以下、実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図18に基づいて本実施形態にかかる電池パック100、および、それを含む電源システム200を説明する。
<電源システムの概要>
電源システム200は車両に搭載される。電源システム200は車両に搭載された複数の車載機器と電池パック100とによって構成されている。車載機器の1つとして鉛蓄電池110がある。電池パック100は組電池10を有している。電源システム200はこれら鉛蓄電池110と組電池10とによって2電源システムを構築している。
他の車載機器としてエンジン140がある。電源システム200を搭載する車両は、所定の停止条件が満たされるとエンジン140を停止し、所定の始動条件が満たされるとエンジン140を再始動するアイドルストップ機能を有する。
図1に示すように電源システム200は、上記した鉛蓄電池110とエンジン140の他に、スタータモータ120、回転電機130、電気負荷150、上位ECU160、および、MGECU170を有する。鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれは、第1ワイヤハーネス210を介して電池パック100と電気的に接続されている。回転電機130は第2ワイヤハーネス220を介して電池パック100と電気的に接続されている。
上位ECU160とMGECU170は図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。同様にして、車両に搭載された他の各種ECUも図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。
以上に示したように電源システム200は、鉛蓄電池110と電池パック100(組電池10)の2つを電源とする2電源システムを構築している。
<電源システムの構成要素>
鉛蓄電池110は化学反応によって起電圧を生成する。鉛蓄電池110は組電池10よりも蓄電容量が多い。
スタータモータ120はエンジン140を始動する。スタータモータ120はエンジン140の始動時にエンジン140と機械的に連結される。スタータモータ120の回転によってエンジン140のクランクシャフトが回転される。エンジン140のクランクシャフトの回転数が所定回転数を超えると、燃料噴射弁から燃焼室に霧状の燃料が噴射される。この際に点火プラグで火花が生成される。これにより燃料が爆発し、エンジン140が自律回転し始める。このエンジン140の動力によって車両の推進力が得られる。エンジン140が自律回転し始めると、スタータモータ120とエンジン140との機械的な連結が解除される。
回転電機130は力行と発電を行う。回転電機130には図示しないインバータが接続されている。このインバータが第2ワイヤハーネス220に電気的に接続されている。
インバータは鉛蓄電池110および電池パック100の組電池10のうちの少なくとも一方から供給された直流電圧を交流電圧に変換する。この交流電圧が回転電機130に供給される。これにより回転電機130は力行する。
回転電機130はエンジン140と連結されている。回転電機130とエンジン140とは、ベルトなどを介して相互に回転エネルギーを伝達可能になっている。回転電機130の力行によって生じた回転エネルギーはエンジン140に伝達される。これによりエンジン140の回転が促進される。この結果、車両走行がアシストされる。上記したように電源システム200を搭載する車両はアイドルストップ機能を有する。回転電機130は車両走行のアシストだけではなく、エンジン140の再始動時においてクランクシャフトを回転させる機能も果たす。
回転電機130はエンジン140の回転エネルギー、および、車両の車輪の回転エネルギーの少なくとも一方によって発電する機能も有する。回転電機130は発電によって交流電圧を生成する。この交流電圧がインバータによって直流電圧に変換される。この直流電圧が、電池パック100、鉛蓄電池110、および、電気負荷150それぞれに供給される。
エンジン140は燃料を燃焼駆動することで車両の推進力を生成する。上記したようにエンジン140の始動時においては、スタータモータ120によってクランクシャフトが回転される。しかしながらアイドルストップによってエンジン140が一度停止した後に再び始動する際、上記の所定の始動条件が満たされる場合、回転電機130によってクランクシャフトが回転される。
電気負荷150は一般負荷151と保護負荷152を有する。一般負荷151には、シートヒータ、送風ファン、電動コンプレッサ、ルームライト、および、ヘッドライトなどの供給電力が一定でなくともよい車載機器が含まれる。保護負荷152には、電動シフトポジション、電動パワーステアリング(EPS)、ブレーキ(ABS)、ドアロック、ナビゲーションシステム、および、オーディオなどの供給電力が一定であることが求められる車載機器が含まれる。ここに例示した保護負荷152は供給電圧がリセット閾値を下回るとオン状態からオフ状態へと切り換わる性質を有する。保護負荷152には一般負荷151よりも車両走行に関連性の高い車載機器が含まれる。
上位ECU160とMGECU170は車両に搭載された各種ECUのうちの1つである。これら各種ECUはバス配線161を介して互いに電気的に接続され、車載ネットワークを構築している。各種ECUが協調制御することで、エンジン140の燃焼および回転電機130の力行や発電などが制御される。上位ECU160は電池パック100を制御する。MGECU170は回転電機130を制御する。
また図示しないが、電源システム200は、上記した各車載機器の他に、各種電圧や電流などの物理量、および、アクセルペダルの踏み込み量やスロットルバルブ開度などの車両情報を測定するためのセンサを有している。これら各種センサの検出した検出信号は、各種ECUに入力される。
<電池パックの概要>
図1に示すように電池パック100は、組電池10、回路基板20、スイッチ30、センサ部40、および、給電バスバー50を有する。また図2に示すように電池パック100はパックケース90を有する。さらに電池パック100は図8および図12に示すバスバーケース60を有する。図2では給電バスバー50とバスバーケース60の図示を省略している。
組電池10は鉛蓄電池110よりも体格が小さく、重量も軽くなっている。組電池10は鉛蓄電池110よりもエネルギー密度が高い性質を有する。
回路基板20は配線基板21とBMU22を有する。配線基板21にはスイッチ30の一部とBMU22が搭載されている。そして配線基板21にはスイッチ30の残りと組電池10とが給電バスバー50を介して電気的に接続されている。これにより電池パック100の電気回路が構成されている。この電気回路にセンサ部40が絶縁電線などを介して電気的に接続されている。
電池パック100の電気回路は図1において二重丸で示す外部接続端子と電気的に接続されている。この外部接続端子としては、第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、第3外部接続端子100c、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eがある。
第1外部接続端子100a、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eは第1ワイヤハーネス210を介して鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれと電気的に接続されている。第2外部接続端子100bは第2ワイヤハーネス220を介して回転電機130と電気的に接続されている。第3外部接続端子100cは車両のボディにボルト止めされている。この第3外部接続端子100cに挿入されるボルトが、電池パック100と車両のボディとを機械的および電気的に接続する機能を果たす。これにより電池パック100はボディアースされている。
なお図1に示すように第1ワイヤハーネス210は、鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、一般負荷151を接続するものと、保護負荷152を接続するものとに分けられている。この鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、一般負荷151を接続する第1ワイヤハーネス210の端部は二又に分かれている。二又に分かれた端部の一方が第1外部接続端子100aに接続され、他方が第5外部接続端子100eに接続される。保護負荷152を接続する第1ワイヤハーネス210の端部は第4外部接続端子100dに接続される。
パックケース90は筐体91とカバー92を有する。この筐体91とカバー92とによって収納空間が構成されている。この収納空間に、組電池10、回路基板20、スイッチ30、センサ部40、給電バスバー50、および、バスバーケース60それぞれが収納されている。
<電池パックの構成要素>
次に、電池パック100の構成要素を個別に説明する。それにあたって、以下においては互いに直交の関係にある3方向を、横方向、縦方向、および、高さ方向と示す。横方向は車両の左右方向に沿っている。高さ方向は車両の天地方向に沿っている。車両が水平面に停車している場合、高さ方向は鉛直方向に沿う。横方向と縦方向は水平方向に沿う。
組電池10は複数の直列接続された電池セルと、これら電池セルを収納する電池ケース11と、を有する。これら電池セルは具体的にはリチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は化学反応によって起電圧を生成する。起電圧の生成により電池セルに電流が流れる。これにより電池セルは発熱してガスを発生する。そのために電池セルは膨張する。なお電池セルとしては上記例に限定されない。例えば電池セルとしては、ニッケル水素二次電池、有機ラジカル電池などの二次電池を採用することができる。組電池10が電池に相当する。
電池セルは直方体形状を成している。電池セルは高さ方向に面する2つの主面を有する。この2つの主面は他の4面よりも面積が広くなっている。そして2つの主面間の長さ(厚さ)が薄くなっている。このように電池セルは高さ方向の厚さの薄い扁平形状を成している。
本実施形態の組電池10は5つの電池セルを有する。これら5つの電池セルのうちの3つが高さ方向に積層配置されて第1電池スタックを構成している。そして残り2つの電池セルが高さ方向に積層配置されて第2電池スタックを構成している。これら2つの電池スタックは横方向に並んでいる。これら5つの電池セルの配置が電池ケース11によって保持されている。
電池ケース11は樹脂から成る本体部と、本体部に設けられる接続端子と、を有する。接続端子としては、5つの電池セルを直列接続する直列接続端子がある。これら直列接続端と対応する電池セルの電極端子とを接触させ、その接触状態でレーザなどによって両者を溶接接合する。これにより5つの電池セルが直列接続される。
また接続端子としては、上記の直列接続端子の他に、5つの直列接続された電池セルのうちの最高電位に位置する電池セルの正極端子と接続される出力端子12と、最低電位に位置する電池セルの負極端子と接続される接地端子13と、がある。この出力端子12は最高電位の電池セルの正極端子とレーザなどによって溶接接合される。接地端子13は最低電位の電池セルの負極端子とレーザなどによって溶接接合される。
電池ケース11にはボルトを通すための孔が形成されている。パックケース90の筐体91にはこのボルトを締結するためのボルト孔が形成されている。これらの孔にボルトを通すことで、電池ケース11が筐体91に固定される。
また電池ケース11は図2に示す拘束プレート96によっても筐体91に固定される。拘束プレート96は高さ方向において組電池10を介して筐体91と対向している。拘束プレート96にはボルトを通すための切欠きが形成されている。筐体91にはこのボルトを締結するためのボルト孔が形成されている。この切欠きとボルト孔にボルトを通すことで、拘束プレート96が筐体91に固定される。この拘束プレート96によって、電池セルの膨張に起因する電池ケース11の膨張が抑制される。
上記したように回路基板20は配線基板21とBMU22を有する。配線基板21は絶縁基板に導電材料からなる配線パターンの形成されたプリント基板である。絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に、配線パターンとして第1給電線23、第2給電線24、および、第3給電線25が形成されている。配線基板21はボルトなどを介して筐体91に固定される。配線基板21(回路基板20)は高さ方向において電池ケース11とカバー92との間に設けられる。また配線基板21は横方向において最高電位の電池セルと並んで設けられる。すなわち配線基板21は第1電池スタックの最もカバー92側に位置する電池セルと横方向において並んで設けられる。
配線基板21には配線パターンと電気的に接続される端子が形成されている。この端子としては、第1内部端子26a、第2内部端子26b、第3内部端子26c、および、第4内部端子26dがある。また配線基板21には上記の第5外部接続端子100eが設けられている。第5外部接続端子100eはコネクタである。この第5外部接続端子100eも配線パターンと電気的に接続されている。これら配線パターンと内部端子および第5外部接続端子100eそれぞれの電気的な接続の説明は、後の電池パック100の回路構成の説明の際に行う。
スイッチ30は、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第3スイッチ33、第4スイッチ34、第5スイッチ35、および、第6スイッチ36を有する。第1スイッチ31と第2スイッチ32は筐体91に搭載される。第3スイッチ33と第4スイッチ34、および、第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれは配線基板21に搭載される。
第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは半導体スイッチを有する。この半導体スイッチは具体的にはNチャネル型MOSFETである。したがって第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれはハイレベルの制御信号の入力によって閉状態になる。第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれはローレベルの制御信号の入力によって開状態になる。
この第1スイッチ31〜第4スイッチ34の有する半導体スイッチとしてはIGBTなどを採用することもできる。この場合、IGBTにはダイオードが並列接続される。
第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはメカニカルリレーである。詳しく言えば第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはノーマリクローズ式の電磁リレーである。したがって第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはハイレベルの制御信号の入力によって開状態になる。第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはローレベルの制御信号の入力によって閉状態になる。換言すれば、第5スイッチ35と第6スイッチ36それぞれはハイレベルの制御信号の入力が途絶えると閉状態になる。
第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは、2つのMOSFETが直列接続されてなる開閉部を少なくとも1つ有する。これら2つのMOSFETはソース電極同士が連結されている。2つのMOSFETのゲート電極は電気的に独立している。MOSFETは寄生ダイオードを有する。2つのMOSFETの寄生ダイオードは互いにアノード電極同士が連結されている。上記のゲート電極は回路基板20と電気的に接続される。
第1スイッチ31と第2スイッチ32は複数の開閉部を有する。複数の開閉部は並列接続されている。複数の開閉部それぞれのソース電極は互いに電気的に接続されている。
第3スイッチ33は1つの開閉部を有する。第4スイッチ34は複数の開閉部を有する。第4スイッチ34の有する複数の開閉部は直列接続されている。
図1では第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの並列接続された開閉部を2つ示している。第4スイッチ34の有する直列接続された開閉部を2つ示している。これら開閉部の数は電流量や冗長性などに応じて適宜定めることができる。
第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは開閉部を被覆する樹脂部を有する。この樹脂部は直方体形状を成している。樹脂部は最も面積の広い2つの主面の間の長さ(厚さ)の薄い扁平形状を成している。
上記したように電気回路にセンサ部40が電気的に接続されている。このセンサ部40は、組電池10とスイッチ30それぞれの状態を検出するセンサ素子を有する。センサ部40はセンサ素子として、温度センサ、電流センサ、および、電圧センサを有する。
センサ部40は組電池10の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれを組電池10の状態信号としてBMU22に出力する。またセンサ部40はスイッチ30の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをスイッチ30の状態信号としてBMU22に出力する。
なおセンサ部40は上記の各種センサの他に水没センサを有する。この水没センサは2つの対向電極を有する。2つの対向電極の間に水があると、2つの対向電極が通電する。それによって2つの対向電極間の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化が状態信号としてBMU22に入力される。BMU22は抵抗値の変化が所定時間継続されるか否かに基づいて、電池パック100の水没を検出する。
BMU22はセンサ部40の状態信号、および、上位ECU160からの指令信号の少なくとも一方に基づいてスイッチ30を制御する。BMUはbattery management unitの略である。
上記したように第1スイッチ31〜第4スイッチ34それぞれは複数の半導体スイッチを有する。例えば第1スイッチ31の開閉を制御する場合、BMU22は第1スイッチ31の有する全ての半導体スイッチを同時に閉状態、若しくは、同時に開状態に制御する。すなわちBMU22は、第1スイッチ31の有する全ての半導体スイッチのゲート電極にハイレベルの制御信号、若しくは、ローレベルの制御信号を同時に入力する。BMU22が制御部に相当する。
なおBMU22は、半導体スイッチを閉状態にする期間において、ハイレベルの制御信号を間断的に出力することで半導体スイッチの閉時間を調整してもよい。簡単に言えば、BMU22は半導体スイッチをパルス幅制御してもよい。
BMU22はセンサ部40の状態信号に基づいて組電池10の充電状態(SOC)やスイッチ30の異常を判定する。SOCはstate of chargeの略である。BMU22はこれらSOCや異常を判定した信号(判定情報)を上位ECU160に出力する。
上位ECU160はBMU22から入力された判定情報、および、他の各種ECUから入力された車両情報に基づいてスイッチ30の制御を決定する。そして上位ECU160はその決定したスイッチ30の制御を含む指令信号をBMU22に出力する。
BMU22は上位ECU160からの指令信号に基づいてスイッチ30を制御する。ただしBMU22は、水没センサの状態信号により電池パック100が水没したと判断した場合、スイッチ30への制御信号の出力の停止を独断で実行する。これにより組電池10の電気的な接続が遮断される。
またBMU22は、動作保障温度程度までスイッチ30の温度が上昇したと判断すると、スイッチ30の駆動を制限する。例えばスイッチ30の半導体スイッチをパルス幅制御していた場合、BMU22はそのデューティ比を低める。これにより半導体スイッチの通電時間が短くなる。この結果、半導体スイッチの発熱が抑制される。
給電バスバー50はアルミニウムや銅などの導電材料から成る。給電バスバー50は例えば以下に列挙する方法で製造することができる。給電バスバー50は1枚の平板を屈曲加工することで製造することができる。給電バスバー50は複数の平板が一体的に連結されることで製造することができる。給電バスバー50は複数の平板を溶接することで製造することができる。給電バスバー50は鋳型に溶融状態の導電材料を流し込むことで製造することができる。以上に列挙した製造方法とは異なる製造方法によっても給電バスバー50を製造することができる。給電バスバー50の製造方法としては特に限定されない。
電池パック100は給電バスバー50として、第1給電バスバー51、第2給電バスバー52、第3給電バスバー53、および、第4給電バスバー54を有する。これら複数の給電バスバーによって回路基板20と組電池10、および、回路基板20と外部接続端子とが電気的に接続されている。図1ではこれら給電バスバーそれぞれを配線基板21の給電線よりも太くして図示している。
バスバーケース60は給電バスバー50とともにバスバーモジュール80を構成している。バスバーケース60は絶縁性の樹脂によって形成される。図8に示すようにバスバーケース60に給電バスバー50が収納される。このバスバーケース60は図9に示すように筐体91に固定される。バスバーモジュール80については後で詳説する。
上記したようにパックケース90は筐体91とカバー92を有する。筐体91はアルミダイカストで製造することができる。また筐体91は鉄やステンレスをプレス加工することによっても製造することができる。筐体91は配線基板21よりも伝熱性能が高くなっている。したがって筐体91は配線基板21よりも放熱性が高くなっている。
筐体91は、底壁93と、底壁93の内底面93aから環状に起立した側壁94と、を有する。環状の側壁94によって開口部が構成されている。この開口部がカバー92によって覆われる。これにより収納空間が構成される。カバー92は樹脂製若しくは金属製である。
図示しないが、底壁93には第3外部接続端子100cに相当する孔が形成されている。また底壁93には車両のボディと連結するためのフランジ95が連結されている。このフランジ95と車両のボディとがボルトを介して機械的および熱的に連結される。これにより電池パック100が車両に固定される。
図2に示すように底壁93には高さ方向においてカバー92側に局所的に突起した放熱部97が形成されている。放熱部97は内底面93a上で直方体形状を成している。放熱部97は高さ方向に面する放熱面97aを有する。この放熱面97aに第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれが固定される。これにより第1スイッチ31と第2スイッチ32は筐体91と熱的に接続されている。これら2つのスイッチの放熱部97への固定は後述する。
本実施形態のパックケース90(電池パック100)は車両の座席下方に設けられる。しかしながら電池パック100の配置としてはこれに限定されない。電池パック100は、例えば後部座席とトランクルームとの間の空間、および、運転席と助手席の間の空間などに配置することもできる。
<電池パックの回路構成>
次に、電池パック100の回路構成を説明する。なお、以下に示す各給電バスバーと各スイッチとの接続はTIG溶接によって行われる。各給電バスバーと外部接続端子との接続はボルト締めによって行われる。そして各給電バスバーと回路基板20との接続はろう接によって行われる。なお、各給電バスバーと各スイッチとはレーザ溶接によって接続してもよい。
図1に示すように第1外部接続端子100aと第1スイッチ31の一端とが第1給電バスバー51を介して電気的に接続されている。この第1給電バスバー51から一部が分岐している。この第1給電バスバー51の分岐部位51aが配線基板21の第1内部端子26aと電気的に接続されている。
第1スイッチ31の他端と第2外部接続端子100bとが第2給電バスバー52を介して電気的に接続されている。この第2給電バスバー52から一部が分岐している。この第2給電バスバー52の分岐部位52aが第2スイッチ32の一端と電気的に接続されている。
また第2給電バスバー52における第1スイッチ31の他端と分岐部位52aとの連結部位との間から一部が分岐している。この分岐部位52bが配線基板21の第4内部端子26dと電気的に接続されている。
第2スイッチ32の他端と組電池10の正極とが第3給電バスバー53を介して電気的に接続されている。この第3給電バスバー53から一部が分岐している。この第3給電バスバー53の分岐部位53aが配線基板21の第2内部端子26bと電気的に接続されている。なお組電池10の負極は第3外部接続端子100cと電気的に接続されている。
配線基板21の第1内部端子26aと第2内部端子26bとは第1給電線23を介して電気的に接続されている。この第1給電線23に、第1内部端子26aから第2内部端子26bに向かって順に第3スイッチ33と第4スイッチ34とが直列接続されている。
配線基板21の第3内部端子26cと第4内部端子26dとは第2給電線24を介して電気的に接続されている。そして第3内部端子26cは第4給電バスバー54を介して第4外部接続端子100dと電気的に接続されている。
第2給電線24には第6スイッチ36が設けられている。そして第2給電線24における第3内部端子26cと第6スイッチ36との間の中点が、第1給電線23における第3スイッチ33と第4スイッチ34との間の中点と連結されている。これにより第6スイッチ36は第3スイッチ33と並列接続されている。
また第2給電線24における第4内部端子26dと第6スイッチ36との間の中点が、第3給電線25を介して第5外部接続端子100eと電気的に接続されている。この第3給電線25に第5スイッチ35が設けられている。これにより第5スイッチ35は第1スイッチ31と並列接続されている。
以上により、第1スイッチ31、第2スイッチ32、第4スイッチ34、および、第3スイッチ33が順に環状に接続されている。第1スイッチ31と第2スイッチ32の中点が第2外部接続端子100bに接続されている。第2スイッチ32と第4スイッチ34の中点が組電池10に接続されている。第4スイッチ34と第3スイッチ33の中点が第4外部接続端子100dに接続されている。第3スイッチ33と第1スイッチ31の中点が第1外部接続端子100aに接続されている。
また、第1スイッチ31と第2スイッチ32との中点が第6スイッチ36を介して第4スイッチ34と第3スイッチ33の中点に接続されている。第1スイッチ31と第2スイッチ32との中点が第5スイッチ35を介して第5外部接続端子100eに接続されている。
以上の電気的な接続構成により、第1スイッチ31を開閉制御することで第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第1スイッチ31を開閉制御することで鉛蓄電池110と回転電機130との電気的な接続が制御される。
第2スイッチ32を開閉制御することで第2外部接続端子100bと組電池10との電気的な接続が制御される。換言すれば、第2スイッチ32を開閉制御することで回転電機130と組電池10との電気的な接続が制御される。
第4スイッチ34を開閉制御することで第2内部端子26bと第3内部端子26cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第4スイッチ34を開閉制御することで組電池10と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
第3スイッチ33を開閉制御することで第1内部端子26aと第3内部端子26cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第3スイッチ33を開閉制御することで鉛蓄電池110と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
また、第6スイッチ36を開閉制御することで第4内部端子26dと第3内部端子26cとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第6スイッチ36を開閉制御することで回転電機130と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
第5スイッチ35を開閉制御することで第4内部端子26dと第5外部接続端子100eとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第5スイッチ35を開閉制御することで回転電機130と鉛蓄電池110との電気的な接続が制御される。
さらに言えば、第5スイッチ35と第6スイッチ36を同時に開閉制御することで第3内部端子26cと第5外部接続端子100eとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第5スイッチ35と第6スイッチ36を同時に開閉制御することで保護負荷152と鉛蓄電池110との電気的な接続が制御される。
以上に示したように、第1スイッチ31〜第6スイッチ36それぞれの接続対象は異なる。そのために第1スイッチ31〜第6スイッチ36それぞれの通電量は異なっている。第1スイッチ31〜第6スイッチ36それぞれの発熱量は異なっている。
特に、第1スイッチ31と第2スイッチ32は回転電機130と電気的に接続される。そのために第1スイッチ31と第2スイッチ32は他の4つのスイッチに比べて通電量が多く、その発熱量が高くなっている。したがってこれら第1スイッチ31と第2スイッチ32の温度上昇を抑制する必要がある。
なお、第5スイッチ35と第6スイッチ36も回転電機130と電気的に接続される。しかしながら、第1スイッチ31〜第4スイッチ34は車両の駆動時に開閉制御されるのに対して、第5スイッチ35と第6スイッチ36は例えば車両の駐停車時などの電源システム200の通電量の低い時に閉状態になる。そのために第5スイッチ35と第6スイッチ36は他の4つのスイッチに比べて発熱量が低くなっている。
<スイッチと筐体との熱的な接続>
図2および図5に示すように第1スイッチ31は開閉部を被覆する第1樹脂部37を有する。また第1スイッチ31は第1樹脂部37から外に露出した第1入出力端子31a、第2入出力端子31b、および、第1制御端子31cを有する。同様にして、第2スイッチ32は開閉部を被覆する第2樹脂部38を有する。第2スイッチ32は第2樹脂部38から外に露出した第3入出力端子32a、第4入出力端子32b、および、第2制御端子32cを有する。
第1樹脂部37は高さ方向に面する第1主面37aと第2主面37bを有する。第1樹脂部37は縦方向に面する第1側面37cと第2側面37dを有する。そして第1樹脂部37には、第1主面37aと第2主面37bとを高さ方向に貫通する第1ボルト孔37eが形成されている。
第1樹脂部37の第1側面37cから第1入出力端子31aと第2入出力端子31bが外に飛び出している。第2側面37dから第1制御端子31cが外に飛び出している。第1入出力端子31a、第2入出力端子31b、および、第1制御端子31cそれぞれは、高さ方向において第1主面37aから第2主面37bに向かう方向に延びている。
同様にして、第2樹脂部38は高さ方向に面する第3主面38aと第4主面38bを有する。第2樹脂部38は縦方向に面する第3側面38cと第4側面38dを有する。そして第2樹脂部38には、第3主面38aと第4主面38bとを高さ方向に貫通する第2ボルト孔38eが形成されている。
第2樹脂部38の第3側面38cから第3入出力端子32aと第4入出力端子32bが外に飛び出している。第4側面38dから第2制御端子32cが外に飛び出している。第3入出力端子32a、第4入出力端子32b、および、第2制御端子32cそれぞれは、高さ方向において第3主面38aから第4主面38bに向かう方向に延びている。
図3に示すように第1スイッチ31と第2スイッチ32の搭載される放熱部97の放熱面97aには、第1ボルト孔37eに対応する第1取付孔97bが開口している。放熱面97aには第2ボルト孔38eに対応する第2取付孔97cが開口している。これら第1取付孔97bと第2取付孔97cは横方向に離間して並んでいる。
図4に示すように放熱面97aには、放熱部97と第1スイッチ31とを熱的に連結する第1伝熱シート61が設けられる。放熱面97aには放熱部97と第2スイッチ32とを熱的に連結する第2伝熱シート62が設けられる。第1伝熱シート61と第2伝熱シート62は例えばシリコンなどの樹脂から成る。
第1伝熱シート61と第2伝熱シート62それぞれは高さ方向の長さ(厚さ)の薄い扁平形状を成している。第1伝熱シート61と第2伝熱シート62それぞれは最も面積が広く、なおかつ高さ方向に面する2つの主面を有している。第1伝熱シート61にはこれら2つの主面を高さ方向に貫通する第1貫通孔61aが形成されている。第2伝熱シート62にはこれら2つの主面を高さ方向に貫通する第2貫通孔62aが形成されている。
図4に示すように第1伝熱シート61は、最も面積の広い2つの主面のうちの一方が放熱面97aに接触しつつ、第1貫通孔61aと第1取付孔97bとが連通するように放熱面97aに設けられる。同様にして第2伝熱シート62は、最も面積の広い2つの主面のうちの一方が放熱面97aに接触しつつ、第2貫通孔62aと第2取付孔97cとが連通するように放熱面97aに設けられる。これにより第1伝熱シート61と第2伝熱シート62は放熱面97aにおいて横方向に離間して並んでいる。
図5に示すように、放熱面97aに設けられた第1伝熱シート61に第1スイッチ31が搭載される。放熱面97aに設けられた第2伝熱シート62に第2スイッチ32が搭載される。第1樹脂部37の第1主面37aが第1伝熱シート61の2つの主面のうちの他方と接触し、第1ボルト孔37eと第1貫通孔61aとが連通する。第2樹脂部38の第3主面38aが第2伝熱シート62の2つの主面のうちの他方と接触し、第2ボルト孔38eと第2貫通孔62aとが連通する。これにより第1スイッチ31と第2スイッチ32は放熱面97aにおいて横方向に離間して並んでいる。第1主面37aと第3主面38aそれぞれが搭載部位に相当する。
図6に示すように、第1伝熱シート61を介して放熱面97aに設けられた第1スイッチ31の第1ボルト孔37eにボルト98が挿入される。ボルト98は第1ボルト孔37eと第1貫通孔61aを介して第1取付孔97bに締結される。これにより第1伝熱シート61は第1スイッチ31と放熱部97との間で挟持される。第1伝熱シート61は第1スイッチ31と放熱部97それぞれと密着する。以上により第1スイッチ31は放熱部97(筐体91)に固定されるとともに熱的に接続される。この第1スイッチ31の放熱部97への固定状態において、第1入出力端子31a、第2入出力端子31b、および、第1制御端子31cそれぞれは、高さ方向において放熱部97から離れるように第1樹脂部37から延びている。
同様にして、第2伝熱シート62を介して放熱面97aに設けられた第2スイッチ32の第2ボルト孔38eにボルト98が挿入される。ボルト98は第2ボルト孔38eと第2貫通孔62aを介して第2取付孔97cに締結される。これにより第2伝熱シート62は第2スイッチ32と放熱部97との間で挟持される。第2伝熱シート62は第2スイッチ32と放熱部97それぞれと密着する。以上により第2スイッチ32は放熱部97(筐体91)に固定されるとともに熱的に接続される。この第2スイッチ32の放熱部97への固定状態において、第3入出力端子32a、第4入出力端子32b、および、第2制御端子32cそれぞれは、高さ方向において放熱部97から離れるように第2樹脂部38から延びている。
なお、スイッチと筐体91との絶縁性が確保され、なおかつ、両者の伝熱性が確保されるのであれば、上記の第1伝熱シート61と第2伝熱シート62は無くともよい。例えば、第1樹脂部37の第1主面37aと第2樹脂部38の第3主面38aそれぞれが放熱面97aに接触する構成を採用することもできる。第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの有する半導体スイッチと筐体91との絶縁性が確保されるのであれば、各スイッチと筐体91との熱的な接続形態は特に限定されない。半導体スイッチと筐体91との間に絶縁部材が介在され、この絶縁部材それぞれに半導体スイッチと筐体91とが接触することで、両者が熱的に接続された構成を採用することができる。なお、第1スイッチ31と第2スイッチ32が半導体スイッチの代わりにメカニカルリレーを有する場合、メカニカルリレーと筐体91との間に絶縁部材が介在された構成を採用することができる。次に、スイッチとバスバーモジュール80との熱的な接続を説明する。
<スイッチとバスバーモジュールとの熱的な接続>
図7に示すように、放熱部97に固定された第1スイッチ31の第1樹脂部37の第2主面37bには、第1スイッチ31とバスバーモジュール80とを熱的に接続するための第3伝熱シート63が設けられる。同様にして、放熱部97に固定された第2スイッチ32の第2樹脂部38の第4主面38bには、第2スイッチ32とバスバーモジュール80とを熱的に接続するための第4伝熱シート64が設けられる。第2主面37bと第4主面38bそれぞれが搭載部位の反対側に相当する。第3伝熱シート63と第4伝熱シート64が伝熱部材に相当する。
第3伝熱シート63と第4伝熱シート64それぞれは高さ方向の長さ(厚さ)の薄い扁平形状を成している。第3伝熱シート63と第4伝熱シート64それぞれは最も面積が広く、なおかつ高さ方向に面する2つの主面を有している。第3伝熱シート63にはこれら2つの主面を高さ方向に貫通する第3貫通孔63aが形成されている。第4伝熱シート64にはこれら2つの主面を高さ方向に貫通する第4貫通孔64aが形成されている。第3伝熱シート63と第4伝熱シート64は例えばシリコンなどの樹脂から成る。
図7に示すように第3伝熱シート63は、最も面積の広い2つの主面のうちの一方が第2主面37bに接触しつつ、第1取付孔97bに締結されたボルト98の座金が第3貫通孔63aを介して外に露出されるように、第2主面37bに設けられる。同様にして、第4伝熱シート64は、最も面積の広い2つの主面のうちの一方が第4主面38bに接触しつつ、第2取付孔97cに締結されたボルト98の座金が第4貫通孔64aを介して外に露出されるように、第4主面38bに設けられる。
図9に示すように、図8に示すバスバーモジュール80が筐体91に固定される。この際、図11に示すように第1スイッチ31は第3伝熱シート63を介してバスバーモジュール80と熱的に接続される。第2スイッチ32は第4伝熱シート64を介してバスバーモジュール80と熱的に接続される。以上により第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれはバスバーモジュール80と熱的に接続される。
なお、スイッチとバスバーモジュール80との絶縁性が確保され、なおかつ、両者の伝熱性が確保されるのであれば、上記の第3伝熱シート63と第4伝熱シート64は無くともよい。例えば、第1樹脂部37の第2主面37bと第2樹脂部38の第4主面38bそれぞれがバスバーモジュール80に接触する構成を採用することもできる。第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの有する半導体スイッチとバスバーモジュール80との絶縁性が確保されるのであれば、各スイッチとバスバーモジュール80との熱的な接続形態は特に限定されない。半導体スイッチとバスバーモジュール80との間に絶縁部材が介在され、この絶縁部材それぞれに半導体スイッチとバスバーモジュール80とが接触することで、両者が熱的に接続された構成を採用することができる。なお、第1スイッチ31と第2スイッチ32が半導体スイッチの代わりにメカニカルリレーを有する場合、メカニカルリレーとバスバーモジュール80との間に絶縁部材が介在された構成を採用することができる。以下においては、第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれと熱的に接続されるバスバーモジュール80を詳説する。
<バスバーモジュール>
上記したようにバスバーモジュール80は給電バスバー50とバスバーケース60を有する。図8〜図11に示すようにバスバーケース60には、第1給電バスバー51〜第4給電バスバー54のうち、第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53の3つが収納される。これら3つの給電バスバーの収納されたバスバーケース60が筐体91に固定される。
<給電バスバー>
以下、バスバーケース60に収納される第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53の形状を図12に基づいて詳説する。なお、図8〜図12、および、図15〜図17それぞれにおいては、説明を簡素化するために、各給電バスバーにおける配線基板21との接続部位の図示を省略している。すなわち図1に示す分岐部位51a、分岐部位52b、および、分岐部位53aそれぞれの図示を省略している。これら分岐部位は、その名の示す通り、各給電バスバーを構成する導電材料の一部が分岐したものでなくともよい。これら分岐部位としては、給電バスバーを構成する導電材料とは別体の導電端子を採用することもできる。この場合、この導電端子が溶接などによって給電バスバーを構成する導電材料に接続される。
図12に示すように第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53それぞれは厚さの薄い板を屈曲した形状を成している。第1給電バスバー51は、第1端子部55a、第1連結部55b、第1伝熱部55c、および、第1接続部55dを有する。第1端子部55aと第1伝熱部55cは第1連結部55bを介して一体的に連結されている。第1端子部55aと第1伝熱部55cは第1連結部55bを介して互いに離れるように横方向に延びた形状を成している。
第1端子部55aは第1連結部55bの高さ方向の2つの側面のうちの一方に一体的に連結されている。第1伝熱部55cは第1連結部55bの高さ方向の2つの側面のうちの他方に一体的に連結されている。これにより第1端子部55aと第1伝熱部55cは高さ方向で離間している。
第1連結部55bは縦方向に延びている。第1端子部55aは、第1連結部55bの縦方向の2つの端部のうちの一方側に一体的に連結されている。第1伝熱部55cは、第1連結部55bの縦方向の2つの端部のうちの他方側に一体的に連結されている。これにより第1端子部55aと第1伝熱部55cとは縦方向で離間している。
第1接続部55dは第1伝熱部55cに一体的に連結されている。第1接続部55dは高さ方向に沿って第1端子部55aから離れるように延びている。なお、第1伝熱部55cは第1接続部55dとの連結部位よりも、第1連結部55bから離れるように横方向に延びている。以下においてはこの第1伝熱部55cにおける第1接続部55dよりも横方向に延びる部位を第1延長部位55eと示す。この第1延長部位55eは電気的な接続に寄与しない。しかしながら第1延長部位55eは第1スイッチ31との熱的な接続に寄与する。
第1延長部位55eには、第1スイッチ31の第1ボルト孔37eに挿入されるボルト98の座金を設けるための第1設置孔55fが形成されている。この第1設置孔55fは高さ方向に貫通している。
第2給電バスバー52は、第2端子部56a、第2連結部56b、第2伝熱部56c、および、第2接続部56dを有する。また第2給電バスバー52は、第3連結部56e、第3伝熱部56f、および、第3接続部56gを有する。
第2端子部56aと第2伝熱部56cは第2連結部56bを介して一体的に連結されている。第2端子部56aと第2伝熱部56cは第2連結部56bを介して互いに離れるように横方向に延びた形状を成している。同様にして、第2伝熱部56cと第3伝熱部56fは第3連結部56eを介して一体的に連結されている。第2伝熱部56cと第3伝熱部56fは第3連結部56eを介して互いに離れるように横方向に延びた形状を成している。
第2連結部56bと第3連結部56eは高さ方向に延びている。第2連結部56bの高さ方向の2つの端部のうちの一方に第2端子部56aが一体的に連結されている。第2連結部56bの高さ方向の2つの端部のうちの他方に第2伝熱部56cが一体的に連結されている。これにより第2端子部56aと第2伝熱部56cとの高さ位置が異なっている。
同様にして、第3連結部56eの高さ方向の2つの端部のうちの他方に第2伝熱部56cが一体的に連結されている。第3連結部56eの高さ方向の2つの端部のうちの一方に第3伝熱部56fが一体的に連結されている。これにより第2伝熱部56cと第3伝熱部56fとの高さ位置が異なっている。なお第3連結部56eと第3伝熱部56fは高さ方向において第2端子部56aと第2伝熱部56cとの間に位置している。
第2接続部56dは第2伝熱部56cに一体的に連結されている。第2接続部56dは高さ方向に沿って第2端子部56aから離れるように延びている。同様にして、第3接続部56gは第3伝熱部56fに一体的に連結されている。第3接続部56gは高さ方向に沿って第2端子部56aから離れるように延びている。第3接続部56gは図1に示す分岐部位52aに相当する。
第3伝熱部56fは第3接続部56gとの連結部位よりも、第3連結部56eから離れるように延びている。以下においてはこの第3伝熱部56fにおける第3接続部56gよりも横方向に延びる部位を第2延長部位56hと示す。この第2延長部位56hは電気的な接続に寄与しない。しかしながら第2延長部位56hは第2スイッチ32との熱的な接続に寄与する。
第2延長部位56hには、第2スイッチ32の第2ボルト孔38eに挿入されるボルト98の座金を設けるための第2設置孔56iが形成されている。この第2設置孔56iは高さ方向に貫通している。
第3給電バスバー53は、第3端子部57a、第4連結部57b、第4伝熱部57c、および、第4接続部57dを有する。第4連結部57bは高さ方向に延びている。第4連結部57bの高さ方向の2つの端部のうちの一方に第3端子部57aが一体的に連結されている。第4連結部57bの高さ方向の2つの端部のうちの他方に第4伝熱部57cが一体的に連結されている。これにより第3端子部57aと第4伝熱部57cとの高さ位置が異なっている。
第3端子部57aは第4伝熱部57cから離れるように、第4連結部57bから縦方向に延びた形状を成している。第4伝熱部57cは第3端子部57aから離れるように、第4連結部57bから横方向に延びた形状を成している。
第4接続部57dは第4伝熱部57cに一体的に連結されている。第4接続部57dは高さ方向に沿って第3端子部57aから離れるように延びている。なお、第4伝熱部57cは第4接続部57dとの連結部位よりも、第4連結部57bから離れるように延びている。以下においてはこの第4伝熱部57cにおける第4接続部57dよりも横方向に延びる部位を第3延長部位57eと示す。この第3延長部位57eは電気的な接続に寄与しない。しかしながら第3延長部位57eは第2スイッチ32との熱的な接続に寄与している。なお、この第3延長部位57eはなくともよい。
図12では第1給電バスバー51、第2給電バスバー52、および、第3給電バスバー53それぞれの一部を重ねて図示しているが、これは、これら3つの給電バスバーがバスバーケース60に収納された際の位置関係を示している。バスバーケース60に収納された状態において、第1給電バスバー51の第1伝熱部55cおよび第1延長部位55eと、第2給電バスバー52の第2伝熱部56cとが高さ方向で離間して並んでいる。また第2給電バスバー52の第3伝熱部56fおよび第2延長部位56hと、第3給電バスバー53の第4伝熱部57cおよび第3延長部位57eとが高さ方向で離間して並んでいる。これら伝熱部と延長部位の厚さは高さ方向に沿っている。そして横方向において第1接続部55d、第2接続部56d、第3接続部56g、および、第4接続部57dが順に並んでいる。
<バスバーケース>
次に、これら3つの給電バスバーの収納されるバスバーケース60を説明する。図13および図14に示すようにバスバーケース60は、底壁93に固定されるベース部65、および、ベース部65に一体的に連結された第1収納部66と第2収納部67を有する。ベース部65は横方向に延びた形状を成している。ベース部65の中央部は、放熱部97の形状に合わせて、局所的に底壁93から離れるように立ち上がる形状となっている。
図11に示すようにベース部65の固定面65aが筐体91に接触する。具体的に言えば、ベース部65の両端部の固定面65aが底壁93の内底面93aに接触する。ベース部65の中央部の固定面65aが放熱部97の放熱面97aの一部に接触する。また高さ方向に直交する方向において、ベース部65の中央部の固定面65aは、放熱部97の放熱面97aと内底面93aとを連結する環状の側面97dと離間している。なおもちろんではあるが、固定面65aと側面97dとは接触してもよい。
なお、ベース部65の形状は筐体91の形状に合わせて適宜変更可能である。例えば筐体91に底壁93から局所的に突起する放熱部97が形成されていない場合、ベース部65の中央部は底壁93の形状に合わせて、例えば平坦な形状とすることができる。なお、ベース部65の両端部のうちの一方の先端側は、筐体91の外に飛び出していてもよい。
ベース部65の中央部における高さ方向において放熱部97と対向する部位には、固定面65aとその反対側の上面65bとを高さ方向に貫通する第1開口窓65cと第2開口窓65dが形成されている。これら第1開口窓65cと第2開口窓65dは横方向に並んでいる。
第1収納部66はベース部65の上面65bから一体的に高さ方向に延びる第1支持壁68を有する。また第1収納部66は第1支持壁68から一体的に縦方向に延びる第1外壁69と第1内壁70を有する。第1内壁70は高さ方向においてベース部65と第1外壁69との間に位置している。これにより第1内壁70とベース部65との間に第1収納空間66aが構成されている。第1内壁70と第1外壁69との間に第2収納空間66bが構成されている。これら収納空間は第1支持壁68を底壁として縦方向と横方向に開口している。
図14に示すように、ベース部65に形成された第1開口窓65cの上方に第1収納空間66aと第2収納空間66bが位置している。高さ方向に沿い、なおかつ、固定面65aから上面65bに向かう方向において、第1開口窓65c、第1収納空間66a、および、第2収納空間66bが順に並んでいる。第1内壁70の一部は第1開口窓65cと高さ方向で対向している。これにより第1収納空間66aと第1開口窓65cとが連通している。
第2収納部67は第1収納部66と横方向に離間して並んでいる。第2収納部67はベース部65の上面65bから一体的に高さ方向に延びる第2支持壁71を有する。また第2収納部67は第2支持壁71から一体的に縦方向に延びる第2外壁72と第2内壁73を有する。第2内壁73は高さ方向においてベース部65と第2外壁72との間に位置している。これにより第2内壁73とベース部65との間に第3収納空間67aが構成されている。第2内壁73と第2外壁72との間に第4収納空間67bが構成されている。これら収納空間は第2支持壁71を底壁として縦方向と横方向に開口している。
図14に示すように、ベース部65に形成された第2開口窓65dの上方に第3収納空間67aと第4収納空間67bが位置している。高さ方向に沿い、なおかつ、固定面65aから上面65bに向かう方向において、第2開口窓65d、第3収納空間67a、および、第4収納空間67bが順に並んでいる。第2内壁73の一部は第2開口窓65dと高さ方向で対向している。これにより第3収納空間67aと第2開口窓65dとは連通している。
図15に示すように、第1収納空間66aに第1給電バスバー51が収納される。第1給電バスバー51は縦方向に沿って、第1収納空間66aに挿入される。第1給電バスバー51の第1収納空間66aへの挿入は、第1給電バスバー51が第1支持壁68に接触するまで行われる。図15では第1給電バスバー51における第1収納空間66aに収納された部位を破線で示している。この第1給電バスバー51の第1収納空間66aへの挿入により、第1給電バスバー51の第1連結部55bと第1伝熱部55cが第1収納空間66aに収納される。第1伝熱部55cに形成された第1設置孔55fは高さ方向で第1開口窓65cと離間して並ぶ。
第1給電バスバー51の第1接続部55dは第1収納空間66aの外に位置している。第1接続部55dは第1開口窓65cと高さ方向で離間し、第1開口窓65cから遠ざかるように高さ方向に延びている。
第1給電バスバー51の第1端子部55aは第1収納空間66aの外に位置する。この第1端子部55aは、図8に示すようにボルトとナットとによってベース部65に固定される。この第1端子部55aをベース部65に固定するボルトとナットが図1に示す第1外部接続端子100aに相当する。
図16に示すように、第2収納空間66bと第3収納空間67aに第2給電バスバー52が収納される。第2給電バスバー52の第2収納空間66bと第3収納空間67aそれぞれへの挿入は、第2給電バスバー52が第1支持壁68と第2支持壁71それぞれに接触するまで行われる。図16では第1給電バスバー51に重ねて第2給電バスバー52を示している。そして第2給電バスバー52における第2収納空間66bと第3収納空間67aに収納された部位を破線で示している。
この第2給電バスバー52の第2収納空間66bと第3収納空間67aへの挿入により、第2給電バスバー52の第2連結部56b、第2伝熱部56c、および、第3連結部56eが第2収納空間66bに収納される。第2給電バスバー52の第3伝熱部56fが第3収納空間67aに収納される。
第2給電バスバー52が第2収納空間66bと第3収納空間67aそれぞれに収納されている状態において、第2伝熱部56cは第1内壁70を介して第1伝熱部55cと高さ方向で並ぶ。第2伝熱部56cにおける第2接続部56dの連結部位は第1内壁70を介して第1延長部位55eと高さ方向で並ぶ。第3伝熱部56fに形成された第2設置孔56iは高さ方向で第2開口窓65dと離間して並ぶ。
第2給電バスバー52の第2接続部56dは第2収納空間66bの外に位置している。第2接続部56dは第1開口窓65cと高さ方向で離間し、第1開口窓65cから遠ざかるように高さ方向に延びている。第2接続部56dは第1接続部55dと横方向に離れて並んでいる。
第2給電バスバー52の第3接続部56gは第3収納空間67aの外に位置している。第3接続部56gは第2開口窓65dと高さ方向で離間し、第2開口窓65dから遠ざかるように高さ方向に延びている。
第2給電バスバー52の第2端子部56aは第2収納空間66bの外に位置する。この第2端子部56aは、図8に示すようにボルトとナットとによってベース部65に固定される。この第2端子部56aをベース部65に固定するボルトとナットが図1に示す第2外部接続端子100bに相当する。以上に示した、ベース部65における、第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bに相当するボルトとナットの設けられる部位が、上記したベース部65の両端部の一方の先端側に相当する。この先端側が筐体91の外に飛び出していてもよい。
図16に明示するように、第1収納部66と第2収納部67との間において、第3伝熱部56fの一部が第3収納空間67aの外に露出されている。この第3伝熱部56fの露出部位には、第2給電バスバー52をベース部65に固定するボルトを通すための固定孔56jが形成されている。図13に明示するように、ベース部65にはこの固定孔56jに対応する取付孔65fが形成されている。この固定孔56jと取付孔65fへのボルト76の締結によって、第2給電バスバー52はベース部65に向かって弾性変形する態様で、バスバーケース60に固定される。なお図13では第1収納部66と第2収納部67の内部構成を破線で区画して示している。
図17に示すように、第4収納空間67bに第3給電バスバー53が収納される。第3給電バスバー53は縦方向に沿って、第4収納空間67bに挿入される。第3給電バスバー53の第4収納空間67bへの挿入は、第3給電バスバー53が第2支持壁71に接触するまで行われる。図17では第2給電バスバー52に重ねて第3給電バスバー53を示している。そして第3給電バスバー53における第4収納空間67bに収納された部位を破線で示している。この第3給電バスバー53の第4収納空間67bへの挿入により、第3給電バスバー53の第4連結部57bと第4伝熱部57cが第4収納空間67bに収納される。
第3給電バスバー53が第4収納空間67bに収納されている状態において、第4伝熱部57cは第2内壁73を介して第3伝熱部56fと高さ方向で並ぶ。第4伝熱部57cにおける第4接続部57dの連結部位が第2内壁73を介して第2延長部位56hと高さ方向で並ぶ。第3延長部位57eが第2内壁73を介して第3伝熱部56fにおける第3接続部56gの連結部位と高さ方向で並ぶ。
第3給電バスバー53の第4接続部57dは第4収納空間67bの外に位置している。第4接続部57dは第2開口窓65dと高さ方向で離間し、第2開口窓65dから遠ざかるように高さ方向に延びている。第4接続部57dは第3接続部56gと横方向に離れて並んでいる。
第3給電バスバー53の第3端子部57aは第4収納空間67bの外に位置する。この第3端子部57aは、ボルト77によってベース部65に固定されるとともに、組電池10の出力端子12と電気的に接続される。
なお、本実施形態では、図14に示すように第1内壁70のベース部65側に、ベース部65側に向かって局所的に突起した突起部74が形成されている。この突起部74により、第1収納空間66aに収納された第1給電バスバー51の第1伝熱部55cは、第1開口窓65cに向かって押圧されている。この押圧によって第1伝熱部55cは第1開口窓65cに向かって弾性変形している。
同様にして、第2内壁73のベース部65側にも、ベース部65側に向かって局所的に突起した突起部74が形成されている。この突起部74により、第3収納空間67aに収納された第2給電バスバー52の第3伝熱部56fは、第2開口窓65dに向かって押圧されている。この押圧によって第3伝熱部56fは第2開口窓65dに向かって弾性変形している。
以上、主として図15〜図17に基づいて説明したように、バスバーケース60に第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53が収納される。なお、説明の便宜上、バスバーケース60に第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53が順に収納されるように説明した。しかしながら各給電バスバーのバスバーケース60への収納順は特に限定されない。
このバスバーケース60に第1給電バスバー51〜第3給電バスバー53が収納されたバスバーモジュール80が、図9に示すように底壁93に設けられる。この際、図9〜図11に示すように、第1開口窓65c内に第1スイッチ31が位置し、第2開口窓65dに第2スイッチ32が位置する。バスバーケース60には固定孔65eが形成されている。また図示しないが、この固定孔65eに対応する取り付け孔が底壁93にも形成されている。固定孔65eを介してこの取り付け孔にねじ部材75が締結される。これによりバスバーケース60は、底壁93に近づく態様で筐体91に固定される。ねじ部材75が固定部材に相当する。
上記したように第1開口窓65cから第3伝熱シート63が外に飛び出している。第2開口窓65dから第4伝熱シート64が外に飛び出している。これら開口窓から外に飛び出した伝熱シートに給電バスバーが接触する。バスバーケース60のねじ部材75による筐体91への締結によって、伝熱シートと給電バスバーとが密着する。また伝熱シートとスイッチの樹脂部とが密着する。具体的に言えば、第3伝熱シート63に第1給電バスバー51と第1スイッチ31が密着する。第4伝熱シート64に第2給電バスバー52と第2スイッチ32が密着する。
このように第1スイッチ31は第3伝熱シート63を介して第1給電バスバー51と熱的に接続している。そして第1給電バスバー51はベース部65および第1内壁70の少なくとも一方とも接触している。第2給電バスバー52は第1内壁70および第1外壁69の少なくとも一方と接触して熱的に接続されている。以上により第1スイッチ31は、第1給電バスバー51、第2給電バスバー52、および、バスバーケース60それぞれと熱的に接続されている。
同様にして、第2スイッチ32は第4伝熱シート64を介して第2給電バスバー52と熱的に接続している。そして第2給電バスバー52はベース部65および第2内壁73の少なくとも一方とも接触している。第3給電バスバー53は第2内壁73および第2外壁72の少なくとも一方と接触して熱的に接続されている。以上により第2スイッチ32は、第2給電バスバー52、第3給電バスバー53、および、バスバーケース60それぞれと熱的に接続されている。
以上に示したように第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれがバスバーモジュール80と熱的に接続されている状態において、第1スイッチ31の第1入出力端子31aと第1給電バスバー51の第1接続部55dとが縦方向で対向配置される。第1スイッチ31の第2入出力端子31bと第2給電バスバー52の第2接続部56dとが縦方向で対向配置される。
同様にして、第2スイッチ32の第3入出力端子32aと第2給電バスバー52の第3接続部56gとが縦方向で対向配置される。第2スイッチ32の第4入出力端子32bと第3給電バスバー53の第4接続部57dとが縦方向で対向配置される。
これら各スイッチの入出力端子と各給電バスバーの接続部とが溶接される。これにより、図1に示すように第1外部接続端子100aと第2外部接続端子100bとが第1給電バスバー51、第1スイッチ31、および、第2給電バスバー52を介して電気的に接続される。第2外部接続端子100bと組電池10の正極(出力端子12)とが第2給電バスバー52、第2スイッチ32、および、第3給電バスバー53を介して電気的に接続される。
第1入出力端子31aと第3入出力端子32aが第1入出力端子に相当する。第2入出力端子31bと第4入出力端子32bが第2入出力端子に相当する。第1給電バスバー51が第1導電部材に相当する。第3給電バスバー53が第2導電部材に相当する。第2給電バスバー52は第1導電部材と第2導電部材それぞれに相当する。
以上に示したように第1スイッチ31および第2スイッチ32とバスバーモジュール80それぞれが筐体91に固定された状態において、図10に示すように回路基板20が筐体91に固定される。この際、回路基板20の配線基板21と第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれが高さ方向で一部離間して対向する。この配線基板21におけるスイッチとの対向部位には、配線基板21の高さ方向に面する一面21aと裏面21bとを貫通するスルーホールが形成されている。このスルーホールに第1スイッチ31の第1制御端子31cと第2スイッチ32の第2制御端子32cが挿入される。この挿入状態において、各スルーホールと制御端子とがはんだなどを介してろう接される。
以上により、図11に示すように筐体91と回路基板20との間に第1スイッチ31および第2スイッチ32とバスバーモジュール80が位置する。筐体91と回路基板20との間で、第1スイッチ31とバスバーモジュール80とが高さ方向に並ぶ。同様にして、筐体91と回路基板20との間で、第2スイッチ32とバスバーモジュール80とが高さ方向に並ぶ。
<作用効果>
上記したように第1スイッチ31と第2スイッチ32は放熱部97と熱的に接続されている。また第1スイッチ31は第1給電バスバー51と熱的に接続されている。第2スイッチ32は第2給電バスバー52と熱的に接続されている。これにより第1スイッチ31で生じた熱は、放熱部97だけではなく、第1給電バスバー51にも伝熱される。第2スイッチ32で生じた熱は、放熱部97だけではなく、第2給電バスバー52にも伝熱される。
さらに言えば、第1スイッチ31と第1給電バスバー51との熱的な接続によって、第1スイッチ31の熱容量が擬似的に高くなっている。第2スイッチ32と第2給電バスバー52との熱的な接続によって、第2スイッチ32の熱容量が擬似的に高くなっている。以上に示した構成により、第1スイッチ31と第2スイッチ32の温度上昇が抑制されている。そのために第1スイッチ31と第2スイッチ32に流す電流量を増大することができる。この結果、組電池10の出力電力や回転電機130の要求電力を増大することができる。
図18に、本実施形態にかかる第1スイッチ31の温度の時間変化を模式的に示す。図18では、本実施形態の第1スイッチ31の温度を実線で示している。この第1スイッチ31と熱的および電気的に接続された第1給電バスバー51の温度を一点鎖線で示している。また、第1スイッチ31の第1入出力端子31aと第1給電バスバー51とが単に電気的に接続された構成における第1スイッチ31の温度を破線で示している。この比較構成における第1給電バスバー51の温度を二点鎖線で示している。
図18に示す時間t0において第1スイッチ31は開状態に固定されている。そのために第1スイッチ31と第1給電バスバー51それぞれの温度は雰囲気温度程度になっている。時間t1に至ると、第1スイッチ31は開状態から閉状態に切り換わる。これにより第1スイッチ31と第1給電バスバー51それぞれへの通電が始まる。そして第1スイッチ31と第1給電バスバー51それぞれが発熱し始める。
上記したように本実施形態の第1スイッチ31は第1給電バスバー51と熱的に接続されている。そのために第1スイッチ31で生じた熱は第1給電バスバー51に伝熱される。また第1スイッチ31の熱容量が擬似的に高くなっている。そのため、実線で示すように本実施形態の第1スイッチ31は、破線で示す比較構成の第1スイッチ31よりも温度上昇が抑えられている。なお、上記した第1スイッチ31からの伝熱のため、一点鎖線で示すように本実施形態の第1給電バスバー51は、二点鎖線で示す比較構成の第1給電バスバー51よりも多少温度が上昇しやすくなっている。
第1スイッチ31は第1給電バスバー51を介してバスバーケース60と熱的に接続されている。同様にして、第2スイッチ32は第2給電バスバー52を介してバスバーケース60と熱的に接続されている。これにより第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの熱容量が擬似的に高くなっている。そのために第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの温度上昇が効果的に抑制される。
また第1スイッチ31は第1給電バスバー51とバスバーケース60を介して第2給電バスバー52と熱的に接続されている。同様にして、第2スイッチ32は第2給電バスバー52とバスバーケース60を介して第3給電バスバー53と熱的に接続されている。これにより第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの温度上昇がより効果的に抑制される。
第1スイッチ31と第1給電バスバー51とは第3伝熱シート63を介して熱的に接続されている。第2スイッチ32と第2給電バスバー52とは第4伝熱シート64を介して熱的に接続されている。これにより各スイッチと給電バスバーとの熱的な接続が安定化する。
バスバーケース60はねじ部材75によって底壁93に近づく態様で、筐体91に固定される。これによりバスバーケース60に収納された第1給電バスバー51および第2給電バスバー52と、底壁93の放熱部97に固定された第1スイッチ31および第2スイッチ32とが互いに近づく。給電バスバーとスイッチとの間に設けられた伝熱シートが両者の間で挟持される。この結果、伝熱シートに給電バスバーとスイッチそれぞれが密着する。これにより各スイッチと給電バスバーとの熱的な接続がより安定化する。
第1内壁70および第2内壁73それぞれのベース部65側には、ベース部65側に向かって局所的に突起した突起部74が形成されている。この突起部74により、第1収納空間66aに収納された第1給電バスバー51は、第1スイッチ31の設けられる第1開口窓65cに向かって押圧されている。第3収納空間67aに収納された第2給電バスバー52は、第2スイッチ32の設けられる第2開口窓65dに向かって押圧されている。これにより各スイッチと給電バスバーとの熱的な接続が安定化される。
さらに言えば、第2外壁72には、上記の突起部74が形成されていない。そのために第3給電バスバー53とバスバーケース60との熱的な接続は、第1給電バスバー51および第2給電バスバー52それぞれとバスバーケース60との熱的な接続よりもゆるくなっている。したがって第1スイッチ31および第2スイッチ32で生じた熱は、第3給電バスバー53に積極的に伝熱されがたくなっている。これにより、第1スイッチ31および第2スイッチ32で生じた熱が、第3給電バスバー53を介して組電池10に伝達されることが抑制される。組電池10の温度上昇によって、組電池10の有する電池セルの寿命が低下することが抑制される。
電池セルの高さ方向のスタックのために、底壁93と回路基板20とが高さ方向で離間している。この底壁93と回路基板20との間にデッドスペースが生じている。このデッドスペースに第1スイッチ31、第2スイッチ32、および、バスバーモジュール80が位置している。そしてこのデッドスペースにおいて、高さ方向で第1スイッチ31および第2スイッチ32とバスバーモジュール80とが並んでいる。
これによれば、例えば縦方向に第1スイッチおよび第2スイッチとバスバーモジュールとが並ぶ構成と比べて、電池パック100の体格の増大が抑制される。
第1スイッチ31と第2スイッチ32それぞれの入出力端子と給電バスバーとを溶接した後に、回路基板20を筐体91に搭載する。これによれば、入出力端子と給電バスバーとの溶接時に生じる熱が回路基板20に伝熱されなくなる。これにより、回路基板20と入出力端子との離間距離を短く設計することができる。この結果、電池パック100の体格の増大が抑制される。
以上、本開示物の好ましい実施形態について説明したが、本開示物は上記した実施形態になんら制限されることなく、本開示物の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(その他の変形例)
各実施形態では組電池10が5つの電池セルを有する例を示した。しかしながら組電池10は複数の電池セルを有すればよく、上記例に限定されない。また電池スタックの数としても、2つではなく1つ若しくは3つ以上を採用することもできる。さらに言えば、電池セルが横方向に並ぶことで電池スタックが構成されてもよい。
各実施形態では電源システム200を搭載する車両がアイドルストップ機能を有する例を示した。しかしながら電源システム200を搭載する車両としては上記例に限定されない。例えばハイブリッド自動車や電気自動車を採用することができる。この場合、本実施形態で示したスタータモータ120や回転電機130は、モータジェネレータに代わる。