JP2019124923A - 偏光板及びそれを用いた画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち本発明は、以下の態様を包含する。
項1.
厚みが30μm以下の偏光子と積層フィルムとが積層されている偏光板であって、積層フィルムが、下記の特徴全てを有する、基材フィルムと光学等方層とを有する偏光板。
(a)基材フィルムの少なくとも片面は凹凸面であり、凹凸面の算術平均粗さ(Ra)が0.2〜10μmである。
(b)基材フィルムの屈折率異方性(Bfnx−Bfny)が0.04〜0.2である。
(c)基材フィルムの凹凸面上には光学等方層が設けられており、光学等方層の屈折率がBfny−0.15〜Bfnx+0.15である。
(但し、基材フィルムの遅相軸方向の屈折率をBfnx、進相軸方向の屈折率をBfnyとする)
項2.
偏光子がポリビニルアルコールに二色性色素を吸着させた偏光子である項1に記載の偏光板。
項3.
偏光子が液晶性化合物に二色性色素を配合した偏光子である項1に記載の偏光板。
項4.
項1〜3のいずれか一項に記載の偏光板を含む画像表示装置。
(基材フィルム)
まず、基材フィルムに関して説明する。
また、高い透明性を奏するためには、基材フィルムに粒子を実質的に含有させないことも好ましい。「粒子を実質的に含有させない」とは、例えば無機粒子の場合、蛍光X線分析で基材フィルム中の無機元素を定量した場合に50ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは検出限界以下となる含有量を意味する。
本発明では、基材フィルムの少なくとも片面に凹凸面を有する。凹凸面は、基材フィルムの片面のみに設けてもよいし、両面に設けてもよい。なお、凹凸面を有する基材フィルムを、粗面化した基材フィルムと称する場合がある。
Ra、Rq、Rz、Ry、Rp、及びRvの値が上限以上であると生産性に優れる。
Ra、Rq、Rz、Ry、Rp、及びRvは、JIS B0601−1994又はJIS B0601−2001に準拠して、接触型粗さ計を用いて測定される粗さ曲線から算出される。
Smは、JIS B0601−1994に準拠して、接触型粗さ計を用いて測定される粗さ曲線から算出される。
粗面化した基材フィルムの厚みは、粗面化した基材フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、断面の切片を切り出して顕微鏡観察し、凹凸面は視野の凸部と凹部の中央を基準として、等間隔で10点の厚みを測定し、その平均値として算出される。
サンドブラスト処理は、例えば、遠心式ブラスト機にロール状の基材フィルムを供給して、基材フィルム面に研磨材を投射する方法であってもよい。この場合、粗さは、研磨材の種類、研磨材の大きさ、処理時間、回転翼の速度等により調節することができる。また、サンドブラスト処理は、ガラス板に基材フィルムを貼り付け、エアーブラストにセットし、基材フィルム面に研磨材を吹きつける方法であってもよい。この場合、粗さは、研磨材の種類、研磨材の大きさ、吹きつけ圧力、処理時間等により調節することができる。
サンダーによる処理は、例えば、ロール状の基材フィルムを、フィルムの搬送ロールの一部のロール表面にサンディングペーパーを貼り付けたもの(ロールサンダー)を有する搬送装置に導き処理する方法であってもよい。この場合、粗さはサンディングペーパーの種類、ロールサンダーの回転数、フィルムの搬送速度等で調節することができる。また、処理方向は、ロールサンダーとフィルムとの抱き付け角度、ロールサンダーの回転数、フィルムの搬送速度等で調節することができる。
また、サンダーによる処理は、ガラス板にウレタンフォームを貼り付け、さらにその上に基材フィルムを貼り付け、基材フィルム面をサンダーで縦、横、斜め(45度、135度)の合計4方向から処理する方法であってもよい。粗さは、サンダーのサンディングディスクの種類、処理時間等により調節することができる。
なお、サンダー処理、及びサンドブラスト処理したものは、局所突起を除くため、さらに処理表面をサンドペーパー等で研磨してもよい。
ケミカルエッチングは、酸又はアルカリ溶液に浸漬し、水洗した後、マスキングフィルムを剥離し、乾燥する方法であってもよい。粗さは、浸漬時間等により調節することができる。基本的にケミカルエッチングは両面処理になるが、片面のみ処理する場合は、例えば、基材フィルムの片面にマスキングフィルムを貼り合せて行う。
基材フィルムの凹凸面上には光学等方層が設けられていることが好ましい。光学等方層は、前記凹凸面上に接触して設けられていることが好ましい。「接触して設けられている」とは、凹凸面に他の層を介することなく直接接触して設けられていることを意味する。但し、凹凸面と光学等方層との接着力を向上させるための易接着層は設けられていてもよい。易接着層の厚みは光学的に感知されない厚みであることが好ましく、100nm以下が好ましく、さらに好ましくは50nm以下であり、特に好ましくは20nm以下である。なお、易接着層が下記の光学等方層の屈折率の範囲を満たすのであれば、易接着層及びその上に設けられている光学等方層を合わせて、1つの光学等方層とみなすことができる。また、易接着層が光学等方層として十分な厚みを有するのであれば、易接着層を光学等方層とみなしてもよい。光学等方層を設けることで、基材フィルムの表面の凹凸による乱反射を低減させ、透明性を確保することができる。なお、易接着層の好ましい屈折率は、下記の光学等方層の好ましい屈折率の範囲と同様であり、その屈折率の調整方法も同様である。
光学等方層の屈折率の上限は、好ましくはBfnx+0.15であり、より好ましくはBfnx+0.12であり、さらに好ましくはBfnx+0.1であり、よりさらに好ましくはBfnx+0.08であり、特に好ましくはBfnxであり、最も好ましくはBfnx−0.02である。
上記範囲にすることにより、コントラスト又は画像の鮮鋭性を維持し、強い外光があたった場合に画面が白っぽくなる現象を抑制することができる。
ポリマー又は樹脂中にイオウ、臭素、フルオレン基などを導入することも屈折率を上げる上で好ましい方法であり、これらを含有するモノマーを共重合させたアクリル、フルオレン基含有ポリエステル、フルオレン基含有ポリカーボネート、チオエポキシ樹脂などが高屈折率樹脂として好ましい。
高屈折微粒子の屈折率は1.60〜2.74であることが好ましい。高屈折微粒子としては、TiO2、ZrO2、CeO2、Al2O3、BaTiO3、Nb2O5、及びSnO2等の微粒子が挙げられる。高屈折微粒子は、TEM(透過電子顕微鏡)観察による平均一次粒子径が3nm〜100nmであることが好ましい。これらの高屈折微粒子を1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、明細書において、「平均一次粒径」又は「一次粒子の平均粒子径」とは、体積累積の50%粒径を指す。より詳細には、粒子の一次粒子200個を顕微鏡観察により適切な倍率で観察し、それぞれの直径を測長してその体積を算出し、その体積累積の50%粒径を平均一次粒径とする。
光重合性モノマーは、重量平均分子量が1000未満のものである。光重合性モノマーとしては、光重合性官能基を2つ(すなわち、2官能)以上有する多官能モノマーが好ましい。本明細書において、「重量平均分子量」は、THF等の溶媒に溶解して、従来公知のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により得られる値である。
光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000以上10000未満のものである。光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましい。多官能オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性ポリマーは、重量平均分子量が10000以上のものであり、重量平均分子量としては10000以上80000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる積層フィルムの外観が悪化するおそれがある。光重合性ポリマーとしては、2官能以上の多官能ポリマーが好ましい。多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光学等方層の厚みの上限は、好ましくは30μmであり、より好ましくは25μmであり、さらに好ましくは20μmであり、特に好ましくは15μmであり、最も好ましくは10μmである。当該厚みが30μm以下であると薄型化に適する。
光学等方層の厚みは、後述の積層フィルムの厚みから、粗面化した基材フィルムの厚みを引いた値である。
積層フィルムの厚みの下限は、好ましくは11μmであり、より好ましくは15μmであり、さらに好ましくは18μmであり、特に好ましくは20μmである。当該下限が12μm以上であると積層フィルムの強度に優れ、製造又はその後の加工の取り扱いが容易になる。
積層フィルムの厚みの上限は、好ましくは90μmであり、より好ましくは80μmであり、さらに好ましくは70μmであり、特に好ましくは60μmであり、最も好ましくは50μmである。当該上限が90μm以下であると、各種用途での薄型化に適する。
積層フィルムの厚みは、積層フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、断面の切片を切り出して顕微鏡観察し、等間隔で10点の厚みを測定し、その平均値として算出される。
積層例としては、下記のタイプ1〜4などが挙げられる。
(タイプ1)基材フィルム(凹凸面)/光学等方層(接着剤又は粘着剤)/他のフィルム
(タイプ2)基材フィルム(凹凸面)/光学等方層(接着剤又は粘着剤)/(凹凸面)基材フィルム
(タイプ3)基材フィルム(凹凸面)/光学等方層(接着剤又は粘着剤)/他のフィルム/光学等方層(接着剤又は粘着剤)/(凹凸面)基材フィルム
(タイプ4)他のフィルム/光学等方層(接着剤又は粘着剤)/(凹凸面)基材フィルム(凹凸面)/光学等方層(接着剤又は粘着剤)/他のフィルム
屈折率異方性の基材フィルムのΔBfNxyが比較的小さかったり、凹凸の粗さが比較的小さい場合は、タイプ2〜タイプ4の構成を採ることが好ましい。なお、以下の説明で、積層フィルムという場合には上記タイプ1〜4の構成も含むものとする。タイプ2〜タイプ3の場合、2枚の基材フィルムの遅相軸は、互いに平行又は垂直であることが好ましく、製造の容易さからは平行であることが好ましい。ここで、「平行又は垂直」とは0度又は90度から好ましくは±10度、さらには±7度、特には±5度まで許容される。
積層フィルムは、偏光子保護フィルム又は偏光解消フィルムとして好適に用いることができる。
まず、上記積層フィルムと偏光子とが積層されている偏光板に関して説明する。
(偏光子)
偏光子はポリビニルアルコール(PVA)などに二色性色素を配合させたもの、二色性色素膜又は液晶性化合物に二色性色素を配合した塗工膜、ポリエンの延伸膜、ワイヤーグリッドタイプの偏光子など特に制限はない。
中でもPVAに二色性色素を吸着させた偏光子、液晶性化合物に二色性色素を配合した塗工型偏光子が好ましい例である。また、薄型にできるという点で、下に述べる離型性支持基材積層偏光子や塗工型偏光子が好ましい。
初めに、PVAに二色性色素を吸着させた偏光子に関して説明する。PVAに二色性色素を吸着させた偏光子は、一般的には未延伸PVAフィルムを二色性色素を含有する浴に浸漬した後に一軸延伸するか、一軸延伸したPVAフィルムを二色性色素を含有する浴に浸漬し、その後ホウ酸浴で架橋処理して得られる。
偏光子と積層フィルムの積層方法は、PVAに二色性色素を吸着させた偏光子であれば、積層フィルムと偏光子を貼り合わせることが好ましい方法である。貼り合わせるための接着剤としては、特に制限はなく、例えば、従来から用いられているものを制限なく使用することができる。なかでも、PVA系の水性接着剤、紫外線硬化型接着剤などが好ましい例であり、特には紫外線硬化型接着剤が好ましい。また、粘着剤を用いることも好ましい。
この技術は特開2001−350021号公報、特開2009−93074号公報など多く紹介されている。
次に、液晶性化合物に二色性色素を配合した偏光子に関して説明する。
(配向層)
本発明では、積層フィルム上に直接偏光子(偏光膜)を設けてもよいが、積層フィルム上に配向層を設け、その上に偏光膜を設けてもよい。なお、配向膜と偏光膜を合わせた総称として偏光子と呼ぶことがあり、積層フィルム上に配向膜を設けずに偏光膜を設けた場合、偏光膜単独で偏光子と称することがある。
配向層は偏光膜の配向方向を制御し、より偏光度の高い偏光膜を与えることができる。
配向層としては、偏光膜を所望の配向状態にすることができるものであれば、どのような配向層でもよい。配向層に配向状態を与える方法としては、例えば、表面へのラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成などが挙げられる。さらに、偏光の光照射により分子を配向させて配向機能を生じさせる光配向層とする方法も好ましい。
以下に好ましい配向層であるラビング処理配向層と光配向層の2例を説明する。
ラビング処理配向層に用いられるポリマー材料としては、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリイミド及びその誘導体、アクリル樹脂、ポリシロキサン誘導体などが好ましく用いられる。
塗布する方法としては、グラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法及びアプリケータ法などの塗布法や、フレキソ法などの印刷法などの公知の方法が採用される。
加熱乾燥は、基材にもよるが、PETの場合30℃〜170℃の範囲が好ましく、より好ましくは、50〜150℃、さらに好ましくは、70〜130℃である。乾燥温度が低い場合は乾燥時間を長くとる必要が生じ生産性に劣る場合がある。乾燥温度が高すぎる場合、基材の配向状態に影響を及ぼし、レタデーションが低下したり、基材の熱収縮が大きくなったりし、設計通りの光学機能が達成できない、平面性が悪くなるといった場合がある。加熱乾燥時間は例えば0.5〜30分であればよく、1〜20分がより好ましく、さらには2〜10分がより好ましい。
長尺基材の長手方向に対して斜めの所定方向に透過軸を有する偏光膜を設けるためにはラビング処理配向層のラビング方向もそれに合った角度にすることが好ましい。角度の調整は、ラビングローラーと基材との角度調整、基材の搬送速度とローラーの回転数の調整で実施することができる。
光配向層とは、例えば、光反応性基を有するポリマー又はモノマーと溶剤とを含む塗工液を積層フィルムに塗布し、偏光、好ましくは偏光紫外線を照射することによって配向規制力を付与した配向膜のことをいう。前記光反応性基とは、通常、光照射により液晶配向能を生じる基をいう。具体的には、前記光反応性基は、光を照射することで生じる分子の配向誘起又は異性化反応、二量化反応、光架橋反応、あるいは光分解反応のような、液晶配向能の起源となる光反応を生じるものである。当該光反応性基の中でも、二量化反応又は光架橋反応を起こすものが、配向性に優れ、偏光膜のスメクチック液晶状態を保持する点で好ましい。以上のような反応を生じうる光反応性基としては、不飽和結合、特に二重結合を有する基が好ましく、C=C結合、C=N結合、N=N結合、C=O結合からなる群より選ばれる少なくとも一つを有する基が特に好ましい。
中でも、光二量化反応を起こしうる光反応性基が好ましく、シンナモイル基及びカルコン基が、光配向に必要な偏光照射量が比較的少なく、かつ、熱安定性や経時安定性に優れる光配向層が得られやすいため好ましい。さらにいえば、光反応性基を有するポリマーとしては、当該ポリマー側鎖の末端部が桂皮酸構造となるようなシンナモイル基を有するものが特に好ましい。当該ポリマー主鎖の構造としては、ポリイミド、ポリアミド、(メタ)アクリル、ポリエステル等が挙げられる。
偏光の光源は、キセノンランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、KrF、ArFなどの紫外光レ−ザ−などが挙げられ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ及びメタルハライドランプから選択される一種が好ましい。
偏光膜は一方向のみの偏光を通過させる機能を有し、二色性色素を含むことが好ましい。
二色性色素とは、分子の長軸方向における吸光度と、短軸方向における吸光度とが異なる性質を有する色素をいう。
重合性液晶化合物とは、重合性基を有し、かつ、液晶性を示す化合物である。
重合性基とは、重合反応に関与する基を意味し、光重合性基であることが好ましい。ここで、光重合性基とは、後述する光重合開始剤から発生した活性ラジカルや酸などによって重合反応し得る基のことをいう。重合性基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、1−クロロビニル基、イソプロペニル基、4−ビニルフェニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、オキシラニル基、オキセタニル基等が挙げられる。中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルオキシ基、オキシラニル基及びオキセタニル基が好ましく、アクリロイルオキシ基がより好ましい。
液晶性を示す化合物は、例えば、サーモトロピック性液晶でもリオトロピック液晶でもよく、また、サーモトロピック液晶における、ネマチック液晶でもスメクチック液晶でもよい。
偏光膜組成物塗料は、溶剤、重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、重合性非液晶化合物、架橋剤、これらの組み合わせ等を含んでもよい。
光照射における光は、可視光、紫外光及びレーザー光が挙げられる。取り扱いやすい点で、紫外光が好ましい。
積層フィルムに直接配向層や偏光層を設けて積層する方法だけでなく、離型フィルム上に上記の方法に準じて偏光層を設け、これを積層フィルムに転写することも好ましい方法である。離型フィルムとしては、前述の離型性支持基材積層偏光子で用いられた離型性支持基材が好ましい例として挙げられ、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが、特に好ましい例として挙げられる。離型フィルムはコロナ処理を行ったり、離型コート層や易接着コート層などを設け、剥離力を調整してもよい。
偏光子の透過軸と基材フィルムの遅相軸とがなす角度は特に限定するものではないが、通常の透過光を直線偏光とするための偏光板の偏光子保護フィルムとして用いる場合は平行または垂直であることが好ましい。平行または垂直とは0度または90度から好ましくは±10度、さらには±7度、特には±5度まで許容される。
光学補償フィルムとしては、例えば正又は負のAプレート、Cプレート特性を有するもの等があり、上記フィルム又はポリカーボネートフィルムを延伸したもの、TACフィルムなどの表面に棒状液晶化合物やディスコティック液晶化合物をコートしたものなどが挙げられる。これらは液晶表示装置の偏光板としてその液晶セルの特性に合わせて適宜選択される。
λ/4位相差フィルム、及びλ/2位相差フィルムは、光学補償フィルムと同様な方法によって得ることができ、これらは例えば円偏光板に用いられ、有機EL表示装置等の反射防止フィルムに好適である。これらの厚みは10〜50μmが好ましく、さらには15〜40μmが好ましい。
位相差(光学補償)塗工層としては、液晶化合物を偏光子上に塗工する方法や別途離型フィルムに位相差層を設け、これを転写する方法がある。特に偏光板の薄型化を行う場合、液晶性の偏光子又は基材に積層された偏光子を転写する偏光子が好適に用いられる。
画像表示装置は、光源側偏光板、画像表示セル、及び視認側偏光板をこの順で有することが好ましい。
上述の偏光板は、光源側偏光板、又は視認側偏光板のいずれであっても好適に用いられ、両方に用いることも好ましい形態である。なお、積層フィルムは、画像表示セルとは反対面の偏光子保護フィルムとして用いることが好ましい。
薄型化に好ましい光源としては、発光ダイオードを用いた光源が挙げられ、青色発光ダイオードと黄色蛍光体の光源、QD光源、赤色領域用にKSF蛍光体を用いた光源(KSF光源)が挙げられる。また、有機EL光源も好ましい光源として挙げられる。
積層フィルムは、円偏光板の偏光子保護フィルム(特に表示セルとは反対面の偏光子保護フィルム)としても好適に用いることができる。特に薄型化が可能であり、フレキシブルタイプ(折りたたみ可能タイプ)の有機EL表示装置の円偏光板の偏光子保護フィルムとしても好適に用いられる。
実施例における物性の評価方法は以下の通りである。
分子配向計(王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計)を用いて、粗面化する前の基材フィルムの配向軸方向を求め、配向軸方向が長辺となるように4cm×2cmの長方形を切り出し、測定用サンプルとした。このサンプルについて、直交する二軸の屈折率(Bfnx,Bfny)、及び厚さ方向の屈折率(Bfnz)をアッベ屈折率計(アタゴ社製、NAR−4T、測定波長589nm)を用いて測定し、前記二軸の屈折率の差の絶対値(|Bfny−Bfnx|)を屈折率異方性(△BfNxy)とした。なお、粗面化した基材フィルムの屈折率は、耐水性の紙やすり等で研磨して粗面化面を平坦化して測定することができる。
電気マイクロメータ(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて、5点の厚みを測定し、その平均値を求めた。
屈折率の異方性(△BfNxy)とフィルムの厚みd(nm)との積(△BfNxy×d)より、面内リタデーション(Re)を求めた。
|Bfnx−Bfnz|/|Bfnx−Bfny|で得られる値をNz係数とした。
(Bfnx+Bfny)/2−Bfnzで得られる値を面配向度(ΔP)とした。
厚さ方向リタデーションとは、フィルム厚さ方向断面から見たときの2つの複屈折△BfNxz(=|Bfnx−Bfnz|)、△BfNyz(=|Bfny−Bfnz|)にそれぞれフィルム厚さdを掛けて得られるリタデーションの平均を示すパラメーターである。前記と同様の方法でBfnx、Bfny、Bfnzとフィルム厚みd(nm)を求め、(△BfNxz×d)と(△BfNyz×d)との平均値を算出して厚さ方向リタデーション(Rth)を求めた:Rth=(△BfNxz×d+△BfNyz×d)/2。
表面粗さの各パラメータは、接触型粗さ計(ミツトヨ社製,SJ-410,検出器:178−396−2,スタイラス:標準スタイラス122AC731(2μm))を用いて測定される粗さ曲線から求めた。設定は以下の通りに行った。
曲線:R
フィルタ:GAUSS
λc:0.8mm
λs:2.5μm
測定長さ:5mm
測定速度:0.5mm/s
なお、RqはJIS B0601−2001に準拠し、その他はJIS B0601−1994に準拠して、求めた。
粗面化した基材フィルム及び積層フィルムの厚みは、各フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、断面の切片を切り出し、顕微鏡で観察して等間隔で10点の厚みを測定し、その平均値とした。なお、界面が見にくい場合は偏光顕微鏡を用いた。また、粗面化した基材フィルムの凹凸面は、視野の凸部と凹部の中央を基準とした。光学等方層の厚みは、積層フィルムの厚みから、粗面化した基材フィルムの厚みを引くことにより求めた。
離型フィルムに光学異方層を凹凸面に設ける場合と同じ条件で、厚みが約20μmとなるように設け、離型フィルムから剥離したサンプルの屈折率を基材フィルムと同様にして測定した。nx、ny、nzが同じ値であることを確認した。
(ポリエステル樹脂の重合)
攪拌機、温度計、及び部分還流式冷却器を具備するステンレススチール製オートクレーブに、ジメチルテレフタレート194.2質量部、ジメチルイソフタレート184.5質量部、ジメチル−5−ナトリウムスルホイソフタレート14.8質量部、ジエチレングリコール233.5質量部、エチレングリコール136.6質量部、及びテトラ−n−ブチルチタネート0.2質量部を仕込み、160℃から220℃の温度で4時間かけてエステル交換反応を行った。次いで255℃まで昇温し、反応系を徐々に減圧した後、30Paの減圧下で1時間30分反応させ、共重合ポリエステル樹脂を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂は、淡黄色透明であった。共重合ポリエステル樹脂の還元粘度を測定したところ0.70dl/gであった。DSCによるガラス転移温度は40℃であった。
攪拌機、温度計及び還流装置を備えた反応器に、共重合ポリエステル樹脂30質量部、及びエチレングリコールn−ブチルエーテル15質量部を入れ、110℃で加熱、攪拌し、樹脂を溶解した。樹脂が完全に溶解した後、水55質量部をポリエステル溶液に攪拌しつつ徐々に添加した。添加後、液を攪拌しつつ室温まで冷却して、固形分30質量%の乳白色のポリエステル水分散体を作製した。
攪拌機、温度計、及び還流冷却管を備えたフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物(旭化成ケミカルズ製、デュラネートTPA)100質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部、及びポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量750)30質量部を仕込み、窒素雰囲気下、70℃で4時間保持した。その後、反応液温度を50℃に下げ、メチルエチルケトオキシム47質量部を滴下した。反応液の赤外スペクトルを測定し、イソシアネート基の吸収が消失したことを確認し、固形分75質量%のブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
下記の塗剤を混合しP1塗布液を作成した。
水 50.00質量%
イソプロパノール 33.00質量%
ポリエステル水分散体 12.00質量%
ブロックイソシアネート系架橋剤 0.80質量%
粒子 1.40質量%
(平均粒径100nmのシリカゾル、固形分濃度40質量%)
触媒
(有機スズ系化合物 固形分濃度14質量%) 0.30質量%
界面活性剤 0.50質量%
(シリコン系、固形分濃度10質量%)
(製造例1−ポリエステルX)
エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部及びエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、及びトリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行い、ゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
フィルム用原料として粒子を含有しないPET(X)樹脂ペレットを押出機に供給し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。次いで、リバースロール法によりこの未延伸PETフィルムの両面にP1塗布液をいずれも乾燥後の塗布量が0.12g/m2になるように塗布した後、乾燥機に導き80℃で20秒間乾燥した。
原反フィルムAと同様の方法により作製された未延伸フィルム(易接着層塗工済み)を、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に2.0倍延伸した後、原反フィルムAと同様の方法により温度135℃の熱風ゾーンに導き幅方向に4.0倍延伸し、原反フィルムCを得た。
原反フィルムAと同様の方法により作製された未延伸フィルム(易接着層塗工済み)を、加熱されたロール群及び赤外線ヒーターを用いて105℃に加熱し、その後周速差のあるロール群で走行方向に3.5倍延伸した後、原反フィルムAと同様の方法により温度135℃の熱風ゾーンに導き幅方向に3.5倍延伸し、原反フィルムDを得た。
ガラス板にウレタンフォームを貼り付け、さらにその上に原反フィルムAの周辺を両面テープで貼り付け、この原反フィルム面を手持ちタイプのベルトサンダー(サンディングベルト#320)で縦、横、斜め(45度、135度)の合計4方向から処理を行い、表面粗面化フィルムA1を得た。
ガラス板に原反フィルムAの周辺を両面テープで貼り付け、乾式のサンドブラスターにセットし、研磨材を吹き付けで処理(サンドブラスト処理)し、表面粗面化フィルムA2を得た。
原反フィルムAの片面にポリプロピレンフィルム製マスキングフィルムを貼り合わせ、これを38%の水酸化カリウム水溶液(95℃)に浸漬(ケミカルエッチング)し、水洗した後、マスキングフィルムを剥離して乾燥し、表面粗面化フィルムA4を得た。
ベルトサンダーの条件(サンディングベルトの種類等)、サンドブラストの条件(研磨材の粒径等)を変え、原反フィルムA、B、C、及びDから表2に示す各表面粗面化フィルムを得た。
なお、B1及びC1の製造には#320のサンディングベルトを用い、A3及びD1の製造には#180のサンディングベルトを用いた。また、サンドブラスターの研磨材はA5、A6、B2、A2の順に大きなものを用いた。
なお、ベルトサンダー処理、及びサンドブラスト処理したものは、局所突起の影響を除くため、処理表面を#400のサンドペーパーで軽く研磨した。
(光学等方層用のコート剤の準備)
光学等方層用のコート剤として表3に示すものを準備した。
20cm×30cmの表面粗面化フィルムA1の凹凸面に、上述の易接着層を水/イソプロパノール=2/1の溶液で4倍に希釈したものを塗工して乾燥させ、約30nmの易接着層を設けた。さらにその上に光学等方層用のコート剤aをアプリケーターで塗工した後、塗工面から高圧水銀灯で硬化させて積層フィルムF1を得た。
表面粗面化フィルム及び/又はコート剤の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムF2〜F8及びF10〜F17を得た。なお、積層フィルムF15は両面に光学等方層を設けた。
20cm×30cmの表面粗面化フィルムA1の凹凸面に、上述の易接着層を水/イソプロパノール=2/1の溶液で4倍に希釈したものを塗工して乾燥させ、約30nmの易接着層を設けた。さらにその上に光学等方層用のコート剤aをアプリケーターで塗工した後、塗工面に防眩性を持たせるために凹凸構造を設けた表面ニッケルメッキの金属板金型を重ね、基材フィルム面から高圧水銀灯で硬化させて光学等方層に防眩性を持たせた積層フィルムF9を得た。
20cm×30cmの粗面化フィルムB2の凹凸面に、バイロン(登録商標)200(RV200)(東洋紡社製)の20%トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒の溶液を塗工した後に乾燥させ、光学等方層を設けた。得られた2枚の積層フィルムの光学等方層面を重ね、100℃に加熱したロール間を通過させ、2枚の積層フィルムを遅相軸同士が平行となるように貼り合わせた。バイロン200の屈折率は1.55である。
20cm×30cmの表面粗面化フィルムA1の凹凸面に光学等方性層用のコート剤eをアプリケーターで厚み5μmに塗工した。この塗工面に20cm×30cmに切り取った二軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製E5200 厚さ12μm)を積層し、A1面から高圧水銀灯を照射して硬化させ、二軸延伸PETフィルムで補強された積層フィルムF19を得た。
(虹斑の観察)
積層フィルムを、クロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に遅相軸が光源側の偏光板の透過軸と45度になるように置き、視認側の偏光板から約60cm離れた正面から透過光の状態を観察し、虹斑の有無を下記の基準に従って評価した。なお、光源は冷陰極管を用いた。
○:虹斑は観察されなかった
△:わずかに虹斑が観察された
×:虹斑が観察された
積層フィルムを新聞紙から上1cm離した位置に配置し新聞紙の文字(縦約3.8mm、横約3.9mm)が認識できるかを下記の基準で評価した。なお、防眩加工したものは防眩加工の影響があるため、評価を行わなかった。
◎:文字は鮮明に認識できた。
○:やや不鮮明さはあるが問題なく認識できた。
△:画数の多い漢字以外は認識できた。
×:認識が困難であった。
(光学等方層として用いる粘着剤用のコート剤、及び光学粘着シートの準備)
粘着剤、及び光学粘着シートとして表5に示すものを用いた。
2−エチルヘキシルアクリレート30質量部、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業社製,製品名:A−LEN−10)70質量部、及び重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.25質量部を酢酸エチル中で反応させて共重合体(Mw=40万)の酢酸エチル溶液(固形分濃度30質量%)を得た。
(基材積層偏光子の製造)
熱可塑性樹脂基材としてPET(X)を用いて厚み100μmの未延伸フィルムを作製し、この未延伸フィルムの片面に、重合度2400、ケン化度99.9モル%のポリビニルアルコールの水溶液を塗布及び乾燥してPVA層を形成し、積層体を得た。
得られた積層体を、120℃で周速の異なるロール間で長手方向に2倍に延伸して巻き取った。
次に、得られた積層体を4%のホウ酸水溶液で30秒間の処理を行った後、ヨウ素(0.2%)及びヨウ化カリウム(1%)の混合水溶液で60秒間浸漬して染色し、引き続き、ヨウ化カリウム(3%)及びホウ酸(3%)の混合水溶液で30秒間処理した。
さらに、得られた積層体を72℃のホウ酸(4%)及びヨウ化カリウム(5%)の混合水溶液中で長手方向に一軸延伸を行い、引き続き、4%ヨウ化カリウム水溶液で洗浄し、エアナイフで水溶液を除去した後に80℃のオーブンで乾燥し、両端部をスリットして巻き取り、幅30cm、長さ1000mの基材積層偏光子1を得た。
合計の延伸倍率は6.5倍で、偏光子の厚みは5μmであった。なお、厚みは基材積層偏光子をエポキシ樹脂に包埋して切片を切り出し、光学顕微鏡で観察して読み取った。
20cm×30cmの表面粗面化フィルムA1の凹凸面に光学等方層として粘着剤用コート剤iをアプリケーターで塗工後、塗工面から高圧水銀灯で硬化させて積層体とした。積層体の粘着層面と20cm×30cmに切り取った基材積層偏光子の偏光子面とを貼り合わせた後、基材積層偏光子の基材を剥離し、さらに偏光子面に光学粘着層を積層して片面保護フィルム偏光板P1を得た。なお、偏光子の透過軸と基材フィルムの遅相軸とは平行になるようにした。
光学粘着シートjを表面粗面化フィルムA1の凹凸面に光学等方性層として貼り合わせて用いた以外は同様にして偏光板P3を得た。
20cm×30cmの表面粗面化フィルムA1の凹凸面に光学等方性層として粘着剤用コート剤kをアプリケーターで塗工後、100℃で乾燥させて積層体とした。後は実施例17と同様にして偏光板P2を得た。
20cm×30cmの表面粗面化フィルムA1の凹凸面に光学等方性層用のコート剤bをアプリケーターで塗工した。この塗工面に20cm×30cmに切り取った基材積層偏光子の偏光子面を重ね合わせ、A1面から高圧水銀灯を照射して硬化させた後、基材積層偏光子の基材を剥離した。さらに偏光子面に光学粘着層を積層して片面のみに保護フィルムが設けられた偏光板偏光板P4を得た。
光学等方性層用のコート剤をe、fにした以外は同様にして、偏光板P5、P6を得た。
積層フィルムF1〜F8及びF10〜F17の光学等方性層の面に紫外線硬化型のアクリル系接着剤をアプリケーターで塗工した。この塗工面に20cm×30cmに切り取った基材積層偏光子の偏光子面を貼り合わせた後、積層フィルム面から高圧水銀灯を照射して硬化させさらに、基材積層偏光子の基材を剥離し、さらに偏光子面に光学粘着層を積層して片面のみに保護フィルムが設けられた偏光板PF1c〜PF8c及びPF10c〜PF17cを得た。
また、積層フィルムF1〜F14及びF16〜F19の基材フィルム面に紫外線硬化型のアクリル系接着剤を塗工した以外は上記と同様にして、偏光板PF1b〜PF14b及びPF16b〜PF19bを得た。
なお、偏光子の透過軸と基材フィルムの遅相軸は平行になるようにした。
(光配向層の形成)
(光配向層用塗料の合成)
特開2013−33248号公報の実施例1、実施例2、実施例3の記載に基づき、下記式(1)のポリマー(イ)のシクロペンタノン5質量%溶液を製造した。
積層フィルムF5をA4の大きさに切り出し、基材フィルム面に上記組成の光配向層用塗料をバーコーターを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥し厚み150nmの膜を形成した。引き続き偏光UV光を照射し、光配向層を積層した積層フィルムF5を得た。照射したUVの偏光面は基材の遅相軸と平行になるようにした。
(重合性液晶化合物の合成)
特表2007−510946号公報の[0134]段落の記載および、Lub et al.Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,115,321−328(1996)を参考にして、下記式(2)の化合物(ロ)、下記式(3)の化合物(ハ)を合成した。
(ロ)75質量部、(ハ)25質量部、(ニ)2.5質量部、(ホ)2.5質量部、(ヘ)2.5質量部、IRGACURE(R) 369E(BASF社製)6質量部、及びオルトキシレン250質量部からなる偏光層用塗料を光配向層を積層した積層フィルムF5上にバーコーターを用いて塗布し、110℃で3分間乾燥し厚み2μmの膜を形成した。引き続きUV光を照射した。さらに偏光子面に市販の光学粘着剤シートを積層して、偏光板PF5b−dy1を得た。
積層フィルムF5をA4の大きさに切り出し、基材フィルム面に下記組成のラビング配向層用塗料をバーコーターを用いて塗布し、120℃で3分間乾燥し厚み200nmの膜を形成した。引き続き、得られた膜の表面をナイロン製の起毛布が巻かれたラビングロールで処理し、ラビング配向層を積層した積層フィルムF5を得た。ラビングは基材フィルムの遅相軸方向に平行になるように行った。
完全ケン化型ポリビニルアルコール 分子量800 2質量部
イオン交換水 100質量部
ラビング配向層を積層した積層フィルムF5の配向層上に上記の偏光層用塗料を塗布し、それ以外は同様にして偏光板PF5b−dy5を得た。
ラビング方向を基材フィルムの遅相軸方向に垂直になるようにした以外は偏光板PF5b−dy5の作製と同様にして、偏光板偏光板PF5b−dy6を得た。
ラビング方向を基材フィルムの遅相軸方向に垂直になるようにした以外は偏光板PF5b−dy7の作製と同様にして、偏光板PF5b−dy8を得た。
KSF光源を有する液晶表示装置(東芝社製レグザZ20X)に搭載された視認側、及び光源側の偏光板を剥がし、代わりに得られた偏光板を貼り合わせた。貼り合わせは、TACフィルム積層偏光子を用いた偏光板の場合はTAC面に市販の光学粘着剤シートを積層して行い、片面のみ保護フィルムを有する偏光板の場合は偏光子面に積層した光学用粘着剤シート面を貼り合わせた。
偏光子の透過軸は元の液晶表示装置の方向と同じになるようにした。なお、偏光板がカバーしきれない液晶セルの部分は黒色画用紙で覆った。
評価は、虹斑の確認と画像のコントラストを観察した。
液晶表示装置の表示を白一色にし、正面及び斜め方向から見て虹斑の有無を確認した。
○:虹斑は観察されなかった
△:わずかに虹斑が観察された
×:虹斑が観察された
液晶表示装置の表示を風景の画像とし、上方から卓上の蛍光灯の光を照射して正面からのコントラストを観察した。
◎:鮮やかなコントラストのままであった。
○:散乱光によりわすかにコントラストの低下が認められた。
△:コントラストの低下が認められたが、画像の観察は可能であった。
×:散乱光により、画像が見にくくなった
上述の粘着剤を積層した片面保護フィルム偏光板P2の粘着層面にλ/4波長板を貼り合わせ、円偏光板を作成した。市販の有機ELを用いたスマートホンの円偏光板を剥がし、代わりに作製した円偏光板を有機ELセルに貼り合わせ、画像を観察した。これらの円偏光板は、問題なく使用できるものであった。
Claims (4)
- 厚みが30μm以下の偏光子と積層フィルムとが積層されている偏光板であって、積層フィルムが、下記の特徴全てを有する、基材フィルムと光学等方層とを有する偏光板。
(a)基材フィルムの少なくとも片面は凹凸面であり、凹凸面の算術平均粗さ(Ra)が0.2〜10μmである。
(b)基材フィルムの屈折率異方性(Bfnx−Bfny)が0.04〜0.2である。
(c)基材フィルムの凹凸面上には光学等方層が設けられており、光学等方層の屈折率がBfny−0.15〜Bfnx+0.15である。
(但し、基材フィルムの遅相軸方向の屈折率をBfnx、進相軸方向の屈折率をBfnyとする) - 偏光子がポリビニルアルコールに二色性色素を吸着させた偏光子である請求項1に記載の偏光板。
- 偏光子が液晶性化合物に二色性色素を配合した偏光子である請求項1に記載の偏光板。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏光板を含む画像表示装置。
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