JP2011146671A - 太陽電池用積層シート及び太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池用積層シート及び太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】封止樹脂層と、耐久性、難燃性及び寸法安定性に優れるとともに封止樹脂層との接着性が高い外層シートとが積層一体化されてなり、ハンドリング性に優れた太陽電池用積層シート、及びこれを具備する太陽電池モジュールの提供。
【解決手段】下記(I)層と下記(II)層とが積層一体化されてなり、乾燥気流中、150℃で30分間加熱処理した際の下記(II)層の寸法変化率が3%以下である太陽電池用積層シート。
(I)封止樹脂層
(II)前記(I)層と接する面にポリフェニレンエーテルを主成分とする樹脂組成物からなるポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する基材層
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池素子の保護のために用いられる太陽電池用積層シート及びそれを具備する太陽電池モジュールに関する。
近年、地球温暖化などの環境問題に対する意識が高まる中、特に太陽光発電については、そのクリーン性や無公害性という点から期待が高まっている。太陽電池は太陽光のエネルギーを直接電気に換える太陽光発電システムの中心部を構成するものである。その構造としては一般的に、複数枚の太陽電池素子(セル)を直列、並列に配線し、セルを保護するために種々パッケージングが行われ、ユニット化されている。このパッケージに組み込まれたユニットを太陽電池モジュールと呼び、一般的に太陽光が当たる面を透明基材(ガラス/透光性太陽電池シート;フロントシート)で覆い、熱可塑性プラスチック(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)からなる充填材(封止樹脂層)で間隙を埋め、裏面を裏面封止用シート(バックシート)で保護された構成になっている。
これらの太陽電池モジュールは主に屋外で使用されるため、その構成や材質構造などに種々の特性が必要とされる。上記バックシートにおいても、屋外での使用を考慮して十分な耐久性、難燃性、寸法安定性、高い機械強度などが要求される。また、クリーン性や無公害性という点からは環境負荷を低減させることも求められている。さらに、封止樹脂層やジャンクションボックスとの接着性も重要な要求特性として挙げられる。特に、封止樹脂層中の発電素子を有効に保護するためには、当該封止樹脂層との接着性が非常に重要となる。
上記のバックシートとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートといったポリエステルのフィルムや、環状オレフィン共重合体フィルム(以下、「COCフィルム」ということがある)、ポリメチルメタクリレートよりなるフィルムとCOCフィルムとの積層体、ポリプロピレン系樹脂フィルム、フッ素系樹脂フィルムからなるバックシートなどが提案されている。(例えば、特許文献1〜8を参照)
一方、上記の封止樹脂層としては、有機過酸化物を配合したエチレン−酢酸ビニル共重合体が広く使用されている(例えば、特許文献9を参照)。封止樹脂層は、発電素子を衝撃などから保護するために使用温度域における柔軟性が必須であり、そのため常温で持ち運んだり、トリミングなどの加工を行おうとする際に伸びたり弛んだりという不具合が生じてしまい、ハンドリング性に劣るという欠点があった。そのため、厚みを厚くしたり、工程用フィルムと一体化した形態などで供給されている。
これに対し、封止樹脂層と外層シート(バックシート又はフロントシート)を積層一体化した構成(例えば、特許文献10〜12を参照)が提案されている。これにより、封止樹脂層を単独で使用した際のハンドリング性が向上し、また、封止樹脂層と外層シート(バックシート又はフロントシート)をそれぞれ別個に取り扱う際よりも工程が短縮されることが期待できる。
特開2007−70430号公報 特開2007−7885号公報 特開2006−294780号公報 特開2006−198922号公報 特開平8−306947号公報 特開2003−243679号公報 特許第4177590号公報 米国登録特許第5593532号明細書 特開昭58−60579号公報 特開平4−76230号公報 特開2000−91611号公報 特開2000−174298号公報
しかし、特許文献1〜8に提案されているようなバックシートは実用的な面から、耐熱性(寸法安定性)、耐加水分解性といった耐久性や難燃性、耐候性、シートのハンドリング性(加工性)、封止樹脂層やジャンクションボックスとの接着性などの諸特性に関し、必ずしも全てを満足するものではないという問題があった。
次に、特許文献10〜12では封止樹脂層と外層シートとの接着強度を高めるための特段の記載や示唆がなされておらず、その接着強度は十分なものではなく、剥離が生じるなどの問題があった。
さらに、外層シートについても、上記と同様に耐熱性(寸法安定性)、耐加水分解性といった耐久性や難燃性、耐候性、シートのハンドリング性(加工性)、封止樹脂層やジャンクションボックスとの接着性などの諸特性に関し必ずしも全てを満足するものではないという問題があった。
すなわち従来の技術においては、封止樹脂層と、耐久性、難燃性及び寸法安定性に優れるとともに封止樹脂層との接着性が高い外層シートとが積層一体化されることでハンドリング性に優れた太陽電池用積層シート、及びこれを具備する太陽電池モジュールについては提供されていなかった。
そこで本発明の目的は、封止樹脂層と、耐久性、難燃性及び寸法安定性に優れるとともに封止樹脂層との接着性が高い外層シートとが積層一体化されることでハンドリング性に優れた太陽電池用積層シート、及びこれを具備する太陽電池モジュールを提供することにある。
上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明に想到し当該課題を解決した。すなわち、本発明は、
下記(I)層と下記(II)層とが積層一体化されてなり、乾燥気流中、150℃で30分間加熱処理した際の下記(II)層の寸法変化率が3%以下である太陽電池用積層シート。
(I)封止樹脂層
(II)前記(I)層と接する面にポリフェニレンエーテルを主成分とする樹脂組成物からなるポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する基材層
を提供するものである。
さらに、本発明は、上記太陽電池用積層シートを用いてなる太陽電池モジュールを提供するものである。
本発明によれば、封止樹脂層と、耐久性、難燃性及び寸法安定性に優れるとともに封止樹脂層との接着性が高い外層シートとが積層一体化されることでハンドリング性に優れた太陽電池用積層シート、及びこれを具備する太陽電池モジュールを提供することができる。
また、本発明の太陽電池用積層シートは、封止樹脂層とポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する層があらかじめ積層化されていることによって、これを用いることで太陽電池モジュールを製造する工程において、積層、位置合わせ工程、トリミング工程などを簡便に実施することが出来る。
本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態の1つの例としての太陽電池用積層シート、及びこれを具備する太陽電池モジュールについて説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「主成分とする」とは、本発明の太陽電池用積層シートの各層を構成する樹脂の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、樹脂組成物の構成成分全体の50質量%以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であって100質量%以下の範囲を占める成分である。
また、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(JIS K6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、その厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
<(I)層>
本発明の太陽電池用積層シートを構成する層のうち、(I)層は封止樹脂層である。ここで(I)層は特に限定されるものではないが、ポリオレフィン系樹脂又は変性ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなることが好ましい。具体的なポリオレフィン系樹脂及び変性ポリオレフィン系樹脂については以下に例示するが、それらの樹脂は単独で用いられても良く、また2種類以上を混合して使用されても良い。また、(I)層は、各々がポリオレフィン系樹脂又は変性ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層であれば、単層でも良く、2層以上積層してなるものでも構わない。
[ポリオレフィン系樹脂]
前記ポリオレフィン系樹脂の種類は特に限定されるものではないが、ポリエチレン系重合体、ポリプロピレン系重合体、環状オレフィン系重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることが好ましい。
[ポリエチレン系重合体]
前記ポリエチレン系重合体の種類としては、特に限定されるものではなく、具体的には超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、又は超高密度ポリエチレンなどが挙げられる。中でも線状低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)が、結晶性が低く、透明性や柔軟性に優れるため、太陽電池素子の発電特性を阻害したり太陽電池素子に過剰な応力を加え損傷の原因になるなどの不具合を生じ難く、好ましい。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。エチレンと共重合するα−オレフィンの種類としては特に限定されるものではないが、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンが好適に用いられる。ここでエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1などが挙げられる。本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点からエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンが好適に用いられる。エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いても構わない。
また、エチレンと共重合するα−オレフィンの含有量としては特に限定されるものではないが、通常2モル%以上、好ましくは3モル%以上、さらに好ましくは5モル%以上であり、かつ、通常40モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは25モル%以下である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難い為好ましい。なお、エチレンと共重合するα−オレフィンの種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
前記ポリエチレン系重合体の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が採用できる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法など、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法などが挙げられる。封止樹脂層として用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は比較的軟質の樹脂であることが好ましく、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さや原料ペレットのブロッキング防止などの観点から低分子量成分が少なく分子量分布の狭い原料が重合できるシングルサイト触媒を用いた重合方法が好適である。
本発明に用いられるポリエチレン系重合体の具体例としては、プライムポリマー(株)製の商品名「ハイゼックス(Hizex)」、「ネオゼックス(Neozex)」、「ウルトゼックス(Ultzex)」、日本ポリエチレン(株)製の商品名「ノバテック(Novatec)HD」、「ノバテックLD」、「ノバテックLL」ダウ・ケミカル(株)製の商品名「エンゲージ(Engage)」、「アフィニティー(Affinity)」「インフューズ(Infuse)」、三井化学(株)製の商品名「タフマーA(TAFMER A)」、「タフマーP(TAFMER P)」、日本ポリエチレン(株)製の商品名「カーネル(Karnel)」などを例示することができる。
[ポリプロピレン系重合体]
前記ポリプロピレン系重合体の種類としては、特に限定されるものではなく、具体的にはプロピレンの単独重合体、プロピレンの共重合体、リアクター型のポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、及びこれらの混合物などが挙げられる。
プロピレンの共重合体としてはプロピレンとエチレン又は他のα−オレフィンとのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)、又はブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)、ゴム成分を含むブロック共重合体あるいはグラフト共重合体などが挙げられる。前記プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセンなどが挙げられ、その1種又は2種以上の混合物が用いられる。
また、プロピレンと共重合するα−オレフィンの含有量としては特に限定されるものではないが、通常2モル%以上、好ましくは3モル%以上、さらに好ましくは5モル%以上であり、かつ、通常40モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは25モル%以下である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難い為好ましい。なお、プロピレンと共重合するα−オレフィンの種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
前記ポリプロピレン系重合体の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が採用できる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法など、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法などが挙げられる。封止樹脂層として用いるプロピレン−α−オレフィン共重合体は比較的軟質の樹脂であることが好ましく、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さや原料ペレットのブロッキング防止などの観点から低分子量成分が少なく分子量分布の狭い原料が重合できるシングルサイト触媒を用いた重合方法が好適である。
本発明に用いられるポリプロピレンの具体例としては、日本ポリプロ(株)製の商品名「ノバテックPP」、「ウィンテック」、プライムポリマー(株)製の商品名「プライムポリプロ」、「プライムTPO」、住友化学(株)製の商品名「ノーブレン」などを例示することができる。
[環状オレフィン系重合体]
前記環状オレフィン系重合体の種類としては、特に限定されるものではなく、具体的には1種以上の環状オレフィンを開環重合して得られる環状オレフィン重合体や、その水素化物、さらに直鎖状α−オレフィンと環状オレフィンのブロック共重合体、及び直鎖状α−オレフィンと環状オレフィンのランダム共重合体などが挙げられる。
前記環状オレフィン系重合体を構成する環状オレフィンの種類は、特に限定されるものではないが、ビシクロヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)及びその誘導体、例えば、ノルボルネン、6−メチルノルボルネン、6−エチルノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネンや、テトラシクロ−3−ドデセン及びその誘導体としては、例えば、8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセン、10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセンなどが挙げられる。本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、ノルボルネンやテトラシクロドデセンなどが好適に用いられる。
前記環状オレフィンと共重合する直鎖状α−オレフィンの種類としては特に限定されるものではないが、通常、炭素数2〜20の直鎖状α−オレフィンが好適に用いられる。ここで環状オレフィンと共重合する直鎖状α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、環状オレフィンと共重合する直鎖状α−オレフィンとしては、エチレンが好適に用いられる。環状オレフィンと共重合する直鎖状α−オレフィンは1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いても構わない。
また、直鎖状α−オレフィンと共重合する環状オレフィンの含有量としては特に限定されるものではないが、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上であり、かつ、通常70モル%以下、好ましくは60モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下である。環状オレフィンの含有量が多くなれば耐熱性、バリア性及び透明性が向上でき、また、含有量が少なくなれば柔軟性が向上でき好適である。環状オレフィンの含有量が該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が発現し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難い為好ましい。なお、直鎖状α−オレフィンと共重合する環状オレフィンの種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
なお、本発明で用いる環状オレフィン系重合体は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−272216号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報などに記載されている公知の方法に準じて製造することができる。
本発明に用いられる環状オレフィン系重合体の具体例としては、三井化学(株)製の商品名「アペル(APEL)」、トパス・アドバンストポリマーズ(株)製の商品名「トパス(TOPAS)」、日本ゼオン(株)製の商品名「ゼオノア(ZEONOR)」「ゼオネックス(ZEONEX)」などを例示することができる。
[変性ポリオレフィン系樹脂]
本発明における(I)層を構成する変性ポリオレフィン系樹脂の種類は特に限定されるものではないが、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)、E−MMA(エチレン−メチルメタアクリレート共重合体)、E−EAA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)、E−GMA(エチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体)、アイオノマー樹脂(イオン架橋性エチレン−メタクリル酸共重合体、イオン架橋性エチレン−アクリル酸共重合体)、シラン架橋性ポリオレフィン、及び無水マレイン酸グラフト共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることが好ましい。
本発明の太陽電池用積層シートは前述のとおり、封止樹脂層である(I)層と、(I)層に接する面にポリフェニレンエーテルを主成分とする樹脂組成物からなるポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する(II)層を積層一体化するものである。この(I)層が前記変性ポリオレフィン系樹脂を主成分として構成されると、その変性基の存在を理由として、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂層との接着性が良好となる。
また、前記変性ポリオレフィン系樹脂を変性する各種モノマーの含有量としては特に限定されるものではないが、通常0.5モル%以上、好ましくは1モル%以上、さらに好ましくは2モル%以上であり、かつ、通常40モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは25モル%以下である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難い為好ましい。なお、変性ポリオレフィン系樹脂を変性する各種モノマーの種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
本発明で用いられる変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、下記に示すアイオノマー樹脂、シラン架橋性ポリオレフィン、無水マレイン酸グラフト共重合体以外は、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法など、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法などにより得ることができる。
アイオノマー樹脂は、エチレンと、不飽和カルボン酸と、任意成分として他の不飽和化合物からなる共重合体の不飽和カルボン酸成分の少なくとも一部を金属イオンもしくは有機アミンのうち少なくともいずれか一方で中和することにより得ることができる。また、アイオノマー樹脂は、エチレンと、不飽和カルボン酸エステルと、任意成分として他の不飽和化合物からなる共重合体の不飽和カルボン酸エステル成分の少なくとも一部を鹸化することによっても得ることができる。
シラン架橋性ポリオレフィンは、ポリオレフィン系樹脂、後述するシランカップリング剤、及び後述するラジカル発生剤を高温で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。
無水マレイン酸グラフト共重合体は、ポリオレフィン系樹脂、無水マレイン酸、及び後述するラジカル発生剤を高温で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。
本発明に用いられる変性ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)としては、日本ポリエチレン(株)製の商品名「ノバテックEVA」、三井・デュポン ポリケミカル(株)製の商品名「エバフレックス(EVAFLEX)」、日本ユニカー(株)製の「NUC」シリーズ、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)としては日本合成化学(株)製の商品名「ソアノール」、(株)クラレ製の商品名「エバール」、E−MMA(エチレン−メチルメタアクリレート共重合体)としては住友化学(株)製の商品名「アクリフト」、E−EAA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)としては日本ポリエチレン(株)製の商品名「レクスパール(REXPEARL EEA)」、E−GMA(エチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体)としては住友化学(株)製の商品名「ボンドファスト(BONDFAST)」、アイオノマー樹脂としては、三井デュポンポリケミカル(株)製の商品名「ハイミラン」、シラン架橋性ポリオレフィンとしては三菱化学(株)製の商品名「リンクロン」、無水マレイン酸グラフト共重合体としては三井化学(株)製「アドマー」などを例示することができる。
ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、たとえば、ポリエチレンの場合はMFR(JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.18N)が、好ましくは0.5g/10min以上、より好ましくは2g/10min以上、さらに好ましくは3g/10min以上であり、かつ、好ましくは30g/10min以下、より好ましくは25g/10min以下、さらに好ましくは20g/10min以下であるものが用いられる。ここで、MFRは、シートを成形する際の成形加工性や太陽電池素子(セル)を封止する時の接着性、回り込み具合などを考慮して選択すればよい。例えば、シートをカレンダー成形する場合には、シートを成形ロールから引き剥がす際のハンドリング性からMFRは、比較的低い方、具体的には0.5g/10min以上、5g/10min以下が好ましく、また、Tダイを用いて押出成形する場合には、押出負荷を低減させ押出量をUPさせる観点からMFRは、好ましくは2g/10min以上、さらに好ましくは3g/10min以上であり、かつ、好ましくは30g/10min以下、さらに好ましくは20g/10min以下であるものを用いればよい。さらに、太陽電池素子(セル)を封止する時の接着性や回り込み易さの観点からは、MFRは、好ましくは2g/10min、さらに好ましくは3g/10min以上であり、かつ、好ましくは30g/10min以下、さらに好ましくは20g/10min以下であるものを用いればよい。
本発明における(I)層を構成する樹脂組成物には、本発明の趣旨を超えない範囲で、諸物性(柔軟性、耐熱性、透明性、接着性など)や成形加工性あるいは経済性などをさらに向上させる目的で上述したポリオレフィン系樹脂や変性ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を混合することができる。
該樹脂としては、例えば、他のポリオレフィン系樹脂や各種エラストマー(オレフィン系、スチレン系など)、カルボキシル基、アミノ基、イミド基、水酸基、エポキシ基、オキサゾリン基、チオール基などの極性基で変性された樹脂及び粘着付与樹脂などが挙げられる。
該粘着付与樹脂としては、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、又はそれらの水素添加誘導体などが挙げられる。具体的には、石油樹脂としては、シクロペンタジエン又はその二量体からの脂環式石油樹脂やC9成分からの芳香族石油樹脂があり、テルペン樹脂としてはβ−ピネンからのテルペン樹脂やテルペン−フェノール樹脂が、また、ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジンなどのロジン樹脂、グリセリンやペンタエリスリトールなどで変性したエステル化ロジン樹脂などを例示することができる。また、該粘着付与樹脂は主に分子量により種々の軟化温度を有するものが得られるが、既述のポリオレフィン系樹脂や変性ポリオレフィン系樹脂成分と混合した場合の相溶性、経時的なブリード性、色調や熱安定性などの点から軟化温度が好ましくは100以上、より好ましくは120℃以上で、かつ、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下の脂環式石油樹脂の水素添加誘導体が特に好ましい。上述したポリオレフィン系樹脂や変性ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を混合する場合は、通常、(I)層を構成する樹脂組成物を100質量%とした場合、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
また、本発明における(I)層を構成する樹脂組成物には、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、例えば、ラジカル発生剤(架橋剤/架橋助剤)、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、光拡散剤、造核剤、顔料(例えば白色顔料)、難燃剤、変色防止剤などが挙げられる。本発明においては、ラジカル発生剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤が添加されていることが後述する理由などから好ましい。
[ラジカル発生剤]
ラジカル発生剤(架橋剤/架橋助剤)は、ポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂を封止樹脂層に使用する場合、耐熱性向上や機械強度を高めるなどの目的のため架橋構造を持たせるのに有用である。ラジカル発生剤としては特に制限はないが、有機過酸化物や、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、高分子アゾ化合物などのアゾ化合物、アリル錫、トリエチルボランなどの有機金属化合物などが挙げられる。中でも、有機過酸化物であって、特に100℃以上でラジカルを発生し、半減期10時間の分解温度が70℃以上であるものが反応速度と配合時の安全性の観点から好適に使用される。
このようなラジカル発生剤としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン;2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;3−ジ−t−ブチルパーオキサイド;t−ジクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン;ジクミルパーオキサイド;α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;t−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイドなどを好ましく用いることができる。これらのラジカル発生剤の添加量は、成形加工上、樹脂圧の増加やゲル、フィッシュアイなどの異物の発生を抑制するため、また、成形品からのブリードアウトなどの不具合を抑制するためには、本発明における(I)層を構成する樹脂組成物100質量%に対して5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。また、架橋反応を効率的に進行させるためには0.25質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、0.75質量%以上であることがさらに好ましい。
[シランカップリング剤]
シランカップリング剤は、封止樹脂層の保護材(ガラス、樹脂製のフロントシート、バックシートなど)や太陽電池素子などに対する接着性を向上させるのに有用であり、その例としては、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のような不飽和基、アミノ基、エポキシ基などとともに、アルコキシ基のような加水分解可能な基を有する化合物を挙げることができる。シランカップリング剤の具体例としては、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを例示することができる。本発明においては、接着性が良好であり、黄変などの変色が少ないことなどからγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく用いられる。該シランカップリング剤の添加量は、本発明における(I)層を構成する樹脂組成物100質量%に対して、樹脂圧の増加やゲル、フィッシュアイなどの異物の発生を抑制するため、また、成形品からのブリードアウトなどの不具合を抑制するためには、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。また、接着性を発現させるためには0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましい。
また、シランカップリング剤と同様に、有機チタネート化合物などのカップリング剤も有効に活用できる。
本発明の太陽電池用積層シートは前述のとおり、封止樹脂層である(I)層と、(I)層に接する面にポリフェニレンエーテルを主成分とする樹脂組成物からなるポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する(II)層を積層一体化するものである。この(I)層に前記ラジカル発生剤(架橋剤、架橋助剤)やシランカップリング剤が含まれる場合、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂層との接着性が特に良好となる。
接着性が特に良好となる機構は明確ではないが、ポリフェニレンエーテル系樹脂層の主成分であるポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれる活性水素とラジカル発生剤や、シランカップリング剤の反応性基(アルコキシシラン基)とが反応し架橋構造を形成することで、両層の接着性を著しく向上させているものと推定される。
[酸化防止剤]
酸化防止剤としては、種々の市販品が適用でき、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、硫黄系、ホスファイト系など各種タイプのものを挙げることができる。モノフェノール系としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールなどを挙げることができる。ビスフェノール系としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,9,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカンなどを挙げることができる。
高分子フェノール系としては、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トリフェノール(ビタミンE)などを挙げることができる。
硫黄系としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネートなどを挙げることができる。
ホスファイト系としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(モノ及び/又はジ)フェニルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどを挙げることができる。本発明においては、酸化防止剤の効果、熱安定性、経済性などからフェノール系及びホスファイト系の酸化防止剤が好ましく用いられ、両者を組み合わせて用いることが、添加量に対する酸化防止剤としての効果を高めることができるためさらに好ましい。該酸化防止剤の添加量は、本発明における(I)層を構成する樹脂組成物100質量%に対し、通常0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上であり、かつ、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤としては、種々の市販品が適用でき、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5− クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどを挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2− ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。またトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールなどを挙げることができる。サリチル酸エステル系としては、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどを挙げることができる。該紫外線吸収剤の添加量は、本発明における(I)層を構成する樹脂組成物100質量%に対し、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上であり、かつ、2.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
[耐侯安定剤]
上記の紫外線吸収剤以外に耐候性を付与する耐候安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定化剤が好適に用いられる。ヒンダードアミン系光安定化剤は、紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用することによって著しい相乗効果を示す。ヒンダードアミン系以外にも光安定化剤として機能するものはあるが、着色している場合が多く本発明における(I)層には好ましくない。
ヒンダードアミン系光安定化剤としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などを挙げることができる。該ヒンダードアミン系光安定化剤の添加量は、本発明における(I)層を構成する樹脂組成物100質量%に対し、通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上であり、かつ、0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤及び耐侯安定剤は、一般的に添加量が多くなるほど黄変を引き起こしやすいため、必要最少量の添加にとどめることが好ましく、無添加であることも好ましい実施形態である。
一般に、太陽電池モジュールは発電時の発熱や太陽光の輻射熱などで85〜90℃程度まで昇温する。この際に(I)層が流動するなどの不具合を抑制するためには、(I)層に前述のラジカル発生剤やシランカップリング剤などで架橋構造を形成させる、結晶性樹脂を使用する、ガラス転移点の高い樹脂を使用するなどの手法が挙げられる。結晶性樹脂を使用する場合の好ましい結晶融解ピーク温度、又は非晶性樹脂を使用する場合の好ましいガラス転移温度は100℃以上であり、より好ましくは110℃以上であり、さらに好ましくは120℃以上である。また、160℃以下が好ましく、より好ましくは150℃以下であり、より好ましくは145℃以下であり、さらに好ましくは140℃以下である。上限温度が上記の範囲であれば太陽電池素子の封止工程であまり高温にすることなく封止できるため好適であり、下限温度が上記の範囲であれば(I)層が使用中に流動するなどの不具合を生じ難く好適である。
本発明における(I)層の柔軟性は、適用される太陽電池の形状や厚み、設置場所などを考慮して適宜調整すれば良いが、例えば、動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分の条件で測定した際の、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)が好ましくは1MPa以上、より好ましくは5MPa以上、さらに好ましくは10MPa以上であれば良い。貯蔵弾性率がかかる範囲にあれば、太陽電池素子に過剰な応力がかかり破損したり、太陽電池モジュールに衝撃が加わった際に太陽電池素子が破損したりするなどの不具合を生じ難く好適である。また、好ましくは1000MPa未満、より好ましく500MPa以下、さらに好ましくは100MPa以下であれば良い。貯蔵弾性率がかかる範囲にあれば、シート形状などで本発明における(I)層を採取した場合のハンドリング性が不足したり、シート表面同士のブロッキングが生じたりするなどの不具合を生じ難く、また、可撓性のあるモジュールを作製する際に十分な柔軟性を付与することができて好適である。
本発明における(I)層の全光線透過率は、適用する太陽電池の種類、例えばアモルファスの薄膜系シリコーン型などや太陽電子素子に届く太陽光を遮らない部位(例えば太陽電池素子とバックシートとの間など)に適用する場合には、あまり重視されないこともあるが、太陽電池の光電変換効率や各種部材を重ね合わせる時のハンドリング性などを考慮し、通常、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
[(I)層の製膜方法]
次に、本発明における(I)層の製膜方法について説明する。厚みは特に限定されるものではないが、通常0.03mm以上、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、かつ、1mm程度以下、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下であればよい。
本発明の太陽電池用積層シートは、柔軟性のある(I)層と剛性のある(II)層との積層構成であるため、厚みが薄くてもハンドリング性を低下させることがなく、適用する太陽電池の種類や構成に応じ、また、経済性を鑑みて(I)層を薄肉化しても良い。
(I)層の製膜方法としては、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの溶融混合設備を有し、Tダイを用いる押出キャスト法やカレンダー法などを採用することができ、特に限定されるものではないが、本発明においては、ハンドリング性や生産性などの面からTダイを用いる押出キャスト法が好適に用いられる。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、用いる樹脂組成物の流動特性や製膜性などによって適宜調整されるが、概ね80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは140℃以上であり、かつ、概ね300℃以下、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下であり、ラジカル発生剤やシランカップリング剤などを添加する場合は架橋反応に伴う樹脂圧の増加やフィッシュアイの増加を抑制するために成形温度を低下させることが好ましい。ラジカル発生剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤などの各種添加剤は、予め樹脂とともにドライブレンドしてからホッパーに供給しても良いし、予め全ての材料を溶融混合してペレットを作製してから供給しても良いし、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給しても構わない。また、シート状で得られた本発明における(I)層の表面及び/又は裏面には、必要に応じて、シートを巻物とした場合のシート同士のブロッキング防止や太陽電池素子の封止工程でのハンドリング性やエア抜きのし易さ向上などの目的のためエンボス加工や種々の凹凸(円錐や角錐形状や半球形状など)加工を行っても構わない。さらに、シートを製膜する際に、シート製膜時のハンドリング性を向上するなどの目的のため、別の基材フィルム(延伸ポリエステルフィルム(OPET)や延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)など)と押出ラミネート法やサンドラミネート法などの方法で積層しても構わない。
また、後述するように(II)層におけるポリフェニレンエーテル系樹脂層上に押出ラミネートする、(II)層におけるポリフェニレンエーテル系樹脂層と共押出するなども製造工程を短縮できて好適である。
<(II)層>
本発明の太陽電池用積層シートにおける(II)層は、前記(I)層と接する面にポリフェニレンエーテルを主成分とする樹脂組成物からなるポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する基材層である。(II)層は、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂層のみからなるものでも良く、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂層において前記(I)層と接している面とは反対の面に、他の層を1層以上設けてなるものでもよい。他の層としては、機械強度、絶縁性、耐熱性を発現するための中間層や、ガスバリア性層などが挙げられる。
[ポリフェニレンエーテル系樹脂層]
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂層の主成分であるポリフェニレンエーテルの含有量は、下限値は特に決められないが、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。この範囲であれば、耐久性、難燃性、寸法安定性及び高い機械強度、封止樹脂層などとの高い接着性を達成することができる。
ポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジメトキシ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジクロロメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジブロモメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジトリル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジベンジル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルなどが挙げられる。中でも工業的に入手しやすいことなどから、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好適に使用される。
また、ポリフェニレンエーテルに、スチレン系化合物がグラフトした共重合体であってもよい。スチレン系化合物がグラフト化したポリフェニレンエーテルとしては、上記ポリフェニレンエーテルにスチレン系化合物として、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどをグラフト重合して得られる共重合体が挙げられる。
さらに、ポリフェニレンエーテルは、極性基を有する変性剤により変性されていても構わない。例えば、酸ハライド、カルボニル基、酸無水物、酸アミド、カルボン酸エステル、酸アジド、スルフォン基、ニトリル基、シアノ基、イソシアン酸エステル、アミノ基、イミド基、水酸基、エポキシ基、オキサゾリン基、チオール基などが挙げられる。
本発明で用いるポリフェニレンエーテルとして好ましい分子量の範囲は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)によるポリスチレン換算で測定された重量平均分子量に関して、通常、下限値として好ましくは30000以上、より好ましくは40000以上、さらに好ましくは50000以上であり、また上限値として好ましくは100000以下、より好ましくは90000以下、さらに好ましくは80000以下であり、分子量がこの範囲であれば押出成形性と機械物性、難燃性などのバランスを取ることが出来る。
前述のポリフェニレンエーテルに、押出成形性や耐衝撃性、耐熱性、難燃性、接着性などの物性を向上させる目的で、GPPS(汎用ポリスチレン)、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、SEBS(水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)、SEPS(水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)などのスチレン系樹脂や、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシジル共重合体及びエチレン−プロピレン−g−無水マレイン酸共重合体などのエチレン系樹脂、ポリエステルポリエーテルエラストマー、ポリエステルポリエステルエラストマーなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂を適量配合することが好ましい。
中でも、ポリフェニレンエーテル系樹脂に対する相溶性が優れている上、(I)層との接着性も良好となることから、スチレン系樹脂が好適に使用され、さらに、ブタジエンなどの不飽和炭化水素部位を含まないSEBS(水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)などの水素添加系エラストマーが押出成形時のゲル化やブツなどの不具合が少なく、好適に使用される。
これらの添加量は、前述するポリフェニレンエーテルの質量%を超えない範囲で適量配合することが好ましい。例えば、ポリスチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂は1質量%以上、好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上であり、この範囲で配合することにより溶融加工性、耐衝撃性を向上させることができ、また、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下の添加であれば耐熱性を低下しすぎたり、難燃性を阻害したりするなどの問題がなく好ましい。
ポリフェニレンエーテルは単位骨格中に芳香族環と酸素原子を有しているため、燃焼時に炭化層を形成させやすく、また、活性水素の存在によりラジカル捕捉能を有し、分子鎖の切断を抑制しやすいという特徴から、溶融樹脂の滴下(ドリップ)を発生させることなく難燃性に優れた樹脂である。
さらに、臭化ビフェニルエーテルなどのハロゲン系難燃剤、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物難燃剤、窒素系化合物、アンチモン系化合物などの無機系難燃剤などを添加することで難燃性の向上が可能であるが、環境負荷や、難燃性の付与、機械強度の確保などの観点から下記に記すようなリン系難燃剤が好ましい。
リン系難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリエチルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、キシレニルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、トリアリルホスフェートなどのリン酸エステル系難燃剤、芳香族縮合リン酸エステルなどの縮合リン酸エステル系難燃剤、ホスホニトリル酸フェニルエステルなどのホスファゼン系難燃剤、赤リンなどが好ましく使用され、また、後述する押出温度を考慮すると、沸点や熱分解温度が400℃程度以上の難燃剤が好ましく、工業的に入手が容易で安価なトリフェニルホスフェート、工業的に入手が容易で熱分解温度が高い縮合リン酸エステル、ホスファゼン系難燃剤などが好適である。
これらは30質量%以下で添加されることが好ましく、より好ましくは20質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下である。この範囲であれば、難燃剤を添加することによって耐熱性が低下しすぎることや、溶融加工中に揮発ガスとして環境を汚染することがなく好適である。また、添加部数の下限値としては0.1質量%以上であり、好ましくは1.0質量%以上であり、さらに好ましくは3.0質量%以上である。この範囲であれば、難燃性を向上させる効果が得られるため好適である。
後述するように、ポリフェニレンエーテルを主成分とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を押出成形する場合、比較的高温(260℃〜320℃)で押出成形をすることから、添加する成分にも耐熱性が要求される場合がある。耐熱性の指標としては熱重量分析による重量減少温度が挙げられる。上述したリン系難燃剤については、不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/分で常温から400℃まで加熱した時の5%重量減少温度が、好ましくは150℃以上であり、さらに好ましくは200℃以上であり、より好ましくは250℃以上であり、特に好ましくは275℃以上である。上記範囲であれば、成形加工中にリン系難燃剤が揮発して作業環境を悪化させたり、成形後のシートの難燃性を低下させたり、押出成形中に基材と反応を促進させシート外観を悪化させるなどの不具合を生じがたい。また、上限値は特に制限がなく、押出成形温度以上であれば好ましい。
上記の成分の他に、本発明の特徴及び効果を損なわない範囲で必要に応じて他の附加的成分、例えば、耐熱性や機械強度の向上ため、カーボンフィラー、ガラスフィラー、タルク、マイカなどの無機充填材、押出成形性向上のため、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類など)、難燃性向上のため、難燃助剤、耐久性改良のため、耐候(光)性改良剤、造核剤及び各種着色剤を添加しても構わない。
本発明において使用するポリフェニレンエーテルは、30℃のクロロホルム中で測定した粘度から求めた極限粘度の下限値が0.2dl/g以上であることが好ましく、0.3dl/g以上がより好ましく、0.4dl/g以上であることがさらに好ましい。極限粘度の値がこの範囲であれば、耐熱性、難燃性、機械強度に劣るなどの不具合を生じがたい。また、上限値は0.8dl/g以下であることが好ましく、0.7dl/g以下がより好ましく、0.6dl/g以下がさらに好ましい。極限粘度の値がこの範囲であれば、剪断粘度が高くなりすぎ生産性に劣る等の不具合を生じがたい。
また、成形性を改良するなどの目的で、異なる極限粘度を持つポリフェニレンエーテルを組み合わせて用いても構わない。
商業的に入手可能なポリフェニレンエーテルとしては、SABICイノベーションプラスチックス社より商品名「PPO646」「PPO640」「PPO630」として、旭化成ケミカルズ社より商品名「S201A」「S202」として、それぞれ販売されており入手可能である。
ポリフェニレンエーテル系樹脂層は、透明でも良いし、着色しても構わない。着色する目的としては、主にバックシートとして使用した場合に、太陽電池セルを透過した太陽光線を反射或いは吸収させ、発電効率を高める目的と、紫外線を反射或いは吸収させることにより本発明の太陽電池用積層シート構成材の紫外線劣化を防ぎ、太陽電池用積層シートの耐候性、耐久性、耐熱性、熱的寸法安定性、強度などの諸特性を向上させる目的が挙げられる。特に、太陽光を反射し、発電効率を向上させる点においては、白色化が有効である。
また更に、黒色化を始めとする各種着色により太陽電池モジュールの意匠性、装飾性を向上することができる。
なお、光反射性着色層における「光反射」には、光反射とともに光散乱も包含する。
着色方法としては、着色剤として顔料を分散添加する方法や、基材に非相溶なポリマーや微粒子を添加し、フィルム延伸時にブレンド界面で空隙、気泡を形成させる方法などを用いることができる。
着色に用いる顔料としては、白色顔料、黒色顔料などが好ましく挙げられる。白色顔料としては、特に限定されるものではないが、例えば炭酸カルシウム、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸鉛、硫酸バリウム、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性珪酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポンなどを使用することができる。酸化チタンとしては、ルチル型の方がアナターゼ型よりも光線を長時間照射した後の黄変が少なく、色差の変化を抑制するのに適していることから好ましい。
上記白色顔料の中でも、安定性、非重金属化合物の点から、ルチル型酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び二酸化珪素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の無機微粒子が好ましく、硫酸バリウム、ルチル型酸化チタンがより好ましく、硫酸バリウムが更に好ましい。
硫酸バリウムは、物理的にも化学的にも安定であり、可視光線のほぼ全領域にわたって99%以上の反射率を示す良好な白色素材であり、白色の基準として用いられる物質である。また、着色化性、隠蔽性の高い材質であり、効率的に白色化が行われ、太陽電池用バックシートとして光線反射性効果が高い。
また、黒色顔料としては、特に限定されるものではないが、カーボンブラック、黒色酸化鉄などが用いられ、中でも、長期安定性などの観点からカーボンブラックが好ましく用いられる。その他の色(青色、赤色、黄色など)を発現させるためには、染料や顔料を添加させること上述した樹脂に添加することが挙げられるが、長期安定性の観点から顔料の添加のほうが好ましい。
上述のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテルに上述の成分を加えて形成されるが、あらかじめ混合されている市販品を購入して使用しても構わない。
商業的に入手可能なポリフェニレンエーテル系樹脂組成物としては、SABICイノベーションプラスチックス社より商品名「ノリルPX9406」「ノリルLTA1350」「ノリルN300」として、旭化成ケミカルズ社より商品名「ザイロン540Z」「ザイロン640Z」「ザイロン740Z」として、三菱エンジニアリングプラスチックス社より「ユピエースLN91」「ユピエースAN70」「ユピエースAH90」「ユピエースTX903B」「レマロイBX528−A3」として、それぞれ販売されており入手可能である。
本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂層は従来公知の方法により作製することができる。
各配合剤は事前に混練しても、製膜時に一括して混練しても良い。
成形方法は、押出、カレンダー、流延のいずれの方式でも良いが、薄膜品採取のしやすさと生産効率の観点から、押出成形が好ましい。この時、比較的高温(260℃〜320℃程度)で押出成形をすることから、成形時にメヤニ(樹脂付着物)や異物などの熱分解生成物を発生し、得られるフィルム又はシートの外観が損なわれ易い。この対策としては、口金のリップギャップを開放し剪断速度を落とす方法や口金流路面にメッキを施す方法、ポリフェニレンエーテル系樹脂層と金属との滑り性が良いその他の樹脂(例えば高密度ポリエチレン樹脂)を共押出する方法や、ポリフェニレンエーテル系樹脂層と前記(I)層と共押出し、本発明の太陽電池用積層シートを得る方法などがある。その他の樹脂を共押出する場合、通常は冷却固化後にその他の樹脂を剥離する。但し、その他の樹脂を本発明の太陽電池用シートに積層して使用する場合には、当該その他の樹脂を片面だけ剥離しない態様を取ることもできる。
押出成形を行うためには、高化式フローテスターによって測定される剪断粘度が、300℃における剪断速度100sec-1 のときに50Pa・s(500poise)以上が好ましく、100Pa・s(1000poise)以上がより好ましく、500Pa・s(5000poise)以上がさらに好ましい。剪断粘度がこの範囲であれば物性が劣りすぎるなどの不具合を生じがたく、また、5000Pa・s(50000poise)以下が好ましく、3500Pa・s(35000poise)以下がより好ましく 2000Pa・s(20000poise)以下がさらに好ましい。剪断粘度がこの範囲であれば押出性に欠け、成形機に負荷がかかりすぎることがなく、生産性の観点から好ましい。
剪断粘度を上述の値に調整するためには、ポリフェニレンエーテルの分子量を調整する、スチレン系樹脂やエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などの成分比率を調整する、難燃剤の種類と添加量を調整する、その他可塑剤などを添加する手法がある。
本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂層の荷重たわみ温度は、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがさらに好ましく、140℃以上であることがより好ましい。荷重たわみ温度が100℃以上であれば後述する封止工程における耐熱性に不足し寸法変化が大きくなるなどの不具合を生じがたく、また、上限値は特に定められていないが、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましく、160℃以下であることがさらに好ましい。荷重たわみ温度が200℃以下であれば上述の剪断粘度が高くなりすぎ生産性に劣るなどの不具合を生じがたい。
一般的にポリフェニレンエーテルとポリスチレンとの2成分ブレンド系では、配合比率によって荷重たわみ温度が線形に推移し、ポリフェニレンエーテルが100%から0%までの間で、荷重たわみ温度は約190℃から約80℃まで変化する。従って、荷重たわみ温度を向上させるためには、ポリフェニレンエーテルの含有量を上げることが有効であり、また、荷重たわみ温度を低下させる難燃剤や可塑剤などの添加量を下げたり、ポリフェニレンサルファイドやポリアミドなどの高耐熱性樹脂をブレンドしたり、無機充填材を配合したりすることも有効である。
また、ポリフェニレンエーテルは汎用エンプラとして大量に供給されているため、今後の需要の増加が予想される太陽電池用途として、今後さらに消費量が拡大しても供給安定性を有するという点でも好ましい。
[中間層]
本発明における(II)層には、中間層を形成することにより、太陽電池用積層シート全体としての厚みを増すことができ、機械強度、絶縁性、耐熱性をさらに向上させることができるため、好ましい。中間層を形成する樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系重合体、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。
上記の中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系重合体などのオレフィン系樹脂は耐加水分解性に優れるため耐久性に優れ、また比重が軽いことからシート全体の軽量化にもつながるため好ましく、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂のうち、特に二軸延伸してなるものは非常に高い機械強度(弾性率)を有するため好ましい。フッ素系樹脂は難燃性と耐久性を兼ね備えており物性を向上させる目的では好ましい。
[ガスバリア性層]
ガスバリア性層としては、無機薄膜層を含む層構成のものが好適に使用できる。また、ガスバリア性層として、アルミ箔などの金属薄膜や、熱可塑性高分子を使用することも可能で、通常の包装材料に使用しうる材料であれば特に制限なく用いることができる。
具体的には、エチレン、プロピレン、ブテンなどの単独重合体又は共重合体などのポリオレフィン、環状ポリオレフィンなどの非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロンなどのポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(部分けん化物、EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、アクリレート樹脂などが挙げられる。これらの中では、フィルム物性の点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましい。なかでも、フィルム強度の点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートがより好ましい。更には、耐候性、耐加水分解性の点で、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
無機薄膜層を構成する無機物質としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、水素化炭素など、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物又はそれらの混合物が挙げられる。好ましくは酸化珪素、酸化アルミニウム、水素化炭素を主体としたダイアモンドライクカーボンである。特に、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウムは、高いガスバリア性が安定に維持できる点で好ましい。
化学気相蒸着に使用し得る材料ガスは、少なくとも1種以上のガスからなることが好ましい。例えば、珪素化合物薄膜の形成においては、珪素を含む第一原料ガスに対する第二原料ガスとして、アンモニア、窒素、酸素、水素やアルゴンなどの希ガスを使用することが好ましい。
珪素を含む第一原料ガスとしては、モノシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどを単独、或いは2種組み合わせて使用することができる。
また、原料ガスは、室温において液体でも気体でもよく、液体原料は、原料気化機により気化して装置内へ供給することができる。触媒化学気相成長法においては、加熱触媒体の劣化や反応性・反応速度の点から、モノシランガスが好ましい。
ガスバリア性フィルムの無機薄膜層の形成方法としては、蒸着法、コーティング法などの方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、物理気相蒸着(PVD)、あるいは化学気相蒸着(CVD)などの方法が含まれる。物理気相蒸着法には、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどが挙げられ、化学気相蒸着法には、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)などが挙げられる。
本発明における(II)層は、(I)層と接する面をポリフェニレンエーテル系樹脂層として形成される。さらに、(I)層と接する面の反対面にもポリフェニレンエーテル系樹脂層を形成することで封止材やジャンクションボックスとの長期にわたる接着性、耐久性、難燃性を発現しやすくすることができる。また、上述の中間層やガスバリア性層を形成した複層構成として用いても良い。
複層構成として用いられる際のポリフェニレンエーテル系樹脂層の厚みは、特に制限されるものではないが、難燃性、耐熱性、機械強度などのポリフェニレンエーテル系樹脂層の持つ特性を良好に発揮するためには全体の厚みの50%を超えることが好ましく、65%以上とすることがより好ましく、80%以上とすることがさらに好ましい。本発明において、ポリフェニレンエーテル系樹脂層の厚み比率が全体の厚みの50%を超えるとは、少なくとも(I)層と接する面を含む各ポリフェニレンエーテル系樹脂層の合計の厚みが(II)層全体の厚みの50%を超えることを意味する。
上述した各層を複層化した構成の場合、もしくはポリフェニレンエーテル系樹脂単層の場合の全体の厚みは0.025mm以上であることが好ましく、0.05mm以上がより好ましく、0.075mm以上であることがさらに好ましく、0.1mm以上であることがさらに好ましい。厚みがこの範囲であれば機械強度が不足するなどの不具合を生じがたく、また、上限値は特に決まっていないが、厚くなりすぎるとハンドリング性が低下するため、実用的には0.5mm以下であることが好ましく、0.4mm以下がより好ましく、0.3mm以下がさらに好ましい。
なお、ポリフェニレンエーテル系樹脂層のみからなる構成の場合、組成の異なるポリフェニレンエーテル系樹脂層が複数ある場合も当然構成に含まれる。
上述した各層を複層化する際は、共押出による方法をとっても、公知の接着剤や粘着剤を用いても構わない。本発明におけるポリフェニレンエーテル系樹脂層は接着剤や粘着剤に対し親和性を記し、強固な接着力を有するため容易に複層化が可能である。また、接着剤に対する親和性を向上させる目的で、コロナ放電処理やプラズマ処理、フレーム処理などの公知の手法を用いても構わない。
また、太陽電池モジュールとして形成されるときに最表面となる側、すなわち前記(I)層と接する面とは反対の面に、耐擦傷性や防汚性などの表面特性を発現させるために公知のハードコート処理や防汚処理を施しても構わない。
また、表面の滑り性を向上させ、モジュール組み立て時や施工時のハンドリング性を向上させる目的で、表面に凹凸を形成する処理を施しても構わない。表面に凹凸を形成するためには、フィルム成形時にエンボスを施す方法や、表面層にシリカやタルクなどの無機粒子を入れる方法、無機粒子を含有する層を共押出して、冷却固化後に剥離する方法など、任意の手段を用いて構わない。もちろん、意匠性などの観点からコーティングなど公知の手法を用いて表面を平滑化しても構わない。
本発明において(II)層は難燃性に優れていることが好ましい。難燃性を有することで、たとえば、火災が発生した際の延焼を防止することができ、安全上好ましい。しかし、用途や使用状況によっては必ずしもすべての太陽電池用モジュールに難燃性が要求されるものではないため、本発明においては難燃性に劣るものを積極的に排除するものではない。
難燃性の評価は燃焼試験による燃焼挙動によって判断される。ポリフェニレンエーテルは前述のとおり難燃性に優れる樹脂であり、難燃性を付与するためにはポリフェニレンエーテル系樹脂層におけるポリフェニレンエーテルの含有量を上げる、難燃剤の添加量を上げる、滑剤など成分を少なくする、ポリフェニレンエーテル系樹脂層の全体に対する厚み比率を大きくするなどの手法がある。
一般に太陽電池用積層シートは、外部環境にさらされるため、太陽電池セルを長期間安定して保護するためには、耐久性の1つである耐加水分解性が必要になる。これは、任意の環境下における促進評価後の物性を測定することで評価される。耐加水分解性を付与するには、(添加剤などの)低分子量成分を少なくしたり、加水分解性を有する組成(ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートなど)を少なくしたりすればよい。また、加水分解防止剤(カルボジイミドなど)を混合することも可能である。
引張弾性率や引張破断伸度などで代替される機械強度は、モジュール形成工程におけるハンドリング性や、モジュール設置後の外部衝撃からのセルの保護などのために必要となるが、これを付与するには(II)層の厚みを大きくしたり、エラストマーなどの耐衝撃性を有する成分を添加したりすればよい。
本発明における(II)層の貯蔵弾性率は、適用される太陽電池の形状や厚み、設置場所などを考慮して適宜調整すれば良いが、例えば、動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分の条件で測定した際の、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)が、好ましくは1000MPa以上、より好ましくは1500MPa以上、さらに好ましくは2000MPa以上であれば良い。貯蔵弾性率がかかる範囲にあれば、フィルムの搬送時に伸びてしまったり、皺が入ったりするなどの不具合が生じ難く、また、(I)層と積層一体化した後にも後述するモジュール化工程などにおいてハンドリング性を付与することが出来て好適である。また、上限値は特に制限がないが、好ましくは5000MPa以下、より好ましくは4000MPa以下、さらに好ましくは3000MPa以下であれば良い。貯蔵弾性率がかかる範囲にあれば、フィルムの搬送時に硬すぎてハンドリングし難いなどの不具合を生じ難く好適である。貯蔵弾性率をこの範囲内に調整するためには、(II)層におけるポリフェニレンエーテル系樹脂層の貯蔵弾性率を調整したり、ポリフェニレンエーテル系樹脂層を貯蔵弾性率が高い他の層と複合化したりすれば良い。
また、一般的な封止樹脂である架橋EVAは、架橋工程が150℃程度で、30分ほどである。従って、太陽電池モジュール形成工程(封止工程)においてトラブルを回避するためには、本発明における(II)層が耐熱性を有し、寸法変化が小さいことが必要となる。
耐熱性としては、寸法変化率で評価され、乾燥気流中、150℃で30分間加熱処理した際の(II)層の寸法変化率は、3%以下であり、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下であればよい。寸法変化率がかかる範囲にあれば、生産性に劣るなどの不具合を生じがたく好適である。寸法変化率をこの範囲内に調整するためには、(II)層におけるポリフェニレンエーテル系樹脂層の荷重たわみ温度を前述した所定の値に調整したり、ポリフェニレンエーテル系樹脂層を寸法変化が小さい他の層と複合化したりすればよい。
<太陽電池用積層シート>
本発明の太陽電池用積層シートは、前記(I)層と前記(II)層を積層一体化させてなるものである。前記(I)層と前記(II)層の各々の厚みの好ましい範囲は前述した通りであって、その厚み比は特に制限するものではない。但し、本発明の太陽電池用積層シートの全体厚みとしては、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.15mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上であれば太陽電池モジュールを作製する際のハンドリング性を低下させず、また、好ましくは1.0mm以下、より好ましくは0.8mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下であれば生産性を阻害するなどの不具合が生じ難く、好適である。
本発明の太陽電池用積層シートを作製するために、前記(I)層と前記(II)層を積層する方法としては、特に制限されることなく、従来公知の方法を用いることが出来る。具体的には、(I)層と(II)層を重ね合わせた状態で加熱及び圧着して積層する加熱ラミネート法、(I)層又は(II)層を押し出す際に(II)層又は(I)層を巻き出し、キャストユニット部などで圧着させ積層する押出ラミネート法、(I)層と(II)層を同時に押し出す共押出法、ドライラミネート法、カレンダリング法などが例示できる。
これらは組み合わせて用いても良い。このうち、前記(II)層を事前に製膜した上で、前記(I)層を押出ラミネート法によって積層する方法が、生産性に優れる上、(I)層である封止樹脂層そのもののハンドリング性も向上するため好適である。
また、後述するように太陽電池モジュール製造工程においては、太陽電池素子を封止し、封止材の架橋反応を促進するために150℃程度で、30分ほどの加熱圧着工程を有する場合がある。従って、(I)層と(II)層を積層する際にはハンドリング可能な程度の接着性を発現していれば良い。本発明においては、適用する封止樹脂層との組み合わせにもよるが、加熱圧着工程を経た後に接着性を向上させることも可能である。本発明の太陽電池用積層シートにおいて、0.1MPa(1kgf/cm2)以上、1.0MPa(10kgf/cm2)以下の圧力下で、150℃で30分間加熱処理した後の前記(I)層と前記(II)層の層間における剥離強度は、好ましくは10N/15mm以上、より好ましくは20N/15mm以上、さらに好ましくは30N/15mm以上であればよい。剥離強度がかかる範囲にあれば、太陽電池モジュール製造工程時や、屋根などの構造物に固定して使用する場合や、可撓性のあるモジュールとして使用する場合に、封止樹脂層と外層シートが剥離してしまい水分が流入したり異物が混入したりするなどの不具合を生じ難く、好適である。また、上限値は特に制限されないが、実用上150N/15mm程度であれば十分な接着性を有している。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽電池用積層シート(以下、本積層シートともいう)を用い、太陽電池素子を上部の保護材である透明基板(フロントシート)及び封止樹脂層、下部を本積層シートで固定することにより本発明の太陽電池モジュールを作製することができる。このような太陽電池モジュールとしては、種々のタイプのものを例示することができる。
具体的な例としては、図1に示すように、太陽光受光側から順に、透明基板10、封止樹脂層12、太陽電池素子14A,14B、本発明の太陽電池用積層シート(この場合は、前記太陽電池素子側に(I)層16Aが配置される)16A,16Bが積層されてなり、さらに、(II)層16Bの下面にジャンクションボックス18(太陽電池素子から発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)が接着されてなる。太陽電池素子14A及び14Bは、発電電流を外部へ電導するために配線20により連結されている。配線20は、太陽電池用積層シート16A,16Bに設けられた貫通孔(不図示)を通じて外部へ取り出され、ジャンクションボックス18に接続されている。
太陽電池モジュールは内部へ水分が浸入すると劣化が生じるため、ジャンクションボックスのような付属品を取り付ける際には、太陽電池モジュールの内部に外気が侵入することのないよう、シール性を十分に確保する必要があるが、本発明の太陽電池用積層シートによれば、加熱処理だけで接着できるため、容易で確実に外気の浸入を防ぐことが可能となる。
なお、本発明の太陽電池モジュールにおいて、封止樹脂層が2箇所以上の部位に使用される場合、全ての部位に本発明における(I)層を構成する樹脂組成物と同一の組成物からなる封止樹脂層を用いても構わないし、異なる樹脂組成物からなる封止樹脂層を用いてもよい。当該封止樹脂層を光透過性を必要とする部位に使用する場合は透明でなくてはならないが、下部保護材として用いられる場合は(I)層である封止樹脂層は透明でなくても構わない。
前記透明基板としては、ガラス、又はアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂などの単層もしくは多層のプラスチックシートが使用される。プラスチックの場合は、ガスバリア性を付与する目的で、これに当該太陽電池用積層シートを構成するガスバリア性層と同様にして無機薄膜を形成したり、耐熱性、耐候性、機械強度、帯電性、寸法安定性などを改良する目的で、架橋剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、強化繊維、難燃剤、防腐剤などを添加したり、また、これに各種シートを積層することができる。透明基板の厚みは、強度、ガスバリア性、耐久性などの点から適宜設定できる。
太陽電池素子は、封止樹脂層間に配置され配線される。例えば、単結晶シリコーン型、多結晶シリコーン型、アモルファスシリコーン型、各種化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型などが挙げられる。
本発明の太陽電池用積層シートを用いた場合の太陽電池モジュールの製造方法としては、特に限定されないが、一般的に、透明基板、封止樹脂層、太陽電池素子、本積層シートの順に積層し、位置合わせを行う工程と、それらを真空吸引し加熱圧着する工程、及びはみ出した封止樹脂などを所定の寸法にトリミングする工程を有する。本積層シートは、封止樹脂層とポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する層があらかじめ積層化されていることによって、これを用いることで前記工程における積層、位置合わせ工程、トリミング工程などを簡便に実施することが出来る。
本発明の太陽電池モジュールは、本積層シートの優れた耐久性、難燃性、寸法安定性及び高い機械強度により、小型、大型や屋内、屋外に関わらず各種用途に好適に使用できる。
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
以下に太陽電池用積層シートを作製する際に用いた構成材料を例示する。
(I)層として、下記に示すシートを用いた。
EVA1:ETIMEX製VISTASOLAR(架橋剤含有EVA樹脂)(厚さ0.5mm)
EVA2:三井デュポン製EVAFLEX150を用い、φ25mm二軸押出機にて押出し、20℃のキャストロールで冷却固化することにより厚さ0.5mmのシートを得た。
PO1:三井化学製タフマーA4085を100質量部に対し、架橋剤としてアルケマ吉冨製ルペロックスTBECを1.0質量部添加した原料を用い、同様に厚さ0.5mmのシートを得た。
PO2:三井化学製タフマーA4085を100質量部に対し、シランカップリング剤としてモメンティブ製SILQUESTを0.5質量部添加した原料を用い、同様に厚さ0.5mmのシートを得た。
PO3:住友化学製ボンドファスト7Mを用い、φ25mm二軸押出機にて押出し、40℃のキャストロールで冷却固化することにより厚さ0.5mmのシートを得た。
(II)層として、下記に示すシートを用いた。
PPE1:ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(荷重たわみ温度;150℃、ポリフェニレンエーテル89質量%含有、リン酸トリフェニル7質量%含有 SABICイノベーションプラスチックス社製、商品名「ノリルN300」)を用い、φ65mm押出機、バレル設定温度240〜300℃に設定し、1150mm巾単層口金(設定温度300℃)で押出、80℃に設定したキャストロールで冷却固化することにより0.05mmの厚みのシートを作製した。
PPE2:キャストロールの速度を調整することで、0.05mmの厚みを0.22mmにした以外はPPE1と同様にしてシートを作製した。
PPE3:ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物(荷重たわみ温度;90℃)を用い、キャストロールの設定温度を60℃に設定した他はPPE2と同様にして0.05mmの厚みのシートを作製した。
PET1:ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラーX10S、厚み0.05mm)。
PEN1:ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂フィルム(帝人デュポン(株)製 テオネックスQ51C、厚み0.025mm)。
ETFE1:ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)樹脂フィルム(旭硝子(株)製 アフレックス、厚み0.025mm)。
PET2:白色PET樹脂フィルム(東レ(株)製 ルミラーE20、厚み0.188mm)。
COC1:環状オレフィン系共重合体(COC)樹脂(トパス・アドバンストポリマーズ(株)製 TOPAS6015、厚み0.05mm)を用い、φ25mm二軸押出機にて押出し、80℃のキャストロールで冷却固化することにより厚さ0.05mmのシートを得た。
PC1:ポリカーボネート(PC)樹脂(住友ダウ(株)製 カリバー301)を用いた他はCOC1と同様にして厚さ0.05mmのシートを得た。
PMMA1:ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂フィルム(住友化学(株)製 スミペックスMH)を用いた他はCOC1と同様にして厚さ0.05mmのシートを得た。
太陽電池用積層シートを構成する上記フィルムを用いて下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
(1)耐久性
高度加速寿命試験機(プレッシャークッカー試験機;エスペック製EHS−211M)中、温度120℃、湿度100%、2気圧の条件にて144時間サンプルを処理し、取り出したサンプルの引張破断応力値をJISK7127に準じて、温度20℃、試験速度200mm/分の条件で測定した。初期の測定値に対する加速試験後の測定値の割合(保持率)を%値で測定し、その耐久性を下記基準で評価した。
○:保持率が80%以上
△:保持率が50%以上80%未満
×:保持率が50%未満又はサンプル形状を維持できない
(2)難燃性
長さ200mm×幅50mmに試験片を切り出し、巾方向に円筒状にまき、側面を接着テープで固定した。この円筒をクランプで垂直に固定しクランプを用いて垂直にサンプルを固定し、ガスバーナを用いて20mm炎を下端に3秒間接炎を2回実施し、その難燃性を下記基準で評価した。
○:燃焼持続時間が30秒以内で、溶融樹脂の滴下がない。
×:燃焼持続時間が30秒を超える、あるいは溶融樹脂の滴下がある。
(3)ジャンクションボックス接着性
サンプルにおいて、(I)層とは反対側の面にシリコーンシーラント(モメンティブ社製「TSE392」)を塗布(乾燥後膜厚み:0.5mm)し、その接着力を下記基準で評価した。
○:良好に接着している
×:浮きや剥がれがある 又は、接着しているが容易に剥がれる
参考例1から明らかなように、PPEを用いることで耐久性、難燃性、ジャンクションボックス接着性に優れることが分かる。参考例2、3からPET、PENのポリエステル系樹脂を用いると耐久性、難燃性に劣ることが分かる。参考例4、7からCOC、PMMAを用いると難燃性に劣ることが分かる。参考例5からETFEを用いるとジャンクションボックス接着性に劣ることが分かる。参考例6からPCを用いると耐久性に劣ることがわかる。
次に、表2に示す構成で(I)層と(II)層とを積層し、加熱プレス装置を用いて0.1MPa(1kgf/cm2)以上、1.0MPa(10kgf/cm2)以下の圧力に調整し、設定温度150℃で30分間処理することにより本発明の積層シートを作製し、(I)層の耐熱性、貯蔵弾性率及び(I)層と(II)層の層間の剥離強度について下記の評価をおこなった。その結果を表2に示す。
(4)寸法安定性(耐熱性)
100mm×100mm角にサンプルを切り取り、150℃に設定した循環式オーブン中で30分サンプルを処理した後、(II)層の寸法変位量の原寸に対する割合の絶対値%値で測定し、フィルムの長手方向と直行方向のいずれか大きいほうの値を記し、その寸法安定性を下記基準で評価した。
◎:0.5%以下
○:0.5%を超えて1.0%以下
△:1.0%を超えて3.0%以下
×:3.0%を超える
(5)貯蔵弾性率
アイティ計測(株)製の粘弾性測定装置、商品名「粘弾性スペクトロメーターDVA−200」を用いて、試料(縦4mm、横60mm)を振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、チャック間25mmで横方向(シートの押出機からの流れ方向に直交する方向又はロールの長手方向に直交する方向)について、−150℃から試料が融解して測定が不可になるまで動的粘弾性を測定し、得られたデータから20℃における貯蔵弾性率(E’)(MPa)を求め下記基準で評価した。
◎:2000MPa以上
○:1500MPa以上2000MPa未満
△:1000MPa以上1500MPa未満
×:1000MPa未満
(6)剥離強度
150mm×150mm角にサンプルを切り取り、プレッシャークッカー試験機にて温度120℃、湿度100%、2気圧の条件にて48時間処理した。
未処理のサンプル及び処理済のサンプルについて、15mm巾に切り出し、試験速度50mm/minにて180°剥離強度を測定した結果を下記基準で評価した。
◎:剥離強度が30N/15mm以上
○:剥離強度が20N/15mm以上30N/15mm未満
△:剥離強度が10N/15mm以上20N/15mm未満
×:剥離強度が10N/15mm未満
実施例1では、基材(太陽電池用シート)が破壊してしまうほど強く接着しており、正確な値を得ることができなかった。実施例1〜3より、架橋剤(ラジカル発生剤)が入った封止材では強力な接着性を発現した。実施例4より、シランカップリング剤が入った封止材では強力な接着性を発現した。実施例5,6より、ラジカル発生剤やシランカップリング剤が入っていない系でも、ETFE及びPET基材のもの(比較例1〜3)以上の接着性を示した。また、比較例4より、PPEの荷重たわみ温度が低いものでは強固な接着性が発現するものの、耐熱性が不足していた。
また、実施例1〜6より、耐熱性及び貯蔵弾性率が十分に所望の値を満たしており、太陽電池用積層シートとしての耐熱性やハンドリング性に優れるものであった。
10・・・透明基板
12・・・封止樹脂層
14A,14B・・・太陽電池素子
16A・・・太陽電池用積層シート(I)層
16B・・・太陽電池用積層シート(II)層
18・・・ジャンクションボックス
20・・・配線

Claims (9)

  1. 下記(I)層と下記(II)層とが積層一体化されてなり、乾燥気流中、150℃で30分間加熱処理した際の下記(II)層の寸法変化率が3%以下である太陽電池用積層シート。
    (I)封止樹脂層
    (II)前記(I)層と接する面にポリフェニレンエーテルを主成分とする樹脂組成物からなるポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する基材層
  2. 前記(I)層がポリオレフィン系樹脂又は変性ポリオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる層であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池用積層シート。
  3. 前記(I)層にラジカル発生剤又はシランカップリング剤を含んでなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の太陽電池用積層シート。
  4. 前記(I)層と前記(II)層の層間における剥離強度が10N/15mm以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池用積層シート。
  5. 前記(II)層の動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分の条件で測定した際の、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)が1000MPa以上であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池用積層シート。
  6. 前記(II)層が、前記(I)層と接する面の反対面にもポリフェニレンエーテル系樹脂層を有する基材層であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池用積層シート。
  7. 前記(II)層において、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂層の厚みが前記(II)層全体の厚みの50%を超える比率となることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の太陽電池用積層シート。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の太陽電池用積層シートを用いてなることを特徴とする、太陽電池モジュール。
  9. 前記太陽電池用積層シートにおいて、前記(II)層における前記(I)層と接する面と反対の面にジャンクションボックスが接着されてなることを特徴とする、請求項8に記載の太陽電池モジュール。
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