JP2020205240A - 耐火シート、及びバッテリー - Google Patents

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彰人 土肥
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倫男 島本
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健一 大月
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Abstract

【課題】バッテリーの熱暴走に伴う発火などを消火できる、消火性能が良好な耐火シートを提供する。【解決手段】本発明の耐火シートは、樹脂、および加熱により不燃性ガスを発生するガス発生剤を含有する耐火シートであって、900℃に加熱した際のガス発生量が150cm3/g以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、耐火シート、及び耐火シートを備えるバッテリーに関する。
リチウム電池に代表される各種バッテリーは、内部短絡等が原因によりバッテリーが熱暴走し、発火や発煙等の不具合を生じることがある。このような不具合による被害を最小限に抑えるために、異常高温になったバッテリーの熱を周囲のバッテリー及びバッテリーを収容した筐体に伝え難くする方法が検討されており、例えば、バッテリーセルの周辺に耐火材や断熱層等の保護材を用いる方法が挙げられる。
例えば、特許文献1には、外側の少なくとも一部が耐火性コーティングで覆われている電池セルが開示されており、耐火性コーティングの一例として高温下に曝されると冷却ガスを形成する熱活性材料が添加された変性エポキシ結合剤が記載されている。
また、特許文献2には、熱伝導率0.2W/m・K以下であり、80℃以上の温度に吸熱ピークを有する吸熱性無機化合物粒子と、結着剤とを含有する断熱層を設けた二次電池を電源とする携帯電子機器が開示されている。
特表2013−528911号公報 特許第5643648号公報
近年、携帯電話のバッテリーなどでは、電池容量が高く、熱暴走などが生じて発火しやすくなっており、発火した後に消火する性質が求められている。しかし、特許文献1の耐火性コーティングは、冷却ガスの発生量などが規定されておらず、発火が生じた場合に消火する性質を有することは示されていない。また、特許文献2に開示される断熱層は、電池セルで生じた熱を吸収できるものの、消火性能を有することまでは示されていない。
そこで、本発明は、例えばバッテリーの熱暴走により発火した場合などでも消火できる、消火性能の良好な耐火シート、及び耐火シートを備えるバッテリーを提供することを課題とする。
本発明は、下記[1]〜[12]を要旨とする。
[1]樹脂、および加熱により不燃性ガスを発生するガス発生剤を含有する耐火シートであって、900℃に加熱した際のガス発生量が150cm/g以上である耐火シート。
[2]前記不燃性ガスが、窒素、二酸化炭素、水、及び希ガスからなる群から選択される
少なくとも1種である上記[1]に記載の耐火シート。
[3]前記ガス発生剤が熱分解型化合物である、上記[1]又は[2]に記載の耐火シート。
[4]前記ガス発生剤が、金属水酸化物、金属塩の水和物、炭酸塩、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、及びセミカルバジド化合物からなる群から選択される少なくとも1種である上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[5]前記ガス発生剤の含有量が、樹脂100質量部に対して、50〜1,600質量部である上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[6]前記樹脂が熱可塑性樹脂である、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[7]さらに難燃剤を含有する上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[8]バッテリーに使用される上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[9]厚さが5〜10,000μmである、上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の耐火シート。
[10]上記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の耐火シートと、バッテリーセルとを備え、前記耐火シートが、バッテリーセルの表面に取り付けられるバッテリー。
[11]上記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の耐火シートを備える外装フィルム。
[12]基材層、金属層、及びシーラント層をこの順で備え、
前記耐火シートが、前記基材層と前記金属層の間、前記金属層と前記シーラント層の間、及び前記基材層の外側の少なくともいずれかに配置される上記[11]に記載の外装フィルム。
本発明によれば、加熱により不燃性ガスを発生させ、かつガス発生量を一定量以上とすることで、例えばバッテリーの熱暴走に伴う発火などを消火できる、消火性能が良好な耐火シートを提供できる。
角型バッテリーセルを有するバッテリーの一実施形態を示す概略的な断面図である。 角型バッテリーセルを有するバッテリーの別の実施形態を示す概略的な断面図である。 ラミネート型のバッテリーセルを有するバッテリーの一実施形態を示す概略的な断面図である。 円筒形バッテリーセルを有するバッテリーの一実施形態を示す概略的な断面図である。 電池用外装フィルムの一実施形態を示す模式的な断面図である。 電池用外装フィルムの別の一実施形態を示す模式的な断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[耐火シート]
本発明の耐火シートは、樹脂、および加熱により不燃性ガスを発生するガス発生剤を含有する耐火シートであって、900℃に加熱した際のガス発生量が、150cm/g以上となる。
本発明では、耐火シートに加熱により不燃性ガスを発生するガス発生剤を含有させ、かつ900℃に加熱した際のガス発生量を一定量以上とすることで、例えばバッテリーが熱暴走して急激に発熱して発火などにより耐火シートが加熱されると、一定量の不燃性ガスが発生する。そのため、不燃性ガスがバッテリーなどの周囲に充満されることで熱暴走などにより発火が発生した場合でも消火することができる。
一方で、耐火シートのガス発生量が150cm/g未満となると、耐火シートが加熱されることで不燃性ガスを発生させても不燃性ガスの発生量が不十分となる。そのため、耐火シートにより効果的に消火を行うことができなくなる。
耐火シートのガス発生量は、耐火シートの消火性能を高める観点から、150cm/g以上が好ましく、180cm/g以上がより好ましく、200cm/g以上がさらに好ましく、450cm/g以上がよりさらに好ましい。
耐火シートのガス発生量は、消火性能の観点からは、高ければ高いほどよいが、ガス発生剤のガス発生性能や、樹脂を一定量含有させて成形性を良好とする観点からは、1000cm/g以下が好ましく、900cm/g以下がより好ましく、800cm/g以下がさらに好ましい。
なお、耐火シートのガス発生量は、ガス発生剤のガス発生量を測定し、そのガス発生量を、耐火シートにおけるガス発生剤の含有割合(質量比)に乗じることで算出できる。耐火シートにガス発生剤が2種類以上含まれる場合には、耐火シートに含有されるガス発生剤が発生させるガスの総量を耐火シートのガス発生量とする。
以下、耐火シートに使用される各成分についてより詳細に説明する。
<樹脂>
耐火シートに使用する樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、及びエラストマー樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、及びポリペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ノボラック樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)及びポリイソブチレン等の合成樹脂が挙げられる。
エラストマー樹脂としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム(液状EPDM)、エチレン−プロピレンゴム、液状エチレン−プロピレンゴム、天然ゴム、液状天然ゴム、ポリブタジエンゴム、液状ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、液状ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、液状スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、及び液状水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
本発明においては、これら樹脂のうち1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記樹脂の中でも、成形性を向上させる観点から、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、及びポリ塩化ビニル樹脂(PVC)等の熱可塑性樹脂が好ましく、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)が更に好ましい。
本発明において、樹脂のメルトフローレートは、1.0g/10min以上であることが好ましい。樹脂のメルトフローレートを1.0g/10min以上とすると、ガス発生剤の耐火シートにおける分散性が良好となるため、ガス発生剤を多量に配合しても成形性が良好に維持される。メルトフローレートは、2.4g/10min以上がより好ましく、10g/10min以上がさらに好ましく、20g/10min以上がよりさらに好ましい。メルトフローレートをこれら下限値以上とすることで、ガス発生剤の分散性を向上させてガス発生剤をより多量に配合しやすくなる。
また、樹脂のメルトフローレートは、40g/10min以下が好ましく、35g/10min以下がより好ましい。
なお、メルトフローレートは、JIS K 7210−2:1999に従って190℃、2.16kg荷重の条件によって測定されたものである。
耐火シート中の樹脂の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは6質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上である。耐火シート中の樹脂の含有量をこれら下限値以上とすると、耐火樹脂組成物を耐火シートに成形する際の成形性が向上する。また、上記含有量は、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、よりさらに好ましくは25質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。また、本発明では、これら上限値以下とすることでガス発生剤を多量に配合することが可能になる。また、15質量%以下などの少ない樹脂量においても、樹脂のメルトフローレートやガス発生剤の平均粒径を調整することで、成形性が良好となる。
<ガス発生剤>
本発明においてガス発生剤は、加熱により不燃性ガスを発生するものである。加熱により発生する不燃性ガスは、典型的には、常温(23℃)かつ常圧(1気圧)下において、気体又は液体となるものであり、その沸点が好ましくは120℃以下、より好ましくは100℃以下となるものである。不燃性ガスは、加熱されても燃焼しないガスであり、酸素のように燃焼を助ける支燃性ガスでもない。不燃性ガスの具体例としては、窒素、二酸化炭素、水、ヘリウムなどの希ガスが挙げられる。各ガス発生剤からは1種の不燃性ガスが発生してもよいが、2種以上の不燃性ガスが発生してもよい。
ガス発生剤は、特に限定されないが、加熱により分解して不燃性ガスを発生させる熱分解型化合物であることが好ましい。また、気体又は液体が外殻内部に封入されたマイクロカプセルなどでもよい。
熱分解型化合物は、無機系化合物、有機系化合物のいずれでもよいが、自己燃焼性を有しない点から無機系化合物が好ましく、樹脂との混合性が良好である点からは有機系化合物が好ましい。
無機系化合物としては、具体的には、金属塩の水和物、金属水酸化物、炭酸塩などが挙げられる。
金属塩の水和物は、加熱により脱水して水(水蒸気)を発生する化合物が挙げられる。具体的には、ホウ酸亜鉛の水和物(例えば、例えば2ZnO・3B・3.5HOなど)、硫酸カルシウムの水和物(例えば、2水和物)、硫酸マグネシウムの水和物(例えば、7水和物)、カオリンクレー、ベーマイト、ドーソナイトなどが挙げられる。
金属水酸化物としては、加熱により水(水蒸気)を発生する化合物などが挙げられ、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
炭酸塩は、加熱により二酸化炭素を発生するものが挙げられ、具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの金属炭酸塩が挙げられる。
また、無機系化合物としては、タルク、シリカ、マイカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルーンなどでもよい。
無機系化合物としては、金属塩の水酸化物、金属水酸化物が好ましく、これらを併用してよい。また、無機系化合物としては、金属水酸化物がより好ましい。無機系化合物の好ましい具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛の水和物、硫酸カルシウムの水和物、硫酸マグネシウムの水和物などが挙げられ、これらの中では水酸化アルミニウムが最も好ましい。
ガス発生剤として使用される有機系化合物としては、例えば、加熱により窒素を発生させるものが挙げられる。具体的には、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム等のアゾジカルボン酸金属塩、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等などが挙げられる。
ガス発生剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機系化合物は、一酸化炭素、アンモニアなどの可燃性ガス、支燃性ガスを発生しにくい観点、自己燃焼性を有しない観点から、上記した中でも、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体が好ましく、中でも4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)がより好ましい。また、汎用性などの観点からはアゾジカルボンアミドが好ましい。
上述したガス発生剤以外のガス発生剤としては、発泡性の窒素含有化合物を例示することができる。窒素含有化合物としては、メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミンシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、エチレンジアミンリン酸塩等を例示することができる。上記した中でも、ガス発生の観点からメラミンシアヌレートが好ましい。
ガス発生剤のガス発生量は、特に限定されないが、好ましくは180cm/g以上である。ガス発生剤のガス発生量を上記下限値以上とすることで、ガス発生剤を大量に配合しなくても、耐火シートのガス発生量を多くすることができる。そのような観点から、ガス発生剤のガス発生量は、400cm/g以上がより好ましく、600cm/g以上がさらに好ましい。
また、ガス発生剤のガス発生量は、高ければ高いほどよいが、通常は、1500cm/g以下である。
なお、ガス発生剤のガス発生量とは、常温(23℃)から昇温速度20℃/分で室温から900℃まで加熱した際のガス発生剤1gあたりのガス発生量であり、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
また、ガス発生剤は、ガス発生量が上記した好ましい範囲(180cm/g以上、より好ましくは400cm/g以上、さらに好ましくは600cm/g以上)の範囲内となるものと、ガス発生量が上記した好ましい範囲の範囲外(180cm/g未満)となるものを併用してもよい。この場合、前者がガス発生剤全体の35質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。
ガス発生剤のガス発生開始温度は、900℃以下であればよいが、好ましくは800℃以下である。ガス発生開始温度を800℃以下とすることで、発火時に速やかにガスが発生し、発生した不燃性ガスにより、迅速に消火することが可能になる。消火性能を向上させる観点から、ガス発生剤のガス発生開始温度は、500℃以下がより好ましく、400℃以下がさらに好ましく、300℃以下がよりさらに好ましく、250℃以下がよりさらに好ましい。
ガス発生剤は、バッテリーなどが発火する直前にガスを発生させることが好ましく、そのような観点から、ガス発生開始温度は、例えば50℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは180℃以上である。
なお、ガス発生剤のガス発生開始温度は、加熱によってガス発生剤からガスが放出される温度であり、ガス発生剤が熱分解型化合物である場合には、熱分解開始温度がガス発生開始温度となる。ガス発生開始温度は、TG-MSにより測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
ガス発生剤は粒子状であってもよいし、他のいかなる形態を有していてもよい。なお、ガス発生剤が粒子状である場合、針状、鱗片状、球状、角状、不定形状、粉状などのいかなる形状であってもよい。ガス発生剤は、粒子状である場合、その平均粒子径が、0.1〜90μmであることが好ましい。上記したように、樹脂のメルトフローレートを所定範囲内にしつつ、平均粒子径を一定値以下とすることで、ガス発生剤を多く配合してもガス発生剤を十分に樹脂中に分散させて、耐火シートの成形性を良好にできる。また、平均粒子径を下限値以上とすることで、耐火樹脂組成物の粘度が低下しすぎることを防止できる。このような観点から、ガス発生剤の平均粒子径は、0.5〜60μmがより好ましく、0.8〜40μmがさらに好ましく、0.8〜10μmがよりさらに好ましい。
なお、ガス発生剤の平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定したメディアン径(D50)の値である。
耐火シートにおけるガス発生剤の含有量は、耐火シートのガス発生量が上記範囲内となるように、適宜調整すればよいが、例えば、樹脂100質量部に対して、50〜1,600質量部である。50質量部以上とすることで、耐火シートのガス発生量を上記範囲内に調整しやすくなる。また、1,600質量部以下とすることで、ガス発生剤を樹脂中に均一に分散させやすくなり、成形性なども良好となる。
上記ガス発生剤の含有量は、消火性能の観点から、好ましくは100質量部以上、さらに好ましくは500質量部以上、より更に好ましくは900質量部以上である。また、上記ガス発生剤の含有量は、好ましくは1,550質量部以下、更に好ましくは1,300質量部以下、より更に好ましくは1,150質量部以下である。これら上限値以下とすることで、ガス発生剤を樹脂中に均一に分散しやすくなり、成形性などが優れたものとなる。
〔難燃剤〕
本発明の耐火シートは、更に難燃剤を含有することが好ましい。本発明の耐火シートが難燃剤を含有する場合、耐火シートが着火しにくくなり、また、着火した場合であっても延焼を抑制することができる。
難燃剤としては、例えば、赤リン、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及びキシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、及びリン酸マグネシウム等のリン酸金属塩、ポリリン酸アンモニウム、下記一般式(1)
で表される化合物等が挙げられる。
前記一般式(1)中、R及びRは、同一又は異なって、水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、又は炭素数6〜16のアリール基を示す。Rは、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、又は炭素数6〜16のアリールオキシ基を示す。
前記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。前記難燃剤は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記難燃剤の中でも、耐火シートの難燃性を向上させる観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニウム、及び前記一般式(1)で表される化合物が好ましく、難燃性能、安全性、及びコスト等の観点からポリリン酸アンモニウムがより好ましい。
本発明の耐火シートが難燃剤を含有する場合、その含有量は樹脂100質量部に対して、1〜200質量部が好ましく、5〜100質量部がより好ましく、5〜50質量部が更に好ましい。難燃剤の含有量が前記範囲内であると、耐火シートが着火した場合などでも延焼を抑制することができる。
〔熱膨張性黒鉛〕
本発明の耐火シートは熱膨張性黒鉛を含有してもよい。耐火シートが熱膨張性黒鉛を含有する場合、熱膨張性黒鉛は加熱されることで膨張して大容量の空隙を形成し、難燃剤として機能するため、耐火シートが着火した場合などでも延焼を抑制することができる。
熱膨張性黒鉛としては、加熱時に膨張する黒鉛であれば特に制限はなく、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、及びキッシュグラファイト等の粉末を無機酸と強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものが挙げられ、これらは炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物になっている。
前記無機酸としては濃硫酸、硝酸、及びセレン酸等が挙げられ、強酸化剤としては濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、及び過酸化水素等が挙げられる。
熱膨張性黒鉛は更に中和処理を行ったものでもよい。具体的には、前記酸処理により得られた熱膨張性黒鉛を、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和することが好ましい。
熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。膨張性黒鉛の粒度が前記範囲内であると、膨脹して大容量の空隙を作りやすくなるため難燃性が向上する。また、樹脂への分散性も向上する。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、2以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比の上限は特に限定されないが、熱膨張性黒鉛の割れ防止の観点から、1,000以下であることが好ましい。熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比が2以上であることにより、膨張して大容量の空隙を作りやすくなるため難燃性が向上する。
熱膨張性黒鉛の平均アスペクト比は、10個の熱膨張性黒鉛について、それぞれ最大寸法(長径)及び最小寸法(短径)測定し、最大寸法(長径)を最小寸法(短径)で除した値の平均値を平均アスペクト比とする。熱膨張性黒鉛の長径及び短径は、例えば、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて測定することができる。
耐火シートが熱膨張性黒鉛を含有する場合、その含有量は樹脂100質量部に対して、10〜200質量部が好ましく、20〜150質量部がより好ましく、30〜100質量部が更に好ましい。熱膨張性黒鉛の含有量が前記範囲内であると、耐火シート中に大容量の空隙を作りやすくなるため難燃性が向上する。
〔無機充填剤〕
本発明の耐火シートは、ガス発生剤、難燃剤及び膨張性黒鉛以外の無機充填剤を更に含有してもよい。
ガス発生剤及び膨張性黒鉛以外の無機充填剤としては特に制限されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物、珪藻土、硫酸バリウム、クレー、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、及び脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填剤の平均粒子径は、0.5〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましい。無機充填剤は、含有量が少ないときは分散性を向上させる観点から粒子径が小さいものが好ましく、含有量が多いときは高充填が進むにつれて、耐火樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するため粒子径が大きいものが好ましい。
本発明の耐火シートが、ガス発生剤、難燃剤及び膨張性黒鉛以外の無機充填剤を含有する場合、その含有量は樹脂100質量部に対して、好ましくは10〜300質量部、より好ましくは10〜200質量部である。無機充填剤の含有量が前記範囲内であると、これを用いた耐火シートの機械的物性を向上させることができる。
〔可塑剤〕
本発明の耐火シートは、更に可塑剤を含有してもよい。特に樹脂成分がポリ塩化ビニル樹脂である場合、成形性を向上させる観点から可塑剤を含むことが好ましい。
可塑剤は、一般にポリ塩化ビニル樹脂成形体を製造する際に使用されている可塑剤であれば特に限定されない。具体的には、例えば、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、ジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等の脂肪酸エステル可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤、アジピン酸エステル、アジピン酸ポリエステル等のアジピン酸エステル可塑剤、トリー2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤、鉱油等のプロセスオイル等が挙げられる。可塑剤は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の耐火シートが可塑剤を含有する場合、その含有量は、樹脂100質量部に対して5〜40質量部が好ましく、5〜35質量部がより好ましい。可塑剤の含有量が前記範囲内であると、押出成形性が向上する傾向があり、また成形体が柔らかくなり過ぎることを抑制することができる。
<その他成分>
本発明の耐火シートは、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の添加成分を含有させることができる。
この添加成分の種類は特に限定されず、各種添加剤を用いることができる。このような添加剤として、例えば、滑剤、収縮防止剤、結晶核剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、補強剤、難燃助剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、及び表面処理剤等が挙げられる。添加剤の添加量は成形性等を損なわない範囲で適宜選択でき。添加剤は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
耐火シートの厚みは特に限定はないが、5〜10,000μmが好ましい。耐火シートの厚みが上記範囲内であると、機械強度を維持しつつ小型のバッテリーセルにも使用することができる。耐火シートの厚みは、20〜4,000μmがより好ましく、50〜2,000μmがさらに好ましく、100〜1,800μmがさらに好ましく、500〜1,500μmがより更に好ましい。なお、本明細書における耐火シートの「厚み」とは、耐火シートの幅方向3点の平均厚みを指す。
本発明の耐火シートは、耐火シート単体で用いられてもよいし、耐火シート以外の層が積層されて耐火多層シートを構成してもよい。耐火多層シートは、例えば、基材と、基材の少なくとも一方の面に設けられる耐火シートとを有する。
ここで、基材は、可燃層であっても準不燃層又は不燃層であってもよい。基材の厚みは特に限定されないが、例えば5μm〜1mmである。可燃層に使用される素材としては、例えば、布材、紙材、木材、樹脂フィルム等の一種もしくは二種以上を挙げることができる。基材が準不燃層又は不燃層である場合、準不燃層又は不燃層に使用される素材としては、例えば、金属、無機材等を挙げることができる。
また、耐火多層シートは、耐火シートと、耐火シートの少なくともいずれか一方の面に設けられる粘着剤層とを備えるものでもよい。粘着剤層は、上記基材の上に設けられてもよい。すなわち、耐火シート、基材、及び粘着剤層の順に設けられた積層構造を有してもよい。また、粘着剤層は、耐火シートの表面に直接形成されてもよく、例えば、耐火シートと粘着剤層の2層からなる積層構造を有していてもよいし、基材、耐火シート、及び粘着剤層の順に設けられた積層構造を有してもよい。
また、耐火シートの少なくともいずれか一方の面に、基材の両表面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープが貼り付けられてもよい。すなわち、耐火シートの一方の面に、粘着剤層、基材、及び粘着剤層がこの順に設けられてもよい。
粘着剤層を構成する粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられるが、これらに限定されない。粘着剤層の厚みは、特に限定されないが、例えば、3〜500μm、好ましくは10〜200μmである。
<製造方法>
本発明の耐火シートは、樹脂、ガス発生剤、及びその他の任意成分を含有する耐火樹脂組成物を調製し、その耐火樹脂組成物をシート状に成形して製造するとよい。
耐火樹脂組成物は、樹脂、ガス発生剤、及びその他の任意成分を、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機、押出機等の公知の装置を用いて混合することにより得ることができる。
耐火シートは、例えば、押出成形、プレス成形、射出成形などにより、成形すればよいが、これらのなかでは押出成形が好ましい。押出成形では、単軸押出機、二軸押出機などの押出機より耐火樹脂組成物をシート状に押し出すことにより成形できる。
また、耐火シートは、耐火樹脂組成物の希釈液を離型シートなどの上に塗布し乾燥することで成形してもよい。
[バッテリー]
本発明の耐火シートは、バッテリーに用いられることが好ましい。バッテリーは、通常、少なくとも1つのバッテリーセルを有し、そのバッテリーセルに耐火シートが取り付けられるとよい。耐火シートは、通常、バッテリーセルの表面に取り付けられる。バッテリーは、バッテリーセルを1つ有してもよいし、2つ以上有してもよい。
また、バッテリーセルの表面に耐火シートが取り付けられたバッテリーは、筐体内に配置されることが好ましい。筐体内で使用されると、耐火シートから発生した不燃性ガスが筐体内に留まりバッテリーの周囲に充満させやすくなり、耐火シートの消火性能を発揮させやすくなる。
バッテリーセルは、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等が外装部材に収容されたバッテリーの構成単位を指す。また、バッテリーセルは、セルの形状により、円筒型、角型、ラミネート型に分類される。
バッテリーセルが円筒型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子、絶縁材、安全弁、ガスケット、及び正極キャップ等が外装缶に収容されているバッテリーの構成単位を指す。一方、バッテリーセルが角型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、負極端子、絶縁材、及び安全弁等が外装缶に収容されているバッテリーの構成単位を指す。バッテリーセルがラミネート型の場合、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等が外装フィルムに収容されているバッテリーの構成単位を指す。ラミネート型のバッテリーでは、2枚の外装フィルムの間、或いは、1枚の外装フィルムが例えば2つ折りで折り畳まれ、その折り畳まれた外装フィルムの間に、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等が配置され、外装フィルムの外縁部がヒートシールによって圧着されている。外装フィルムとしては例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムが積層されたアルミニウムフィルム等が挙げられる。
また、バッテリーセルは、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル・水素電池、リチウム・硫黄電池、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・鉄電池、ニッケル・亜鉛電池、ナトリウム・硫黄電池、鉛蓄電池、空気電池等の二次電池であり、これらの中でもリチウムイオン電池が好ましい。
バッテリーは、例えば、携帯電話及びスマートフォン等の小型電子機器、ノートパソコン、自動車等に使用されるが、これらに限定されない。
耐火シートは、バッテリーセルのいずれの表面上に設けられるとよいが、バッテリーセルの大部分(例えば、表面積の50%以上、より好ましくは70%以上)の表面を覆うことが好ましい。耐火シートが表面の大部分を覆うことでバッテリーセルの発火に対して、確実に消火しやすくなる。
また、バッテリーセルは、安全弁を有することが多いが、安全弁を有する場合、耐火シートによって安全弁を覆うように設けられることが好ましい。このとき、耐火シートは、安全弁の機能を担保するために、安全弁を密封させないように覆うとよい。さらに、ラミネート型のバッテリーセルの場合には、ヒートシールによって圧着されるヒートシール部を覆うように設けられることが好ましい。
バッテリーセルは、安全弁又はヒートシール部から発火することが多いため、これらを耐火シートで覆うことでバッテリーセルの発火より有効に消火しやすくなる。
さらに、耐火シートは、バッテリーセルの大部分の表面を多い、かつ安全弁又はヒートシール部を有する場合、安全弁又はヒートシール部も覆うように配置されることがより好ましい。例えば、耐火シートはバッテリーセルに巻くように配置されるとよい。
例えば、図1に示すようにバッテリーセル11が角型の場合、耐火シート12は、バッテリー10においてバッテリーセル11の外周面を巻き付けられるように配置され、例えば、その主面11A,11Bと、端面11C,11Dの上に配置されることが好ましい。なお、主面11A,11Bとは、角型のバッテリーセル11において、最も面積が大きくなる両面であり、端面11C,11Dは、主面11A,11Bを接続する端面である。角型セルでは、一般的に、端面11C,11Dのいずれかに安全弁(図示しない)が設けられるため、図1の構成においても、耐火シート12がバッテリーセル11の安全弁を覆う。
また、例えば、図2に示すようにバッテリーセル11が角型の場合、耐火シート12は、主面11A,11Bの両方のみに設けられてもよい。さらに、主面11A,11Bのうち、一方のみに設けられてもよい。
バッテリーセル11がラミネート型の場合、図3に示すように、耐火シート12は、例えば、バッテリーセル11の両面11X,11Yそれぞれを覆うように設けられるとよい。このとき、耐火シート12は、ヒートシール部11Zも覆うように配置されるとよい。
なお、ラミネート型においても、耐火シート12は、一方の面11Xのみを覆うように設けられてもよい。さらに、ラミネート型においても、耐火シート12は、バッテリーセル11の外周面を巻くように配置されてもよい。
さらに、図4に示すように、バッテリーセル11が円筒型の場合、耐火シート12は、バッテリーセル11の外周面に巻き付けられるように配置されればよい。
なお、図1〜4において、耐火シート12は、耐火シート12の一方の面に設けられた粘着剤層を介してバッテリーセル11に接着されてもよい。
また、図1〜4に示した構成は、耐火シートの配置位置の一例に過ぎず、これら以外の位置に配置されてもよい。
[外装フィルム]
本発明の耐火シートは、バッテリーセルの外装フィルムとして用いることができる。一般に、外装フィルムは、基材層、金属層、及びシーラント層をこの順に備える積層体であり、各層の接着力を高める目的で、さらに接着層を備える場合もある。
図5に、本発明の耐火シートを備える外装フィルムの一実施形態の断面図を示す。外装フィルム20は、耐火シート24を備える外装フィルムである。外装フィルム20は、耐火シート24以外にも、基材層21、金属層22、及びシーラント層23を備え、詳細には、基材層21、耐火シート24、金属層22、及びシーラント層23がこの順に積層されている。外装フィルム20は、シーラント層23同士をヒートシールすることで容器に加工することができ、正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等のバッテリーセルの構成要素を収容して、密封することができる。すなわち、外装フィルム20を外装材とするバッテリーセルとすることができる。
外装フィルム20は、本発明の耐火シートを備えているため、バッテリーセルの短絡等の異常により発火が生じた場合でも、短時間で消火することが可能である。さらに、図5の構成において、耐火シート24は、金属層22と基材層21との接着力を高める接着層しての機能も有する。
なお、図5では、耐火シート24は、基材層21と金属層22の間に設けられているが、金属層22とシーラント層23との間に設けられていてもよく、基材層21の外側に設けられていてもよい。ただし、消火性を良好とする観点から、図5に示すように、耐火シートは、基材層21と金属層22の間の設けられることが好ましい。
また、図6に示すように、耐火シート24と金属層22の間に接着層25を設けてもよい。これにより、耐火シート24と金属層22との接着力を高めることができる。なお、接着層25の位置は、この態様に限定されず、外装フィルムを構成する任意の層間に配置してもよく、例えば、耐火シート24と基材21の間などに設けてもよい。
また、上記したように、外装フィルムは、一般に基材層、金属層、及びシーラント層がこの順に積層された積層体であるが、基材層の代わりに、本発明の耐火シートを用いて、耐火シート、金属層、シーラント層がこの順に積層された外装フィルムとすることも可能である。この場合も、任意の2つの層の間に接着層を設けてもよく、例えば接着層を耐火シートと金属層の間などに設けるとよい。
(基材層)
基材層21を形成する材料としては、特に制限されないが、絶縁性を備えるものが好ましい。基材層21を形成する材料としては、樹脂が好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、これらの混合物などから形成される樹脂フィルムを挙げることができる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612などのナイロンが挙げられる。
基材層21は、上記樹脂により形成される樹脂フィルムであることが好ましく、1軸又は2軸延伸された延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよい。中でも、耐熱性、耐ピンホール性を高くする観点などから、延伸フィルムが好ましく、2軸延伸されたフィルムがより好ましい。基材層は、耐ピンホール性を高める観点から、異なる素材を積層させて多層としてもよい。
基材層の厚さは特に限定されないが、好ましくは5〜200μmであり、より好ましくは10〜100μmであり、さらに好ましくは20〜70μmである。基材の厚さが上記下限値以上であると、耐ピンホール性などの機械的強度が向上し、上記上限値以下であると、外装フィルム全体の厚さが薄くなり、バッテリーセルが軽量化又は小型化しやすくなる。
(金属層)
本発明の外装フィルムは、上記のとおり金属層22を備える。金属層を備えることで、電池用外装フィルムの耐ピンホール性が向上すると共に、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止することができる。
金属層を形成する材料としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、チタン等の金属箔が挙げられ、中でもアルミニウムが好ましい。
金属層の厚さ特に限定されないが、例えば、10〜200μm、好ましくは20〜100μmである。
(接着層)
接着層25は外装フィルムを構成する各層を接着することが可能であれば、特に限定されず、公知のものが特に制限なく使用できる。
接着層25の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着層の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層25は、樹脂成分aにより形成され、該樹脂成分aとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、尿素樹脂、アミノ樹脂、ゴム、シリコーン系樹脂、フッ化エチレンプロピレン共重合体などが挙げられる。これらの樹脂成分aは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層25の厚さは、特に限定されないが、例えば2〜50μmであり、好ましくは3〜25μmである。
(シーラント層)
シーラント層23は、最内層に該当し、バッテリーセルの組み立てのときにシーラント層同士が熱溶着してバッテリーセルの構成要素を密封する層である。
シーラント層23は、上記の通り、熱溶着して電池素子を密封できればよく、その材料は、特に限定されない。シーラント層は、例えば、樹脂成分bより形成され、樹脂成分bとしては、例えば、ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィンなどが挙げられる。
ポリオレフィンとしては、鎖状ポリオレフィン、環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記鎖状ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン、エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン、具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらの環状モノマーの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
カルボン酸変性ポリオレフィンとしては、例えば、カルボン酸変性鎖状ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。
カルボン酸変性鎖状ポリオレフィンとしては、前記鎖状ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β−不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β−不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記鎖状ポリオレフィンの変性に使用されるものと同様である。
これらの中でも、樹脂成分bとしては、好ましくはカルボン酸変性鎖状ポリオレフィン、より好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンである。
シーラント層は、1種の樹脂成分bで形成してもよい、2種以上の樹脂成分bを組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。さらにシーラント層は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上で形成されていてもよい。
シーラント層の厚さは、適宜選定することができ、例えば10〜100μm、好ましくは15〜50μmである。
(外装フィルムの作製)
本発明の外装フィルムは、熱ラミネート法、押出成形法などを利用して作製することができる。例えば、外装フィルムを構成する各層を準備して、熱ラミネートなどの公知の方法により積層体とすることができる。また、外装フィルムを構成する層のうち、少なくとも2層を積層した第1の積層体と、電池用外装フィルムを構成する層のうち、第1の積層体を構成する層以外の層の第2の積層体を準備して、両者を熱ラミネートや、接着層を介在させて接着するなどして、外装フィルムを作製してもよい。
第1又は第2の積層体を形成する場合において、例えば、基材層上など外装フィルムを構成する任意の層上に耐火シートを形成させる場合は、例えば、基材層上などに耐火樹脂組成物の希釈液を塗布し、乾燥させて、耐火シートを形成させることができる。また、別の方法として、基材層上などに耐火樹脂組成物を押出成形するなどして、耐火シートを形成することができる。さらに別の方法として、予め作製した耐火シートを基材層上などと重ねて熱ラミネートしてもよい。
また、例えば、金属層上にシーラント層を積層する場合は、押出成形法、熱ラミネート法、グラビアコート法、ロールコート法などを適用することができる。
(バッテリーセル)
上記した外装フィルムを用いて、外装フィルムを外装材とするバッテリーセルを作製することが好ましい。より詳細には、外装フィルムを外装材として、該外装材内に、少なくとも正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子等を封入したバッテリーセルとすることが好ましい。該外装材は、通常は、外装フィルムのシーラント層同士がヒートシールされることで形成されており、周縁にフランジ部(シーラント層同士がヒートシールにより密着している領域)を有する。また、通常は、該フランジ部から、正極及び負極の各々に接続された正極端子及び負極端子が外部に突出している。
バッテリーセルは、一次電池、二次電池のいずれでもよいが、好ましくは二次電池である。二次電池の種類については、特に制限されず、上記で述べた各種の二次電池に適用でき、好適な適用対象として、リチウムイオン電池が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<実施例1〜11、比較例1〜3>
表1に示した樹脂、ガス発生剤、及び難燃剤を含有する耐火樹脂組成物を、一軸押出機に供給し、100℃で押出成形し、厚さ1.0mmの耐火シートを得た。各成分としては以下のものを使用した。
<樹脂>
EVA(1):エバフレックスEV460、三井デュポンポリケミカル株式会社、MFR=2.5g/10min
EVA(2):エバフレックスEV150、三井デュポンポリケミカル株式会社、MFR=30g/10min
PVB:重合度800、アセタール化度69mol%、アセチル基量1mol%、水酸基量30mol%、10質量%エタノール/トルエン粘度142mPa・s、SP値10.6、積水化学工業株式会社製
<ガス発生剤>
水酸化アルミニウム:商品名「BF013」、日本軽金属株式会社製、平均粒子径1μm、ガス発生開始温度201℃、ガス発生量900cm/g
硫酸カルシウム2水和物:ナカライテスク社製、平均粒子径42μm、ガス発生開始温度100℃、ガス発生量650cm/g
アゾジカルボンアミド:商品名「ビニホールAC#3C」、永和化成工業株式会社製、平均粒子径6μm、ガス発生開始温度208℃、ガス発生量210cm/g
炭酸カルシウム:商品名「ホワイトンBF−300」、備北粉化株式会社、平均粒子径8μm、ガス発生開始温度880℃、ガス発生量10cm/g
メラミンシアヌレート:商品名「MC−4000」、日産化学株式会社製、平均粒子径14μm、ガス発生開始温度300℃、ガス発生量250cm/g
<難燃剤>
ポリリン酸アンモニウム:商品名「AP422」、クラリアント社
各物性の測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
<メルトフローレート(MFR)>
メルトフローレートは、JIS K 7210−2:1999に従って190℃、2.16kg荷重の条件によって測定した。
<ガス発生開始温度>
測定装置「TG−MS」を用いて測定した。測定条件は、23℃から1,000℃まで、昇温速度20℃/分、ガス発生剤重量10mgであった。ガスが発生し始める温度を、ガス発生開始温度とした。
<ガス発生剤の平均粒子径>
ガス発生剤の平均粒子径はレーザー回折法で測定した。具体的には、レーザー回折散乱方式粒度分布計等の粒度分布計によって求めた粒度分布における積算値50%での粒子径を平均粒子径とした。
<ガス発生剤のガス発生量>
ガス発生剤を10mg採取して、測定装置「TG−MS」にて、23℃から900℃まで昇温速度20℃/分、ヘリウム雰囲気下の条件で加熱して、ガス発生剤から発生するガスの総量を測定して、ガス発生剤のガス発生量とした。
<耐火シートのガス発生量>
耐火シート中に含まれるガス発生剤の含有割合(質量比)に、ガス発生剤のガス発生量を乗じて、耐火シートから発生する1gあたりのガス量を算出した。耐火シートにガス発生剤が2種類以上含まれる場合には、全てのガス発生剤が発生させるガスの総量を耐火シートのガス発生量とした。
[評価方法]
<耐火シートの消火特性>
スマートフォンに使用されるラミネート型のリチウムイオン電池の周囲に、実施例及び比較例で作成した耐火シートを巻くように配置し、300℃に設定したホットプレート上に試験体を載せて火の放出から火が消されるまでの時間を評価した。消火時間が5秒以内であった場合を「A」、消火時間が5秒超10秒以内であった場合を「B」、消火時間が10秒超であった場合を「C」として評価し、消火時間が短い方が消火性能に優れていることを表す。結果を表1に示す。
<シート成形性>
一軸押出機を用いて上記実施例の条件でシートに成形したとき、巻取りロールで巻取りができ、シートのロール体ができた場合を「A」、巻取りロールで巻取りができず、シートのロール体ができなかった場合を「B」として評価した。結果を表1に示す。
以上の結果から明らかなように、各実施例では、耐火シートのガス発生量を一定量以上とすることで、例えばバッテリーの熱暴走の発火時に、消火することができ消火性能が良好となった。
<実施例12>
(1)耐火シートの作製
実施例1で使用したものと同様の配合を有する耐火樹脂組成物を一軸押出機に供給し、100℃で押出成形して、耐火シート(厚さ40μm)を得た。
(2)外装フィルムの作製(基材層/耐火シート/接着層/金属層/シーラント層)
二軸延伸ナイロンフィルム(基材層、厚さ25μm)と上記(1)で作製した耐火シートとを熱ラミネートにより積層し、二軸延伸ナイロンフィルムと耐火シートとの積層体Aを得た。次いで、アルミニウム箔(金属層、厚さ40μm)の一方の表面に、カルボン酸変性ポリプロピレン層(第1シーラント層、厚さ15μm)とホモポリプロピレン層(第2シーラント層、厚さ15μm)を共押出することにより、金属層とカルボン酸変性ポリプロピレン層とホモポリプロピレン層とがこの順に積層された積層体Bを得た。積層体Bの金属層の表面に、エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)100質量部と酸無水物(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)100質量部とを含む接着層組成物を塗布した。該塗布した接着層組成物上に、耐火シートが接触するように積層体Aを積層した後、加熱し、接着層組成物を硬化させ接着層(厚さ10μm)とし、外装フィルムを得た。該外装フィルムは、二軸延伸ナイロンフィルム(基材層)/耐火シート/接着層/金属層/カルボン酸変性ポリプロピレン層/ホモポリプロピレン層がこの順に積層された外装フィルムである。得られた外装フィルムについて消火特性を評価した。
<実施例13>
(1)耐火シートの作製
実施例12と同様にして耐火シートを得た。
(2)外装フィルムの作製(基材層/耐火シート/金属層/シーラント層)
実施例12と同様にして、二軸延伸ナイロンフィルムと耐火シートとの積層体A、及び金属層とカルボン酸変性ポリプロピレン層とホモポリプロピレン層とがこの順に積層された積層体Bを得た。積層体Aと積層体Bとを熱ラミネート法により積層して、外装フィルムを得た。該外装フィルムは、二軸延伸ナイロンフィルム(基材層)/耐火シート/金属層/カルボン酸変性ポリプロピレン層/ホモポリプロピレン層がこの順に積層された外装フィルムである。得られた外装フィルムについて消火特性を評価した。
<比較例4>
耐火樹脂組成物を比較例3で使用したものに変更した以外は、実施例9と同様にして外装フィルムを得た。得られた外装フィルムについて消火特性を評価した。
<外装フィルムの消火特性>
スマートフォンに使用されるバッテリーセルの構成要素(正極材、負極材、セパレータ、正極端子、及び負極端子を含有)を、実施例及び比較例で製造した外装フィルムで密封してバッテリーセルを作製した。具体的には、正極材及び負極材の各々に接続された正極端子及び負極端子を外側に突出させた状態で、周縁のシーラント層同士をヒートシールして密封し、バッテリーセル(試験体)を作製した。該試験体を、300℃に設定したホットプレート上に試験体を載せて評価した。消火時間が5秒以内であった場合を「A」、消火時間が5秒超10秒以内であった場合を「B」、消火時間が10秒超であった場合を「C」として評価し、消火時間が短い方が消火性能に優れていることを表す。結果を表2に示す。
実施例12、13の結果から明らかなように、耐火シートのガス発生量を一定量以上とすることで、耐火シートをバッテリーセルの外装材に用いた場合でも消火特性が良好となった。
10 バッテリー
11 バッテリーセル
12 耐火シート
20 外装フィルム
21 基材層
22 金属層
23 シーラント層
24 耐火シート
25 接着層

Claims (12)

  1. 樹脂、および加熱により不燃性ガスを発生するガス発生剤を含有する耐火シートであって、900℃に加熱した際のガス発生量が150cm/g以上である耐火シート。
  2. 前記不燃性ガスが、窒素、二酸化炭素、水、及び希ガスからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の耐火シート。
  3. 前記ガス発生剤が熱分解型化合物である、請求項1又は2に記載の耐火シート。
  4. 前記ガス発生剤が、金属水酸化物、金属塩の水和物、炭酸塩、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、及びセミカルバジド化合物からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火シート。
  5. 前記ガス発生剤の含有量が、樹脂100質量部に対して、50〜1,600質量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐火シート。
  6. 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐火シート。
  7. さらに難燃剤を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐火シート。
  8. バッテリーに使用される請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐火シート。
  9. 厚さが5〜10,000μmである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐火シート。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の耐火シートと、バッテリーセルとを備え、前記耐火シートが、バッテリーセルの表面に取り付けられるバッテリー。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の耐火シートを備える外装フィルム。
  12. 基材層、金属層、及びシーラント層をこの順で備え、
    前記耐火シートが、前記基材層と前記金属層の間、前記金属層と前記シーラント層の間、及び前記基材層の外側の少なくともいずれかに配置される請求項11に記載の外装フィルム。
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