JP2019118899A - 吸湿性繊維構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】初期吸湿性と飽和吸湿性に優れ、かつ耐水性にも優れる吸湿性繊維構造体の提供。【解決手段】吸湿性ポリマーを含む吸湿性繊維構造体であって、前記吸湿性ポリマーにおいて、温度20℃、湿度90%RHで24時間後の吸湿率が60%以上であり、かつ純水に15分間浸漬した後の吸水率が2000%以下である。前記吸湿性ポリマーが、(メタ)アクリル酸、アクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、およびアクリル酸アミドからなる群より選択されるいずれかの単量体からなる架橋重合体で構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、初期吸湿性と飽和吸湿性に優れ、かつ耐水性にも優れる吸湿性繊維構造体に関する。
従来、空気中の湿気を除去する手段として、吸湿量が多く、また吸湿速度も速い塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、五酸化リン等の吸湿剤が用いられてきた。
しかしながら、これらの吸湿剤は、潮解性があるため、吸湿後液状化して他を汚染し、金属などを腐食する、吸湿性が強すぎて放湿性に劣り、繰り返し使用できないといった欠点があった。また、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウム、活性アルミナ、活性炭等の多孔質吸湿剤は、吸湿性に併せ、放湿性を有することにより繰り返し使用ができ解決されているが、再生に100℃以上の温度を要する、吸放湿の繰返しにより破砕・粉末化が起こり易いといった問題があった。
これら無機系に対し、近年、有機系吸放湿性材料、高分子型収着剤を用いることが提案されており、低温乾燥性や繰返し使用時の破砕による能力低下において改善が見られる(例えば特許文献1)。
しかしながら、かかる有機系吸放湿性材料では水が付着した場合、性能が低下しやすいという問題があった。
特開2008−195078号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、初期吸湿性と飽和吸湿性に優れ、かつ耐水性にも優れる吸湿性繊維構造体を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、吸湿性ポリマーの吸水性をコントロールすることにより、初期吸湿性と飽和吸湿性だけでなく耐水性にも優れた吸湿性繊維構造体が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「吸湿性ポリマーを含む吸湿性繊維構造体であって、前記吸湿性ポリマーにおいて、温度20℃、湿度90%RHで24時間後の吸湿率が60%以上であり、かつ純水に15分間浸漬した後の吸水率が2000%以下であることを特徴とする吸湿性繊維構造体。」が提供される。
その際、前記吸湿性ポリマーが、(メタ)アクリル酸、アクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、およびアクリル酸アミドからなる群より選択されるいずれかの単量体からなる架橋重合体で構成されていることが好ましい。また、前記吸湿性ポリマーにおいて数平均による粒径が1〜30μmの範囲内であることが好ましい。また、吸湿性繊維構造体が無機繊維およびバインダー繊維を含むことが好ましい。また、前記吸湿性ポリマーに加えてカチオン性ポリマーを含むことが好ましい。また、前記吸湿性ポリマーの付着量が5〜500g/mの範囲内であることが好ましい。
本発明の吸湿性繊維構造体において、10℃85%RH下における5分後の吸湿率が7%以上であり、かつ60℃の温水に48時間浸漬させた際の重量減少率が10%以下であることが好ましい。また、吸湿性繊維構造体が湿度交換用であることが好ましい。
本発明によれば、初期吸湿性と飽和吸湿性に優れ、かつ耐水性にも優れる吸湿性繊維構造体が得られる。
波状の形状を有する繊維シートと平らな箇所を有する繊維シートを接合してなる繊維シートの複合体の縦断面を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明に含まれる吸湿性ポリマーにおいて、温度20℃、湿度90%RHで24時間後の吸湿率が60%以上(好ましくは60〜130%、特に好ましくは80〜100%)であり、かつ純水に15分間浸漬した後の吸水率が2000%以下(好ましくは100〜1000%、特に好ましくは300〜900%)であることが肝要である。なお、上記「吸湿率」とは、温度20℃、湿度90%RHで24時間放置して吸湿させた時の重量とその絶乾重量との差を求め、絶乾重量で除したときの値を百分率(%表示)で表示したものである。また、「RH」とは「相対湿度」の意味である。
ここで、前記吸湿率が60%未満の場合、ベースとなる吸湿性ポリマーの有効吸湿量が小さすぎ、繊維構造体中に含まれる吸湿性ポリマーの含有量を高めても、所定の初期吸湿性が得られないおそれがあり好ましくない。これは、含有量を高めすぎると繊維構造体表面に存在する吸湿性ポリマー同士が膨潤を伴って水分を吸着し、そのことが構造体内部への湿分の移行が遅延することで生じると考えられる。
また、前記吸水率が2000%より大きいと、繊維構造体を水に浸漬した際に大きな体積変化を伴って吸水を行うため接点が破壊されやすく、繊維構造体中での固持性が損なわれる点で好ましくない。例えば、(メタ)アクリル酸を主成分とする吸湿性ポリマーの吸水性は、一般的に水中で遊離する酸性基イオン同士の反発による分子鎖の広がる作用と、分子鎖の橋かけ点による広がりを制限する作用により決まると考えられている。前述した吸湿性は遊離する酸性基が多い程良好になるが、水に浸漬した場合はその酸性基の反発力が高くなりすぎ吸水特性の向上を促し、繊維構造体の耐水性劣化を促すことに繋がる。
本発明において、前記吸湿性ポリマーが、(メタ)アクリル酸、アクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、およびアクリル酸アミドからなる群より選択されるいずれかの単量体からなる架橋重合体で構成されていることが好ましい。
前記吸湿性ポリマーの例としては、架橋ポリアクリル酸金属塩系繊維や樹脂などがあげられる。架橋ポリアクリル酸金属塩系繊維としては、特開昭63−159405号公報に例示されているような、カルボン酸基を持つビニルモノマーとカルボン酸基と反応してエステル架橋結合を形成し得るヒドロキシル基を持つビニルモノマーの共重合体からなり、カルボン酸基の一部がナトリウム塩を形成しているポリマーからなる繊維が好ましい。架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩系繊維の市販品としては、例えば、帝人フロンティア(株)製、商品名「ベルオアシス」(登録商標)があげられるが、同品は20℃、90%RHにおける吸湿率が100%であるものの、吸水率も8000%であり不適である。市販されている「ベルオアシス」(登録商標)の架橋度を、適度により進行させることで前記の吸湿性ポリマーが得られる。
前記の吸湿性ポリマーはポリアクリル酸金属塩であることが好ましく、金属塩の種類は特に限定はなく、例えばLi、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属、Cu、Zn、Al、Mn、Ag、Fe、Co、Ni等のその他の金属、NH4、アミン等の有機の陽イオン等を挙げることか出来る。なかでも吸放湿速度の観点からアルカリ金属やアルカリ土類金属の陽イオンであることが好ましい。
なお、前記の吸湿性ポリマーは吸湿特性の向上を目的として、適宜塩基性化合物を追加導入してもよい。塩基性化合物を追加導入した場合、吸湿能と向上と高湿潤下で長期間放置した際の剛性をも保持できる点で極めて有効である。なお、塩基性化合物の添加量としては吸湿性ポリマー重量に対し0.1〜7mmol/gであることが好ましい。添加量が0.1mmol/g未満の場合、吸湿量の向上が極僅かとなり、7mmol/gを超えると吸湿性ポリマーに残っている酸性基以上の塩化物を加えたこととなり、塩基性の強い繊維構造体となるほか、吸湿量が高くなりすぎ高湿潤下で長期間放置した際の湿潤強度が低くなりすぎるおそれがある。したがって、塩基性化合物の添加量は吸湿性ポリマーのポリマーに残る酸性基に応じて適宜調整することが望ましいが、(一般的に)特に好ましい添加量は1〜5mmol/gである。
また、前記吸湿性ポリマーの付着量は5〜500g/mであることが好ましい。付着量が上記範囲内にあれば、高い初期吸湿速度が得られやすくかつ飽和吸湿量も大きくすることができ長時間吸湿状態を保持できること、また繊維構造体中で保持しやすい点、繰り返し使用しても脱落が生じない点で有用である。
本発明の吸湿性繊維構造体は、前記の吸湿性ポリマーだけでなくカチオン性ポリマーをも含むことが好ましい。カチオン性ポリマーは当該吸湿性ポリマーと化学的にイオン結合し易く、水溶液中においてポリマー鎖がイオン化することでプラスに帯電することのできるポリマーのことである。このプラスに帯電したポリマーは、アニオン性ポリマーである吸湿性ポリマーとイオン結合し、その結果として吸湿ポリマーの水和を低減し、かつまたバインダー樹脂成分や基材繊維との密着性も向上することができる点で有用である。
カチオン性ポリマーは吸湿性ポリマーと結合するだけでなくその表面を覆うことで、水和力を低減し、かつバインダー樹脂との密着性を向上させる役割を担うものが好ましく、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ、特にその樹脂は限定しないが、多価アンモニウム基を有する水系ウレタン樹脂が固着性、伸度を要する被膜特性の観点で特に好ましい。カチオン性ポリマーの添加量は吸湿性ポリマー100重量部に対して、10〜120重量部の割合、20〜100重量部であることが特に好ましい。添加量が少なくなると密着性の低下が引き起こされ、逆に添加量が多くなると吸湿性ポリマーの割合が減少するため、吸湿速度が低下するおそれがある。
本発明の吸湿性繊維構造体を構成する繊維は特に限定されないが、無機繊維を含むことが好ましい。無機繊維は、吸放湿や加熱などによる寸法変化を小さくし、寸法安定性を向上させる点、水に浸漬した時の強度保持の観点で極めて有効である。かかる無機繊維の種類は特に限定されず、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、金属繊維などが例示される。なかでもガラス繊維が好ましい。
またかかる無機繊維においては、表面積を大きくして繊維構造体の中に多くの空隙を得ることで通気性を高め、また高い吸放湿速度を得る上で重要で、単繊維径が30μm以下(好ましくは1〜15μm)であることが好ましい。なお、本発明の吸湿性繊維構造体において、無機繊維は吸湿性繊維構造体重量対比30重量%以上含まれることが好ましい。
また、本発明の吸湿性繊維構造体には有機繊維が含まれていてもよい。かかる有機繊維としては特に限定はなく、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維などの合成繊維などを採用することもできる。該有機繊維は骨格繊維としてだけでなく、より高い寸法安定性が望まれる場合には、同繊維の軟化温度以上に熱処理することでバインダー繊維として使用することも可能である。
本発明の吸湿性繊維構造体にバインダー繊維が含まれていることが寸法安定性の観点で特に好ましい。かかるバインダー繊維としては、単一成分からなる繊維でもよいが、低融点の熱融着成分が少なくとも繊維表面の一部に配された短繊維であり、加熱により少なくともその表面の一部が溶融しうる熱接着性複合短繊維であることが好ましい。
バインダー繊維は、熱融着成分とポリエステル(非低融点成分)とが、サイドバイサイド型、芯鞘型であるのが好ましく、より好ましくは芯鞘型である。この芯鞘型の熱接着性複合短繊維では、ポリエステルが芯部となり、熱融着成分が鞘部となるが、この芯部は同心円状または偏心状にあってもよい。重量割合は、熱融着成分とポリエステル(非低融点成分)が、複合比率で30/70〜70/30の範囲にあるのが好ましい。
かかるバインダー繊維において、その単繊維繊度は0.5〜10dtex(より好ましくは1〜3dtex)であることが好ましい。また、バインダー繊維において、繊維長は5mm以上が好ましく、より好ましくは30〜100mmである。繊維長が5mmよりも小さいと十分な剛性が得られないおそれがある。逆に繊維長が100mmよりも大きいと、工程安定性が損なわれるおそれがある。
本発明の吸湿性繊維構造体にはパルプ繊維が含まれていてもよい。かかるパルプ繊維としては、特に限定はなく、針葉樹パルプ、広葉樹パルプなどの木材パルプ、麻パルプ、コットンパルプ、ケナフパルプなどの非木材パルプ、レーヨン、ビニロン、アクリルなどの合成繊維をフィブリル化したものなどを採用することができる。なかでも、アクリルパルプを採用した場合には、セルロース系のパルプに比べて耐水性が増し、含湿時の強度が高い紙を得ることができるため、吸湿放湿を繰り返すような耐久性を求められる用途に好適である。
本発明の吸湿性繊維構造体において、形状は限定されないが繊維構造体は繊維シートであることが好ましい。その際、布帛組織は特に限定されず、紙、織物、編物、不織布いずれでもよいが、繊維表面積を大きくして優れた吸放湿性を得る上で不織布が好ましい。特に湿式不織布が好ましい。また、吸湿性ポリマーは繊維構造体中で繊維状物として他の繊維と交絡された状態で固持されていても良いが、予め数平均による粒径で1〜30μmの粒状物に加工し前記繊維シートの上に固着された状態であってもよい。またその場合、繊維シートは、吸湿ポリマーの粒径より細い繊維で構成された基材であることが担持性の観点で好ましい。
本発明の吸湿性繊維構造体は、10℃85%RH下における5分後の吸湿率が7%以上(より好ましくは7〜15%)であることが好ましい。また、飽和吸湿率が30%以上(より好ましくは30〜50%)であることが好ましい。また、60℃の温水に48時間浸漬させた際の重量減少率が10%以下(より好ましくは0.1〜6%)であることが好ましい。
特に優れた上記吸湿特性や耐水性を得るためには、該繊維構造体は、前記吸湿性ポリマーを用い、また適宜カチオン性ポリマーも加えて繊維構造体中に吸湿性ポリマーを強固に固着させることが肝要である。その製法の一例として下記を挙げることができる。
すなわち、鞘部が低融点の芯鞘型バンイダー繊維、有機繊維、無機繊維、および20℃90%RHにおける吸湿率が60%以上かつ純水に浸漬した際の吸水率が2000%以下になる様に架橋度を調整した繊維長50mmの繊維状の吸湿性ポリマーを所定の割合で混綿した後、ローラーカードを通して、クロスラッパーで積層した後、所定の厚みまで加圧しながら熱処理を施して得ることができる。
なお、架橋度の調整は、温度180〜230℃、時間15〜80分の範囲内で行うとよい。
また、その他の方法の一例として下記を挙げることができる。すなわち、基材として、有機繊維、単繊維径が30μm以下の無機繊維を用いて水中に分散させ混合撹拌した後、抄紙機を用いて抄紙し、その後ドライヤーを用いて乾燥させることで基材シートを得る。
さらに、予め前記同様架橋度を調整かつ新たに数平均による粒径で1〜30μmとなる様に粉砕加工処理して得た粒状の吸湿性ポリマーと、カチオン系の水系ウレタン樹脂を水中に分散させた状態で十分に撹拌させ吸湿性水系スラリーを得る。
該吸湿性スラリーを、前記基材の上にコーティングし、70℃以上の温度で加熱除水することで吸湿性ポリマーが基材シートに固着した繊維構造体を得ることができる。
かくして得られた吸湿性繊維構造体は飽和吸湿量が高く、かつ初期吸湿特性が良好で耐水性も要するため除加湿器、エアコン、熱交換機等のフィルタ素子、クローゼット等の家庭用除湿材、冷凍車架台、冷蔵庫などの結露が付着する恐れがある様な部位、吸放湿性が求められる様々な工業製品に適用可能である。繊維構造体は多数の小透孔を有するプラスチックフォームや、不織布、フィルム、樹脂などと組み合わせてもよい。本発明の繊維構造体は、湿度交換用吸着体として特に好ましく使用される。
ここで、例えば、シート状吸湿性繊維構造体を2枚用意し、コルゲート加工(波状加工)し当該コルゲート加工されたシートと平らなシートとを互いに接着させた後(図1)、巻回し成形して得たハニカムローターに、吸湿性ポリマーを導入付与してもよい。
また、波状の形状を有する繊維シートと平らな繊維シートが接合してなる繊維シートの複合体を積層してもよい。
なお、繊維シートに吸湿性ポリマーを付与するのは、繊維シートの複合体を巻回または積層する前の工程で行ってもよいし後の工程で行ってもよい。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)吸湿性ポリマーの吸湿率
吸湿性ポリマー5gを熱風乾燥機で60℃12時間乾燥させ重量を測定する(w1)。次に温度20℃、相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿槽に24時間静置した後、重量を測定する(w2)。吸湿率は下記式にて算出した。
吸湿性ポリマーの吸湿率(%)=(w1−w2)/w1×100(%)
(2)吸湿性ポリマーの吸水率
吸湿性ポリマー5gを、予めティーバック状に加工した表面親水処理を施したポリエステルスパンボンド(袋上のスパンボンドの重量w3)の中に入れ、同ティーバックから内容物がこぼれない様に全端部をヒートシールし、重量を計測(w4)。純水に15分間浸漬後サンプル取り出し水滴が滴り落ちなくなるまで放置し、その後サンプル重量を測定(w5)し、次式で算出した。
吸湿ポリマーの吸水率(wt%)=(w5−w4)/(w4−w3)×100
(3)繊維構造体の飽和吸湿量
10cm×10cmにカットした繊維構造体を、熱風乾燥機により60℃で12時間乾燥させ重量を測定する(W1)。次に温度10℃、相対湿度85%RHに調整した恒温恒湿槽に180分静置した後、重量を測定する(W2)。吸湿率は以下の式で求めた。180分後吸湿量が30%以上で高い吸湿特性であると判断する。
180分後吸湿率(%)=(W2−W1)/W1×100(%)
(4)繊維構造体の初期吸湿量
10cm×10cmにカットした繊維シートを、熱風乾燥機により60℃で12時間乾燥させた後、重量を測定する(W1)。次に温度10℃、相対湿度85%RHに調整した恒温恒湿槽に5分間静置して吸湿重量を測定する(W3)。初期吸湿量は以下の式で求めた。初期吸湿量が7%以上であると良好な吸湿特性であると判断する。
初期吸湿率(%)=(W3−W1)/W1×100(%)
(5)耐水性(脱落率)
水への浸漬時の密着性を表す指標としての水没における残存率は、次の通り測定する。
熱風乾燥機により60℃、12時間乾燥させ重量を測定する(W1)。次に該繊維構造体を水で満たされた容器内につるし、48時間の間、毎時1.5リットルの水を該容器にオーバーフローさせる様に流入する。48時間後、概繊維構造体を取り出し再び60℃12時間乾燥させ重量を測定する(W4)。耐水性は以下の式で求めた。耐水性(脱落率)が10%未満であると良好な耐水特性であると判断する。
耐水性(脱落率)=(W4−W1)/W1×100(%)
(6)目付け
JIS P8124(紙のメートル坪量測定方法)に基づいて測定した。
(7)厚さ
JIS P8118(紙及び板紙の厚さと密度の試験方法)に基づいて測定した。
[実施例1]
繊維径10μm、繊維長10mmのガラス繊維60重量%と、単繊維繊度2dtex、繊維長5mmの芯鞘PET繊維(芯成分:ポリエチレンテレフタレート、鞘成分:共重合ポリエステル)40重量%とをあらかじめ溶解した分散剤(花王製、商品名「エマノーン3199」)を原料に対し0.5%となるよう添加し水中に分散させ、混合撹拌した後、湿式抄紙法でウエブを作製し、加熱加圧した後、アクリル樹脂エマルジョン(昭和高分子製、「AG−100」)を含浸法で添加し、加熱乾燥して50g/m、0.16mm厚の基材シートを得た。
一方、アクリル酸(75%がナトリウム塩として中和されている)78モル%、メチルアクリレート20モル%、およびヘキサプロピレングリコールモノメタクリレート2モル%のコポリマーの38%水溶液を100℃の紡糸口金を通して150℃のセル中へ向かって繊維に紡糸し、その後、繊維から水を除去した。なお、繊維はトウとして回収し、ステープルカッターでカット後、乾燥繊維基準で7%の湿分含有率になるように通風炉中で60℃にて乾燥させた後、200℃で30分間架橋させて、単繊維繊度10dtex、5mmカットの短繊維状吸湿性ポリマーを得た。なお、この時得られた吸湿性ポリマーの吸水率、吸湿率の評価結果を表1に示す。
得られた当該短繊維状吸湿ポリマーをジェットミル粉砕装置で平均粒径30μmの微粉物状とし、60℃で12時間乾燥させ、乾燥重量基準で6%になる様に蒸留水に分散させた後、概吸湿性ポリマーに対して水酸化ナトリウムを4.5mmol/g添加させ十分に撹拌する。更にカチオン系の水系ウレタン樹脂としてCP7610(固形分25%、DIC(株)製)を概吸湿性ポリマー100重量部に対して50重量部になる様に加え、撹拌を行い吸湿性塗工液を得た。得られた吸湿性塗工液を前記基材シートに乾燥重量で単位平方メートルあたり90g担持する様に塗布し、余分なエマルジョンを搾り出した後、120℃で水分を乾燥させ薄厚高吸湿性繊維シート(吸湿性繊維構造体)を得た。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
吸湿性塗工液中のカチオン系の水系ウレタン樹脂の添加比率を吸湿性ポリマー100重量部に対して80重量部になるにした以外は実施例1と同様にして薄厚高吸湿性繊維シートを得た。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
吸湿性塗工液中のカチオン系水系ウレタン樹脂をノニオン系ウレタン樹脂(DIC製VONDIC−2200)に変更した以外は実施例1と同様にして薄厚高吸湿性繊維シートを得た。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
短繊維状吸湿ポリマーにおいて、通風炉中で60℃にて乾燥させた後の架橋時間を200℃で5分にして得た以外は、実施例1と同様にして薄厚高吸湿性繊維シートを得た。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
吸湿性塗工液中のカチオン系の水系ウレタン樹脂の添加比率を吸湿性ポリマー100重量部に対して110重量部に変更した以外は比較例1と同様にして薄厚高吸湿性繊維シートを得た。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
吸湿性塗工液中のカチオン系の水系ウレタン樹脂の添加比率を吸湿性ポリマー100重量部に対して230重量部に変更した以外は比較例1と同様にして薄厚高吸湿性繊維シートを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2019118899
本発明によれば、水が付着しても脱落が生じにくく、かつ初期吸湿速度と飽和吸湿性に優れた吸湿性繊維構造体が得られ、その工業的価値は極めて大である。

Claims (8)

  1. 吸湿性ポリマーを含む吸湿性繊維構造体であって、前記吸湿性ポリマーにおいて、温度20℃、湿度90%RHで24時間後の吸湿率が60%以上であり、かつ純水に15分間浸漬した後の吸水率が2000%以下であることを特徴とする吸湿性繊維構造体。
  2. 前記吸湿性ポリマーが、(メタ)アクリル酸、アクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、およびアクリル酸アミドからなる群より選択されるいずれかの単量体からなる架橋重合体で構成されている、請求項1に記載の吸湿性繊維構造体。
  3. 前記吸湿性ポリマーにおいて数平均による粒径が1〜30μmの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の吸湿性繊維構造体。
  4. 吸湿性繊維構造体が無機繊維およびバインダー繊維を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の吸湿性繊維構造体。
  5. 前記吸湿性ポリマーに加えてカチオン性ポリマーを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の吸湿性繊維構造体。
  6. 前記吸湿性ポリマーの付着量が5〜500g/mの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の吸湿性繊維構造体。
  7. 吸湿性繊維構造体において、10℃85%RH下における5分後の吸湿率が7%以上であり、かつ60℃の温水に48時間浸漬させた際の重量減少率が10%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の吸湿性繊維構造体。
  8. 吸湿性繊維構造体が湿度交換用である、請求項1〜7のいずれかに記載の吸湿性繊維構造体。
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