JP2014049663A - 太陽電池モジュール用一体化シート、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール用一体化シート、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールを製造する際の作業性および生産性をさらに向上させ、かつ品質のより優れた太陽電池モジュールを製造することができる太陽電池モジュール用一体化シート、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の太陽電池モジュール用一体化シート10は、太陽電池モジュールに使用される樹脂シート11と、樹脂シート11に積層されて太陽電池素子を封止するための封止樹脂層12とを含み、樹脂シート11は、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超えるものであり、樹脂シート11と封止樹脂層12とが積層された太陽電池モジュール用一体化シート10は、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール用一体化シート、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法に関し、詳細には、太陽電池モジュールに使用される樹脂シートと封止樹脂層とが予め一体化して積層してなる太陽電池モジュール用一体化シート、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法に関する。
太陽電池モジュールは、一般的に、樹脂シート(バックシート)、封止樹脂層、太陽電池素子(セル)、封止樹脂層、透明前面基板(ガラス、フロントシートなど)をこの順でバックシート側から積層されている。太陽電池モジュールは、例えば、上記の各層を、真空中でラミネート法等を使用して加熱圧着して封止する真空ラミネート法などを使用して製造される。
太陽電池モジュールを製造する際、複数の部材があらかじめ積層された一体化シートを使用する方法が提案されている。例えば、特許文献1では、バックシートと裏面側充填材とを積層して太陽電池モジュール用裏面一体化シートを製造する場合に、バックシートの積層面側に150℃における熱収縮率が1.5%以下の耐熱非伸張基材を設けている。これにより、太陽電池モジュール用裏面一体化シートの裏面側封止樹脂層側への反り(カール)の大きさが軽減され、太陽電池モジュールを構成する層を積層する際の作業性や生産性を向上させる太陽電池モジュール用裏面一体化シートの製造方法が記載されている。
特開2011−49227号公報
しかしながら、特許文献1のような太陽電池モジュール用裏面一体化シートの製造方法では、バックシートと裏面側封止樹脂層との間に耐熱非伸張基材を新たに設ける必要があるため、部材のコスト上昇を招く可能性がある。近年、太陽電池部材の急速なコストダウンの傾向が進んでおり、更なる実用化を図る上で、太陽電池モジュールを製造する際の作業性および生産性をさらに向上させ、かつ品質のより優れた太陽電池モジュールの出現が切望されている。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、太陽電池モジュールを製造する際の作業性および生産性をさらに向上させ、かつ品質のより優れた太陽電池モジュールを製造することができる太陽電池モジュール用一体化シート、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、樹脂シートおよび封止樹脂層を積層させて得られる一体化シートの熱収縮率を所定の値以下に抑えることで、太陽電池モジュールを製造する際の作業性および生産性を大幅に向上させることができ、かつ品質のより優れた太陽電池モジュールを製造することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
この目的を達成するために、本発明に係る太陽電池モジュール用一体化シートは、太陽電池モジュールに使用される樹脂シートと、前記樹脂シートに積層されて太陽電池素子を封止するための封止樹脂層とを含み、前記樹脂シートは、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超えるものであり、前記樹脂シートと前記封止樹脂層とが積層された太陽電池モジュール用一体化シートは、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%以下であることを特徴とする。
また、本発明においては、前記封止樹脂層の厚さが30μm以上1000μm以下であり、前記封止樹脂層が押出ラミネート法または熱ラミネート法により前記樹脂シート上に形成されたものであることが好ましい。
また、本発明においては、前記封止樹脂層は、ASTM2765−95で測定した際のキシレン可溶物を70質量%以上含むことが好ましい。
また、本発明においては、前記封止樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含むことが好ましい。
また、本発明においては、押出ラミネート法または熱ラミネート法により前記太陽電池モジュール用一体化シートを製造する際に押出機から押出された前記太陽電池モジュール用一体化シートの流れ方向に対して直交する方向を横方向としたとき、前記太陽電池モジュール用一体化シートを基板上に設置した時に前記太陽電池モジュール用一体化シートが前記封止樹脂層側へ湾曲して生じる前記基板からの反りの高さが、前記横方向の長さの1/7以下であることが好ましい。
また、本発明においては、前記樹脂シートが前記太陽電池モジュールの裏面側に使用されるバックシートであることが好ましい。
また、本発明においては、前記太陽電池モジュール用一体化シートが前記太陽電池モジュールの裏面側に使用される裏面一体化シートであることが好ましい。
本発明に係る太陽電池モジュールは、上記いずれか一つに記載の太陽電池モジュール用一体化シートを備える。
本発明に係る太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法は、太陽電池モジュールの裏面側に使用され、かつ150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超える樹脂シートの表面に、封止樹脂層を形成する樹脂組成物を押出ラミネート法または熱ラミネート法を用いて押出し、前記封止樹脂層を積層する積層工程と、前記樹脂シートと前記封止樹脂層との積層体をロールで圧着し、前記樹脂シートと前記封止樹脂層とを一体化する一体化工程とを含み、前記積層工程で前記樹脂組成物の温度を150℃以上240℃以下とすること、および/または、前記一体化工程で前記積層体を搬送する搬送速度を3m/分以上30m/分以下とすることを用い、前記太陽電池モジュール用一体化シートを150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率を1.5%以下とすることを特徴とする。
また、本発明の太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法においては、前記樹脂シートを前記太陽電池モジュールの裏面側に使用されるバックシートとして用いることが好ましい。
また、本発明の太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法においては、前記太陽電池モジュール用一体化シートを前記太陽電池モジュールの裏面側に使用される裏面一体化シートとして用いることが好ましい。
本発明によれば、太陽電池モジュール用一体化シートの150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率を1.5%以下とすることにより、太陽電池モジュール用一体化シートが封止樹脂層側に反る割合が小さくなるため、太陽電池モジュールを製造する際の作業性および生産性をさらに向上させ、かつ品質のより優れた太陽電池モジュールを製造することができる。
本発明の実施形態に係る一体化シートの一例を示す拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る一体化シートを用いて製造される太陽電池モジュールの一例を示す拡大断面図である。 一体化シートの反りの測定方法を示す概略図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール用一体化シート(以下、一体化シートと略称することがある)、一体化シートの製造方法および太陽電池モジュールについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。また、以下に開示する構成要素は、適宜組み合わせることが可能である。
<太陽電池モジュール用一体化シート>
本発明の実施形態に係る一体化シートについて説明する。図1は、本実施形態に係る一体化シートの一例を示す拡大断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る一体化シート10は樹脂シート11と封止樹脂層12とを備え、樹脂シート11の一方の表面に封止樹脂層12が積層されている。
なお、本明細書では、樹脂シート11はシート状に加工されたものであるが、フィルムも含む概念である。また、封止樹脂層12は、シート、フィルムも含む概念である。
[樹脂シート]
本実施形態においては、樹脂シート11は、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超えるものである。熱収縮率の上限は特に限定されるものではないが、通常、5%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましい。150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超える樹脂シート11は、入手しやすく経済性に優れる。なお、熱収縮率は、例えば、樹脂シート11の一方の面に線を複数書いた後、150℃で30分間、樹脂シート11を加熱して、加熱前後の線の長さをノギスなどを用いて測定し、複数の線のそれぞれの変化率の平均値から求められる。
一体化シート10で使用される樹脂シート11として用いる材料は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂等の架橋ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、四フッ化エチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が例示される。中でも、樹脂シート11をバックシートとして用いる場合には、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂が好ましく、樹脂シート11をフロントシートとして用いる場合には、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが好ましい。また、樹脂シート11として用いる材料は、樹脂シート11と封止樹脂層12とを一体化する際の温度に耐えられる材料であることが好ましく、通常融点(Tm)が150℃以上であることが好ましい。また、樹脂シートとして用いる基材は、無延伸であってもよいし、一軸延伸されていてもよいし、二軸延伸されていてもよい。
本実施形態においては、樹脂シート11は、上記した材料の少なくとも1種類以上を積層した積層体としてもよい。更に、太陽電池素子に悪影響を与える水蒸気またはガスが侵入することを防止する働きもするため、高い水蒸気バリア性や高いガスバリア性を有する材料を用いて作製されることが好ましい。そこで、樹脂シート11上に、金属薄膜または金属酸化物薄膜を形成させてもよい。
樹脂シート11の具体的な積層構成としては、例えば、樹脂シート11をバックシートとして用いる場合には、PET単独の他、バックシート側から封止樹脂層12側に向けて順に、PET/アルミ箔、PET/PET、PET/シリカ蒸着PET、PET/シリカ蒸着PET/PET、ETFE/PETまたはPET/架橋ポリエチレンなどが例示できる。また、樹脂シート11をフロントシートとして用いる場合には、PET単独の他、フロントシート側から封止樹脂層12側に向けて順に、PET/PET、ETFE/PETまたはPET/架橋ポリエチレンなどを例示できる。積層方法は従来公知のドライラミネート法などが用いられるが特に限定されない。
本実施形態においては、樹脂シート11を構成する全ての層を加算した厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは25μm以上500μm以下であり、更に好ましくは50μm以上400μm以下である。経済性を考慮すると、樹脂シート11は薄いほうが好ましいが、一体化シート10に封止樹脂層12側に曲がった反りが発生した場合には、樹脂シート11は厚い方が一体化シート10の反りが減少しやすい。そのため、樹脂シート11を構成する全ての層を加算した厚さを上記範囲内とすることで、経済性を考慮しつつ、一体化シート10の反りを減少させることができる。
本実施形態においては、樹脂シート11の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、上記の各種の樹脂の1種またはそれ以上を使用し、押出法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法を用いることができる。なお、上記の各種の樹脂を成膜するに際して、例えば、シートの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離型性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、着色性等を改良また改質するため、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。
[封止樹脂層]
次に、封止樹脂層12について説明する。一体化シート10が備える封止樹脂層12は、後述する第2の封止樹脂層とともに太陽電池素子を挟むように設けられる部材である。封止樹脂層12は、太陽電池素子を他の部材に接着させる接着剤として機能するとともに、外部からの衝撃に対して太陽電池素子を保護する機能を有する。
封止樹脂層12は、熱可塑性樹脂を主成分として含む樹脂組成物で形成される。なお、本実施形態において、「主成分」とは、封止樹脂層12を構成する樹脂の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、一般に樹脂組成物の構成成分全体を100質量部とした場合、通常50質量部以上であり、好ましくは65質量部以上、さらに好ましくは80質量部以上であって100質量部以下の範囲を占める成分である。
封止樹脂層12を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂は、封止樹脂層12に要求される特性、積層する際の加工性、一体化シート10の反りなどを考慮すると、熱可塑性を有し、樹脂シート11と封止樹脂層12とを一体化する際の温度に耐え、かつシート状に加工したときに柔軟性を示すものであることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系の樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)系の樹脂、シリコーン系の樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が例示される。これらの樹脂は、必要とされる性能に応じて、1種または2種以上を混合して使用することができる。
中でも、入手し易く、封止樹脂層12に含有される酸成分により周辺部材が腐食されるのを抑制する等の観点から、封止樹脂層12は実質的に架橋しない封止樹脂層であることが好ましい。ここで、実質的に架橋しないとは、ASTM(American Society for Testing and Materials)2765−95で測定した際にキシレン可溶物が70質量%以上含まれることをいい、好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上含まれることをいう。封止樹脂層12は、架橋剤を含まないポリオレフィン系樹脂を主成分として含む樹脂組成物で形成される封止樹脂層であることがより好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂には変性ポリオレフィン系樹脂が含まれるものとする。具体的なポリオレフィン系樹脂および変性ポリオレフィン系樹脂は以下に例示するが、これらの樹脂は単独で用いられてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。また、封止樹脂層12は単層でもよく、2層以上を任意の比率で積層したものでもよい。
(ポリオレフィン系樹脂)
前記ポリオレフィン系樹脂の種類は特に限定されるものではないが、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂および環状オレフィン系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることが好ましい。
(ポリエチレン系樹脂)
前記ポリエチレン系樹脂の種類としては、特に限定されるものではなく、具体的には超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、または超高密度ポリエチレンなどが挙げられる。中でも、エチレン−α−オレフィン共重合体は、結晶性が低く、光の透過率および柔軟性に優れる。このため、エチレン−α−オレフィン共重合体は、太陽電池素子に過剰な応力を加えて太陽電池素子の損傷の原因になる等の太陽電池素子の発電特性を阻害する不具合が生じにくく、好ましい。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。エチレンと共重合するα−オレフィンの種類としては特に限定されるものではないが、通常、炭素数が3〜20のα−オレフィンが好適に用いられる。エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が例示される。本実施形態においては、入手しやすさ、経済性などの観点からエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンが好適に用いられる。エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、エチレンと共重合するα−オレフィンの含有量は、特に限定されるものではないが、共重合に使用するモノマー全体に対して通常2モル%以上40モル%以下であり、好ましくは3モル%以上30モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以上25モル%以下である。α−オレフィンの含有量が上記範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こりにくいため、好ましい。なお、エチレンと共重合するα−オレフィンの種類および含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)装置、その他の機器分析装置で分析することができる。
前記ポリエチレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法を用いることができる。公知の重合方法として、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒、メタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いて、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等を用いる方法が挙げられる。封止樹脂層として用いるエチレン−α−オレフィン共重合体は比較的軟質の樹脂であることが好ましい。そのため、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さ、原料ペレットのブロッキング防止などの観点から、低分子量の成分が少なく分子量分布の狭い原料が重合できるシングルサイト触媒を用いて上記各種の重合方法でポリエチレン系樹脂を製造することが好ましい。
(ポリプロピレン系樹脂)
前記ポリプロピレン系樹脂の種類としては、特に限定されるものではなく、具体的にはプロピレンの単独重合体、プロピレンの共重合体、リアクター型のポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物などが挙げられる。プロピレンの共重合体としては、プロピレンとエチレンまたは他のα−オレフィンとのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)またはブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)、ゴム成分を含むブロック共重合体またはグラフト共重合体等が挙げられる。前記プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとしては、炭素数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が例示され、その1種または2種以上の混合物が用いられる。
また、プロピレンと共重合するα−オレフィンの含有量は特に限定されるものではないが、共重合に使用するモノマー全体に対して通常2モル%以上40モル%以下であり、好ましくは3モル%以上30モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以上25モル%以下である。α−オレフィンの含有量が上記範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こりにくいため好ましい。なお、プロピレンと共重合するα−オレフィンの種類と含有量は、周知の方法、例えば、NMR装置、その他の機器分析装置で分析することができる。
前記ポリプロピレン系樹脂の製造方法は特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法を用いることができる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒、メタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いて、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等を用いる方法が挙げられる。封止樹脂層として用いるプロピレン−α−オレフィン共重合体は比較的軟質の樹脂であることが好ましい。そのため、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さ、原料ペレットのブロッキング防止などの観点から、低分子量成分が少なく分子量分布の狭い原料が重合できるシングルサイト触媒を用いて上記各種の重合方法でポリプロピレン系樹脂を製造することが好ましい。
(環状オレフィン系樹脂)
前記環状オレフィン系樹脂の種類としては特に限定されるものではなく、具体的には1種以上の環状オレフィンを開環重合して得られる環状オレフィン重合体、その水素化物、直鎖状α−オレフィンと環状オレフィンのブロック共重合体、および直鎖状α−オレフィンと環状オレフィンのランダム共重合体などが挙げられる。
前記環状オレフィン系樹脂を構成する環状オレフィンの種類は特に限定されるものではないが、ビシクロヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)およびその誘導体、テトラシクロ−3−ドデセンおよびその誘導体等が挙げられる。ビシクロヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)およびその誘導体として、具体的には、例えば、ノルボルネン、6−メチルノルボルネン、6−エチルノルボルネン、6−n−ブチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン等が例示される。テトラシクロ−3−ドデセンおよびその誘導体としては、具体的には、例えば、8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ−3−ドデセン、10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン等が例示される。本実施形態においては、工業的な入手しやすさや諸特性、経済性などの観点から、ノルボルネンや8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン等が好適に用いられる。
前記環状オレフィンと共重合する直鎖状α−オレフィンの種類は特に限定されるものではないが、炭素数が2〜20の直鎖状α−オレフィン等が好適に用いられる。ここで環状オレフィンと共重合する直鎖状α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が例示される。本実施形態においては、工業的な入手しやすさや諸特性、経済性などの観点から、環状オレフィンと共重合する直鎖状α−オレフィンとしては、エチレンが好適に用いられる。環状オレフィンと共重合する直鎖状α−オレフィンは1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、直鎖状α−オレフィンと共重合する環状オレフィンの含有量は特に限定されるものではないが、共重合に使用するモノマー全体に対して通常5モル%以上70モル%以下であり、好ましくは10モル%以上60モル%以下であり、さらに好ましくは20モル%以上50モル%以下である。環状オレフィンの含有量が多くなれば、耐熱性、バリア性および透明性が向上でき、また、含有量が少なくなれば、柔軟性が向上でき、好適である。環状オレフィンの含有量が上記範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が発現し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こりにくいため、好ましい。なお、直鎖状α−オレフィンと共重合する環状オレフィンの種類および含有量は、周知の方法、例えば、NMR装置、その他の機器分析装置で分析することができる。
なお、本実施形態で用いる環状オレフィン系樹脂は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−272216号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報等に記載されている公知の方法に準じて製造することができる。具体的には、例えばエチレンと環状オレフィンを、炭化水素媒体中、炭化水素可溶性バナジウム化合物およびハロゲン含有有機アルミニウム化合物とから形成される触媒の存在下に共重合させる方法などが例示できる。
(変性ポリオレフィン系樹脂)
前記変性ポリオレフィン系樹脂の種類は特に限定されるものではないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(E−MMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−グリシジルメタアクリレート共重合体(E−GMA)、アイオノマー樹脂(イオン架橋性エチレン−メタクリル酸共重合体、イオン架橋性エチレン−アクリル酸共重合体)、シラン架橋性ポリオレフィンおよび無水マレイン酸グラフト共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることが好ましい。
また、前記変性ポリオレフィン系樹脂を変性する各種モノマーの含有量は特に限定されるものではないが、共重合に使用するモノマー全体に対して0.5モル%以上40モル%以下であり、好ましくは1モル%以上30モル%以下であり、さらに好ましくは2モル%以上25モル%以下である。各種モノマーの含有量が上記範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こりにくいため好ましい。なお、変性ポリオレフィン系樹脂を変性する各種モノマーの種類と含有量は、周知の方法、例えば、NMR装置、その他の機器分析装置で分析することができる。
本実施形態で用いられる変性ポリオレフィン系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、下記に示すアイオノマー樹脂、シラン架橋性ポリオレフィン、無水マレイン酸グラフト共重合体以外は公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いて、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等を用いる方法が挙げられる。
アイオノマー樹脂は、エチレンと、不飽和カルボン酸と、任意成分として他の不飽和化合物からなる共重合体の不飽和カルボン酸成分の少なくとも一部を金属イオンまたは有機アミンのうち少なくともいずれか一方で中和することにより得ることができる。また、アイオノマー樹脂は、エチレンと、不飽和カルボン酸エステルと、任意成分として他の不飽和化合物を含む共重合体の不飽和カルボン酸エステル成分の少なくとも一部を鹸化することによっても得ることができる。
シラン架橋性ポリオレフィンは、ポリオレフィン系樹脂、シランカップリング剤、およびラジカル発生剤を高温で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。
無水マレイン酸グラフト共重合体は、ポリオレフィン系樹脂、無水マレイン酸、およびラジカル発生剤を高温で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。
本実施形態に用いられる変性ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、EVAとしては、日本ポリエチレン(株)製の商品名「ノバテックEVA(NOVATECH−EVA)」、三井・デュポンポリケミカル(株)製の商品名「エバフレックス(EVAFLEX)(登録商標)」、日本ユニカー(株)製の「NUC」シリーズ等を例示することができる。EVOHとしては、日本合成化学(株)製の商品名「ソアノール(SOARNOL)」、(株)クラレ製の商品名「エバール(EVAL)」、E−MMAとしては住友化学(株)製の商品名「アクリフト(ACRYFT)」等を例示することができる。EEAとしては、日本ポリエチレン(株)製の商品名「レクスパール(REXPEARL EEA)」等を例示することができる。E−GMAとしては、住友化学(株)製の商品名「ボンドファスト(BONDFAST)」等を例示することができる。アイオノマー樹脂としては、三井デュポンポリケミカル(株)製の商品名「ハイミラン(HIMILAN)」等を例示することができる。シラン架橋性ポリオレフィンとしては、三菱化学(株)製の商品名「リンクロン(LINKLON)」等を例示することができる。無水マレイン酸グラフト共重合体としては、三井化学(株)製「アドマー(ADMER)」等を例示することができる。
本実施形態で用いられる封止樹脂層12には、柔軟性、耐熱性、透明性、接着性などの種々の物性、成形加工性または経済性などをさらに向上させる目的で上述した以外の樹脂を混合することができる。上述した以外の樹脂としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、イミド基、水酸基、エポキシ基、オキサゾリン基、チオール基、シラノール基などの極性基で変性されたポリオレフィン以外の樹脂および粘着付与樹脂などが挙げられる。
前記粘着付与樹脂としては、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体などが挙げられる。具体的には、石油樹脂としては、シクロペンタジエンまたはその二量体からの脂環式石油樹脂やC9以上の芳香族系石油樹脂などが例示される。テルペン樹脂としては、β−ピネンからのテルペン樹脂やテルペン−フェノール樹脂などが例示される。クマロン−インデン樹脂としては、例えば、クマロン−インデン共重合体や、クマロン−インデン−スチレン共重合体などが例示される。ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジンなどのロジン樹脂、グリセリンやペンタエリスリトールなどで変性したエステル化ロジン樹脂などを例示することができる。また、前記粘着付与樹脂は、主に分子量により種々の軟化温度を有するものが得られる。既述のポリオレフィン系樹脂や変性ポリオレフィン系樹脂成分と混合した場合の相溶性、経時的なブリード性、色調や熱安定性などの観点から、軟化温度が好ましくは100℃以上150℃以下であり、さらに好ましくは120℃以上140℃以下の脂環式石油樹脂の水素添加誘導体が特に好ましい。上述したポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を混合する場合は、本実施形態における封止樹脂層を構成する樹脂組成物100質量%に対して20質量%以下が好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
また、本実施形態において用いられる封止樹脂層12は、必要に応じて、種々の添加剤を含みうる。添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、光拡散剤、造核剤、顔料(例えば白色顔料)、難燃剤、変色防止剤などが挙げられる。
本実施形態において用いられる封止樹脂層12は、例えば単独または複数回の押出ラミネート法などにより形成される。封止樹脂層12を構成する各層をあわせた厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは30μm以上1000μm以下であり、更に好ましくは50μm以上800μm以下である。封止樹脂層12を構成する各層をあわせた厚さが30μm以上であれば、封止樹脂層12としての基本機能を損なうことがなく、封止樹脂層12を構成する各層をあわせた厚さが1000μm以下であれば、封止樹脂層12としての基本機能は十分発揮できる。
図1に示すように、封止樹脂層12は、樹脂シート11側とは反対側の表面12aに、凹凸状のエンボス加工が施されたエンボス加工面13を有してもよい。エンボス加工面13は、封止樹脂層12が樹脂シート11に積層される前または封止樹脂層12が樹脂シート11に積層された後のいずれの場合でも形成することができる。エンボス加工面13の形成方法は、特に限定されるものではなく公知の方法を用いることができる。封止樹脂層12の表面12aにエンボス加工面13が設けられることにより、例えば、一体化シート10を巻き取って保管したり、重ねて保管したりした場合に、隣接する一体化シート10同士が張り付いてしまうブロッキング現象の発生を抑制することができる。また、封止樹脂層12側の表面12aにエンボス加工面13が設けられることにより、太陽電池素子を封止樹脂層12の表面12aに安定して設置することができるため、太陽電池素子を封止する際の作業性を向上させることができる。さらに、太陽電池モジュールの組み立て時に真空ラミネート加工を行う際に、エンボス加工面13の凹部に太陽電池素子が圧着されるためエンボス加工面13の凹部の空気が効率良く排出される。また、一体化シート10を巻き取った場合のブロッキング防止や太陽電池素子を封止する際の作業性や空気抜きのし易さの向上を図る観点から、エンボス加工面13の表面粗さRaは、2.0μm〜13.0μmが好ましく、2.0μm〜10.0μmが更に好ましい。
また、本実施形態においては、封止樹脂層12は、表面12aにエンボス加工面13が形成されているが、封止樹脂層12の表面12aはエンボス加工されることに限定されるものではなく、円錐、角錐形状、半球形状など種々の凹凸形状に加工されてもよい。
本実施形態においては、上述の150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超える樹脂シート11と上述の封止樹脂層12とが積層された一体化シート10は、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%以下になるようにすることが重要である。一体化シート10の150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率の下限は特に限定されるものではないが、通常、0.01%であることが好ましく、0.1%であることがさらに好ましい。150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率がこの範囲であれば、一体化シート10が封止樹脂層12側に反る割合が小さくなるため、太陽電池モジュールを製造する際の作業性および生産性をさらに向上させ、かつ品質のより優れた太陽電池モジュールを製造することができる。なお、一体化シート10の熱収縮率は、樹脂シート11の熱収縮率と同様の方法により行われる。
<太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法>
次に、一体化シート10の製造方法について説明する。一体化シート10は、特に制限されるものではなく、例えば、熱ラミネート法、ドライラミネート法、押出ラミネート法、押出コート法、カレンダーコート法、共押出法など公知の製造方法を用いて製造することができる。
押出ラミネート法を用いる場合、封止樹脂層12の原料である樹脂組成物を押出機を用いて押出機の先端に取り付けたTダイなどで膜状に溶融押出して、予めシート状に製膜された樹脂シート11の表面に封止樹脂層12を積層させる(積層工程)。封止樹脂層12の原料である樹脂組成物を溶融押出しする際の前記樹脂組成物の温度は、好ましくは150℃以上240℃以下であり、さらに好ましくは180℃以上220℃以下である。前記樹脂組成物の温度が上記範囲内であれば、得られる一体化シート10の熱収縮率を低くすることができる。
その後、樹脂シート11と封止樹脂層12との積層体を押出機でロール圧着して一体化し、冷却する(一体化工程)。封止樹脂層12と樹脂シート11との積層体の搬送速度(ライン速度)は、製造設備、押出量、積層体の厚さ、樹脂の組成等にもよるが、3m/分以上30m/分以下であることが好ましく、さらに好ましくは5m/分以上20m/分以下である。これにより、封止樹脂層12が樹脂シート11にロール圧着されてから冷却するまでの時間を十分に確保できるため、得られる一体化シート10の熱収縮率を低くすることができる。
このように、封止樹脂層12の原料である樹脂組成物の温度、および/または、封止樹脂層12と樹脂シート11とをロール圧着した積層体の搬送速度を調整することにより、一体化シート10が得られる。
また、押出ラミネート法により押出機から封止樹脂層12が押出されて樹脂シート11とロール圧着することで一体化シート10が得られるが、押出機から押出される封止樹脂層12の押出し方向が一体化シート10の流れ方向となる。この一体化シート10の流れ方向に対して直交する方向を横方向とする。このとき、一体化シート10を基板上に設置した時に一体化シート10が封止樹脂層12側へ湾曲して生じる基板からの反りの高さは、前記横方向の長さの1/7以下となるのが好ましい。
また、樹脂シート11および封止樹脂層12の材料のコストや製造方法の簡略化を図る観点から、押出ラミネート法を用いて樹脂シート11上に封止樹脂層12を積層する際に、加熱された封止樹脂層12の原料である樹脂組成物を用いることで、封止樹脂層12を樹脂シート11上に積層するのと同時に樹脂シート11を熱処理できるため、好ましい。なお、樹脂シート11の温度は押出機から押出される封止樹脂層12の原料である樹脂組成物の温度により調整される。
本実施形態においては、得られる一体化シート10の熱収縮率を低くするために、封止樹脂層12の原料である樹脂組成物の温度と、封止樹脂層12と樹脂シート11とをロール圧着した積層体をラインで搬送して冷却する際のシートの搬送速度との両方を調整するようにしているが、これに限定されるものではなく、いずれか一方のみを調整するようにしてもよい。また、得られる一体化シート10の熱収縮率を低くする方法は、これに限定されるものではない。例えば、封止樹脂層12と樹脂シート11とをロール圧着する際に用いるロールの内径を調整することによっても、一体化シート10の熱収縮率を低くすることができる。
また、一体化シート10を製造する際に、一体化シート10にアニール処理を施すようにしてもよい。さらに、封止樹脂層12と樹脂シート11とをロール圧着する際、封止樹脂層12と樹脂シート11とをロール圧着した積層体が若干たるむようにして弛緩処理するようにしてもよい。
また、樹脂シート11の表面に封止樹脂層12を積層するようにしているが、樹脂シート11と封止樹脂層12との層間に接着性樹脂を設けてもよい。
熱ラミネート法を用いる場合、押出ラミネート法を用いる場合と同様、封止樹脂層12の原料である樹脂組成物をTダイなどで膜状に溶融押出して、予めシート状に製膜された樹脂シート11の表面に封止樹脂層12を積層させる。封止樹脂層12の原料である樹脂組成物を溶融押出しする際の前記樹脂組成物の温度は、押出ラミネート法を用いる場合と同様、好ましくは150℃以上240℃以下であり、さらに好ましくは180℃以上220℃以下である。そして、樹脂シート11と封止樹脂層12とを重ねた後、誘電ロールの表面温度を100℃以上150℃以下として、加熱ロールで加熱加圧して熱接着させる。封止樹脂層12と樹脂シート11との積層体をロール圧着した後の搬送速度は、押出ラミネート法を用いる場合と同様、製造設備、押出量、積層体の厚さ、樹脂の組成等にもよるが、3m/分以上30m/分以下であることが好ましい。
このように、熱ラミネート法を用いる場合には、誘電ロールの表面温度を上記範囲内としつつ、押出ラミネート法と同様、封止樹脂層12の原料である樹脂組成物の温度、および/または、封止樹脂層12と樹脂シート11とをロール圧着した積層体の搬送速度とを上記のように調整する。これにより、一体化シート10が製造される。
ドライラミネート法を用いる場合、予めシート状に製膜された樹脂シート11の積層面に2液硬化型のポリウレタン系接着剤などを塗布する。そして、ポリウレタン系接着剤を熱風乾燥などにより溶剤成分を除去し、硬化前のタック(粘着性)のある状態で、樹脂シート11の積層面に封止樹脂層12を重ねて圧着し、ロール状に巻き上げる。その後、ロール状に巻き上げた積層体を常温または比較的低い加熱温度で保存して、接着剤を硬化させる際の温度、および/または、処理時間を調整し、接着剤を硬化させて貼り合わせ、一体化シート10を製造する。接着剤を硬化させる際の温度を高くするか、処理時間を長くすることにより、一体化シート10が得られる。
押出コート法を用いる場合、樹脂シート11を基材とし、その積層面に、必要に応じてアンカーコート(プライマーコートの一種)を施した後、その上に封止樹脂層12を構成する樹脂組成物を、Tダイなどで膜状に溶融押出コートしながら、溶融押出コートの際の樹脂温度、および/または、搬送速度を調整し、チルロールで冷却、圧着して積層して、一体化シート10を製造する。溶融押出コートから押出される封止樹脂層12を構成する樹脂組成物の樹脂温度を高くするか、前記樹脂組成物を樹脂シート11に積層した積層体の搬送速度を遅くすることにより、一体化シート10が得られる。
カレンダーコート法を用いる場合、封止樹脂層12を構成する樹脂組成物を、カレンダーで加熱して膜状に成形すると同時に、これを樹脂シート11の積層面に重ねて被覆して圧着した後、冷却して積層し、樹脂シート11と封止樹脂層12を構成する樹脂組成物とを圧着する際の温度、および/または、前記樹脂組成物を樹脂シート11に積層した積層体の搬送速度を調整することにより、一体化シート10を製造する。樹脂シート11と封止樹脂層12を構成する樹脂組成物とを圧着する際の温度を高くするか、前記樹脂組成物を樹脂シート11に積層した積層体の搬送速度を遅くすることにより、一体化シート10が得られる。なお、樹脂シート11の積層面には、必要に応じてアンカーコートを施してもよい。
共押出法を用いる場合、樹脂シート11を構成する樹脂組成物と封止樹脂層12を構成する樹脂組成物とを、フィードブロックまたはマルチマニホールドダイなどで膜状に積層し、チルロールで冷却、圧着して積層して、一体化シート10を製造する。なお、必要に応じて樹脂シート11と封止樹脂層12との間に接着層を介在させてもよい。
このように、一体化シート10は、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超える樹脂シート11を用いても、一体化シート10を150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率を1.5%以下に抑えたものである。樹脂シート11は150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超えるものであるため、入手しやすく経済性に優れるという利点がある。しかし、樹脂シート11を封止樹脂層12にそのまま積層して一体化シートを製造しても得られる一体化シートに反りが発生しやすい。一般に、一体化シートの反りは通常の積層包装材料などにおいても発生するものであるが、特に太陽電池を構成する部材は、手作業で積層され、しかも大面積であるため、一体化シートが反ることで著しく作業性が低下する。また、反りが大きい状態の一体化シートの表面にセルなどを積層した場合、位置合わせの精度も低下し、太陽電池モジュールを作製する際に精度よく重ねることが困難になる。特に、誤って一体化シート10の端部を折り返した状態でラミネートを行った場合には、致命的な外観不良となる。そのため、品質面の問題が生じやすく、製品の歩留まりにも大きく影響する。これに対し、一体化シート10は、熱収縮率が1.5%を超える樹脂シート11を用いた場合においても一体化シート10に対して150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率を1.5%以下としている。これにより、一体化シート10が封止樹脂層12に反る割合を小さくすることができる。このため、一体化シート10を用いて太陽電池モジュールを製造する際、特に真空ラミネートする際の作業性および生産性を向上させることができる。また、外観が良好な太陽電池モジュールを製造することができるため、品質のより優れた太陽電池モジュールを製造することができる。さらに、樹脂シート11の熱収縮率による制約が少なくなることで、使用可能な樹脂シート11の範囲を拡大することができるため、太陽電池モジュールの製造コストの更なる低減を図ることができる。
<太陽電池モジュール>
次に、一体化シート10を用いて製造される太陽電池モジュールの一例について、図2を参照しながら説明する。尚、本一体化シートは太陽電池素子(以下、セルと呼ぶことがある)の上側(フロントシート側)に用いても、セルの下側(バックシート側)に用いても、セルの上下両側に用いてもよい(ただし、樹脂シート11を形成する樹脂の種類や、封止樹脂層12を形成する樹脂の種類は異なっていってもよい。)。なお、樹脂シート11と封止樹脂層12とが共に異なる種類の樹脂を用いて形成される一体化シートを用いて、太陽電池モジュールとすることも当然本実施形態の範囲内である。図2に示す太陽電池モジュールでは、一体化シートの樹脂シートをバックシートとした裏面一体化シートを、セルの下側に用いた例となっている。
図2に示すように、太陽電池モジュール20は、一体化シート(裏面一体化シートとして使用した)10、太陽電池素子(セル)21、第2の封止樹脂層22および透明前面基板(ガラス、フロントシートなど)23を備えている。また、太陽電池モジュール20の裏側(バックシート側)にはジャンクションボックス(太陽電池素子21で発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)24が接着されている。さらに、太陽電池素子21同士は、発電電流を外部へ電導するために配線(リード線)25により連結されている。配線25は、一体化シートに設けられた貫通孔(不図示)を通じてジャンクションボックス24に接続されている。
[太陽電池素子]
太陽電池モジュール20に用いられる太陽電池素子21は、特に制限されるものではないが、例えば、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルルなどのIII−V族またはII−VI族化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型等が挙げられる。太陽電池素子21は一体化シート(裏面一体化シート)10の封止樹脂層12上に複数設けられている。太陽電池素子21同士は発電電流を外部に電導するための配線25により連結されている。
[第2の封止樹脂層]
太陽電池モジュール20に用いられる第2の封止樹脂層22は、特に限定されないが、上述の封止樹脂層12と同様のものを使用することができる。また、上述した通り、太陽電池モジュール20の表面側にも封止樹脂層単独ではなく、後述する透明前面基板の役割と第2の封止樹脂層の役割とをかねて、上述の一体化シートを使用することも可能である。
[透明前面基板]
太陽電池モジュール20に用いられる透明前面基板23としては、特に制限されるものではないが、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素含有樹脂などの板材やフィルムの単層または多層の保護材が挙げられる。また、上述した通りの一体化シートを透明前面基板として使用してもよい。
太陽電池モジュール20の製造方法としては、公知の製造方法を用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、一体化シート10、太陽電池素子21、第2の封止樹脂層22および透明前面基板23をこの順に積層した後、真空吸引等により一体化し、ラミネート法等の成形法により加熱圧着して製造することができる。
(太陽電池モジュールの外観)
太陽電池モジュール20の外観について説明する。一般に、真空ラミネートにより太陽電池モジュールを製造する際、バックシートが熱収縮することにより太陽電池素子および太陽電池素子を繋ぐ配線がバックシートの収縮に追従してしまい、配線が変形したり、太陽電池素子間の間隔が変化してしまう場合があり、バックシートの表面に凸状の突起が発生する現象(以下、凸現象と略称することがある)を起こしやすい。この外観不良による品質の低下、製品歩留りの低下は太陽電池モジュールの信頼性を大きく損なう。一方、太陽電池モジュール20は、熱収縮率の大きい樹脂シート11を使用しても、一体化シート(裏面一体化シート)10の熱収縮率を所定の値以下に抑えている。これにより、一体化シート10の表面の凸現象を抑制することができ、品質のより優れた太陽電池モジュールを製造することが可能である。また、同時に、一体化シート(裏面一体化シート)10が封止樹脂層22側に反る割合を小さくしている。これにより、太陽電池モジュールを製造する際の部材を重ねる作業が容易となり、その位置合わせの精度も向上するため、作業性および生産性を向上させることが可能である。
以上、一体化シート10、その製造方法および太陽電池モジュール20について具体的に説明したが、本実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の構成の範囲において適宜変更を加えて実施することができる。
以下に本実施形態を実施例により具体的に説明するが、これらにより本実施形態は限定されるものではない。
<評価>
各実施例および比較例における一体化シートの熱収縮率、一体化シートの反り、および封止樹脂層を備えた太陽電池モジュールの外観については、次のように評価した。なお、実施例では、押出機を用いて押出ラミネート法により一体化シートを作製する際、押出機からの一体化シートの流れ方向を縦方向とし、その直交方向を横方向とする。
[一体化シートの熱収縮率の測定方法]
縦方向120mm、横方向120mmの大きさに一体化シートの試料を切り取り、一体化シートの樹脂シート面に100mmの線を縦方向に3本書いた後、150℃の熱風オーブンで30分間加熱し、加熱前後の線の長さをノギスを用いて測定し、3本の線の長さの変化率の平均値から一体化シートを150℃で30分間加熱を行った後の一体化シートの熱収縮率を求めた。
[一体化シートの反りの評価方法]
図3に示すように、一体化シート10を縦方向が長辺(297mm)、横方向が短辺(210mm)となる大きさの試験片に切り出し、封止樹脂層側を上側に向けて基板に水平に広げた時の試験片の長辺端部における反りの基板からの高さH(mm)をスケールで測定し、下記基準で評価した。
(○)H≦30mm
(△)30mm<H≦60mm
(×)60mm<H(カールが激しく両端部が重なる場合も含む)
[外観の評価方法]
真空ラミネーター((株)エヌ・ピー・シー製、商品名:NLM−230×360)を用いて、下記太陽電池モジュールの構成のように、光の入射する方向から、ガラス/第2の封止樹脂層/セル/一体化シート(裏面一体化シート)の順となるように積層し、封止樹脂層(一体化シートに用いられる封止樹脂層・第2の封止樹脂層)内のセル同士を配線で接続した太陽電池モジュールを3枚/1バッチ作製し、太陽電池モジュールの表面を120区画に区分してその各区分内で凸現象が生じているか否か観察し、太陽電池モジュールの外観を下記基準で評価を行った。
(太陽電池モジュールの構成)
・太陽電池モジュールの層構成;ガラス/第2の封止樹脂層/セル/一体化シート
・ガラス;商品名:ソレクト、中島硝子工業(株)製、サイズ996mm×1664mm、厚み3.2mm)
・セル;商品名:Q6LTT−200、Qセルズジャパン(株)製
・配線;PVワイヤー(商品名:NoWarp、SSA−SPS、日立電線ファインテック(株)製)
(真空ラミネート法の条件)
・真空引き時間;5分
・プレス保持時間;5分
・圧力条件;1回目(30kPa)、2回目(60kPa)、3回目(70kPa)
・冷却ファン;使用せず
(評価基準)
(○)凸現象がほとんど見られないか微小である(0〜9箇所/120箇所)。
(×)凸現象が多く見られる。また、突起も高い(10箇所以上/120箇所)。
<太陽電池モジュールの構成材料>
以下に、各実施例および比較例で用いた太陽電池モジュールの構成材料を示す。
[封止樹脂層(一体化シートに用いられる封止樹脂層・第2の封止樹脂層)]
封止樹脂層(一体化シートに用いられる封止樹脂層・第2の封止樹脂層)を構成する材料として以下のものを用いた。
(X−1);エチレン−オクテンランダム共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:アフィニティーEG8200G、密度:0.870g/cm3、エチレン/1−オクテン=68/32質量%(89/11モル%)、MFR(温度:190℃、荷重:21.18N):5g/10min)
(X−2);シラン変性エチレン−オクテンランダム共重合体(三菱化学(株)製、商品名:リンクロンSL800N、密度:0.868g/cm3、MFR(温度:190℃、荷重:21.18N):1.7g/10min)
(X−3);エチレンーオクテンブロック共重合体(ダウ・ケミカル(株)製、商品名:インフューズ9000、密度:0.875g/cm3、エチレン/1−オクテン=65/35質量%(88/12モル%)、MFR(温度:190℃、荷重:21.18N):0.5g/10min)
封止樹脂層(一体化シートに用いられる封止樹脂層・第2の封止樹脂層)の構成は、(I)層として、上記(X−1)と(X−2)を、質量比70:30の割合で混合した樹脂組成物を用いた。(II)層として、(X−1)と(X−3)を、質量比95:5の割合で混合した樹脂組成物を用いた。封止樹脂層(一体化シートに用いられる封止樹脂層・第2の封止樹脂層)は、(I)層/(II)層/(I)層の積層構成であり、総厚みが0.50mm、各層のそれぞれの厚みが(I)/(II)/(I)=0.05/0.40/0.05mmとした。
[樹脂シート]
積層面、外面ともに易接着(プライマー)処理を施した透明PETフィルム125μm(商品名:ルミラーS10、東レ(株)製)をバックシートとして使用した。150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が異なる3ロットを使用した(熱収縮率:1.6%、1.7%、1.9%)。
<積層方法>
(実施例1)
上記樹脂シート(熱収縮率:1.7%)上に、封止樹脂層500μmを、同方向二軸押出機を用いたTダイ法により、樹脂組成物の温度180℃、ライン速度を5.6m/minとして、押出ラミネート法によって積層し、一体化シートを作製した。
(実施例2)
樹脂組成物の温度を160℃として封止樹脂層を形成するように変更したこと以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(実施例3)
樹脂組成物の温度を200℃として封止樹脂層を形成するように変更したこと以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(実施例4)
樹脂組成物の温度を220℃として封止樹脂層を形成するように変更したこと以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(実施例5)
ライン速度を2倍(11.2m/min)に変更した以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(実施例6)
樹脂シートの熱収縮率を1.9%のものに変更した以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(実施例7)
樹脂シートの熱収縮率を1.6%のものに変更した以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(実施例8)
誘電ロールの表面温度を125℃として、上記樹脂シートおよび予め作製した封止樹脂層シートを加熱圧着する熱ラミネート法に変更したこと以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(比較例1)
樹脂組成物の温度を150℃として封止樹脂層を形成するように変更したこと以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(比較例2)
ライン速度を4倍(22.4m/min)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(比較例3)
誘電ロールの表面温度を110℃として、上記樹脂シートおよび予め作製した封止樹脂層シートを加熱圧着する熱ラミネート法に変更したこと以外は、実施例1と同様にして一体化シートを作製した。
(比較例4)
封止樹脂層を積層していない樹脂シート(熱収縮率:1.7%)のみとした。
<評価結果>
各実施例および比較例における一体化シートの熱収縮率、一体化シートの反りおよび、一体化シートを用いて作製された太陽電池モジュールの外観のそれぞれの評価結果を表1に示す。
表1に示すように、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超える樹脂シートであっても、一体化シートの熱収縮率が1.5%以下であれば、一体化シートの反りを小さくし、かつ外観の良好な太陽電池モジュールを作製することができることが確認できた(実施例1〜7)。一方、熱収縮率が1.5%よりも高い一体化シートを用いた場合(比較例1〜3)、または封止樹脂層を積層して一体化していない樹脂シートのみを用いた場合(比較例4)では、一体化シートの反りが大きくなり、かつ太陽電池モジュールの外観が不良になることが確認できた。
よって、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超える樹脂シートを用いても、一体化シートの熱収縮率を1.5%以下に抑えることで、一体化シートの反りを小さく抑え、かつ外観の良好な太陽電池モジュールを製造することができることが判明した。
10 一体化シート
11 樹脂シート
12 封止樹脂層
13 エンボス加工面
20 太陽電池モジュール
21 太陽電池素子(セル)
22 第2の封止樹脂層
23 透明前面基板
24 ジャンクションボックス
25 配線(リード線)

Claims (11)

  1. 太陽電池モジュールに使用される樹脂シートと、前記樹脂シートに積層されて太陽電池素子を封止するための封止樹脂層とを含み、
    前記樹脂シートは、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超えるものであり、
    前記樹脂シートと前記封止樹脂層とが積層された太陽電池モジュール用一体化シートは、150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%以下であることを特徴とする太陽電池モジュール用一体化シート。
  2. 前記封止樹脂層の厚さが30μm以上1000μm以下であり、
    前記封止樹脂層が押出ラミネート法または熱ラミネート法により前記樹脂シート上に形成されたものである請求項1に記載の太陽電池モジュール用一体化シート。
  3. 前記封止樹脂層は、ASTM2765−95で測定した際のキシレン可溶物を70質量%以上含む請求項1または2に記載の太陽電池モジュール用一体化シート。
  4. 前記封止樹脂層が、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含む請求項1から3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用一体化シート。
  5. 押出ラミネート法または熱ラミネート法により前記太陽電池モジュール用一体化シートを製造する際に押出機から押出された前記太陽電池モジュール用一体化シートの流れ方向に対して直交する方向を横方向としたとき、
    前記太陽電池モジュール用一体化シートを基板上に設置した時に前記太陽電池モジュール用一体化シートが前記封止樹脂層側へ湾曲して生じる前記基板からの反りの高さが、前記横方向の長さの1/7以下である請求項2から4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用一体化シート。
  6. 前記樹脂シートが前記太陽電池モジュールの裏面側に使用されるバックシートである請求項1から5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用一体化シート。
  7. 前記太陽電池モジュール用一体化シートが前記太陽電池モジュールの裏面側に使用される裏面一体化シートである請求項1から6のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用一体化シート。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール用一体化シートを備える太陽電池モジュール。
  9. 太陽電池モジュールの裏面側に使用され、かつ150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率が1.5%を超える樹脂シートの表面に、封止樹脂層を形成する樹脂組成物を押出ラミネート法または熱ラミネート法を用いて押出し、前記封止樹脂層を積層する積層工程と、
    前記樹脂シートと前記封止樹脂層との積層体をロールで圧着し、前記樹脂シートと前記封止樹脂層とを一体化する一体化工程とを含み、
    前記積層工程で前記樹脂組成物の温度を150℃以上240℃以下とすること、および/または、前記一体化工程で前記積層体を搬送する搬送速度を3m/分以上30m/分以下とすることを用い、
    前記太陽電池モジュール用一体化シートを150℃で30分間加熱を行った後の熱収縮率を1.5%以下とすることを特徴とする太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法。
  10. 前記樹脂シートを前記太陽電池モジュールの裏面側に使用されるバックシートとして用いる請求項9に記載の太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法。
  11. 前記太陽電池モジュール用一体化シートを前記太陽電池モジュールの裏面側に使用される裏面一体化シートとして用いる請求項9または10に記載の太陽電池モジュール用一体化シートの製造方法。
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