JP2010131867A - 被記録媒体押さえ装置及び枚葉印刷機 - Google Patents

被記録媒体押さえ装置及び枚葉印刷機 Download PDF

Info

Publication number
JP2010131867A
JP2010131867A JP2008310060A JP2008310060A JP2010131867A JP 2010131867 A JP2010131867 A JP 2010131867A JP 2008310060 A JP2008310060 A JP 2008310060A JP 2008310060 A JP2008310060 A JP 2008310060A JP 2010131867 A JP2010131867 A JP 2010131867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
recording medium
plate
pressing
paper pressing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008310060A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Miwa
敏雄 三輪
Hiroyuki Yano
博之 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2008310060A priority Critical patent/JP2010131867A/ja
Publication of JP2010131867A publication Critical patent/JP2010131867A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)

Abstract

【課題】紙押さえ装置の構造が複雑になるおそれを抑制すること。
【解決手段】紙押さえ装置110は、回動軸120と、紙送り板160との間に紙Sが通過可能な隙間を有して回動軸120に設けられる紙押さえ板130と、ローラ142と紙送り板160との間に紙Sが通過可能な隙間を有して回動軸120に設けられる紙押さえローラ140と、を備える。紙押さえ板130は、紙送り板160から浮き上がった紙Sと接触して紙Sを紙送り板160側にガイドする紙押さえ部131を有する。ローラ142は、回動軸120の周方向で紙押さえ板130の紙押さえ部131と異なる位置に配置されると共に、紙Sの走行方向に直交するローラ回転軸RLを軸に回転しながら、走行中の紙Sにローラ側周部142aが接触して紙Sを紙送り板160側に押さえつける。
【選択図】 図9

Description

本発明は、被記録媒体押さえ装置及び枚葉印刷機であって、印刷が施される被記録媒体の浮き上がりを抑制する被記録媒体押さえ装置及び枚葉印刷機に関するものである。
被記録媒体としての紙に印刷を施す枚葉印刷機は、印刷部の中間胴に紙を導く前に紙の位置決めをする前当てを備える。この前当てに紙が正しく当たるように、枚葉印刷機は、紙の紙送り板からの浮き上がりを抑制する被記録媒体押さえ装置を有する。
例えば、特許文献1には、それぞれ独立して進退動可能に構成された第1押さえ部材と第2押さえ部材とを有し、第1押さえ部材及び第2押さえ部材が紙送り板上に搬送された紙を押さえる紙押さえ装置が開示されている。
特開2006−305790号公報
ここで、一般的に、紙押さえ装置は、紙の種類によって紙押さえ部材が切り替えられる。前記紙押さえ部材とは、板状の紙押さえ板や、紙に対して回転する紙押さえローラである。これらの板状の紙押さえ板や紙押さえローラは、紙の種類、特に紙の厚さよって、紙送り板までの距離が変化するように構成される。
このような紙押さえ装置は、紙押さえ板を駆動させるための駆動装置と、紙押さえローラを駆動させるための駆動装置を個別に有する。これにより、前記紙押さえ装置は、紙種に応じて紙押さえ板または紙押さえローラを切り替えていた。しかしながら、このような紙押さえ装置では、複数の駆動装置を備えるため、紙押さえ装置の部品点数が増加する。これにより、このような紙押さえ装置は、紙押さえ装置の構造が複雑になるおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被記録媒体押さえ装置の構造が複雑になるおそれを抑制することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る被記録媒体押さえ装置は、印刷が施される被記録媒体が走行する送り板の面のうち、前記被記録媒体が走行する側の面に対向して回動可能にフレームに支持される回動軸と、前記送り板との間に前記被記録媒体が通過可能な隙間を有して前記回動軸に設けられる第1押さえ部材及び第2押さえ部材と、を備え、前記第1押さえ部材は、前記被記録媒体と接触して前記被記録媒体を前記送り板側にガイドする板状の押さえ部を有し、前記第2押さえ部材は、前記被記録媒体と接触して前記被記録媒体を前記送り板側にガイドするローラ状の押さえ部を有し、前記回動軸を回動させることで、前記被記録媒体の種類に応じて、前記被記録媒体と接触する前記第1押さえ部材または前記第2押さえ部材を切り替えることを特徴とする。
上記構成により、被記録媒体押さえ装置は、回動軸が回動することで、使用する押さえ部材を第1押さえ部材と第2押さえ部材とで切り替えることができる。これにより、被記録媒体押さえ装置は、第1押さえ部材を送り板に近づく方向及び送り板から遠ざかる方向へ移動させるための機構と、第2押さえ部材を送り板に近づく方向及び送り板から遠ざかる方向へ移動させるための機構と、の両方を備えることなく、使用する押さえ部材を第1押さえ部材と第2押さえ部材とで切り替えることができる。
また、被記録媒体押さえ装置は、回動軸が回動することで、押さえ部材と送り板との間の隙間を調節できる。これにより、被記録媒体押さえ装置は、第1押さえ部材を送り板に近づく方向及び送り板から遠ざかる方向へ移動させるための機構と、第2押さえ部材を送り板に近づく方向及び送り板から遠ざかる方向へ移動させるための機構と、の両方を備えることなく、押さえ部材と送り板との間の隙間を調節できる。
以上より、被記録媒体押さえ装置は、使用する押さえ部材を第1押さえ部材と第2押さえ部材とで切り替えるために必要な構成をシンプルにできる。また、被記録媒体押さえ装置は、押さえ部材と送り板との間の隙間を調節するために必要な構成をシンプルにできる。これにより、被記録媒体押さえ装置は、被記録媒体押さえ装置の構造が複雑になるおそれを抑制できる。
本発明の好ましい態様としては、前記回動軸の前記回動角度を調節することで、前記板状の押さえ部と前記送り板との間の隙間または前記ローラ状の押さえ部と前記送り板との間の隙間を調節することが望ましい。
上記構成により、回動軸の回動角度を調節することで、被記録媒体押さえ装置は、押さえ部材と送り板との間の隙間を調節できる。これにより、被記録媒体押さえ装置は、前記隙間を調節するために必要な構成をシンプルにできる。
本発明の好ましい態様としては、前記被記録媒体の走行経路上で被記録媒体が詰まった場合、前記第1押さえ部材または前記第2押さえ部材が前記送り板から遠ざかる方向に、前記回動軸を回動させることが望ましい。
上記構成により、被記録媒体押さえ装置は、仮に被記録媒体が詰まった場合に、押さえ部材と送り板との間の隙間の大きさを増加させる。これにより、被記録媒体押さえ装置は、被記録媒体の詰まりを解消する際の押さえ部材の負荷を低減できる。
本発明の好ましい態様としては、前記送り板上で前記被記録媒体が詰まっているか否かを検出し、前記送り板上で前記被記録媒体が詰まっている場合に被記録媒体詰まり信号を発信する被記録媒体詰まり検出手段を備え、前記被記録媒体詰まり検出手段から前記被記録媒体詰まり信号が発信された場合、前記第1押さえ部材または前記第2押さえ部材が前記送り板から遠ざかる方向に、前記回動軸が回動することが望ましい。
上記構成により、被記録媒体押さえ装置は、仮に被記録媒体が詰まった場合に、自動で押さえ部材と送り板との間の隙間の大きさを増加させる。これにより、被記録媒体押さえ装置は、被記録媒体詰まりを解消する際の押さえ部材の負荷を自動で低減できる。
本発明の好ましい態様としては、前記板状の押さえ部材は、前記回動軸の周方向に屈曲または湾曲されて形成され、前記送り板に最も近づく部位は、曲面に形成されることが望ましい。
上記構成により、被記録媒体押さえ装置は、第1押さえ部材の部分のうち、被記録媒体が接触する部分が曲面に形成される。これにより、被記録媒体押さえ装置は、被記録媒体が第1押さえ部材と接触する際に、接触面積が広くなる。よって、被記録媒体押さえ装置は、被記録媒体が第1押さえ部材と接触した時の被記録媒体のダメージを低減できる。
本発明の好ましい態様としては、前記回動軸を回動させる駆動装置を備えると共に、前記駆動装置を制御して前記回動軸の回動角度を調節する制御装置を備えることが望ましい。
上記構成により、被記録媒体押さえ装置は、少なくとも1つの駆動装置によって回動軸が回転する。これにより、被記録媒体押さえ装置は、例えば、駆動装置をオペレータが制御することで、紙押さえ部材の切り替え及び、前記隙間の大きさの調節ができる。また、被記録媒体押さえ装置は、オペレータが駆動装置を制御せずに、自動で回動軸が回転する。これにより、被記録媒体押さえ装置は、自動で紙押さえ部材の切り替え及び、前記隙間の大きさの調節ができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る枚葉印刷機は、印刷が施される被記録媒体を送り出す給被記録媒体部と、前記給被記録媒体部から供給された前記被記録媒体に、版胴に装着された刷版を接触させて印刷を施す印刷部と、前記給被記録媒体部と前記印刷部との間に配置されて、前記被記録媒体を前記給被記録媒体部から前記印刷部へと運ぶ被記録媒体送り装置と、を含んで構成され、前記被記録媒体送り装置は、前記被記録媒体が走行する送り板の面のうち、前記被記録媒体が走行する側の面に対向して回動可能にフレームに支持される回動軸と、前記送り板との間に前記被記録媒体が通過可能な隙間を有して前記回動軸に設けられる第1押さえ部材及び第2押さえ部材と、を備え、前記第1押さえ部材は、前記被記録媒体と接触して前記被記録媒体を前記送り板側にガイドする板状の押さえ部を有し、前記第2押さえ部材は、前記被記録媒体と接触して前記被記録媒体を前記送り板側にガイドするローラ状の押さえ部を有し、前記回動軸を回動させることで、前記被記録媒体の種類に応じて、前記被記録媒体と接触する前記第1押さえ部材または前記第2押さえ部材を切り替えることを特徴とする。
上記構成により、枚葉印刷機は、被記録媒体押さえ装置の回動軸が回動することで、使用する押さえ部材を第1押さえ部材と第2押さえ部材とで切り替えることができる。これにより、被記録媒体押さえ装置は、被記録媒体押さえ装置の構造が複雑になるおそれを抑制できると共に、使用する押さえ部材を第1押さえ部材と第2押さえ部材とで切り替えることができる。
また、枚葉印刷機は、被記録媒体押さえ装置の回動軸が回動することで、押さえ部材と送り板との間の隙間を調節できる。これにより、被記録媒体押さえ装置は、被記録媒体押さえ装置の構造が複雑になるおそれを抑制できると共に、押さえ部材と送り板との間の隙間を調節できる。
本発明は、被記録媒体押さえ装置の構造が複雑になるおそれを抑制できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
(実施形態1)
図1は、印刷機の全体を示す外観図である。印刷機400は、枚葉印刷機である。印刷機400は、給紙部410と、被記録媒体送り装置としての紙送り装置100と、印刷部420と、排紙部430と、制御装置450と、を含んで構成される。給紙部410は、印刷が施される被記録媒体としての紙Sを紙送り装置100に導く。なお、被記録媒体には、紙S以外に、例えば、フィルムなども含まれる。紙送り装置100は、給紙部410から受け取った紙Sを印刷部420に導く。印刷部420は、紙Sに印刷を施す。排紙部430には、印刷が施された紙Sが印刷部420から排出される。
印刷部420は、第1印刷ユニット421と、第2印刷ユニット422と、第3印刷ユニット423と、第4印刷ユニット424とを含んで構成される。第1印刷ユニット421から第4印刷ユニット424の各印刷ユニットは、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の単色を重ねて印刷する。
印刷部420は、印刷ユニット毎に、胴群440を有する。胴群440は、中間胴441と、刷版が装着される版胴442と、ブランケット胴443と、圧胴444とを含んで構成される。胴群440は、各胴が印刷部420のフレームに対して回転できるように、前記フレームに設けられる。ここで、印刷機400は、4つの印刷ユニットを含んで構成されるため、印刷機400は、4組の胴群440を有する。なお、各印刷ユニット内の胴群440は、同様に配置されるため、以下、第1印刷ユニット421の胴群440の配置を主に説明する。
中間胴441と圧胴444とは、互いの側周部が接触して設けられる。中間胴441は、圧胴444よりも給紙部410側に配置される。中間胴441は、紙送り装置100から導かれた紙Sを受け取り、圧胴444に導く。ブランケット胴443は、版胴442と圧胴444との間に設けられる。ブランケット胴443は、ブランケット胴443の側周部が版胴442の側周部と、圧胴444の側周部に接触して設けられる。
印刷機400は、版胴442に装着される刷版の絵柄が、ブランケット胴443に転写される。次に、印刷機400は、ブランケット胴443に転写された絵柄が、中間胴441から圧胴444に導かれた紙Sに転写される。次に、印刷機400は、第1印刷ユニット421の圧胴444から、第2印刷ユニット422の中間胴441に紙Sを受け渡す。
印刷機400は、第2印刷ユニット422及び第3印刷ユニット423で第1印刷ユニット421と同様の経路で紙Sを次の印刷ユニットの中間胴441に受け渡す。そして、第4印刷ユニット424では、印刷機400は、印刷が施された紙Sを排紙部430に受け渡す。
このように、紙Sは、走行経路として、給紙部410、紙送り装置100、印刷部420の各印刷ユニット内の中間胴441、厚胴444の順に走行し、排紙部430に排出される。
制御装置450は、印刷機400の各部を制御する。制御装置450は、例えば、給紙部410、紙送り装置100、印刷部420、排紙部430と電気的に接続される。制御装置450は、これにより、印刷機400の各部を制御する。次に、紙送り装置100について詳細に説明する。
図2は、紙送り装置を胴群の回転軸に直交する面で切って示す断面図である。紙送り装置100は、図1に示す印刷機400の給紙部410と印刷部420との間に配置される。紙送り装置100は、図2に示すように、被記録媒体押さえ装置としての紙押さえ装置110と、紙送り板160と、前当て170と、スインググリッパ180とを含んで構成される。
紙送り板160は、給紙部410から印刷部420に向かう紙Sの走行方向に沿って設けられる。紙送り板160は、印刷部420側の端部161が第1印刷ユニット421の中間胴441の側周部に対向して配置される。前当て170は、紙送り板160の端部161に突出して設けられる。具体的には、前当て170は、紙送り板160の両面のうち、紙Sが走行する方の面に突出して設けられる。
スインググリッパ180は、紙送り板160及び前当て170と、第1印刷ユニット421の中間胴441との間に配置される。スインググリッパ180は、スインググリッパ本体181と、スインググリッパ回動軸182と、グリッパ側爪183とを含んで構成される。スインググリッパ本体181は、一方の端部がスインググリッパ回動軸182に取り付けられ、他方の端部にグリッパ側爪183が取り付けられる。
スインググリッパ回動軸182は、中間胴441の回転軸RLと平行に設けられる。スインググリッパ本体181は、スインググリッパ回動軸182を軸に紙送り板160、前当て170、中間胴441に対して回動できるようにスインググリッパ回動軸182に支持される。
グリッパ側爪183は、紙送り板160上の紙Sを掴む装置である。グリッパ側爪183は、紙送り板160の端部161と中間胴441との間に配置される。スインググリッパ本体181がスインググリッパ回動軸182を軸に回動することにより、グリッパ側爪183は、端部161に近づく方向または中間胴441に近づく方向に動く。
ここで、制御装置450は、紙送り装置100の紙押さえ装置110、スインググリッパ180、後述する空気供給装置510と電気的に接続されて、これらの装置を制御する。
以上のように構成された紙送り装置100は、まず、紙Sの咥え側Stが前当て170に当たるまで紙送り板160に沿って紙Sを送る。ここで、紙Sの咥え側Stとは、紙Sの辺のうち紙Sの走行方向側の辺をいう。また、以下、紙Sの辺のうち咥え側Stとは反対側の辺を咥え尻側Sbといい、咥え側Stと咥え尻側Sbとの間を紙Sの中間部Smという。
紙送り装置100は、紙Sの咥え側Stを前当て170に当てることで、紙Sを適正な位置に位置決めする。次に、紙送り装置100は、制御装置450がグリッパ側爪183を制御して、グリッパ側爪183が前当て170によって位置決めされた紙Sの咥え側Stを掴む。次に、紙送り装置100は、制御装置450がスインググリッパ180を制御して、グリッパ側爪183が中間胴441に近づく方向に向かって、スインググリッパ本体181がスインググリッパ回動軸182を軸に回動する。
これにより、紙送り装置100は、グリッパ側爪183に掴まれた紙Sの咥え側Stを中間胴441に導く。次に、紙送り装置100は、グリッパ側爪183に掴まれた紙Sの咥え側Stを、中間胴441に設けられる中間胴側爪441aに受け渡す。これにより、紙送り装置100は、紙Sを図1に示す給紙部410から印刷部420に送る。
図3は、紙の前辺側が浮き上がった状態を胴群の回転軸に直交する面で切って示す断面図である。図4は、紙の後辺側と中間部が浮き上がった状態を胴群の回転軸に直交する面で切って示す断面図である。ここで、例えば、紙Sの種類によっては、図3に示すように、紙Sが紙送り板160上を走行中に紙Sの咥え側St側が紙送り板160から離れる方向に浮き上がったり、図4に示すように、紙Sの咥え尻側Sb側が紙送り板160から離れる方向に浮き上がったり、または紙Sの中間部Smが紙送り板160から離れる方向に浮き上がったりすることがある。
一般的に、紙Sが軟らかい程、紙Sが紙送り板160上を走行中に紙Sの咥え側St側が紙送り板160から離れる方向に浮き上がりやすい。また、紙Sが堅い程、紙Sの咥え側Stが前当て170を乗り越える際に紙Sの咥え尻側Sbが紙送り板160から離れる方向に浮き上がったり、紙Sの中間部Smが紙送り板160から離れる方向に浮き上がったりしやすい。
なお、紙の堅さは、紙Sの厚さに依存する傾向がある。つまり、紙Sが薄い程紙Sは軟らかく、紙Sが厚い程紙Sは堅い。一般的に、厚さが0.2mm未満の紙は薄紙Sxに分類され、厚さが0.2mm以上の紙は厚紙Syに分類される。つまり、薄紙Sxは、図3に示すように、紙Sの咥え側St側が紙送り板160から離れる方向に浮き上がりやすい。また、厚紙Syは、図4に示すように、紙Sの咥え尻側Sb側が紙送り板160から離れる方向に浮き上がったり、または紙Sの中間部Smが紙送り板160から離れる方向に浮き上がったりしやすい。
ここで、図3に示すように、薄紙Sxの咥え側Stが紙送り板160から離れる方向に浮き上がると、薄紙Sxの咥え側Stが前当て170に当たらずに、薄紙Sxが前当て170を乗り越えるおそれがある。これにより、薄紙Sxの位置決めが不十分になるおそれがある。
また、図4に示すように、厚紙Syの咥え尻側Sb側が紙送り板160から離れる方向に浮き上がったり、または紙Sの中間部Smが紙送り板160から離れる方向に浮き上がったりすると、厚紙Syが紙送り板160や前当て170以外の部材、例えば、紙送り板160と対向して配置されるセンサに接触して、厚紙Syに傷が付くおそれがある。
そこで、紙送り装置100は、紙Sの浮き上がりや盛り上がりを抑制する紙押さえ装置110を備える。以下に、紙押さえ装置110について詳細に説明する。
図5は、紙押さえ装置の構成を示す斜視図である。紙押さえ装置110は、図5に示すように、回動軸120と、第1押さえ部材としての紙押さえ板130と、第2押さえ部材としての紙押さえローラ140と、駆動装置150とを含んで構成される。
回動軸120は、紙送り装置100のフレームFLに対して回動できるようにフレームFLに支持される。なお、フレームFLは、図2に示す紙送り板160、前当て170に対して移動したり、回動したりしない。これにより、回動軸120は、結果として、紙送り板160や前当て170に対して回動する。
回動軸120は、例えば、円柱状に形成される。回動軸120は、例えば、紙送り板160と平行に設けられて軸側周部120aが紙送り板160と対向する。また、回動軸120は、例えば、図1に示す胴群440の回転軸と平行に設けられる。なお、回動軸120の形状は、円柱状に限定されない。回動軸120は、例えば、四角柱であってもよい。つまり、回動軸120は、回動軸120の中心軸CLに直交する面で切った断面の形状が、例えば、円形、楕円形、円形の一部が欠けた形状や、三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形でもよい。
回動軸120の前記断面の形状が、例えば、多角形の場合、紙送り装置100は、回動軸120の側部に平面が形成されることになる。回動軸120の側部がすべて曲面の場合、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140は、回動軸120との取り付け部分が回動軸120の側部の形状に合わせて曲面を含んで構成される必要がある。
しかしながら、例えば、回動軸120の前記断面の形状が多角形の場合、回動軸120は、側部に平面が形成される。よって、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140は、回動軸120との取り付け部の形状が平面に形成されればよい。よって、紙押さえ装置110は、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140の回動軸120との取り付け部の形状がシンプルになる。
駆動装置150は、フレームFLに固定される。駆動装置150は、例えば、モータと歯車とを含んで構成される。駆動装置150は、回動軸120にモータの回転が伝わるように構成される。具体的には、駆動装置150は、例えば、複数の歯車を介して回動軸120にモータが連結されてもよいし、歯車を介さずに回動軸120にモータが直結されてもよい。但し、歯車を介してモータの回転角速度を減速させてから前記回転を回動軸120に伝える方が、紙押さえ装置110は、回動軸120を回動させる角度をより細かく調節できる。
例えば、紙押さえ装置110が調節できるモータの最小回転角度が一定である場合、モータが回動軸120に歯車を介さずに連結されると、紙押さえ装置110が調節できる回動軸120の最小の回転角度は、紙押さえ装置110が調節できるモータの最小回転角度と同一である。
しかしながら、モータが回動軸120に歯車を介して連結され、モータの回転角速度が減速されて回動軸120に伝えられると、紙押さえ装置110が調節できる回動軸120の最小の回転角度は、紙押さえ装置110が調節できるモータの最小回転角度よりも小さくできる。
但し、モータが回動軸120に歯車を介さずに連結されると、紙押さえ装置110は、必要な部品点数が低減されて、構造がシンプルになる。また、紙押さえ装置110は、必要な部品点数が低減されて、製造コストが低減される。また、紙押さえ装置110は、モータの回転角速度を減速しない分、モータの角回転速度が一定である場合、回動軸120を所定の角度回動させるために必要な時間を低減できる。
駆動装置150は、制御装置450と電気的に接続される。これにより、制御装置450は、駆動装置150を制御する。よって、制御装置450は、回動軸120の回転角度を調節する。
なお、駆動装置150に替えて、紙押さえ装置110は、ハンドルが取り付けられてもよい。この場合、前記ハンドルは、前記ハンドルの回転が回動軸120に伝わるように、回動軸120に連結される。これにより、紙押さえ装置110は、オペレータによるハンドル操作によって回動軸120の回動角度が調節される。また、紙押さえ装置110は、必ずしも制御装置450を備えなくてもよい。この場合、紙押さえ装置110は、例えば、駆動装置150を制御するためのスイッチ備え、オペレータが前記スイッチを制御する。
紙押さえ板130は、板状の部材の面のうち、回動軸120側の面側に前記板状の部材が反り返る形状に形成される。なお、紙押さえ板130は、円柱の側周部のように滑らかに反り返る形状に形成されてもよい。この場合、紙押さえ板130は、例えば、板状の部材が回動軸120の周方向に沿って湾曲されることで形成される。
また、紙押さえ板130は、板状の部材が折り曲げられることで反り返る形状に形成されてもよい。この場合、紙押さえ板130は、例えば、板状の部材が回動軸120の周方向に沿って屈曲されることで形成される。つまり、紙押さえ板130は、滑らかに湾曲される形状に限定されず、角部を有するように折れ曲がった形状でもよい。但し、紙押さえ板130は、滑らかに湾曲される形状の方が紙Sのダメージを低減できる。
紙押さえ板130は、図5に示すように、回動軸120の軸側周部120aに取り付けられる。これにより、紙押さえ板130は、回動軸120を軸に図2に示す紙送り板160や前当て170に対して回動する。なお、本実施形態では、紙押さえ板130は、回動軸120の側周部にボルト190によって固定されるが、紙押さえ板130は、他の手段で回動軸120に取り付けられてもよい。
例えば、紙押さえ板130は、軸側周部120aにバネなどの弾性部材を介して取り付けられて、軸側周部120aに対して所定の角度回動できるように構成されてもよい。この場合、仮に紙押さえ板130と紙送り板160との間に紙Sが詰まったとしても、紙押さえ装置110は、紙押さえ板130が所定の角度、回動軸120に対して回動できる。
これにより、紙送り装置100は、紙送り板160と紙押さえ板130との間の隙間が広がる。よって、紙送り装置100は、仮に紙押さえ板130と紙送り板160との間に紙Sが詰まった場合であっても、容易に紙Sが取り除かれる。
図6は、紙押さえ板の部位のうち、紙送り板を走行中の紙に最も近づく部分を拡大して示す断面図である。紙押さえ板130は、回動軸120に取り付けられる側とは反対側である紙押さえ部131のうち、紙送り板160に最も近づく部分、すなわち、本実施形態では紙押さえ部131の先端部が曲面に形成される。
これにより、紙押さえ装置110は、図6に示すように、紙押さえ板130の紙押さえ部131のうち、紙Sが接触する部分が曲面に形成される。これにより、紙押さえ装置110は、紙Sが紙押さえ部131と接触する際に、紙Sが紙押さえ部131に接触する面積が広くなる。よって、紙押さえ装置110は、紙Sが紙押さえ板130の紙押さえ部131と接触した時の紙Sのダメージを低減できる。
図7は、端部が巻き返るタイプの紙押さえ板の部位のうち、紙送り板を走行中の紙に最も近づく部分を拡大して示す断面図である。紙押さえ板130は、必ずしも端部が曲面に形成される構成に限定されない。紙押さえ板130は、図7に示すように、紙押さえ部131の先端部分が回動軸120側に巻き返る形状に湾曲されて形成されてもよい。
つまり、図7に示す紙押さえ板130は、紙押さえ部131の端部が回動軸120側に向くように形成される。この場合、仮に紙押さえ板130の端部が角張って形成されていても、紙押さえ板130は、面で紙Sと接触する。これにより、紙押さえ装置110は、紙Sが紙押さえ部131と接触する際に、紙Sが紙押さえ部131に接触する面積が広くなる。よって、紙押さえ装置110は、紙Sが紙押さえ板130の紙押さえ部131と接触した時の紙Sのダメージを低減できる。
例えば、紙押さえ板130を構成する板状部材の肉厚が比較的薄い場合、紙押さえ板130を構成する板状部材の肉厚が比較的厚い場合に比べて、図6に示す形状、つまり、紙押さえ板130の端部を曲面状に形成することが困難となる。よって、紙押さえ板130を構成する板状部材の肉厚が比較的薄い場合、紙押さえ板130は、図7に示すように、紙押さえ部131の先端部分が回動軸120側に巻き返る形状に湾曲されて形成されると好ましい。
紙押さえローラ140は、図5に示すように、基部141と、ローラ142とを含んで構成される。基部141は、一方の端部が軸側周部120aに取り付けられる。また、基部141は、他方の端部にローラ142が取り付けられる。ローラ142は、ローラ回転軸RLを軸に基部141に対して回転できるように基部141に取り付けられる。これにより、紙押さえローラ140は回動軸120に支持される。
ここで、ローラ回転軸RLは、紙Sの走行方向に直交し、かつ、紙送り板160に平行に配置される。但し、紙押さえローラ140は、ローラ回転軸RLが少なくとも紙Sの走行方向に直交して配置され、ローラ142の側周部であるローラ側周部142aが紙Sに接触してローラ142が紙Sの走行に伴って回転する構成であればよい。
紙押さえローラ140は、回動軸120を軸に回動する。ここで、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140は、1つの回動軸120に取り付けられる。これにより、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140は、一体となって回動軸120を軸に紙送り板160や前当て170に対して回動する。
なお、本実施形態では、紙押さえローラ140は、軸側周部120aにボルト190によって基部141が固定されるが、紙押さえローラ140は、他の手段で回動軸120に基部141が取り付けられてもよい。例えば、紙押さえローラ140は、紙押さえ板130と同様に、軸側周部120aにバネなどの弾性部材を介して基部141が取り付けられて、軸側周部120aに対して所定の角度、基部141が回動できるように構成されてもよい。
この場合、紙送り装置100は、紙送り板160と紙押さえローラ140との間の隙間が広がる。よって、紙送り装置100は、仮に紙押さえローラ140と紙送り板160との間に紙Sが詰まった場合であっても、容易に紙Sが取り除かれる。
紙押さえ板130及び紙押さえローラ140は、図5に示すように複数組、回動軸120に取り付けられる。紙押さえ板130及び紙押さえローラ140は、例えば、5組、回動軸120に設けられる。なお、回動軸120に設けられる紙押さえ板130及び紙押さえローラ140の組数は、5組に限定されない。回動軸120に沿う方向を紙Sの幅方向とすると、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140は、紙Sの幅方向に均等に配置されれば、例えば、回動軸120に4組設けられてもよい。
また、紙送り装置100は、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140の長さであって、回動軸120に沿う方向の長さが、紙Sの幅方向の長さと同等の長さに設定されてもよい。この場合、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140は、回動軸120に1組設けられればよい。
ここで、紙押さえ装置110は、1つの回動軸120に紙押さえ板130と紙押さえローラ140とが共に取り付けられ、紙押さえ板130と紙押さえローラ140とが一体に回動軸120を軸に回動し、回動軸120の周方向で紙押さえ部131とローラ142とが重ならない構成であれば、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140の回動軸120への取り付け方は限定されない。以下に、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140と回動軸120とが成す構成の代表例を説明する。
図8は、紙押さえ装置が待機位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。上述したように、回動軸120は、基本的に円柱状に形成される。但し、軸側周部120aには、紙押さえ板130が取り付けられる板取付部121と、紙押さえローラ140が取り付けられるローラ取付部122とが形成される。
板取付部121及びローラ取付部122は、例えば、軸側周部120aの一部が平面状に削られて形成される。板取付部121には、紙押さえ板130を板取付部121に取り付けるためのボルト190がねじ込まれる板側ネジ穴123が形成される。また、ローラ取付部122は、紙押さえローラ140をローラ取付部122に取り付けるためのボルト190がねじ込まれるローラ側ネジ穴124が形成される。
板取付部121とローラ取付部122とは、互いに平行になるように形成される。板側ネジ穴123とローラ側ネジ穴124は、互いに、軸側周部120aの反対側に形成される。つまり、板側ネジ穴123とローラ側ネジ穴124とを結ぶ仮想線V01は、回動軸120の中心軸CLを通る。ここで、回動軸120の中心軸CLとは、例えば、回動軸120の長手方向と直交する面で回動軸120を無数に切り、その無数の断面の図心を結んだ線である。
なお、ここでの「平行」には、製造上の公差が含まれる。また、製造上の公差によって、板側ネジ穴123とローラ側ネジ穴124とを結んだ仮想線V01が、回動軸120の中心軸CLとわずかに交差しない場合であっても、板側ネジ穴123とローラ側ネジ穴124とを結んだ仮想の線は、回動軸120の中心軸CLを通るものとして取り扱う。
図9は、紙押さえ板が紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。図10は、紙押さえローラが紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。図11は、紙押さえ装置が第1退避位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。図12は、紙押さえ装置が第2退避位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。
ここで、上述のように、薄紙Sxは、図3に示すように、紙Sの咥え側St側が紙送り板160から離れる方向に浮き上がりやすい。よって、印刷を施す紙Sが薄紙Sxの場合、紙押さえ装置110は、図9に示すように、紙押さえ板130が紙押さえ位置になるように回動軸120が回動する。
なお、紙押さえ位置とは、紙押さえ板130または紙押さえローラ140が紙送り板160上を走行する紙Sと対向する位置である。以下に、紙押さえ板が紙押さえ位置にある場合と、紙押さえローラが紙押さえ位置にある場合とに分けて、紙押さえ位置の具体的な説明をする。
紙押さえ板130が紙押さえ位置にある場合、図9に示すように、紙押さえ板130のうち、ボルト190によって回動軸120に取り付けられる側とは反対側である紙押さえ部131が紙送り板160と対向する。また、紙押さえ板130と紙送り板160との距離L01は、紙押さえローラ140と紙送り板160の距離L02よりも小さい。
なお、紙押さえ板130と紙送り板160との距離L01は、紙押さえ板130の部分のうち、最も紙送り板160に近い部分と紙送り板160との間の距離である。また、紙押さえローラ140と紙送り板160の距離L02は、紙押さえローラ140の部分のうち、最も紙送り板160に近い部分と紙送り板160との間の距離である。
紙押さえローラ140が紙押さえ位置にある場合、図10に示すように、紙押さえローラ140のローラ142が紙送り板160と対向する。また、紙押さえローラ140が紙押さえ位置にある場合、紙押さえローラ140と紙送り板160との距離L02は、紙押さえ板130と紙送り板160の距離L01よりも小さい。
また、紙押さえ装置110の状態として、紙押さえ板130または紙押さえローラ140が紙押さえ位置にある状態の他に、図8に示すように、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が待機位置にある状態がある。
待機位置とは、紙押さえ板130の紙押さえ部131、及び、紙押さえローラ140のローラ142が紙送り板160と対向しないときの紙押さえ板130及び紙押さえローラ140の位置である。また、このとき、紙押さえ部131及びローラ142は、中心軸CLを含みかつ紙送り板160に直交する仮想面V02よりも、紙Sの流れの下流側に位置する。なお、紙押さえ部131及びローラ142は、仮想面V02よりも紙Sの流れの上流側に位置してもよい。
また、紙押さえ装置110の状態として、図11に示すように、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が退避位置にある状態がある。退避位置とは、例えば、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間、または、ローラ142と紙送り板160との隙間で紙詰まりが生じた際に、前記紙詰まりを解消するための紙押さえ板130及び紙押さえローラ140の位置である。
紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が退避位置のとき、紙押さえ装置110は、紙押さえ板130の紙押さえ部131及び紙押さえローラ140のローラ142が紙送り板160と対向しない。
ここで、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が退避位置にある状態は、2つの状態がある。1つめは、紙押さえ部131及びローラ142が、例えば、中心軸CLを含みかつ紙送り板160に直交する仮想面V02よりも、紙Sの流れの下流側に位置する場合である。この位置を、第1退避位置という。2つめは、図12に示すように、紙押さえ部131及びローラ142が、例えば、中心軸CLを含みかつ紙送り板160に直交する仮想面V02よりも、紙Sの流れの上流側に位置する場合である。この位置を、第2退避位置という。
ここで、図9に示すように、紙押さえ板130が紙Sに使用されている場合に紙詰まりが生じると、紙押さえ装置110は、図11に示すように、第1退避位置に紙押さえ板130が移動する。つまり、回動軸120が順回りとは逆方向に回動する。これは、仮に回動軸120が順回りに回動すると、紙押さえ板130の紙押さえ部131が紙Sが詰まった部分に近づく方向に移動するためである。
この時、紙押さえ板130は、紙Sの詰まった部分に近づくほど、紙押さえ部131と紙Sとが成す角度が大きくなる。つまり、紙押さえ部131は、紙Sの詰まった部分に近づくほど、紙Sの走行を阻害するように紙Sに対して角度を有するようになる。
しかしながら、紙押さえ装置110は、紙押さえ板130が紙Sに使用されている場合に紙詰まりが生じた際、回動軸120が順回りとは逆方向に回動する。これにより、紙押さえ装置110は、紙押さえ部131が紙Sと略平行になりつつ、紙押さえ板130が退避位置に移動できる。このようにして、紙押さえ装置110は、紙Sの走行を阻害しないように、紙押さえ板130を退避位置である第1退避位置に移動できる。
図10に示すように、紙押さえローラ140が紙Sに使用されている場合に紙詰まりが生じると、紙押さえ装置110は、図12に示すように、第2退避位置に紙押さえローラ140が移動する。つまり、回動軸120が順回りに回動する。これは、紙押さえローラ140は、V02よりも紙Sの流れの上流側で使用されるためである。仮に回動軸120が順回りとは逆方向に回動すると、紙押さえ装置110は、紙Sが詰まった部分に紙押さえローラ140が近づく方向に移動する。
そこで、紙押さえ装置110は、紙押さえローラ140が紙Sに使用されている場合に紙詰まりが生じた際、回動軸120が順回りに回動する。これにより、紙押さえ装置110は、紙押さえローラ140が紙Sに近づくことなく離れる方向に移動する。このようにして、紙押さえ装置110は、紙Sの走行を阻害しないように、紙押さえローラ140を退避位置である第2退避位置に移動できる。
紙押さえ装置110は、まず、図8に示すように、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が待機位置にある。次に、紙押さえ装置110は、紙Sが薄紙Sxの場合、図9に示すように、制御装置450が駆動装置150を制御して回動軸120が回動する。これにより、紙押さえ板130は、紙押さえ位置にセットされる。
また、紙押さえ装置110は、紙Sが厚紙Syの場合、図10に示すように、制御装置450が駆動装置150を制御して回動軸120が回動し、紙押さえローラ140が紙押さえ位置にセットされる。なお、印刷が施された紙Sに接着剤を塗布してPPF(Poly−Propylene Film)を圧着させる場合も、紙押さえ装置110は、図10に示すように、紙押さえローラ140が紙押さえ位置にセットされる。
紙押さえ板130が紙押さえ位置にセットされる際、及び、紙押さえローラ140が紙押さえ位置にセットされる際に回動軸120が回動する方向は、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が仮想面V02よりも紙Sの流れの下流側で紙送り板160に近づく方向と、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が仮想面V02よりも紙Sの流れの下流側で紙送り板160から遠ざかる方向とのどちらでもよい。
なお、以下、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が仮想面V02よりも紙Sの流れの下流側で紙送り板160に近づき、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が仮想面V02よりも紙Sの流れの上流側で紙送り板160から遠ざかる方向の回動軸120の回動を順回りという。
ここで、紙押さえ装置110は、回動軸120が順回りに回動する方が、回動軸120が順回りとは逆方向に回動するよりも好ましい。これは、紙押さえ板130または紙押さえローラ140が図8に示す待機位置から図9または図10に示す紙押さえ位置にセットされるまでに回動軸120が回動する角度は、順回りの方が小さいためである。よって、回動軸120が順回りに回動する方が、紙押さえ装置110は、紙押さえ板130または紙押さえローラ140を紙押さえ位置にセットするために要する時間を低減できる。
ここで、仮に回動軸120が順回りとは逆方向に回動すると、紙押さえ装置110は、回動軸120から見て紙送り板160とは反対側を紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が通過することになる。これにより、紙押さえ装置110は、回動軸120から見て紙送り板160とは反対側に、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が通過できる空間が余分に必要となる。
しかしながら、回動軸120が順回りに回動すると、紙押さえ装置110は、回動軸120から見て紙送り板160とは反対側を紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が通過しない。これにより、紙押さえ装置110は、回動軸120から見て紙送り板160とは反対側に紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が通過できる空間が形成されなくてもよい。これにより、紙押さえ装置110は小型化される。
このように、紙押さえ装置110は、回動軸120に紙押さえ板130と紙押さえローラ140とが共に取り付けられることにより、回動軸120が回動するのみで、使用する押さえ部材として、紙押さえ板130と紙押さえローラ140とを切り替えることができる。これにより、紙押さえ装置110は、1つの駆動装置により紙押さえ板130と紙押さえローラ140とを切り替えることができる。
よって、従来、押さえ部材を切り替えるために2つの駆動装置としてのアクチュエータを必要としていた紙押さえ装置に比べて、紙押さえ装置110は、部品点数が低減される。これにより、紙押さえ装置110は、構造がシンプルになる。
次に、仮に紙押さえ部131と紙送り板160との隙間、または、ローラ142と紙送り板160との隙間で紙詰まりが生じた場合について説明する。紙押さえ部131と紙送り板160との隙間、または、ローラ142と紙送り板160との隙間で紙詰まりが生じた場合、紙押さえ装置110は、制御装置450が駆動装置150を制御して回動軸120が回動し、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が退避位置にセットされる。
このとき、紙押さえ装置110は、図9に示すように、紙押さえ板130が紙押さえ位置にセットされている場合、紙押さえ部131が紙Sと略平行になりつつ、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間が広がる方向、つまり、回動軸120が順回りとは逆方向に回動する。これにより、紙押さえ装置110は、図11に示す第1退避状態となる。なお、紙詰まりが生じる前、紙押さえ板130は、紙押さえ部131が仮想面V02上か、または、紙Sの流れの下流側にセットされている。
また、紙押さえ装置110は、図10に示すように、紙押さえローラ140が紙押さえ位置にセットされている場合、ローラ142と紙送り板160との隙間が広がる方向、つまり、回動軸120が順回りに回動する。これにより、紙押さえ装置110は、図12に示す第2退避状態となる。なお、紙詰まりが生じる前、紙押さえローラ140は、ローラ142が仮想面V02よりも紙Sの流れの上流側にセットされている。
このようにして、紙押さえ装置110は、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間、または、ローラ142と紙送り板160との隙間で仮に紙詰まりが発生した場合に、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が退避位置まで移動する最中に、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が紙Sの走行を阻害しない。これにより、紙押さえ装置110は、紙詰まりを解消する際の紙押さえ板130及び紙押さえローラ140の負荷を低減できる。
ここで、紙押さえ装置110は、紙Sの走行経路上で紙Sが詰まっているか否かを検出する被記録媒体詰まり検出手段としての紙詰まりセンサ460を備えると好ましい。紙詰まりセンサ460は、例えば、紙送り板160に設けられて、紙押さえ部131またはローラ142と、紙送り板160との間の隙間を走行する紙Sの流れを監視する。
なお、紙詰まりセンサ460は、紙Sの走行経路上にも設けられて、走行経路上で紙Sが詰まっている場合に、被記録媒体詰まり信号としての紙詰まり信号を図2に示す制御装置450に発信する。
制御装置450は、紙詰まりセンサ460から紙詰まり信号が発信された場合に、紙押さえ板130と紙押さえローラ140とのうち、現在使用されている押さえ部材を紙送り板160から遠ざかるように、回動軸120を回動させる。これにより、紙押さえ装置110は、紙詰まりが発生した場合に、自動で紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が図11に示す第1退避位置、または、図12に示す第2退避位置のどちらかの退避位置にセットされる。
図13は、紙押さえ部と紙送り板との間の隙間を微調節する様子を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。紙押さえ装置110は、回動軸120を回動させることで、紙押さえ板130または紙押さえローラ140を切り替える機能に加え、さらに、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさ、及び、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさを微調節する機能を実現できる。
ここで、紙押さえ装置110は、紙Sの厚さによって、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさ、及び、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさを微調節される必要がある。例えば、図9に示すように、紙押さえ板130が紙押さえ位置にセットされている場合、紙押さえ装置110は、図13に示すように、制御装置450が駆動装置150を制御して、紙押さえ部131が紙送り板160に近づく方向に回動軸120が回動する。つまり、紙押さえ装置110は、回動軸120が順回りとは逆回りに回動する。
これにより、紙押さえ装置110は、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさが、図13に示すように、隙間L03から隙間L04まで減少する。また、逆に、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさを増加させるときは、紙押さえ装置110は、制御装置450が駆動装置150を制御して、回動軸120が順回りに回動する。
また、例えば、図10に示すように、紙押さえローラ140が紙押さえ位置にセットされている場合も同様に、紙押さえ装置110は、制御装置450が駆動装置150を制御して、ローラ142が紙送り板160に近づく方向に回動軸120が回動する。つまり、ローラ142のローラ回転軸が仮想面V02よりも紙Sの流れの上流側にセットされる場合、紙押さえ装置110は、回動軸120が順回りとは順回りに回動する。
これにより、紙押さえ装置110は、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさが減少する。また、逆に、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさを増加させるときは、紙押さえ装置110は、制御装置450が駆動装置150を制御して、回動軸120が順回りに回動する。
このようにして、紙押さえ装置110は、回動軸120に紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が取り付けられることにより、回動軸120が回動することで紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさ、及び、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさを微調節できる。
なお、図13に示すように、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさ、及び、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさを微調節する際に回動軸120が回動すると、紙押さえ部131及びローラ142の紙Sの走行方向の位置が、回動軸120の回動前とで変化する。
ここで、紙Sの走行方向の紙押さえ部131及びローラ142の位置は、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさ、及び、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさ程の精度は要求されない。つまり、回動軸120が回動する前後で、紙押さえ部131及びローラ142の紙Sの走行方向の位置が変化しても、紙押さえ装置110は、印刷機400が印刷を施した紙Sの印刷品質が許容範囲となる。
但し、より正確に、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140の位置を制御する場合、紙押さえ装置110は、回動軸120が紙Sの走行方向に移動できるように構成されると好ましい。この場合、例えば、紙押さえ装置110は、紙Sの走行方向に沿って設けられるレールに回動軸120が支持される。
この場合、紙押さえ装置110は、前記レールに対して回動軸120がスライドして移動するために、回動軸120に紙Sの走行方向の力を与える駆動装置を備える。これにより、紙押さえ装置110は、回動軸120が回動する前後での、紙押さえ部131及びローラ142の紙Sの走行方向の変化量を低減できる。
ここで、通常、印刷を開始する際、あらかじめオペレータが紙Sの厚みを制御装置450に入力する。紙押さえ装置110は、この制御装置450に入力された紙Sの厚みに基づいて、制御装置450が駆動装置150を制御して、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさ、及び、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさを自動で調節してもよい。
上記構成により、紙押さえ装置110は、オペレータが紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさ、及び、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさを微調節する作業を必要とせずに、紙Sの厚さの入力のみで、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさ、及び、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさを自動で調節できる。
以上のように、実施形態1の紙押さえ装置110は、1つの回動軸120に紙押さえ板130と紙押さえローラ140とが取り付けられることにより、紙押さえ装置110は、回動軸120が回動することで、1つの駆動装置で紙押さえ板130または紙押さえローラ140を切り替えることができる。
また、回動軸120が回動することで、紙押さえ装置110は、1つの駆動装置で紙押さえ部131と紙送り板160との隙間の大きさと、ローラ142と紙送り板160との隙間の大きさとを微調節できる。また、紙押さえ装置110は、仮に紙押さえ部131と紙送り板160との隙間、または、ローラ142と紙送り板160との隙間で紙詰まりが生じても、回動軸120を回動させて、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140を退避位置にセットすることで紙詰まりに対応できる。
(実施形態2)
図14は、実施形態2の紙押さえ板が紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。図15は、実施形態2の紙押さえローラが紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。実施形態2の紙押さえ装置210は、回動軸220に共通取付部221が形成される。
共通取付部221は、例えば、軸側周部220aの一部が平面状に削られて形成される。共通取付部221は、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140を共通取付部221に取り付けるためのボルト190がねじ込まれる共通ネジ穴222が形成される。
紙押さえ装置210は、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が共通取付部221にボルト190によって共締めされる。但し、紙押さえ装置110は、回動軸220の周方向で、紙押さえ部131とローラ142とが一致しないように、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が共通取付部221に取り付けられる。
なお、「回動軸220の周方向で紙押さえ部131とローラ142とが一致しない」状態とは、回動軸220の長手方向に紙押さえ部131とローラ142とを投影した場合に、紙押さえ部131とローラ142とが重ならない状態をいう。
次に、紙押さえ装置210は、紙Sが薄紙Sxの場合、図14に示すように、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間が小さくなる方向に回動軸220が回動して、紙押さえ板130が紙押さえ位置にセットされる。また、紙押さえ装置210は、紙Sが厚紙Syの場合、図15に示すように、ローラ142と紙送り板160との隙間が小さくなる方向に回動軸220が回動して、紙押さえローラ140が紙押さえ位置にセットされる。
ここで、仮に紙押さえ部131と紙送り板160との隙間で紙詰まりが生じた場合、紙押さえ装置210は、紙押さえ部131と紙送り板160との隙間が大きくなる方向に回動軸220が回動して、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が退避位置にセットされる。具体的には、紙押さえ部131が仮想面V02よりも紙Sの流れの上流側にセットされる場合、回動軸220は、順回りに回動する。
ここで、仮に、回動軸220が順回りと逆方向に回動すると、紙押さえ装置210は、ローラ142が紙詰まり部分を通過することとなる。よって、この場合は、回動軸220は、順回りに回動する方が好ましい。
また、仮にローラ142と紙送り板160との隙間で紙詰まりが生じた場合、紙押さえ装置210は、ローラ142と紙送り板160との隙間が大きくなる方向に回動軸220が回動して、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が退避位置にセットされる。具体的には、ローラ142が仮想面V02よりも紙Sの流れの上流側にセットされる場合、回動軸220は、順回りに回動する。
ここで、ローラ142が仮想面V02よりも紙Sの流れの下流側にセットされる場合は、回動軸220は、順回りとは逆方向に回動する方が好ましい。回動軸220が順回りと逆方向に回動すると、紙押さえ装置210は、紙押さえ部131が紙詰まり部分を通過しない。よって、この場合は、回動軸220は、ローラ142が仮想面V02よりも紙Sの流れの下流側にセットされる場合は、順回りとは逆方向に回動する方が好ましい。
以上のように、紙押さえ板130と紙押さえローラ140とが共に1つの共通取付部221に取り付けられる場合であっても、回動軸220の周方向で、紙押さえ部131とローラ142とが一致しないように形成されれば、紙押さえ装置210は、回動軸220が回動することで、紙押さえ板130または紙押さえローラ140を1つの駆動装置で切り替えることができる。
さらに、紙押さえ装置210は、紙押さえ板130と紙押さえローラ140とを共通のボルト190で共締めするため、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140を回動軸220に取り付けるために必要な部品点数を低減できる。
(実施形態3)
図16は、実施形態3の紙押さえ板が紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。図17は、実施形態3の紙押さえローラが紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。実施形態3の紙押さえ装置310は、紙押さえ部131とローラ142とが仮想線V01を挟んで反対側に配置される点が、実施形態1の紙押さえ装置110と異なる。
実施形態1の紙押さえ装置110は、図8に示すように、紙押さえ部131とローラ142とが、仮想線V01を境界線として、同じ側に配置された。しかしながら、回動軸120から見て紙送り板160とは反対側に紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が通過できる空間を確保できる場合、紙押さえ装置310は、図16及び図17に示すように、紙押さえ部131とローラ142とが仮想線V01を挟んで反対側に配置されてもよい。
つまり、紙押さえ装置310は、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が、1つの回動軸120に共に取り付けられ、かつ、回動軸120の周方向で紙押さえ部131とローラ142とが一致しないように、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140が回動軸120に取り付けられればよい。これにより、紙押さえ装置310は、回動軸120が回動することで、押さえ部材の切り替えと、押さえ部材と紙送り板160との隙間の大きさの微調節とを1つの駆動装置で実現できる。
ここで、上述したように、紙押さえ装置110は、紙送り板160上を走行する紙Sの紙送り板160からの浮き上がりを抑制するための手段である。紙送り装置100は、紙押さえ装置110と、紙送り板160上を走行する紙Sの紙送り板160からの浮き上がりを抑制するための他の手段とを同時に備えることにより、さらに好適に紙送り板160上を走行する紙Sの紙送り板160からの浮き上がりを抑制できる。
図18は、他の紙送り装置を胴群の回転軸に直交する面で切って示す断面図である。例えば、紙送り装置100Aは、前記他の手段として図18に示す負圧発生装置500を備える。負圧発生装置500は、空気供給装置510と、空気通路520とを備える。
空気通路520は、一方の端部が空気供給装置510に接続され、他方の端部が紙送り板160と紙Sとの間に開口する。さらに、前記開口は、紙送り板160上を走行する紙Sの走行方向に沿って空気を噴射するように形成される。
これにより、負圧発生装置500は、紙Sと紙送り板160との間に、紙Sの流れに沿った空気の流れを発生させて、紙Sと紙送り板160との間の気圧を紙Sの紙送り板160とは反対側の気圧よりも低下させる。これにより、紙送り板160上を走行する紙Sは、紙送り板160側に引き付けられる。よって、負圧発生装置500は、紙送り板160上を走行する紙Sの紙送り板160からの浮き上がりを抑制できる。
以上により、紙送り装置100Aは、紙押さえ装置110と、負圧発生装置500とを同時に備えることにより、紙押さえ装置110のみで紙Sの浮き上がりを抑制する場合よりも、さらに好適に紙送り板160上を走行する紙Sの紙送り板160からの浮き上がりを抑制できる。
また、紙押さえ板130及び紙押さえローラ140は、紙送り板160上を走行する紙Sと接触することで、紙Sが前当て170に当たる前にあらかじめ紙Sの走行速度を低減するという機能も実現する。これにより、紙押さえ装置110は、紙Sが前当て170に当たることで紙Sが受けるダメージを低減できる。
ここで、紙送り装置100は、紙押さえ装置110と、紙Sが前当て170に当たる前にあらかじめ紙Sの走行速度を低減するための他の手段とを同時に備えることにより、さらに好適に紙Sが前当て170に当たることで紙Sが受けるダメージを低減できる。
図19は、他の印刷機の全体を示す外観図である。例えば、紙送り装置100Bは、前記他の手段として図19に示すコンベア減速装置600を備える。コンベア減速装置600は、紙Sが前当て170に当たる前に、紙送り装置100Bのコンベア191の速度をそれまでの速度よりも一時的に減速させる。これにより、コンベア減速装置600は、紙Sが前当て170に当たる前にあらかじめ紙Sの走行速度を低減する。これにより、コンベア減速装置600は、紙Sが前当て170に当たることで紙Sが受けるダメージを低減できる。
以上により、紙送り装置100は、紙押さえ装置110と、コンベア減速装置600とを同時に備えることにより、さらに好適に紙Sが前当て170に当たることで紙Sが受けるダメージを低減できる。
以上のように、被記録媒体押さえ装置は、被記録媒体の浮き上がりを抑制できる被記録媒体送り装置や被記録媒体送り装置を備える枚葉印刷機に有用であり、構造が複雑になるおそれを抑制することに適している。
印刷機の全体を示す外観図である。 紙送り装置を胴群の回転軸に直交する面で切って示す断面図である。 紙の前辺側が浮き上がった状態を胴群の回転軸に直交する面で切って示す断面図である。 紙の後辺側と中間部が浮き上がった状態を胴群の回転軸に直交する面で切って示す断面図である。 紙押さえ装置の構成を示す斜視図である。 紙押さえ板の部位のうち、紙送り板を走行中の紙に最も近づく部分を拡大して示す断面図である。 紙押さえ板の部位のうち、紙送り板を走行中の紙に最も近づく他の部分を拡大して示す断面図である。 紙押さえ装置が待機位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 紙押さえ板が紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 紙押さえローラが紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 紙押さえ装置が第1退避位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 紙押さえ装置が第2退避位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 紙押さえ部と紙送り板との間の隙間を微調節する様子を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 実施形態2の紙押さえ板が紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 実施形態2の紙押さえローラが紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 実施形態3の紙押さえ板が紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 実施形態3の紙押さえローラが紙押さえ位置にある状態を回動軸に沿う方向に投影して示す投影図である。 他の紙送り装置を胴群の回転軸に直交する面で切って示す断面図である。 他の印刷機の全体を示す外観図である。
符号の説明
100 紙送り装置
110 紙押さえ装置
120 回動軸
121 板取付部
122 ローラ取付部
123 板側ネジ穴
124 ローラ側ネジ穴
130 紙押さえ板
131 紙押さえ部
140 紙押さえローラ
141 基部
142 ローラ
150 駆動装置
160 紙送り板
161 端部
170 前当て
180 スインググリッパ
181 スインググリッパ本体
182 スインググリッパ回動軸
183 グリッパ側爪
190 ボルト
191 コンベア
210 紙押さえ装置
220 回動軸
221 共通取付部
222 共通ネジ穴
310 紙押さえ装置
400 印刷機
410 給紙部
420 印刷部
421 第1印刷ユニット
422 第2印刷ユニット
423 第3印刷ユニット
424 第4印刷ユニット
430 排紙部
440 胴群
441 中間胴
442 版胴
443 ブランケット胴
444 圧胴
450 制御装置
500 負圧発生装置
510 空気供給装置
520 空気通路
600 コンベア減速装置
CL 中心軸
FL フレーム
L01 距離
L02 距離
L03 隙間
L04 隙間
S 紙
Sb 咥え側
Sm 中間部
St 咥え尻側
Sx 薄紙
Sy 厚紙
V01 仮想線
V02 仮想面

Claims (7)

  1. 印刷が施される被記録媒体が走行する送り板の面のうち、前記被記録媒体が走行する側の面に対向して回動可能にフレームに支持される回動軸と、
    前記送り板との間に前記被記録媒体が通過可能な隙間を有して前記回動軸に設けられる第1押さえ部材及び第2押さえ部材と、
    を備え、
    前記第1押さえ部材は、前記被記録媒体と接触して前記被記録媒体を前記送り板側にガイドする板状の押さえ部を有し、
    前記第2押さえ部材は、前記被記録媒体と接触して前記被記録媒体を前記送り板側にガイドするローラ状の押さえ部を有し、
    前記回動軸を回動させることで、前記被記録媒体の種類に応じて、前記被記録媒体と接触する前記第1押さえ部材または前記第2押さえ部材を切り替えることを特徴とする被記録媒体押さえ装置。
  2. 前記回動軸の前記回動角度を調節することで、前記板状の押さえ部と前記送り板との間の隙間または前記ローラ状の押さえ部と前記送り板との間の隙間を調節することを特徴とする請求項1に記載の被記録媒体押さえ装置。
  3. 前記被記録媒体の走行経路上で被記録媒体が詰まった場合、前記第1押さえ部材または前記第2押さえ部材が前記送り板から遠ざかる方向に、前記回動軸を回動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被記録媒体押さえ装置。
  4. 前記送り板上で前記被記録媒体が詰まっているか否かを検出し、前記送り板上で前記被記録媒体が詰まっている場合に被記録媒体詰まり信号を発信する被記録媒体詰まり検出手段を備え、
    前記被記録媒体詰まり検出手段から前記被記録媒体詰まり信号が発信された場合、前記第1押さえ部材または前記第2押さえ部材が前記送り板から遠ざかる方向に、前記回動軸が回動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の被記録媒体押さえ装置。
  5. 前記板状の押さえ部材は、前記回動軸の周方向に屈曲または湾曲されて形成され、前記送り板に最も近づく部位は、曲面に形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の被記録媒体押さえ装置。
  6. 前記回動軸を回動させる駆動装置を備えると共に、前記駆動装置を制御して前記回動軸の回動角度を調節する制御装置を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の被記録媒体押さえ装置。
  7. 印刷が施される被記録媒体を送り出す給被記録媒体部と、
    前記給被記録媒体部から供給された前記被記録媒体に、版胴に装着された刷版を接触させて印刷を施す印刷部と、
    前記給被記録媒体部と前記印刷部との間に配置されて、前記被記録媒体を前記給被記録媒体部から前記印刷部へと運ぶ被記録媒体送り装置と、を含んで構成され、
    前記被記録媒体送り装置は、
    前記被記録媒体が走行する送り板の面のうち、前記被記録媒体が走行する側の面に対向して回動可能にフレームに支持される回動軸と、
    前記送り板との間に前記被記録媒体が通過可能な隙間を有して前記回動軸に設けられる第1押さえ部材及び第2押さえ部材と、
    を備え、
    前記第1押さえ部材は、前記被記録媒体と接触して前記被記録媒体を前記送り板側にガイドする板状の押さえ部を有し、
    前記第2押さえ部材は、前記被記録媒体と接触して前記被記録媒体を前記送り板側にガイドするローラ状の押さえ部を有し、
    前記回動軸を回動させることで、前記被記録媒体の種類に応じて、前記被記録媒体と接触する前記第1押さえ部材または前記第2押さえ部材を切り替えることを特徴とする枚葉印刷機。
JP2008310060A 2008-12-04 2008-12-04 被記録媒体押さえ装置及び枚葉印刷機 Pending JP2010131867A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008310060A JP2010131867A (ja) 2008-12-04 2008-12-04 被記録媒体押さえ装置及び枚葉印刷機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008310060A JP2010131867A (ja) 2008-12-04 2008-12-04 被記録媒体押さえ装置及び枚葉印刷機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010131867A true JP2010131867A (ja) 2010-06-17

Family

ID=42343696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008310060A Pending JP2010131867A (ja) 2008-12-04 2008-12-04 被記録媒体押さえ装置及び枚葉印刷機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010131867A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015157354A (ja) * 2014-02-21 2015-09-03 ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフトHeidelberger Druckmaschinen AG シートを処理する機械のフィードボードにシートを押さえる方法および装置
CN105369617A (zh) * 2015-11-23 2016-03-02 安徽酉阳防水科技有限公司 一种防腐卷材基材专用增强剂

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015157354A (ja) * 2014-02-21 2015-09-03 ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフトHeidelberger Druckmaschinen AG シートを処理する機械のフィードボードにシートを押さえる方法および装置
CN105369617A (zh) * 2015-11-23 2016-03-02 安徽酉阳防水科技有限公司 一种防腐卷材基材专用增强剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5350933B2 (ja) 媒体固定装置及び画像形成装置
EP1790486B1 (en) Recording medium conveying mechanism and image recording device including the same
JP4100198B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP4957525B2 (ja) 被記録媒体搬送装置、及び記録装置
JP4572344B2 (ja) 被記録媒体給送装置、記録装置、液体噴射装置
EP2657036B1 (en) Sheet reversing device
JP2005170683A (ja) 印刷技術的な機械を通ってシートを搬送するための装置
JP2010131867A (ja) 被記録媒体押さえ装置及び枚葉印刷機
JP2006247884A (ja) プラテン、記録装置、液体噴射装置
JP4424502B2 (ja) 記録装置
EP2189406A1 (en) Sheet conveyor and printing machine
JP4548362B2 (ja) 被記録媒体給送装置、記録装置、液体噴射装置
JP6952012B2 (ja) オフセット輪転機の下流側処理装置及びオフセット輪転機
JP2009119636A (ja) 印刷機
JP2009096201A (ja) 加工機における印刷版交換方法及び交換装置
JP6708811B2 (ja) 液体吐出装置及び画像形成装置
JP2001191596A (ja) インクジェットプリンタ
WO2009110512A1 (ja) カール除去装置及び片面/両面兼用枚葉印刷機
JP2019123103A (ja) 紙巻防止装置及び印刷機
JP2001277618A (ja) インクジェット画像形成装置
JP5206942B2 (ja) 媒体送り装置、記録装置、送り従動ローラの離間状態継続制御方法
JP2024013368A (ja) シート処理装置
JP2009073055A (ja) 挟持機構および印刷機
JP2010143689A (ja) 被記録媒体案内装置及び枚葉印刷機
JP2022178437A (ja) 印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20100915