以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態のカウンセリング支援装置を示す図である。カウンセリング支援装置1は、クライアントU1により利用されるカウンセリングのサービスの提供を支援する。カウンセリングは、例えば、クライアントU1が抱える悩みなどの心理的な負担を軽減するために、専門的な知識を有するカウンセラU2およびスーパーバイザU3により行われる。カウンセラU2は、クライアントU1の相談に応じる相談員である。スーパーバイザU3は、カウンセラU2を監督する監督者である。クライアント、カウンセラおよびスーパーバイザそれぞれは、複数存在し得る。1人のスーパーバイザは複数のカウンセラを監督することもある。
クライアントU1は、端末装置2を利用する。カウンセラU2は、端末装置3を利用する。スーパーバイザU3は、端末装置4を利用する。端末装置2,3,4それぞれは、演算装置、主記憶装置および補助記憶装置を有する。カウンセリング支援装置1および端末装置2,3,4は、ネットワーク5を介して接続されている。カウンセリングは、端末装置2と端末装置3,4との間のメッセージの送受信により行われる。メッセージは、例えば、文字列を示すテキストデータである。
カウンセリング支援装置1は、記憶部1aおよび処理部1bを有する。記憶部1aは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置でもよいし、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置でもよい。処理部1bは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを含み得る。処理部1bはプログラムを実行するプロセッサであってもよい。ここでいう「プロセッサ」には、複数のプロセッサの集合(マルチプロセッサ)も含まれ得る。
記憶部1aは、カウンセリングを行うカウンセラを示す第1の識別情報およびカウンセラを監督するスーパーバイザを示す第2の識別情報を記憶する。記憶部1aは、複数のカウンセラの複数の第1の識別情報を記憶し得る。記憶部1aは、複数のスーパーバイザの複数の第2の識別情報を記憶し得る。第1の識別情報は、カウンセラID(IDentifier)とも呼べる。第2の識別情報は、スーパーバイザIDとも呼べる。
例えば、カウンセラU2を、スーパーバイザU3が監督することが予め定められている場合もある。この場合、記憶部1aは、カウンセラU2のカウンセラIDとスーパーバイザU3のスーパーバイザIDとを予め関連付けて記憶してもよい。例えば、カウンセラU2のカウンセラIDは、“C0001”である。スーパーバイザU3のスーパーバイザIDは、“S0001”である。
処理部1bは、カウンセリングを受けるクライアントにより利用される第1の端末装置からインシデントの通知(インシデント通知)を受信する。例えば、処理部1bは、クライアントU1により利用される端末装置2からインシデント通知M1を受信する。クライアントU1は、カウンセリングを受けたい事象(インシデント)が生じると、端末装置2を操作して、インシデントの発生を入力する。すると、端末装置2は、インシデント通知M1をカウンセリング支援装置1に送信する。インシデント通知M1は、インシデントの新規発生を示す情報やクライアントU1のクライアントIDなどを含み得る。
処理部1bは、端末装置2により送信されたインシデント通知M1を受信すると、当該インシデントを示す第3の識別情報(インシデントID)を、第1の端末装置に送信する。例えば、処理部1bは、インシデントの通知に応じて、当該インシデントを示すインシデントID“I0001”を発行する。処理部1bは、インシデントID“I0001”を含むインシデントID通知M2を端末装置2に送信する。端末装置2は、インシデントID通知M2を受信する。端末装置2は、インシデントID通知M2に基づいて、インシデント通知M1で通知したインシデントに対するインシデントID“I0001”を取得し、記憶する。
処理部1bは、第1,第2および第3の識別情報を関連付ける管理情報6を記憶部1aに格納する。例えば、管理情報6は、インシデントID“I0001”(第3の識別情報の一例)と、カウンセラID“C0001”(第1の識別情報の一例)と、スーパーバイザID“S0001”(第2の識別情報の一例)とを関連付ける情報である。管理情報6は、インシデントID“I0001”のインシデントの担当として、カウンセラID“C0001”のカウンセラU2およびスーパーバイザID“S0001”のスーパーバイザU3が割り当てられていることを示す。
例えば、記憶部1aにおいて、カウンセラID“C0001”とスーパーバイザID“S0001”とが予め関連付けられている場合、処理部1bは、インシデントIDに対して、任意の方法により、カウンセラID、スーパーバイザIDの組を選択し得る。
一例では、記憶部1aは、クライアントU1の識別情報(クライアントID)に対して、カウンセラID“C0001”とスーパーバイザID“S0001”との組を予め関連付けて記憶してもよい。この場合、処理部1bは、インシデント通知と共に、クライアントU1のクライアントIDを受信する。そして、処理部1bは、当該クライアントIDに対応するカウンセラID“C0001”とスーパーバイザID“S0001”とを、新たに発行したインシデントID“I0001”に関連付ける。
他の例では、クライアントIDと、カウンセラIDおよびスーパーバイザIDの組とが予め関連付けられていない場合も考えられる。この場合、例えば、処理部1bは、現在担当しているインシデントの数が最小のカウンセラまたはスーパーバイザを含む組を、新規のインシデントに割り当ててもよい。
更に別の例では、カウンセラIDおよびスーパーバイザIDが予め関連付けられていない場合も考えられる。この場合、処理部1bは、記憶部1aに記憶された複数のカウンセラIDの中から順番に1つを選択してもよい。また、処理部1bは、記憶部1aに記憶された複数のスーパーバイザIDの中から順番に1つを選択して、インシデントIDと関連付けてもよい。または、処理部1bは、現在担当しているインシデントの数が最小のカウンセラやスーパーバイザを新規のインシデントに割り当ててもよい。
処理部1bは、第3の識別情報(インシデントID)に関連するメッセージを第1の端末装置から受信すると、当該メッセージを記憶部1aに格納する。例えば、クライアントU1は、端末装置2を操作して、インシデントID“I0001”に対応する相談内容を示すテキストを端末装置2に入力する。なお、クライアントU1による当該テキストの入力は、端末装置2によるインシデント通知M1の送信前に行われてもよいし、端末装置2によるインシデントID通知M2の受信後に行われてもよい。端末装置2は、当該テキストおよびインシデントID“I0001”を含むメッセージM3を生成し、カウンセリング支援装置1に送信する。処理部1bは、メッセージM3を端末装置2から受信すると、メッセージM3を記憶部1aに格納する。なお、端末装置2は、メッセージM3をインシデント通知M1と共に、カウンセリング支援装置1に送信してもよい。
処理部1bは、記憶部1aに記憶された管理情報6に基づいて、第3の識別情報に関連付けられた第1の識別情報に対応する第2の端末装置、および、第2の識別情報に対応する第3の端末装置に、記憶部1aに格納したメッセージ(あるいは、当該メッセージの複製)を送信する。なお、当該メッセージの送信を行うために、例えば、記憶部1aは、第1の識別情報と第2の端末装置のアドレスとの対応関係、および、第2の識別情報と第3の端末装置のアドレスとの対応関係を予め記憶してもよい。あるいは、処理部1bは、第1の識別情報によるログインを受け付けた端末装置を第2の端末装置と特定してもよい。また、処理部1bは、第2の識別情報によるログインを受け付けた端末装置を第3の端末装置と特定してもよい。
例えば、処理部1bは、管理情報6に基づいて、メッセージM3に含まれるインシデントID“I0001”に関連付けられたカウンセラID“C0001”、および、スーパーバイザID“S0001”を特定する。
処理部1bは、カウンセラID“C0001”に対応する端末装置3にメッセージM3の複製であるメッセージM3aを送信する(「端末装置3にメッセージM3を送信する」といってもよい)。すると、カウンセラU2は、端末装置3を用いて、メッセージM3aの内容(すなわち、メッセージM3の内容)を確認することができる。
また、処理部1bは、スーパーバイザID“S0001”に対応する端末装置4にメッセージM3の複製であるメッセージM3bを送信する(「端末装置4にメッセージM3を送信する」といってもよい)。すると、スーパーバイザU3は、端末装置4を用いて、メッセージM3bの内容(すなわち、メッセージM3の内容)を確認することができる。
これにより、カウンセラU2だけでなく、スーパーバイザU3も、クライアントU1により入力された相談内容を確認可能になる。処理部1bは、インシデント毎の担当のカウンセラU2およびスーパーバイザU3を管理情報6により適切に管理し、カウンセラU2の端末装置3およびスーパーバイザU3の端末装置4に対して、メッセージM3a,M3bを適切に送信できる。
ここで、例えば、スーパーバイザによる監督の方法として、スーパーバイザにより、カウンセラによるカウンセリングの映像・音声を同時にチェックさせることも考えられる。しかし、スーパーバイザが並行して複数のカウンセリングの監督を行う場合、あるカウンセリングの映像・音声をチェックしているときに、別のカウンセリングの映像・音声をチェックすることは難しい。これに対して、カウンセリング支援装置1によれば、スーパーバイザU3は、端末装置4に対して送信された当該メッセージM3bの内容を閲覧することで、相談内容を確認できる。このため、例えば、スーパーバイザU3が同時に複数のカウンセラによるカウンセリングを監督する場合にも、各カウンセラが担当する各クライアントからのメッセージを適切に確認することができる。
また、クライアントU1、カウンセラU2およびスーパーバイザU3は、同じ場所に集まらなくてもよく、また、端末装置2,3,4の前に同時刻に在席していなくてもよい。このため、メッセージM3の内容に対して、カウンセラU2がスーパーバイザU3による指導を受ける機会を容易に確保可能となる。
こうして、カウンセリング支援装置1によれば、クライアントU1に対するカウンセリングの品質を向上できる。
なお、処理部1bは、カウンセラU2による端末装置3への指示入力に応じて、メッセージM3aを端末装置3に送信してもよい。あるいは、処理部1bは、スーパーバイザU3による端末装置4への指示入力に応じて、メッセージM3bを端末装置4に送信してもよい。
より具体的には、処理部1bは、カウンセラU2およびスーパーバイザU3にインシデントID“I0001”のインシデントが割り当てられ、当該インシデントに対応するメッセージM3を受信したことを、端末装置3に通知してもよい。この場合、カウンセラU2は、端末装置3を操作して、当該通知を確認し、メッセージM3の閲覧要求を端末装置3に入力する。端末装置3は、閲覧要求の入力に応じて、メッセージM3の送信要求をカウンセリング支援装置1に送信する。処理部1bは、当該送信要求を受信すると、記憶部1aに記憶されたメッセージM3を複製してメッセージM3aを生成し、メッセージM3aを端末装置3に送信する。
同様に、処理部1bは、カウンセラU2およびスーパーバイザU3に、インシデントID“I0001”のインシデントが割り当てられ、当該インシデントに対応するメッセージM3を受信したことを端末装置4に通知してもよい。この場合、スーパーバイザU3は、端末装置4を操作して、当該通知を確認し、メッセージM3の閲覧要求を端末装置4に入力する。端末装置4は、閲覧要求の入力に応じて、メッセージM3の送信要求をカウンセリング支援装置1に送信する。処理部1bは、当該送信要求を受信すると、記憶部1aに記憶されたメッセージM3を複製してメッセージM3bを生成し、メッセージM3bを端末装置4に送信する。
このように、処理部1bは、カウンセラU2による指示に応じて、メッセージM3aを端末装置3に送信してもよい。また、処理部1bは、スーパーバイザU3による指示に応じて、メッセージM3bを端末装置4に送信してもよい。これにより、例えば、スーパーバイザU3は、自身が気にかけるカウンセラ(例えば、カウンセラU2)が担当するインシデントに絞って、メッセージの内容を確認できるようになる。
更に、処理部1bは、端末装置3から端末装置2へ相談内容に対する返信メッセージが送信されたか否かを示す情報、および、返信メッセージが送信された場合に当該返信メッセージを端末装置4に送信してもよい。このようにすると、例えば、スーパーバイザU3は、端末装置4を用いて、クライアントU1からの相談内容に対して、カウンセラU2から所定時間内にクライアントU1へ返信があったか否かを確認可能になる。また、返信があった場合に、スーパーバイザU3は、カウンセラU2の返信内容を確認し、カウンセラU2を監督できる。返信がない場合にも、スーパーバイザU3によるカウンセラU2への指導が可能になる。
このとき、処理部1bは、カウンセラU2とスーパーバイザU3との間で交わされるメッセージ(例えば、スーパーバイザU3による指導内容や当該指導内容に対するカウンセラU2の応答など)の、端末装置3,4の間での送受信を中継する。処理部1bは、カウンセラU2とスーパーバイザU3との間で交わされるメッセージを、端末装置2には送信しないように制御する。これにより、カウンセラU2とスーパーバイザU3との間の指導に関するやりとりを、クライアントU1との相談のやりとりとは別個に行うことが可能になり、カウンセラU2とスーパーバイザU3との間のやりとりをクライアントU1に意識させずに済む。
また、処理部1bは、クライアントU1からの相談内容に対して、端末装置3から端末装置2への返信がない場合、カウンセラU2の代わりにスーパーバイザU3により入力された返信メッセージを端末装置4から受信し、端末装置2に送信してもよい。これにより、クライアントU1からの相談に対する対応の遅延や漏れを防ぐことができる。
また、カウンセラU2やスーパーバイザU3の都合により、現在対応中のインシデントID“I0001”の担当を変更することもある。この場合、処理部1bは、管理情報6において、インシデントID“I0001”に関連付けられているカウンセラIDやスーパーバイザIDを別のカウンセラやスーパーバイザのIDに変更することで、担当を変更可能である。これにより、該当のインシデントを担当するカウンセラやスーパーバイザを容易に変更することができ、カウンセリングサービスの提供の円滑化を図れる。
以下では、より具体的な情報処理システムを例示して、カウンセリング支援装置1の機能を詳細に説明する。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態のカウンセリング支援システムの例を示す図である。カウンセリング支援システムは、利用者(クライアント)U11に対するカウンセリングの提供を支援する。カウンセリングは、カウンセラU21により行われる。カウンセラU21には、スーパーバイザU31が監督者として割り当てられる。利用者、カウンセラおよびスーパーバイザそれぞれは、複数存在し得る。1人のスーパーバイザは複数のカウンセラを監督することもある。
カウンセリング支援システムは、サーバ100および端末装置200,300,400を含む。
サーバ100および端末装置300,400は、ネットワーク10に接続されている。ネットワーク10は、例えば、LAN(Local Area Network)である。ネットワーク10は、ネットワーク20に接続されている。ネットワーク20は、例えば、インターネットなどの広域ネットワークである。端末装置200は、ネットワーク20に接続されている。
サーバ100は、インシデントを担当するカウンセラおよびスーパーバイザを管理するサーバコンピュータである。インシデントは、利用者からの1つの相談を管理するための単位である。サーバ100は、インシデントにより関連付けられた各端末装置により送信されたメッセージを受信し、受信元とは別の端末装置に当該メッセージを送信する。このとき、サーバ100は、メッセージに応じて、送信先の端末装置を選択する。サーバ100は、第1の実施の形態のカウンセリング支援装置1の一例である。
端末装置200は、利用者U11により利用されるクライアントコンピュータである。端末装置200は、利用者U11によるインシデント発生の入力を受け付ける。端末装置200は、インシデント発生の入力に応じて、インシデント発生の通知をサーバ100に送信する。端末装置200は、利用者U11によるメッセージの入力の受付や、入力されたメッセージのサーバ100への送信を行う。また、端末装置200は、カウンセラU21により端末装置300に入力されたメッセージや、スーパーバイザU31により端末装置400に入力されたメッセージを、サーバ100を介して受信する。端末装置200は、受信したメッセージの内容を表示する。端末装置200は、第1の実施の形態の端末装置2の一例である。
端末装置300は、カウンセラU21により利用されるクライアントコンピュータである。端末装置300は、カウンセラU21によるメッセージの入力の受付や、入力されたメッセージのサーバ100への送信を行う。また、端末装置300は、利用者U11により端末装置200に入力されたメッセージや、スーパーバイザU31により端末装置400に入力されたメッセージを、サーバ100を介して受信する。端末装置300は、受信したメッセージの内容を表示する。端末装置300は、第1の実施の形態の端末装置3の一例である。
端末装置400は、スーパーバイザU31により利用されるクライアントコンピュータである。端末装置400は、スーパーバイザU31によるメッセージの入力の受付や、入力されたメッセージのサーバ100への送信を行う。また、端末装置400は、利用者U11により端末装置200に入力されたメッセージや、カウンセラU21により端末装置
300に入力されたメッセージを、サーバ100を介して受信する。端末装置400は、受信したメッセージの内容を表示する。端末装置400は、第1の実施の形態の端末装置4の一例である。
ここで、メッセージは、テキストの情報であり、第2の実施の形態のカウンセリング支援システムは、テキストベースでのカウンセリングの提供を支援する。
図3は、サーバのハードウェア例を示す図である。サーバ100は、プロセッサ101、RAM102、HDD103、画像信号処理部104、入力信号処理部105、媒体リーダ106およびNIC(Network Interface Card)107を有する。各ハードウェアはサーバ100のバスに接続されている。
プロセッサ101は、サーバ100の情報処理を制御するハードウェアである。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU、DSP、ASICまたはFPGAなどである。プロセッサ101は、CPU、DSP、ASIC、FPGAなどのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
RAM102は、サーバ100の主記憶装置である。RAM102は、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM102は、プロセッサ101による処理に用いる各種データを記憶する。
HDD103は、サーバ100の補助記憶装置である。HDD103は、内蔵した磁気ディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データを記憶する。サーバ100は、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの他の種類の補助記憶装置を備えてもよく、複数の補助記憶装置を備えてもよい。
画像信号処理部104は、プロセッサ101からの命令に従って、サーバ100に接続されたディスプレイ11に画像を出力する。ディスプレイ11として、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどを用いることができる。
入力信号処理部105は、サーバ100に接続された入力デバイス12から入力信号を取得し、プロセッサ101に出力する。入力デバイス12として、例えば、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイス、キーボードなどを用いることができる。
媒体リーダ106は、記録媒体13に記録されたプログラムやデータを読み取る装置である。記録媒体13として、例えば、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)を使用できる。また、記録媒体13として、例えば、フラッシュメモリカードなどの不揮発性の半導体メモリを使用することもできる。媒体リーダ106は、例えば、プロセッサ101からの命令に従って、記録媒体13から読み取ったプログラムやデータをRAM102またはHDD103に格納する。
NIC107は、ネットワーク10を介して他の装置と通信を行う。NIC107は、有線通信インタフェースでもよいし、無線通信インタフェースでもよい。
端末装置200,300,400もサーバ100と同様のハードウェアを用いて実現できる。
図4は、サーバの機能例を示す図である。サーバ100は、記憶部110、ユーザ管理部120、インシデント管理部130およびメッセージ通信部140を有する。記憶部110は、RAM102やHDD103の記憶領域により実現される。ユーザ管理部120、インシデント管理部130およびメッセージ通信部140は、プロセッサ101により実現される。例えば、プロセッサ101は、RAM102に記憶されたプログラムを実行することで、ユーザ管理部120、インシデント管理部130およびメッセージ通信部140の機能を発揮する。あるいは、ユーザ管理部120、インシデント管理部130およびメッセージ通信部140は、FPGAやASICなどのハードワイヤードロジックにより実現されてもよい。
記憶部110は、利用者、カウンセラおよびスーパーバイザのアカウントや、インシデントを管理するための情報を記憶する。
ユーザ管理部120は、利用者、カウンセラおよびスーパーバイザのアカウントの登録を行う。また、ユーザ管理部120は、利用者、カウンセラおよびスーパーバイザのログイン認証を行う。
インシデント管理部130は、インシデント発生の通知を端末装置200から受け付け、該当のインシデントの識別情報であるインシデントIDの発行、および、該当のインシデントを担当するカウンセラおよびスーパーバイザの割り当てを行う。また、インシデント管理部130は、インシデント毎に、インシデント対応空間と呼ばれる記憶領域を記憶部110に設け、インシデント対応空間によりインシデント毎の情報を管理する。
メッセージ通信部140は、端末装置200,300,400それぞれからメッセージを受信し、記憶部110に格納する。メッセージ通信部140は、記憶部110に格納したメッセージを、メッセージの種類に応じて、送信元とは別の端末装置に送信する。
例えば、メッセージ通信部140は、端末装置200から受信した相談内容を示すメッセージを、端末装置300,400からの要求に応じて、端末装置300,400に送信する。
また、メッセージ通信部140は、端末装置300から受信した相談内容に対する返信内容を示すメッセージを、端末装置200,400からの要求に応じて、端末装置200,400に送信する。
また、メッセージ通信部140は、端末装置400から受信した相談内容に対する返信内容を示すメッセージを、端末装置200,300からの要求に応じて、端末装置200,300に送信する。
更に、メッセージ通信部140は、端末装置300から受信したカウンセラU21からスーパーバイザU31に対する相談用のメッセージを、端末装置400からの要求に応じて、端末装置400に送信する。メッセージ通信部140は、端末装置400から受信したカウンセラU21およびスーパーバイザU31の間の指導用のメッセージを、端末装置300からの要求に応じて、端末装置300に送信する。メッセージ通信部140は、カウンセラU21とスーパーバイザU31との間でやりとりされる相談用のメッセージや指導用のメッセージを、端末装置200に送信しない。
図5は、インシデントテーブルの例を示す図である。インシデントテーブル111は、インシデントIDと利用者の識別情報(利用者ID)との対応関係を管理するためのテーブルである。インシデントテーブル111は、記憶部110に格納される。インシデントテーブル111は、インシデントIDおよび利用者IDの項目を含む。インシデントIDには、インシデントの識別情報(インシデントID)が登録される。利用者IDの項目には、利用者の識別情報(利用者ID)が登録される。
例えば、インシデントテーブル111には、インシデントIDが“i01”、利用者IDが“u01”というレコードが登録されている。このレコードは、インシデントID“i01”のインシデントが利用者ID“u01”の利用者に関連付けられていることを示す。ここで、利用者ID“u01”は、利用者U11の利用者IDであるとする。
なお、インシデント管理部130は、インシデントテーブル111を設ける代わりに、インシデントIDとして利用者IDを含むIDを作成することで、インシデントIDを利用者IDに関連付けてもよい。
図6は、インシデント担当管理テーブルの例を示す図である。インシデント担当管理テーブル112は、インシデントを担当するカウンセラのカウンセラIDおよびスーパーバイザのスーパーバイザIDを管理するためのテーブルである。インシデント担当管理テーブル112は、記憶部110に格納される。インシデント担当管理テーブル112は、インシデントID、カウンセラIDおよびスーパーバイザIDの項目を含む。
インシデントIDの項目には、インシデントIDが登録される。カウンセラIDの項目には、カウンセラの識別情報(カウンセラID)が登録される。スーパーバイザIDの項目には、スーパーバイザの識別情報(スーパーバイザID)が登録される。
例えば、インシデント担当管理テーブル112には、インシデントIDが“i01”、カウンセラIDが“c01”、スーパーバイザIDが“s01”というレコードが登録されている。このレコードは、インシデントID“i01”のインシデントを、カウンセラID“c01”のカウンセラおよびスーパーバイザID“s01”のスーパーバイザが担当することを示す。ここで、カウンセラID“c01”は、カウンセラU21のカウンセラIDであるとする。また、スーパーバイザID“s01”は、スーパーバイザU31のスーパーバイザIDであるとする。
図7は、メッセージ管理テーブルの例を示す図である。メッセージ管理テーブル113は、端末装置200,300,400の間で送受信されるメッセージを管理するためのテーブルである。メッセージ管理テーブル113は、記憶部110に格納される。メッセージ管理テーブル113は、インシデントID、受信時刻、送信元、送信先、件名およびメッセージの項目を含む。
インシデントIDの項目には、インシデントIDが登録される。受信時刻の項目には、メッセージを受信した時刻が登録される。送信元の項目には、メッセージの送信元の人物のIDが登録される。送信先の項目には、メッセージの送信先の人物のIDが登録される。例えば、メッセージの送信元が利用者であれば、メッセージの送信先はカウンセラである。メッセージの送信元がカウンセラであれば、メッセージの送信先は、利用者またはスーパーバイザである。メッセージの送信元がスーパーバイザであれば、メッセージの送信先は、利用者またはカウンセラである。件名の項目には、メッセージの件名が登録される。メッセージの項目には、メッセージの内容を示すテキストまたは当該テキストを含むテキストファイルを示すリンクが登録される。
例えば、メッセージ管理テーブル113には、インシデントIDが“i01”、受信時刻が“t1”、送信元が“u01”、送信先が“c01”、件名が“XXX”、メッセージが“YYY”というレコードが登録されている。このレコードは、インシデントID“i01”について、サーバ100が利用者U11から時刻“t1”にメッセージを受信していることを示す。また、メッセージの送信先がカウンセラU21であり、メッセージの件名が“XXX”であり、メッセージの内容が“YYY”であることを示す。
図8は、カウンセラ管理テーブルの例を示す図である。カウンセラ管理テーブル114は、スーパーバイザとカウンセラとの関連付けを管理するためのテーブルである。カウンセラ管理テーブル114は、記憶部110に格納される。カウンセラ管理テーブル114は、スーパーバイザIDおよびカウンセラIDの項目を含む。
スーパーバイザIDの項目には、スーパーバイザIDが登録される。カウンセラIDの項目には、カウンセラIDが登録される。
例えば、カウンセラ管理テーブル114には、スーパーバイザIDが“s01”、カウンセラIDが“c01”というレコードが登録されている。このレコードは、スーパーバイザID“s01”のスーパーバイザU31が、カウンセラID“c01”のカウンセラU21の監督者であることを示す。
図9は、インシデント対応管理テーブルの例を示す図である。インシデント対応管理テーブル115は、インシデントの現在の状況を管理するためのテーブルである。インシデント対応管理テーブル115は、記憶部110に格納される。インシデント対応管理テーブル115は、インシデントID、受信時刻、カウンセラ閲覧時刻、カウンセラ返信時刻、発言権フラグ、スーパーバイザ閲覧時刻、スーパーバイザ返信時刻および完了フラグの項目を含む。
インシデントIDの項目には、インシデントIDが登録される。受信時刻の項目には、該当のインシデントについて、クライアントの端末装置から受信した最新のメッセージの受信時刻が登録される。カウンセラ閲覧時刻の項目には、クライアントからの当該メッセージをカウンセラが閲覧した時刻が登録される。カウンセラ返信時刻の項目には、クライアントからの当該メッセージに対してカウンセラが返信した時刻が登録される。発言権フラグの項目には、担当のカウンセラに発言権があるか否かを示すフラグ(発言権フラグ)が登録される。ここで、発言権は、クライアントからの相談内容に対して返信する権限である。担当のカウンセラおよびスーパーバイザの何れか一方が発言権を保有する。発言権フラグ“true”は、カウンセラに発言権があることを示す。発言権フラグ“true”は、スーパーバイザに発言権がないことを示す。発言権フラグ“false”は、カウンセラに発言権がないことを示す。発言権フラグ“false”は、スーパーバイザに発言権があることを示す。発言権フラグのデフォルトの設定は、“true”である。スーパーバイザ閲覧時刻の項目には、クライアントからの当該メッセージをスーパーバイザが閲覧した時刻が登録される。スーパーバイザ返信時刻の項目には、クライアントからの当該メッセージに対してスーパーバイザが返信した時刻が登録される。完了フラグの項目には、該当のインシデントが完了したか否かを示すフラグ(完了フラグ)が登録される。完了フラグ“true”は、該当のインシデントが完了したことを示す。完了フラグ“false”は、該当のインシデントが完了していない(すなわち、相談が継続している)ことを示す。完了フラグのデフォルトの設定は、“false”である。
なお、カウンセラ閲覧時刻、カウンセラ返信時刻、スーパーバイザ閲覧時刻およびスーパーバイザ返信時刻の各項目は、当初設定なし(図中、設定なしをハイフン記号“−”で示している)である。
例えば、インシデント対応管理テーブル115には、インシデントIDが“i01”、受信時刻が“t1”、カウンセラ閲覧時刻が“t2”、カウンセラ返信時刻が“t3”、発言権フラグが“true”、スーパーバイザ閲覧時刻が“t4”、スーパーバイザ返信時刻が“−”(設定なし)、完了フラグが“false”というレコードが登録されている。このレコードは、インシデントID“i01”のインシデントについて、利用者U11からのメッセージを時刻t1に受信しており、当該メッセージを、時刻t2にカウンセラU21が閲覧したことを示す。また、当該メッセージに対して、時刻t3にカウンセラU21が返信したことを示す。また、現在、カウンセラU21が発言権を有し、スーパーバイザU31が発言権を有さないことを示す。更に、利用者U11からのメッセージをスーパーバイザU31が時刻t4に閲覧したこと、スーパーバイザU31は、当該メッセージに返信していないこと、および、該当のインシデントは未完了であることを示す。
図10は、カウンセラ画面の例を示す図である。カウンセラ画面500は、カウンセラU21が、自身の担当するカウンセリングのメッセージの受信状況を確認するための画面である。例えば、カウンセラ画面500は、端末装置300により表示され、カウンセラU21に対して提示される。端末装置300は、カウンセラU21が担当するインシデントのインシデントIDをキーに、インシデントテーブル111、インシデント担当管理テーブル112、メッセージ管理テーブル113およびインシデント対応管理テーブル115における当該キーを含むレコードの情報をサーバ100から取得する。端末装置300は、サーバ100から取得した情報に基づいて、カウンセラ画面500を生成する。カウンセラU21は、端末装置300に接続されたポインティングデバイスを操作して、ポインタ501を操作し、カウンセラ画面500に表示された項目を選択する。
例えば、カウンセラ画面500は、カウンセラU21が担当するインシデントのリストを含む。具体的には、カウンセラ画面500には、インシデントID、受信時刻、利用者、発言権、返信時刻、件名、スーパーバイザおよび完了の項目が表示される。
インシデントIDの項目には、インシデントIDが表示される。受信時刻の項目には、サーバ100によるメッセージの受信時刻が表示される。利用者の項目には、カウンセリングを受けている利用者の利用者IDが表示される。発言権の項目には、カウンセラU21に現在発言権があるか否かを示す文字列(発言権ありの場合“あり”、発言権なしの場合“なし”)が表示される。返信時刻の項目には、クライアントから受信したメッセージに対して返信した時刻が表示される。件名の項目には、該当の受信時刻において受信されたメッセージの件名が表示される。スーパーバイザの項目には、カウンセラU21を監督するスーパーバイザU31のスーパーバイザIDが表示される。完了の項目には、該当のインシデントが完了したか否かを示す文字列(完了の場合“完了”、未完了の場合“未完了”)が表示される。
例えば、カウンセラ画面500には、インシデントIDが“i01”、受信時刻が“t1”、利用者が“u01”、発言権が“あり”、返信時刻が“t3”、件名が“XXX”、スーパーバイザが“s01”、完了が“未完了”というレコードが表示されている。
このレコードは、カウンセラU21がインシデントID“i01”のインシデントを担当しており、サーバ100が時刻t1に件名“XXX”のメッセージを受信していることを示す。また、当該インシデントが利用者ID“u01”の利用者U11に対するカウンセリングであること、カウンセラU21に現在発言権があることを示す。また、利用者U11からのメッセージに対して、時刻t3に返信済であること、当該インシデントが未完了であることを示す。
例えば、カウンセラU21は、カウンセラ画面500において、確認したいインシデントに相当するレコードをポインタ501により選択する。すると、端末装置200は、該当のインシデントに対応するメッセージの履歴をサーバ100から取得し、当該メッセージの履歴を含むインシデント対応画面を表示する。
また、カウンセラ画面500に複数のレコードが登録されている場合、端末装置300は、カウンセラU21により指定された任意の項目に関して、複数のレコードをソート表示可能である。
図11は、スーパーバイザ画面の例を示す図である。スーパーバイザ画面600は、スーパーバイザU31が、自身の担当するカウンセリングのメッセージの受信状況を確認するための画面である。例えば、スーパーバイザ画面600は、端末装置400により表示され、スーパーバイザU31に提示される。端末装置400は、スーパーバイザU31が担当するインシデントのインシデントIDをキーに、インシデントテーブル111、インシデント担当管理テーブル112、メッセージ管理テーブル113およびインシデント対応管理テーブル115における当該キーを含むレコードの情報をサーバ100から取得する。端末装置400は、サーバ100から取得した情報に基づいて、スーパーバイザ画面600を生成する。スーパーバイザU31は、端末装置400に接続されたポインティングデバイスを操作して、ポインタ601を操作し、スーパーバイザ画面600に表示された項目を選択する。
例えば、スーパーバイザ画面600は、スーパーバイザU31が担当するインシデントのリストを含む。具体的には、スーパーバイザ画面600には、インシデントID、受信時刻、利用者、カウンセラ、閲覧時刻、返信時刻、発言権、件名および完了の項目が表示される。
インシデントIDの項目には、インシデントIDが表示される。受信時刻の項目には、サーバ100によるメッセージの受信時刻が表示される。利用者の項目には、カウンセリングを受けている利用者の利用者IDが表示される。カウンセラの項目には、カウンセリングを担当するカウンセラのカウンセラIDが表示される。閲覧時刻の項目には、利用者からのメッセージを担当のカウンセラが閲覧した時刻が表示される。返信時刻の項目には、利用者からのメッセージに対して担当のカウンセラが返信した時刻が表示される。発言権の項目には、スーパーバイザU31に現在発言権があるか否かを示す文字列(発言権ありの場合“あり”、発言権なしの場合“なし”)が表示される。件名の項目には、該当の受信時刻において受信されたメッセージの件名が表示される。完了の項目には、該当のインシデントが完了したか否かを示す文字列(完了の場合“完了”、未完了の場合“未完了”)が表示される。
例えば、スーパーバイザ画面600には、インシデントIDが“i01”、受信時刻が“t1”、利用者が“u01”、カウンセラが“c01”、閲覧時刻が“t2”、返信時刻が“t3”、発言権が“なし”、件名が“XXX”、完了が“未完了”というレコードが表示されている。
このレコードは、スーパーバイザU31がインシデントID“i01”のインシデントを担当しており、サーバ100が時刻t1に件名“XXX”のメッセージを受信していることを示す。また、当該インシデントが利用者ID“u01”の利用者U11に対するカウンセリングであること、スーパーバイザU31に現在発言権がないことを示す。また、利用者U11からのメッセージを、カウンセラU21が時刻t2に閲覧したこと、当該メッセージに対して、カウンセラU21が時刻t3に返信したことを示す。更に、インシデントID“i01”のインシデントが未完了であることを示す。
例えば、スーパーバイザU31は、スーパーバイザ画面600において、確認したいインシデントに相当するレコードをポインタ601により選択する。すると、端末装置300は、該当のインシデントに対応するメッセージの履歴をサーバ100から取得し、当該メッセージの履歴を表示する。
なお、スーパーバイザ画面600は、例えば、アラーム(警告)の表示を含んでもよい。具体的には、インシデント管理部130は、利用者U11からのメッセージの受信時刻から所定時間以内にカウンセラU21によるメッセージの閲覧がない場合に、当該インシデントIDのレコードを強調表示することが考えられる。あるいは、インシデント管理部130は、利用者U11からのメッセージの受信時刻や閲覧時刻などから所定時間以内にカウンセラU21によるメッセージへの返信がない場合に、当該インシデントIDのレコードを強調表示することが考えられる。また、アラームの表示の形態は、強調表示に限らず、スーパーバイザ画面600にアラームの項目を追加し、当該アラームの項目において、アラーム対象かアラーム非対象かを表示してもよいし、音声により警告内容を通知してもよい。
また、スーパーバイザ画面600に複数のレコードが登録されている場合、端末装置400は、スーパーバイザU31により指定された任意の項目に関して、複数のレコードをソート表示可能である。
図12は、利用者画面の例を示す図である。利用者画面700は、端末装置200により表示され、利用者U11に提示される画面である。例えば、利用者U11は、端末装置200により表示された自身に関連するインシデントIDや、インシデントの件名のリストを参照して、何れかのインシデントを選択することで、端末装置200に利用者画面700を表示させる。
端末装置200は、インシデントIDをキーに、サーバ100からメッセージ管理テーブル113の情報を取得し、取得した情報に基づいて、利用者画面700を表示する。このとき、サーバ100から端末装置200に提供される情報は、メッセージ管理テーブル113のうち、送信元または送信先に、利用者U11の利用者IDを含むレコードに限られる。
利用者画面700は、利用者U11とカウンセラU21(およびスーパーバイザU31)との間で交わされたメッセージの履歴を表示する。利用者画面700の上から下へ向かう方向が時系列の正方向である。また、利用者画面700は、レーンL11,L12に分かれている。レーンL11は、利用者U11が発したメッセージの履歴を表示する領域である。レーンL12は、カウンセラU21(およびスーパーバイザU31)が発したメッセージの履歴を表示する領域である。レーンL12は、カウンセリングの相談窓口からのメッセージの履歴を表示する領域であるともいえる。
例えば、レーンL11,L12には、メッセージ701,702,703,704が時系列の順に表示されている。メッセージ701,702,703,704それぞれは、サーバ100による各メッセージの受信時刻(当該受信時刻をメッセージが発せられた時刻とする)が付されて表示されてもよい。メッセージ701,703は、レーンL11に属する。メッセージ702,704は、レーンL12に属する。
具体的には、メッセージ701は、利用者U11により10時00分00秒に発せられたメッセージである。メッセージ702は、メッセージ701に応じて、カウンセラU21により11時00分00秒に発せられたメッセージである。メッセージ703は、メッセージ702に応じて、利用者U11により15時00分00秒に発せられたメッセージである。メッセージ704は、スーパーバイザU31により17時00分00秒に発せられたメッセージである。
なお、メッセージ702とメッセージ704とでは、発した人物が、カウンセラU21とスーパーバイザU31とで異なる。利用者画面700では、カウンセラU21およびスーパーバイザU31の何れの人物がメッセージ702,704を発したかを見分けることはできない。このため、利用者U11は、返信メッセージを発する人物の切り替わりを意識せずに、カウンセリングを受けることができる。
また、利用者U11は、利用者画面700を確認して、新規のメッセージを端末装置200に入力する。利用者画面700は、メッセージ入力用のテキストボックスやメッセージ送信用の送信ボタンなどを含む画面を表示するためのボタンを含んでもよい。あるいは、利用者画面700は、画面の下部などに、メッセージ入力用のテキストボックスやメッセージ送信用の送信ボタンを含んでもよい。
図13は、インシデント対応画面の例を示す図である。インシデント対応画面800は、端末装置300により表示され、カウンセラU21に提示される画面である。例えば、カウンセラU21は、端末装置300により表示されたカウンセラ画面500において、確認したいインシデントを選択することで、端末装置300にインシデント対応画面800を表示させる。
また、インシデント対応画面800は、端末装置400により表示され、スーパーバイザU31に提示される画面でもある。例えば、スーパーバイザU31は、端末装置400により表示されたスーパーバイザ画面600において、確認したいインシデントを選択することで、端末装置400にインシデント対応画面800を表示させる。
端末装置300,400は、選択されたインシデントのインシデントIDをキーに、サーバ100からメッセージ管理テーブル113の情報を取得し、取得した情報に基づいて、インシデント対応画面800を表示する。
インシデント対応画面800は、利用者U11とカウンセラU21とスーパーバイザU31との間で交わされたメッセージの履歴を表示する。インシデント対応画面800の上から下へ向かう方向が時系列の正方向である。
インシデント対応画面800には、「インシデント対応空間(インシデントID:i01)」の文字列が表示され、インシデント対応画面800が、インシデントID“i01”に対応するものであることを示す。
また、インシデント対応画面800は、カウンセラコクピット801およびスーパーバイザコクピット802を有する。カウンセラコクピット801は、該当のインシデントを担当するカウンセラ(例えば、カウンセラU21)のカウンセラIDまたは氏名を表示する領域である。スーパーバイザコクピット802は、該当のインシデントを担当するスーパーバイザ(例えば、スーパーバイザU31)のカウンセラIDまたは氏名を表示する領域である。なお、該当のインシデントを担当するカウンセラやスーパーバイザが途中で変わることもある。この場合、カウンセラコクピット801やスーパーバイザコクピット802に表示されるカウンセラ名やスーパーバイザ名も変更される。
更に、インシデント対応画面800は、レーンL21,L22,L23,L24に分かれている。
レーンL21は、利用者U11が発したメッセージの履歴を表示する領域である。レーンL22は、カウンセラU21(およびスーパーバイザU31)が発したメッセージの履歴を表示する領域である。レーンL23は、カウンセラU21がスーパーバイザU31に向けて発したメッセージの履歴を表示する領域である。レーンL24は、スーパーバイザU31が利用者U11またはカウンセラU21に向けて発したメッセージの履歴を表示する領域である。
上記4つのレーンのうち、レーンL21,L22は、前述のレーンL11,L12に対応する。すなわち、利用者画面700によって閲覧可能な内容は、インシデント対応画面800のうちの一部であるレーンL21,L22に相当する領域である。
例えば、レーンL21,L22,L23,L24には、メッセージ811,812,813,814,815,816,817が時系列の順に表示されている。メッセージ811,812,813,814,815,816,817それぞれは、サーバ100による各メッセージの受信時刻が付されて表示されてもよい。メッセージ811,813は、レーンL21に属する。メッセージ812,817は、レーンL22に属する。メッセージ814は、レーンL23に属する。メッセージ815,816は、レーンL24に属する。
具体的には、メッセージ811は、利用者U11により10時00分00秒に発せられたメッセージである。メッセージ812は、メッセージ701に応じて、カウンセラU21により、利用者U11に宛てて、11時00分00秒に発せられたメッセージである。メッセージ813は、メッセージ812に応じて、利用者U11により15時00分00秒に発せられたメッセージである。メッセージ814は、カウンセラU21により、スーパーバイザU31に宛てて、16時00分00秒に発せられたメッセージである。メッセージ815は、メッセージ814に応じて、スーパーバイザU31により、カウンセラU21に宛てて、16時30分00秒に発せられたメッセージである。メッセージ816は、スーパーバイザU31により、利用者U11に宛てて、17時00分00秒に発せられたメッセージである。メッセージ817は、メッセージ816と同じ内容のメッセージである。インシデント対応画面800では、メッセージ817をレーンL22にも表示することで、当該メッセージ817(メッセージ816)が利用者U11に宛てて送信されたことを表している。
カウンセラU21は、端末装置300により表示されたインシデント対応画面800を確認して、新規のメッセージを端末装置300に入力する。また、スーパーバイザU31は、端末装置400により表示されたインシデント対応画面800を確認して、新規のメッセージを端末装置400に入力する。インシデント対応画面800は、宛先の人物のIDを入力する入力フォーム、メッセージ入力用の入力フォームおよびメッセージ送信用の送信ボタンなどを含む画面を表示するためのボタンを含んでもよい。あるいは、インシデント対応画面800は、画面の下部などに、宛先の人物のIDを入力する入力フォーム、メッセージ入力用の入力フォームおよびメッセージ送信用の送信ボタンなどを含んでもよい。ここで、端末装置300は、宛先の人物として、利用者U11またはスーパーバイザU31をカウンセラU21により選択可能にする。また、端末装置400は、宛先の人物として、利用者U11またはカウンセラU21をスーパーバイザU31により選択可能にする。端末装置300,400はインシデントIDをメッセージに設定して送信する。
また、インシデント対応画面800は、カウンセラU21またはスーパーバイザU31による当該インシデントの完了の入力を受け付けるための完了ボタンを含む。
更に、スーパーバイザU31向けのインシデント対応画面800(端末装置400により表示されるインシデント対応画面800)は、カウンセラU21の発言権をオフまたはオンさせるための操作を受け付ける発言権制御ボタンを含む。発言権制御ボタンによるカウンセラU21の発言権のオン/オフは、インシデント対応画面800におけるレーンL23,L24、または、メッセージの内容を表示する吹き出しの色分けによって表されてもよい。
例えば、カウンセラU21の発言権がオンの場合(スーパーバイザU31の発言権がオフの場合)、端末装置300,400は、レーンL23を第1の色で、レーンL24を第2の色で表示する。一方、カウンセラU21の発言権がオフの場合(スーパーバイザU31の発言権がオンの場合)、端末装置300,400は、レーンL23を第2の色で、レーンL24を第1の色で表示する。あるいは、端末装置300は、カウンセラU21の発言権の設定の変更を、当該変更を示す文字列の表示や音声などでカウンセラU21に通知してもよい。なお、端末装置200は、利用者U11に対して当該発言権の設定変更の通知を行わない。また、インシデント対応画面800では、カウンセラU21およびスーパーバイザU31のうち、発言権がある方の人物に対してだけ、新規のメッセージを入力するための入力フォームやメッセージの送信ボタンが表示される。
次に、サーバ100により実行される処理手順を説明する。
図14は、カウンセラ登録の例を示すフローチャートである。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(S11)ユーザ管理部120は、カウンセラU21の登録を受け付ける。例えば、ユーザ管理部120は、カウンセラU21の氏名などの情報を端末装置300から受信する。
(S12)ユーザ管理部120は、カウンセラU21に対してID(カウンセラID)およびパスワードを発行する。ユーザ管理部120は、カウンセラU21の氏名とカウンセラIDとパスワードとを対応付けた認証情報を記憶部110に格納する。また、ユーザ管理部120は、今回発行したカウンセラIDとパスワードとを端末装置300に送信する。当該カウンセラIDおよびパスワードは、カウンセラU21のログイン認証に用いられる。
(S13)インシデント管理部130は、カウンセラU21の作業エリアを作成する。具体的には、インシデント管理部130は、カウンセラ画面500(ただし、初期段階では何のインシデントも表示されておらず、項目のみが表示された状態の画面)の画面情報を作成し、端末装置300に送信する。
端末装置300は、サーバ100から受信した画面情報に基づいて、カウンセラ画面500(ただし、初期段階では、何のインシデントも表示されておらず、項目のみが表示された状態の画面)を表示する。以後、カウンセラU21がログインすると、インシデント管理部130は、カウンセラ画面500の画面情報を生成し、端末装置300に送信する。ここで、インシデント管理部130は、インシデントテーブル111、インシデント担当管理テーブル112、メッセージ管理テーブル113およびインシデント対応管理テーブル115に基づいて、カウンセラU21のカウンセラIDに対応する画面情報を生成する。
図15は、スーパーバイザ登録の例を示すフローチャートである。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(S21)ユーザ管理部120は、スーパーバイザU31の登録を受け付ける。例えば、ユーザ管理部120は、スーパーバイザU31の氏名などの情報を端末装置400から受信する。
(S22)ユーザ管理部120は、スーパーバイザU31に対してID(スーパーバイザID)およびパスワードを発行する。ユーザ管理部120は、スーパーバイザU31の氏名とスーパーバイザIDとパスワードとを対応付けた認証情報を記憶部110に格納する。また、ユーザ管理部120は、今回発行したスーパーバイザIDとパスワードとを端末装置400に送信する。当該スーパーバイザIDおよびパスワードは、スーパーバイザU31のログイン認証に用いられる。
(S23)インシデント管理部130は、スーパーバイザU31の作業エリアを作成する。具体的には、インシデント管理部130は、スーパーバイザ画面600(ただし、初期段階では、何のインシデントも表示されておらず、項目のみが表示された状態の画面)の画面情報を作成し、端末装置400に送信する。端末装置400は、当該画面情報に応じてスーパーバイザ画面600を表示する。
(S24)ユーザ管理部120は、記憶部110に登録済のカウンセラのリストを読み込む。そして、ユーザ管理部120は、当該リストを表示するための画面情報を端末装置400に送信する。当該リストでは、スーパーバイザU31が監督対象とするカウンセラのスーパーバイザU31による選択が可能である。
(S25)ユーザ管理部120は、スーパーバイザU31が監督対象とするカウンセラのカウンセラIDを端末装置400から受信する。ユーザ管理部120は、受信したカウンセラIDとスーパーバイザU31のスーパーバイザIDとを関連付けて、記憶部110に記憶されたカウンセラ管理テーブル114に登録する。
以後、スーパーバイザU31がログインすると、インシデント管理部130は、スーパーバイザ画面600の画面情報を生成し、端末装置400に送信する。ここで、インシデント管理部130は、インシデントテーブル111、インシデント担当管理テーブル112、メッセージ管理テーブル113およびインシデント対応管理テーブル115に基づいて、スーパーバイザU31のスーパーバイザIDに対応する画面情報を生成する。
図16は、利用者登録の例を示すフローチャートである。以下、図16に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(S31)ユーザ管理部120は、利用者U11の登録を受け付ける。例えば、ユーザ管理部120は、利用者U11の氏名などの情報を端末装置200から受信する。
(S32)ユーザ管理部120は、利用者U11に対してID(利用者ID)およびパスワードを発行する。ユーザ管理部120は、利用者U11の氏名とスーパーバイザIDとパスワードとを対応付けた認証情報を記憶部110に格納する。また、ユーザ管理部120は、今回発行した利用者IDとパスワードとを端末装置200に送信する。
(S33)ユーザ管理部120は、利用者U11の利用者IDを新規登録者リストに追加する。
(S34)ユーザ管理部120は、新規登録者リスト更新をスーパーバイザ端末(例えば、端末装置400)に通知する。スーパーバイザ端末(例えば、端末装置400)は、スーパーバイザの操作に応じて、新規登録者リストをサーバ100から取得し、新規登録者リストを表示する。
(S35)ユーザ管理部120は、スーパーバイザによる新規利用者の選択を受け付ける。例えば、スーパーバイザU31は、端末装置400を操作して、新規登録者リストに含まれる利用者IDのうち、自身が担当する利用者IDを選択する。ユーザ管理部120は、こうしてスーパーバイザU31により選択された利用者IDおよび選択したスーパーバイザU31のスーパーバイザIDを端末装置400から受信する。
(S36)ユーザ管理部120は、スーパーバイザの作業エリアに新規利用者を割り付ける。具体的には、ステップS35において、スーパーバイザU31により、利用者U11の利用者IDが選択された場合、ユーザ管理部120は、スーパーバイザU31のスーパーバイザIDと、利用者U11の利用者IDとを関連付ける情報を記憶部110に格納する。
(S37)ユーザ管理部120は、スーパーバイザによるカウンセラの決定を受け付ける。例えば、スーパーバイザU31は、端末装置400を操作して、サーバ100から自身が監督するカウンセラのカウンセラIDのリスト(カウンセラ管理テーブル114の内容)を端末装置400に取得させ、当該リストを端末装置400に表示させる。スーパーバイザU31は、端末装置400を操作して、ステップS35で選択された利用者IDのカウンセリングを担当するカウンセラU21のカウンセラIDを当該リストから選択する。ユーザ管理部120は、こうしてスーパーバイザU31により選択されたカウンセラIDおよびステップS35で選択された利用者IDを端末装置400から受信する。
(S38)ユーザ管理部120は、カウンセラの作業エリアに新規利用者を割り付ける。具体的には、ステップS37において、スーパーバイザU31により、カウンセラU21のカウンセラIDが選択された場合、ユーザ管理部120は、カウンセラU21のカウンセラIDと、利用者U11の利用者IDとを関連付ける情報を記憶部110に格納する。
サーバ100は、例えば、利用者U11に関するインシデントが発生した場合に、ステップS36,S38で生成した情報に基づいて、当該インシデントを担当するカウンセラU21およびスーパーバイザU31を割り当てることができる。
図17は、インシデント処理の例を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(S41)メッセージ通信部140は、利用者端末(端末装置200とする)からインシデントを受信する。インシデントは、利用者IDを含む。例えば、インシデントは、利用者U11の利用者IDを含むとする。また、インシデントは、相談の内容を示す件名やメッセージを含む。インシデント管理部130は、今回のインシデントに対してインシデントIDを生成し、該当の利用者IDに関連付けて、インシデントテーブル111に登録する。インシデント管理部130は、生成したインシデントIDを、端末装置200に送信する。以後、端末装置200は、該当のインシデントに関連するメッセージにインシデントIDを設定して送信する。
(S42)インシデント管理部130は、スーパーバイザ/カウンセラにインシデントの発生を通知する。具体的には、インシデント管理部130は、図16のステップS36,S38で生成した情報に基づいて、ステップS41で取得した利用者IDに対応するスーパーバイザU31のスーパーバイザIDおよびカウンセラU21のカウンセラIDを特定する。インシデント管理部130は、生成したインシデントIDとスーパーバイザIDとカウンセラIDとを関連付けて、インシデント担当管理テーブル112に登録する。
また、インシデント管理部130は、メッセージ管理テーブル113にステップS41で受信したメッセージの情報(インシデントID、受信時刻、送信元、送信先、件名およびメッセージの内容)を登録する。例えば、メッセージの発信者が利用者U11の場合、送信元は利用者U11の利用者IDであり、送信先はカウンセラU21のカウンセラIDとなる。更に、インシデント管理部130は、インシデント対応管理テーブル115に、該当のインシデントIDに関する最新の状況を示すレコードを登録する。
そして、インシデント管理部130は、該当のスーパーバイザIDを用いてサーバ100へのログインを行った端末装置400に利用者U11のインシデントの発生を通知する。同様に、該当のカウンセラIDを用いてサーバ100へのログインを行った端末装置300に利用者U11のインシデントの発生を通知する。
(S43)インシデント管理部130は、該当のインシデントに対してスーパーバイザU31のアクセスがあったか否かを判定する。スーパーバイザU31のアクセスがあった場合、インシデント管理部130は、ステップS49に処理を進める。スーパーバイザU31のアクセスがなかった場合、インシデント管理部130は、ステップS44に処理を進める。例えば、インシデント管理部130は、端末装置400に対してスーパーバイザ画面600を提供し、当該スーパーバイザ画面600において、該当のインシデントがスーパーバイザU31により選択された場合に、スーパーバイザU31のアクセスありと判定する。一方、インシデント管理部130は、端末装置400に提供されたスーパーバイザ画面600において、該当のインシデントがスーパーバイザU31により選択されていない場合に、スーパーバイザU31のアクセスなしと判定する。なお、スーパーバイザ画面600において該当のインシデントが選択されると、端末装置400は、当該インシデントに関するインシデント対応画面800を表示する。
(S44)インシデント管理部130は、インシデント対応管理テーブル115を参照して、該当のインシデントに関するメッセージの受信時刻から一定時間(第1の時間)内に、カウンセラU21による該当のインシデントに対するアクセスがないか否かを判定する。受信時刻から一定時間内に、カウンセラU21による該当のインシデントに対するアクセスがない場合、インシデント管理部130は、ステップS47に処理を進める。受信時刻から一定時間内に、カウンセラU21による該当のインシデントに対するアクセスがある場合、インシデント管理部130は、ステップS45に処理を進める。ここで、「一定時間(第1の時間)内に」とは、「一定時間(第1の時間)が経過する前に」ともいえる。
具体的には、インシデント管理部130は、端末装置300に対してカウンセラ画面500を提供し、カウンセラ画面500で、受信時刻から一定時間内に、該当のインシデントがカウンセラU21により選択された場合に、カウンセラU21のアクセスありと判定する。カウンセラ画面500において該当のインシデントが選択されると、端末装置300は、当該インシデントに関するインシデント対応画面800を表示する。この場合、該当のインシデントのメッセージがカウンセラU21により閲覧されたことになる。一方、インシデント管理部130は、端末装置300に提供されたカウンセラ画面500で、受信時刻から一定時間内に、該当のインシデントがカウンセラU21により選択されていない場合に、カウンセラU21のアクセスなしと判定する。この場合、該当のインシデントのメッセージがカウンセラU21により閲覧されていないことになる。
(S45)インシデント管理部130は、インシデント対応管理テーブル115にカウンセラU21の閲覧時刻を記録する。
(S46)インシデント管理部130は、インシデント対応管理テーブル115を参照して、カウンセラU21の閲覧時刻から一定時間(第2の時間)内に、該当のインシデントに対するカウンセラU21のアクセスがないか否かを判定する。カウンセラU21の閲覧時刻から一定時間内に、カウンセラU21による該当のインシデントに対するアクセスがない場合、インシデント管理部130は、ステップS47に処理を進める。カウンセラU21の閲覧時刻から一定時間内に、カウンセラU21による該当のインシデントに対するアクセスがある場合、インシデント管理部130は、ステップS48に処理を進める。
具体的には、インシデント管理部130は、端末装置300に提供されたインシデント対応画面800で、カウンセラU21の閲覧時刻から一定時間内に、当該インシデントのメッセージに対する返信が行われた場合に、カウンセラU21のアクセスありと判定する。一方、インシデント管理部130は、端末装置300に提供されたインシデント対応画面800で、カウンセラU21の閲覧時刻から一定時間内に、当該インシデントのメッセージに対する返信が行われない場合に、カウンセラU21のアクセスなしと判定する。
ここで、メッセージに対する返信は、端末装置300から返信メッセージをメッセージ通信部140により受信し、メッセージ通信部140により当該返信メッセージを端末装置200に送信することで行われる。メッセージ通信部140は、メッセージ管理テーブル113に返信メッセージの情報を登録する。
(S47)インシデント管理部130は、インシデント担当管理テーブル112を参照して、該当のインシデントIDに対応するスーパーバイザIDを特定する。インシデント管理部130は、当該スーパーバイザIDを用いてログインを行った端末装置400に、カウンセラU21により利用者への返信が一定時間以上行われていないことを通知する。具体的には、ステップS44 Yesの場合、インシデント管理部130は、メッセージの受信から第1の時間が経過するまでに返信が行われなかった旨を示す第1の警告を端末装置400に通知する。また、ステップS46 Yesの場合、インシデント管理部130は、メッセージの閲覧から第2の時間が経過するまでに返信が行われなかった旨を示す第2の警告を端末装置400に通知する。そして、インシデント管理部130は、ステップS43に処理を進め、スーパーバイザU31によるアクセス(該当のインシデントのメッセージ内容の閲覧)があるまで待機する。
(S48)インシデント管理部130は、インシデント対応管理テーブル115にカウンセラU21の返信時刻を記録する。そして、インシデント管理部130は、ステップS52に処理を進める。
(S49)インシデント管理部130は、インシデント対応管理テーブル115にスーパーバイザU31の閲覧時刻を記録する。
(S50)インシデント管理部130は、端末装置400に提供されたインシデント対応画面800において、スーパーバイザU31に発言権を設定する操作を受け付けた旨の通知を端末装置400から受信する。すると、インシデント管理部130は、インシデント対応管理テーブル115の発言権フラグを“true”から“false”に変更することで、スーパーバイザU31に発言権を設定する。そして、メッセージ通信部140は、インシデント対応画面800を用いてスーパーバイザU31により入力された返信メッセージを端末装置400から受信し、当該返信メッセージを端末装置200に送信する。メッセージ通信部140は、メッセージ管理テーブル113に返信メッセージの情報を登録する。
(S51)インシデント管理部130は、インシデント対応管理テーブル115にスーパーバイザU31の返信時刻を記録する。インシデント管理部130は、インシデント対応管理テーブル115の発言権フラグを“false”から“true”に変更する(元の設定に戻す)。ただし、インシデント管理部130は、スーパーバイザU31による端末装置400に対する所定の操作入力に応じて、発言権フラグの設定を変更してもよい。
(S52)インシデント管理部130は、該当のインシデントについてカウンセラU21の返信時刻またはスーパーバイザU31の返信時刻から一定時間(第3の時間)内に、利用者U11によるアクセスがないか否かを判定する。返信時刻から一定時間内に、利用者U11によるアクセスがない場合、インシデント管理部130は、ステップS54に処理を進める。返信時刻から一定時間内に、利用者U11によるアクセスがある場合、インシデント管理部130は、ステップS53に処理を進める。例えば、インシデント管理部130は、該当のインシデントについて、返信時刻から一定時間内に、返信メッセージが閲覧された旨の通知を端末装置200から受信した場合に、利用者U11によるアクセスがあると判定する。一方、インシデント管理部130は、該当のインシデントについて、返信時刻から一定時間内に、返信メッセージが閲覧された旨の通知を端末装置200から受信しない場合に、利用者U11によるアクセスがないと判定する。
(S53)インシデント管理部130は、該当のインシデントのインシデントIDに関連付けて、利用者U11の閲覧時刻を記憶部110に記録する。そして、インシデント管理部130は、処理を終了する。
(S54)インシデント管理部130は、緊急対応の処理を行うシステムに利用者U11の異常を通知する。例えば、当該システムでは、利用者U11が所属する組織における利用者U11の健康を管理する管理者の端末などに、利用者U11の精神状態の異変の可能性を通知し、当該管理者による利用者U11に対する直接の対応などを促す。なお、ステップS54における異常の通知は、第3の警告を出力する処理ともいえる。例えば、当該第3の警告の出力先は、サーバ100に接続されたディスプレイ11でもよい。第3の警告の出力により、利用者U11の異変を管理者などに適切に通知できる。そして、インシデント管理部130は、処理を終了する。
なお、ステップS50で示したように、インシデント管理部130は、端末装置300から端末装置200への返信メッセージの送信を制限する指示を端末装置400から受信する。すると、インシデント管理部130は、端末装置200において返信メッセージを入力不能にする。具体的には、インシデント管理部130は、端末装置300に対して提供するインシデント対応画面800の画面情報において、返信メッセージを入力するためのインタフェースを利用不能(例えば、非表示)とする。これにより、インシデント管理部130は、カウンセラU21による返信メッセージの入力を制限できる。その結果、スーパーバイザU31とカウンセラU21との両方が利用者U11に対して返信してしまう事態を抑制し、利用者U11の混乱を防げる。
そして、端末装置300において返信メッセージが入力不能にされた後に、メッセージ通信部140は、該当のインシデントIDに関連する返信メッセージを端末装置400から受信する。そして、メッセージ通信部140は、インシデント担当管理テーブル112に基づいて、受信した返信メッセージを端末装置200,300に送信する。
また、インシデントは、利用者U11とカウンセラU21(またはスーパーバイザU31)との間の一往復のメッセージのやりとりの後に完了してもよいし、複数回のメッセージのやりとりの後に完了してもよい。例えば、インシデント管理部130は、既存のインシデントに関して利用者U11から新たにメッセージを受信した場合、当該メッセージに関して、ステップS42〜S53を実行する。このとき、インシデント管理部130は、該当のインシデントの担当者の変更があった場合にインシデント担当管理テーブル112を更新し、該当のインシデントの担当者の変更がない場合にはインシデント担当管理テーブル112を更新しなくてよい。
また、カウンセラU21またはスーパーバイザU31は、利用者U11とのメッセージの交換により、該当のインシデントについてそれ以上相談を受ける必要がなくなった場合に、インシデント対応画面800により、インシデントの完了を入力する。インシデントの完了を受け付けた端末装置300(または端末装置400)は、インシデントIDと完了の入力を受け付けた旨を、サーバ100に通知する。インシデント管理部130は、当該通知に応じて、該当のインシデントIDに対応する完了フラグを“false”から“true”に変更することで、当該インシデントを完了させる。
次に、サーバ100、端末装置300および端末装置400による処理の流れの具体例を説明する。
図18は、カウンセリング支援システムによる処理の流れの例を示す図である。以下、図18に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(S61)サーバ100は、端末装置200からインシデントを受け付ける。サーバ100は、インシデントに対してインシデントIDを発行し、スーパーバイザIDおよびカウンセラIDを割り当てる。
(S62)サーバ100は、インシデントに関するメッセージの受信時刻を記録する。
(S63)サーバ100は、インシデントの発生をスーパーバイザU31に通知する。具体的には、サーバ100は、インシデントの発生を示す通知を端末装置400に送信し、端末装置400により通知の内容を表示させる。
(S64)サーバ100は、インシデントの発生をカウンセラU21に通知する。具体的には、サーバ100は、インシデントの発生を示す通知を端末装置300に送信し、端末装置300により通知の内容を表示させる。
(S65)サーバ100は、該当のインシデントについて、メッセージの受信時刻から一定時間内に、カウンセラU21によるアクセスがないか否かを判定する。受信時刻から一定時間内にアクセスがある場合、処理はステップS66に進む。受信時刻から一定時間内にアクセスがない場合、処理はステップS68に進む。
(S66)端末装置300は、インシデント対応画面800を表示し、カウンセラU21に利用者U11のメッセージを提示する。端末装置300は、受信確認(閲覧)をサーバ100に通知する。そして、処理はステップS67に進む。
(S67)サーバ100は、受信確認の通知を受信すると、カウンセラU21による当該メッセージの閲覧時刻を記憶部110に記録する。そして、処理はステップS69に進む。
(S68)端末装置400は、インシデント対応画面800を表示し、スーパーバイザU31に利用者U11のメッセージを提示する(スーパーバイザU31による閲覧代行のための処理)。例えば、端末装置400は、スーパーバイザ画面600において、該当のインシデントを強調表示する、該当のインシデントの行にアラームを示すシンボルを表示するなどして、スーパーバイザU31によるメッセージの確認を促してもよい。ここで、アラームは、カウンセラU21が受信したメッセージを一定時間経っても閲覧していないことを示す。端末装置400は、スーパーバイザU31により当該メッセージが閲覧されたことをサーバ100に通知する。そして、処理はステップS71に進む。
(S69)サーバ100は、該当のインシデントについて、ステップS67で記録した閲覧時刻から一定時間内に、カウンセラU21によるアクセスがないか否かを判定する。閲覧時刻から一定時間内にアクセスがある場合、処理はステップS70に進む。閲覧時刻から一定時間内にアクセスがない場合、処理はステップS71に進む。サーバ100は、処理をステップS71に進める場合、端末装置400に対して返信代行の指示を通知してもよい。
(S70)端末装置300は、端末装置300のインシデント対応画面800において、カウンセラU21による返信メッセージの入力を受け付け、サーバ100に送信する(カウンセラU21による返信のための処理)。そして、処理は、ステップS72に進む。
(S71)端末装置400は、端末装置400のインシデント対応画面800において、スーパーバイザU31による返信メッセージの入力を受け付け、サーバ100に送信する(スーパーバイザU31による返信代行のための処理)。
(S72)サーバ100は、端末装置300から返信メッセージを受信した場合、カウンセラU21の返信時刻を記憶部110に記録する。あるいは、サーバ100は、端末装置400から返信メッセージを受信した場合、スーパーバイザU31の返信時刻を記憶部110に記録する。
(S73)サーバ100は、利用者端末(すなわち、端末装置200)に返信メッセージを送信する。
このように、スーパーバイザU31は、カウンセラU21によるメッセージの閲覧や返信が滞っている場合に、カウンセラU21に代わって、利用者U11に対する返信を行える。このため、例えば、サービス提供の条件などで、利用者からのメッセージ受信に対する返信までの上限時間が定められている場合にも、上限時間を超過しないように返信を行える。
また、端末装置300,400は、カウンセラU21およびスーパーバイザU31の間のメッセージの交換を、サーバ100を介して任意のタイミングにおいて行える。例えば、端末装置300は、上記ステップS66およびステップS70の間のタイミングで、カウンセラU21によるスーパーバイザU31に宛てた相談メッセージの入力を受け付け、サーバ100に送信してもよい。この場合、サーバ100は、相談メッセージを受信し、新たに相談メッセージを受信したことを端末装置400に通知する。端末装置400は、当該通知を表示し、スーパーバイザU31による相談メッセージの取得指示を受け付ける。端末装置400は、相談メッセージの内容をサーバ100から受信し、スーパーバイザU31に通知する。端末装置400は、当該相談メッセージに対して、スーパーバイザU31による応答メッセージの入力を受け付け、当該応答メッセージをサーバ100に送信する。そして、サーバ100は、応答メッセージを端末装置300に送信する。カウンセラU21は、スーパーバイザU31による応答メッセージを参考にして、利用者U11への返信メッセージを作成することができる。
図19は、メッセージの送信例を示す図である。前述のように、利用者およびカウンセラが複数存在し、スーパーバイザU31が、同時に複数のカウンセラのカウンセリングを監督することもある。例えば、スーパーバイザU31がカウンセラU21,U22を監督する場合を考える。カウンセラU21は、利用者U11のカウンセリングを担当する。カウンセラU22は、利用者U12のカウンセリングを担当する。端末装置200aは、利用者U12が利用するクライアントコンピュータである。端末装置300aは、カウンセラU22が利用するクライアントコンピュータである。
例えば、端末装置200は、利用者U11により入力されたメッセージM11をサーバ100に送信する。サーバ100は、メッセージM11を受信し、メッセージM11を記憶する。サーバ100は、メッセージM11の複製であるメッセージM11aを端末装置400に送信する。また、サーバ100は、メッセージM11の複製であるメッセージM11bを端末装置300に送信する。
また、端末装置200aは、利用者U12により入力されたメッセージM21をサーバ100に送信する。サーバ100は、メッセージM21を受信し、メッセージM21を記憶する。サーバ100は、メッセージM21の複製であるメッセージM21aを端末装置400に送信する。また、サーバ100は、メッセージM21の複製であるメッセージM21bを端末装置300aに送信する。
端末装置400は、メッセージM11a,M21aを受信し、表示する。例えば、スーパーバイザU31は、利用者U11に関するインシデントをスーパーバイザ画面600で選択することで、メッセージM11aの内容を含むインシデント対応画面800を、端末装置400により表示させる。また、例えば、スーパーバイザU31は、利用者U12に関するインシデントをスーパーバイザ画面600で選択することで、メッセージM21aの内容を含むインシデント対応画面800を、端末装置400により表示させる。
また、端末装置300は、メッセージM11bを受信し、表示する。例えば、カウンセラU21は、利用者U11に関するインシデントをカウンセラ画面500で選択することで、メッセージM11bの内容を含むインシデント対応画面800を、端末装置300により表示させる。カウンセラU21は、スーパーバイザU31に宛てた相談メッセージM12を入力し、端末装置300により送信させることが可能である。相談メッセージM12は、サーバ100を介して、端末装置400に送信される。スーパーバイザU31は、利用者U11に関するインシデントのインシデント対応画面800により相談メッセージM12の内容を確認し、相談メッセージM12に対する応答メッセージを端末装置400に入力する。応答メッセージは、端末装置400により送信され、サーバ100を介して、端末装置300により受信される。サーバ100は、これらの相談メッセージや応答メッセージの内容を記憶する。
カウンセラU21は、スーパーバイザU31による応答メッセージを確認し、利用者U11に対する返信メッセージM13を端末装置300に入力する。端末装置300は、返信メッセージM13をサーバ100に送信する。サーバ100は、返信メッセージM13を受信し、返信メッセージM13を記憶する。サーバ100は、返信メッセージM13を端末装置200に送信する。端末装置200は、返信メッセージM13の内容を利用者U11に提示する。
同様に、端末装置300aは、メッセージM21bを受信し、表示する。例えば、カウンセラU22は、利用者U12に関するインシデントをカウンセラ画面500で選択することで、メッセージM21bの内容を含むインシデント対応画面800を、端末装置300aにより表示させる。カウンセラU22は、スーパーバイザU31に宛てた相談メッセージM22を入力し、端末装置300aにより送信させることが可能である。相談メッセージM22は、サーバ100を介して、端末装置400に送信される。スーパーバイザU31は、利用者U12に関するインシデントのインシデント対応画面800により相談メッセージM22の内容を確認し、相談メッセージM22に対する応答メッセージを端末装置400に入力する。応答メッセージは、端末装置400により送信され、サーバ100を介して、端末装置300aにより受信される。サーバ100は、これらの相談メッセージや応答メッセージの内容を記憶する。
カウンセラU22は、スーパーバイザU31による応答メッセージを確認し、利用者U12に対する返信メッセージM23を端末装置300aに入力する。端末装置300aは、返信メッセージM23をサーバ100に送信する。サーバ100は、返信メッセージM23を受信し、返信メッセージM23を記憶する。サーバ100は、返信メッセージM23を端末装置200aに送信する。端末装置200aは、返信メッセージM23の内容を利用者U12に提示する。
ここで、経験が浅いカウンセラが単独でカウンセリングを行う場合、利用者への手厚いカウンセリングが難しい。カウンセラへの指導は、集団研修などで行われることが多く、実地の場で経験を積んだスーパーバイザによる十分な支援を行うことは容易ではない。特に、メンタル疾患に関するカウンセリングは面談で行われることが多い。すなわち、カウンセリングは、カウンセラもしくは利用者が、ある場所に移動し、対面で行われることが多い。スーパーバイザがカウンセリングに同席することも考えられるが、カウンセリングにスーパーバイザが常に立ち会うことは現実的ではない。
例えば、スーパーバイザU31による監督の方法として、スーパーバイザU31により、カウンセラU21,U22によるカウンセリングの映像・音声を同時にチェックさせることも考えられる。しかし、スーパーバイザU31が並行して複数のカウンセリングの監督を行う場合、あるカウンセリングの映像・音声をチェックしているときに、別のカウンセリングの映像・音声をチェックすることは難しい。
あるいは、電子メールを使用して、カウンセリングを行うことも考えられる。しかし、電子メールを用いるとすると、電子メールの閲覧方法はメーラの機能に依ることになり、必ずしもカウンセリングに適したものとなっているとは限らない。特に、スーパーバイザは、メーラによって、利用者の人数分の多数の電子メールの一覧を目視することで進捗管理を行うことになり作業が煩雑化する。また、スーパーバイザがカウンセラからの相談を電子メールで行うと、誰のどの時点で出された電子メールであるかを特定して返信文を作ることになるため、誤送信が生じやすくなり、監督対象のカウンセラを増やせなくなる。更に、カウンセラに代替してスーパーバイザが利用者に電子メールを送る場合、利用者からは送り主が変わったように見えてしまう。メーリングリストを用いることも考えられるが、メーリングリストのメンバの管理が煩雑となり、サービスの規模が限られる。
これに対して、サーバ100は、インシデント毎の担当のカウンセラおよびスーパーバイザをインシデント担当管理テーブル112により管理し、カウンセラの端末装置およびスーパーバイザの端末装置に対して、各インシデントのメッセージを適切に送信できる。サーバ100によれば、カウンセラU21,U22だけでなく、スーパーバイザU31も、利用者U11,U12により入力された相談内容を容易に確認可能になる。
特に、サーバ100によれば、スーパーバイザU31は、端末装置400のスーパーバイザ画面600によりインシデントを選択して、メッセージM11a,M21aそれぞれの内容を閲覧することで、相談内容を確認できる。このため、例えば、スーパーバイザU31が同時にカウンセラU21,U22によるカウンセリングを監督する場合にも、カウンセラU21,U22それぞれが担当する利用者U11,U12からのメッセージを適切に確認することができる。
また、利用者U11、カウンセラU21およびスーパーバイザU31は、同じ場所に集まらなくてもよく、また、端末装置200,300,400の前に同時刻に在席していなくてもよい(利用者U12およびカウンセラU22も同様)。このため、メッセージM11(あるいは、メッセージM21)の内容に対して、カウンセラU21(あるいは、カウンセラU22)がスーパーバイザU31による指導を受ける機会を容易に確保可能となる。
こうして、サーバ100によれば、利用者U11,U12に対するカウンセリングの品質を向上できる。
また、サーバ100は、カウンセラU21による端末装置300への指示入力に応じて、メッセージM11bを端末装置300に送信する。また、サーバ100は、スーパーバイザU31による端末装置400への指示入力に応じて、メッセージM11aを端末装置400に送信する。これにより、例えば、スーパーバイザU31は、自身が気にかけるカウンセラ(例えば、カウンセラU21)が担当するインシデントに絞ってメッセージの内容を確認できる。
更に、サーバ100は、端末装置300から端末装置200へ相談内容に対する返信メッセージが送信されたか否かを示す情報、および、返信メッセージが送信された場合に当該返信メッセージを端末装置400に送信する。これにより、例えば、スーパーバイザU31は、端末装置400を用いて、利用者U11からの相談内容に対して、カウンセラU21から所定時間内に利用者U11へ返信があったか否かを確認可能になる。また、返信があった場合に、スーパーバイザU31は、カウンセラU21の返信内容を確認し、カウンセラU21を監督できる。返信がない場合にも、スーパーバイザU31によるカウンセラU21への指導が可能になる。
このとき、サーバ100は、カウンセラU21とスーパーバイザU31との間で交わされるメッセージ(すなわち、端末装置300から端末装置400へのメッセージおよび端末装置400から端末装置300へのメッセージ)の端末装置200への送信を制限する。これにより、カウンセラU21とスーパーバイザU31との間の指導に関するやりとりを、利用者U11との相談のやりとりとは別個に行うことが可能になる。このため、カウンセラU21とスーパーバイザU31との間のコミュニケーションを、利用者U11に意識させずに済む。
また、サーバ100は、利用者U11からの相談内容に対して、カウンセラU21からの返信がない場合、カウンセラU21の代わりにスーパーバイザU31により入力された返信メッセージを端末装置400から受信し、端末装置200に送信する。これにより、利用者U11からの相談に対する対応の遅延や漏れを防ぐことができる。
また、カウンセラU21やスーパーバイザU31の都合により、現在対応中のインシデントの担当が変更されることもある。この場合、サーバ100は、インシデント担当管理テーブル112において、該当のインシデントIDに関連付けられているカウンセラIDやスーパーバイザIDを別のカウンセラやスーパーバイザのIDに変更することで、担当を変更可能である。これにより、該当のインシデントを担当するカウンセラやスーパーバイザを容易に変更することができ、カウンセリングサービスの提供の円滑化を図れる。
なお、第1の実施の形態の情報処理は、処理部1bにプログラムを実行させることで実現できる。また、第2の実施の形態の情報処理は、プロセッサ101にプログラムを実行させることで実現できる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体13に記録できる。
例えば、プログラムを記録した記録媒体13を配布することで、プログラムを流通させることができる。また、プログラムを他のコンピュータに格納しておき、ネットワーク経由でプログラムを配布してもよい。コンピュータは、例えば、記録媒体13に記録されたプログラムまたは他のコンピュータから受信したプログラムを、RAM102やHDD103などの記憶装置に格納し(インストールし)、当該記憶装置からプログラムを読み込んで実行してもよい。