面の上下方向において上方向に向いている、〔1〕に記載の有機発光表示装置。
〔3〕 測定波長590nmでの前記液晶硬化層の面内レターデーションが、100nm以上180nm以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の有機発光表示装置。
本発明によれば、表示画面の上下方向における上方向からの外光の正反射を効果的に抑制できる有機発光表示装置を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態としての有機発光表示装置を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態としての有機発光表示装置を分解して模式的に示す分解斜視図である。 図3は、ある例に係る液晶硬化層のレターデーション比Re(θ)/Re(0°)を、入射角θに対してプロットしたグラフである。 図4は、本発明の一実施形態としての有機発光表示装置が備える液晶硬化層を、当該液晶硬化層の遅相軸及び厚み方向の両方に平行な平面で切った断面を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の一実施形態としての有機発光表示装置が備える液晶硬化層を模式的に示す平面図である。 図6は、傾斜方向から液晶硬化層のレターデーションを測定する際の測定方向を説明するための斜視図である。 図7は、実施例及び比較例における明度Lの測定装置を設定する様子を模式的に示す斜視図である。
以下、例示物及び実施形態を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す例示物及び実施形態に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、有機発光表示装置の表示画面の「左右方向」とは、別に断らない限り、当該有機発光表示装置の表示画面を使用者が視る場合の表示画面の横方向を表す。テレビ、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ装置、車載用ディスプレイ装置等の設置型の有機発光表示装置においては、左右方向とは、通常、当該有機発光表示装置を水平な支持台に設置した場合に水平面と平行となる方向であって、且つ、表示画面に平行な方向に該当する。また、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末等の携帯型の有機発光表示装置においては、左右方向とは、通常、直立姿勢の使用者が手に持った有機発光表示装置の表示画面を視る場合に水平面に平行となる方向であって、且つ、表示画面に平行な方向に該当する。例えば、表示画面が矩形である場合、表示画面の左右方向は、一般には、この矩形の底辺に平行である。また、例えば、表示画面と平行な有機発光表示装置の面に、縦方向及び横方向の区別がある図案が付されている場合、通常は、当該横方向に平行な方向が、表示画面の左右方向に該当する。具体例を挙げると、横書きの文字列のロゴタイプが付された有機発光表示装置では、通常、表示画面の左右方向は、当該文字列の配列方向に平行である。
以下の説明において、有機発光表示装置の表示画面の「上下方向」とは、別に断らない限り、当該有機発光表示装置の表示画面を使用者が視る場合の表示画面の縦方向を表す。よって、有機発光表示装置の表示画面の上下方向とは、別に断らない限り、表示画面に平行な方向であって、且つ、表示画面の左右方向に垂直な方向を表す。例えば、表示画面が矩形である場合、表示画面の左右方向は、一般には、この矩形の底辺に垂直である。また、例えば、表示画面と平行な有機発光表示装置の面に、縦方向及び横方向の区別がある図案が付されている場合、通常は、当該横方向に垂直な方向が、表示画面の上下方向に該当する。具体例を挙げると、横書きの文字列のロゴタイプが付された有機発光表示装置では、通常、表示画面の上下方向は、当該文字列の配列方向に垂直である。
以下の説明において、ある層の「面内方向」とは、別に断らない限り、層平面に平行な方向を表す。
以下の説明において、ある層の「厚み方向」とは、別に断らない限り、層平面に垂直な方向を表す。よって、別に断らない限り、ある層の面内方向と厚み方向とは、垂直である。
以下の説明において、ある面の「正面方向」とは、別に断らない限り、その面の法線方向を表し、具体的には前記面の極角0°の方向を指す。
以下の説明において、ある面の「傾斜方向」とは、別に断らない限り、その面に平行でも垂直でもない方向を表し、具体的には前記面の極角が5°以上85°以下の範囲の方向を指す。
以下の説明において、ある要素が面内方向に対して「傾斜している」とは、その要素が前記面内方向に対して平行でも垂直でもないことを表す。前記の要素が前記面内方向に対してなす角度は、通常、5°以上85°以下の範囲にある。
以下の説明において、要素の方向が「平行」及び「垂直」とは、別に断らない限り、本発明の効果を損ねない範囲内、例えば±4°、好ましくは±3°、より好ましくは±1°の範囲内での誤差を含んでいてもよい。
以下の説明において、逆波長分散性の複屈折とは、別に断らない限り、波長450nmにおける複屈折Δn(450)及び波長550nmにおける複屈折Δn(550)が、下記式(N1)を満たす複屈折をいう。このような逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物は、通常、測定波長が長いほど、大きい複屈折を発現できる。
Δn(450)<Δn(550) (N1)
以下の説明において、順波長分散性の複屈折とは、別に断らない限り、波長450nmにおける複屈折Δn(450)及び波長550nmにおける複屈折Δn(550)が、下記式(N2)を満たす複屈折をいう。このような順波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物は、通常、測定波長が長いほど、小さい複屈折を発現できる。
Δn(450)>Δn(550) (N2)
以下の説明において、ある層の面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx−ny)×dで表される値である。ここで、nxは、層の厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、層の前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。dは、層の厚みを表す。レターデーションの測定波長は、別に断らない限り、590nmである。面内レターデーションReは、位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて測定できる。
以下の説明において、ある層の遅相軸とは、別に断らない限り、面内方向の遅相軸をいう。
以下の説明において、別に断らない限り、ある層に含まれる液晶性化合物の分子の「傾斜角」とは、その液晶性化合物の分子が層平面に対してなす角度を表し、「チルト角」とも呼ばれることがある。この傾斜角は、液晶性化合物の分子の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向が層平面となす角度のうち、最大の角度に相当する。また、以下の説明においては、別に断らない限り、「傾斜角」とは、液晶性化合物の分子の、当該液晶性化合物が含まれる層の面内方向に対する傾斜角を表す。
以下の説明において、固有複屈折値が正の樹脂とは、延伸方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも大きくなる樹脂を意味する。また、固有複屈折値が負の樹脂とは、延伸方向の屈折率がそれに直交する方向の屈折率よりも小さくなる樹脂を意味する。固有複屈折値は、誘電率分布から計算できる。
以下の説明において、置換基を有する基の炭素原子数には、別に断らない限り、前記置換基の炭素原子数を含めない。よって、例えば「置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基」との記載は、置換基の炭素原子数を含まないアルキル基自体の炭素原子数が1〜20であることを表す。
[1.有機発光表示装置の実施形態の説明]
(有機発光表示装置の概要の説明)
図1は、本発明の一実施形態としての有機発光表示装置10を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態としての有機発光表示装置10は、画像を表示するための表示画面10Uを有する画像表示装置である。本実施形態では、図1に示すように、表示画面10Uが、表示画面10Uの左右方向ALRに平行な二辺11及び12と、表示画面10Uの上下方向AUDに平行な二辺13及び14とを有する矩形となっている例を示して説明する。
図2は、本発明の一実施形態としての有機発光表示装置10を分解して模式的に示す分解斜視図である。図2では、液晶硬化層200に、偏光子100の吸収軸A100と同一方向に延びる仮想的な直線A210を二点鎖線で示す。
図2に示すように、有機発光表示装置10は、偏光子100と、液晶硬化層200と、有機発光表示パネル300とを、表示画面10Uに垂直な方向においてこの順に備える。
(偏光子100の説明)
偏光子100は、吸収軸A100を有する光学要素である。偏光子100は、吸収軸A100に平行な振動方向を有する直線偏光を吸収でき、それ以外の直線偏光を透過させることができる。直線偏光の振動方向とは、直線偏光の電場の振動方向を意味する。
偏光子100の吸収軸A100は、表示画面10Uを正面方向から見て、表示画面10Uの上下方向AUDに対して45°より大きく90°以下の角度θ100をなす。外光の反射をより効果的に抑制する観点では、前記の角度θ100は、通常45°より大きく、好ましくは50°より大きく、より好ましくは55°より大きく、通常90°以下である。有機発光表示装置10を偏光子100側から見た場合において、偏光子100の吸収軸A100は、表示画面10Uの上下方向AUDに対して、時計回り及び反時計回りのいずれの向きで前記の角度θ100をなしていてもよい。
偏光子100としては、例えば、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸することによって得られるフィルム;ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素又は二色性染料を吸着させ延伸しさらに分子鎖中のポリビニルアルコール単位の一部をポリビニレン単位に変性することによって得られるフィルム;が挙げられる。これらのうち、偏光子100としては、ポリビニルアルコールを含有する偏光子が好ましい。
偏光子100の偏光度は、特に限定されないが、好ましくは98%以上、より好ましくは99%以上である。
また、偏光子100の厚みは、特に限定されないが、好ましくは5μm〜80μmである。
(液晶硬化層200の説明)
液晶硬化層200は、液晶性化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された層である。液晶組成物の硬化物で形成されているので、液晶硬化層200は、液晶性化合物の分子を含む。液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子は、配向状態を固定されていてもよい。用語「配向状態を固定された液晶性化合物」には、液晶性化合物の重合体が包含される。通常、重合によって液晶性化合物の液晶性は失われるが、本願においては、そのように重合した液晶性化合物も、用語「液晶硬化層に含まれる液晶性化合物」に含める。
液晶硬化層200は、表示画面10Uを正面方向から見て、偏光子100の吸収軸A100に対して45°±5°の角度θ200をなす遅相軸A200を有する。外光の反射をより効果的に抑制する観点では、前記の角度θ200は、通常40°以上、好ましくは42°以上、より好ましくは44°以上であり、通常50°以下、好ましくは48°以下、より好ましくは46°以下である。有機発光表示装置10を偏光子100側から見た場合において、液晶硬化層200の遅相軸A200は、偏光子100の吸収軸A100に対して、時計回り及び反時計回りのいずれの向きで前記の角度θ200をなしていてもよい。
液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の少なくとも一部の分子は、当該液晶硬化層200の面内方向に対して傾斜している。液晶硬化層200の面内方向は、通常、表示画面10Uに対して平行である。よって、このように傾斜した液晶性化合物の分子は、通常、表示画面10Uに対して平行でも垂直でもない状態となっている。
液晶硬化層200において、液晶性化合物の分子のうち、一部が液晶硬化層200の面内方向に対して傾斜していてもよく、全部が液晶硬化層200の面内方向に対して傾斜していてもよい。例えば、液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子の傾斜角は、厚み方向において、一側に近いほど小さく、一側から遠いほど大きいことがある。よって、液晶硬化層200の一側の面の近傍部分では、液晶性化合物の分子が面内方向に対して平行でありえる。また、液晶硬化層200の一側とは反対側の面の近傍部分では、液晶性化合物の分子が面内方向に対して垂直でありえる。しかし、このように液晶硬化層200の表面近傍部分で液晶性化合物の分子が面内方向に対して平行又は垂直である場合であっても、通常は、液晶硬化層200の表面近傍部分を除いた部分では、液晶性化合物の分子は、面内方向に対して傾斜している。
液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の少なくとも一部の分子が当該液晶硬化層200の面内方向に対して傾斜していることは、十分な分解能を有する偏光顕微鏡で液晶硬化層200の断面を観察することによって、確認できる。この観察は、液晶性化合物の分子の傾斜を視認し易くするために、必要に応じて、観察サンプルと偏光顕微鏡の対物レンズとの間に検板として波長板を挿入して実施してもよい。
または、液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の少なくとも一部の分子が当該液晶硬化層200の面内方向に対して傾斜していることは、下記のようにして確認できる。液晶硬化層200の面内の進相軸方向に対して垂直な測定方向で、入射角θにおける液晶硬化層200のレターデーションRe(θ)を測定する。そして、入射角θでの液晶硬化層200のレターデーションRe(θ)を入射角0°での液晶硬化層200のレターデーションRe(0°)で割ったレターデーション比Re(θ)/Re(0°)を求める。こうして求めたレターデーション比Re(θ)/Re(0°)を縦軸、入射角θを横軸としたグラフを描いた場合に、得られたグラフがθ=0°に対して非対称であれば、液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の少なくとも一部の分子が当該液晶硬化層200の面内方向に対して傾斜していることが確認できる。
以下、例を挙げてより具体的に説明する。図3は、ある例に係る液晶硬化層200のレターデーション比Re(θ)/Re(0°)を、入射角θに対してプロットしたグラフである。液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の全ての分子の傾斜角が0°又は90°であると、レターデーション比Re(θ)/Re(0°)は、図3で破線で示す例のように、θ=0°の直線(図3では、θ=0°を通る縦軸)に対して線対称となる。これに対して、液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の少なくとも一部の分子が液晶硬化層200の面内方向に対して傾斜していると、レターデーション比Re(θ)/Re(0°)は、図3に実線で示す例のように、通常はθ=0°の直線に対して非対称となる。よって、レターデーション比Re(θ)/Re(0°)がθ=0°に対して非対称である場合には、液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の少なくとも一部の分子が当該液晶硬化層200の面内方向に対して傾斜している、と判定できる。
図4は、本発明の一実施形態としての有機発光表示装置10が備える液晶硬化層200を、当該液晶硬化層200の遅相軸A200及び厚み方向の両方に平行な平面で切った断面を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の少なくとも一部の分子210は、面内方向に対して傾斜している。よって、液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子210には、チルト方向Aが観念できる。この液晶性化合物の分子210の「チルト方向A」とは、液晶硬化層200の面内方向に平行な向きであって、液晶性化合物の分子210のダイレクタD210が立ち上がっている向きを示す。液晶性化合物の分子210の「ダイレクタD210」とは、液晶性化合物の分子210の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向を、液晶硬化層200全体の平均として示すベクトルを示す。また、ダイレクタD210の「立ち上がり」とは、液晶硬化層200の面200D及び面200Uのうち、液晶性化合物の分子210の傾斜角が小さい方の面200Dを基準とした立ち上がりをいう。よって、傾斜角が小さい方の面200D側に始点を置き、傾斜角が大きい方の面200U側に終点を置くようにダイレクタD210を書くことにより、そのダイレクタD210の面内方向に平行な成分が示すベクトルの向きとして、そのダイレクタD210が立ち上がっている向きとしてのチルト方向Aを特定できる。
前記のチルト方向Aは、具体的には、下記の方法によって測定できる。
位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて、液晶硬化層200の遅相軸A200を検出する。
また、液晶硬化層200の面200D及び200Uのうち、液晶性化合物の分子210の傾斜角が小さい方の面200Dを特定する。面200Dの特定は、例えば、液晶硬化層200の遅相軸A200及び厚み方向の両方に平行な平面において液晶硬化層200を切断して、厚さ約1μmの切片を切り出し、偏光顕微鏡観察により前記切片の断面を観察することで、行うことができる。
そして、傾斜角が小さい方の面200Dを下にして、位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて、液晶硬化層200のレターデーションを測定する。レターデーションの測定は、液晶硬化層200の進相軸に垂直な測定方向において、入射角を0°から次第に大きくして行う。入射角を次第に大きくするにつれて、液晶硬化層200のレターデーションが次第に小さくなる場合、測定方向がチルト方向Aと平行に近付くと判断できる。よって、前記のレターデーションの測定により、チルト方向を特定できる。
なお、液晶硬化層200の遅相軸A200、及び、液晶性化合物の分子210の傾斜角が小さい方の面200Dが判明している場合、遅相軸A200の検出及び傾斜角が小さい方の面200Dの特定の操作は、省略してもよい。
図5は、本発明の一実施形態としての有機発光表示装置10が備える液晶硬化層200を模式的に示す平面図である。
液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子のチルト方向Aは、表示画面10Uの上下方向AUDにおいて、上方向に向いていることが好ましい。すなわち、図5に示すように、チルト方向Aを表すベクトルBを、上下方向AUDのベクトル成分Bと左右方向ALRのベクトル成分Bとに分解した場合に、上下方向AUDのベクトル成分Bが、上方向を向いていることが好ましい。これにより、表示画面10Uの上下方向AUDの上方向からの外光の表示画面10Uでの反射を、特に効果的に抑制できる。
液晶硬化層200が、当該液晶硬化層200の面内方向に対して傾斜した液晶性化合物の分子を含むので、その液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子の実質最大傾斜角は、通常、5°以上85°以下である。ある層に含まれる液晶性化合物の分子の「実質最大傾斜角」とは、その層の一方の面での分子の傾斜角が0°であり、且つ分子の傾斜角が厚み方向において一定比率で変化していると仮定した場合の、液晶性化合物の分子の傾斜角の最大値をいう。通常、液晶性化合物を含む層において、液晶性化合物の分子の傾斜角は、厚み方向において、層の一側に近いほど小さく前記一側から遠いほど大きい。実質最大傾斜角は、このような厚み方向における傾斜角の変化の比率(即ち、一側に近いほど減少し、一側から遠いほど増加するという変化の比率)が一定であると仮定して計算される、傾斜角の最大値を表す。例えば、支持面上に形成された液晶組成物の層を硬化させて得られる液晶硬化層200においては、実質最大傾斜角は、液晶硬化層200の支持面側の面での分子の傾斜角が0°であり、且つ、分子の傾斜角が厚み方向において一定比率で変化していると仮定した場合の、液晶性化合物の分子の傾斜角の最大値を表す。
前記の実質最大傾斜角は、液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子の傾斜角の大きさを示す指標である。通常、実質最大傾斜角が大きい液晶硬化層200ほど、その液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子の全体として見た傾斜角が大きい傾向がある。よって、液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子の実質最大傾斜角を調整することにより、液晶硬化層200の厚み方向の複屈折を調整することが可能である。
液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子の実質最大傾斜角の範囲は、外光の効率的な反射の抑制が可能になるように、適切に設定することが望ましい。外光の反射をより効果的に抑制する観点では、前記の実質最大傾斜角の範囲は、好ましくは40°以上、より好ましくは45°以上、特に好ましくは50°以上であり、好ましくは85°以下、より好ましくは80°以下、特に好ましくは75°以下である。
液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子の実質最大傾斜角は、後述する実施例に記載の測定方法で測定できる。
液晶硬化層200は、液晶組成物の硬化物で形成された層を1層のみ含む単層構造を有していてもよく、液晶組成物の硬化物で形成された層を2層以上含む複層構造を有していてもよい。以下の説明において、複層構造の液晶硬化層200に含まれる複数の層それぞれを、液晶硬化層200と区別するため、適宜「部分層」ということがある。液晶硬化層200が複層構造を有する場合、その液晶硬化層200に含まれる複数の部分層それぞれの遅相軸は、同じでもよく、異なっていてもよい。このように液晶硬化層200が複層構造を有する場合、当該液晶硬化層200の遅相軸A200とは、部分層それぞれの遅相軸ではなく、それらの複数の部分層を含む液晶硬化層200全体を1枚の位相差フィルムとしてみて得られる遅相軸を表す。
液晶硬化層200が単層構造を有する場合、その液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子の配向方向は、通常、液晶硬化層200の面内方向において、液晶硬化層200の遅相軸A200と平行である。
他方、液晶硬化層200が複層構造を有する場合、部分層それぞれに含まれる液晶性化合物の分子の配向方向は、通常、液晶硬化層200の面内方向において、部分層それぞれの遅相軸と平行である。よって、液晶硬化層200が複層構造を有する場合、その液晶硬化層200に含まれる液晶性化合物の分子の配向方向は、液晶硬化層200の面内方向において、液晶硬化層200の遅相軸A200と平行でありうるし、非平行でもありうる。
いずれの場合でも、通常は、面内方向において液晶性化合物の分子が配向しているので、液晶硬化層200は、所定の大きさの面内レターデーションを有する。
液晶硬化層200の具体的な面内レターデーションの範囲は、偏光子100と液晶硬化層200との組み合わせが、円偏光板及び楕円偏光板等の偏光板として機能できるように、設定することが望ましい。具体的には、液晶硬化層200の面内レターデーションReは、測定波長590nmにおいて、好ましくは100nm以上、より好ましくは110nm以上、特に好ましくは120nm以上であり、好ましくは180nm以下、より好ましく170nm以下、特に好ましくは160nm以下である。
液晶硬化層200は、逆波長分散性の面内レターデーションを有することが好ましい。ここで、逆波長分散性の面内レターデーションとは、波長450nmにおける面内レターデーションRe(450)及び波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、下記式(N3)を満たす面内レターデーションをいう。中でも、液晶硬化層200の面内レターデーションは、下記式(N4)を満たすことが特に好ましい。このように逆波長分散性の面内レターデーションを有する液晶硬化層200は、広い波長帯域において均一に機能を発現できるので、広い波長範囲において外光の反射を効果的に抑制できる。
Re(450)/Re(550)<1.00 (N3)
Re(450)/Re(550)<0.90 (N4)
液晶硬化層200の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.0μm以上、特に好ましくは2.0μm以上であり、好ましくは10.0μm以下、より好ましくは7.0μm以下、特に好ましくは5.0μm以下である。
(有機発光表示パネル300の説明)
有機発光表示パネル300は、有機発光表示装置10の表示画面10Uに画像を表示するための光を発することができる装置である。この有機発光表示パネル300としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、適宜「有機EL素子」ということがある。)を備えたパネルを用いることができる。通常は、有機EL素子から発せられた光が、液晶硬化層200及び偏光子100を透過して視認されることにより、使用者は、表示画面10Uに表示された画像を視認する。
有機EL素子は、通常、透明電極層、発光層及び電極層をこの順に備え、透明電極層及び電極層から電圧を印加されることにより発光層が光を生じうる。有機発光層を構成する材料の例としては、ポリパラフェニレンビニレン系、ポリフルオレン系、およびポリビニルカルバゾール系の材料を挙げることができる。また、発光層は、複数の発光色が異なる層の積層体、あるいはある色素の層に異なる色素がドーピングされた混合層を有していてもよい。さらに、有機EL素子は、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、等電位面形成層、電荷発生層等の機能層を備えていてもよい。
(反射抑制作用についての説明)
通常の使用態様では、有機発光表示装置10には、上下方向AUDの上方向にある光源から光が照射される。こうして照射された光は、通常、入射角φの傾斜方向で表示画面10Uに入射する。こうして入射した光の大部分は、入射角φと同じ大きさの反射角φで正反射する。上述した有機発光表示装置10は、このような正反射の効果的な抑制を達成することができる。
以下、反射抑制の仕組みを説明する。表示画面10Uに入射した光は、その一部の直線偏光のみが偏光子100を通過し、次にそれが液晶硬化層200を通過することにより、円偏光又は楕円偏光となる。この円偏光又は楕円偏光は、有機発光表示パネル300の表面又は内部で反射され、再び液晶硬化層200を通過することにより、入射した直線偏光の振動方向と直交する振動方向を有する直線偏光となり、偏光子100を通過しなくなる。これにより、反射抑制の機能が達成される。このような反射抑制の原理は、特開平9−127885号公報を参照してよい。
上下方向AUDの上方向の光源が発した外光は、偏光子100及び液晶硬化層200をこの順に透過する際、通常、表示画面10Uに対して傾斜した傾斜方向に透過する。他方、有機発光表示パネル300で反射された反射光も、液晶硬化層200及び偏光子100をこの順に透過する際、表示画面10Uに対して傾斜した傾斜方向に透過する。一般に、偏光子及び液晶硬化層を傾斜方向に透過することで生じる偏光状態の変化は、その傾斜方向の方位によって異なる。ここで傾斜方向の方位とは、その傾斜方向の表示画面に平行な成分をいう。そのため、従来の有機発光表示装置では、偏光子及び液晶硬化層を透過することによる偏光状態の変化を精密に制御することが難しかった。したがって、従来は、偏光子を透過した光が反射後に再び偏光子に入射するまでに、偏光子を透過できない理想的な直線偏光に変換することが困難であったので、十分な反射抑制効果が得られていなかった。これに対し、上述した実施形態に係る有機発光表示装置10では、表示画面10Uの上下方向AUDに対する偏光子100の吸収軸A100の角度θ100、及び、偏光子100の吸収軸A100に対する液晶硬化層200の遅相軸A200の角度θ200を適切に調整することにより、効果的な正反射の抑制が達成できる。
(変形例についての説明)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、更に変更して実施してもよい。
例えば、有機発光表示装置10は、偏光子100、液晶硬化層200及び有機発光表示パネル300に組み合わせて、更に任意の部材を備えていてもよい。
[2.液晶組成物の説明]
液晶硬化層の材料としての液晶組成物は、液晶性化合物を含む材料である。この液晶組成物は、2種類以上の成分を含む材料だけでなく、1種類の液晶性化合物のみを含む材料を包含する。
液晶性化合物は、液晶性を有する化合物であり、通常、当該液晶性化合物を配向させた場合に、液晶相を呈することができる。液晶性化合物としては、逆分散液晶性化合物を用いてもよく、順分散液晶性化合物を用いてもよく、逆分散液晶性化合物と順分散液晶性化合物との組み合わせを用いてもよい。
逆分散液晶性化合物とは、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物である。また、逆波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物とは、当該液晶性化合物の層を形成し、その層において液晶性化合物を配向させた際に、逆波長分散性の複屈折を発現する液晶性化合物をいう。
順分散液晶性化合物とは、順波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物である。また、順波長分散性の複屈折を発現できる液晶性化合物とは、当該液晶性化合物の層を形成し、その層において液晶性化合物を配向させた際に、順波長分散性の複屈折を発現する液晶性化合物をいう。
通常は、液晶性化合物をホモジニアス配向させた場合に、液晶性化合物の層が示す複屈折の波長分散性を調べることで、その液晶性化合物が示す複屈折の波長分散性を確認できる。液晶性化合物をホモジニアス配向させる、とは、当該液晶性化合物を含む層を形成し、その層における液晶性化合物の分子の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向を、前記層の面に平行なある一の方向に配向させることをいう。また、前記の層の複屈折は、「(層の面内レターデーション)÷(層の厚み)」から求められる。
中でも、広い波長範囲において外光の反射を抑制する観点から、液晶性化合物としては、逆分散液晶性化合物が好ましい。
液晶性化合物は、重合性を有することが好ましい。よって、液晶性化合物は、その分子が、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びエポキシ基等の重合性基を含むことが好ましい。重合性を有する液晶性化合物は、液晶相を呈した状態で重合し、液晶相における分子の配向状態を維持したまま重合体となることができる。よって、液晶組成物の硬化物において液晶性化合物の配向状態を固定したり、液晶性化合物の重合度を高めて液晶硬化層の機械的強度を高めたりすることが可能である。
液晶性化合物の分子量は、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、特に好ましくは800以上であり、好ましくは2000以下、より好ましくは1700以下、特に好ましくは1500以下である。このような範囲の分子量を有する液晶性化合物を用いることにより、液晶組成物の塗工性を特に良好にできる。
測定波長550nmにおける液晶性化合物の複屈折Δnは、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.03以上であり、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下である。このような範囲の複屈折Δnを有する液晶性化合物を用いることにより、通常は、配向欠陥の少ない液晶硬化層を得やすい。
液晶性化合物の複屈折は、例えば、下記の方法により測定できる。
液晶性化合物の層を作製し、その層に含まれる液晶性化合物をホモジニアス配向させる。その後、その層の面内レターデーションを測定する。そして、「(層の面内レターデーション)÷(層の厚み)」から、液晶性化合物の複屈折を求めることができる。この際、面内レターデーション及び光学厚みの測定を容易にするために、ホモジニアス配向させた液晶性化合物の層は、硬化させてもよい。
液晶性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
具体的な液晶性化合物の種類に制限は無い。例えば、逆分散液晶性化合物の例としては、下記式(I)で表されるものが挙げられる。
Figure 2019132895
式(I)において、Arは、下記式(II−1)〜式(II−7)のいずれかで表される基を示す。式(II−1)〜式(II−7)において、*は、Z又はZとの結合位置を表す。
Figure 2019132895
前記の式(II−1)〜式(II−7)において、E及びEは、それぞれ独立して、−CR1112−、−S−、−NR11−、−CO−及び−O−からなる群より選ばれる基を表す。また、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、又は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表す。中でも、E及びEは、それぞれ独立して、−S−であることが好ましい。
前記の式(II−1)〜式(II−7)において、D〜Dは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環基、または、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。D〜Dが表す基の炭素原子数(置換基の炭素原子数を含む。)は、それぞれ独立して、通常、2〜100である。
〜Dにおける芳香族炭化水素環基の炭素原子数は、6〜30が好ましい。D〜Dにおける炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素環基としては、フェニル基がより好ましい。
〜Dにおける芳香族炭化水素環基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の、炭素原子数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数1〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;−OCF;−C(=O)−R;−O−C(=O)−R;−C(=O)−O−R;−SO;等が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、炭素原子数1〜6のアルキル基;並びに、炭素原子数1〜6のアルキル基若しくは炭素原子数1〜6のアルコキシ基を置換基として有していてもよい、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;からなる群より選ばれる基を表す。
は、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基;置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数3〜12のシクロアルキル基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素環基;からなる群より選ばれる基を表す。
における炭素原子数1〜20のアルキル基の炭素原子数は、好ましくは1〜12、より好ましくは4〜10である。Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、およびn−イコシル基等が挙げられる。
における炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の、炭素原子数1〜20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チエニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾール−2−イルチオ基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の、炭素原子数2〜12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CHCF等の、1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;及び、ベンゾジオキサニル基;等が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数2〜20のアルケニル基の炭素原子数は、好ましくは2〜12である。Rにおける炭素原子数2〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、およびイコセニル基等が挙げられる。
における炭素原子数2〜20のアルケニル基が有しうる置換基としては、例えば、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等が挙げられる。中でも、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が好ましい。
における炭素原子数3〜12のシクロアルキル基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;および、フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;等が挙げられる。中でも、シクロアルキル基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;および、フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;が好ましい。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素環基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素環基としては、フェニル基が好ましい。
における炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素環基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の、炭素原子数1〜20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルコキシ基;ニトロ基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チオフェニル基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の、炭素原子数2〜12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CHCF等の、1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基;−OCF;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;ベンゾジオキサニル基;等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素環基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の、炭素原子数1〜20のアルコキシ基;ニトロ基;フラニル基、チオフェニル基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、−CHCF等の、1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜12のフルオロアルキル基;−OCF;が好ましい。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
〜Dにおける芳香族複素環基の炭素原子数は、2〜30が好ましい。D〜Dにおける炭素原子数2〜30の芳香族複素環基としては、例えば、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、イミダゾリル基、インドリニル基、フラザニル基、オキサゾリル基、キノリル基、チアジアゾリル基、チアゾリル基、チアゾロピラジニル基、チアゾロピリジル基、チアゾロピリダジニル基、チアゾロピリミジニル基、チエニル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、ナフチリジニル基、ピラジニル基、ピラゾリル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、フタラジニル基、フラニル基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアジニル基、ベンゾトリアゾリル基、およびベンゾピラゾリル基等が挙げられる。中でも、芳香族複素環基としては、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、オキサゾリル基、フラザニル基、チアゾリル基、及びチアジアゾリル基等の、単環の芳香族複素環基;並びに、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キノリル基、1−ベンゾフラニル基、2−ベンゾフラニル基、フタルイミド基、ベンゾ[c]チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、チアゾロピリジル基、チアゾロピラジニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基、及びベンゾチアジアゾリル基等の、縮合環の芳香族複素環基;がより好ましい。
〜Dにおける芳香族複素環基が有しうる置換基としては、例えば、D〜Dにおける芳香族炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記の式(II−1)〜式(II−7)において、D〜Dは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい非環状基を表す。D及びDは、一緒になって環を形成していてもよい。D〜Dが表す基の炭素原子数(置換基の炭素原子数を含む。)は、それぞれ独立して、通常、1〜100である。
〜Dにおける非環状基の炭素原子数は、1〜13が好ましい。D〜Dにおける非環状基としては、例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基;シアノ基;カルボキシル基;炭素原子数1〜6のフルオロアルキル基;炭素原子数1〜6のアルコキシ基;−C(=O)−CH;−C(=O)NHPh;−C(=O)−OR;が挙げられる。中でも、非環状基としては、シアノ基、カルボキシル基、−C(=O)−CH、−C(=O)NHPh、−C(=O)−OC、−C(=O)−OC、−C(=O)−OCH(CH、−C(=O)−OCHCHCH(CH)−OCH、−C(=O)−OCHCHC(CH−OH、及び−C(=O)−OCHCH(CHCH)−C、が好ましい。前記のPhは、フェニル基を表す。また、前記のRは、炭素原子数1〜12の有機基を表す。Rの具体例としては、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、または、水酸基で置換されていてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基が挙げられる。
〜Dにおける非環状基が有しうる置換基としては、例えば、D〜Dにおける芳香族炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
及びDが一緒になって環を形成している場合、前記のD及びDによって環を含む有機基が形成される。この有機基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。下記式において、*は、各有機基が、D及びDが結合する炭素と結合する位置を表す。
Figure 2019132895
は、炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。
**は、炭素原子数1〜3のアルキル基、及び、置換基を有していてもよいフェニル基からなる群より選ばれる基を表す。
***は、炭素原子数1〜3のアルキル基、及び、置換基を有していてもよいフェニル基からなる群より選ばれる基を表す。
****は、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、水酸基、及び、−COOR13からなる群より選ばれる基を表す。R13は、炭素原子数1〜3のアルキル基を表す。
フェニル基が有しうる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、シアノ基及びアミノ基が挙げられる。中でも、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基及びアルコキシ基が好ましい。フェニル基が有する置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記の式(II−1)〜式(II−7)において、Dは、−C(R)=N−N(R)R、−C(R)=N−N=C(R)R、及び、−C(R)=N−N=Rからなる群より選ばれる基を表す。Dが表す基の炭素原子数(置換基の炭素原子数を含む。)は、通常、3〜100である。
は、水素原子;並びに、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;からなる群より選ばれる基を表す。
は、水素原子;並びに、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜30の有機基;からなる群より選ばれる基を表す。
における置換基を有していてもよい炭素原子数1〜30の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基;炭素原子数1〜20のアルキル基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、又は、−C(=O)−に置換された基(ただし、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く);置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルキニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数3〜12のシクロアルキル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基;置換基を有していてもよい炭素原子数2〜30の芳香族複素環基;−SO;−C(=O)−R;−CS−NH−R;が挙げられる。R及びRの意味は、上述した通りである。
における炭素原子数1〜20のアルキル基の好ましい炭素原子数の範囲及び例示物は、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基と同じである。
における炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等の、炭素原子数1〜20のアルコキシ基;メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の、炭素原子数1〜12のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜12のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;トリアゾリル基、ピロリル基、フラニル基、チオフェニル基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキル基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の、炭素原子数3〜8のシクロアルキルオキシ基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基等の、炭素原子数2〜12の環状エーテル基;フェノキシ基、ナフトキシ基等の、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基;1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜12のフルオロアキル基;ベンゾフリル基;ベンゾピラニル基;ベンゾジオキソリル基;ベンゾジオキサニル基;−SO;−SR;−SRで置換された炭素原子数1〜12のアルコキシ基;水酸基;等が挙げられる。R及びRの意味は、上述した通りである。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数2〜20のアルケニル基の好ましい炭素原子数の範囲及び例示物は、Rにおける炭素原子数2〜20のアルケニル基と同じである。
における炭素原子数2〜20のアルケニル基が有しうる置換基としては、例えば、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数2〜20のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、2−プロピニル基(プロパルギル基)、ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、2−ペンチニル基、ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、2−オクチニル基、ノナニル基、デカニル基、7−デカニル基等が挙げられる。
における炭素原子数2〜20のアルキニル基が有しうる置換基としては、例えば、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数3〜12のシクロアルキル基としては、例えば、Rにおける炭素原子数3〜12のシクロアルキル基と同じ例が挙げられる。
における炭素原子数3〜12のシクロアルキル基が有しうる置換基としては、例えば、Rにおける炭素原子数1〜20のアルキル基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基としては、例えば、D〜Dにおける炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基と同じ例が挙げられる。
における炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基が有しうる置換基としては、例えば、D〜Dにおける芳香族炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
における炭素原子数2〜30の芳香族複素環基としては、例えば、D〜Dにおける炭素原子数2〜30の芳香族複素環基と同じ例が挙げられる。
における炭素原子数2〜30の芳香族複素環基が有しうる置換基としては、例えば、D〜Dにおける芳香族炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
上述したものの中でも、Rとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基;炭素原子数1〜20のアルキル基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、または、−C(=O)−に置換された基(ただし、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く);置換基を有していてもよい炭素原子数3〜12のシクロアルキル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基;並びに、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜30の芳香族複素環基;が好ましい。その中でも、Rとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基;並びに、炭素原子数1〜20のアルキル基に含まれる−CH−の少なくとも一つが、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、または、−C(=O)−に置換された基(ただし、−O−または−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く);が特に好ましい。
は、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環からなる群より選ばれる1以上の芳香環を有する、有機基を表す。
の好ましい例としては、(1)1以上の炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環を有する、炭素原子数6〜40の炭化水素環基、が挙げられる。この芳香族炭化水素環を有する炭化水素環基を、以下、適宜「(1)炭化水素環基」ということがある。(1)炭化水素環基の具体例としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2019132895
(1)炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。(1)炭化水素環基が有しうる置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の、炭素原子数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;フェニル基、ナフチル基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;−OCF;−C(=O)−R;−O−C(=O)−R;−C(=O)−O−R;−SO;等が挙げられる。R及びRの意味は、上述した通りである。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、および、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、が好ましい。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の別の好ましい例としては、(2)炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環からなる群より選ばれる1以上の芳香環を有する、炭素原子数2〜40の複素環基が挙げられる。この芳香環を有する複素環基を、以下、適宜「(2)複素環基」ということがある。(2)複素環基の具体例としては、下記の基が挙げられる。Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
Figure 2019132895
Figure 2019132895
Figure 2019132895
Figure 2019132895
Figure 2019132895
Figure 2019132895
Figure 2019132895
Figure 2019132895
(2)複素環基は、置換基を有していてもよい。(2)複素環基が有しうる置換基としては、例えば、(1)炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の更に別の好ましい例としては、(3)炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環基からなる群より選ばれる1以上の基で置換された、炭素原子数1〜12のアルキル基が挙げられる。この置換されたアルキル基を、以下、適宜「(3)置換アルキル基」ということがある。
(3)置換アルキル基における「炭素原子数1〜12のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などが挙げられる。
(3)置換アルキル基における「炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基」としては、例えば、D〜Dにおける炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基と同じ例が挙げられる。
(3)置換アルキル基における「炭素原子数2〜30の芳香族複素環基」としては、例えば、D〜Dにおける炭素原子数2〜30の芳香族複素環基と同じ例が挙げられる。
(3)置換アルキル基は、更に置換基を有していてもよい。(3)置換アルキル基が有しうる置換基としては、例えば、(1)炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の更に別の好ましい例としては、(4)炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環基からなる群より選ばれる1以上の基で置換された、炭素原子数2〜12のアルケニル基が挙げられる。この置換されたアルケニル基を、以下、適宜「(4)置換アルケニル基」ということがある。
(4)置換アルケニル基における「炭素原子数2〜12のアルケニル基」としては、例えば、ビニル基、アリル基などが挙げられる。
(4)置換アルケニル基における「炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基」としては、例えば、D〜Dにおける炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基と同じ例が挙げられる。
(4)置換アルケニル基における「炭素原子数2〜30の芳香族複素環基」としては、例えば、D〜Dにおける炭素原子数2〜30の芳香族複素環基と同じ例が挙げられる。
(4)置換アルケニル基は、更に置換基を有していてもよい。(4)置換アルケニル基が有しうる置換基としては、例えば、(1)炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の更に別の好ましい例としては、(5)炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環基からなる群より選ばれる1以上の基で置換された、炭素原子数2〜12のアルキニル基が挙げられる。この置換されたアルキニル基を、以下、適宜「(5)置換アルキニル基」ということがある。
(5)置換アルキニル基における「炭素原子数2〜12のアルキニル基」としては、例えば、エチニル基、プロピニル基などが挙げられる。
(5)置換アルキニル基における「炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基」としては、例えば、D〜Dにおける炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環基と同じ例が挙げられる。
(5)置換アルキニル基における「炭素原子数2〜30の芳香族複素環基」としては、例えば、D〜Dにおける炭素原子数2〜30の芳香族複素環基と同じ例が挙げられる。
(5)置換アルキニル基は、更に置換基を有していてもよい。(5)置換アルキニル基が有しうる置換基としては、例えば、(1)炭化水素環基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
の好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2019132895
の更に好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2019132895
の特に好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。
Figure 2019132895
上述したRの具体例は、更に置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等の、ハロゲン原子;シアノ基;メチル基、エチル基、プロピル基等の、炭素原子数1〜6のアルキル基;ビニル基、アリル基等の、炭素原子数2〜6のアルケニル基;トリフルオロメチル基等の、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基;ジメチルアミノ基等の、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等の、炭素原子数1〜6のアルコキシ基;ニトロ基;−OCF;−C(=O)−R;−O−C(=O)−R;−C(=O)−O−R;−SO;等が挙げられる。R及びRの意味は、上述した通りである。これらの中でも、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、および、炭素原子数1〜6のアルコキシ基が好ましい。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環からなる群より選ばれる1以上の芳香環を有する、有機基を表す。
の好ましい例としては、1以上の炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環を有する、炭素原子数6〜40の炭化水素環基が挙げられる。
また、Rの別の好ましい例としては、炭素原子数6〜30の芳香族炭化水素環及び炭素原子数2〜30の芳香族複素環からなる群より選ばれる1以上の芳香環を有する、炭素原子数2〜40の複素環基が挙げられる。
の特に好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。Rの意味は、上述した通りである。
Figure 2019132895
式(II−1)〜式(II−7)のいずれかで表される基は、D〜D以外に更に置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜6のN−アルキルアミノ基、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルアミノ基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数1〜6のアルキルスルフィニル基、カルボキシル基、炭素原子数1〜6のチオアルキル基、炭素原子数1〜6のN−アルキルスルファモイル基、炭素原子数2〜12のN,N−ジアルキルスルファモイル基が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(I)におけるArの好ましい例としては、下記の式(III−1)〜式(III−10)で表される基が挙げられる。また、式(III−1)〜式(III−10)で表される基は、置換基として炭素原子数1〜6のアルキル基を有していてもよい。下記式中、*は、結合位置を表す。
Figure 2019132895
式(III−1)及び式(III−4)の特に好ましい具体例としては、下記の基が挙げられる。下記式中、*は、結合位置を表す。
Figure 2019132895
Figure 2019132895
Figure 2019132895
Figure 2019132895
Figure 2019132895
式(I)において、Z及びZは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−O−CH−、−CH−O−、−O−CH−CH−、−CH−CH−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−S−、−S−C(=O)−、−NR21−C(=O)−、−C(=O)−NR21−、−CF−O−、−O−CF−、−CH−CH−、−CF−CF−、−O−CH−CH−O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−、−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−、−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−、−CH−CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH−CH−、−CH−CH−O−C(=O)−、−C(=O)−O−CH−CH−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH)−、−C(CH)=N−、−N=N−、及び、−C≡C−、からなる群より選ばれるいずれかを表す。R21は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
式(I)において、A、A、B及びBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状脂肪族基、及び、置換基を有していてもよい芳香族基、からなる群より選ばれる基を表す。A、A、B及びBが表す基の炭素原子数(置換基の炭素原子数を含む。)は、それぞれ独立して、通常、3〜100である。中でも、A、A、B及びBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素原子数5〜20の環状脂肪族基、または、置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20の芳香族基が好ましい。
、A、B及びBにおける環状脂肪族基としては、例えば、シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基、1,4−シクロヘプタン−1,4−ジイル基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等の、炭素原子数5〜20のシクロアルカンジイル基;デカヒドロナフタレン−1,5−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基等の、炭素原子数5〜20のビシクロアルカンジイル基;等が挙げられる。中でも、置換されていてもよい炭素原子数5〜20のシクロアルカンジイル基が好ましく、シクロヘキサンジイル基がより好ましく、シクロヘキサン−1,4−ジイル基が特に好ましい。環状脂肪族基は、トランス体であってもよく、シス体であってもよく、シス体とトランス体との混合物であってもよい。中でも、トランス体がより好ましい。
、A、B及びBにおける環状脂肪族基が有しうる置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
、A、B及びBにおける芳香族基としては、例えば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,6−ナフチレン基、4,4’−ビフェニレン基等の、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基;フラン−2,5−ジイル基、チオフェン−2,5−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基等の、炭素原子数2〜20の芳香族複素環基;等が挙げられる。中でも、炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素環基が好ましく、フェニレン基がさらに好ましく、1,4−フェニレン基が特に好ましい。
、A、B及びBにおける芳香族基が有しうる置換基としては、例えば、A、A、B及びBにおける環状脂肪族基が有しうる置換基と同じ例が挙げられる。置換基の数は、一つでもよく、複数でもよい。また、複数の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(I)において、Y〜Yは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−NR22−C(=O)−、−C(=O)−NR22−、−O−C(=O)−O−、−NR22−C(=O)−O−、−O−C(=O)−NR22−、及び、−NR22−C(=O)−NR23−、からなる群より選ばれるいずれかを表す。R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
式(I)において、G及びGは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基;並びに、炭素原子数3〜20の脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基(−CH−)の1以上が−O−又は−C(=O)−に置換された基;からなる群より選ばれる有機基を表す。G及びGの前記有機基に含まれる水素原子は、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、または、ハロゲン原子に置換されていてもよい。ただし、G及びGの両末端のメチレン基(−CH−)が−O−又は−C(=O)−に置換されることはない。
及びGにおける炭素原子数1〜20の脂肪族炭化水素基の具体例としては、炭素原子数1〜20のアルキレン基が挙げられる。
及びGにおける炭素原子数3〜20の脂肪族炭化水素基の具体例としては、炭素原子数3〜20のアルキレン基が挙げられる。
式(I)において、P及びPは、それぞれ独立して、重合性基を表す。P及びPにおける重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等の、CH=CR31−C(=O)−O−で表される基;ビニル基;ビニルエーテル基;p−スチルベン基;アクリロイル基;メタクリロイル基;カルボキシル基;メチルカルボニル基;水酸基;アミド基;炭素原子数1〜4のアルキルアミノ基;アミノ基;エポキシ基;オキセタニル基;アルデヒド基;イソシアネート基;チオイソシアネート基;等が挙げられる。R31は、水素原子、メチル基、又は塩素原子を表す。中でも、CH=CR31−C(=O)−O−で表される基が好ましく、CH=CH−C(=O)−O−(アクリロイルオキシ基)、CH=C(CH)−C(=O)−O−(メタクリロイルオキシ基)がより好ましく、アクリロイルオキシ基が特に好ましい。
式(I)において、p及びqは、それぞれ独立して、0又は1を表す。
液晶組成物は、必要に応じて、液晶性化合物に組み合わせて更に任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組合わせて用いてもよい。
通常、液晶組成物は重合によって硬化できるので、液晶組成物は、任意の成分として重合開始剤を含む。重合開始剤の種類は、液晶組成物に含まれる重合性の化合物の種類に応じて選択しうる。例えば、重合性の化合物がラジカル重合性であれば、ラジカル重合開始剤を使用しうる。また、重合性の化合物がアニオン重合性であれば、アニオン重合開始剤を使用しうる。さらに、重合性の化合物がカチオン重合性であれば、カチオン重合開始剤を使用しうる。重合開始剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合開始剤の量は、液晶性化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、好ましくは30重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。重合開始剤の量が前記範囲に収まることにより、重合を効率的に進行させることができる。
液晶組成物は、任意の成分として、界面活性剤を含んでいてもよい。特に、配向性に優れた液晶硬化層を安定して得る観点から、界面活性剤としては、分子中にフッ素原子を含む界面活性剤が好ましい。以下の説明において、分子中にフッ素原子を含む界面活性剤を、適宜「フッ素系界面活性剤」ということがある。
界面活性剤はノニオン系界面活性剤であることが好ましい。界面活性剤がイオン性基を含まないノニオン系界面活性剤である場合に、液晶硬化層の面状態及び配向性を、特に良好にすることができる。
界面活性剤は、重合性を有さなくてもよく、重合性を有していてもよい。重合性を有する界面活性剤は、液晶組成物の層を硬化させる工程で重合できるので、通常は、液晶硬化層においては重合体の分子の一部に含まれる。
界面活性剤としては、例えば、AGCセイミケミカル社製のサーフロンシリーズ(S420など)、ネオス社製のフタージェントシリーズ(251、FTX−212M、FTX−215M、FTX−209など)、DIC社製のメガファックシリーズ(F−444など)等が挙げられる。また、界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の量は、液晶性化合物100重量部に対して、好ましくは0.03重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上であり、好ましくは0.50重量部以下、より好ましくは0.30重量部以下である。界面活性剤の量が前記の範囲にあることにより、配向性に優れた液晶硬化層を得ることができる。
液晶組成物は、任意の成分として、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、液晶性化合物を溶解できるものが好ましい。このような溶媒としては、通常、有機溶媒を用いる。有機溶媒の例としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル溶媒;及びトルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系溶媒;が挙げられる。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
溶媒の沸点は、取り扱い性に優れる観点から、好ましくは60℃〜250℃、より好ましくは60℃〜150℃である。
溶媒の量は、液晶性化合物100重量部に対して、好ましくは200重量部以上、より好ましくは250重量部以上、特に好ましくは300重量部以上であり、好ましくは650重量部以下、より好ましくは550重量部以下、特に好ましくは450重量部以下である。溶媒の量を、前記範囲の下限値以上にすることにより異物発生の抑制ができ、前記範囲の上限値以下にすることにより乾燥負荷の低減ができる。
また、液晶組成物は、液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の分子の傾斜角をより大きくするために、任意の成分として、液晶性化合物の分子の実質最大傾斜角を大きくする作用を発揮できる傾斜作用成分を含んでいてもよい。傾斜作用成分の種類及び量としては、例えば、特願2017−060154号の明細書、特願2017−060122号の明細書、特願2017−059327号の明細書に記載されたものを採用しうる。ただし、液晶性化合物の分子の実質最大傾斜角を大きくすることは、液晶硬化層を製造する過程において操作又は条件を調整することによっても可能であるので、傾斜作用成分は必ずしも用いなくても構わない。
液晶組成物が含みうる任意のその他の成分としては、例えば、金属;金属錯体;酸化チタン等の金属酸化物;染料、顔料等の着色剤;蛍光材料、燐光材料等の発光材料;レベリング剤;チキソ剤;ゲル化剤;多糖類;紫外線吸収剤;赤外線吸収剤;抗酸化剤;イオン交換樹脂;等が挙げられる。これらの成分の量は、液晶性化合物の合計100重量部に対して、各々0.1重量部〜20重量部としうる。
[3.液晶硬化層の製造方法の一例の説明]
次に、液晶硬化層の製造方法について説明する。液晶硬化層の製造方法は、特に制限は無い。例えば、液晶硬化層は、
(i)液晶組成物の層を形成する工程と、
(ii)液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物を配向させる工程と、
(iii)液晶組成物の層を硬化させる工程と、
をこの順で含む第一の製造方法によって、製造できる。
工程(i)では、通常、適切な支持面に、液晶組成物の層を形成する。支持面としては、液晶組成物の層を支持できる任意の面を用いうる。この支持面としては、液晶硬化層の面状態を良好にする観点から、凹部及び凸部の無い平坦面を用いることが好ましい。また、液晶硬化層の生産性を高める観点から、前記の支持面としては、長尺の基材の表面を用いることが好ましい。ここで「長尺」とは、幅に対して、5倍以上の長さを有する形状をいい、好ましくは10倍若しくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻き取られて保管又は運搬される程度の長さを有するフィルムの形状をいう。
基材としては、通常、樹脂フィルム又はガラス板を用いる。特に、高い温度で配向処理を行う場合、その温度に耐えられる基材を選択するのが好ましい。樹脂としては、通常、熱可塑性樹脂を用いる。中でも、配向規制力の高さ、機械的強度の高さ、及びコストの低さといった観点から、樹脂としては、正の固有複屈折値を有する樹脂が好ましい。更には、透明性、低吸湿性、寸法安定性及び軽量性に優れることから、ノルボルネン系樹脂等の、脂環式構造含有重合体を含む樹脂を用いることが好ましい。基材に含まれる樹脂の好適な例を商品名で挙げると、ノルボルネン系樹脂として、日本ゼオン社製「ゼオノア」を挙げられる。
支持面としての基材の表面には、液晶組成物の層における液晶性化合物の分子の配向を促進するため、配向規制力を付与するための処理が施されていることが好ましい。配向規制力とは、液晶組成物に含まれる液晶性化合物を配向させることができる、面の性質をいう。支持面に配向規制力を付与するため処理としては、例えば、光配向処理、ラビング処理、配向膜形成処理、イオンビーム配向処理、延伸処理などが挙げられる。
液晶組成物の層を形成する工程(i)において、液晶組成物は、通常、流体状で用意される。そのため、通常は、支持面に液晶組成物を塗工して、液晶組成物の層を形成する。液晶組成物を塗工する方法としては、例えば、カーテンコーティング法、押し出しコーティング法、ロールコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、スライドコーティング法、印刷コーティング法、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、ギャップコーティング法、及びディッピング法が挙げられる。
液晶組成物の層を形成する工程(i)の後で、液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物を配向させる工程(ii)を行う。配向を行う際には、通常、液晶組成物の層を、所定の温度条件に所定の時間だけ保持する。これにより、液晶組成物の層において、液晶性化合物の分子が配向する。
通常、面内方向においては、液晶性化合物の分子は、支持面の配向規制力に応じた方向に配向する。また、条件が適切である場合、厚み方向においては、液晶性化合物の分子は、少なくとも一部が面内方向に対して傾斜するように配向する。前記の条件を適切に調整する方法としては、液晶組成物の組成を適切に調製する方法、液晶性化合物の分子を面内方向に対して傾斜するように配向させる配向規制力を有する支持面を用いる方法、磁界を印加する方法、配向時の温度条件を適切に調整する方法、等が挙げられる。これらの方法としては、例えば、特許第5363022号公報、特願2017−060122号の明細書、特願2017−059327号の明細書、特願2017−060154号の明細書、特願2017−060159号の明細書に記載の方法を適用してもよい。
中でも、配向時の温度条件を適切に調整する方法が好ましい。この方法では、前記の配向を、液晶組成物の層の温度条件が、試験組成物の残留分粘度が800cp(センチポアズ)以下となる温度条件と同一になるように、行う。前記の試験組成物とは、液晶組成物から重合開始剤を除いた組成を有する組成物である。また、試験組成物の残留分粘度とは、配向時の液晶組成物の層と同一温度条件における、試験組成物の残留成分の粘度である。また、試験組成物の残留成分とは、試験組成物に含まれる成分のうち、配向時の液晶組成物の層と同一温度条件において気化せずに残留した成分である。このような要件を満たすように配向を行うことで、液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物の分子を面内方向に対して大きく傾斜するように配向させることができる。
配向時の液晶組成物の層と同一温度条件における試験組成物の残留分粘度は、下記の方法によって測定できる。
液晶組成物から重合開始剤を除いた試験組成物を用意する。この試験組成物をロータリーエバポレーターで減圧濃縮して溶媒を除去し、残留成分を得る。この残留成分について、予め、測定温度を変化させながら粘度を測定し、測定温度とその測定温度での粘度との情報を得る。この情報を、以下、適宜「温度−粘度情報」という。この「温度−粘度情報」から、配向時の液晶組成物の層の温度における粘度を、残留分粘度として読み取る。
配向時の液晶組成物の層と同一温度条件において試験組成物の残留分粘度を上述した範囲に収める方法としては、例えば、配向時の液晶組成物の層の温度を、適切に調整する方法が挙げられる。この方法では、通常、液晶組成物の層の温度を十分に高温にすることで、この温度と同一温度条件での試験組成物の残留分粘度を低くして、上述した範囲となるように調整する。
液晶性化合物を配向させる工程(ii)において、液晶組成物の層の温度を所定の温度条件に保持する時間は、所望の液晶硬化層が得られる範囲で任意に設定でき、例えば30秒間〜5分間でありうる。
液晶性化合物を配向させる工程(ii)の後で、液晶組成物の層を硬化させて、液晶硬化層を得る工程(iii)を行う。この工程(iii)では、通常、液晶組成物に含まれる重合性の化合物の重合により、液晶組成物の層を硬化させる。よって、例えば、液晶性化合物が重合性を有する場合、液晶性化合物は、通常、その分子の配向を維持したままで重合する。前記の重合により、重合前の液晶組成物に含まれる液晶性化合物の配向状態は固定される。
重合方法としては、液晶組成物に含まれる成分の性質に適合した方法を選択しうる。重合方法としては、例えば、活性エネルギー線を照射する方法、及び、熱重合法が挙げられる。中でも、加熱が不要であり、室温で重合反応を進行させられるので、活性エネルギー線を照射する方法が好ましい。ここで、照射される活性エネルギー線には、可視光線、紫外線、及び赤外線等の光、並びに電子線等の任意のエネルギー線が含まれうる。
なかでも、操作が簡便なことから、紫外線等の光を照射する方法が好ましい。紫外線照射時の温度は、基材のガラス転移温度以下とすることが好ましく、好ましくは150℃以下、より好ましくは100℃以下、特に好ましくは80℃以下である。紫外線照射時の温度の下限は、15℃以上としうる。紫外線の照射強度は、好ましくは0.1mW/cm以上、より好ましくは0.5mW/cm以上であり、好ましくは10000mW/cm以下、より好ましくは5000mW/cm以下である。紫外線の照射量は、好ましくは0.1mJ/cm以上、より好ましくは0.5mJ/cm以上であり、好ましくは10000mJ/cm以下、より好ましくは5000mJ/cm以下である。
前記の工程(iii)により、液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層が得られる。液晶組成物の硬化は、通常、液晶組成物が含む重合性の化合物の重合によって達成されるので、液晶硬化層は、液晶組成物が含んでいた成分の一部又は全部の重合体を含む。したがって、液晶性化合物が重合性を有する場合、その液晶性化合物が重合するので、液晶硬化層は、重合前の配向状態を維持したまま重合した液晶性化合物の重合体を含む層でありうる。この重合した液晶性化合物は、用語「液晶硬化層に含まれる液晶性化合物」に含まれる。
液晶組成物の硬化物においては、硬化前の流動性が失われるので、通常、液晶硬化層では、液晶性化合物の配向状態は、硬化前の配向状態のまま、固定されている。このようにして、少なくとも一部の分子が面内方向に対して傾斜した液晶性化合物を含む液晶硬化層が得られる。
前記の例に係る第一の製造方法では、液晶硬化層に含まれる液晶組成物の層を一度に硬化させたが、硬化の態様はこの例に限定されない。例えば、液晶組成物の層の一部を先行して硬化させてもよい。以下、このように液晶組成物の層の一部を先行して硬化させて液晶硬化層を得る製造方法について説明する。
例えば、液晶硬化層は、
(i)第一液晶組成物の層を形成する工程と、
(ii)第一液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物を配向させる工程と、
(iii)第一液晶組成物の層を硬化させて、第一単位硬化層を得る工程と、
(iv)第一単位硬化層の表面に、直接に、第二液晶組成物の層を形成する工程と、
(v)第二液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物を配向させる工程と、
(vi)第二液晶組成物の層を硬化させて、第二単位硬化層を得る工程と、
を含む第二の製造方法によって、製造できる。第二の製造方法の説明において、「第一単位硬化層」とは、液晶硬化層の部分のうち、液晶組成物が先に硬化されて得られる部分を指す。また、「第一液晶組成物」とは、この第一単位硬化層の材料としての液晶組成物を指す。さらに、「第二単位硬化層」とは、液晶硬化層の部分のうち、液晶組成物が後で硬化されて得られる部分を指す。また、「第二液晶組成物」とは、この第二単位硬化層の材料としての液晶組成物を指す。
工程(i)〜工程(iii)は、上述した第一の製造方法と同じく行うことができる。これにより、第一液晶組成物の硬化物によって形成された第一単位硬化層が得られる。第一単位硬化層に含まれる液晶性化合物の分子は、通常、その面内方向においては一方向に配向する。また、第一単位硬化層に含まれる液晶性化合物の分子は、通常、その厚み方向においては、少なくとも一部が面内方向に対して傾斜するように配向する。
第一単位硬化層を用意した後で、第一単位硬化層の表面に、直接に、第二液晶組成物の層を形成する工程(iv)を行う。ここで、ある層上に別の層を形成する態様が「直接に」とは、これら2層の間に他の層が無いことをいう。また、第二液晶組成物は、第一液晶組成物と同一でもよく、異なっていてもよい。よって、第一液晶組成物に含まれる液晶性化合物と、第二液晶組成物に含まれる液晶性化合物とは、同じでもよく、異なっていてもよい。
第二液晶組成物の層の形成は、通常、第一単位硬化層の表面に液晶組成物を塗工することによって、行う。塗工方法は、工程(i)の項で説明したのと同じ方法を用いてもよい。第二液晶組成物を塗工する前に、第一単位硬化層の表面には、ラビング処理等の配向規制力を付与するための処理を施してもよい。しかし、第一単位硬化層の表面は、特段の処理を施さなくても、当該表面上に形成される第二液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物の分子を適切に配向させる配向規制力を有する。よって、工程数を減らして製造を効率的に進める観点では、工程(iv)は、第一単位硬化層の表面にラビング処理を施さないことが好ましい。
第一単位硬化層の表面に第二液晶組成物の層を形成する工程(iv)の後で、第二液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物を配向させる工程(v)を行う。この工程(v)における具体的な操作は、上述した工程(ii)と同じにできる。これにより、第二液晶組成物の層において、液晶性化合物が配向する。通常、面内方向においては、第二液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物の分子は、第一単位硬化層の表面の配向規制力により、第一単位硬化層に含まれる液晶性化合物の配向方向と同じ方向に配向する。他方、厚み方向においては、第二液晶組成物の層に含まれる液晶性化合物の分子は、少なくとも一部が面内方向に対して傾斜するように配向する。特に、第一液晶組成物及び第二液晶組成物の両方が逆分散液晶性化合物を含む場合、第一単位硬化層は、第一単位硬化層の表面に形成される第二液晶組成物の層に含まれる逆分散液晶性化合物の分子を、面内方向に対して大きく傾斜させる配向膜として機能できる。よって、液晶硬化層の全体として、液晶性化合物の分子を、面内方向に対して大きく傾斜するように配向させることができる。
液晶性化合物を配向させる工程(v)の後で、第二液晶組成物の層を硬化させて、液晶硬化層を得る工程(vi)を行う。この工程(vi)における具体的な操作は、上述した工程(iii)と同じにできる。これにより、第一単位硬化層上に、第二液晶組成物の層が硬化した第二単位硬化層が得られる。よって、第一単位硬化層及び第二単位硬化層を含む層としての液晶硬化層を得ることができる。
以上のような製造方法により、液晶硬化層を得ることができる。前記の製造方法によれば、長尺の基材を用いて、長尺の液晶硬化層を得ることができる。このような長尺の液晶硬化層は、連続的な製造が可能であり、生産性に優れる。また、フィルム等の他の部材との貼り合わせを、ロールトゥロールによって行うことができるので、この点でも、生産性に優れる。
前記の液晶硬化層の製造方法は、上述した工程に組み合わせて、更に任意の工程を含んでいてもよい。
例えば、基材を用いた場合には、前記の製造方法により、基材の支持面上に液晶硬化層が得られる。そこで、前記の液晶硬化層の製造方法は、支持面から液晶硬化層を剥離する工程を含んでいてもよい。
また、上述した製造方法は、例えば、基材上に設けられた液晶硬化層を、任意のフィルム層に転写する工程を含んでいてもよい。よって、例えば、液晶硬化層の製造方法は、基材上に形成された液晶硬化層と任意のフィルム層とを貼り合わせた後で、必要に応じて基材を剥離してもよい。この際、貼り合わせには、適切な粘着剤又は接着剤を用いてもよい。
さらに、上述した製造方法は、例えば、第二単位硬化層上に、更に液晶組成物を用いて、液晶組成物の硬化物の層を形成する工程を含んでいてもよい。このような層は、例えば、第二単位硬化層と同じ方法によって形成できる。
また、上述した製造方法は、例えば、得られた液晶硬化層上に更に任意の層を設ける工程を含んでいてもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り、重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中において行った。
以下に説明する実施例及び比較例で製造された光学フィルムに含まれる支持基材は、光学等方性を有するので、レターデーションの測定結果には影響を与えない。そこで、以下に説明する実施例及び比較例における液晶硬化層のレターデーションの測定は、試料として光学フィルムを用いて実施した。
[厚みの測定方法]
層の厚みは、膜厚計(フィルメトリクス社製「F20−EXR」)を用いて測定した。
[面内レターデーションReの測定方法]
液晶硬化層の面内レターデーションは、位相差計(Axsometrics社製「AxsoScan」)を用いて測定した。測定波長は590nmであった。
[液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の少なくとも一部の分子が傾斜していることの確認方法]
位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて、液晶硬化層のレターデーションを、入射角θが−50°〜50°の範囲で測定した。この際、測定方向は、液晶硬化層の面内の進相軸方向に対して垂直に設定した。また、測定波長は590nmであった。
測定された入射角θでの液晶硬化層のレターデーションRe(θ)を、入射角0°での液晶硬化層のレターデーションRe(0°)で割って、レターデーション比Re(θ)/Re(0°)を求めた。求めたレターデーション比Re(θ)/Re(0°)を縦軸、入射角θを横軸としたグラフを描いた。得られたグラフがθ=0°に対して非対称である場合、その液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の少なくとも一部の分子が液晶硬化層の面内方向に対して傾斜配向していると判定した。
〔液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の分子の実質最大傾斜角の測定方法〕
図6は、傾斜方向から液晶硬化層400のレターデーションを測定する際の測定方向を説明するための斜視図である。図6において、矢印A410は液晶硬化層400の面内の遅相軸方向を表し、矢印A420は液晶硬化層400の面内の進相軸方向を表し、矢印A430は液晶硬化層400の厚み方向を表す。
位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて、図6に示すように、液晶硬化層400のレターデーションを、入射角θが−50°〜+50°の範囲で測定した。この際、測定方向A440は、液晶硬化層400の面内の進相軸方向A420に対して垂直に設定した。また、測定波長は590nmであった。
測定されたレターデーションから、前記の位相差計に付属の解析ソフトウェア(AxoMetrics社製の解析ソフトウェア「Malti−Layer Analysis」;解析条件は、解析波長590nm、層分割数20層)により、液晶硬化層400に含まれる液晶性化合物の分子の実質最大傾斜角を解析した。
[液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト方向の特定方法]
傾斜角が小さい方の面を下にして、位相差計(Axometrics社製「AxoScan」)を用いて、液晶硬化層のレターデーションを測定した。レターデーションの測定は、液晶硬化層200の進相軸に垂直な測定方向において、入射角を0°から次第に大きくして行った。入射角を次第に大きくするにつれて、液晶硬化層200のレターデーションが次第に小さくなる場合、測定方向がチルト方向Aと平行に近付くと判断できる。よって、前記のレターデーションの測定により、チルト方向を特定した。
後述する実施例及び比較例では、液晶硬化層の製造方法から、当該液晶硬化層の遅相軸、及び、液晶硬化層の面(オモテ面及びウラ面)のうち液晶性化合物の分子の傾斜角が小さい方の面は判明していた。そのため、前記のチルト角の特定方法では、液晶硬化層の遅相軸の検出、並びに、液晶性化合物の分子の傾斜角が小さい方の面の特定の操作は、省略した。
[実施例1〜6及び比較例1〜2]
(液晶組成物の製造)
下記式で表される重合性を有する逆分散液晶性化合物Aを100重量部、フッ素系界面活性剤(AGCセイミケミカル社製「S420」)0.15重量部、光重合開始剤(BASF社製「IrgacureOXE04」)4.3重量部、溶媒としてシクロペンタノン148.5重量部、及び、溶媒としての1,3−ジオキソラン222.8重量部を混合して、液晶組成物を得た。
Figure 2019132895
(支持基材の用意)
支持基材として、片面にマスキングフィルムが貼り合わせられた熱可塑性のノルボルネン樹脂からなる樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ゼオノアフィルム ZF16」;厚み100μm)を用意した。この支持基材は、レターデーションの無い光学等方性のフィルムであった。この支持基材からマスキングフィルムを剥離し、マスキング剥離面にコロナ処理を施した。次いで、支持基材のコロナ処理面にラビング処理を施した。
(液晶硬化層の形成)
支持基材のラビング処理面に、ワイヤーバーを用いて、前記の液晶組成物を塗工して、液晶組成物の層を形成した。
前記の液晶組成物の層を、145℃に設定したオーブン内で4分間加熱して、層内の液晶性化合物を配向させた。この配向時の温度条件は、使用した液晶組成物に対応する試験組成物の残留分粘度が800cP以下となる温度条件であった。
その後、液晶組成物の層に窒素雰囲気下で500mJ/cmの紫外線を照射して、液晶組成物の層を硬化させて、厚さ約1.2μmの第一単位硬化層を形成した。
この第一単位硬化層の表面に、ラビング処理を施すことなく、ワイヤーバーを使用して、前記第一単位硬化層の形成に用いた残りの液晶組成物を塗工して、液晶組成物の層を形成した。
前記の液晶組成物の層を、前記の第一単位硬化層の形成工程と同じく、145℃に設定したオーブン内で4分間加熱して、層内の液晶性化合物を配向させた。
その後、液晶組成物の層に窒素雰囲気下で500mJ/cmの紫外線を照射して、液晶組成物の層を硬化させて、厚み約2.4μmの第二単位硬化層を形成した。
これにより、支持基材と、第一単位硬化層及び第二単位硬化層を含む液晶硬化層と、を備える光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの液晶硬化層は、厚みは3.4μm、面内レターデーションは147nmであった。この液晶硬化層について、上述した方法により、当該液晶硬化層に含まれる逆分散液晶性化合物Aの分子が液晶硬化層の面内方向に対して傾斜していることを確認した。液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の分子の実質最大傾斜角は、65°であった。さらに、上述した方法により、液晶硬化層に含まれる逆分散液晶性化合物Aの分子のチルト方向を測定した。
(円偏光板の製造)
前記の光学フィルムの液晶硬化層と、偏光子とを、粘着剤(日東電工社製「CS9621T」)を用いて貼り合わせた。その後、支持基材を剥離して、液晶硬化層及び偏光子を有する円偏光板を得た。
前記の貼り合わせは、円偏光板の偏光子側を見て、偏光子の吸収軸に対して液晶硬化層の遅相軸が時計回りに表1に示す角度θ(P/L)をなすように行った。この角度θ(P/L)は、後述する試験用部材の偏光子側を正面方向から見て、偏光子の吸収軸に対して液晶硬化層の遅相軸が時計回りになす角度に相当する。
(模擬的な有機液晶表示装置の製造)
有機発光表示パネルに模した部材として、金属板を用意した。この金属板の表面に、粘着剤(日東電工社製「CS9621T」)を用いて、前記の円偏光板を貼り合わせた。これにより、偏光子、粘着剤層、液晶硬化層、粘着剤層、及び、有機発光表示パネルに模した金属板、をこの順に備える試験用部材を得た。前記の貼り合わせは、下記の要件(a1)及び(a2)を満たすように、行った。
(a1)試験用部材の偏光子側を正面方向から見て、試験用部材の表示画面の上下方向に対して偏光子の吸収軸が、時計回りに表1に示す角度θ(D/P)をなす。
(a2)液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト方向が、表示画面の上下方向において、表1に示す向きとなる。
(明度Lの測定試験)
図7は、実施例及び比較例における明度Lの測定装置を設定する様子を模式的に示す斜視図である。
明度Lは、測定装置として、村上色彩技術研究所社製「GCMS−4」を用いて測定した。この測定装置は、図7に示すように、任意の位置にある光源520からの光L520によって照らされる試験用部材510の表示画面510Uの明度Lを、任意の位置にある検出器530によって測定できる装置である。光源520の位置を、光源520から出た光L520が、表示画面510Uの左右方向ALRに対して垂直に、且つ、入射角φ=60°で表示画面510Uに入射するように調整した。また、光源520の位置は、光源520から出た光L520が、上下方向AUDにおける上方向から表示画面510Uに入射するように設定した。さらに、検出器530の位置を、表示画面510Uの左右方向ALRに対して垂直に、且つ、反射角φ=60°で表示画面510Uで正反射した光L520を測定できるように、調整した。その後、円偏光板を透過せずに当該円偏光板の表面で反射する光を排除するために、試験用部材510を、矢印A7で示すように、表示画面510Uの上下方向AUDに平行な回転軸(図示せず)を中心に5°回転させた。前記の回転は、上下方向AUDの上方向から見て時計回りに行った。
光源520から出る光L520によって試験用部材510の表示画面510Uを照らしながら、検出器530によって、表示画面510Uの明度Lを測定した。そして、測定された明度Lに基づいて、下記のように判定を行った。明度Lが小さいほど、反射抑制の効果に優れることを表す。
「○○」:L<45。
「○」:45≦L<60。
「×」:60≦L
[結果]
前記の実施例及び比較例の結果を、下記の表1に示す。表1において、角度θ(D/P)及び角度θ(P/L)の値は、時計回りになす角度を表す。よって、180°から表1に示される値を引き算することにより、角度θ(D/P)及び角度θ(P/L)をそれぞれ反時計回りになす角度の値に換算できる。例えば、実施例6において、角度θ(P/L)は、反時計回りの角度に換算すると、45°である。
表1において、略称の意味は、下記の通りである。
「θ(D/P)」:試験用部材の偏光子側を見て、試験用部材の表示画面の上下方向に対して偏光子の吸収軸が時計回りになす角度。
「θ(P/L)」:円偏光板の偏光子側を見て、偏光子の吸収軸に対して液晶硬化層の遅相軸が時計回りになす角度。
「チルト方向」:液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト方向。
チルト方向の欄において「上」:表示画面の上下方向における上方向。
チルト方向の欄において「下」:表示画面の上下方向における下方向。
チルト方向の欄において「−」:表示画面の上下方向に対して垂直な方向。
Figure 2019132895
[検討]
表1から分かるように、実施例では、いずれも、測定される明度Lが小さい。この結果から、本発明の有機発光表示装置によれば、表示画面の上下方向における上方向からの外光の正反射を効果的に抑制できることが確認された。
特に、実施例3と実施例6とを比較すると、比較例6の方が明度Lが小さな値を示すことが分かる。この結果から、液晶硬化層に含まれる液晶性化合物の分子のチルト方向が表示画面の上下方向における上方向にある場合に、下方向にある場合に比べて、外光の正反射を特に効果的に抑制できることが確認された。
10 有機発光表示装置。
11〜14 表示画面の辺。
10U 表示画面。
100 偏光子。
200 液晶硬化層。
200D 液晶硬化層の面。
200U 液晶硬化層の面。
210 液晶性化合物の分子。
300 有機発光表示パネル。
400 液晶硬化層。
510 試験用部材。
510U 表示画面。
520 光源。
530 検出器。
UD 表示画面の上下方向。
LR 表示画面の左右方向。
液晶性化合物の分子のチルト方向。
100 偏光子の吸収軸。
200 液晶硬化層の遅相軸。
210 偏光子の吸収軸と同一方向に延びる仮想的な直線。
チルト方向を示すベクトル。
チルト方向を示すベクトルの、上下方向の成分。
チルト方向を示すベクトルの、左右方向の成分。
210 液晶性化合物の分子のダイレクタ。
520 光。
θ100 表示画面の上下方向に対して偏光子の吸収軸がなす角度。
θ200 偏光子の吸収軸に対して液晶硬化層の遅相軸がなす角度。

Claims (3)

  1. 表示画面を有する有機発光表示装置であって、
    前記有機発光表示装置が、偏光子と、液晶性化合物を含む液晶組成物の硬化物で形成された液晶硬化層と、有機発光表示パネルとを、この順に備え、
    前記液晶硬化層に含まれる前記液晶性化合物の少なくとも一部の分子が、前記液晶硬化層の面内方向に対して傾斜していて、
    前記偏光子が、前記表示画面の上下方向に対して、45°より大きく90°以下の角度をなす吸収軸を有し、
    前記液晶硬化層が、前記偏光子の吸収軸に対して、45°±5°の角度をなす遅相軸を有する、有機発光表示装置。
  2. 前記液晶硬化層に含まれる前記液晶性化合物の分子のチルト方向が、前記表示画面の上下方向において上方向に向いている、請求項1に記載の有機発光表示装置。
  3. 測定波長590nmでの前記液晶硬化層の面内レターデーションが、100nm以上180nm以下である、請求項1又は2に記載の有機発光表示装置。
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