JP2014179392A - 太陽電池用不燃化シート及びこれを装着した耐火性太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】
スーパーストレート型太陽電池モジュールの構造を大きく変えることなく、その内部に使用されている可燃性材料を火災等による高温から防御し、酸素を遮断して太陽電池モジュールを不燃化させることができる裏面保護シート(バックシート)を提供し、更に該シートを備えた不燃化太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】
300℃に加熱下の体積熱膨張率が10倍以上の熱膨張性黒鉛を3〜50質量%含有してなる不燃性組成物層を少なくとも1層備えることにより、300℃以上に加熱されると、該不燃性組成物層が2倍以上に体積膨張する不燃化シートとする。そして、該不燃化シートを太陽電池モジュールの非受光面に配置したスーパーストレート構造型の耐火性太陽電池モジュールとする。
【選択図】なし
スーパーストレート型太陽電池モジュールの構造を大きく変えることなく、その内部に使用されている可燃性材料を火災等による高温から防御し、酸素を遮断して太陽電池モジュールを不燃化させることができる裏面保護シート(バックシート)を提供し、更に該シートを備えた不燃化太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】
300℃に加熱下の体積熱膨張率が10倍以上の熱膨張性黒鉛を3〜50質量%含有してなる不燃性組成物層を少なくとも1層備えることにより、300℃以上に加熱されると、該不燃性組成物層が2倍以上に体積膨張する不燃化シートとする。そして、該不燃化シートを太陽電池モジュールの非受光面に配置したスーパーストレート構造型の耐火性太陽電池モジュールとする。
【選択図】なし
Description
本発明は、太陽光を利用して発電する太陽電池の裏面保護シート(バックシート)として用いる不燃化シートに関する。更に本発明は火災の発生源にならず、周囲が火災になったときにも類焼しない太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュール(太陽電池パネル、太陽光発電パネル、ソーラーパネル等とも呼ばれる)の構造は、封止材で封止された光電変換セルの太陽光の受光面側を、剛直性で強度を保持し、透明性、耐光性や耐傷付き性に優れるガラス板で覆い、非受光面側を柔軟なバックシートと呼ばれる多層シートで覆う所謂スーパーストレート構造が一般的である。発電機能を担当する光電変換セルを保護する封止材は、熱膨張や外部応力による光電変換セルの歪みを緩和することができる軟質な有機材料からなり、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)を主成分とし、これに架橋材として過酸化物を配合して熱架橋した熱硬化性樹脂組成物が一般的に用いられる。
太陽電池は長期信頼性に優れ、単位面積当たりのエネルギー密度も小さいので、劣化や故障が少なく、10〜20年の長期での実用実績も多い。一方で、非常に広範囲で多数の発電装置を稼動させる必要があるため、劣化や故障が絶無ではなく、太陽電池モジュールの裏面に接続される端子部等の発熱が火災の原因と推定されることもある。
また、スーパーストレート型の太陽電池モジュールでは外部からの炎に晒された場合、受光面側は耐熱性が高く、断熱性に優れるガラスで保護されるため耐火性に優れる。受光面側ではモジュールでの火炎に対する評価も規格化されている。一方、非受光面側についてはバックシートや端子箱等の個別材料に難燃性規格が定められているものの、炎に晒されれば熱分解が起こり、燃焼性の高い封止材に火炎が伝播した場合には容易に燃焼する。このため、太陽電池が屋上に設置されている家屋などの場合は、家屋が火事になり、太陽電池モジュールに炎が及べば燃焼し類焼する。
封止材にハロゲン系やリン酸系などの難燃剤を配合して難燃化することは可能だが、封止材は光電変換セルに直接接触することから長期間の屋外使用中にセルを腐食や劣化させることが懸念される。また、難燃剤による封止材の物性低下があり、封止材を難燃化することはほとんど検討されていない。
スーパーストレート型以外に裏面をガラスや鋼板などの耐熱、難燃性の硬質素材で覆う両面耐火材構造(受光面側、非受光面側共にガラスを配置したガラスパッケージ方式等)も可能だが、封止工程の生産性が低く、高重量で設置上の制約がある。また、鋼板などのように断熱性が不十分な場合は封止材が熱分解して可燃ガスが噴出して燃焼する。
前述のような火災に対する太陽電池モジュールの危険性については、例えば、非特許文献1には、屋根一体型太陽光発電システムの耐火実験を行い、隣棟建物の火災や火災建物の開口部からの噴出炎によって、太陽電池パネルが燃焼する危険性が提示されている。
また、特許文献1には、屋根に設置された太陽電池モジュールが隣家の火災によって類焼することを防止する太陽電池パネルが記載されている。ここでは、太陽電池モジュールの裏側に多孔性の不燃性吸収材を設けた太陽電池パネルが提案されている。
特許文献2には、近隣火災による飛び火によって着火しにくい難燃性太陽電池として、受光面側のガラスとエチレン−酢酸ビニル系樹脂封止材の間に耐熱性又は難燃性樹脂層を有する太陽電池パネルが記載されている。
特許文献3には、隣家の火災時に類焼を最小限に抑えられるとして、不燃材料からなる屋根材本体と、その凹部に収容され、水上縁部を不燃性、ガス不透過性の被覆材で覆った太陽電池パネルとを備えた太陽電池付き屋根材が提案されている。
特許文献4には、太陽電池モジュールの防火性能を向上させるため、非受光面側の保護材を裏打ちする補強板と端子箱とが、火災時の熱によって発泡膨張する発泡断熱材を介して固定された太陽電池モジュールが提案されている。
特許文献5には、簡単な構造で火災による燃焼を最小限に食い止められるとして、非受光面側保護材の面に発電素子の配線を収納するための不燃性の配線収納部を配置し、その配線収納部の内部において、非受光面側保護材との間に空間を設けるようにして配線を不燃性のスペース部材で囲った太陽電池モジュールが提案されている。
特許文献6には、透光性基板と太陽電池素子との間に外部と繋がる間隙を設け、室内換気用の排気ダクトを接続することで、家屋内の低い温度の空気を太陽電池モジュールの冷却に用いることにより、太陽電池素子の温度上昇を効果的に抑えて発電効率を向上させるとともに、住宅等で火災が発生した場合にそれを検知することができる太陽電池モジュールが提案されている。
しかしながら、前述した従来の技術では太陽電池モジュール構造を複雑にして長期信頼性を低下させたり、太陽電池モジュールやパネルの設置方法などで制約がある。また、太陽電池モジュールが火災に晒された場合に燃焼を本質的に防止するものではない。
日本建築学会大会学術講演梗概集(近畿)1996年9月 p13〜14
本発明は、太陽電池モジュールが火災に晒された場合に燃焼を本質的に防止する太陽電池モジュール用の不燃化シートに関するものであり、これを太陽電池モジュールの非受光面側の最外層に配置することにより、スーパーストレート型太陽電池モジュールの構造を大きく変えることなく、その内部に使用されている可燃性材料を火災等による高温から防御し、酸素を遮断して太陽電池モジュールを不燃化させることができる太陽電池モジュール用の裏面保護シート(バックシート)を提供し、更に該シートを備えた不燃化太陽電池モジュールを提供することを主目的とする。
本発明者は、前述した課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の体積熱膨張率を有する熱膨張性黒鉛を特定量含有してなる層を少なくとも1層備えたシートを太陽電池モジュールの非受光面側の最外層に配置することにより、太陽電池モジュールが火災などの外部環境からの加熱や太陽電池モジュール内部の不具合による発熱などが原因で高温になった場合、太陽電池モジュールの着火、燃焼が起こる前に、黒鉛が層状に膨張し、それにより耐熱性、断熱性が高く、空気を遮断して酸素を絶つ機能を有する炭化層を形成して、封止材等の太陽電池モジュールを構成する可燃材料の燃焼を防ぐことが可能であることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は、300℃に加熱下の体積熱膨張率が10倍以上の熱膨張性黒鉛を3〜50質量%含有してなる不燃性組成物層を少なくとも1層備えることを特徴とする太陽電池用不燃化シートである。また、この不燃性組成物層は熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ホウ酸化合物及び/又はリン酸系化合物を5〜200質量部含有したものでもよく、水酸化アルカリ土類金属塩及び/又は水酸化アルミニウムを10〜500質量部含有したものでもよい。
更に、不燃性組成物層は熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ビスフェノール系エポキシ樹脂またはその誘導体を1〜1000質量部含有したものでもよく、融点及び/またはビカット軟化点が200℃以下の炭化水素系樹脂を100〜1000質量部含有したものでもよく、ビカット軟化点が200℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)を100〜1000質量部含有したものでもよく、ビカット軟化点が200℃以下のシリコーン樹脂を1〜1000質量部含有したものでもよい。
更に、本発明の太陽電池用不燃化シートは、300℃以上に加熱されると3倍以上に体積膨張する厚さ0.01mm以上の不燃性組成物層と厚さ0.005〜0.2mmのフッ素系樹脂層とを含む積層構造であってもよく、厚さ0.05〜0.5mmの延伸ポリエステル樹脂層とを含む積層構造であってもよい。
更に、不燃性組成物層は熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ビスフェノール系エポキシ樹脂またはその誘導体を1〜1000質量部含有したものでもよく、融点及び/またはビカット軟化点が200℃以下の炭化水素系樹脂を100〜1000質量部含有したものでもよく、ビカット軟化点が200℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)を100〜1000質量部含有したものでもよく、ビカット軟化点が200℃以下のシリコーン樹脂を1〜1000質量部含有したものでもよい。
更に、本発明の太陽電池用不燃化シートは、300℃以上に加熱されると3倍以上に体積膨張する厚さ0.01mm以上の不燃性組成物層と厚さ0.005〜0.2mmのフッ素系樹脂層とを含む積層構造であってもよく、厚さ0.05〜0.5mmの延伸ポリエステル樹脂層とを含む積層構造であってもよい。
更に本発明は、太陽電池モジュールの非受光面側の最外層に前述の太陽電池用不燃化シート、受光面側の最外層に厚さ2mm以上のガラスを配置したスーパーストレート構造型の耐火性太陽電池モジュールであり、バルク結晶シリコン型、薄膜シリコン型または化合物半導体型の光電変換セルを燃焼酸素指数が21未満のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)やポリエチレン系共重合体で封止したスーパーストレート構造型の耐火性太陽電池モジュールであってもよい。
本発明の太陽電池用不燃化シートを太陽電池モジュールの非受光面側の最外層に配置することにより、スーパーストレート型太陽電池モジュールの構造を大きく変えることなく、内部に使用されている可燃性材料を火災等による高温から防御し、酸素を遮断することで太陽電池モジュールの不燃化を実現することができる。また、これを配置した太陽電池モジュールは不燃化太陽電池モジュールとすることができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態に係る太陽電池用不燃化シートについて説明する。この太陽電池用不燃化シートは300℃に加熱下の体積熱膨張率が10倍以上の熱膨張性黒鉛を3〜50質量%含有してなる不燃性組成物層を少なくとも1層備えたものであり、300℃以上に加熱されると、該不燃性組成物層は2倍以上に体積膨張して太陽電池モジュールの内部可燃材料を保護することができ、3倍以上に体積膨張することがより好ましい。ここで体積膨張の倍率は、常温から加熱をしたとき、熱膨張性黒鉛或いは不燃性組成物層が熱膨張を開始する温度以前の体積との対比による。
先ず、本発明の第1の実施形態に係る太陽電池用不燃化シートについて説明する。この太陽電池用不燃化シートは300℃に加熱下の体積熱膨張率が10倍以上の熱膨張性黒鉛を3〜50質量%含有してなる不燃性組成物層を少なくとも1層備えたものであり、300℃以上に加熱されると、該不燃性組成物層は2倍以上に体積膨張して太陽電池モジュールの内部可燃材料を保護することができ、3倍以上に体積膨張することがより好ましい。ここで体積膨張の倍率は、常温から加熱をしたとき、熱膨張性黒鉛或いは不燃性組成物層が熱膨張を開始する温度以前の体積との対比による。
[熱膨張性黒鉛]
本実施形態に係る太陽電池用不燃化シートの不燃性組成物層に配合される熱膨張性黒鉛は、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末を、硫酸や硝酸等の無機酸と、濃硝酸や過マンガン酸塩等の強酸化剤とで処理したもので、グラファイト層状構造を維持した結晶化合物である。なお、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末には、脱酸処理や中和処理を行った各種の品種があるが、いずれを使用してもよい。熱膨張性黒鉛は、加熱により無機酸がガス化して膨張しグラファイトの層間を押し広げ、大容量の空隙を生成して膨張する。この空隙によって不燃性組成物層には高い断熱性を発現させることができる。熱膨張性黒鉛は公知の製法で得られた任意の市販品を使用することができるが、前記体積膨張率が10倍未満のものでは膨張による断熱と空気遮断の効果が十分でなく、太陽電池モジュールの内部に使用されている可燃材料を火災から防止する効果が低くなり、太陽電池モジュールの不燃化性能は低くなる。また、前記体積膨張率の上限は特に限定されるものではないが、1000倍を超えるものでは膨張したときの不燃性組成物層の形状保持が難しくなり、空気遮断できなくなることがある。したがって、前記体積膨張率は10倍以上で、好ましくは1000倍以下であり、より好ましい範囲は20〜400倍、更に好ましい範囲は30〜100倍である。
本実施形態に係る太陽電池用不燃化シートの不燃性組成物層に配合される熱膨張性黒鉛は、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末を、硫酸や硝酸等の無機酸と、濃硝酸や過マンガン酸塩等の強酸化剤とで処理したもので、グラファイト層状構造を維持した結晶化合物である。なお、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末には、脱酸処理や中和処理を行った各種の品種があるが、いずれを使用してもよい。熱膨張性黒鉛は、加熱により無機酸がガス化して膨張しグラファイトの層間を押し広げ、大容量の空隙を生成して膨張する。この空隙によって不燃性組成物層には高い断熱性を発現させることができる。熱膨張性黒鉛は公知の製法で得られた任意の市販品を使用することができるが、前記体積膨張率が10倍未満のものでは膨張による断熱と空気遮断の効果が十分でなく、太陽電池モジュールの内部に使用されている可燃材料を火災から防止する効果が低くなり、太陽電池モジュールの不燃化性能は低くなる。また、前記体積膨張率の上限は特に限定されるものではないが、1000倍を超えるものでは膨張したときの不燃性組成物層の形状保持が難しくなり、空気遮断できなくなることがある。したがって、前記体積膨張率は10倍以上で、好ましくは1000倍以下であり、より好ましい範囲は20〜400倍、更に好ましい範囲は30〜100倍である。
また、不燃性組成物層への熱膨張性黒鉛の配合量は3質量%以下の場合、不燃性組成物層の体積膨張が不足となり、断熱性や空気遮断性が不足となる。熱膨張性黒鉛の配合量は50質量%以上の場合、加熱時の不燃性組成物層の形状保持が難しくなり、空気遮断ができなくなることがあると共に、加熱前の常温においても、剛性が高くハンドリングに支障がでることがある。よって、熱膨張性黒鉛の配合量は3〜50質量%であり、更に好ましい範囲は5〜40質量%である。
[不燃性組成物層の厚み]
不燃性組成物層は火災などによる外部環境からの加熱や太陽電池モジュール内部の不具合による発熱などで高温になると黒鉛が層状に膨張し、耐熱性で断熱性があり、空気を遮断して酸素を絶つ炭化層を形成するものである。不燃性組成物層の厚みは特に限定されるものではないが、0.01mm以下の場合、断熱性の確保が困難となる場合があり、例えば配線材等が太陽電池モジュールの裏面に接していた場合、着火燃焼の危険性が生じる虞がある。また、100mm以上の領域では実質的な断熱効果や酸素遮断効果に変化が無く、これ以上の厚みの拡大はコストアップとなる。よって、不燃性組成物層の厚みは0.01mm以上が好ましく、より好ましくは0.01〜100mm、さらに好ましくは0.1〜5mmである。
不燃性組成物層は火災などによる外部環境からの加熱や太陽電池モジュール内部の不具合による発熱などで高温になると黒鉛が層状に膨張し、耐熱性で断熱性があり、空気を遮断して酸素を絶つ炭化層を形成するものである。不燃性組成物層の厚みは特に限定されるものではないが、0.01mm以下の場合、断熱性の確保が困難となる場合があり、例えば配線材等が太陽電池モジュールの裏面に接していた場合、着火燃焼の危険性が生じる虞がある。また、100mm以上の領域では実質的な断熱効果や酸素遮断効果に変化が無く、これ以上の厚みの拡大はコストアップとなる。よって、不燃性組成物層の厚みは0.01mm以上が好ましく、より好ましくは0.01〜100mm、さらに好ましくは0.1〜5mmである。
[不燃性組成物層の配合]
不燃性組成物層には熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ホウ酸化合物及び/またはリン酸系化合物を5〜200質量部含有させてもよい。ホウ酸化合物及び/またはリン酸系化合物を配合することにより、熱膨張性黒鉛が膨張したときに不燃性組成物層の形状保持性能を高めることができる。ホウ酸は、公知の製法で得られるものを使用することができ、オルトホウ酸及びメタホウ酸のいずれでもよいが、通常は、オルトホウ酸が使用される。また、このホウ酸は、通常、粉末の状態のものを使用する。この場合、粉末の粒径は、特に制限されるものではないが、比較的粒径の小さなもの、具体的には、100μm程度以下、好ましくは20μm程度以下のものが好ましい。
リン酸系化合物については任意のものを使用することができるが、亜リン酸アルミニウム等を用いることができる。亜リン酸アルミニウムは公知の製法で得られるものを使用できるが、亜リン酸アルミニウムを含有させる場合、その平均粒径は、分散性の観点から、1〜100μmが好ましい。なお、この平均粒径は、レーザー回析法による粒子分布測定に基づく値である。粒子分布測定に用いる粒子分布測定機の種類は特に限定されないが、例えば、ベックマンコールター社製商品名「モデルLS−230」を用いて粒子分布測定を行うことができる。
ホウ酸化合物及び/またはリン酸系化合物の配合量は適宜設定することができるが、5質量部以下の場合、熱膨張性黒鉛が膨張したときに不燃性組成物層の形状保持性が悪くなり、断熱性及び空気遮断性の維持が難しくなる虞がある。また、200質量部以上の場合、黒鉛の膨張を妨げ、断熱性が不足となる可能性がある。また、不燃性組成物の硬度が高くなりすぎ、成形性が悪くなる虞がある。ホウ酸化合物及び/またはリン酸系化合物の更に好ましい配合量は10〜100質量部である。
不燃性組成物層には熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ホウ酸化合物及び/またはリン酸系化合物を5〜200質量部含有させてもよい。ホウ酸化合物及び/またはリン酸系化合物を配合することにより、熱膨張性黒鉛が膨張したときに不燃性組成物層の形状保持性能を高めることができる。ホウ酸は、公知の製法で得られるものを使用することができ、オルトホウ酸及びメタホウ酸のいずれでもよいが、通常は、オルトホウ酸が使用される。また、このホウ酸は、通常、粉末の状態のものを使用する。この場合、粉末の粒径は、特に制限されるものではないが、比較的粒径の小さなもの、具体的には、100μm程度以下、好ましくは20μm程度以下のものが好ましい。
リン酸系化合物については任意のものを使用することができるが、亜リン酸アルミニウム等を用いることができる。亜リン酸アルミニウムは公知の製法で得られるものを使用できるが、亜リン酸アルミニウムを含有させる場合、その平均粒径は、分散性の観点から、1〜100μmが好ましい。なお、この平均粒径は、レーザー回析法による粒子分布測定に基づく値である。粒子分布測定に用いる粒子分布測定機の種類は特に限定されないが、例えば、ベックマンコールター社製商品名「モデルLS−230」を用いて粒子分布測定を行うことができる。
ホウ酸化合物及び/またはリン酸系化合物の配合量は適宜設定することができるが、5質量部以下の場合、熱膨張性黒鉛が膨張したときに不燃性組成物層の形状保持性が悪くなり、断熱性及び空気遮断性の維持が難しくなる虞がある。また、200質量部以上の場合、黒鉛の膨張を妨げ、断熱性が不足となる可能性がある。また、不燃性組成物の硬度が高くなりすぎ、成形性が悪くなる虞がある。ホウ酸化合物及び/またはリン酸系化合物の更に好ましい配合量は10〜100質量部である。
不燃性組成物層には熱膨張性黒鉛100質量部に対して、水酸化アルカリ土類金属塩及び/または水酸化アルミニウムを10〜500質量部含有させてもよい。水酸化アルカリ土類金属塩及び/または水酸化アルミニウムは加熱下で脱水、吸熱反応が起こり、不燃性組成物層の温度を下げることで不燃性を向上させる。水酸化アルカリ土類金属塩及び/または水酸化アルミニウムは公知の製法で得られるものを使用することができ、その配合量は適宜設定することができるが、10質量部以下の場合、その効果が十分でなく、500質量部以上の場合不燃性組成物層の形状保持が難しくなる虞がある。水酸化アルカリ土類金属塩及び/または水酸化アルミニウムの更に好ましい配合量は20〜100質量部である。
更に不燃性組成物層には熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ビスフェノール系エポキシ樹脂またはその誘導体を1〜1000質量部含有させてもよく、融点及び/またはビカット軟化点が200℃以下の炭化水素系樹脂を100〜1000質量部含有させてもよい。また、熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ビカット軟化点が200℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)を100〜1000質量部含有させてもよく、ビカット軟化点が200℃以下のシリコーン樹脂を1〜1000質量部含有させてもよい。
これらの樹脂を配合することにより、不燃性組成物層は常温での強度が高くなり、シート状等に成形し易くなり、得られた成形物はハンドリングが良好なものになる。これらの樹脂の配合量の更に好ましい範囲はビスフェノール系エポキシ樹脂またはその誘導体では2〜500質量部、炭化水素系樹脂およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)では200〜500質量部、シリコーン樹脂では50〜500質量部である。
ビスフェノール系エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等であり、公知の製法で得られるものを用いることができる。不燃性組成物層にビスフェノール系エポキシ樹脂を配合する場合、エポキシ樹脂の硬化剤を配合することも可能である。硬化剤としては通常使用されるものを任意に使用することができるが、併用されるカップリング剤と支障なく混和されるポリアミド、ジエチレントリアミド等のアミン系硬化剤が好ましい。また、この硬化剤中に混入させるシランカップリング剤は特に限定されるものではないが、アミノ系シランカップリング剤等が優れた効果を発揮する。例えば、3−アミノプロピルエトキシシラン、3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、3−アミノプロピル−メチル−ジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]シラン、N−メチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、ジアミノシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピルメチル−ジメトキシシラン、トリアミノプロピル−トリメトキシシラン等、各種市販されているアミノシラン系カップリング剤を使用することができる。
炭化水素系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、ポリメチルペンテン、エチレン−ポリメチルペンテン共重合体などが挙げられる。また、ポリノルボルネン、エチレン−ノルボルネン共重合体及びプロピレン−ノルボルネン共重合体などの環状オレフィン重合体又は共重合体などを使用することもできる。なお、立体規則性を有する樹脂の場合、その立体規則性は、アイソタクティック、シンジオタクティック及びアタクティックのいずれでもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)としては、任意のものが使用できるが、酢酸ビニル含有率が、エチレン−酢酸ビニル共重合体の質量を基準として、15〜35質量%であり、有機過酸化物等の架橋剤を含有するものが好ましい。有機過酸化物としては、樹脂の加工温度・貯蔵安定性の観点から、ハイドロパーオキサイド系化合物、ジアルキルパーオキサイド系化合物、及びケトンパーオキサイド系化合物等が好ましく、これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
前記ハイドロパーオキサイド系化合物としては、例えば、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
前記ジアルキルパーオキサイド系化合物としては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,4−ビス((t−ブチルジオキシ)イソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス((t−ブチルジオキシ)イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス((t−ブチルパーオキシ)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
前記ケトンパーオキサイド系化合物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、優れた接着力、耐熱性、耐紫外線性を有する硬化膜が得られることから、ジアルキルパーオキサイド系化合物、特に、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用いるのが好ましい。
前記ジアルキルパーオキサイド系化合物としては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、1,4−ビス((t−ブチルジオキシ)イソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス((t−ブチルジオキシ)イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス((t−ブチルパーオキシ)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
前記ケトンパーオキサイド系化合物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、優れた接着力、耐熱性、耐紫外線性を有する硬化膜が得られることから、ジアルキルパーオキサイド系化合物、特に、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用いるのが好ましい。
架橋剤の含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)100質量部に対して、通常0.5〜5.0質量部であり、好ましくは0.5〜2.5質量部、より好ましくは0.65〜2.5質量部である。架橋剤の含有量が上記の範囲であれば、強固な架橋構造が得られ、且つ不燃性組成物層の成形や太陽電池モジュール作製の際の加熱時に発生する酢酸ガス等の分解ガスの量を少なくすることができる。また、必要に応じて、さらに架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)を含んでいてもよい。架橋助剤を配合することによりエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)の架橋度を高くすることができる。架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
シリコーン樹脂としては、例えば一般的なシリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン液状ゴム、シリコーンレジン等を使用することができ、メチルシラン、フェニルシラン、ビニルシラン、フルオロアルキルシラン等の加水分解重合物及びこれらの変性体等が挙げられる。シリコーン樹脂の変性体としてはエポキシ、アクリル、メラミン、フェノール等との共重合物やブレンド物等が使用できる。
[積層構造]
更に本実施形態に係る太陽電池用不燃化シートは、300℃以上に加熱されると3倍以上に体積膨張する厚さ0.01mm以上の不燃性組成物層と厚さ0.005〜0.2mmのフッ素系樹脂層とを含む積層構造であってもよい。耐湿熱性、耐熱性、耐侯性等に優れたフッ素系樹脂層との積層構造を有する太陽電池用不燃化シートを太陽電池モジュールの非受光面側の最外層に配置することにより、屋外で使用する場合、不燃性組成物層の劣化を防止できる。フッ素系樹脂層の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ−(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマ−(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、または、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂が挙げられるが、これらを2種以上混合して使用することもできる。
更に本実施形態に係る太陽電池用不燃化シートは、300℃以上に加熱されると3倍以上に体積膨張する厚さ0.01mm以上の不燃性組成物層と厚さ0.005〜0.2mmのフッ素系樹脂層とを含む積層構造であってもよい。耐湿熱性、耐熱性、耐侯性等に優れたフッ素系樹脂層との積層構造を有する太陽電池用不燃化シートを太陽電池モジュールの非受光面側の最外層に配置することにより、屋外で使用する場合、不燃性組成物層の劣化を防止できる。フッ素系樹脂層の具体例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンコポリマ−(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエ−テルとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ−(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレンまたはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマ−(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、または、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂が挙げられるが、これらを2種以上混合して使用することもできる。
上記フッ素系樹脂の中でもポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)又はテトラフルオロエチレンと、エチレンもしくはプロピレンとのコポリマ−(ETFE)からなるフッ素系樹脂が経済性等の観点からも特に好ましい。また、フッ素系樹脂層に用いる樹脂はこの樹脂層の成形性を高める観点から、耐湿熱性、耐熱性、耐侯性等が損なわれない範囲でフッ素系樹脂と相溶性が高い樹脂を混合してアロイ化したものでもよく、具体例としてはフッ素系樹脂に対してポリメチルメタアクリレートを5〜50質量%混合したものでもよい。なお、不燃性組成物層の劣化の防止性能を更に高める観点からフッ素系樹脂中に酸化チタン等を含有させても良い。フッ素系樹脂層の厚みは経済性と不燃性組成物層の劣化の防止性能の観点から更に好ましい範囲は0.01〜0.1mmである。
本実施形態に係る太陽電池用不燃化シートは、300℃以上に加熱されると3倍以上に体積膨張する厚さ0.01mm以上の不燃性組成物層と厚さ0.05〜0.5mmの延伸ポリエステル樹脂層とを含む積層構造であってもよい。延伸ポリエステル樹脂層を含む積層構造とすることにより、シートの機械的強度を高め、シートのハンドリング性を高めることができる。延伸ポリエステル樹脂層の厚みの更に好ましい範囲は、経済性とハンドリング性の観点から、0.1〜0.4mmである。
[不燃化シートの製造方法]
本実施形態に係る太陽電池用不燃化シートの製造方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製造することができる。例えば、不燃性組成物層を構成する原料をストランドダイが取付けられた二軸押出機に投入し、ペレット化したコンパウンドを作製、このペレットをTダイが取付けられた押出機に投入して冷却ロールに押出し、シート状或いはフィルム状に成形するTダイ法や、不燃性組成物層を構成する原料をミキサー等で混練して得たコンパウンドをロール成形やカレンダー成形でシート状或いはフィルム状に成形する方法等により、不燃性組成物のフィルム或いはシートを得る。本実施形態においては、これをそのまま太陽電池用不燃化シートとして使用することもできるが、更にこの不燃性組成物のシート或いはフィルムを用いて積層構造の不燃化シートを得る場合も、その製造方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製造することができる。例えば、不燃性組成物層、延伸ポリエステル樹脂層及びフッ素系樹脂層からなる3層構成の積層シートを製造する場合、延伸ポリエステル樹脂層及びフッ素系樹脂層に用いるそれぞれのシート或いはフィルムとして、市販のものや公知の製法で得られたものが使用でき、前記の不燃性組成物のシート或いはフィルム、延伸ポリエステル樹脂のシート或いはフィルム、及びフッ素系樹脂のシート或いはフィルムをこの順で重ね合わせ、2本の加熱ロールの間に通して材料を溶かしながら圧着させる熱ラミネート加工や各シート或いはフィルムの間に接着剤を塗工して圧着させるドライラミネート加工等の方法によって製造することができる。
本実施形態に係る太陽電池用不燃化シートの製造方法は、特に限定されるものでなく、公知の方法で製造することができる。例えば、不燃性組成物層を構成する原料をストランドダイが取付けられた二軸押出機に投入し、ペレット化したコンパウンドを作製、このペレットをTダイが取付けられた押出機に投入して冷却ロールに押出し、シート状或いはフィルム状に成形するTダイ法や、不燃性組成物層を構成する原料をミキサー等で混練して得たコンパウンドをロール成形やカレンダー成形でシート状或いはフィルム状に成形する方法等により、不燃性組成物のフィルム或いはシートを得る。本実施形態においては、これをそのまま太陽電池用不燃化シートとして使用することもできるが、更にこの不燃性組成物のシート或いはフィルムを用いて積層構造の不燃化シートを得る場合も、その製造方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製造することができる。例えば、不燃性組成物層、延伸ポリエステル樹脂層及びフッ素系樹脂層からなる3層構成の積層シートを製造する場合、延伸ポリエステル樹脂層及びフッ素系樹脂層に用いるそれぞれのシート或いはフィルムとして、市販のものや公知の製法で得られたものが使用でき、前記の不燃性組成物のシート或いはフィルム、延伸ポリエステル樹脂のシート或いはフィルム、及びフッ素系樹脂のシート或いはフィルムをこの順で重ね合わせ、2本の加熱ロールの間に通して材料を溶かしながら圧着させる熱ラミネート加工や各シート或いはフィルムの間に接着剤を塗工して圧着させるドライラミネート加工等の方法によって製造することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る耐火性太陽電池モジュール(以下、単に「太陽電池モジュール」ともいう。)について説明する。本実施形態の耐火性太陽電池モジュールは、前述した第1の実施形態の太陽電池用不燃化シートを用いたものである。
次に、本発明の第2の実施形態に係る耐火性太陽電池モジュール(以下、単に「太陽電池モジュール」ともいう。)について説明する。本実施形態の耐火性太陽電池モジュールは、前述した第1の実施形態の太陽電池用不燃化シートを用いたものである。
封止材で封止された光電変換セルの太陽光が照射される面(受光面)側の最外層には、白板型板半強化ガラス等と呼ばれる太陽電池用ガラスを配置する。本実施形態に係る太陽電池モジュールでは厚さ2mm以上のガラスを積層し、裏面(非受光面)側の最外層には前述した第1の実施形態の太陽電池用不燃化シートを配置したスーパーストレート構造を成している。本実施形態において、不燃化シートがフッ素系樹脂層を含む積層構造である場合、フッ素系樹脂層が最外層になるように配置することが好ましい。また、これら積層体の周囲には、一般にアルミ合金製のフレーム等が設けられ、太陽電池モジュール全体の強度が高められる。
本実施形態の太陽電池モジュールは、光起電力素子であるバルク結晶シリコン型、薄膜シリコン型または化合物半導体型の光電変換セルをエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)などからなる封止材で封止している。本実施形態においては、燃焼酸素指数が21未満のエチレン−酢酸ビニル共重合体やポリエチレン系共重合体からなる封止材で封止することができる。
本実施形態の耐火性太陽電池モジュールによれば、スーパーストレート構造型の太陽電池モジュールにおいて、着火、延焼性の高い裏面側の有機系材料に不燃化シートを用いることにより、太陽電池モジュールに由来する着火火災、建屋火災時のモジュール延焼による火災の拡大を防止することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について説明する。本実施例においては、以下に示す方法で、実施例1〜20及び比較例1〜5のシートを作製し、太陽電池用不燃化シートの特性とこれを用いて作製した太陽電池モジュールの特性について評価した。
<不燃性組成物>
第1の実施形態に係る太陽電池用不燃化シートの不燃性組成物層となる不燃性組成物のシートを作製するために以下に示す原料を準備した。
(1)−1熱膨張性黒鉛:エア・ウオーター・ケミカル株式会社製、「SS−3」(熱膨張開始温度220℃、300℃での体積膨張率50倍)
(1)−2熱膨張性黒鉛:エア・ウオーター・ケミカル株式会社製、「LTE−U」(熱膨張開始温度220℃、300℃での体積膨張率7倍)
(1)−3熱膨張性黒鉛:伊藤黒鉛工業株式会社製、「9532400A」(熱膨張開始温度180℃、300℃での体積膨張率120倍)
(1)−4熱膨張性黒鉛:伊藤黒鉛工業株式会社製、「9510045」(熱膨張開始温度200℃、300℃での体積膨張率12倍)
(2)ホウ酸:BOR社製のオルトホウ酸(平均粒径=2μm)
(3)水酸化アルミニウム:住友化学株式会社製「C−301R」
(4)ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパン エポキシ レジン株式会社製、「W2811R70」
(5)亜リン酸アルミニウム:太平化学産業株式会社製、「APA―100」(平均粒径=20μm)
(6)水酸化マグネシウム:神島化学工業株式会社製、「マグシードN−4」
(7)ポリプロピレン:住友化学株式会社製、「住友ノーブレンFH3315」(融点=143℃)
(8)エチレン−酢酸ビニル共重合体:日本ポリエチレン株式会社製、「ノバテックTM EVA LV440」(ビカット軟化点=73℃)
(9)シリコーン樹脂:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、「YR3370」(ビカット軟化点109℃)
第1の実施形態に係る太陽電池用不燃化シートの不燃性組成物層となる不燃性組成物のシートを作製するために以下に示す原料を準備した。
(1)−1熱膨張性黒鉛:エア・ウオーター・ケミカル株式会社製、「SS−3」(熱膨張開始温度220℃、300℃での体積膨張率50倍)
(1)−2熱膨張性黒鉛:エア・ウオーター・ケミカル株式会社製、「LTE−U」(熱膨張開始温度220℃、300℃での体積膨張率7倍)
(1)−3熱膨張性黒鉛:伊藤黒鉛工業株式会社製、「9532400A」(熱膨張開始温度180℃、300℃での体積膨張率120倍)
(1)−4熱膨張性黒鉛:伊藤黒鉛工業株式会社製、「9510045」(熱膨張開始温度200℃、300℃での体積膨張率12倍)
(2)ホウ酸:BOR社製のオルトホウ酸(平均粒径=2μm)
(3)水酸化アルミニウム:住友化学株式会社製「C−301R」
(4)ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパン エポキシ レジン株式会社製、「W2811R70」
(5)亜リン酸アルミニウム:太平化学産業株式会社製、「APA―100」(平均粒径=20μm)
(6)水酸化マグネシウム:神島化学工業株式会社製、「マグシードN−4」
(7)ポリプロピレン:住友化学株式会社製、「住友ノーブレンFH3315」(融点=143℃)
(8)エチレン−酢酸ビニル共重合体:日本ポリエチレン株式会社製、「ノバテックTM EVA LV440」(ビカット軟化点=73℃)
(9)シリコーン樹脂:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、「YR3370」(ビカット軟化点109℃)
(実施例1)
<不燃性組成物のシートの作製>
二軸混練機を用い、前記(1)−1の熱膨張性黒鉛30kg、ホウ酸30kg、水酸化アルミニウム60kg、ビスフェノールA系エポキシ樹脂150kgを120℃で混練し、不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は11.1質量%)のコンパウンドを得た。次にこのコンパウンドを120℃、5MPaの条件で加熱プレス機を用いてシート化し、太陽電池用不燃化シートの不燃性組成物層となる厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。
<不燃性組成物のシートの作製>
二軸混練機を用い、前記(1)−1の熱膨張性黒鉛30kg、ホウ酸30kg、水酸化アルミニウム60kg、ビスフェノールA系エポキシ樹脂150kgを120℃で混練し、不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は11.1質量%)のコンパウンドを得た。次にこのコンパウンドを120℃、5MPaの条件で加熱プレス機を用いてシート化し、太陽電池用不燃化シートの不燃性組成物層となる厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。
<太陽電池モジュールの作製>
次に、前述した方法で作製した不燃性組成物のシートを不燃化シートとして用い、スーパーストレート型太陽電池モジュールを作製した。具体的には、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)からなる封止材シ−ト、直列配線を組んだ4枚の多結晶シリコンセル、厚さ400μmのEVA樹脂からなる封止材シート、不燃化シート(バックシート)の順に積層し、真空ラミネータ中にて1気圧、135℃で20分間加圧、加熱して積層し、太陽電池モジュ−ルを作製した。なお、前記EVA樹脂からなる封止材シートはサンビック社製の酸素指数19のものを使用した。
次に、前述した方法で作製した不燃性組成物のシートを不燃化シートとして用い、スーパーストレート型太陽電池モジュールを作製した。具体的には、厚さ3mmのガラス板、厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)からなる封止材シ−ト、直列配線を組んだ4枚の多結晶シリコンセル、厚さ400μmのEVA樹脂からなる封止材シート、不燃化シート(バックシート)の順に積層し、真空ラミネータ中にて1気圧、135℃で20分間加圧、加熱して積層し、太陽電池モジュ−ルを作製した。なお、前記EVA樹脂からなる封止材シートはサンビック社製の酸素指数19のものを使用した。
<評価方法>
得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)及び太陽電池モジュールを以下の方法で評価した。
(1)不燃化シートの体積膨張率測定
長さ約150mm×幅約150mmに切断した不燃化シートの長さ方向(L1)、幅方向(W1)、厚み(T1)の寸法をノギスで正確に測定した後、300℃に設定したギヤオーブン中に2時間静置した。2時間後ギヤオーブンから取出し、室温(25℃)まで冷却した後、再び不燃化シートの長さ方向(L2)、幅方向(W2)、厚み(T2)の寸法をノギスで測定した。ギヤオーブン投入前後の寸法測定値を下記の式に適用して、300℃加熱時の体積膨張率を算出した。
300℃体積膨張率=((L2×W2×T2)/(L1×W1×T1))×100
(2)不燃化シートの難燃性評価(火炎伝播指数の測定)
ASTM E162に基づく火炎伝播(ラジアントパネル)試験を行い、火炎伝播指数を測定して、不燃化シートの難燃特性を評価した。
得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)及び太陽電池モジュールを以下の方法で評価した。
(1)不燃化シートの体積膨張率測定
長さ約150mm×幅約150mmに切断した不燃化シートの長さ方向(L1)、幅方向(W1)、厚み(T1)の寸法をノギスで正確に測定した後、300℃に設定したギヤオーブン中に2時間静置した。2時間後ギヤオーブンから取出し、室温(25℃)まで冷却した後、再び不燃化シートの長さ方向(L2)、幅方向(W2)、厚み(T2)の寸法をノギスで測定した。ギヤオーブン投入前後の寸法測定値を下記の式に適用して、300℃加熱時の体積膨張率を算出した。
300℃体積膨張率=((L2×W2×T2)/(L1×W1×T1))×100
(2)不燃化シートの難燃性評価(火炎伝播指数の測定)
ASTM E162に基づく火炎伝播(ラジアントパネル)試験を行い、火炎伝播指数を測定して、不燃化シートの難燃特性を評価した。
(3)太陽電池モジュールの発電特性評価
太陽電池モジュール作製前の多結晶シリコンセルの状態での発電特性と、上記不燃化シートを用いて作製した太陽電池モジュールの発電特性を比較した。発電特性の測定は日清紡社製ソーラーシミュレーター(型式:PVS1116i)を用い、測定結果として得られた最大電力、短絡電流、開放電圧、フィルファクタについて比較した。
太陽電池モジュール作製前の多結晶シリコンセルの状態での発電特性と、上記不燃化シートを用いて作製した太陽電池モジュールの発電特性を比較した。発電特性の測定は日清紡社製ソーラーシミュレーター(型式:PVS1116i)を用い、測定結果として得られた最大電力、短絡電流、開放電圧、フィルファクタについて比較した。
(4)太陽電池モジュールの防火性能評価
(4)−1
太陽電池モジュールの裏面から80mm離れた位置にLPガスバーナーの火炎を置き、太陽電池モジュールが着火するまでの時間を測定した。この時のLPガスバーナーの火炎温度は1800℃程度である。5分間の着火試験で着火しなかったものを合格とした。
(4)−2
IEC61730−2で定める火炎拡大試験(Spread of flame test)及び燃焼ブランド試験(Burning brand test)のクラスAにて試験を行った。
(4)−1
太陽電池モジュールの裏面から80mm離れた位置にLPガスバーナーの火炎を置き、太陽電池モジュールが着火するまでの時間を測定した。この時のLPガスバーナーの火炎温度は1800℃程度である。5分間の着火試験で着火しなかったものを合格とした。
(4)−2
IEC61730−2で定める火炎拡大試験(Spread of flame test)及び燃焼ブランド試験(Burning brand test)のクラスAにて試験を行った。
(実施例2)
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を80kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は25.0質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を80kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は25.0質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例3)
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を8kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は3.2質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を8kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は3.2質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例4)
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を235kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は49.5質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を235kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は49.5質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例5)
前記(1)−3の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は11.1質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−3の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は11.1質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例6)
前記(1)−3の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例2と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は25.0質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−3の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例2と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は25.0質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例7)
前記(1)−3の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例3と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は3.2質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−3の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例3と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は3.2質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例8)
前記(1)−3の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例4と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は49.5質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−3の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例4と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は49.5質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例9)
前記(1)−4の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は11.1質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−4の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は11.1質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例10)
前記(1)−4の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例2と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は25.0質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−4の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例2と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は25.0質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例11)
前記(1)−4の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例3と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は3.2質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−4の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例3と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は3.2質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例12)
前記(1)−4の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例4と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は49.5質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−4の熱膨張性黒鉛を用いたこと以外は実施例4と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は49.5質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例13)
ホウ酸30kgの代わりに前記(5)の亜リン酸アルミニウム30kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
ホウ酸30kgの代わりに前記(5)の亜リン酸アルミニウム30kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例14)
ホウ酸30kgの代わりに前記(6)の水酸化マグネシウム30kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
ホウ酸30kgの代わりに前記(6)の水酸化マグネシウム30kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例15)
ビスフェノールA系エポキシ樹脂150kgの代わりに炭化水素系樹脂として、前記(7)のポリプロピレン150kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
ビスフェノールA系エポキシ樹脂150kgの代わりに炭化水素系樹脂として、前記(7)のポリプロピレン150kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例16)
ビスフェノールA系エポキシ樹脂150kgの代わりに前記(8)のエチレン−酢酸ビニル共重合体150kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
ビスフェノールA系エポキシ樹脂150kgの代わりに前記(8)のエチレン−酢酸ビニル共重合体150kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例17)
ビスフェノールA系エポキシ樹脂150kgの代わりに前記(9)のシリコーン樹脂150kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
ビスフェノールA系エポキシ樹脂150kgの代わりに前記(9)のシリコーン樹脂150kgを用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例18)
<フッ素系樹脂フィルムの作製>
ポリフッ化ビニリデン樹脂80質量部(67質量%)と、ポリメタクリル酸メチル樹脂20質量部(17質量%)と、ルチル型結晶の二酸化チタン粉末:20質量部(17質量%)とを、ヘンシェルミキサーにて混合し、フッ素系樹脂のコンパウンドを得た。次にこのコンパウンドを単軸押出機、Tダイ、引取機、巻取機を備えたTダイ押出製膜ラインを使用して押出機バレル温度230℃の条件でフィルム化し、積層構造不燃化シートのフッ素系樹脂層となる厚み0.02mmのフッ素系樹脂のフィルムを得た。
<フッ素系樹脂フィルムの作製>
ポリフッ化ビニリデン樹脂80質量部(67質量%)と、ポリメタクリル酸メチル樹脂20質量部(17質量%)と、ルチル型結晶の二酸化チタン粉末:20質量部(17質量%)とを、ヘンシェルミキサーにて混合し、フッ素系樹脂のコンパウンドを得た。次にこのコンパウンドを単軸押出機、Tダイ、引取機、巻取機を備えたTダイ押出製膜ラインを使用して押出機バレル温度230℃の条件でフィルム化し、積層構造不燃化シートのフッ素系樹脂層となる厚み0.02mmのフッ素系樹脂のフィルムを得た。
<積層構造1の不燃化シートの作製>
上述の方法で得たフッ素系樹脂のフィルムと実施例1の方法で得た厚み1mmの不燃性組成物のシートを準備し、これらを重ねあわせて、130℃、5MPaの条件で加熱プレス機を使用して熱ラミネートにより接着し、積層構造1の不燃化シートを得た。
上述の方法で得たフッ素系樹脂のフィルムと実施例1の方法で得た厚み1mmの不燃性組成物のシートを準備し、これらを重ねあわせて、130℃、5MPaの条件で加熱プレス機を使用して熱ラミネートにより接着し、積層構造1の不燃化シートを得た。
<太陽電池モジュールの作製>
上述の方法で得た積層構造1の不燃化シートを用い、フッ素系樹脂層が最外層になるようにして、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(積層構造1の不燃化シート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
上述の方法で得た積層構造1の不燃化シートを用い、フッ素系樹脂層が最外層になるようにして、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(積層構造1の不燃化シート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例19)
<積層構造2の不燃化シートの作製>
上述実施例18の方法で得た厚み0.02mmのフッ素系樹脂のフィルムと、実施例1の方法で得た厚み1mmの不燃性組成物のシート、積層構造不燃化シートの延伸ポリエステル樹脂層となる市販の延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製二軸延伸ポリエステルフィルムE5007、厚み200μm品)を準備し、これらをフッ素系樹脂のフィルム、不燃性組成物のシート、延伸PETフィルムの順で重ねあわせて、130℃、5MPaの条件で加熱プレス機を使用して熱ラミネートにより接着し、積層構造2の不燃化シートを得た。
<積層構造2の不燃化シートの作製>
上述実施例18の方法で得た厚み0.02mmのフッ素系樹脂のフィルムと、実施例1の方法で得た厚み1mmの不燃性組成物のシート、積層構造不燃化シートの延伸ポリエステル樹脂層となる市販の延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製二軸延伸ポリエステルフィルムE5007、厚み200μm品)を準備し、これらをフッ素系樹脂のフィルム、不燃性組成物のシート、延伸PETフィルムの順で重ねあわせて、130℃、5MPaの条件で加熱プレス機を使用して熱ラミネートにより接着し、積層構造2の不燃化シートを得た。
<太陽電池モジュールの作製>
上述の方法で得た積層構造2の不燃化シートを用い、フッ素系樹脂層が最外層になるようにして、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(積層構造2の不燃化シート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
上述の方法で得た積層構造2の不燃化シートを用い、フッ素系樹脂層が最外層になるようにして、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(積層構造2の不燃化シート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(実施例20)
厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)からなる封止材シートの代わりに、厚さ400μmのエチレン性不飽和シラン化合物とポリエチレンをグラフト重合させて得られるグラフト化ポリエチレンのシート(燃焼酸素指数=19)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールの作製を行った。ここで得られた太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。なお、グラフト化ポリエチレンはメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンの100重量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.5重量部とラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド0.1重量部とを混合し、200℃で溶融混練することで得た。
厚さ400μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)からなる封止材シートの代わりに、厚さ400μmのエチレン性不飽和シラン化合物とポリエチレンをグラフト重合させて得られるグラフト化ポリエチレンのシート(燃焼酸素指数=19)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールの作製を行った。ここで得られた太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。なお、グラフト化ポリエチレンはメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンの100重量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2.5重量部とラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド0.1重量部とを混合し、200℃で溶融混練することで得た。
(比較例1)
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を7kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は2.8質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を7kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は2.8質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(比較例2)
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を270kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は52.9質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−1の熱膨張性黒鉛を270kgとしたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は52.9質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(比較例3)
前記(1)−2の熱膨張性黒鉛(300℃での体積膨張率7倍)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は11.1質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−2の熱膨張性黒鉛(300℃での体積膨張率7倍)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は11.1質量%)のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(比較例4)
前記(1)−2の熱膨張性黒鉛(300℃での体積膨張率7倍)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は52.9質量%のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
前記(1)−2の熱膨張性黒鉛(300℃での体積膨張率7倍)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法で厚み1mmの不燃性組成物(熱膨張性黒鉛の含有量は52.9質量%のシートを得た。これを不燃化シートとして用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。ここで得られた不燃化シート(不燃性組成物のシート)と太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(比較例5)
不燃化シートの代わりに、厚み38μmのポリフッ化ビニルフィルム、厚み250μmの延伸PETシート、厚み38μmのポリフッ化ビニルフィルムの順で積層したシートを用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。上述の積層シートと太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
不燃化シートの代わりに、厚み38μmのポリフッ化ビニルフィルム、厚み250μmの延伸PETシート、厚み38μmのポリフッ化ビニルフィルムの順で積層したシートを用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。上述の積層シートと太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
(比較例6)
不燃化シートの代わりに、厚み125μmの耐加水分解PETフィルム、厚み100μmの延伸PETフィルムの順で積層したシートを用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。上述の積層シートと太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
不燃化シートの代わりに、厚み125μmの耐加水分解PETフィルム、厚み100μmの延伸PETフィルムの順で積層したシートを用い、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュールを作製した。上述の積層シートと太陽電池モジュールの評価を実施例1と同一の方法で行った。
以上の評価結果は表1〜表3にまとめて示す。
表1〜表3に示すように、本発明の範囲内で作製した実施例1〜20の不燃性シートは、シート単体の難燃性評価であるラジアントパネル火炎伝播指数において、極めて低い値を示し、難燃性能に優れるものであった。また、実施例1〜20の不燃化シートを用いて作製した太陽電池モジュールは、発電特性において、セル単体で測定した発電特性と大差ないものであった。これは、一般のスーパーストレート型太陽電池モジュールと同等の結果である。本発明の不燃化シートを用いて作製した太陽電池モジュールは、従来のスーパーストレート型太陽電池モジュールを大きく変えることのない構造を有するため、太陽光の透過性、反射性が、スーパーストレート型太陽電池モジュールのそれと同程度に確保できたものと考えられる。更に該太陽電池モジュールは、バーナー着火試験、火炎拡大試験、燃焼ブランド試験のいずれにおいても着火、燃焼、モジュールの破壊等は無かった。これは、本発明の不燃性シートが高い難燃性を有すると共に、高い断熱性と酸素遮断性を有しているため、太陽電池モジュール内部の可燃性材料を火種や温度上昇から保護することができたものと考えられる。
これに対して、比較例1に示したものは、ラジアントパネル火炎伝播指数は大きな値となった。これは、不燃性組成物層の体積膨張が小さく、断熱性が不足しているため、測定中に不燃性組成物中の樹脂分が連続的に燃焼し、火炎の伝播が起こったためである。また、比較例1の不燃性シートを用いて作製した太陽電池モジュールは、バーナー着火試験において、試験開始から3分後にモジュール裏面(バックシート面)の着火、燃焼が起こり、最終的には封止材が燃焼しながら、ガラス、太陽電池セルの破壊が発生した。これは、不燃性シートの体積膨張率が十分でないため、断熱性が不足となり、モジュール内部の封止材がガス化し、これに着火したものと考えられる。
比較例2及び4に示したものは、ラジアントパネル火炎伝播指数は小さな値となり、これを用いて作製した太陽電池モジュールの火炎拡大試験、燃焼ブランド試験は合格であったが、バーナー着火試験において、4分後に着火燃焼した。これは、不燃性組成物層の熱膨張性黒鉛の配合量が多すぎ、加熱膨張時の不燃性組成物層の形状保持性が悪化し、空気の遮断性能が悪くなったため、内部の封止材の燃焼が起こったものと考えられる。
比較例3に示したものは、ラジアントパネル火炎伝播指数は大きな値となった。これは、熱膨張性黒鉛の体積膨張率が小さく、不燃性組成物層の体積膨張が小さいため、断熱性が不足し、測定中に不燃性組成物中の樹脂分が連続的に燃焼し、火炎の伝播が起こったためである。また、比較例3の不燃性シートを用いて作製した太陽電池モジュールは、バーナー着火試験において、試験開始から3分後にモジュール裏面(バックシート面)の着火、燃焼が起こり、最終的には封止材が燃焼しながら、ガラス、太陽電池セルの破壊が発生した。これは、不燃性シートの体積膨張率が十分でないため、断熱性が不足となり、モジュール内部の封止材がガス化し、これに着火したものと考えられる。
比較例5及び6に示したものは、現在のスーパーストレート型太陽電池モジュールに多用されるバックシートに近い構成を採用している。これらの場合、ラジアントパネル火炎伝播指数は現在のバックシートに求められている規格(IEC61730規格に規定されている規格値はラジアントパネル火炎伝播指数が100以下)をクリアするものであったが、本発明の不燃性シートに比べて大きな値であった。また、これらのバックシートを用いて作製した太陽電池モジュールは、受光面側(ガラス面)の火災耐性を評価する火炎拡大試験、燃焼ブランド試験においては合格となるものの、非受光面側(バックシート面)からのバーナー着火試験においては試験開始後、短時間でモジュールの着火燃焼が起こり、封止材が燃焼しながら、ガラス、太陽電池セルの破壊が発生した。
以上の結果から、本発明によれば、高い難燃性、断熱性、酸素遮断性を有する太陽電池モジュール用不燃性シートを提供でき、これを裏面保護シート(バックシート)として装着することで防火性能に極めて優れた太陽電池モジュールを実現できることが確認された。
Claims (11)
- 300℃に加熱下の体積熱膨張率が10倍以上の熱膨張性黒鉛を3〜50質量%含有してなる不燃性組成物層を少なくとも1層備えることを特徴とする太陽電池用不燃化シート。
- 不燃性組成物層は熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ホウ酸化合物及び/又はリン酸系化合物を5〜200質量部含有してなることを特徴とした請求項1に記載の太陽電池用不燃化シート。
- 不燃性組成物層は熱膨張性黒鉛100質量部に対して、水酸化アルカリ土類金属塩及び/又は水酸化アルミニウムを10〜500質量部含有してなることを特徴とした請求項1又は2に記載の太陽電池用不燃化シート
- 不燃性組成物層は熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ビスフェノール系エポキシ樹脂又はその誘導体を1〜1000質量部含有してなることを特徴とした請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池用不燃化シート。
- 不燃性組成物層は熱膨張性黒鉛100質量部に対して、融点及び/又はビカット軟化点が200℃以下の炭化水素系樹脂を100〜1000質量部含有してなることを特徴とした請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池用不燃化シート。
- 不燃性組成物層は熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ビカット軟化点が200℃以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体を100〜1000質量部含有してなることを特徴とした請求項1〜5のいずれか一項に記載の太陽電池用不燃化シート。
- 不燃性組成物層は熱膨張性黒鉛100質量部に対して、ビカット軟化点が200℃以下のシリコーン樹脂を1〜1000質量部含有してなることを特徴とした請求項1〜6のいずれか一項に記載の太陽電池用不燃化シート。
- 300℃以上に加熱されると3倍以上に体積膨張する厚さ0.01mm以上の不燃性組成物層と厚さ0.005〜0.2mmのフッ素系樹脂層とを含む積層構造であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の太陽電池用不燃化シート。
- 300℃以上に加熱されると3倍以上に体積膨張する厚さ0.01mm以上の不燃性組成物層と厚さ0.05〜0.5mmの延伸ポリエステル樹脂層とを含む積層構造であることを特徴とした請求項1〜8のいずれか一項に記載の太陽電池用不燃化シート。
- スーパーストレート構造型の太陽電池モジュールにおいて、非受光面側の最外層に請求項1〜9のいずれか一項に記載の太陽電池用不燃化シート、受光面側の最外層に厚さ2mm以上のガラスを配置したことを特徴とする耐火性太陽電池モジュール。
- バルク結晶シリコン型、薄膜シリコン型または化合物半導体型の光電変換セルを燃焼酸素指数が21未満のエチレン−酢酸ビニル共重合体またはポリエチレン系共重合体で封止したことを特徴とする請求項10記載のスーパーストレート構造型の耐火性太陽電池モジュール。
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