以下に添付図面を参照して、本発明に係る紙巻防止装置及び印刷機の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、複数の実施形態がある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図6は、新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図、図7は、新聞用オフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図、図8は、印刷ユニットにおけるローラ配列を表す概略図である。
本実施形態の印刷機は、図6に示すように、新聞用オフセット輪転印刷機10であって、給紙装置Rと、インフィード装置Iと、印刷装置Uと、ウェブパス装置Dと、折機Fとから構成されている。給紙装置Rは、複数(本実施形態では、7台)の給紙ユニットR1〜R7を有し、インフィード装置Iは、複数(本実施形態では、7台)のインフィードユニットI1〜I7を有し、印刷装置Uは、複数(本実施形態では、6台)の印刷ユニットU1〜U6を有し、ウェブパス装置Dは、複数(本実施形態では、2台)のウェブパスユニットD1,D2を有し、折機Fは、複数(本実施形態では、2台)の折ユニットF1,F2を有している。
この場合、印刷ユニットU1〜U6を6台として説明したが、各印刷ユニットU1〜U6は、4色刷りが可能であると共に、上下に分割して12台の2色刷りが可能な印刷ユニットU11,U12,U21・・・U61,U62として用いることができる。また、2つの折ユニットF1,F2を上下に並べて記載したが、実際には、紙面に直交する方向に並んで配置される操作側折ユニットF1と駆動側折ユニットF2となっている。更に、印刷装置Uを2つの部分から記載したが、機能上2つに分けて記載しただけであり、実際には、1つの装置となっている。
そして、本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機10では、図示しない建屋の1階の床面上に給紙ユニットR1〜R7が設置され、2階にインフィードユニットI1〜I7が設置され、2階及び3階に印刷ユニットU1〜U6が設置され、3階から5階にウェブパス装置Dが設置され、また、2階、3階に折機Fが設置されている。
給紙装置Rにおいて、給紙ユニットR1〜R7は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブ(印刷媒体)Wがロール状に巻かれた3つの巻取紙を保持する保持アーム11を有し、この保持アーム11を回動することで、巻取紙を給紙位置に回動することができる。また、この各給紙ユニットR1〜R7には、図示しない紙継装置が設けられており、給紙位置で繰り出されている巻取紙が残り少なくなると、この紙継装置により給紙位置にある巻取紙に対して、待機位置にある巻取紙を紙継することができる。
インフィード装置Iにおいて、インフィードユニットI1〜I7は、ほぼ同様の構成をなし、印刷装置Uの各印刷ユニットU1〜U6に送り込むウェブWのテンションを調整することで、印刷装置Uを走行するウェブWのテンションを適正値に安定して維持するようにしている。例えば、各インフィードユニットI1〜I7は、インフィードローラ、紙押えゴムローラ、ダンサローラ、ガイドローラなどを有している。そして、ダンサローラをウェブWの張り方向に付勢することでウェブWのテンションを適正にし、このダンサローラの揺動に応じてインフィードローラの周速を変更し、ウェブWの適正なテンションを維持している。
なお、給紙装置Rからインフィード装置IまでのウェブWのテンションは、給紙ユニットR1〜R7に設けられた図示しないブレーキ装置により行っており、給紙装置Rに設けられたテンション検出ローラの検出結果に基づいて、このブレーキ装置を制御している。また、印刷装置Uの下流側には、駆動源により駆動回転可能なドラグローラ12が設けられており、このドラグローラ12の周速やダンサローラの付勢力を制御することで、ウェブWのテンションを調整している。
印刷装置Uにおいて、印刷ユニットU1〜U6は、両面4色印刷を行うことができる多色刷印刷ユニットである。但し、各印刷ユニットU1〜U6は、上下に分割することで、両面2色印刷を行うことができる印刷ユニットU11〜U62とすることができる。各印刷ユニットU11〜U62は、ほぼ同様の構成をなし、後述するが、インキ供給装置、版胴、ブランケット胴などを有している。本実施形態では、各印刷ユニットU1〜U6は、版胴の周長が新聞(印刷物)の1頁の縦の長さに設定され、ブランケット胴の周長が版胴の周長の整数倍に設定される。なお、各印刷ユニットU1〜U6にて、版胴の周長(直径)とブランケット胴の周長(直径)を同じに設定してもよい。
なお、本実施形態では、印刷ユニットU1〜U6を、全て多色刷印刷ユニットにより構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、両面2色刷印刷ユニット、両面単色刷印刷ユニット、一面4色または単色刷印刷ユニットなど、印刷物に応じて適宜各種ユニットを組み合わせて使用すればよい。
ウェブパス装置Dにおいて、ウェブパスユニットD1は、印刷ユニットU1〜U3に対して設けられ、ウェブパスユニットD2は、印刷ユニットU4〜U6に対して設けられている。各ウェブパスユニットD1,D2は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブWを縦(ウェブWの天地長手方向、ウェブWの搬送方向)に沿ってその幅方向の中央部で裁断するスリッタ、縦裁断したウェブWの搬送経路を設定するターンバー、ウェブWにおける天地長手方向における搬送位置を調整するコンペンセータなどを有している。
即ち、各印刷ユニットU1〜U3で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。また、印刷ユニットU4〜U6で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD2にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
折機Fにて、2つの折ユニットF1,F2は、操作側と駆動側に配設されている。即ち、ウェブパスユニットD1から複数のウェブW1が重ねられて導入されると、折ユニットF1は、ウェブW1を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。また、ウェブパスユニットD2から複数のウェブW2が重ねられて導入されると、折ユニットF2は、ウェブW2を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。この場合、折機Fでは、折ユニットF1,F2が各ウェブパスユニットD1,D2からのウェブW1,W2を処理するだけでなく、各折ユニットF1,F2の一方がまとめて処理することもできる。
従って、本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機10では、給紙装置Rの各給紙ユニットR1〜R7からそれぞれ供給された各ウェブWは、インフィード装置Iの各インフィードユニットI1〜I7によりテンションが調整され、印刷装置Uの各印刷ユニットU1〜U6に供給される。この印刷装置Uにおける各印刷ユニットU1〜U6にて、各ウェブWの両面に印刷が施される。そして、各印刷ユニットU1〜U3で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。また、印刷ユニットU4〜U6で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD2にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
その後、折機Fでは、ウェブパスユニットD1から複数のウェブW1が重ねられて導入されると、折ユニットF1は、ウェブW1を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙する。また、ウェブパスユニットD2から複数のウェブW2が重ねられて導入されると、折ユニットF2は、ウェブW2を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙する。
ここで、印刷装置Uにおける印刷ユニットU1について詳細に説明する。なお、他の各印刷ユニットU2〜U6もほぼ同様の構成となっている。
印刷ユニットU1は、図7に示すように、4色印刷が可能となるように、H型のタワーユニットとなっている。この印刷ユニットU1は、ウェブWの搬送方向が鉛直方向における上方となっており、本実施形態では、下から上に向かって、墨(Black)、藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(Yellow)ごとの4つのスタック21,22,23,24が配置されて構成されており、各スタック21,22,23,24は、それぞれ左右対称となるローラ配列となっている。なお、このスタック21,22,23,24の順序(色の順序)は、これに限定されるものではない。
即ち、印刷ユニットU1における各スタック21,22,23,24は、左右に対向してブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bがウェブWの搬送経路を挟んで対接可能であり、各ブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bに版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bが対接している。そして、各スタック21,22,23,24は、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに対して、インキ供給装置51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bが設けられている。また、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに対して、湿し装置61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64bが設けられている。
この場合、スタック21,23は、ブランケット胴31a,31b,33a,33bと版胴41a,41b,43a,43bがハの字形状に配列され、スタック22,24は、ブランケット胴32a,32b,34a,34bと版胴42a,42b,44a,44bが逆ハの字形状に配列されている。そして、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bにて、外周面に異なる絵柄を印刷する刷版(図示略)が軸方向、つまり、ウェブWの幅方向に沿って並べて装着可能となっている。
ここで、最も上方側に配置されるスタック24について詳細に説明する。なお、他のスタック21,22,23もほぼ同様の構成である。
スタック24は、図8に示すように、鉛直方向における上方向に沿ったウェブWの搬送経路(ウェブ搬送位置)に対して、左側が表面印刷を行う表面印刷ユニットであり、右側が裏面印刷を行う裏面印刷ユニットである。
スタック24は、ブランケット胴34a,34bと、版胴44a,44bと、インキ供給装置54a,54bと、湿し装置64a,64bを有している。このインキ供給装置54a,54bは、インキ元ローラ71a,71bと、インキつぼを構成するインキキー72a,72bと、インキ受渡しローラ73a,73bと、インキ練ローラ74a,74bと、インキ往復ローラ75a,75bと、インキ練ローラ76a,76bと、インキ往復ローラ77a,77bと、2つのインキ着ローラ78a,78b,79a,79bから構成されている。また、湿し装置64a,64bは、水ライダローラ81a,81bと、水往復ローラ82a,82bと、水着ローラ83a,83bとから構成されている。
本実施形態のインキ供給装置54a,54bは、インキつぼ方式であって、1つのインキ元ローラ71a,71bに対して複数のインキキー72a,72bが幅方向に沿って配置されて構成されている。そして、インキ元ローラ71a,71b及びインキキー72a,72bは、予め設定された所定の流動性(粘度)を有するインキを貯留することができると共に、インキキー72a,72bを開放することで、所定量のインキを送り出すことができる。このインキ元ローラ71a,71bは、表面が金属により形成され、図示しないフレームに回転自在に支持され、後述する駆動装置により駆動回転可能となっている。
インキ受渡しローラ73a,73bは、インキ元ローラ71a,71bのインキを受け渡すものであって、表面が金属または樹脂により形成され、インキ元ローラ71a,71bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。インキ練ローラ74a,74bは、インキ受渡しローラ73a,73bから受け渡されたインキを練るものであって、表面がゴムにより形成され、インキ受渡しローラ73a,73bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。インキ往復ローラ75a,75bは、インキ練ローラ74a,74bにより練られたインキを幅方向に広げるものであって、表面が金属により形成され、インキ練ローラ74a,74bに対接するようにフレームに回転自在に支持されると共に、軸方向に往復移動可能となっている。
インキ練ローラ76a,76bは、インキ往復ローラ75a,75bから受け渡されたインキを練るものであって、表面がゴムにより形成され、インキ往復ローラ75a,75bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。インキ往復ローラ77a,77bは、インキ練ローラ76a,76bにより練られたインキを幅方向に広げるものであって、表面が金属により形成され、インキ練ローラ76a,76bに対接するようにフレームに回転自在に支持されると共に、軸方向に往復移動可能となっている。
インキ着ローラ78a,78b,79a,79bは、インキ往復ローラ77a,77bにより幅方向に広げられたインキを受け取って供給するものであって、表面がゴムにより形成され、インキ往復ローラ77a,77bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。そして、インキ受渡しローラ73a,73bとインキ往復ローラ75a,75b,77a,77bは、図示しないギアにより同期駆動するように連結され、図示しない駆動装置により駆動回転可能となっている。また、インキ練ローラ74a,74bとインキ着ローラ78a,78b,79a,79bは、駆動回転する各ローラとの摩擦接触による回転伝達により回転可能となっている。
また、水ライダローラ81a,81bは、ローラ間で受け渡される湿し水を練るものであり、表面がゴムにより形成され、隣接するローラに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。また、水往復ローラ82a,82bは、隣接するローラ間で受け渡される湿し水を幅方向に広げるものであって、表面が金属により形成され、隣接するローラに対接するようにフレームに回転自在に支持されると共に、軸方向に往復移動可能となっている。水着ローラ83a,83bは、水往復ローラ82a,82bにより幅方向に広げられた湿し水を受け取って供給するものであって、表面がゴムにより形成され、水往復ローラ82a,82bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。そして、水往復ローラ82a,82bは、インキ往復ローラ75a,75b,77a,77bと共にギアにより同期駆動するように連結され、駆動回転可能となっている。また、水ライダローラ81a,81bと水着ローラ83a,83bは、駆動回転する各ローラとの摩擦接触による回転伝達により回転可能となっている。
版胴44a,44bは、表面に図示しない刷版が巻き付けられる金属ローラであり、水着ローラ83a,83bの湿し水が刷版の非画線部に受け渡された後、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bのインキが刷版の画線部に受け渡される。この版胴44a,44bは、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bと水着ローラ83a,83bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。ブランケット胴34a,34bは、表面に図示しないブランケット(ゴム)が巻き付けられるゴムローラであり、版胴44a,44bから受け渡されたインキをウェブWに転写するものであって、版胴44a,44bに対接するようにフレームに回転自在に支持されている。ここで、左右のブランケット胴34a,34bは、所定高さだけ上下方向にずれて配置されている。即ち、左右のブランケット胴34a,34bは、水平線に対して所定角度θだけ回動した位置に配置されることで、左側のブランケット胴34aが右側のブランケット胴34bより所定高さだけ上方に位置している。そして、版胴44a,44bとブランケット胴34a,34bは、図示しないギアにより同期駆動するように連結され、駆動装置により駆動回転可能となっている。
この場合、版胴44a,44bに装着される刷版は、絵柄のある領域(画線部)と絵柄のない領域(非画線部)が形成され、画線部が親油性であり、非画線部が親水性である。そのため、版胴44a,44bに装着された刷版に対して、水着ローラ83a,83bから湿し水が供給された後に、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bからインキが供給されると、画線部のみにインキが転写され、非画線部に湿し水が転写される。そして、版胴44a,44bに対してブランケット胴34a,34bが対接して同期回転すると、版胴44a,44bから画線部にあるインキがブランケット胴34a,34bに転写される。
従って、スタック24にて、インキキー72a,72bが所定開度に設定され、インキ元ローラ71a,71bが所定の速度で回転することで、調量されたインキがこのインキ元ローラ71a,71bを通してインキ受渡しローラ73a,73bに供給される。このインキ受渡しローラ73a,73bに供給されたインキは、インキ練ローラ74a,74bを通してインキ往復ローラ75a,75bに受け渡され、このインキ往復ローラ75a,75bが軸方向に往復移動することで、幅方向に広げられる。また、このインキ往復ローラ75a,75bで幅方向に広げられたインキは、インキ練ローラ76a,76bを通してインキ往復ローラ77a,77bに受け渡され、このインキ往復ローラ77a,77bが軸方向に往復移動することで、さらに幅方向に広げられる。
そして、水ライダローラ81a,81bは、湿し水を水往復ローラ82a,82bに付与し、この湿し水が水着ローラ83a,83bにより版胴44a,44bの版面に受け渡される。このとき、水着ローラ83a,83bの湿し水は、版胴44a,44bに装着された刷版の非画線部のみに転写される。一方、各インキ往復ローラ77a,77bにより幅方向に広げられたインキは、インキ着ローラ78a,78b,79a,79bに供給され、このインキ着ローラ78a,78b,79a,79bが回転することで版胴44a,44bの版面に受け渡される。このとき、インキ着ローラ78a,78b,79a,79b上のインキは、版胴44a,44bに装着された刷版の画線部のみに転写される。そして、この版胴44a,44bが回転することで、刷版の画線部にあるインキがブランケット胴34a,34bに受け渡される。
その後、ブランケット胴34a,34bの間のニップ部にウェブWが通過するときに、その印圧により各ブランケット胴34a,34bに転写されたインキ(絵柄)がウェブWの表裏に転写される。即ち、ウェブWの表面に対して、ブランケット胴34aのインキが転写され、ウェブWの裏面に対して、ブランケット胴34bのインキが転写されることで、ウェブWへの両面印刷が行われる。
このように構成された本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機10は、図7に示すように、紙巻防止装置100が設けられている。この紙巻防止装置100は、紙切れ検出器101と、カッタ102と、ウェブキャッチャ103と、制御装置104と、紙規制装置105とを有している。
紙切れ検出器101は、印刷ユニットU1の上方で、ドラグローラ12より下流側に配置されており、ウェブWのテンションを検出することでウェブWの切断(紙切れ)を判定することができる。この紙切れ検出器101は、接触式または非接触式など種々の形式のものが適用可能であり、検出結果を制御装置104に出力する。カッタ102は、印刷ユニットU1の下方に配置されており、印刷ユニットU1に入り込むウェブWを切断することができる。ウェブキャッチャ103は、印刷ユニットU1の上方で、ドラグローラ12及び紙切れ検出器101より下流側に配置されている。このウェブキャッチャ103は、駆動ローラ111と紙押えローラ112を有しており、ウェブWを上下から挟持するように、駆動ローラ111と紙押えローラで112が配置されている。そして、カッタ102とウェブキャッチャ103は、制御装置104により駆動可能となっている。
従って、何らかの原因でウェブWが切断されると、ウェブWのテンションが低下することから、紙切れ検出器101が紙切れを検知して検出信号を制御装置104に出力する。制御装置104は、新聞用オフセット輪転印刷機10を停止した後に、カッタ102を作動し、印刷ユニットU1の下方でウェブWを切断すると同時に、ウェブキャッチャ103を作動し、紙押えローラ112を駆動ローラ111に押し当てることで、弛んだウェブWを巻き取る。すると、印刷ユニットU1の入口側で切断されたウェブWは、ウェブキャッチャ103に巻き取られることで、印刷ユニットU1内を高速で上方に引き上げられ、強制的に外部に排出される。
しかし、ウェブキャッチャ103により上方に引き上げられるウェブWは、端部が切断された自由状態であることから、印刷ユニットU1内で暴れながら移動する。このとき、特に、最も上方に位置するスタック24では、ウェブWにおける端部の暴れが大きく、ブランケット胴34a,34bやインキ着ローラ78a,78b(図8参照)に接触しやすい。紙切れが発生したとき、制御装置104が新聞用オフセット輪転印刷機10を停止しても、各胴や各ローラを直ちに停止することはできず、ウェブWの紙切れ端部がブランケット胴34a,34bやインキ着ローラ78a,78bに接触すると、このウェブWがブランケット胴34a,34bやインキ着ローラ78a,78bに巻き付いてしまい、ウェブキャッチャ103との間で切断してしまうおそれがある。すると、ウェブWの一部がブランケット胴34a,34bやインキ着ローラ78a,78bに巻き付いたままとなり、ウェブWの除去作業が困難となり、印刷作業に支障をきたしてしまう。インキ着ローラ78a,78bに巻き付くと、ウェブWの除去作業はさらに困難となる。つまり、インキ着ローラ78a,78bに巻き付くと、ウェブWないしウェブWの紙切れ端部がインキローラ群に巻き込まれてしまう。インキローラ群はローラの本数が多いため、ローラ周囲が狭く、除去作業や点検、清掃作業が増えて、復旧までにより多くの時間がかかる。
そこで、第1実施形態の紙巻防止装置100は、印刷ユニットU1のスタック24に紙規制装置105が設けられている。この紙規制装置105は、紙切れが発生してウェブキャッチャ103がウェブWを上方に引き上げて印刷ユニットU1から排出するとき、ウェブWの端部がブランケット胴34a,34bやインキ着ローラ78a,78bに接触しないようにウェブWの紙切れ端部の暴れを規制するものである。
図1は、第1実施形態の紙巻防止装置を表す概略図、図2は、紙巻防止装置における要部を表す概略図、図3は、気体噴出装置を表す概略図、図4は、気体噴出装置の噴出ノズルを表す概略図、図5は、気体噴出装置の作動パターンを表す概略図である。
図1に示すように、左右のブランケット胴34a,34bは、ブランケット胴34aの回転中心O1aに対してブランケット胴34bが時計回り方向に所定角度θだけ回動した位置に配置されることで、各回転中心O1a,O1bが鉛直方向に所定高さだけずれて配置されている。左右のブランケット胴34a,34bは、対接部がニップ部となっており、このニップ部でウェブWを挟持してインキを転写する。そして、ブランケット胴34aは、ウェブWの搬送位置とは反対側の外周面に版胴44aが対接し、版胴44aに対して上方側の外周面に2個のインキ着ローラ78a,79aが対接し、各インキ着ローラ78a,79aにインキ往復ローラ77aが対接している。なお、図示しないが、ブランケット胴34bも同様である。
紙規制装置105は、ブランケット胴34aの上方の外周辺で、ウェブ搬送位置(ウェブWのニップ部)とインキ着ローラ78aとの間に配置されている。紙規制装置105は、ウェブWとブランケット胴34aとの接触位置(ニップ位置)よりブランケット胴34aの回転方向における下流側に配置されている。この紙規制装置105は、ブランケット胴34aの外周辺でウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置される第1ガード121と、ブランケット胴34aの外周辺で第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間に配置される気体噴出装置122とから構成されている。
印刷ユニットU1は、ブランケット胴34a,34bの上方にフレーム123a,123bが配置されている。図1及び図2に示すように、第1ガード121及び気体噴出装置122は、ブランケット胴34aや版胴44aの軸方向に沿って、ウェブWの幅を越えて配置されており、フレーム123aから垂下された支持部124に固定されている。第1ガード121は、ブランケット胴34aの上方の外周辺で、回転中心O1aよりウェブ搬送位置側に配置され、気体噴出装置122は、ブランケット胴34aの上方の外周辺で、回転中心O1aよりインキ着ローラ78a側に配置され、それぞれ支持部124に支持されている。
第1ガード121は、取付部131と、第1傾斜部132と、第2傾斜部133と、受け止め部134を有している。第1ガード121は、取付部131が鉛直方向に沿って配置され、フレーム123aの支持部124に固定されている。取付部131は、下部に連続して第1傾斜部132と第2傾斜部133が一体に設けられ、ウェブ搬送位置側に延出されている。第1傾斜部132は、ウェブ搬送位置側が水平線に対して下方を向いて傾斜することで、下面に傾斜面132aが形成されている。第2傾斜部133は、ウェブ搬送位置側が水平線に対して更に下方を向いて傾斜することで、下面に傾斜面133aが形成されている。第1ガード121は、第1傾斜部132及び第2傾斜部133により、先端部側に向けてブランケット胴34aの外周面との隙間が小さくなる第1傾斜面135(傾斜面132a,133a)を有し、第1ガード121の先端部とブランケット胴34aの外周面との間に第1隙間S1が設けられている。
受け止め部134は、第2傾斜部133の先端部が上方に折り返されると共に、幅方向の各端部とその間に所定間隔で複数のリブプレート136が固定されることで構成されている。この受け止め部134は、上方から落下する異物(例えば、インキの液滴)を受け止めて貯留するものである。第1ガード121は、ブランケット胴34aの外周面に対向する先端部が湾曲形状をなしている。なお、第1ガード121は、取付部131に対して第1傾斜部132と第2傾斜部133が屈曲するように設けたが、湾曲形状としてもよい。
気体噴出装置122は、ブランケット胴34aの上方の外周辺でウェブ搬送位置側からインキ着ローラ78a側に向けて気体を噴出するものである。ここで、気体は、空気であるが、窒素などの不活性ガスなどであってもよい。気体噴出装置122は、ブランケット胴34aや版胴44aの軸方向に沿って、ウェブWの幅を越えて配置されており、ヘッダ141と、複数の噴出ノズル142を有している。気体噴出装置122は、フレーム123aの支持部124に固定された取付部125に固定されている。そして、ヘッダ141に固定される複数の噴出ノズル142は、インキ着ローラ78a側に延出されている。
気体噴出装置122は、ブランケット胴34aの回転方向における下流側に向けて気体を噴出する。この場合、気体噴出装置122は、ブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2に向けて気体を噴出する。また、気体噴出装置122は、ブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2の中心位置O3aよりブランケット胴34aの周面側に向けて気体を噴出するようにしてもよい。
即ち、気体噴出装置122における複数の噴出ノズル142は、ヘッダ141から鉛直方向の下方に延出し、中途部からブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2に向けて屈曲している。噴出ノズル142は、噴射口がブランケット胴34aの回転中心O1aとインキ着ローラ78aの回転中心O2aとを結ぶ直線L1に対して、第2隙間S2の中心位置O3aで直交する直線L2上に位置し、この直線L2に沿って中心位置O3aに向けて気体を噴出する。また、噴出ノズル142は、第2隙間S2の中心位置O3aとブランケット胴34aの周面との間の領域に気体を噴出してもよい。気体噴出装置122がこの領域に気体を噴出することで、インキ着ローラ78aは、ブランケット胴34aと回転方向が逆であることから、インキ着ローラ78aに回転による空気層の乱れを気体噴出装置122からの噴出気体により抑制することができる。また、この領域に気体を噴出することで、高速回転しているインキ着ローラ78aの周面の空気流の流れを変え、インキ着ローラ78aの周面に沿って周回している空気層を制御することができる。つまり、インキ着ローラ78aの周面に沿って周回している空気層の流れを気体噴出装置122からの噴出気体によって方向を変えたり、噴出する気体でインキ着ローラ78a周囲の空気流とブランケット胴34a周囲の空気流を遮ることによって、ウェブWの紙切れ端部がインキ着ローラ78aに接触したり、インキ着ローラ78aやインキローラ群に巻き込まれたりすることを防止することができる。また、印刷ユニットU1内に漂っているインキミストを含む空気層の方向を噴出気体で変えることで、インキミストが溜まる範囲が限定されて、清掃作業を容易にすることができる。なお、噴出ノズル142は、第2隙間S2の中心位置O3aとインキ着ローラ78aの周面との間の領域に気体を噴出してもよい。また、噴出ノズル142は、第2隙間S2の中心位置O3aを通る直線L2上ではなく、直線L2よりブランケット胴34a側やインキ着ローラ78a側にずれて配置してもよい。
図3及び図4に示すように、ヘッダ141は、中央部ヘッダ143と端部ヘッダ144とから構成されており、中央部ヘッダ143と端部ヘッダ144にそれぞれ複数の噴出ノズル142が固定されている。中央部ヘッダ143と端部ヘッダ144は、それぞれ気体供給路145,146の一端部が連結され、各気体供給路145,146に開閉弁147,148が設けられている。そして、各気体供給路145,146は、他端部が集合して気体供給路149となり、気体供給源150が連結されている。
複数の噴出ノズル142は、互いに平行をなし、ウェブWの幅を越えて配置されている。複数の噴出ノズル142は、鉛直方向に沿って配置され、上端部がヘッダ141に連結され、下端部がブランケット胴34aの周面に沿って回転方向の下流側に向けて屈曲している。各噴出ノズル142は、噴射口142aが水平方向に沿う扁平形状をなし、全体としてブランケット胴34aの軸方向に沿ったカーテン形状をなす気体を噴出することができる。なお、噴射口142aの形状は、ノズルを上下から押し潰した形態のものや、先端に別部材を追加したものや、パイプカットしたものなど、所望の範囲に気体を噴射できるものであればよい。また、噴出ノズル142は、この構造に限定されるものではなく、ブランケット胴34aの軸方向に沿う1個または複数のスリット開口を有するものとしてもよい。
そのため、開閉弁147,148を開放することで、気体供給源150からの気体を気体供給路149から気体供給路145,146を通してヘッダ141(中央部ヘッダ143と端部ヘッダ144)に供給し、複数の噴出ノズル142からウェブWの幅方向領域A1に噴出することができる。このとき、開閉弁147だけを開放することで、気体供給源150からの気体を気体供給路149から気体供給路145を通して中央部ヘッダ143だけに供給し、複数の噴出ノズル142からウェブWの幅方向領域A2にだけ噴出することができる。
制御装置104(図7参照)は、印刷状態に応じて気体噴出装置122の開閉弁147,148を開閉制御することができる。図5に示すように、噴出パターンAでは、時間t1にて、新聞用オフセット輪転印刷機10が稼働すると同時に、制御装置104は、気体噴出装置122の開閉弁147,148を開放し、複数の噴出ノズル142から気体を噴出する。また、噴出パターンBでは、時間t1にて、新聞用オフセット輪転印刷機10が稼働し、時間t2にて、制御装置104は、紙切れ検出器101(図7参照)から紙切れ検知の検出信号が入力すると同時に、気体噴出装置122の開閉弁147,148を開放し、複数の噴出ノズル142から気体を噴出する。更に、噴出パターンCでは、時間t1にて、新聞用オフセット輪転印刷機10が稼働すると、制御装置104は、気体噴出装置122の開閉弁147,148を所定開度(例えば、30%)だけ開放し、複数の噴出ノズル142から少量の気体を噴出する。そして、時間t2にて、制御装置104は、紙切れ検出器101から紙切れ検知の検出信号が入力すると、気体噴出装置122の開閉弁147,148を全開(100%)まで開放し、複数の噴出ノズル142から噴出する気体の噴出量を増加する。
以下、本実施形態の紙巻防止装置100の作動について説明する。
図7及び図8に示すように、新聞用オフセット輪転印刷機10の稼働中にウェブWが切断されると、紙切れ検出器101が紙切れを検知し、制御装置104は、新聞用オフセット輪転印刷機10が稼働を停止した後に、カッタ102により印刷ユニットU1の下方でウェブWを切断すると同時に、ウェブキャッチャ103により印刷ユニットU1の上方で弛んだウェブWを巻き取る。すると、ウェブWは、印刷ユニットU1の上方でウェブキャッチャ103に巻き取られることで、紙切れ端部が印刷ユニットU1内を高速で上方に引き上げられ、強制的に外部に排出される。
このとき、ウェブキャッチャ103により上方に引き上げられるウェブWは、紙切れ端部が自由状態であることから、印刷ユニットU1内で暴れながら上方に移動し、例えば、スタック24にて、ブランケット胴34a,34bやインキ着ローラ78a,78bなどに接触し、巻き付いてしまうおそれがある。ところが、本実施形態では、このスタック24に紙規制装置105が設けられている。
図1及び図2に示すように、ウェブWの紙切れ端部がブランケット胴34a,34bのニップを上方に移動するとき、ウェブWの紙切れ端部がブランケット胴34a側またはブランケット胴34b側に暴れる。このとき、ブランケット胴34bは、インキ着ローラ78bがウェブWの搬送位置から離間しており、ウェブWのインキ着ローラ78bへの巻き込みのおそれは少ない。一方、ブランケット胴34aは、インキ着ローラ78aがウェブWの搬送位置に近いことから、ウェブWのインキ着ローラ78aへの巻き込みのおそれがある。
ここで、ウェブWの紙切れ端部におけるインキ着ローラ78a側への移動は、第1ガード121により阻止される。即ち、第1ガード121は、先端部がウェブ搬送位置側に延出され、ブランケット胴34aの外周面との隙間が徐々に小さくなることから、くさび効果によりウェブWのインキ着ローラ78a側への移動が阻止される。
しかし、ウェブWの紙切れ端部が第1ガード121の先端部とブランケット胴34aの外周面との第1隙間S1を通ってインキ着ローラ78a側に移動するおそれがある。このとき、気体噴出装置122は、複数の噴出ノズル142からブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2に向けて気体が噴出されることから、第1ガード121とブランケット胴34aとの第1隙間S1を通ってインキ着ローラ78a側に侵入したウェブWの紙切れ端部は、噴出される気体によりブランケット胴34aの周面側に移動されてインキ着ローラ78aの周面への接触が抑制される。そのため、ウェブWの紙切れ時に、紙切れ端部のインキ着ローラ78aへの巻き付けが防止され、紙切れ端部は、ブランケット胴34aの方へ巻き付けられるので、インキ着ローラ78aに巻き付いた場合よりも容易に除去することができる。
このように第1実施形態の紙巻防止装置にあっては、インキを供給するインキ着ローラ78aと、インキ着ローラ78aから外周面に装着された刷版にインキが受け渡される版胴44aと、ウェブWに接触して搬送すると共に版胴44aから受け渡されたインキをウェブWに転写するブランケット胴34aとを設けると共に、ブランケット胴34aの外周辺でウェブ搬送位置側からインキ着ローラ78a側に向けて気体を噴出する気体噴出装置122を配置している。
従って、ウェブWの紙切れ時に、紙切れ端部がブランケット胴34aの回転方向に下流側に入り込むと、気体噴出装置122から噴出される気体によりウェブWの紙切れ端部がブランケット胴34aに移動されてインキ着ローラ78aに接触するのを抑制することができ、紙切れ時におけるインキ着ローラ78aへの紙の巻き付けを効果的に防止することができる。
第1実施形態の紙巻防止装置では、ウェブWは、ブランケット胴34aにより鉛直方向における上方に搬送され、気体噴出装置122は、ウェブWとブランケット胴34aとの対接位置よりブランケット胴34aの回転方向における下流側に配置され、ブランケット胴34aの回転方向における下流側に向けて気体を噴出する。従って、紙切れ時に、気体噴出装置122は、ブランケット胴34aの回転方向における下流側に向けて気体を噴出するため、ウェブWの紙切れ端部がブランケット胴34aの回転力と噴射された気体によりブランケット胴34aの周面に沿うこととなり、インキ着ローラ78aへのウェブWの紙切れ端部の接触を効果的に防止することができる。
第1実施形態の紙巻防止装置では、気体噴出装置122は、ブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2に向けて気体を噴出する。従って、ウェブWの紙切れ端部をブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの隙間に移行させてインキ着ローラへ78aへのウェブWの紙切れ端部の接触を効果的に防止することができる。また、気体が、高速回転しているインキ着ローラ78aの周面の空気流の流れを変え、インキ着ローラ78aの周面に沿って周回しているインキミストを含む空気層を制御することができる。
第1実施形態の紙巻防止装置では、気体噴出装置122は、ブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2の中心位置O3aよりブランケット胴34aの周面側に向けて気体を噴出する。従って、ウェブWの紙切れ端部をインキ着ローラ78aから離間してブランケット胴34a側に移行させてインキ着ローラ78aへのウェブWの紙切れ端部の接触を効果的に防止することができる。また、気体が、高速回転しているインキ着ローラ78aの周面に沿って周回しているインキミストを含む空気層をブランケット胴34a側に向けることができる。
第1実施形態の紙巻防止装置では、ウェブWの破断を検出する紙切れ検出器101と、紙切れ検出器101の検出結果に基づいて気体噴出装置122を制御する制御装置104を設け、制御装置104は、ウェブWの破断を検出すると、気体噴出装置122の作動を開始する。従って、新聞用オフセット輪転印刷機10が正常に稼働しているときは、気体噴出装置122の作動が停止しており、運転中の気体の噴出量を減らし、気体の生成装置の容量を下げることができる。
第1実施形態の紙巻防止装置では、制御装置104は、ウェブWの破断を検出すると、気体噴出装置122が噴出する気体の噴出量を増加する。従って、制御装置104は気体噴出装置122が噴出する気体の噴出量を増加することから、新聞用オフセット輪転印刷機10が正常に稼働しているときは、常時、気体の噴出していることから、ウェブWの破断を検出した時に必要な噴出量に速やかに切り替えることができ、応答遅れを緩和することができる。
第1実施形態の紙巻防止装置では、気体噴出装置122は、ブランケット胴34aの軸方向における所定の領域に気体を噴出するものであり、ウェブWの幅に応じて気体噴出装置122が気体を噴出する所定の領域を変更可能としている。従って、ウェブWの幅に応じて気体噴出装置122が気体を噴出する所定の領域を変更可能であることから、無駄な気体の噴出を防止することができる。
また、第1本実施形態の印刷機にあっては、新聞用オフセット輪転印刷機10に紙巻防止装置100を設けている。従って、ウェブWの紙切れ時におけるインキ着ローラ78aへのウェブWの巻き付けを効果的に防止することができる。
[第2実施形態]
図9は、第2実施形態の紙巻防止装置を表す概略図、図10は、紙巻防止装置における要部を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態の紙巻防止装置は、図9に示すように、印刷ユニットU1のスタック24に紙規制装置105が設けられている。この紙規制装置105は、紙切れが発生してウェブキャッチャ103がウェブWを上方に引き上げて印刷ユニットU1から排出するとき、ウェブWの端部がブランケット胴34a,34bやインキ着ローラ78a,78bに接触しないようにウェブWの紙切れ端部の暴れを規制するものである。
紙規制装置105は、ブランケット胴34aの上方の外周辺で、ウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置されている。紙規制装置105は、ブランケット胴34aの外周辺でウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置される第1ガード121と、ブランケット胴34aの外周辺で第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間に配置される第2ガード160と、ブランケット胴34aの外周辺で第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間で第2ガード160よりインキ着ローラ78a側に配置される気体噴出装置122とから構成されている。
図9及び図10に示すように、第1ガード121は、取付部131と、第1傾斜部132と、第2傾斜部133と、受け止め部134を有している。第1ガード121は、第2傾斜部133の先端部とブランケット胴34aの外周面との間に第1隙間S1が設けられている。第2ガード160は、ブランケット胴34aや版胴44aの軸方向に沿って、ウェブWの幅を越えて配置されており、取付部161と、鉛直部162と、水平部163と、傾斜部164を有している。第2ガード160は、取付部161が水平方向に沿って配置され、フレーム123aの支持部124の取付部125にボルト締結されて固定されている。そして、水平部163に連続する傾斜部164は、インキ着ローラ78a側に延出されている。水平部163と傾斜部164は、下面に連続して水平面163aと傾斜面164aが形成されている。第2ガード160は、水平部163と傾斜部164により、先端部側に向けてブランケット胴34aの外周面との隙間が小さくなる第1傾斜面165(水平面163aと傾斜面164a)を有し、第2ガード160の先端部とブランケット胴34aの外周面との間に第3隙間S3が設けられている。なお、第2ガード160は、取付部161と鉛直部162と水平部163内に所定間隔で複数のリブプレート166が固定されている。なお、第2ガード160は、水平部163と傾斜部164が屈曲するように設けたが、湾曲形状としてもよい。
気体噴出装置122は、第2ガード160の上方側でウェブ搬送位置側からインキ着ローラ78a側に向けて気体を噴出するものであり、ヘッダ141と、複数の噴出ノズル142を有している。気体噴出装置122は、フレーム123aの支持部124に固定された取付部125に固定されている。そして、ヘッダ141に固定される複数の噴出ノズル142は、インキ着ローラ78a側に延出されている。気体噴出装置122は、ブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2に向けて気体を噴出する。また、気体噴出装置122は、ブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2の中心位置O3aよりブランケット胴34aの周面側に向けて気体を噴出するようにしてもよい。
気体噴出装置122は、噴出ノズル142からの気体の噴射方向と、第2ガード160における傾斜部164の延出方向が平行に近い角度に設定されている。即ち、噴出ノズル142は、ヘッダ141から鉛直方向の下方に延出し、中途部からブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2の中心位置O3aに向けて屈曲している。一方、第2ガード160は、水平部163から傾斜部164がブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2に向けて屈曲している。ここで、第2ガード160の傾斜部164は、第2隙間S2内で噴出ノズル142の先端部とブランケット胴34aの周面との間に位置している。そして、第2ガード160は、噴出ノズル142の先端部より傾斜部164の先端部の方がブランケット胴34aの回転方向における下流側、つまり、第2隙間S2側に長く延出されている。
なお、気体噴出装置122と第2ガード160とは、フレーム123aの支持部124に対して着脱自在に設けられている。気体噴出装置122と第2ガード160は、支持部124の取付部125に固定されていることから、例えば、支持部124に対して取付部125をボルト(図示略)により締結することで、このボルトを弛緩することで、気体噴出装置122と第2ガード160を取付部125と共に取外すことができる。
そのため、新聞用オフセット輪転印刷機10の稼働中にウェブWが切断されると、紙巻防止装置は、新聞用オフセット輪転印刷機10が稼働を停止し、印刷ユニットの下方でウェブWを切断すると同時に、印刷ユニットの上方でウェブWを巻き取る。すると、ウェブWは、紙切れ端部が印刷ユニット内を高速で上方に引き上げられ、強制的に外部に排出される。
このとき、印刷ユニット内を上方に移動するウェブWの紙切れ端部がブランケット胴34a側に暴れ、インキ着ローラ78aへの巻き込みのおそれがある。第1ガード121は、先端部がウェブ搬送位置側に延出され、ブランケット胴34aの外周面との隙間が徐々に小さくなることから、くさび効果によりウェブWのインキ着ローラ78a側への移動が阻止される。また、ウェブWが第1ガード121の先端部とブランケット胴34aの外周面との第1隙間S1を通ってインキ着ローラ78a側に移動すると、ウェブWのインキ着ローラ78a側への移動は、第2ガード160により阻止される。即ち、第2ガード160は、先端部がインキ着ローラ78a側に延出され、ブランケット胴34aの外周面との隙間が徐々に小さくなり、第3隙間S3が設けられる。そのため、第1ガード121とブランケット胴34aとの第1隙間S1を通って侵入したウェブWの紙切れ端部は、水平面163aと傾斜面164aに接触し、両者の摩擦抵抗により複雑に座屈して滞積される。すると、座屈したウェブWは、第2ガード160の先端部とブランケット胴34aの外周面との第3隙間S3を通ることができず、ウェブWのインキ着ローラ78a側への移動が阻止される。
それでも、ウェブWが第2ガード160の先端部とブランケット胴34aの外周面との第3隙間S3を通ってインキ着ローラ78a側に移動すると、ウェブWのインキ着ローラ78a側への移動は、気体噴出装置122により阻止される。即ち、気体噴出装置122は、複数の噴出ノズル142からブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第2隙間S2に向けて気体が噴出されることから、インキ着ローラ78a側に侵入したウェブWの紙切れ端部は、噴出される気体によりブランケット胴34aの周面側に移動されてインキ着ローラ78aの周面への接触が抑制される。そのため、ウェブWの紙切れ時に、紙切れ端部のインキ着ローラ78aへの巻き付けが防止され、紙切れ端部はブランケット胴34aの方へ巻き付けられるので、インキ着ローラ78aに巻き付いた場合よりも容易に除去することができる。
このように第2実施形態の紙巻防止装置にあっては、ブランケット胴34aの外周辺でウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置される第1ガード121と、ブランケット胴34aの外周辺で第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間に配置される第2ガード160とを設け、第1ガード121側からインキ着ローラ78a側に向けて気体を噴出する気体噴出装置122を第2ガード160よりインキ着ローラ78a側に配置している。
従って、ウェブWの紙切れ時に、紙切れ端部がブランケット胴34aの回転方向に下流側に入り込むと、第1ガード121及び第2ガード160によりインキ着ローラ78a側への侵入を阻止することができると共に、気体噴出装置122から噴出される気体によりウェブWの紙切れ端部がブランケット胴34aに移動されてインキ着ローラ78aに接触するのを抑制することができ、紙切れ時におけるインキ着ローラ78aへの紙の巻き付けを効果的に防止することができる。また、気体噴出装置122を第2ガード160よりインキ着ローラ78a側に配置することから、ブランケット胴34aの周面に付着しているインキが飛散して気体噴出装置122に付着することが防止され、安全性の向上を図ることができる。
第2実施形態の紙巻防止装置では、気体噴出装置122における噴出ノズル142の先端部より第2ガード160における傾斜部164の先端部をブランケット胴34aの回転方向における下流側に延出している。従って、噴出ノズル142から噴出される気体が第2ガード160に沿って流れることとなり、紙切れ時に、ブランケット胴34aの回転方向に下流側に入り込んだウェブWの紙切れ端部のインキ着ローラ78aへの接触を効果的に抑制することができる。
第2実施形態の紙巻防止装置では、気体噴出装置122と第2ガード160をフレーム123aに対して着脱自在に設けている。従って、気体噴出装置122と第2ガード160がインキにより汚れると、取外して洗浄することができ、ブランケット胴34aの汚れを防止して印刷品質の低下を防止することができる。
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態の紙巻防止装置を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態の紙巻防止装置は、図11に示すように、紙規制装置を有しており、この紙規制装置は、紙切れが発生してウェブキャッチャ103がウェブWを上方に引き上げて印刷ユニットU1から排出するとき、ウェブWの端部がブランケット胴34a,34bやインキ着ローラ78a,78bに接触しないようにウェブWの紙切れ端部の暴れを規制するものである。
紙規制装置は、ブランケット胴34aの上方の外周辺で、ウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置されている。紙規制装置は、ブランケット胴34aの外周辺でウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置される第1ガード121と、ブランケット胴34aの外周辺で第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間に配置される第2ガード170とから構成されている。
第1ガード121は、取付部131と、第1傾斜部132と、第2傾斜部133と、受け止め部134を有している。第1ガード121は、第2傾斜部133の先端部とブランケット胴34aの外周面との間に第1隙間S1が設けられている。第2ガード170は、取付部171と、鉛直部172と、水平部173と、第1傾斜部174と、第2傾斜部175を有している。第2ガード170は、取付部171が水平方向に沿って配置され、フレーム123aの支持部124の取付部125にボルト締結されて固定されている。そして、水平部173に連続する各傾斜部174,175は、インキ着ローラ78a側に延出されている。第2ガード170は、第2傾斜部175の先端部とブランケット胴34aの外周面との間に第4隙間S4が設けられている。なお、第2ガード170は、取付部171と鉛直部172と水平部173内に所定間隔で複数のリブプレート176が固定されている。なお、第2ガード170は、水平部173と各傾斜部174,175が屈曲するように設けたが、湾曲形状としてもよい。
第2ガード170は、インキ着ローラ78a側の端部、つまり、第2傾斜部175の先端部がブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の最小隙間まで延出されている。即ち、第2ガード170は、第2傾斜部175の先端部がブランケット胴34aの回転中心O1aとインキ着ローラ78aの回転中心O2aとを結ぶ直線L1を超えて延出されている。この場合、第2傾斜部175は、第2隙間S2の中心位置O3aに位置することが望ましいが、ブランケット胴34a側やインキ着ローラ78a側にずれて配置してもよい。
そのため、新聞用オフセット輪転印刷機10の稼働中にウェブWが切断されると、紙巻防止装置は、新聞用オフセット輪転印刷機10が稼働を停止し、印刷ユニットの下方でウェブWを切断すると同時に、印刷ユニットの上方でウェブWを巻き取る。すると、ウェブWは、紙切れ端部が印刷ユニット内を高速で上方に引き上げられ、強制的に外部に排出される。
このとき、印刷ユニット内を上方に移動するウェブWの紙切れ端部がブランケット胴34a側に暴れ、インキ着ローラ78aへの巻き込みのおそれがある。第1ガード121は、先端部がウェブ搬送位置側に延出され、ブランケット胴34aの外周面との隙間が徐々に小さくなることから、くさび効果によりウェブWのインキ着ローラ78a側への移動が阻止される。また、ウェブWが第1ガード121の先端部とブランケット胴34aの外周面との第1隙間S1を通ってインキ着ローラ78a側に移動すると、ウェブWのインキ着ローラ78a側への移動は、第2ガード170により阻止される。即ち、第2ガード170は、先端部がブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の最小隙間まで延出され、第4隙間S4が設けられる。そのため、第1ガード121とブランケット胴34aとの第1隙間S1を通って侵入したウェブWの紙切れ端部は、各傾斜部174,175の下方の傾斜面に接触し、両者の摩擦抵抗により複雑に座屈して滞積される。すると、座屈したウェブWは、第2ガード170の先端部とブランケット胴34aの外周面との第4隙間S4を通ることができず、ウェブWのインキ着ローラ78a側への移動が阻止される。
このように第3実施形態の紙巻防止装置にあっては、ブランケット胴34aの外周辺でウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置される第1ガード121と、ブランケット胴34aの外周辺で第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間に配置される第2ガード170とを設け、第2ガード170の先端部をブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の最小隙間(第4隙間S4)まで延出している。
従って、ウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に第1ガード121が配置されることから、紙切れ時に、第1ガード121は、ウェブWの紙切れ端部がインキ着ローラ78a側に入り込むのを抑制することができ、第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間に第2ガード170が配置され、第2ガード170の先端部がブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第4隙間S4まで延出されることから、第2ガード170は、第1ガード121を越えて入り込んだウェブWの紙切れ端部がインキ着ローラ78aに接触するのを抑制することができ、紙切れ時におけるブランケット胴34aやインキ着ローラ78aへの紙の巻き付けを効果的に防止することができる。
[第4実施形態]
図12は、第4実施形態の紙巻防止装置を表す概略図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態の紙巻防止装置は、図12に示すように、紙規制装置を有しており、この紙規制装置は、紙切れが発生してウェブキャッチャ103がウェブWを上方に引き上げて印刷ユニットU1から排出するとき、ウェブWの端部がブランケット胴34a,34bやインキ着ローラ78a,78bに接触しないようにウェブWの紙切れ端部の暴れを規制するものである。
紙規制装置は、ブランケット胴34aの上方の外周辺で、ウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置されている。紙規制装置は、ブランケット胴34aの外周辺でウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置される第1ガード121と、ブランケット胴34aの外周辺で第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間に配置される第2ガード160と、インキ着ローラ78aと第2ガード160との間の空間部に設けられる第3ガード180とから構成されている。
第1ガード121は、取付部131と、第1傾斜部132と、第2傾斜部133と、受け止め部134を有している。第1ガード121は、第2傾斜部133の先端部とブランケット胴34aの外周面との間に第1隙間S1が設けられている。第2ガード160は、取付部161と、鉛直部162と、水平部163と、傾斜部164を有している。第2ガード160は、傾斜部164の先端部とブランケット胴34aの外周面との間に第3隙間S3が設けられている。
第3ガード180は、取付部181と、傾斜部182と、リブプレート183を有している。第3ガード180は、取付部181が鉛直方向に沿って配置され、フレーム123aの支持部124の取付部125にボルト締結されて固定されている。取付部181に連続する傾斜部182は、インキ着ローラ78a及び第2ガード160の傾斜部164側に延出されている。第3ガード180は、第2ガード160とインキ着ローラ78aとの挟まれた空間部を閉塞するように配置されている。
そのため、新聞用オフセット輪転印刷機10の稼働中にウェブWが切断されると、紙巻防止装置は、新聞用オフセット輪転印刷機10が稼働を停止し、印刷ユニットの下方でウェブWを切断すると同時に、印刷ユニットの上方でウェブWを巻き取る。すると、ウェブWは、紙切れ端部が印刷ユニット内を高速で上方に引き上げられ、強制的に外部に排出される。
このとき、印刷ユニット内を上方に移動するウェブWの紙切れ端部がブランケット胴34a側に暴れ、インキ着ローラ78aへの巻き込みのおそれがある。第1ガード121は、先端部がウェブ搬送位置側に延出され、ブランケット胴34aの外周面との隙間が徐々に小さくなることから、くさび効果によりウェブWのインキ着ローラ78a側への移動が阻止される。また、ウェブWが第1ガード121の先端部とブランケット胴34aの外周面との第1隙間S1を通ってインキ着ローラ78a側に移動すると、ウェブWのインキ着ローラ78a側への移動は、第2ガード160により阻止される。それでも、ウェブWが第2ガード160の先端部とブランケット胴34aの外周面との第3隙間S3を通ってインキ着ローラ78a側に移動すると、ウェブWのインキ着ローラ78a側への移動は、第3ガード180により阻止される。即ち、第3ガード180は、第2ガード160とインキ着ローラ78aとの挟まれた空間部を閉塞するように配置されることから、インキ着ローラ78a側に侵入したウェブWの紙切れ端部は、この第3ガード180によりインキ着ローラ78aの周面への接触が抑制される。そのため、ウェブWの紙切れ時に、紙切れ端部のインキ着ローラ78aへの巻き付けが防止され、紙切れ端部はブランケット胴34aの方へ巻き付けられるので、インキ着ローラ78aに巻き付いた場合よりも容易に除去することができる。
このように第4実施形態の紙巻防止装置にあっては、ブランケット胴34aの外周辺でウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に配置される第1ガード121と、ブランケット胴34aの外周辺で第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間に配置される第2ガード160と、インキ着ローラ78aと第2ガード160との間の空間部に設けられる第3ガード180とを設けている。
従って、ウェブ搬送位置とインキ着ローラ78aとの間に第1ガード121が配置されることから、紙切れ時に、第1ガード121は、ウェブWの紙切れ端部がインキ着ローラ78a側に入り込むのを抑制することができ、また、第1ガード121とインキ着ローラ78aとの間に第2ガード160が配置され、第2ガード160の先端部がブランケット胴34aとインキ着ローラ78aとの間の第3隙間S3まで延出されることから、第2ガード160は、第1ガード121を越えて入り込んだウェブWの紙切れ端部がインキ着ローラ78aに接触するのを抑制することができ、更に、インキ着ローラ78aと第2ガード160との間の空間部に第3ガード180が設けられることから、第2ガード160を越えて入り込んだウェブWの紙切れ端部がインキ着ローラ78aに接触するのを抑制することができ、紙切れ時におけるブランケット胴34aやインキ着ローラ78aへの紙の巻き付けを効果的に防止することができる。
なお、上述した実施形態では、紙規制装置105をスタック24におけるブランケット胴34aに対してだけ設けたが、ブランケット胴34bに対して設けたり、スタック22に対して設けたりしてもよい。更に、スタック21,23に対して設けてもよい。また、本実施形態では、左右のブランケット胴34a,34bの高さをずらして配置したが、左右のブランケット胴34a,34bの高さを同じ位置に配置してもよい。
また、上述した実施形態で説明した新聞用オフセット輪転印刷機10は一例であって、各ユニットの構成や組み合わせに限定されるものではない。