JP5206942B2 - 媒体送り装置、記録装置、送り従動ローラの離間状態継続制御方法 - Google Patents

媒体送り装置、記録装置、送り従動ローラの離間状態継続制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、動力源の動力によって駆動する送り駆動ローラと、該送り駆動ローラと協働して被送り媒体を送ることが可能な従動回転する送り従動ローラと、該送り従動ローラを回動自在に保持し、前記送り従動ローラを前記送り駆動ローラに対して接離移動可能な従動ローラホルダと、該従動ローラホルダを、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラに接近する方向へ付勢する付勢手段と、前記従動ローラホルダを、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間する方向へ変位させる離間方向変位手段と、を備えた媒体送り装置、該媒体送り装置を備えた記録装置および送り従動ローラの離間状態継続制御方法に関する。
本願において、記録装置には、インクジェットプリンタ、ワイヤドットプリンタ、レーザープリンタ、ラインプリンタ、複写機、ファクシミリ等の種類が含まれるものとする。
従来では、特許文献1に示す如く、記録装置には送り装置の一例として用紙を搬送する搬送装置が設けられていた。そして、該搬送装置は、搬送ローラ対を有していた。具体的には、モータの動力によって駆動する搬送駆動ローラと、該搬送駆動ローラに従って従動回転する搬送従動ローラとを有していた。また、該搬送従動ローラは、付勢手段によって、前記搬送駆動ローラ側へ付勢されていた。またさらに、該付勢手段の付勢力に抗して前記搬送従動ローラを前記搬送駆動ローラから離間移動させる離間移動手段が設けられていた。従って、用紙が前記搬送駆動ローラと前記搬送従動ローラとによってニップされた状態において、用紙ジャムが発生した場合、前記離間移動手段を用いて各ローラに負担をかけることなく用紙を取り出すことができる。
また、特許文献2に示す如く、記録装置には送り装置の一例として用紙を排出する排出部が設けられていた。そして、該排出部は、排出ローラ対を有していた。具体的には、モータの動力によって駆動する排出駆動ローラと、該排出駆動ローラに従って従動回転する排出従動ローラとを有していた。また、該排出従動ローラは、付勢手段によって、前記排出駆動ローラ側へ付勢されていた。またさらに、該付勢手段の付勢力に抗して前記排出従動ローラを前記排出駆動ローラから離間移動させる離間移動手段が設けられていた。
従って、厚さが1mm未満の記録用紙のように柔軟ではなく、厚さが3mmに達するボード紙、情報記録媒体、プリント基板等の比較的厚い被記録媒体を搬送することができる。具体的には、前記離間移動手段を用いて前記排出従動ローラを、前記排出駆動ローラから大きく離間移動させる。そして、前記比較的厚い被記録媒体をセットする。これにより、前記比較的厚い被記録媒体のセットを容易にすることができる。また、排出部を構成する部材にかかる負荷を軽減することができる。
特開2002−128314号公報 特開2002−192782号公報
しかしながら、前記離間移動手段によって、前記搬送従動ローラが前記搬送駆動ローラから離間した状態、および前記排出従動ローラが前記排出駆動ローラから離間した状態が不要にも関わらず継続されると、前記付勢力によって前記離間移動手段を構成する部材等に塑性変形である所謂、クリープ変形が生じる虞がある。具体的には、前記付勢手段の一例としてのばねが縮んだことにより前記付勢力が増加し、クリープ変形が生じる虞がある。係る場合、用紙の幅方向に対して前記搬送従動ローラおよび前記排出従動ローラの姿勢が変化する虞がある。該姿勢が変化すると、幅方向の左右において用紙の送り量のバラツキが生じ、スキューの要因となる。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、送り従動ローラが送り駆動ローラから離間した状態が継続することによるクリープ変形を防止することができる媒体送り装置、該媒体送り装置を備えた記録装置および前記媒体送り装置における制御方法を提供することである。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様の媒体送り装置は、動力源の動力によって駆動する送り駆動ローラと、該送り駆動ローラと協働して被送り媒体を送ることが可能な従動回転する送り従動ローラと、該送り従動ローラを回動自在に保持し、前記送り従動ローラを前記送り駆動ローラに対して接離移動可能な従動ローラホルダと、該従動ローラホルダを、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラに接近する方向へ付勢する付勢手段と、前記従動ローラホルダを、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間する方向へ変位させる離間方向変位手段と、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態を継続する必要がない離間継続不要条件に該当するか否かを判定し、該当すると判定したとき、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラに接近した状態にする制御部と、を備えていることを特徴とする。
本発明の第1の態様によれば、前記媒体送り装置は、前記制御部を備えている。従って、 前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態を継続する必要がない離間継続不要条件に該当するか否かを判定することができる。そして、該当すると判定したとき、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラに接近した状態にすることができる。その結果、長時間放置された場合等において、前記付勢手段の付勢力により、前記従動ローラホルダおよび前記送り従動ローラが塑性変形する所謂、クリープ変形することを防止することができる。
尚、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラに接近した状態では、前記付勢手段の付勢力が前記従動ローラホルダおよび前記送り従動ローラに作用しているが、前記送り従動ローラと前記送り駆動ローラとの当接によって姿勢が精度良く決定される。従って、クリープ変形の虞は殆どない。
即ち、本態様では、前記付勢手段の付勢力に抗して前記離間した状態における前記付勢力が増加したことによるクリープ変形、および前記離間した状態における前記従動ローラホルダおよび前記送り従動ローラの姿勢が不安定であることによるクリープ変形を防止することができる。その結果、該クリープ変形による前記送り従動ローラの姿勢が送り方向および被送り媒体の幅方向に対して変化することを防止することができる。そして、該姿勢の変化による被送り媒体のスキューを防止することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記離間継続不要条件は、前記媒体送り装置の電源がOFF状態であることであることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記離間継続不要条件は、前記媒体送り装置の電源がOFF状態であることである。従って、前記離間した状態で長時間放置される虞がない。
本発明の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記離間継続不要条件は、前記媒体送り装置が省電力モード状態であることであることを特徴とする。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果に加え、前記離間継続不要条件は、前記媒体送り装置が省電力モード状態であることである。従って、より確実に前記クリープ変形することを防止することができる。
本発明の第4の態様は、第1から第3のいずれか一の態様において、前記離間継続不要条件は、前記制御部が被送り媒体を送る送りモード状態であるが、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間しており、前記制御部が指示した前記送り従動ローラの位置と、前記送りモードに対応するべき前記送り従動ローラの実際の位置とが不一致の状態であることであることを特徴とする。
本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記離間継続不要条件は、前記制御部が被送り媒体を送る送りモード状態であるが、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間しており、前記制御部が指示した前記送り従動ローラの位置と、前記送りモードに対応するべき前記送り従動ローラの実際の位置とが不一致の状態であることである。従って、前記送り従動ローラの位置の整合をとることができる。即ち、前記制御部が指示した前記送り従動ローラの位置と、実際の前記送り従動ローラの位置との整合をとることができる。何らかの原因によって、整合がとれなくなった場合に有効である。
本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれか一の態様において、前記送り駆動ローラと、前記送り従動ローラとの間における被送り媒体の有無を検出する媒体検出器を有し、前記制御部は、前記送り駆動ローラと、前記送り従動ローラとの間に被送り媒体が存在するか否かを判定し、被送り媒体が存在すると判定したとき、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態を継続することを特徴とする。
本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記送り駆動ローラと、前記送り従動ローラとの間における被送り媒体の有無を検出する媒体検出器を有し、前記制御部は、前記送り駆動ローラと、前記送り従動ローラとの間に被送り媒体が存在するか否かを判定し、被送り媒体が存在すると判定したとき、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態を継続する。従って、ユーザが被送り媒体を取り出すことができなくなる虞がない。
ここで、被送り媒体が存在すると判定したとき、その旨を警告表示や警告音等によってユーザに知らせるように構成してもよい。
本発明の第6の態様の記録装置は、被記録媒体を送り方向下流側へ搬送する搬送部と、該搬送部から搬送された被記録媒体に記録を実行する記録部と、を備えた記録装置であって、前記搬送部は、上記第1から第5のいずれか一の前記媒体送り装置を備えていることを特徴とする。
本発明の第6の態様によれば、前記搬送部は、上記第1から第5のいずれか一の前記媒体送り装置を備えている。従って、前記記録装置において、上記第1から第5のいずれか一の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第7の態様の送り従動ローラの離間状態継続制御方法は、送り駆動ローラに向けて従動ローラホルダを介して付勢されている送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態か否かを判定する離間判定工程と、前記離間した状態と判定したとき、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態を継続する必要がない離間継続不要条件に該当するか否かを判定する離間継続不要条件判定工程と、前記該当すると判定したとき、前記送り従動ローラを前記送り駆動ローラに対して接近移動させる送り従動ローラ接近移動工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の第7の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る「記録装置」或いは「液体噴射装置」の一例としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の外観斜視図である。
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
またさらに、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
プリンタ1は、例えばJIS規格のA0判やB0判などといった比較的大型サイズの幅を有する被噴射媒体或いは被記録媒体としてのロール紙Pにまで記録できる大型のプリンタであり、ロール紙供給部3及び記録実行部4を備えた本体部2と、排紙受け部5とを備えて構成されている。
本体部2はベース9に立設された支柱8の上部に設けられており、記録の行われたロール紙Pを斜め下方に排出する排出口6を有している。排出口6の下方にはスタッカ10の開口部7が位置しており、記録の行われたロール紙Pが排出口6から開口部7へ向けて排出され、スタッカ10によって受け止められる。
ロール紙供給部3にはロール紙ロール(以下「ロール」と言う)Rが収納可能に構成され、ロールRからロール紙Pが繰り出され、記録を実行する記録実行部4へと斜め下方へ供給される。そして、ロール紙ホルダ(図示せず)に、ロールRがセットされる。ロール紙供給時には、ロール紙ホルダがロール駆動手段としてのスピンドルモータ(図示せず)により回転駆動されることにより、ロール紙Pが下流側に供給される。
記録実行部4は、ロール紙Pに対し液体としてのインクを吐出(噴射)する、液体噴射手段或いは記録手段としての記録ヘッド(図示せず)と、記録ヘッドと対向配置されるプラテン(図示せず)と、記録ヘッドの上流側に設けられ、ロール紙Pを下流側へ搬送する搬送駆動ローラ38(搬送ローラ対)(図2参照)およびこれに圧接して従動回転する搬送従動ローラ39、39…(図2参照)と、を有している。
記録ヘッドはキャリッジ(図示せず)に設けられ、キャリッジは、記録ヘッドの走査方向(主走査方向)に延びるガイド軸(図示せず)と、同様に主走査方向に延びるガイド板(図示せず)と、によってガイドされながら、図示しないモータの動力を受けて主走査方向に移動する。
記録ヘッドの下流側には、用紙吸引部としてのエア吸引手段(図示せず)が設けられており、このエア吸引手段(図示せず)によって記録ヘッドの下流側においてロール紙Pが浮き上がらないように規制状態に置かれ、ロール紙Pの浮き上がりによる記録品質の低下が防止されるようになっている。
図2に示すのは、本発明に係る搬送部を示す斜視図である。
図2に示す如く、ロール紙供給部3に設けられた搬送部30は、ロール紙Pを記録実行部4へ搬送するように構成されている。具体的には、搬送部30は、搬送ローラ対37を有している。搬送ローラ対37は、搬送用モータの動力によって駆動する搬送駆動ローラ38と、搬送駆動ローラ38の回動に従動回転する複数の搬送従動ローラ39、39…とを有する。
このうち、搬送従動ローラ39、39…は、従動ローラホルダ33に回動自在に保持されている。本実施例では、搬送従動ローラ39、39…が三つ一組で従動ローラホルダ33に保持されている。
また、従動ローラホルダ33には一対のホルダ軸34、34が設けられており、一対のホルダ軸34、34は、基体部32に揺動自在に保持されている。従って、搬送従動ローラ39、39…は、搬送駆動ローラ38に対して接離移動することができる。
またさらに、従動ローラホルダ33は、ねじりコイルばね36によって搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38に対して接近移動する方向へ付勢されている。具体的には、ねじりコイルばね36の一端が基体部32と係合し、他端が従動ローラホルダ33におけるホルダ軸34、34より搬送従動ローラ39、39…を保持している側と係合している。
そして、カム部31(図3(A)(B)参照)が、従動ローラホルダ33におけるホルダ軸34、34より搬送従動ローラ39、39…を保持している側と反対側であるカムフォロア部35(図3(A)(B)参照)と係合可能に設けられている。従って、カム部31は、ねじりコイルばね36の付勢力に抗して、搬送従動ローラ39、39…を搬送駆動ローラ38から離間移動させることができる。
尚、本実施例では、搬送従動ローラ39、39…を三つ一組で保持する従動ローラホルダ33が、ロール紙Pの幅方向に複数設けられているものとする。そして、以下の説明において、複数の従動ローラホルダ33、33…は、同じ動作を実行するものとする。
図3(A)(B)に示すのは、本発明に係る搬送部の概略を示す側面図である。このうち、図3(A)は、搬送ローラ対のニップ状態である。一方、図3(B)は、搬送ローラ対のレリース状態である。
図3(A)に示す如く、搬送ローラ対37、37…がニップ状態となる際、制御部40によってカム部31、31…は、カムフォロア部35、35…から離間する。従って、ねじりコイルばね36、36…の付勢力によって、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38へ接近移動する方向へ従動ローラホルダ33、33…が揺動する。その結果、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38と接触してニップ状態となる。そして、ニップ状態では、ロール紙Pを挟持して搬送することができる。
また、搬送ローラ対37の近傍には、ロール紙Pの有無の検出する用紙検出器41が設けられている。
図3(B)に示す如く、搬送ローラ対37、37…がレリース状態となる際、制御部40によってカム部31、31…は、カムフォロア部35、35…に対して接近移動する。そして、カムフォロア部35、35…と係合し、ねじりコイルばね36、36…の付勢力に抗して、従動ローラホルダ33、33…の姿勢を変位させる。具体的には、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38から離間移動する方向へ揺動させる。その結果、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38から離間してレリース状態となる。そして、レリース状態では、ユーザがロール紙Pをセットすることができる。
また、セットした後におけるロール紙Pの比較的大きなスキュー取りを実行する際、一時的にレリース状態に切替えることにより、有効に比較的大きなスキュー取りを行うことができる。
ところが、レリース状態では、ねじりコイルばね36、36…の付勢力に抗して搬送従動ローラ39、39…を離間させている。即ち、従動ローラホルダ33、33…におけるホルダ軸34、34…より搬送従動ローラ39、39…を保持している側には、比較的不安定な姿勢で前記付勢力が作用している。
さらに、ニップ状態と比較してねじりコイルばね36、36…が縮んでいる状態であるので、前記付勢力は、ニップ状態と比較して大である。従って、従動ローラホルダ33、33…におけるホルダ軸34、34…より搬送従動ローラ39、39…を保持している側には、変形させようとする所謂、クリープ応力が作用することになる。そして、レリース状態で長時間放置された場合、従動ローラホルダ33、33…および搬送従動ローラ39、39…がクリープ変形する虞が生じる。
そこで、本実施形態では、以下に説明する制御を実行する。
図4に示すのは、本発明に係る搬送部の制御を示すチャート図である。
図4に示す如く、ステップ11(以下、S11)では、搬送ローラ対37、37…がレリース状態か否かを判定する。具体的には、制御部40が、カム部31、31…の位置を検出することによってレリース状態か否かを判定することができる。そして、レリース状態であればS12へ進む。一方、レリース状態でない状態、即ち、ニップ状態であればシーケンスを終了する。
S12では、プリンタ1の電源がOFFされたか否かを判定する。具体的には、制御部40が、電源がOFF状態に切り替わったか否か、またはOFF状態であるか否かを判定する。そして、電源OFF状態に切り替わった、またはOFF状態であると判定した場合、S13へ進む。一方、OFF状態に切り替わっていない即ち、ON状態のままであると判定した場合、シーケンスを終了する。
S13では、搬送ローラ対37、37…をニップ状態にする。具体的には、制御部40がカム部31、31…をカムフォロア部35、35…から離間させる。そして、搬送従動ローラ39、39…を搬送駆動ローラ38へ接近移動させ、ニップ状態にする。そして、シーケンスを終了する。
従って、電源がOFF状態になった場合であっても、レリース状態で長時間放置される虞がない。その結果、従動ローラホルダ33、33…および搬送従動ローラ39、39…のクリープ変形を防止することができる。
[他の実施形態1]
図5に示すのは、他の実施形態1に係る搬送部の制御を示すチャート図である。
ここで、構成部材は、前述した部材と同様であるので、同じ符号を用いると共にその説明は省略する。
図5に示す如く、S21では、搬送ローラ対37、37…がレリース状態か否かを判定する。具体的には、制御部40が、カム部31、31…の位置を検出することによってレリース状態か否かを判定することができる。そして、レリース状態であればS22へ進む。一方、レリース状態でない状態、即ち、ニップ状態であればシーケンスを終了する。
S22では、プリンタ1が省電力モードに移行したか否かを判定する。具体的には、制御部40が、省電力モードに切り替わったが否かを判定する。
ここで、「省電力モード」とは、プリンタ1が消費する電力を小さくするために、通常の電力供給状態と比較して小さい電力を供給しているモードをいう。電源ON状態で何も動作を実行していない状態が続いた場合に切り替わる所謂、スリープ状態である。
そして、省電力モードに切り替わったと判定した場合、S23へ進む。一方、省電力モードに切り替わっていないと判定した場合、シーケンスを終了する。
S23では、搬送ローラ対37、37…をニップ状態にする。具体的には、制御部40がカム部31、31…をカムフォロア部35、35…から離間させる。そして、搬送従動ローラ39、39…を搬送駆動ローラ38へ接近移動させ、ニップ状態にする。そして、シーケンスを終了する。
従って、プリンタ1が省電力モードに移行した場合であっても、レリース状態で長時間放置される虞がない。その結果、従動ローラホルダ33、33…および搬送従動ローラ39、39…のクリープ変形を防止することができる。
[他の実施形態2]
図6に示すのは、他の実施形態2に係る搬送部の制御を示すチャート図である。
図6に示す如く、S31では、搬送ローラ対37、37…がレリース状態か否かを判定する。具体的には、制御部40が、カム部31、31…の位置を検出することによってレリース状態か否かを判定することができる。そして、レリース状態であればS32へ進む。一方、レリース状態でない状態、即ち、ニップ状態であればシーケンスを終了する。
S32では、用紙検出器41(図3参照)が紙を検出しているか否かを判定する。具体的には、制御部40が、搬送ローラ対37、37…の近傍に設けられた用紙検出器41(図3参照)から「紙なし」信号を受信しているか否かを判定する。そして、「紙なし」と判定した場合、S33へ進む。一方、「紙なし」でない即ち、「紙あり」と判定した場合、シーケンスを終了する。
S33では、プリンタ1の電源がOFFされたか否かを判定する。具体的には、制御部40が、電源がOFF状態に切り替わったか否か、またはOFF状態であるか否かを判定する。そして、電源OFF状態に切り替わった、またはOFF状態であると判定した場合、S34へ進む。一方、OFF状態に切り替わっていない即ち、ON状態のままであると判定した場合、シーケンスを終了する。
S34では、搬送ローラ対37、37…をニップ状態にする。具体的には、制御部40がカム部31、31…をカムフォロア部35、35…から離間させる。そして、搬送従動ローラ39、39…を搬送駆動ローラ38へ接近移動させ、ニップ状態にする。そして、シーケンスを終了する。
従って、「紙あり」と判定した場合は、レリース状態が保持される。その結果、ユーザは、いつでもロール紙Pを取り出すことができる。
また、電源がOFF状態になった場合であっても、レリース状態で長時間放置される虞がない。その結果、従動ローラホルダ33、33…および搬送従動ローラ39、39…のクリープ変形を防止することができる。
[他の実施形態3]
図7に示すのは、他の実施形態3に係る搬送部の制御を示すチャート図である。
図7に示す如く、S41では、搬送ローラ対37、37…がレリース状態か否かを判定する。具体的には、制御部40が、カム部31、31…の位置を検出することによってレリース状態か否かを判定することができる。そして、レリース状態であればS42へ進む。一方、レリース状態でない状態、即ち、ニップ状態であればシーケンスを終了する。
S42では、用紙検出器41(図3参照)が紙を検出しているか否かを判定する。具体的には、制御部40が、搬送ローラ対37、37…の近傍に設けられた用紙検出器41(図3参照)から「紙なし」信号を受信しているか否かを判定する。そして、「紙なし」と判定した場合、S43へ進む。一方、「紙なし」でない即ち、「紙あり」と判定した場合、シーケンスを終了する。
S43では、プリンタ1が省電力モードに移行したか否かを判定する。具体的には、制御部40が、省電力モードに切り替わったが否かを判定する。
そして、省電力モードに切り替わったと判定した場合、S44へ進む。一方、省電力モードに切り替わっていないと判定した場合、シーケンスを終了する。
S44では、搬送ローラ対37、37…をニップ状態にする。具体的には、制御部40がカム部31、31…をカムフォロア部35、35…から離間させる。そして、搬送従動ローラ39、39…を搬送駆動ローラ38へ接近移動させ、ニップ状態にする。そして、シーケンスを終了する。
従って、「紙あり」と判定した場合は、レリース状態が保持される。その結果、ユーザは、いつでもロール紙Pを取り出すことができる。
また、プリンタ1が省電力モードに移行した場合であっても、レリース状態で長時間放置される虞がない。その結果、従動ローラホルダ33、33…および搬送従動ローラ39、39…のクリープ変形を防止することができる。
尚、制御部40が指示した搬送従動ローラ39、39…の位置と、実際の搬送従動ローラ39、39…の位置とが異なる場合、ニップ状態にして整合をとることが望ましい。具体的には、制御部40がロール紙Pを送る送りモード状態であるが、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38から離間した状態である。そして、制御部40が指示した搬送従動ローラ39、39…の位置と、前記送りモードに対応するべき搬送従動ローラ39、39…の実際の位置とが不一致の状態である。
ここで、搬送従動ローラ39、39…の実際の位置は、従動ローラホルダ33、33…の近傍にセンサを設けて、従動ローラホルダ33、33…の姿勢を検出することで認識することができる。
本実施形態の媒体送り装置の一例であるロール紙供給部3の搬送部30は、動力源の一例である搬送用モータ(図示せず)の動力によって駆動する送り駆動ローラの一例である搬送駆動ローラ38と、搬送駆動ローラ38と協働して被送り媒体の一例であるロール紙Pを送ることが可能な従動回転する送り従動ローラの一例である搬送従動ローラ39、39…と、搬送従動ローラ39、39…を回動自在に保持し、搬送従動ローラ39、39…を搬送駆動ローラ38に対して接離移動可能な従動ローラホルダ33、33…と、従動ローラホルダ33、33…を、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38に接近する方向へ付勢する付勢手段の一例であるねじりコイルばね36、36…と、従動ローラホルダ33、33…を、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38から離間する方向へ変位させる離間方向変位手段の一例であるカム部31、31…およびカムフォロア部35、35…と、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38から離間した状態を継続する必要がない離間継続不要条件に該当するか否かを判定し、該当すると判定したとき、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38に接近した状態にする制御部40と、を備えていることを特徴とする。
本実施形態において、前記離間継続不要条件は、インクジェットプリンタ1の電源がOFF状態であることであることを特徴とする。
また、本実施形態において、前記離間継続不要条件は、インクジェットプリンタ1が省電力モード状態であることであることを特徴とする。
またさらに、本実施形態において、前記離間継続不要条件は、制御部40がロール紙Pを送る送りモード状態であるが、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38から離間しており、制御部40が指示した搬送従動ローラ39、39…の位置と、前記送りモードに対応するべき搬送従動ローラ39、39…の実際の位置とが不一致の状態であることであることを特徴とする。
本実施形態において、搬送駆動ローラ38と、搬送従動ローラ39、39…との間におけるロール紙Pの有無を検出する媒体検出器としての用紙検出器41を有し、制御部40は、搬送駆動ローラ38と、搬送従動ローラ39、39…との間にロール紙Pが存在するか否かを判定し(S32、S42)、ロール紙Pが存在すると判定したとき、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38から離間した状態を継続することを特徴とする。
本実施形態の記録装置の一例であるインクジェットプリンタ1は、被記録媒体の一例であるロール紙Pを送り方向下流側へ搬送する搬送部30と、搬送部30から搬送されたロール紙Pに記録を実行する記録部としての記録実行部4と、を備えたインクジェットプリンタ1であって、搬送部30は、前記媒体送り装置を備えていることを特徴とする。
本実施形態の搬送従動ローラ39、39…の離間状態継続制御方法は、搬送駆動ローラ39、39…に向けて従動ローラホルダ33、33…を介して付勢されている搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38から離間した状態か否かを判定する離間判定工程(S11、S21、S31、S41)と、前記離間した状態と判定したとき、搬送従動ローラ39、39…が搬送駆動ローラ38から離間した状態を継続する必要がない離間継続不要条件に該当するか否かを判定する離間継続不要条件判定工程(S12、S22、S32、S42)と、該当すると判定したとき、搬送従動ローラ39、39…を搬送送り駆動ローラ38に対して接近移動させる搬送従動ローラ接近移動工程(S13、S23、S34、S44)と、を含むことを特徴とする。
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係るプリンタの外観斜視図。 本発明に係る搬送部を示す斜視図。 (A)(B)は本発明に係る搬送部の概略を示す側面図。 本発明に係る搬送部の制御を示すチャート図。 他の実施形態1に係る搬送部の制御を示すチャート図。 他の実施形態2に係る搬送部の制御を示すチャート図。 他の実施形態3に係る搬送部の制御を示すチャート図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、2 本体部、3 ロール紙供給部、4 記録実行部、
5 排紙受け部、6 (ロール紙の)排出口、7 開口部、8 支柱、9 ベース、
10 (ロール紙の)スタッカ、30 搬送部、31 カム部、32 基体部、
33 従動ローラホルダ、34 ホルダ軸、35 カムフォロア部、
36 ねじりコイルばね、37 搬送ローラ対、38 搬送駆動ローラ、
39 搬送従動ローラ、40 制御部、41 用紙検出器、P ロール紙、R ロール

Claims (6)

  1. 動力源の動力によって駆動する送り駆動ローラと、
    該送り駆動ローラと協働して被送り媒体を送ることが可能な従動回転する送り従動ローラと、
    該送り従動ローラを回動自在に保持し、前記送り従動ローラを前記送り駆動ローラに対して接離移動可能な従動ローラホルダと、
    該従動ローラホルダを、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラに接近する方向へ付勢する付勢手段と、
    前記従動ローラホルダを、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間する方向へ変位させる離間方向変位手段と、
    前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態を継続する必要がない離間継続不要条件に該当するか否かを判定し、
    該当すると判定したとき、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラに接近した状態にする制御部と、を備え
    前記離間継続不要条件は、前記媒体送り装置の電源がOFF状態であり、
    前記送り駆動ローラと、前記送り従動ローラとの間における被送り媒体の有無を検出する媒体検出器を、前記送り従動ローラと前記送り駆動ローラとからなる搬送ローラ対より前記被送り媒体搬送方向の上流側に有し、
    前記制御部は、
    前記送り駆動ローラと、前記送り従動ローラとの間に被送り媒体が存在するか否かを判定し、
    被送り媒体が存在すると判定したとき、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態を継続する媒体送り装置。
  2. 請求項1に記載の媒体送り装置において、前記離間継続不要条件は、前記媒体送り装置が省電力モード状態であることである媒体送り装置。
  3. 請求項1または2に記載の媒体送り装置において、前記離間継続不要条件は、前記制御部が被送り媒体を送る送りモード状態であるが、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間しており、前記制御部が指示した前記送り従動ローラの位置と、前記送りモードに対応するべき前記送り従動ローラの実際の位置とが不一致の状態であることである媒体送り装置。
  4. 被記録媒体を送り方向下流側へ搬送する搬送部と、
    該搬送部から搬送された被記録媒体に記録を実行する記録部と、を備えた記録装置であって、
    前記搬送部は、請求項1乃至のいずれか1項に記載された前記媒体送り装置を備える記録装置。
  5. 送り駆動ローラに向けて従動ローラホルダを介して付勢されている送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態か否かを判定する離間判定工程と、
    前記離間した状態と判定したとき、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態を継続する必要がない離間継続不要条件に該当するか否かを判定する離間継続不要条件判定工程と、
    前記該当すると判定したとき、前記送り従動ローラを前記送り駆動ローラに対して接近移動させる送り従動ローラ接近移動工程と、を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載された前記媒体送り装置の送り従動ローラの離間状態継続制御方法。
  6. 送り駆動ローラに向けて従動ローラホルダを介して付勢されている送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態か否かを判定する離間判定工程と、
    前記離間した状態と判定したとき、前記送り従動ローラが前記送り駆動ローラから離間した状態を継続する必要がない離間継続不要条件に該当するか否かを判定する離間継続不要条件判定工程と、
    前記該当すると判定したとき、前記送り従動ローラを前記送り駆動ローラに対して接近移動させる送り従動ローラ接近移動工程と、を含む請求項4に記載された前記媒体送り装置を備える記録装置の送り従動ローラの離間状態継続制御方法。
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