以下、実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図10に基づいて本実施形態にかかる電池パック100、および、それを含む電源システム200を説明する。
(電源システムの概要)
電源システム200は車両に搭載される。電源システム200は車両に搭載された複数の車載機器と電池パック100とによって構成されている。車載機器の1つとして鉛蓄電池110がある。電池パック100はリチウム蓄電池10を有している。電源システム200はこれら鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10とによって2電源システムを構築している。
他の車載機器としてエンジン140がある。電源システム200を搭載する車両は、所定の停止条件が満たされるとエンジン140を停止し、所定の始動条件が満たされるとエンジン140を再始動するアイドルストップ機能を有する。
図1に示すように電源システム200は、上記した鉛蓄電池110とエンジン140の他に、スタータモータ120、回転電機130、電気負荷150、上位ECU160、および、MGECU170を有する。鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれは、第1ワイヤハーネス201を介して電池パック100と電気的に接続されている。回転電機130は第2ワイヤハーネス202を介して電池パック100と電気的に接続されている。
上位ECU160とMGECU170は図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。同様にして、車両に搭載された他の各種ECUも、図示しない配線を介して鉛蓄電池110と電池パック100それぞれと電気的に接続されている。
以上に示したように電源システム200は、鉛蓄電池110と電池パック100(リチウム蓄電池10)の2つを電源とする2電源システムを構築している。
電気負荷150は一般負荷151と保護負荷152を有する。一般負荷151には、シートヒータ、送風ファン、電動コンプレッサ、ルームライト、および、ヘッドライトなどの供給電力が一定でなくともよい車載機器が含まれる。保護負荷152には、電動シフトポジション、電動パワーステアリング(EPS)、ブレーキ(ABS)、ドアロック、ナビゲーションシステム、および、オーディオなどの供給電力が一定であることが求められる車載機器が含まれる。保護負荷152には一般負荷151よりも車両走行に関連性の高い車載機器が含まれる。
上位ECU160とMGECU170は車両に搭載された各種ECUのうちの1つである。これら各種ECUはバス配線161を介して互いに電気的に接続され、車載ネットワークを構築している。各種ECUが協調制御することで、エンジン140の燃焼および回転電機130の発電や力行などが制御される。上位ECU160は電池パック100を制御し、MGECU170は回転電機130を制御する。
また図示しないが、電源システム200は、上記した各車載機器の他に、各種電圧や電流などの物理量、および、アクセルペダルの踏み込み量やスロットルバルブ開度などの車両情報を測定するためのセンサを有している。これら各種センサの検出した検出信号は、各種ECUに入力される。
(電池パックの概要)
次に電池パック100を説明する。図1に示すように電池パック100は、リチウム蓄電池10、回路基板20、および、センサ部40を有する。また図2に示すように電池パック100は第1ケース50と第2ケース60を有する。
回路基板20は、配線基板21にスイッチ22とBMU23とが搭載されて電気回路を構成している。この電気回路にリチウム蓄電池10やセンサ部40が電気的に接続されている。この電気回路が図1において二重丸で示す外部接続端子と電気的に接続されている。電気回路と外部接続端子との接続には、銅板などの金属導体を加工した導電部材が用いられる。
外部接続端子としては、第1外部接続端子100a、第2外部接続端子100b、第3外部接続端子100c、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eがある。第1外部接続端子100a、第4外部接続端子100d、および、第5外部接続端子100eは第1ワイヤハーネス201を介して鉛蓄電池110、スタータモータ120、および、電気負荷150それぞれと電気的に接続されている。第2外部接続端子100bは第2ワイヤハーネス202を介して回転電機130と電気的に接続されている。第3外部接続端子100cは車両のボディにボルト止めされている。この第3外部接続端子100cに挿入されるボルトが、電池パック100と車両のボディとを接続する機能を果たす。これにより電池パック100はボディアースされている。
図3に示すように第1ケース50にリチウム蓄電池10が収納される。これにより電池モジュール1が構成されている。第2ケース60には後述のバスバー70や電圧検出線80が固定される。これにより連結モジュール2が構成されている。電池モジュール1と連結モジュール2とが互いに組み付けられることで、電源モジュール3が構成されている。電源モジュール3については後で詳説する。
電池パック100は図示しない筐体を有する。この筐体はアルミダイカストによって生成される。この筐体にリチウム蓄電池10、回路基板20、センサ部40、第1ケース50、および、第2ケース60それぞれが収納される。
筐体はリチウム蓄電池10や回路基板20にて生じた熱を放熱する機能も果たす。筐体は車両の座席下方に設けられる。上記の第3外部接続端子100cは筐体に形成された孔に相当する。筐体の開口部は樹脂製若しくは金属製のカバーで覆われる。これにより電気回路とリチウム蓄電池10は防水されている。なお筐体(電池パック100)の配置としては上記例に限定されず、例えば後部座席とトランクルームとの間の空間、および、運転席と助手席の間の空間に配置してもよい。
(電池パックの電気回路)
次に、電池パック100の電気回路を説明する。上記したように回路基板20は、配線基板21、スイッチ22、および、BMU23を有している。
配線基板21は絶縁基板に導電材料からなる配線パターンの形成されたプリント基板である。絶縁基板の表面および内部の少なくとも一方に、配線パターンとして第1給電線24、第2給電線25、第3給電線26、および、第4給電線27が形成されている。
配線基板21には外部接続端子と電気的に接続される端子が形成されている。この端子としては、第1内部端子28a、第2内部端子28b、第3内部端子28c、第4内部端子28d、および、第5内部端子28eがある。これら内部端子が上記の導電部材を介して外部接続端子と電気的に接続されている。
具体的に言えば、第1内部端子28aは第1外部接続端子100aと電気的に接続されている。第2内部端子28bは第2外部接続端子100bと電気的に接続されている。第3内部端子28cは第3外部接続端子100cと電気的に接続されている。第4内部端子28dは第4外部接続端子100dと電気的に接続されている。第5内部端子28eは第5外部接続端子100eと電気的に接続されている。
そして、第1内部端子28aと第2内部端子28bとは第1給電線24を介して電気的に接続されている。第1給電線24と第3内部端子28cとは第2給電線25を介して電気的に接続されている。第1給電線24と第2給電線25とは第3給電線26を介して電気的に接続されている。第4内部端子28dと第1給電線24とは第4給電線27を介して電気的に接続されている。また第1給電線24と第3給電線26とは第4給電線27を介して電気的に接続されている。第3給電線26と第5内部端子28eとは第4給電線27を介して電気的に接続されている。
スイッチ22は、第1スイッチ29、第2スイッチ30、第3スイッチ31、第4スイッチ32、第5スイッチ33、および、第6スイッチ34を有する。第1スイッチ29〜第4スイッチ32それぞれは半導体スイッチを有する。この半導体スイッチは、具体的にはMOSFETである。本実施形態の半導体スイッチはNチャネル型MOSFETである。
第1スイッチ29〜第4スイッチ32それぞれは、2つのMOSFETが直列接続されてなる開閉部を少なくとも1つ有する。2つのMOSFETはソース電極同士が連結されている。2つのMOSFETのゲート電極は電気的に独立している。MOSFETは寄生ダイオードを有する。2つのMOSFETの寄生ダイオードは、互いにアノード電極同士が連結されている。
第1スイッチ29と第2スイッチ30は複数の開閉部を有する。複数の開閉部は並列接続されている。複数の開閉部それぞれのソース電極は互いに電気的に接続されている。
第3スイッチ31は1つの開閉部を有する。第4スイッチ32は複数の開閉部を有する。第4スイッチ32の有する複数の開閉部は直列接続されている。
図1では、第1スイッチ29と第2スイッチ30それぞれの並列接続された開閉部を2つだけ示している。第4スイッチ32の有する直列接続された開閉部を2つだけ示している。開閉部の数は、電流量などに応じて定めることができる。しかしながら開閉部の数は特に限定されない。
第1スイッチ29は第1給電線24に設けられる。これにより、第1スイッチ29を開閉制御することで第1内部端子28aと第2内部端子28bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第1スイッチ29を開閉制御することで鉛蓄電池110と回転電機130との電気的な接続が制御される。
第2スイッチ30は第2給電線25に設けられる。これにより、第2スイッチ30を開閉制御することで第3内部端子28cと第2内部端子28bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第2スイッチ30を開閉制御することでリチウム蓄電池10と回転電機130との電気的な接続が制御される。
第3スイッチ31と第4スイッチ32それぞれは第3給電線26に設けられる。詳しく言えば、第3スイッチ31は第3給電線26における第1給電線24との接続点と第4給電線27との接続点との間に設けられる。第4スイッチ32は第3給電線26における第4給電線27との接続点と第2給電線25との接続点との間に設けられる。
これにより、第3スイッチ31を開閉制御することで第1内部端子28aと第5内部端子28eとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第3スイッチ31を開閉制御することで鉛蓄電池110と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
また、第4スイッチ32を開閉制御することで第3内部端子28cと第5内部端子28eとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第4スイッチ32を開閉制御することでリチウム蓄電池10と保護負荷152との電気的な接続が制御される。
第5スイッチ33と第6スイッチ34それぞれはメカニカルリレーである。詳しく言えば第5スイッチ33と第6スイッチ34それぞれはノーマリクローズ式の電磁リレーである。
第5スイッチ33と第6スイッチ34それぞれは第4給電線27に設けられる。詳しく言えば、第5スイッチ33は第4給電線27における第4内部端子28dとの接続点と第1給電線24との接続点との間に設けられる。第6スイッチ34は第4給電線27における第1給電線24との接続点と第3給電線26との接続点との間に設けられる。
これにより、第5スイッチ33を開閉制御することで第4内部端子28dと第2内部端子28bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第5スイッチ33を開閉制御することで鉛蓄電池110と回転電機130との電気的な接続が制御される。
また、第6スイッチ34を開閉制御することで第5内部端子28eと第2内部端子28bとの電気的な接続が制御される。換言すれば、第6スイッチ34を開閉制御することで保護負荷152と回転電機130との電気的な接続が制御される。
上記したように回路基板20の構成する電気回路にセンサ部40が電気的に接続されている。このセンサ部40は、リチウム蓄電池10とスイッチ22それぞれの状態を検出するセンサ素子を有する。センサ部40はセンサ素子として、温度センサ、電流センサ、および、電圧センサを有する。
センサ部40はリチウム蓄電池10の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをリチウム蓄電池10の状態信号としてBMU23に出力する。またセンサ部40はスイッチ22の温度、電流、および、電圧を検出する。センサ部40はそれをスイッチ22の状態信号としてBMU23に出力する。
図2に示すようにセンサ部40は、上記の温度センサ、電流センサ、および、電圧センサの他に水没センサ41を有する。この水没センサ41は第1対向電極42と第2対向電極43とによって構成されるコンデンサを有する。第1対向電極42と第2対向電極43との間に水があると、コンデンサの誘電率(静電容量)が変化する。この静電容量が状態信号としてBMU23に入力される。BMU23は静電容量の変化が所定時間継続されるか否かに基づいて、電池パック100の水没を検出する。
BMU23はセンサ部40の状態信号、および、上位ECU160からの指令信号の少なくとも一方に基づいてスイッチ22を制御する。BMUはbattery management unitの略である。
BMU23はセンサ部40の状態信号に基づいてリチウム蓄電池10の充電状態(SOC)やスイッチ22の異常を判定する。SOCはstate of chargeの略である。BMU23はこれらSOCや異常を判定した信号(判定情報)を上位ECU160に出力する。
上位ECU160はBMU23から入力された判定情報、および、他の各種ECUから入力された車両情報に基づいてスイッチ22の制御を決定する。そして上位ECU160はその決定したスイッチ22の制御を含む指令信号をBMU23に出力する。BMU23は上位ECU160からの指令信号に基づいてスイッチ22を制御する。
ただしBMU23は、水没センサ41の状態信号に基づいて電池パック100が水没したと判断した場合、スイッチ22への制御信号の出力の停止を独自で判断し、そして実行する。
(電源モジュール)
次に、電池パック100の電池モジュール1と連結モジュール2とが連結されて成る電源モジュール3の構成を詳しく説明する。以下においては互いに直交の関係にある3方向を、横方向、縦方向、および、高さ方向と示す。また、高さ方向における筐体の底面側を下側、筐体の開口部を覆うカバー側を上側と示す。本実施形態では縦方向は車両の進退方向に沿っている。横方向は車両の左右方向に沿っている。高さ方向は車両の天地方向に沿っている。
図3に示すように電池モジュール1では第1ケース50にリチウム蓄電池10が収納される。連結モジュール2では第2ケース60にバスバー70と電圧検出線80が機械的に接続される。電池モジュール1と連結モジュール2とは第1ケース50と第2ケース60とのねじ締結によって互いに機械的に接続される。また電池モジュール1と連結モジュール2とはリチウム蓄電池10とバスバー70とのレーザ溶接によって互いに電気的に接続される。これにより電源モジュール3が構成されている。
(電池モジュール)
図3に示すようにリチウム蓄電池10は複数の直列接続された電池セルを有する。電池セルは二次電池である。具体的には電池セルはリチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は化学反応によって起電圧を生成する。起電圧の生成により電池セルに電流が流れる。これにより電池セルは発熱する。電池セルは膨張する。
電池セルとしては上記例に限定されず、例えばニッケル水素二次電池、有機ラジカル電池などを採用することもできる。この場合、リチウム蓄電池10の名称は、例えば、ニッケル蓄電池、ラジカル蓄電池、などと電池セルに採用した二次電池の種類に応じて適宜変更される。
電池セルは四角柱形状を成す。そのために電池セルは6面を有する。電池セルは高さ方向に面する第1主面10aと第2主面10bを有する。電池セルは横方向に面する第1側面10cと第2側面10dを有する。電池セルは縦方向に面する上端面10eと下端面10fを有する。これら6面のうち第1主面10aと第2主面10bは他面よりも面積が大きくなっている。そして電池セルは第1主面10aと第2主面10bとの間の長さ(厚さ)の薄い扁平形状を成している。
電池セルの上端面10eに電極端子としての正極端子10gと負極端子10hが形成されている。正極端子10gと負極端子10hは横方向に離間して並んでいる。正極端子10gは第1側面10c側に位置する。負極端子10hは第2側面10d側に位置する。
正極端子10gと負極端子10hは直方体形状を成し、上端面10eから縦方向に沿って外側に突起している。正極端子10gと負極端子10hそれぞれの側面は縦方向に開口する環状のプラスチック体10kで覆われている。正極端子10gおよび負極端子10hそれぞれの縦方向に面する端面がプラスチック体10kから外部に露出されている。この端面がバスバー70とレーザ溶接される。
上端面10eにおける正極端子10gと負極端子10hとの間には弾性部材としてのパッキン10lが設けられる。このパッキン10lは縦方向に開口する環状を成している。パッキン10lは正極端子10gおよび負極端子10hそれぞれよりも縦方向の長さが長くなっている。後述するようにパッキン10lは電池セルと第2ケース60との間で挟持される。
本実施形態のリチウム蓄電池10は、第1電池セル11、第2電池セル12、第3電池セル13、第4電池セル14、および、第5電池セル15を有する。図3に示すように高さ方向において下側から上側に向かって順に第1電池セル11、第4電池セル14、および、第5電池セル15が積層されて第1電池スタック10iが構成されている。高さ方向において下側から上側に向かって順に第2電池セル12と第3電池セル13が積層されて第2電池スタック10jが構成されている。これら第1電池スタック10iと第2電池スタック10jは横方向で隣接配置されている。
図3および図4に示すように第1ケース50は第1電池スタック10iに対応する第1スタック収納空間50aと、第2電池スタック10jに対応する第2スタック収納空間50bと、を有する。第1スタック収納空間50aと第2スタック収納空間50bとは横方向に並んでいる。そして第1スタック収納空間50aと第2スタック収納空間50bはそれぞれ縦方向に開口している。
また第1ケース50は第1スタック収納空間50aと第2スタック収納空間50bとを連結する中央フランジ部50cを有する。中央フランジ部50cは横方向において第1スタック収納空間50aと第2スタック収納空間50bとの間に位置している。
さらに第1ケース50は第1スタック収納空間50aを介して横方向で中央フランジ部50cと並ぶ第1フランジ部50dを有する。第1ケース50は第2スタック収納空間50bを介して横方向で中央フランジ部50cと並ぶ第2フランジ部50eを有する。第1フランジ部50dは第1スタック収納空間50aを構成する外壁面のうちの横方向に面する外側面における、第1スタック収納空間50aの開口側に設けられている。同様にして第2フランジ部50eは第2スタック収納空間50bを構成する外壁面のうちの横方向に面する外側面における、第2スタック収納空間50bの開口側に設けられている。
以上により第1ケース50は、横方向において、第1フランジ部50d,第1スタック収納空間50a、中央フランジ部50c、第2スタック収納空間50b、および、第2フランジ部50eが順に並ぶ構成となっている。図4では構成を明示するために、中央フランジ部50c、第1フランジ部50d、および、第2フランジ部50eそれぞれを破線で囲って示している。
これら第1ケース50の中央フランジ部50c、第1フランジ部50d、および、第2フランジ部50eそれぞれには、第2ケース60とねじ締結するためのねじ孔が縦方向に形成されている。したがって第1スタック収納空間50aの横方向における両脇にねじ孔が位置している。同様にして第2スタック収納空間50bの横方向における両脇にねじ孔が位置している。
第1ケース50は電源モジュール3を筐体と機械的に連結するためのボルト締結部50fを有する。ボルト締結部50fは第1スタック収納空間50aおよび第2スタック収納空間50bそれぞれの外側面に設けられている。
ボルト締結部50fには高さ方向に貫通するボルト孔が形成されている。このボルト孔にボルトが通され、ボルトが筐体に締結される。これにより電源モジュール3が筐体に固定される。
第1スタック収納空間50aの外側面に設けられたボルト締結部50fは第1フランジ部50dと縦方向に並んでいる。第2スタック収納空間50bの外側面に設けられたボルト締結部50fは第2フランジ部50eと縦方向に並んでいる。より詳しく言えば、第1スタック収納空間50aの外側面に設けられたボルト締結部50fは第1フランジ部50dの縦方向への投影面内に収められている。同様にして第2スタック収納空間50bの外側面に設けられたボルト締結部50fは第2フランジ部50eの縦方向への投影面内に収められている。
図3および図4に示すように第1スタック収納空間50aは、3つの電池セルそれぞれを個別に収納するために3つの収納空間に区画されている。第2スタック収納空間50bは、2つの電池セルそれぞれを個別に収納するために2つの収納空間に区画されている。
具体的に言えば、第1スタック収納空間50aは高さ方向において下側から上側に向かって順に並ぶ第1収納空間51、第4収納空間54、および、第5収納空間55を有する。第2スタック収納空間50bは高さ方向において下側から上側に向かって順に並ぶ第2収納空間52と第3収納空間53を有する。
第1収納空間51と第2収納空間52とは中央フランジ部50cを介して横方向に並んでいる。第3収納空間53と第4収納空間54とは中央フランジ部50cを介して横方向に並んでいる。以上の収納空間の配置により、第4収納空間54の上側に1つの収納空間分の空間が構成されている。図示しないが、この空間に上記の回路基板20の少なくとも一部が設けられる。回路基板20の少なくとも一部は第5収納空間55と横方向で並んでいる。
これら5つの収納空間それぞれの縦方向に開口する開口部に電池セルが挿入される。各電池セルは、対応する収納空間に対して、電池セルの下端面10fが収納空間を構成する壁と接触するまで挿入される。この挿入状態で、各電池セルの正極端子10gと負極端子10hが収納空間の外に飛び出している。また電池セルの第1主面10a、第2主面10b、第1側面10c、および、第2側面10dそれぞれの上端面10e側の部位も収納空間の外に飛び出している。
以下、各収納空間への電池セルの配置を説明する。
第1電池セル11は、正極端子10gが第2スタック収納空間50b側に位置するように第1収納空間51に収納される。これにより第1電池セル11の第2主面10bが第4収納空間54を向いている。
第2電池セル12は、負極端子10hが第1スタック収納空間50a側に位置するように第2収納空間52に収納される。これにより第2電池セル12の負極端子10hと第1電池セル11の正極端子10gとが中央フランジ部50cを介して横方向で並んでいる。また第2電池セル12の第2主面10bが第3収納空間53を向いている。
第3電池セル13は、第2主面10bが第2電池セル12の第2主面10bと高さ方向で対向するように第3収納空間53に収納される。これにより第3電池セル13の負極端子10hと第2電池セル12の正極端子10gとが高さ方向で並んでいる。また第3電池セル13の正極端子10gが第1スタック収納空間50a側に位置している。
第4電池セル14は、第2主面10bが第1電池セル11の第2主面10bと高さ方向で対向するように第4収納空間54に収納される。これにより第4電池セル14の負極端子10hと第3電池セル13の正極端子10gとが中央フランジ部50cを介して横方向で並んでいる。また第4電池セル14の正極端子10gが横方向において第2スタック収納空間50bとは反対側に位置している。換言すれば、第4電池セル14の正極端子10gは横方向において第1フランジ部50d側に位置している。
第5電池セル15は、第1主面10aが第4電池セル14の第1主面10aと高さ方向で対向するように第5収納空間55に収納される。これにより第5電池セル15の負極端子10hと第4電池セル14の正極端子10gとが高さ方向で並んでいる。
以上により、第1スタック収納空間50aと第2スタック収納空間50bそれぞれにおいて正極端子10gと負極端子10hとが高さ方向で交互に並んでいる。
(連結モジュール)
連結モジュール2は、第2ケース60、バスバー70、および、電圧検出線80を有する。ただしこの電圧検出線80は電池セルの電圧を検出する機能を果たす。そのために電圧検出線80はセンサ部40の構成要素の一つでもある。
図3、図5、および、図6に示すように第2ケース60は横方向に延びた形状を成している。そして第2ケース60の中央は縦方向において第1ケース50から離れる方向に凹んでいる。第2ケース60は第1ケース50の収納空間の開口部を閉塞するとともに、電池セルにおける収納空間の外に飛び出した部位を覆うように第1ケース50と機械的に連結される。この連結状態において、第2ケース60は第1ケース50の縦方向への投影面内に収められている。
第2ケース60には第1ケース50とねじ締結するための5つのねじ孔が形成されている。このねじ孔は、第2ケース60の第1ケース50との対向面60aとその裏側の表面60bとを貫通している。この第2ケース60のねじ孔は、第1ケース50の中央フランジ部50c、第1フランジ部50d、および、第2フランジ部50eそれぞれに形成されたねじ孔と対応している。第2ケース60においては、中央フランジ部50cと縦方向で対向する対向フランジ部60cにねじ孔が形成されている。また第2ケース60においては、第1フランジ部50dと縦方向で対向する第1対向フランジ部60d、および、第2フランジ部50eと縦方向で対向する第2対向フランジ部60eそれぞれにねじ孔が形成されている。図5および図6では対向フランジ部60c、第1対向フランジ部60d、および、第2対向フランジ部60eそれぞれを破線で囲って示している。対向面60aが裏面に相当する。表面60bが一面に相当する。
第1ケース50の開口部を閉塞するように第2ケース60が第1ケース50に設けられると、第2ケース60の5つのねじ孔が対応する第1ケース50の5つのねじ孔それぞれと縦方向で並ぶ。この縦方向に並ぶことで構成される5つの合成ねじ孔それぞれにねじ部材としてのケース締結部材90がねじ締結される。これにより第1ケース50と第2ケース60とが機械的に連結される。
なお図7に一点鎖線で示す断面図に相当する図8に示すように、ケース締結部材90のねじ孔に挿入された部位にはケースカラー90aが設けられる。そしてねじ孔から突出した先端にはケースナット90bが設けられる。図8における破線は、図7に示す一点鎖線の高さ方向に沿う線と横方向に沿う線の境界を示している。図7では上記の一点鎖線、および、後述の二点鎖線それぞれを明示するために符号の記載を省略している。
以下においてはこれら第1ケース50のねじ孔と第2ケース60のねじ孔とによって構成される合計5つの合成ねじ孔を、第1ねじ孔61、第2ねじ孔62、第3ねじ孔63、第4ねじ孔64、および、第5ねじ孔65と示す。図面においてはこれらの符号を第1ケース50と第2ケース60それぞれのねじ孔に付している。
なお、第1ケース50においては、第1ねじ孔61〜第5ねじ孔65それぞれにねじ溝が形成されている。しかしながら第2ケース60においては、第1ねじ孔61〜第5ねじ孔65それぞれにねじ溝が形成されていなくともよい。
第1ねじ孔61と第2ねじ孔62は第1フランジ部50dと第1対向フランジ部60dそれぞれに形成されている。第1ねじ孔61と第2ねじ孔62は高さ方向で並んでいる。第1ねじ孔61は第1収納空間51と横方向で並んでいる。第2ねじ孔62は第5収納空間55と横方向で並んでいる。
第3ねじ孔63と第4ねじ孔64は第2フランジ部50eと第2対向フランジ部60eそれぞれに形成されている。第3ねじ孔63と第4ねじ孔64は高さ方向で並んでいる。第3ねじ孔63は第2収納空間52と横方向で並んでいる。第4ねじ孔64は第3収納空間53と横方向で並んでいる。
第5ねじ孔65は中央フランジ部50cと対向フランジ部60cそれぞれに形成されている。第5ねじ孔65の中心位置は、高さ方向において第1収納空間51の中心と第4収納空間54の中心との間に位置している。同様にして第5ねじ孔65の中心位置は、高さ方向において第2収納空間52の中心と第3収納空間53の中心との間に位置している。また第5ねじ孔65は横方向において第1収納空間51と第2収納空間52との間に位置している。同様にして第5ねじ孔65は横方向において第3収納空間53と第4収納空間54との間に位置している。
以上により第1スタック収納空間50aは第1ねじ孔61および第2ねじ孔62と第5ねじ孔65との間に位置している。第2スタック収納空間50bは第3ねじ孔63および第4ねじ孔64と第5ねじ孔65との間に位置している。換言すれば、第1電池スタック10iは第1ねじ孔61および第2ねじ孔62と第5ねじ孔65との間に位置している。第2電池スタック10jは第3ねじ孔63および第4ねじ孔64と第5ねじ孔65との間に位置している。第1ねじ孔61および第2ねじ孔62それぞれと第5ねじ孔65との横方向の離間距離と、第3ねじ孔63および第4ねじ孔64それぞれと第5ねじ孔65との横方向の離間距離は等しくなっている。
これら5つのねじ孔にケース締結部材90が締結される。ケース締結部材90のねじ締結座面は第2ケース60の表面60bに位置している。ケース締結部材90は縦方向において第2ケース60から第1ケース50へと向かってねじ孔に締結される。
このケース締結部材90の締結により、電池セルの上端面10eに設けられたパッキン10lは、電池セルと第2ケース60との間で縦方向に圧縮される。これにより縦方向に沿ってパッキン10lから離れる方向に向かう復元力がパッキン10lに発生する。この復元力により電池セルが縦方向に押圧される。電池セルはパッキン10lと第1ケース50の収納空間を構成する壁との間で挟持される。これにより電池セルの縦方向の変位が抑制されている。電池セルの縦方向の膨張も抑制されている。なおパッキン10lは無くともよい。電池セルと第2ケース60とが直接接触する構成を採用することもできる。
第2ケース60には第1電池セル11〜第5電池セル15とバスバー70とを電気的に接続するための複数の開口部が形成されている。これら複数の開口部は、縦方向に沿って対向面60aと表面60bとを貫通している。開口部は複数の電池セルの電気的な直列接続、および、出力としての機能を果たす正極端子10gおよび負極端子10hそれぞれに対応して形成されている。
第2ケース60には開口部として、第1開口部66a、第2開口部66b、第3開口部66c、第4開口部66d、第5開口部66e、および、第6開口部66fが形成されている。第1開口部66aは、第1ケース50に第2ケース60が連結された状態において、第2ケース60における第1電池セル11の負極端子10hと縦方向で対向する部位に形成されている。第2開口部66bは、第2ケース60における第1電池セル11の正極端子10gと縦方向で対向する部位、および、第2電池セル12の負極端子10hと縦方向で対向する部位に形成されている。
第3開口部66cは、第2ケース60における第2電池セル12の正極端子10gと縦方向で対向する部位、および、第3電池セル13の負極端子10hと縦方向で対向する部位に形成されている。第4開口部66dは、第2ケース60における第3電池セル13の正極端子10gと縦方向で対向する部位、および、第4電池セル14の負極端子10hと縦方向で対向する部位に形成されている。
第5開口部66eは、第2ケース60における第4電池セル14の正極端子10gと縦方向で対向する部位、および、第5電池セル15の負極端子10hと縦方向で対向する部位に形成されている。第6開口部66fは、第2ケース60における第5電池セル15の正極端子10gと縦方向で対向する部位に形成されている。
連結モジュール2はバスバー70として、第1バスバー71、第2バスバー72、第3バスバー73、第4バスバー74、第5バスバー75、および、第6バスバー76を有する。これら第1バスバー71〜第6バスバー76は第2ケース60の表面60bに設けられる。そしてその一部が対応する開口部に設けられる。
第1バスバー71は第1開口部66aを閉塞する態様で第2ケース60の表面60b側に機械的に接続される。この第1バスバー71における第1開口部66aに設けられた部位が第1電池セル11の負極端子10hとレーザ溶接などによって機械的および電気的に接続される。第1バスバー71には縦方向において対向面60aから表面60bに向かう方向に突起したマイナス接続端子71aが形成されている。このマイナス接続端子71aが電池パック100のマイナスの出力端子としての機能を果たす。第1バスバー71はグランド電位に接続される。
第2バスバー72は第2開口部66bを閉塞する態様で第2ケース60の表面60b側に機械的に接続される。第2バスバー72は横方向に延びた形状を成している。この第2バスバー72における第2開口部66bに設けられた部位が第1電池セル11の正極端子10gおよび第2電池セル12の負極端子10hそれぞれとレーザ溶接などによって機械的および電気的に接続される。これにより第1電池セル11と第2電池セル12とが第2バスバー72を介して直列接続される。
第3バスバー73は第3開口部66cを閉塞する態様で第2ケース60の表面60b側に機械的に接続される。第3バスバー73は高さ方向に延びた形状を成している。この第3バスバー73における第3開口部66cに設けられた部位が第2電池セル12の正極端子10gおよび第3電池セル13の負極端子10hそれぞれとレーザ溶接などによって機械的および電気的に接続される。これにより第2電池セル12と第3電池セル13とが第3バスバー73を介して直列接続される。
第4バスバー74は第4開口部66dを閉塞する態様で第2ケース60の表面60b側に機械的に接続される。第4バスバー74は横方向に延びた形状を成している。この第4バスバー74における第4開口部66dに設けられた部位が第3電池セル13の正極端子10gおよび第4電池セル14の負極端子10hそれぞれとレーザ溶接などによって機械的および電気的に接続される。これにより第3電池セル13と第4電池セル14とが第4バスバー74を介して直列接続される。
第5バスバー75は第5開口部66eを閉塞する態様で第2ケース60の表面60b側に機械的に接続される。第5バスバー75は高さ方向に延びた形状を成している。この第5バスバー75における第5開口部66eに設けられた部位が第4電池セル14の正極端子10gおよび第5電池セル15の負極端子10hそれぞれとレーザ溶接などによって機械的および電気的に接続される。これにより第4電池セル14と第5電池セル15とが第5バスバー75を介して直列接続される。
第6バスバー76は第6開口部66fを閉塞する態様で第2ケース60の表面60b側に機械的に接続される。この第6バスバー76における第6開口部66fに設けられた部位が第5電池セル15の正極端子10gとレーザ溶接などによって機械的および電気的に接続される。第6バスバー76には縦方向において対向面60aから表面60bに向かう方向に突起したプラス接続端子76aが形成されている。このプラス接続端子76aが電池パック100のプラスの出力端子としての機能を果たす。
以上に示したように第2バスバー72〜第5バスバー75が2つの電池セル間を直列接続する機能を果たす。これら4つのバスバーのうちの第5バスバー75は第1電池スタック10iを構成する第4電池セル14と第5電池セル15とを直列接続する機能を果たす。第3バスバー73は第2電池スタック10jを構成する第2電池セル12と第3電池セル13とを直列接続する機能を果たす。そのために第5バスバー75と第3バスバー73それぞれは電池セルの積層配置される高さ方向に延びた形状を成している。
これに対して第2バスバー72は第1電池スタック10iの第1電池セル11と第2電池スタック10jの第2電池セル12とを直列接続する機能を果たす。第4バスバー74は第2電池スタック10jの第3電池セル13と第1電池スタック10iの第4電池セル14とを直列接続する機能を果たす。そのために第2バスバー72と第4バスバー74それぞれは第1電池スタック10iと第2電池スタック10jの並ぶ横方向に延びた形状を成している。そして第2バスバー72と第4バスバー74それぞれは第3バスバー73と第5バスバー75それぞれよりも体格が大きくなっている。
第2バスバー72によって閉塞される第2開口部66bは、図3および図5に示すように対向フランジ部60cを挟んで横方向に2つの開口部が並んで形成されている。同様にして第4バスバー74によって閉塞される第4開口部66dは、対向フランジ部60cを挟んで横方向に2つの開口部が並んで形成されている。
これら第2開口部66bおよび第4開口部66dの形状と配置に応じて、第2バスバー72と第4バスバー74それぞれは図10に示す構成となっている。第2バスバー72は第1電池セル11の正極端子10gと電気的に接続される第1端部72a、第2電池セル12の負極端子10hと電気的に接続される第2端部72b、および、第1端部72aと第2端部72bとを中継する中央部72cを有する。
第1端部72aと中央部72cとの境界は屈曲している。第2端部72bと中央部72cとの境界も屈曲している。第1端部72aと中央部72cとの境界の屈曲、第2端部72bと中央部72cとの境界の屈曲は縦方向において同一方向となっている。第1端部72aと第2端部72bそれぞれが中央部72cよりも第2ケース60の対向面60a側に位置するように、第1端部72aと中央部72cとの境界、および、第2端部72bと中央部72cとの境界それぞれが屈曲している。
第4バスバー74は第3電池セル13の正極端子10gと電気的に接続される第1端部74a、第4電池セル14の負極端子10hと電気的に接続される第2端部74b、および、第1端部74aと第2端部74bとを中継する中央部74cを有する。
第1端部74aと中央部74cとの境界は屈曲している。第2端部74bと中央部74cとの境界も屈曲している。第1端部74aと中央部74cとの境界の屈曲、第2端部74bと中央部74cとの境界の屈曲は縦方向において同一方向となっている。第1端部74aと第2端部74bそれぞれが中央部74cよりも第2ケース60の対向面60a側に位置するように、第1端部74aと中央部74cとの境界、および、第2端部74bと中央部74cとの境界それぞれが屈曲している。
この第2バスバー72の中央部72cと第4バスバー74の中央部74cそれぞれは第2ケース60の対向フランジ部60cに設けられる。これら中央部には第5ねじ孔65に対応する肉抜き部が形成されている。第2バスバー72の中央部72cにおける上側の端部が半円形に一部切欠くことで肉抜き部72dが形成されている。第4バスバー74の中央部74cにおける下側の端部が半円形に一部切欠くことで肉抜き部74dが形成されている。この肉抜き部72dと肉抜き部74dとが高さ方向で並んでいる。これにより2つの肉抜き部によって第5ねじ孔65に対応する略円形の空間が形作られている。
第2ケース60の対向フランジ部60cには、上記の2つの肉抜き部の形状に対応する突起部67が形成されている。突起部67は円筒形状を成している。突起部67は縦方向において対向面60aから表面60bに向かう方向に突起している。この突起部67の外径と、2つの肉抜き部によって形作られる略円形の空間の径とが略同一となっている。
この第2ケース60の表面60bにおける突起部67によって囲まれた部位に、上記の第5ねじ孔65が形成されている。突起部67は第5ねじ孔65の表面60b側の開口部の縁部に形成されている。このため、第5ねじ孔65にケース締結部材90を挿入する際、ケース締結部材90と第2バスバー72および第4バスバー74それぞれとの間に突起部67が位置する。
ところで、上記の肉抜き部72dの形成により第2バスバー72の中央部72cの一部は局所的に細くなっている。しかしながら中央部72cの延長方向に直交する横幅(高さ方向の長さ)の最短長は、中央部72cの横幅の半分以上になっている。同様にして第4バスバー74の中央部74cの延長方向に直交する横幅(高さ方向の長さ)の最短長は、中央部74cの横幅の半分以上になっている。この最短長は、第3バスバー73と第5バスバー75の延長方向に直交する横幅(横方向の長さ)程度になっている。したがって第2バスバー72の中央部72cと第4バスバー74の中央部74cそれぞれの最短長部位の延長方向における単位長さ当たりの抵抗は、第3バスバー73と第5バスバー75それぞれの延長方向における単位長さ当たりの抵抗と同程度になっている。
上記したように電池セルの正極端子10gと負極端子10hは横方向に離れている。そして1つの電池セルの正極端子10gと負極端子10hに別々のバスバーが接続される。そのため、第2ケース60における電池セルの上端面10eのうちの正極端子10gと負極端子10hとの間の部位との対向部位に空間が構成されている。すなわち、第2ケース60におけるバスバー70の設けられる複数の開口部の間に空間が構成されている。
第2ケース60における第1電池スタック10i側では、第1開口部66aおよび第5開口部66eと、第2開口部66b、第4開口部66d、および、第6開口部66fとの間に空間が構成されている。第2ケース60における第2電池スタック10j側では、第2開口部66bおよび第4開口部66dと、第3開口部66cとの間に空き空間が構成されている。これら空き空間に電圧検出線80が設けられる。
以下においては第2ケース60における第1電池スタック10i側の空き空間に位置する部位を第1空き部位60fと示す。第2ケース60における第2電池スタック10j側の空き空間に位置する部位を第2空き部位60gと示す。図5および図6では第1空き部位60fと第2空き部位60gそれぞれを一点鎖線で囲って示している。
電圧検出線80は、導電線が絶縁体で被覆されて成る絶縁電線である。電圧検出線80の一端にはバスバー70と電気的に接続するための端子80aが連結されている。この端子80aには縦方向に貫通する貫通孔が形成されている。複数の電圧検出線80それぞれの他端はコネクタ80bにまとめられている。このコネクタ80bが第4収納空間54の上側に位置する回路基板20のコネクタと連結される。なお図面においてコネクタ80bは第1電池スタック10iの上側に位置しているが、コネクタ80bは回路基板20の位置する第2電池スタック10jの上側に位置してもよい。コネクタ80bにまとめられる複数の配線の配線長の許す限り、コネクタ80bの位置を適宜設定することができる。
連結モジュール2は電圧検出線80として、第1電圧検出線81、第2電圧検出線82、第3電圧検出線83、第4電圧検出線84、第5電圧検出線85、および、第6電圧検出線86を有する。
第1電圧検出線81は第1電池セル11の負極端子10hの電位(グランド電位)を検出する機能を果たす。第2電圧検出線82は第1電池セル11と第2電池セル12との間の電位を検出する機能を果たす。第3電圧検出線83は第2電池セル12と第3電池セル13との間の電位を検出する機能を果たす。
第4電圧検出線84は第3電池セル13と第4電池セル14との間の電位を検出する機能を果たす。第5電圧検出線85は第4電池セル14と第5電池セル15との間の電位を検出する機能を果たす。第6電圧検出線86は第5電池セル15の正極端子10gの電位(最高電位)を検出する機能を果たす。
図3および図6に示すようにバスバー70には、電圧検出線80の端子80aと連結するための連結端子70aが形成されている。この連結端子70aには縦方向に貫通する貫通孔が形成されている。これら連結端子70aは第1空き部位60f若しくは第2空き部位60gの表面60bに設けられる。
図6に示すように第1バスバー71では、第1空き部位60f側に連結端子70aが形成されている。第2バスバー72では、第2端部72bの第2空き部位60g側に連結端子70aが形成されている。第3バスバー73では、第2空き部位60g側に連結端子70aが形成されている。
同様にして第4バスバー74では、第2端部74bの第1空き部位60f側に連結端子70aが形成されている。第5バスバー75では、第1空き部位60f側に連結端子70aが形成されている。第6バスバー76では、第1空き部位60f側に連結端子70aが形成されている。
第1バスバー71、第4バスバー74、第5バスバー75、および、第6バスバー76それぞれの連結端子70aが第1空き部位60fの表面60bに設けられる。残りの第2バスバー72、および、第3バスバー73それぞれの連結端子70aが第2空き部位60gの表面60bに設けられる。
なお、連結端子の配置としては、別に上記例に限定されない。例えば第2バスバー72では、第1端部72aにおける第1空き部位60f側に連結端子70aが形成されてもよい。第4バスバー74では、第1端部74aにおける第2空き部位60g側に連結端子70aが形成されてもよい。この場合、第2バスバー72の連結端子70aは第1空き部位60fの表面60bに設けられる。第4バスバー74の連結端子70aは第2空き部位60gの表面60bに設けられる。連結端子の配置は第1空き部位60fと第2空き部位60gそれぞれの空き面積や電圧検出線80の配置、および、空き部位に設けられるセンサ素子などに応じて決定される。
第2ケース60の第1空き部位60fおよび第2空き部位60gそれぞれには、バスバー70とともに電圧検出線80を固定するためのねじ孔が形成されている。ねじ孔は表面60bに開口しており、表面60bから対向面60aに向かって縦方向に沿って形成されている。このねじ孔は非貫通である。
ねじ孔としては、第1ねじ孔68a、第2ねじ孔68b、第3ねじ孔68c、第4ねじ孔68d、第5ねじ孔68e、および、第6ねじ孔68fがある。これら6つのねじ孔のうち、第1ねじ孔68a、第4ねじ孔68d、第5ねじ孔68e、および、第6ねじ孔68fの4つが第1空き部位60fに形成されている。残り2つの第2ねじ孔68bと第3ねじ孔68cが第2空き部位60gに形成されている。
これらねじ孔に対応するバスバー70の連結端子70aとともに電圧検出線80の端子80aが素子締結部材91によってねじ締結される。すなわち、第1バスバー71の連結端子70aと第1電圧検出線81の端子80aとが素子締結部材91によって第1ねじ孔68aにねじ締結される。第2バスバー72の連結端子70aと第2電圧検出線82の端子80aとが素子締結部材91によって第2ねじ孔68bにねじ締結される。第3バスバー73の連結端子70aと第3電圧検出線83の端子80aとが素子締結部材91によって第3ねじ孔68cにねじ締結される。
第4バスバー74の連結端子70aと第4電圧検出線84の端子80aとが素子締結部材91によって第4ねじ孔68dにねじ締結される。第5バスバー75の連結端子70aと第5電圧検出線85の端子80aとが素子締結部材91によって第5ねじ孔68eにねじ締結される。第6バスバー76の連結端子70aと第6電圧検出線86の端子80aとが素子締結部材91によって第6ねじ孔68fにねじ締結される。
素子締結部材91は座金と座金から延びた軸部とを有する。図3および図9に示すように座金側から軸部の先端に向かって順に端子80aと連結端子70aとが並ぶ態様で、端子80aと連結端子70aとが素子締結部材91に挿入される。これにより素子締結部材91の軸方向(縦方向)で端子80aと連結端子70aとが重なる。この状態で素子締結部材91の軸部の先端からナット92がねじ締めされる。これにより素子締結部材91の座金とナット92との間で端子80aと連結端子70aとが挟持される。その結果、端子80aと連結端子70aとが互いに重なって接触する。この端子80aと連結端子70aとが互いに接触して挟持された状態で、素子締結部材91がねじ孔にねじ締結される。これにより第2ケース60の表面60bにおいて電圧検出線80の端子80aとバスバー70の連結端子70aとが互いに重なって接触している。素子締結部材91とナット92が締結部材に相当する。ナット92の代わりにワッシャーを用いることもできる。またナット92やワッシャーはなくともよい。なお図9における破線は、図7に示す二点鎖線の高さ方向に沿う線と横方向に沿う線の境界を示している。
以上により、バスバー70と電圧検出線80とが互いに第2ケース60の表面60bで電気的に接続されつつ、バスバー70と電圧検出線80とが第2ケース60に機械的に接続される。このようにバスバー70と電圧検出線80とが第2ケース60に固定された状態で、バスバー70と電池セルとがレーザ溶接される。図3に示すようにバスバー70には微小な孔70bが形成されている。この微小な孔70bの周囲に、バスバーから電極端子に向かってレーザを照射する。こうすることでバスバー70と電極端子とが電気的および機械的に接続される。このバスバー70と電極端子との接続は、第1ケース50と第2ケース60とをケース締結部材90によって機械的に接続した後に行ってもよいし、その前に行ってもよい。
なお、バスバー70と電圧検出線80との接続抵抗を低減するために、素子締結部材91とナット92とによって連結端子70aと端子80aとを挟持した後に、連結端子70aと端子80aをはんだによって接続してもよい。
図3および図5に示すように、第1空き部位60fと第2空き部位60gそれぞれには第1電圧検出線81〜第6電圧検出線86それぞれが個別に設けられる複数の第1個別溝69a〜第6個別溝69fが形成されている。これら個別溝は縦方向において第2ケース60の表面60bが対向面60a側に局所的に凹んで形成されている。第1ねじ孔68a〜第6ねじ孔68fそれぞれは第1個別溝69a〜第6個別溝69fを形作る側壁と底壁のうちの底壁に形成されている。したがって第1電圧検出線81〜第6電圧検出線86それぞれの端子80aは個別溝の側壁によって周囲を囲まれている。
また第1空き部位60fと第2空き部位60gそれぞれには複数の個別溝と連通される共通溝が形成されている。共通溝は縦方向において第2ケース60の表面60bが対向面60a側に局所的に凹んで形成されている。
第1空き部位60fには、第1個別溝69a、第4個別溝69d、第5個別溝69e、第6個別溝69fそれぞれと連通される第1共通溝69gが形成されている。第2空き部位60gには、第2個別溝69bと第3個別溝69cそれぞれと連通される第2共通溝69hが形成されている。
第1共通溝69gでは第1電圧検出線81、第4電圧検出線84、第5電圧検出線85、および、第6電圧検出線86それぞれの中央部の一部が束ねて設けられている。第2共通溝69hでは第2電圧検出線82と第3電圧検出線83それぞれの中央部の一部が束ねて設けられている。
図6に示すように第1空き部位60fには水没センサ41が設けられる。第1空き部位60fには水没センサ41の第1対向電極42に対応する第1電極溝69iと第2対向電極43に対応する第2電極溝69jが形成されている。第1電極溝69iと第2電極溝69jそれぞれは縦方向において第2ケース60の表面60bが対向面60a側に局所的に凹んで形成されている。
第1対向電極42は第1電極溝69iの底壁にねじで機械的に固定されている。同様にして第2対向電極43は第2電極溝69jの底壁にねじで機械的に固定されている。第1対向電極42と第2対向電極43との間に側壁が位置し、互いの離間距離が変動することが抑制されている。
第1電極溝69iと第2電極溝69jそれぞれも、第1個別溝69a、第4個別溝69d、第5個別溝69e、第6個別溝69fそれぞれとともに第1共通溝69gに連通されている。第1対向電極42および第2対向電極43それぞれに絶縁電線が接続されている。この絶縁電線の中央部も、第1電圧検出線81、第4電圧検出線84、第5電圧検出線85、および、第6電圧検出線86それぞれとともに第1共通溝69gに設けられている。そしてこの絶縁電線も、第1電圧検出線81、第4電圧検出線84、第5電圧検出線85、および、第6電圧検出線86それぞれとともに第1共通溝69gで束ねられている。またこの絶縁電線の他端も電圧検出線80の他端と同様にしてコネクタ80bにまとめられている。
なお図示しないが、センサ部40の有するサーミスタなどの温度センサも第1空き部位60fや第2空き部位60gに設けることができる。このように第1空き部位60fや第2空き部位60gに配線やセンサ素子を集約することで、第2ケース60を第1ケース50の縦方向への投影面内に収めることを実現している。
(作用効果)
次に、本実施形態にかかる電池パック100の作用効果を説明する。
(連結モジュールについて)
上記したようにバスバー70と電圧検出線80とが互いに電気的に接続されつつ、バスバー70と電圧検出線80とが第2ケース60に機械的に接続されている。そしてバスバー70の連結端子70aと電圧検出線80の端子80aとが第2ケース60の表面60bで重なって互いに接触している。
したがって外部雰囲気温度の変動によって第2ケース60が膨張収縮したとしても、バスバー70と電圧検出線80とが離れることが抑制される。そのため、バスバー70と電圧検出線80との電気的な接続信頼性が低下することが抑制される。
バスバー70の連結端子70aと電圧検出線80の端子80aは素子締結部材91の軸部に挿入され、素子締結部材91の座金とナット92とによって挟持されている。そして素子締結部材91は、第2ケース60の表面60bに開口し、表面60bから対向面60aに向かって形成された非貫通のねじ孔にねじ締結される。
これによればバスバー70と電圧検出線80は素子締結部材91によって表面60bから対向面60aに向かって第2ケース60に押し付けられる。このため電池セルの膨張によってバスバー70と電圧検出線80が対向面60aから表面60bに向かって押圧されたとしても、バスバー70と電圧検出線80との接触が素子締結部材91とナット92とによって保持される。この結果、バスバー70と電圧検出線80との電気的な接続が不安定となることが抑制される。また、例えば、バスバーと電圧検出線とを電気的に接続する第1接続部材と、バスバーと電圧検出線とを第2ケースに機械的に接続する第2接続部材と、を有する構成と比べて部品点数の増大が抑制される。
第2ケース60には第1電圧検出線81〜第6電圧検出線86それぞれが個別に設けられる複数の第1個別溝69a〜第6個別溝69fが形成されている。第1電圧検出線81〜第6電圧検出線86それぞれの端子80aは個別溝の側壁によって周囲を囲まれている。これによれば電圧検出線80の揺動が抑制される。そのため電圧検出線80とバスバー70との電気的な接続が不安定となることが抑制される。
電圧検出線80は絶縁電線である。第2ケース60には、第1個別溝69a、第4個別溝69d、第5個別溝69e、および、第6個別溝69fそれぞれと連通される第1共通溝69gと、第2個別溝69bと第3個別溝69cそれぞれと連通される第2共通溝69hと、が形成されている。
これにより、第1共通溝69gにおいて第1電圧検出線81、第4電圧検出線84、第5電圧検出線85、および、第6電圧検出線86それぞれを互いに接触させて束ねることができる。第2共通溝69hにおいて第2電圧検出線82と第3電圧検出線83それぞれを互いに接触させて束ねることができる。
電池セルの正極端子10gと負極端子10hが横方向に離れている。そのために構成される第2ケース60の第1空き部位60fと第2空き部位60gそれぞれに電圧検出線80が設けられている。これによれば、空き部位の外に電圧検出線が設けられる構成と比べて、第2ケース60の体格の増大が抑制される。
第1空き部位60fや第2空き部位60gに配線やセンサ素子が集約されることで、第2ケース60が第1ケース50の縦方向への投影面内に収められている。これにより電池パック100の体格の増大が抑制されている。
バスバー70と電圧検出線80とを素子締結部材91によって電気的に接続した後に、バスバー70と電池セルの電極端子とをレーザ溶接する。これによれば、例えばバスバーと電池セルの電極端子とをレーザ溶接した後に、バスバーと電圧検出線とを電気的に接続する製造方法とは異なり、バスバーと電圧検出線とを電気的に接続する際のストレスが、バスバーと電池セルとの接続部位に付与されなくなる。この結果、バスバー70と電池セルとの電気的な接続信頼性が低下することが抑制される。
図9に示すようにパッキン10lと素子締結部材91とは縦方向で並んでいない。これによりパッキンと素子締結部材とが縦方向に並ぶ構成とは異なり、連結モジュール2の縦方向の体格の増大が抑制される。
(バスバーについて)
第1電池スタック10iと第2電池スタック10jとを電気的に接続する第2バスバー72と第4バスバー74それぞれの中央部に、第5ねじ孔65に対応する肉抜き部が形成されている。第1電池スタック10iは第1ねじ孔61および第2ねじ孔62と第5ねじ孔65との間に位置している。第2電池スタック10jは第3ねじ孔63および第4ねじ孔64と第5ねじ孔65との間に位置している。
このように、各電池スタックの横方向の両脇にねじ孔が位置している。これによれば電池スタックの数が増大したとしても、ねじ孔にねじ締結されるケース締結部材90の離間距離が長くなることが抑制される。本実施形態の場合、ねじ孔にねじ締結されるケース締結部材90を電池セル1つ分にすることができる。これにより電池セルの膨張を効果的に抑制することができる。この結果、電池セルとバスバー70との電気的な接続信頼性が低下することが抑制される。
またケース締結部材90は電池スタックの高さ以内に設けられる。これにより電池パック100の体格が高さ方向に長くなることが抑制される。
第1ねじ孔61および第2ねじ孔62それぞれと第5ねじ孔65との横方向の離間距離と、第3ねじ孔63および第4ねじ孔64それぞれと第5ねじ孔65との横方向の離間距離は等しくなっている。これによればケース締結部材90による第1電池スタック10iを構成する電池セルの膨張抑制と、第2電池スタック10jを構成する電池セルの膨張抑制とに差が生じることが抑制される。
製造バラツキのために接続対象の2つの電池セルの縦方向の位置がずれる虞がある。このように2つの電池セルの位置ずれが生じている状態で一方の正極端子10gと他方の負極端子10hそれぞれにバスバー70を接合する場合、電極端子とバスバー70とを接触させるためにバスバー70を縦方向に弾性変形させなくてはならない。正極端子10gと負極端子10hそれぞれとバスバー70との接合が終了するとバスバー70の弾性変形は解除される。この解除によりバスバー70は元の形に戻ろうとする。この際のバスバー70の復元力が正極端子10gと負極端子10hそれぞれとバスバー70の端部との接合部位に印加される。
また、各電池セルは経年劣化によって膨張するが、その膨張による体積の増大は一様ではない。この各電池セルの膨張具合の相違によっても正極端子10gと負極端子10hそれぞれとバスバー70の端部との接合部位に応力が印加されることになる。
これに対して、第2バスバー72は第1電池セル11の正極端子10gと接続される第1端部72a、第2電池セル12の負極端子10hと接続される第2端部72b、および、第1端部72aと第2端部72bとを中継する中央部72cを有する。第1端部72aと中央部72cとの境界、および、第2端部72bと中央部72cとの境界それぞれが屈曲している。
同様にして第4バスバー74は第3電池セル13の正極端子10gと接続される第1端部74a、第4電池セル14の負極端子10hと接続される第2端部74b、および、第1端部74aと第2端部74bとを中継する中央部74cを有する。第1端部74aと中央部74cとの境界および、第2端部74bと中央部74cとの境界それぞれが屈曲している。
これにより第1端部72aと第2端部72bのうちの一方と中央部72cそれぞれの弾性変形が、第1端部72aと第2端部72bのうちの他方に影響し難くなっている。同様にして、第1端部74aと第2端部74bのうちの一方と中央部74cそれぞれの弾性変形が、第1端部74aと第2端部74bのうちの他方に影響し難くなっている。
また中央部72cに肉抜き部72dが形成され、中央部74cに肉抜き部74dが形成されている。そのために中央部は弾性変形しやすくなっている。したがって中央部の弾性変形が端部と電極端子との接合部位に影響することが抑制される。
以上により、電極端子とバスバー70の端部との接合部位に応力が印加されることが抑制される。この結果、電池セルとバスバー70との電気的な接続信頼性が低下することが抑制される。
中央部72cにおける肉抜き部72dの形成部位の延長方向に直交する横幅の最短長は、中央部72cにおける肉抜き部72dの非形成部位の横幅の半分以上になっている。中央部74cにおける肉抜き部74dの形成部位の延長方向に直交する横幅の最短長は、中央部74cにおける肉抜き部74dの非形成部位の横幅の半分以上になっている。
これによれば肉抜き部の形成によってバスバーの抵抗が極端に高くなることが抑制される。
第2バスバー72の中央部72cにおける上側の端部が半円形に一部切欠くことで肉抜き部72dが形成され、第4バスバー74の中央部74cにおける下側の端部が半円形に一部切欠くことで肉抜き部74dが形成されている。この肉抜き部72dと肉抜き部74dとが高さ方向で並ぶことで、略円形の空間が形作られている。
第2ケース60の対向フランジ部60cに2つの肉抜き部に対応する1つの突起部67が形成されている。そして第2ケース60の表面60bにおける突起部67によって囲まれた部位に第5ねじ孔65が形成されている。
これによれば、1つのバスバーの肉抜き部に対して1つのねじ孔が第2ケースに形成される構成とは異なり、バスバーの抵抗の増大を抑制することができる。そのため電流損失の増大が抑制される。
また突起部67がガイドの機能を果たすので、第2ケース60に肉抜き部の形成されたバスバーを配置しやすくなる。
第2ケース60の表面60bにおける突起部67によって囲まれた部位に第5ねじ孔65が形成されている。このため、第5ねじ孔65にケース締結部材90を挿入する際、第2バスバー72および第4バスバー74それぞれとケース締結部材90との接触が抑制される。
(電池モジュールについて)
第1スタック収納空間50aの外側面に設けられたボルト締結部50fは第1フランジ部50dの縦方向への投影面内に収められている。同様にして第2スタック収納空間50bの外側面に設けられたボルト締結部50fは第2フランジ部50eの縦方向への投影面内に収められている。これにより電池パック100の体格の増大が抑制されている。
以上、本開示物の好ましい実施形態について説明したが、本開示物は上記した実施形態になんら制限されることなく、本開示物の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
(第1の変形例)
本実施形態では、第1スタック収納空間50aの外側面に設けられたボルト締結部50fは第1フランジ部50dの縦方向への投影面内に収められる例を示した。同様にして第2スタック収納空間50bの外側面に設けられたボルト締結部50fは第2フランジ部50eの縦方向への投影面内に収められる例を示した。しかしながら図11に示すように第1スタック収納空間50aの外側面に設けられたボルト締結部50fの一部が第1フランジ部50dの縦方向への投影面の外に位置する構成を採用することもできる。同様にして第2スタック収納空間50bの外側面に設けられたボルト締結部50fの一部が第2フランジ部50eの縦方向への投影面の外に位置する構成を採用することもできる。
(第2の変形例)
本実施形態では全てのバスバー70の連結端子70aが第1空き部位60fおよび第2空き部位60gに設けられる例を示した。しかしながら図12に示すように複数の連結端子70aのうちの一部が第2ケース60における第1空き部位60fおよび第2空き部位60g以外の部位に設けられた構成を採用することもできる。なお図12ではセンサ部40の有するセンサ素子が第2ケース60における第1空き部位60fおよび第2空き部位60g以外の部位に設けることが可能であることも示している。
(第3の変形例)
本実施形態では、図13の(a)欄に示すように、肉抜き部72dと肉抜き部74dとによって略円形状の空間が形成され、突起部67が円筒形状を成す例を示した。しかしながら肉抜き部72dと肉抜き部74dの形状、および、突起部67の形状としては上記例に限定されない。例えば図13の(b)欄に示すように、肉抜き部72dと肉抜き部74dとによって略四角形状の空間が形成され、突起部67が四角筒形状を成してもよい。また図13の(c)欄に示すように突起部67の側面に凸部67aが形成され、その凸部67aに応じた凹部70cが肉抜き部72dと肉抜き部74dに形成されてもよい。これにより突起部67に対する第2バスバー72と第4バスバー74の位置が定められる。
(第4の変形例)
本実施形態では、図14の(a)欄に示すように、第2バスバー72の中央部72cと第1端部72aとの境界、および、中央部72cと第2端部72bとの境界それぞれが直角に曲がっている例を示した。この境界の屈曲形状は第4バスバー74でも同一である。しかしながら例えば図14の(b)欄に示すように、中央部72cと第2端部72bとの境界それぞれが湾曲し、中央部72cが突起した形状を採用することもできる。第4バスバー74に対してももちろん採用することができる。
また図14の(a)欄において模式的に示すように、中央部72cの電池セル側と接触するガイド部60hが第2ケース60に形成されてもよい。第4バスバー74に対してもガイド部60hが第2ケース60に形成されてもよい。
(第5の変形例)
本実施形態ではリチウム蓄電池10が5つの電池セルを有する例を示した。しかしながらリチウム蓄電池10は複数の電池セルを有すればよく、上記例に限定されない。また電池スタックの数としても、2つではなく1つ若しくは3つ以上を採用することもできる。
(第6の変形例)
本実施形態では電池パック100に鉛蓄電池110が接続され、電池パック100がリチウム蓄電池10を有する例を示した。しかしながら電池パック100に対する鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の包含関係は上記例に限定されない。電池パック100は鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10の少なくとも一方を有する構成を採用することができる。若しくは、電池パック100が鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれを有さない構成を採用することもできる。この場合、電池パック100に鉛蓄電池110とリチウム蓄電池10それぞれが電気的に接続される。
(第7の変形例)
本実施形態では電源システム200を搭載する車両がアイドルストップ機能を有する例を示した。しかしながら電源システム200を搭載する車両としては上記例に限定されない。例えばハイブリッド自動車や電気自動車を採用することができる。この場合、本実施形態で示したスタータモータ120や回転電機130は、モータジェネレータに代わる。
(第8の変形例)
本実施形態では、スイッチ22が配線基板21に搭載される例を示した。しかしながらスイッチ22は配線基板21に電気的に接続されるだけでよく、配線基板21に直接搭載されなくともよい。この変形例の場合、例えばスイッチ22は絶縁性のフィルムを介して筐体に搭載される。これによりスイッチ22と筐体とが熱的に接続される。スイッチ22にて生じた熱は配線基板21ではなく筐体に積極的に流れる。これによりスイッチ22の放熱が促される。
上記したようにスイッチ22は第1スイッチ29〜第6スイッチ34を有する。これらのうちの一部を選択的に配線基板21に搭載しつつ、他を筐体に搭載してもよい。