JP2019131654A - 熱膨張性耐火樹脂組成物、熱膨張性耐火シート及び該熱膨張性耐火シートを備えたバッテリーセル - Google Patents

熱膨張性耐火樹脂組成物、熱膨張性耐火シート及び該熱膨張性耐火シートを備えたバッテリーセル Download PDF

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Abstract

【課題】加熱時の急速な温度上昇を緩和しつつ、バッテリーセルー間を離間させる断熱層を形成することができる熱膨張性耐火樹脂組成物を提供すること。【解決手段】熱膨張性耐火樹脂組成物は、樹脂成分及び熱膨張性黒鉛を含有し、膨張圧力が0.05MPa以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、熱膨張性耐火樹脂組成物、熱膨張性耐火シート及び該熱膨張性耐火シートを備えたバッテリーセルに関する。
リチウム電池に代表される各種バッテリーでは、内部短絡などが原因でバッテリーが熱暴走し、発火、発煙等の災害が生じることがある。こうした災害を最小限に抑えるために、異常高温になったバッテリーの熱を周囲のバッテリー及びバッテリーを収容した筐体に伝え難くする対策が重要である。
バッテリーセルを火災から保護する為に、バッテリーセルの周辺に熱膨張性耐火材を用いる場合がある。例えば特許文献1は、その外側の少なくとも一部が耐火性コーティングで覆われている電池セルについて開示している。耐火性コーティングはアブレーティブコーティング、膨張性コーティング又は吸熱性コーティングであり、市販のポリウレタン系コーティングが例示として挙げられている。
特表2013-528911
バッテリーの熱暴走時のバッテリーセルから隣接するバッテリーセルへの熱連鎖を防止又は抑制できる熱膨張性耐火材が求められている。
本発明の目的は、バッテリーセルの熱暴走時のセルの急速な温度上昇時に、膨張してバッテリーセル間の空間を確保あるいはバッテリーセル間を離間させる断熱層を形成することができる熱膨張性耐火樹脂組成物、該熱膨張性耐火樹脂組成物からなる熱膨張性耐火シート、並びに及該熱膨張性耐火シートを備えたバッテリーセルを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の以下の態様が提供される。
項1.樹脂成分及び熱膨張性黒鉛を含有し、膨張圧力が0.05MPa以上である熱膨張性耐火樹脂組成物。
項2.樹脂成分100質量部に対して、熱膨張性黒鉛を10質量部以上含有する項1に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
項3.前記樹脂成分が、熱可塑性樹脂、及びエラストマー樹脂からなる群から選択される少なくとも一種である項1又は2に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
項4.バッテリーセル保護用熱膨張性耐火樹脂組成物である項1〜3に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
項5.項1〜4のいずれか一項に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物からなる熱膨張性耐火シート。
項6.項5に記載の熱膨張性耐火シートを備えたバッテリーセル。
項7.複数個のバッテリーセルを備え、隣接するバッテリーセルの間に項5に記載の熱膨張性耐火シートが配置されているバッテリーモジュール。
項8.項1〜4のいずれか一項に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物からなる熱膨張性耐火コーティング。
本発明によれば、バッテリーの熱暴走時に、膨張して隣接するバッテリーセル間の空間を確保しつつ、隣接するセル間に断熱層を形成することができるため、そのようなバッテリーを使用する電子機器又は自動車等に優れた耐火性能を付与することができる。
本発明の実施形態の熱膨張性耐火シートに基材が積層された耐火性多層シートを示す略断面図。 図1の耐火性多層シートを施工したバッテリーモジュールの略縦断面図。 図2のバッテリーモジュールを備えたバッテリーパックの略縦断面図。 (A)別例のバッテリーセルの略斜視図、(B)図4(A)の4B−4B線における断面図。 図4のバッテリーセルを備えたバッテリーモジュールの略縦断面図。 別例のバッテリーモジュールの略縦断面図。 別例のバッテリーモジュールの略縦断面図。 別例のバッテリーモジュールの略縦断面図。
以下、本発明を熱膨張性耐火シートに具体化した一実施形態について説明する。
本実施形態の熱膨張性耐火シートを構成する熱膨張性耐火樹脂組成物は、樹脂成分及び熱膨張性黒鉛を含有し、膨張圧力が0.05MPa以上である。
本発明者らは、バッテリーの発火時の熱暴走及び熱連鎖を抑制するために、熱膨張性黒鉛を含有する熱膨張性耐火樹脂組成物又は熱膨張性耐火シートを用いた場合に、熱膨張性黒鉛の膨張により生じる膨張圧力が重要であることを見出した。熱膨張性耐火樹脂組成物又は熱膨張性耐火シートの膨張圧力が0.05MPa以上となるよう熱膨張性黒鉛を含有することで、膨張時に十分な断熱性を有する断熱層を形成することができ、バッテリーの発火時の熱暴走及び熱連鎖を効果的に抑制することができる。
以下、熱膨張性耐火樹脂組成物中の各成分について説明する。
[樹脂成分]
樹脂成分としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー樹脂、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリイソシアヌレート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド等の合成樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、エポキシ基をもつエポキシ化合物と硬化剤とを反応させることにより得られる。
エラストマー樹脂としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム(液状EPDM)、エチレン−プロピレンゴム、液状エチレン−プロピレンゴム、天然ゴム、液状天然ゴム、ポリブタジエンゴム、液状ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、液状ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、液状スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの中では、アクリロニトリルブタジエンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム及びエチレン−プロピレン−ジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム、及びブチルゴム(イソブチレン−イソプレンゴム)が好ましい。
これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び/又はエラストマー樹脂は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び/又はエラストマー樹脂の中でも、成形加工性の点では、PVC、EVAが好ましい。耐火性の点では、PVCが好ましい。樹脂自体の難燃性を上げて防火性能を向上させるという観点からは、エポキシ樹脂が好ましい。柔軟でゴム的性質を有しているもの又は低粘度であるものは、熱膨張性黒鉛、吸熱剤等を樹脂成分中に高充填できるため好ましい。柔軟でゴム的性質を得るためには、ブチルゴム等の非加硫ゴム及びポリオレフィン樹脂が好ましい。ゴムは自己粘着性を有するため、バッテリーセルと熱伝導性熱膨張性シートとの間に接着剤又は接着シート等の接着手段を用いなくとも、熱伝導性熱膨張性シートをバッテリーセルに取り付けることができる。
[熱膨張性黒鉛]
熱膨張性黒鉛は、加熱時に膨張する従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を無機酸と強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。無機酸としては濃硫酸、硝酸、セレン酸等が挙げられる。強酸化剤としては濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等が挙げられる。
熱膨張性黒鉛は任意選択で中和処理されてもよい。つまり、上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛を、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和する。
上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。
熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートにおける熱膨張性黒鉛の含有量は、熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートが0.05MPa以上の膨張圧力を発現できるように調整される限り、限定されない。樹脂成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上であり、より好ましくは30質量部以上である。10質量部より高いと、十分な耐火性能を得る点で好ましい。熱膨張性黒鉛の含有量の上限値は、断熱性能を有すると共に一定の強度を有する燃焼残渣を形成する点で、350質量部以下であることが好ましい。
熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュかそれより大きい(粗い)と、黒鉛の膨張度が膨張断熱層を得るのに十分であり、また粒度が20メッシュかそれより小さい(細かい)と、樹脂に配合する際の分散性が良い。粒度は、市販のレーザ回折/散乱式粒度測定装置を用いて測定することができる。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、特に限定されないが、2以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比の上限は特に限定されないが、熱膨張性黒鉛の割れ防止の観点から、1000以下であることが好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が2以上であることにより、熱膨張性耐火樹脂組成物の高い膨張性と燃焼後の高い残渣硬さに寄与する。
熱膨張性黒鉛片の最大寸法(長径)を最小寸法(短径)で除した値をアスペクト比とする。そして、10個以上の膨張黒鉛片につきアスペクト比を測定し、その平均値を平均アスペクト比とする。熱膨張性黒鉛の長径及び短径は、例えば、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて測定することができる。
[無機充填剤]
本発明の実施形態の熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートは、無機充填剤をさらに含むことができる。無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の金属水酸化物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;難燃剤としての無機リン酸塩;硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルーン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
無機充填剤の平均粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。無機充填剤は、含有量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、平均粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満では二次凝集が起こり分散性が悪くなるため、0.5μm以上であることが好ましい。含有量が多いときは、高充填が進むにつれて、熱膨張性耐火樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、平均粒径を大きくすることで熱膨張性耐火樹脂組成物の粘度を低下させることができる。このため、平均粒径の大きいものが好ましいが、平均粒径が100μmを超えると、成形体の表面性や熱膨張性耐火樹脂組成物の力学的性能が低下するため、100μm以下であることが望ましい。無機充填剤の粒径は、市販のレーザ回折/散乱式粒度測定装置を用いて測定することができる。
上記無機充填剤の市販品では、例えば、炭酸カルシウムとして、平均粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カルシウム社製)、平均粒径8μmの「BF300」(白石カルシウム社製)等が挙げられる。また、粒径の大きい無機充填剤と粒径の小さいものを組み合わせて使用することがより好ましく、組み合わせることによって、さらに高充填化が可能となる。
熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートにおける無機充填剤の含有量は特に限定されないが、樹脂成分100質量部に対して、10〜1000質量部であり、好ましくは10〜500質量部である。10質量部より低いと、十分な温度上昇の緩和効果を得ることができない。1000質量部より高いと、機械的物性を維持する点で好ましくない。
[リン化合物]
さらに、本発明の実施形態の熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートは、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、さらにリン化合物を含むことができる。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらのうち、防火性能の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム、及び、下記化学式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、コスト等の点においてポリリン酸アンモニウムがより好ましい。
化学式(1)中、R1及びR3は、同一又は異なって、水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数6〜16のアリール基を示す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のアリールオキシ基を示す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。ポリリン酸アンモニウムとしては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取り扱い性等の点からポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。前記のリン化合物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートにおけるリン化合物の含有量は、特に限定されないが、樹脂成分100質量部に対して、10〜1000質量部であることが好ましく、好ましくは10〜500質量部であることが好ましい。10質量部より高いと、十分な温度上昇の緩和効果を得ることができる。10質量部より低いと、機械的物性を維持する点で好ましい。
[可塑剤]
さらに、本実施形態の熱膨張性耐火シートを構成する熱膨張性耐火樹脂組成物は、可塑剤をさらに含有することができる。特に樹脂成分がポリ塩化ビニル樹脂又は塩素化ポリ塩化ビニルである場合、熱膨張性耐火樹脂組成物は可塑剤を含むことが好ましい。
可塑剤は、一般にポリ塩化ビニル樹脂成形体を製造する際に使用されている可塑剤であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル可塑剤;エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤;アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のポリエステル可塑剤;トリー2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤;鉱油等のプロセスオイルなどが挙げられる。可塑剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
可塑剤の含有量は、少ないと押出成形性が低下する傾向があり、多くなると得られた成形体が柔らかくなり過ぎる傾向がある。このため可塑剤の含有量は限定されないが、樹脂成分がポリ塩化ビニル又は塩素化ポリ塩化ビニルを含む場合、20〜200重量部であることが好ましい。
[その他成分]
本実施形態の熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートには、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の添加成分を含有させることができる。
この添加成分の種類は特に限定されず、発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。このような添加剤として、例えば、滑剤、収縮防止剤、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、上記熱伝導体を除いた充填剤、補強剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、及び表面処理剤等が挙げられる。添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択でき、通常の樹脂の発泡及び成形に用いられる添加量を採用できる。かかる添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。
本実施形態の熱膨張性耐火シートの厚みは特に限定されないが、3000μm以下であることが好ましく、60〜2000μmがより好ましい。なお、本明細書でいう熱膨張性耐火シートの「厚み」とは、熱膨張性耐火シートの幅方向3点の平均厚みを指す。
本実施形態の熱膨張性耐火シートの膨張倍率は、熱膨張性耐火シートの試験片の(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)として算出される。
膨張性耐火シートの膨張倍率は、セルが熱暴走した際に、瞬時に膨張層により断熱し、かつその膨張層の強度があれば特に限定されない。500℃のホットプレートで1分間加熱した後の膨張倍率が3倍以上であればよい。
本実施形態の熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートの膨張圧力は、熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートを500℃で1分間加熱したときに生じる膨張圧力である。熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートの膨張圧力は、ホットプレート上に耐火材シートを配置すると共に、ホットプレートを固定した台に取り付けられたデジタルフォースゲージを耐火材シートに接触させておき、耐火材シートを500℃のホットプレートの上で加熱し、加熱開始1分経過後の最大荷重をデジタルフォースゲージにより読み取り、該最大荷重をアタッチメントの断面積で除することにより算出することができる。
熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートの膨張圧力は、バッテリーセル間の空間を確保する点で、0.1MPa以上であることが好ましく、0.3MPa以上であることがより好ましい。
本実施形態の熱膨張性耐火樹脂組成物及び熱膨張性耐火シートは、バッテリーセル用の断熱材として機能し、バッテリーの熱暴走時に、膨張して隣接するバッテリーセル間の空間を確保し、隣接するセル間に断熱層を形成することができる。このため、バッテリーセルを火災等の熱から保護し、そのようなバッテリーを使用する電子機器又は自動車等に優れた耐火性能を付与することができる。
熱膨張性耐火シートは、上記のマトリックス成分、熱膨張性黒鉛、及び任意選択のその他の成分を単軸押出機、二軸押出機、射出成型機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等の公知の装置を用いて混合した耐火性熱膨張性耐火樹脂組成物を、塗工又は成形することにより製造することができる。成形にはプレス成形、押出し成形、射出成形が含まれる。塗工又は成形は当該技術分野において周知である。
図1は、本発明の一実施形態の熱膨張性耐火シート2と基材3とが積層された耐火多層シート1の略断面図である。
基材3は、可燃層であっても、準不燃層又は不燃層であってもよい。基材の厚みは特に限定されないが、例えば5μm〜1mmである。
可燃層に使用される素材としては、例えば、布材、紙材、木材、天然樹脂、合成樹脂等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。
準不燃層又は不燃層に使用される素材としては、例えば、金属、無機材等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。
布材としては、例えば、木綿、絹、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の織布、不織布からなるもの等を挙げることができる。
紙材としては、例えば、木材等の植物から取り出した繊維状物質、化学繊維を水等の分散媒中に分散させ、これを濾過して均一層を形成してから乾燥させた紙等が挙げられる。
紙に対して、塗料、撥水剤等を塗布して得られる加工紙、波状の紙をライナーと呼ばれる平面の紙により挟んで接着した段ボール等が挙げられる。
木材としては、例えば、天然木材から得られる木素材に限られず、木素材を含む集成木材、積層木材、積層木板等が挙げられる。
天然樹脂としては、例えば、セルロース誘導体、ゼラチン、アルギン酸塩、キトサン、プルラン、ペクチン、カラゲナン、タンパク質、タンニン、リグニン、ロジン酸等を主成分とする高分子、天然ゴム等が挙げられる。
合成樹脂としては、例えば、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリイソブチレンゴム、塩化ブチルゴム等の合成ゴム、
ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、
ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
金属としては、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、錫、鉛、錫鉛合金、銅等が挙げられる。
また金属として金属箔を使用することが好ましく、前記金属箔としては、例えば、アルミニウム箔、鉄箔、ステンレス箔、錫箔、鉛箔、錫鉛合金箔、銅箔等が挙げられる。
無機材としては、例えば、グラスウール、ロックウール、セラミックウール、石膏繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、スラグ繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。無機繊維層は、前記無機繊維を用いた無機繊維クロスを使用することが好ましい。また無機繊維層に使用する無機繊維は、金属箔をラミネートしたものを使用することが好ましい。
金属箔ラミネート無機繊維の具体例としては、例えば、アルミニウム箔ラミネートガラスクロス、銅箔ラミネートガラスクロス等がさらに好ましい。
一実施形態では、基材が不織布である。この場合、破断防止などの膨張材保護の点が優れている。
図2は、図1の耐火性多層シート1を施工したバッテリーモジュール10の例の略縦断面図である。
本明細書において、「バッテリー」とは、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル・水素電池、リチウム・硫黄電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・鉄電池、ニッケル・亜鉛電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛蓄電池、空気電池等の二次電池を意味する。
上記リチウムイオン電池は、セルの形状により、円筒型、角型、ラミネート型に分類される。
本明細書において、「バッテリーセル」とは、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子等が外装部材に収容されたバッテリーの構成単位を指す。
バッテリーセルが円筒型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子、絶縁材、ガス排出弁、ガスケット、正極キャップ等が外装缶に収容されているバッテリーの構成単位を指す。
バッテリーセルが角型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子、絶縁材、ガス排出弁等が外装缶に収容されているバッテリーの構成単位を指す。
バッテリーセルがラミネート型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子、等が外装フィルムに収容されているバッテリーの構成単位を指す。外装フィルムとしては例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムが積層されたアルミニウムフィルム等が挙げられる。
本明細書において、「バッテリーモジュール」とは複数のバッテリーセルを筐体に収容したバッテリーの構成単位を指す。「バッテリーパック」とは複数のバッテリーモジュールを筐体に収容したものを指す。バッテリーモジュール及びバッテリーパックの内部には、バッテリーセルの他に、バッテリーセルと電気的に接続される電気接続ケーブル等必要な部材が必要に応じて使用される。
図2を参照すると、バッテリーモジュール10の筐体12内には複数のバッテリーセル5(図では3個を図示)が互いに離間して垂直方向に延在するように並べて収容されている。隣り合うバッテリーセル5の間には、耐火性多層シート1(及びその熱膨張性耐火シート2)が配置され、耐火性多層シート1(及びその熱膨張性耐火シート2)はバッテリーセル5の一面に取り付けられている。
一つのバッテリーセル5の表面は、通常、PETフィルムが積層されたアルミニウムシート又は円筒形状等の金属等で形成されている。バッテリーセル5の少なくとも一面(例えば片面又は対をなす両面)の一部又は全部に熱膨張性耐火シート2を設置する方法としては、例えば、熱膨張性耐火シート2を一つのバッテリーセル5の表面に粘着材を介して又は熱膨張性耐火シート2の自己粘着性により貼り付けて固定する方法や、バッテリーセル5と熱膨張性耐火シート2とを積層した後で枠を用いて固定する方法等が挙げられる。
このため、熱膨張性耐火シート2はバッテリーの通常の使用時には放熱性に優れ、バッテリーセル5の作動により生じた熱を良好に放散することができる。また、熱膨張性耐火シート2は、異常発熱又は火災等により熱膨張性耐火シート2が加熱されると、比較的低温でも膨張を開始し、火や熱の流路となる空間を閉塞し、膨張圧により隣り合うバッテリーセル5の間を離間させて間隔を確保する。また、熱膨張性耐火シート2は隣り合うバッテリーセル5の間にバッテリー間を離間させる断熱層を形成する。このため、あるバッテリーセル5から隣りのバッテリーセル5への熱伝達又は引火を防止するか又は遅延させることができ、バッテリーの安全性が確保される。
熱膨張性耐火シート2の寸法は特に限定されず、バッテリーセル5の大きさ及びバッテリーモジュール10内の空間の大きさに応じて変更され得る。
筐体12は例えば金属製又は樹脂成型品の筐体であるが、これに限定されない。バッテリーセル5及び熱膨張性耐火シート2は図2では平板状の略直方体であり、互いに略平行に配置されている。筐体12内のバッテリーセル5及び熱膨張性耐火シート2の周囲には空間6が設けられ、また、バッテリーセル5と該バッテリーセル5に隣り合う熱膨張性耐火シート2との間にも空間7が設けられている。これらの空間6,7はバッテリーセル5の放熱のための空気の通路として作用する。例えばバッテリーセル5は作動時に加熱される場合があるが、かかる空間6,7を確保することによりバッテリーセル5をより早く放熱することができる。
熱膨張性耐火シート2は断熱層として機能し、あるバッテリーセル5から隣りのバッテリーセル5へ熱伝達又は引火するのを防止するか又は遅延させることができ、バッテリーモジュール10の発火遅延性が向上し、安全性が確保される。
図3は、図2のバッテリーモジュール10を備えたバッテリーパック20の略縦断面図である。バッテリーパック20の筐体22内には複数のバッテリーモジュール10(図では2個を図示)が収容されている。筐体22は例えば金属製又は樹脂成型品の筐体であるが、これに限定されない。また、隣り合うバッテリーモジュール10の間には熱膨張性耐火シート2が配置されている。複数のバッテリーモジュール10が直列又は並列に配置され、円筒型バッテリーを構成する。
異常発熱又は火災等により、熱膨張性耐火シート2が加熱されると、熱膨張性耐火シート2は膨張する。これにより、火や熱の流路となる空間を閉塞する。
このような構成により、図3のバッテリーパック20においても、バッテリーセル5の放熱用の空気の通路を確保しつつ、異常発熱又は火災等の高温時には熱膨張性耐火シート2が断熱材として作用することによりバッテリーモジュール10及びバッテリーパック20は発火遅延性を発揮できる。バッテリーパックは通常時の放熱性と、高温時の安全性とを兼ね備えることができる。なお、図2及び3において、バッテリーセル5と熱膨張性耐火シート2とは、接触していても良いし、空間を介して隔てられていても良い。また、空間6,7が存在しなくても良い。
本発明によれば、バッテリーの熱暴走を防止又は抑制することができるため、そのようなバッテリーを使用する携帯電話及びスマートフォン等の小型電子機器、ノートパソコン、並びに自動車等に優れた耐火性能を付与することができる。
ここまで、本発明の実施形態の熱膨張性耐火シート、バッテリー、バッテリーモジュールを説明したが、本発明はこれに限られず、本発明の技術的思想に基づく以下のような種々の変形が可能である。
図1において、熱膨張性耐火シート2の片面に基材3が積層されていたが、熱膨張性耐火シート2の両面に基材3が積層されてもよい。あるいは、基材3は省略されてもよい。
熱伝導性熱膨張性樹脂組成物は、第1実施形態の熱膨張性耐火シート2のシート以外の形状の成形体に成形してもよい。
熱伝導性熱膨張性樹脂組成物を、吹付け、噴霧又は塗布等によりバッテリーセル5上に直接施したり、離型紙等に吹付け、噴霧又は塗布等により成形、製造してもよい。
例えば、熱伝導性熱膨張性樹脂組成物は、上記の実施形態の熱膨張性耐火シート2の代わりに、図4に示すように、バッテリーセル5の周囲を被覆する熱膨張性耐火コーティングの形態で設けられてもよい。例えば、バッテリーセル5の周囲が熱伝導性熱膨張性樹脂組成物からなる熱膨張性耐火コーティング2'により被覆されてもよい。また、図4では熱膨張性耐火コーティング2'はバッテリーセル5の外表面の全体を被覆しているが、バッテリーセル5の一面を被覆してもよく、又は対をなす2面を被覆してもよい。バッテリーセル5から別のバッテリーセル5への伝熱又は引火を抑制又は防止する程度にバッテリーセル5の表面が熱膨張性耐火コーティング2'で被覆されていればよい。熱伝導性熱膨張性樹脂組成物を、吹付け、噴霧又は塗布等によりバッテリーセル5の表面に施して硬化させるか、金型、枠材等の容器へ液状の熱伝導性熱膨張性樹脂組成物を入れ、かかる容器中にバッテリーセル5を浸漬することにより、熱膨張性樹脂組成物からなる熱膨張性耐火コーティング2'を備えたバッテリーセル5を得ることができる。
このようなバッテリーセル5を備えたバッテリーモジュール10を図5に示す。このような構成でも、通常時は熱膨張性耐火コーティング2'がバッテリーセル5からの放熱を促し、異常発熱又は火災等により、バッテリーセル5が加熱されると、熱膨張性耐火コーティング2'はバッテリーセル5の周囲で膨張して、バッテリーセル5の間の空間7を閉塞し、断熱材として作用する。このため、あるバッテリーセル5から隣りのバッテリーセル5への伝熱又は引火を防止するか又は遅延させることができ、バッテリーモジュール10の安全性が確保される。
熱膨張性耐火シート2は、図1に示すバッテリーセル5の一面に施された構成に限られず、図6に示すように各バッテリーセル5の2つの側面に設けられてもよい。また、各バッテリーセル5の4面、又は6面全部に設けられてもよい。
図7に示すように、熱膨張性耐火シート2は、バッテリーモジュール10の内側、特には筐体12の内表面13に設けられていてもよい。
図8に示すように、熱膨張性耐火シート2は、バッテリーモジュール10の外側、特には筐体12の外表面14に設けられていてもよい。
図3において、熱膨張性耐火シート2は、バッテリーパック20を構成する筐体22の内表面又は外表面、バッテリーモジュール10とバッテリーパック20との間の空間等に設けられてもよい。
上記のいずれかの場所に熱膨張性耐火シート2を設けることで熱膨張性耐火シート2が加熱されると、熱膨張性耐火シート2は断熱材として作用し、火及び熱の流路となる空間を閉塞する。火及び熱の流路となる空間としては、バッテリーセル5とバッテリーセル5との間の空間、バッテリーセル5とバッテリーモジュール10の筐体12との間の空間、バッテリーモジュール10とバッテリーモジュール1との間の空間、バッテリーモジュール10とバッテリーパック20の筐体22との間の空間等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.熱膨張性耐火シートの製造
実施例1〜5及び比較例1〜2
表1(質量部で示す)に示した樹脂成分、熱膨張性黒鉛、無機充填剤、及びリン化合物を含有する熱膨張性耐火樹脂組成物を、一軸押出機に供給し、150℃で押出成形し、厚さ1.0mmの実施例1〜5及び比較例1〜2の熱膨張性耐火シートを得た。各成分は以下のものを使用した。
エチレン−酢酸ビニル(EVA)樹脂 製品名 エバフレックスEV460、三井デュポンポリケミカル株式会社
ブチルゴム 製品名 Butyl065 JSR社
熱膨張性黒鉛 製品名 ADT501 ADT社製
熱膨張性黒鉛 製品名 CA−60 日本化成社製
無機充填剤 炭酸カルシウム 製品名 ホワイトンBF−300 備北粉化株式会社
リン化合物 製品名 AP422 ポリリン酸アンモニウム クラリアント社
2.熱暴走防止の評価
(膨張圧力)
25mm角にカットした耐火材シートをホットプレートの上に置き、ホットプレートを固定した台にデジタルフォースゲージ(株式会社イマダ ZTA-2500N)を取り付けた。デジタルフォースゲージの先端に取り付けられた圧縮用アタッチメントを耐火性シートに対しシートの上面で接触させた。次に、ホットプレートを500℃に設定して加熱を開始し、加熱開始から1分経過後の最大荷重をデジタルフォースゲージにより読み取り、該最大荷重を圧縮用アタッチメントの断面積で除することにより膨張圧力を算出した。
(膨張倍率)
500℃にホットプレートを設定し、25mm角にカットした耐火材をホットプレートの上に置き、1分経過後、(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)から膨張倍率を算出した。
(結果)
表1に示すように、実施例1〜5の熱膨張性耐火シートは膨張圧力及び膨張倍率が高く、比較例1〜2の熱膨張性耐火シートは膨張圧力及び膨張倍率が実施例1〜5の熱膨張性耐火シートに比べて低かった。
実施例1〜5の熱膨張性耐火シートは十分に断熱できる断熱層を形成することで、隣接するバッテリーセルの温度上昇を緩和可能であることが示された。
以上、本発明の実施形態及び実施例について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態及び実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料及び数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料及び数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料及び数値などは、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
2・・・熱膨張性耐火シート、2' …熱膨張性耐火コーティング、5…バッテリーセル、10…バッテリーモジュール。

Claims (8)

  1. 樹脂成分及び熱膨張性黒鉛を含有し、膨張圧力が0.05MPa以上である熱膨張性耐火樹脂組成物。
  2. 樹脂成分100質量部に対して、熱膨張性黒鉛を10質量部以上含有する請求項1に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  3. 前記樹脂成分が、熱可塑性樹脂、及びエラストマー樹脂からなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  4. バッテリーセル保護用熱膨張性耐火樹脂組成物である請求項1〜3に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物からなる熱膨張性耐火シート。
  6. 請求項5に記載の熱膨張性耐火シートを備えたバッテリーセル。
  7. 複数個のバッテリーセルを備え、隣接するバッテリーセルの間に請求項5に記載の熱膨張性耐火シートが配置されているバッテリーモジュール。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱膨張性耐火樹脂組成物からなる熱膨張性耐火コーティング。
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