JP2019114447A - 圧縮撚線導体およびその製造方法 - Google Patents

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Shingo Kawata
紳悟 川田
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誠 梶田
浩幸 大野
Hiroyuki Ono
浩幸 大野
厚志 土屋
Atsushi Tsuchiya
厚志 土屋
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Abstract

【課題】高い引張強度を有し、かつ導電性および半田濡れ性に優れた圧縮撚線導体の提供。【解決手段】中心線3と、中心線3の周りに配置された複数本の外周線5とを撚り合わせてなる圧縮撚線導体1であって、中心線3が、ステンレス鋼からなるステンレス素線13と、ステンレス素線13の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第1皮膜23とを有し、外周線5が、純銅又は銅合金からなる銅系素線15と、銅系素線15の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第2皮膜25とを有し、銅系素線15の線径が、円相当直径で、前記ステンレス素線13の線径と同等以上であり、第1皮膜23および第2皮膜25は共に、最外層の金属含有層が銀含有層であり、前記銀含有層は、平均膜厚が0.1〜10μmである、圧縮撚線導体。【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮撚線導体およびその製造方法に関する。
従来より、撚線導体を軽量・細径化する際には強度低下の問題があった。このような強度低下の問題を解決する技術として、例えば特許文献1には、銅、銅合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金から選択される1種または2種以上の材料よりなる第一素線と、鉄、ニッケルおよびステンレスから選択される1種または2種以上の材料からなる第二素線とを撚り合わせてなる電線導体に関する技術が開示されており、また特許文献2には、表面にニッケル系めっき層を有している銅系素線と、ステンレス鋼等を用いたテンションメンバとが撚り合わされてなる撚線導体に関する技術が開示されている。
しかし、これら従来材では、強度を向上させるために、中心に位置する素線にステンレス鋼を用いていたが、ステンレス鋼を用いた素線は銅系素線に比べて導電性が低いため、撚線導体全体としての導電率が低下する問題があった。
また、ステンレス鋼を用いた素線やニッケル系めっき層を有する銅系素線は、それらの表面に不動態皮膜が形成される。そのため、不動態皮膜の存在により、撚線導体を端末処理する際に、半田濡れ性が低下する問題や、線間の導通が低下して、撚線導体全体として導電率が低下する問題等があった。
近年、医療用、産業機器用、ロボット用等の同軸ケーブルでは、細径化と同時に高強度に対するニーズが高まっている。さらに、これらの分野では、端末処理性(半田濡れ性)および電気特性(導電率)の向上も望まれており、これら全ての要求に対しては、従来技術では十分に対応できていなかった。
特開2008−159403号公報 特開2015−162268号公報
本発明の目的は、高い引張強度を有し、かつ導電性および半田濡れ性に優れた圧縮撚線導体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、中心線と、該中心線の周りに配置された複数本の外周線とを撚り合わせてなる圧縮撚線導体において、前記中心線が、ステンレス鋼からなるステンレス素線と、該ステンレス素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第1皮膜とを有し、前記外周線が、純銅または銅合金からなる銅系素線と、該銅系素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第2皮膜とを有し、前記銅系素線の線径が、円相当直径で、前記ステンレス素線の線径と同等以上であり、前記第1皮膜および前記第2皮膜は共に、最外層の金属含有層が銀含有層であり、前記銀含有層は、平均膜厚が0.1〜10μmであることによって、特に高い引張強度を有し、かつ導電性および半田濡れ性に優れた圧縮撚線導体が得られることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
[1] 中心線と、該中心線の周りに配置された複数本の外周線とを撚り合わせてなる圧縮撚線導体であって、
前記中心線が、ステンレス鋼からなるステンレス素線と、該ステンレス素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第1皮膜とを有し、
前記外周線が、純銅または銅合金からなる銅系素線と、該銅系素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第2皮膜とを有し、
前記銅系素線の線径が、円相当直径で、前記ステンレス素線の線径と同等以上であり、
前記第1皮膜および前記第2皮膜は共に、最外層の金属含有層が銀含有層であり、
前記銀含有層は、平均膜厚が0.1〜10μmであることを特徴とする、圧縮撚線導体。
[2] 前記圧縮撚線導体の横断面において、
前記圧縮撚線導体の断面積に占める、前記銀含有層の断面積の合計面積率が1〜50%であり、
前記銅系素線は、1本あたりの断面積の面積比が、前記ステンレス素線に対して1〜2である、上記[1]に記載の圧縮撚線導体。
[3] 上記[1]または[2]に記載の圧縮撚線導体の製造方法であって、
前記ステンレス素線および前記銅系素線を準備する、準備工程と、
前記ステンレス素線および前記銅系素線のそれぞれに、めっき処理を施して、前記中心線および前記外周線を得る、めっき工程と、
前記中心線の周りに複数本の前記外周線を配置し、撚り合わせながら圧縮して、圧縮撚線導体を得る圧縮工程と、を有し、
圧縮撚線導体の最大直径から算出される見かけ上の断面積において、前記中心線の断面積の面積率が5〜20%、前記外周線の断面積の面積率が70〜90%、空隙の断面積の面積率が2〜15%である、圧縮撚線導体の製造方法。
[4] 前記圧縮撚線導体の断面積が0.1mm未満である、上記[3]に記載の圧縮撚線導体の製造方法。
本発明は、中心線と、該中心線の周りに配置された複数本の外周線とを撚り合わせてなる圧縮撚線導体において、前記中心線が、ステンレス鋼からなるステンレス素線と、該ステンレス素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第1皮膜とを有し、前記外周線が、純銅または銅合金からなる銅系素線と、該銅系素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第2皮膜とを有し、前記銅系素線の線径が、円相当直径で、前記ステンレス素線の線径と同等以上であり、前記第1皮膜および前記第2皮膜は共に、最外層の金属含有層が銀含有層であり、前記銀含有層は、平均膜厚が0.1〜10μmであることによって、高い引張強度を有し、かつ導電性および半田濡れ性に優れた圧縮撚線導体が得られる。
図1は、本発明に係る一実施形態としての圧縮撚線導体について、その横断面を示す、概略断面図である。 図2(A)は、図1に示す中心線の第1皮膜付近を拡大した、拡大断面図であり、図2(B)は、図1に示す外周線の第2皮膜付近を拡大した、拡大断面図である。 図3は、圧縮撚線導体の見かけ上の断面積における中心線、外周線、および空隙の面積率を説明する図である。
以下、本発明の圧縮撚線導体の好ましい実施形態について、詳細に説明する。
本発明に従う圧縮撚線導体は、中心線と、該中心線の周りに配置された複数本の外周線とを撚り合わせてなり、前記中心線が、ステンレス鋼からなるステンレス素線と、該ステンレス素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第1皮膜とを有し、前記外周線が、純銅または銅合金からなる銅系素線と、該銅系素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第2皮膜とを有し、前記銅系素線の線径が、円相当直径で、前記ステンレス素線の線径と同等以上であり、前記第1皮膜および前記第2皮膜は共に、最外層の金属含有層が銀含有層であり、前記銀含有層は、平均膜厚が0.1〜10μmであることを特徴とする。
このような本発明の圧縮撚線導体は、高い引張強度と、優れた導電性および半田濡れ性とを有する。特に、本発明の圧縮撚線導体では、高い引張強度(例えば、500MPa以上)と、高い導電率(例えば、60%IACS以上)をバランスよく実現し得る。
本明細書において、圧縮撚線導体は、中心線と、該中心線の周りに配置された複数本の外周線とを撚り合わせた後、さらに圧縮した撚線を指す。
撚り合わせた後に、圧縮を行う圧縮撚線導体の場合、中心線および外周線が、それぞれの表面に金属含有層からなる皮膜を有することにより、圧縮工程で皮膜同士を凝着させ(圧接という金属接合技術の一種を応用して)、各線間を強固に結合されることができる。これにより、圧縮後の工程(例えば樹脂被覆工程)において、「わらい」の発生を抑制できる。ここで「わらい」と呼ばれる状態は、ステンレス素線と銅素線のように、引張応力に差がある2つの素線を撚り合わせる際に、素線同士の撚りが外れて、または膨らんで、線が撚線の束から飛び出してしまう状態を指す。
本発明の圧縮撚線導体は、中心線および外周線は、いずれも金属含有層からなる皮膜を有し、最外層の金属含有層が銀含有層である。銀は、表面が酸化し難く、凝着力も大きい金属であるため、このような金属を最外層に含む、本発明の圧縮撚線導体では、各線間における皮膜同士の凝着力をさらに高めることができ、上述のような「わらい」の発生も、効果的に抑制し得る。
図1は、本発明に従う圧縮撚線導体の一実施形態として、圧縮撚線導体の横断面(圧縮撚線導体の長手方向に垂直な断面)を示す、概略断面図である。図1中、符号1は圧縮撚線導体、3は中心線、5は外周線である。
図1に示される圧縮撚線導体1は、中心線3と、該中心線3の周りに配置された6本の外周線5とから構成されている。
<中心線>
まず、中心線3について詳しく説明する。中心線3は、ステンレス素線13と、該ステンレス素線13の外面13Aを被覆する第1皮膜23とを有してなる。
ステンレス素線13は、ステンレス鋼からなり、ステンレス鋼は、公知のものを用いることができるが、例えば、SUS301(組成;C:0.15質量%以下、Si:1.00質量%以下、Mn:2.00質量%以下、P:0.045質量%以下、S:0.030質量%以下、Ni:6.00〜8.00質量%、Cr:16.00〜18.00質量%)、SUS304(組成;C:0.08質量%以下、Si:1.00質量%以下、Mn:2.00質量%以下、P:0.045質量%以下、S:0.030質量%以下、Ni:8.00〜10.50質量%、Cr:18.00〜20.00質量%)、SUS316(組成;C:0.08質量%以下、Si:1.00質量%以下、Mn:2.00質量%以下、P:0.045質量%以下、S:0.030質量%以下、Ni:10.00〜14.00質量%、Cr:16.00〜18.00質量%、Mo:2.00〜3.00質量%)等の線材が好ましい。
ステンレス素線13の線径は、特に限定されず、使用態様等に応じて適宜選択できるが、例えば後述する銅系素線15との関係で調整することが好ましい。
第1皮膜23は、ステンレス素線13の外表面13Aに形成された、1層以上の金属含有層からなる皮膜である。
第1皮膜23の形成状態は、特に限定されず、例えばステンレス素線の外表面13Aの全面を覆うように形成されていてもよいし、ステンレス素線の外表面13Aのうち一部分を覆うように形成されていてもよく、特にステンレス素線の外表面13Aの全面を覆うように形成されていることが好ましい。
図2(A)に、図1に示す中心線3の第1皮膜23付近を拡大した、拡大断面図を示す。
図2(A)において、第1皮膜23は、1層以上の金属含有層(23a,23b,23c)から構成されている。ここで、第1皮膜23の最表面23Aとなる、最外層の金属含有層23aは、銀含有層である。ステンレス素線13が、その外表面13A上に第1皮膜23を有することにより、圧縮撚線導体1全体の電気特性を向上できると共に、端末処理時の半田濡れ性を向上し得る。なお、銀含有層以外に、スズ含有層を最外層の金属含有層とした場合には、端末処理時の半田濡れ性は改善できるものの、素線間や導体全体での導電性の向上は望めない。すなわち、本発明では、電気特性および半田濡れ性を両立する観点で、最外層の金属含有層が銀含有層であることが重要となる。加えて、最外層同士の凝着といった観点でもスズは銀に劣ることから、銀含有層であることが重要となる。
銀含有層は、銀を含有する皮膜であればよく、純銀または銀合金からなる皮膜が挙げられる。銀合金としては、例えばAg−Sn系合金やAg−Sb系合金、Ag−Bi系合金、Ag−Zn系合金等が挙げられる。銀を含有する皮膜は、導電率が80%IACS以上であることが好ましい。また銀含有層における、銀の含有量は90質量%以上であることが好ましい。
第1皮膜23は、最外層23aが銀含有層であれば特に限定されず、例えば、銀含有層のみで構成されていてもよいし、図2(A)のように、ステンレス素線13の表面13Aと、最外層23aである銀含有層との間に、下地層23cや、中間層23b等を有していてもよい。
下地層23cとしては、例えば、ニッケル含有層が挙げられる。ニッケル含有層の材料としてはNi、Ni−P系合金等を挙げることができる。ニッケル含有層中のニッケル含量は90質量%以上であることが好ましい。第1皮膜23が、下地層23cを有することにより、素線と第1皮膜の密着力が向上することとなり、例えば、加工等の変形後にも密着が維持されるため、半田濡れ性が維持できることとなる。
さらに、中間層23bとしては、例えば、銅含有層が挙げられる。銅含有層の材料としてはCu、Cu−Sn系合金等を挙げることができる。銅含有層中の銅含量は90質量%以上であることが好ましい。第1皮膜23が、中間層23bを有することにより、下地層と第1皮膜の密着力が向上することとなり、例えば、加工等の変形後にも密着が維持されるため、半田濡れ性が維持できることとなる。
第1皮膜23の平均膜厚は、0.1〜20μmであることが好ましい。
特に、最外層23aである銀含有層の平均膜厚は、0.1〜10μmであり、好ましくは0.5〜5μmである。上記範囲とすることにより、素線間の導通を良好に確保でき、導電率が向上すると共に、半田濡れ性が良好となる。
また、下地層23cおよび中間層23bの平均膜厚は、金属含有層の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば各金属含有層毎に0.1〜5μmとすることができる。
<外周線>
次に、外周線5について説明する。図1の例では、外周線5は、中心線3の周囲に6本配置されているが、各外周線5の構成(素線の組成や太さ、皮膜の組成や、複層構造、厚さ等)は、個別に選択することができ、本発明の効果を妨げない範囲で各外周線5を異なる構成としてもよい。なお、強度のバラツキ等を少なくする観点からは、全ての外周線5を同じ構成とすることが望ましい。
外周線5は、銅系素線15と、該銅系素線15の外面15Aを被覆する第2皮膜25とを有してなる。
銅系素線15は、純銅または銅合金からなる。銅系素線15は例えば、0.3質量%以下のSn、4質量%以下のAgを含有する。ここで銅合金は、Cu−Sn系合金、Cu−Ag系合金等が挙げられる。特に、銅系素線15は、導電率が60%IACS以上のものが好ましい。また、銅系素線15における、銅の含有量は95質量%以上であることが好ましい。
銅系素線15の線径は、円相当直径で、ステンレス素線13の線径と同等以上である。すなわち、銅系素線15の円相当直径は、ステンレス素線13の円相当直径と同じか、又はステンレス素線13の円相当直径よりも大きい。ここで、円相当直径とは、圧縮撚線導体1の横断面において、銅系素線15またはステンレス素線13の断面積を測定し、該断面積を真円とした場合に算出される円の直径である。
第2皮膜25は、銅系素線15の外表面15Aに形成された、1層以上の金属含有層からなる皮膜である。
第2皮膜25の形成状態は、特に限定されず、例えば銅系素線の外表面15Aの全面を覆うように形成されていてもよいし、銅系素線の外表面15Aのうち一部分を覆うように形成されていてもよく、特に銅系素線の外表面15Aの全面を覆うように形成されていることが好ましい。
図2(B)に、図1に示す外周線5の第2皮膜25付近を拡大した、拡大断面図を示す。
図2(B)において、第2皮膜25は、1層以上の金属含有層(25a,25b,25c)から構成されている。ここで、第2皮膜25の最表面25Aとなる、最外層の金属含有層25aは、銀含有層である。銅系素線15が、その外表面15Aに、このような第2皮膜25を有することにより、圧縮撚線導体1全体の電気特性を向上できると共に、端末処理時の半田濡れ性を向上し得る。
銀含有層は、銀を含有する皮膜であればよく、純銀または銀合金からなる皮膜が挙げられる。銀合金としては、例えばAg−Sn系合金やAg−Sb系合金、Ag−Bi系合金、Ag−Zn系合金等が挙げられる。銀を含有する皮膜は、導電率が70%IACS以上であることが好ましい。また、銀含有層における、銀の含有量は80質量%以上であることが好ましい。
第2皮膜25は、最外層25aが銀含有層であれば特に限定されず、例えば、銀含有層のみで構成されていてもよいし、図2(B)のように、銅系素線15の表面15Aと、最外層25aである銀含有層との間に、下地層25cや、中間層25b等を有していてもよい。
下地層25cとしては、例えば、ニッケル含有層が挙げられる。第2皮膜25が、下地層25cを有することにより、熱処理後に素線の銅成分が表面へ拡散することを防止し、例えば熱処理後の半田濡れ性が向上することとなる。
中間層25bとしては、例えば、銅含有層が挙げられる。第2皮膜25が、中間層25bを有することにより、下地層と第2皮膜との密着性が向上し、例えば加工後の半田濡れ性が向上することとなる。
第2皮膜25の平均膜厚は、0.1〜20μmであることが好ましい。
特に、最外層25aである銀含有層の平均膜厚は、0.1〜10μmであり、好ましくは0.5〜5μmである。上記範囲とすることにより、素線間の導通を良好に確保でき、導電率が向上すると共に、半田濡れ性が良好となる。
また、下地層25cおよび中間層25bの平均膜厚は、金属含有層の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば0.1〜5μmとすることができる。
なお、第1皮膜23と第2皮膜25とは、最外層23a,25aの金属含有層が銀含有層であればよく、各皮膜23,25について個別に構成(膜厚や、層構造等)を選択することができ、各皮膜23,25をそれぞれ異なる構成としてもよい。
<圧縮撚線導体>
上述のような中心線3と、外周線5とからなる圧縮撚線導体1は、その横断面の断面積が0.1mm未満であることが好ましい。圧縮撚線導体1が適切な圧縮工程を経た極細線であることにより「わらい」を防止できる。本発明の圧縮撚線導体1は、中心線3および外周線5の最外層23a,25aが銀含有層であることにより、線間で銀の凝着力が得られる。このような凝集力は、各線の密集力を高めるが、圧縮撚線導体1が太過ぎる場合、銀の凝集力だけでは十分な密集力が得られず、「わらい」が生じる場合がある。
ここで、横断面の面積(以下、単に「断面積」という)は、圧縮撚線導体1の長手方向に垂直な断面を、樹脂埋め研磨により金属顕微鏡にて観察して算出することができる。より具体的な測定方法は、実施例の頁にて説明する。
また、圧縮撚線導体1の断面積に占める、銀含有層の断面積の合計面積率[(銀含有層の断面積の合計面積/圧縮撚線導体1の断面積)×100]は1〜50%であることが好ましく、より好ましくは5〜30%である。合計面積率を上記範囲とすることにより、引張強度と電気特性との良好なバランスを図ることができる。銀含有層は、厚くするほど導電率は向上するが、中心線および外周線の各線径が太くなると共に、断面積あたりの強度低下の要因にもなる。
ここで、銀含有層の断面積の合計面積とは、中心線3の銀含有層と、該中心線3の周りに配置された複数本の外周線5の各銀含有層とで、各断面積を、全て合計した合計断面積を意味する。
さらに銅系素線15は、1本あたりの断面積の面積比が、ステンレス素線13に対して1〜2であることが好ましい。ステンレス素線13と銅系素線15とを、それぞれ同じ程度の断面積とすることにより、導電率と引張強度のバランスを良好にできる。
<圧縮撚線導体の製造方法>
このような本発明の一実施例による圧縮撚線導体の好ましい製造方法は、ステンレス素線および銅系素線を準備する、準備工程[1]と、前記ステンレス素線および前記銅系素線のそれぞれに、めっき処理を施して、中心線および外周線を得る、めっき工程[2]と、前記中心線の周りに複数本の前記外周線を配置し、撚り合わせながら圧縮して、圧縮撚線導体を得る、圧縮工程[3]と、を有する。また、必要に応じて、めっき工程[2]の前に、素線に対する前処理工程を設けてもよい。以下、詳しく説明する。
[1]素線の準備工程
準備工程では、ステンレス素線および銅系素線を準備する。準備するステンレス素線および銅系素線は、上述のものを用いることができる。
準備したステンレス素線および銅系素線に対しては、必要に応じて、めっき処理に先立ち、前処理を行ってもよい。前処理は、素線の組成等に応じて適宜できるが、例えば、ステンレス素線に対しては、電解脱脂および活性化処理を行うことが好ましく、銅系素線に対しては、電解脱脂および酸洗いを行うことが好ましい。
[2]めっき工程
めっき工程では、ステンレス素線および銅系素線のそれぞれに、めっき処理を施して、中心線および外周線を得る。
めっき処理の条件は、ステンレス素線および銅系素線のそれぞれに、どのような金属含有層を含む第1皮膜および第2皮膜を形成するかによって適宜選択することができるが、少なくとも、中心線および外周線の最外層の金属含有層が、平均膜厚0.1〜10μmの銀含有層となるような条件で行う。
最外層の金属含有層である、銀含有層だけで第1皮膜および第2皮膜を形成してもよいが、ステンレス素線および銅系素線に各種特性(機能)を付与する目的に応じて、下地層や中間層としての金属含有層を適宜形成して、最外層の銀含有層を含む2層以上の金属含有層からなる第1皮膜および第2皮膜を形成することもできる。
(最外層の銀含有層の形成)
電解めっきによる形成が好ましく、シアン化銀めっき浴、非シアン浴等適宜選択することができ、硬質銀めっきや光沢銀めっき、あるいは、Ag−Sn合金めっき浴等を適宜選択することができる。めっき処理としては通常のめっき処理であっても、ストライクめっき処理であってもよい。ストライクめっき処理を行うと銀含有層と、その下層との接着力を向上させることができる。
(下地層の金属含有層の形成)
電解めっきが好ましく、硫酸ニッケル浴や塩酸ニッケル浴やスルファミン酸ニッケル浴といったものを適宜選択することができる。加えて、Ni−PやNi−W等の合金めっき浴も選択することができる。
(中間層の金属含有層の形成)
電解めっきが好ましく、硫酸銅浴やシアン化銅浴を適宜選択することができる。加えて、Cu−Sn合金めっき等も選択することができる。
第1皮膜および第2皮膜は、用途に応じて、上述したような最外層の銀含有層と、銀含有層よりも下層に形成される1層、又は2層以上の金属含有層とを適正に組み合わせて様々な層構成に変更して形成することが可能である。
[3]圧縮工程
チューブラ撚線機を用い、中心線の周りに複数本の外周線を配置し、撚り合わせて、撚線を得るのと同時に、ダイスを通して圧縮することで圧縮撚線導体を得る。圧縮工程においては、最終的に得られる圧縮撚線導体の最大直径から算出される見かけ上の断面積において、中心線の断面積の面積率が5〜20%、外周線の断面積の面積率が70〜90%、および空隙の断面積の面積率が2〜15%であるように圧縮を行うことが好ましい。
ここで、中心線、および外周線の断面積の面積率とは、圧縮撚線導体の最大直径から算出される真円の断面積(見かけ上の断面積)に対して、圧縮撚線導体を樹脂埋め、研磨し、横断面を金属顕微鏡により観察し、画像処理によりそれぞれの線(中心線および外周線)の断面積を求め、これらの線が占める断面積の割合を線の面積率とした。また、見かけ上の断面積から線の断面積を引いた残りの断面積を空隙の断面積とし、見かけ上の断面積に対する空隙の断面積の割合を空隙の面積率とした。図3は、圧縮撚線導体の断面を用いて、中心線、外周線、および空隙の断面積の面積率を説明する図である。図3に示すようにまず、圧縮撚線導体1の最大直径Dを決定し、この最大直径Dを直径とする真円31を画定する。最大直径Dはマイクロメータで測定することができる。そして、真円31の断面積を見かけ上の断面積とする。次に、中心線3および外周線5の断面積を測定し、中心線3の断面積の面積率は(中心線3の断面積)/(真円31の断面積)×100(%)により算出し、外周線5の断面積の面積率は(外周線5の合計断面積)/(真円31の断面積)×100(%)により算出する。図3において、真円31から、中心線3および外周線5が占める領域を除いた領域が空隙32となる。従って、(真円31の断面積)−(中心線3の断面積)−(外周線5の合計断面積)により空隙32の断面積を算出し、空隙32の断面積の面積率は(空隙32の断面積)/(真円31の断面積)×100(%)により算出する。
ここで、強度・導電率のバランスから、中心線、外周線、および空隙の面積率は上記の範囲であることが好ましく、特に、空隙の面積率が2%より小さい場合、強圧縮が必要になり、中心線と外周線の強度差から外周線が傷つき、強度低下の要因となる場合がある。一方、空隙が15%よりも多い場合には、圧縮撚線導体の見かけ上の断面積が大きくなることから、本来の導電率・強度を得たい場合に線径が太くなってしまう問題が生じる場合がある。
また、「めっき工程」と「圧縮工程」との間に所定の線径を得るための「伸線工程」を設けてもよいし、設けなくてもよい。
本発明の圧縮撚線導体1は、特には、医療や産業機器、ロボット用途での同軸ケーブルとして好適に用いることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含み、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、実施例および比較例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(参考例1:中心線の作製)
中心線の作製は、以下の手順で行った。
[1−1]素線の準備
まず、中心素線として表1に示す材料を準備した。
[1−2]前処理
次に、前処理として、上記[1−1]で準備した中心素線に対し、以下の条件で、電解脱脂および活性化処理を施した。
[電解脱脂]
脱脂液: オルソケイ酸ソーダ 100g/L水溶液
電流密度: 2.5A/dm
処理温度: 60℃
脱脂時間: 30秒
[活性化]
処理液: 濃度10質量%のHCl水溶液
処理温度: 30℃
浸漬時間: 30秒
[1−3]第1皮膜の形成
続いて、上記[1−2]で前処理を施した中心素線に対し、以下の条件で各めっき処理を施し、表1に示す組み合わせで1層以上の金属含有層を形成した。具体的には、表1に示す下地層(Ni層)は、Niめっき処理にて、中間層(Cu層)は、Cuめっき処理にて形成した。また、表1に示す最外層のうち、Ag層は、Agストライクめっき処理またはAgめっき処理にて、Ag−Sn合金層は、AgSnめっき処理にて、Sn層は、Snめっき処理にて、それぞれ形成した。なお、各層の平均膜厚は、処理時間で調節した。
[Niめっき処理]
めっき液: HCl 50g/L
NiCl 250g/L
電流密度: 5A/dm
処理温度: 40℃
[Cuめっき処理]
めっき液: CuSO・5HO 250g/L
SO 50g/L
NaCl 0.1g/L
電流密度: 5A/dm
処理温度: 40℃
[Agストライクめっき処理]
めっき液: AgCN 5g/L
KCN 60g/L
CO 30g/L
電流密度: 2A/dm
処理温度: 30℃
処理時間: 10秒
[Agめっき処理]
めっき液: AgCN 50g/L
KCN 100g/L
CO 10g/L
電流密度: 1A/dm
処理温度: 30℃
[AgSnめっき処理]
めっき液: AgCN 5g/L
NaCN 50g/L
NaOH 50g/L
SnO・3HO 80g/L
電流密度: 1A/dm
処理温度: 30℃
[Snめっき処理]
めっき液: SnSO 60g/L
SO 120g/L
クレゾールスルホン酸 120g/L
β−ナフトール 1g/L
ゼラチン 2g/L
電流密度: 1.5A/dm
処理温度: 30℃
(参考例2:外周線の作製)
外周線の作製は、以下の手順で行った。
[2−1]素線の準備
まず、外周素線として表1に示す材料を準備した。
なお、表1中、Cuは純銅からなる99.96質量%以上のCuと残りが不可避不純物からなり、Cu−0.3%Snは、0.3質量%Snと、Cuと不可避不純物からなる合金である。Cu−0.6%Agは、0.6質量%Agと、Cuと不可避不純物からなる合金である。
[2−2]前処理
次に、前処理として、上記[2−1]で準備した外周素線に対し、以下の条件で、電解脱脂および酸洗いを施した。
[電解脱脂]
処理液: 濃度60g/Lの水酸化ナトリウム水溶液
電流密度: 2.5A/dm
温度: 60℃
脱脂時間: 60秒
[酸洗い]
処理液: 濃度10質量%の硫酸水溶液
浸漬時間: 30秒
[2−3]第2皮膜の形成
続いて、上記[2−2]で前処理を施した外周素線に対し、上記[1−3]に示した条件で、各めっき処理を施し、表1に示す組み合わせで1層以上の金属含有層を形成した。
(実施例1〜19および比較例3〜6)
実施例1〜19および比較例3〜6では、下地層があるものは、上記記載の前処理の後に上記Niめっき処理を施し、次いで中間層があるものは上記Cuめっき処理を施し、Agストライクめっきの後、AgめっきやAgSnめっきを適宜施した。めっきの平均膜厚は、各めっき時の通電時間を調整することで、所定のめっきの平均膜厚となるよう調整した。なお、各めっき処理等の間に水洗を適宜実施した。中間層がないものについては、前処理の後、Niめっき、次いでAgストライクめっき後に、AgめっきあるいはAgSnめっきを施した。下地層がないものについては、前処理後、Agストライクめっきを施した後、AgめっきあるいはAgSnめっきを施した。上記参考例1および2の各条件で作製された表1に示す各中心線および外周線を用いて、チューブラ型撚線機によって圧縮撚線導体を作製した。
(比較例1)
比較例1では、第1皮膜を形成しない中心線と、第2皮膜を形成しない外周線を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、圧縮撚線導体を作製した。なお、各素線に対する前処理は行っていない。
(比較例2)
比較例2では、第1皮膜を形成しない中心線と、上記参考例2の条件で作製された表1に示す第2皮膜を有する外周線を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、圧縮撚線導体を作製した。なお、中心素線に対して前処理は行っていない。
(比較例7)
比較例7では、上記参考例2の条件で作製された表1に示す第2皮膜を有する外周線を中心に用い、実施例1と同様の方法で、圧縮撚線導体を作製した。
Figure 2019114447
[評価]
上記実施例および比較例に係る圧縮撚線導体を用いて、下記に示す特性評価を行った。各特性の評価条件は下記の通りである。結果を表2及び3に示す。
[1]円相当直径、断面積、平均膜厚および圧縮撚線導体の見かけ上の断面積の測定
断面積は、圧縮撚線導体を樹脂埋め、研磨し、横断面を金属顕微鏡により観察し、画像処理によりそれぞれの素線の断面積を求めた。次に、それぞれの線の断面積を真円とした場合に算出される円の直径を円相当直径とした。
めっき厚(下地層、中間層及び最外層(銀含有層)の平均膜厚)は、蛍光X線薄膜測定装置を用い、10点測定して平均膜厚を得た。めっきの断面積は、画像処理により得られた中心線および外周線の断面積を円で近似し、めっきの断面積の平均値を算出した。
また、圧縮撚線導体の線径をマイクロメータで測定し、得られた最大直径から、圧縮撚線導体の見かけ上の断面積を求めた。
[2]引張強度の測定(引張特性)
JIS Z2241:2011に準じて、各3本ずつの試験片について、それぞれ引張試験を行い、引張強度を求め、その平均値を算出した。その際、断面積は圧縮撚線導体をマイクロメータで計測し、見かけ上の断面積を用いた。
本実施例では、引張強度の平均値が、700MPa以上である場合を「◎」、500MPa以上700MPa未満である場合を「○」、500MPa未満である場合を「×」と判定し、「◎」および「○」を合格レベルと評価した。
[3]導電率の測定(電気特性)
長さ1mの試験片を、ケルビンダブルブリッジにより20℃(±0.5℃)での導体抵抗を測定し、その平均値から導電率を算出した。端子間距離は200mmとした。その際、断面積の値には、圧縮撚線導体をマイクロメータで計測して得られた見かけ上の断面積を用いた。
導電率が、70%IACS以上である場合を「◎」、60%IACS以上70%IACS未満である場合を「○」、60%IACS未満である場合を「×」と判定し、「◎」および「○」を合格レベルと評価した。
[4]半田濡れ試験(半田濡れ性)
試験片に対して、ソルダーチェッカー(SAT−5100、株式会社レスカ製)を用いて半田濡れ時間を測定した。「半田濡れ時間」は、最大ぬれ力の2/3に達するまでの時間とし、試験条件については、以下の条件とした。なお、加工熱処理後の半田濡れ性の評価として、測定部を直径1mmのステンレス棒に巻きつけたまま、250℃で5分加熱した圧縮撚線導体を、真直ぐにした後、半田濡れ時間を測定した。半田濡れ時間が2秒未満である場合を「◎」、2秒以上5秒未満である場合を「〇」、5秒以上である場合を「×」と判定し、「◎」および「○」を合格レベルと評価した。
[試験条件]
半田の種類: Sn−3Ag−0.5Cu
温度: 250℃
浸漬速度: 25mm/秒
浸漬時間: 10秒
浸漬深さ: 10mm
[5]わらい発生の有無
溶融させたフッ素樹脂(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体:PFA)と圧縮撚線導体とを押し出し、導体に樹脂被覆する工程にて、導体を1km製造したときに、目視にて素線同士の撚りが外れて、または膨らんで、線が撚線の束から飛び出してしまう状態が観察された場合を「△」、観察されなかった場合を「○」として評価した。
Figure 2019114447
Figure 2019114447
表1に示されるように、実施例1〜19の圧縮撚線導体は、中心線が、ステンレス鋼からなるステンレス素線と、その外面を被覆する1層以上の金属含有層からなる第1皮膜を有し、外周線が、純銅または銅合金からなる銅系素線と、その外面を被覆する1層以上の金属含有層からなる第2皮膜を有し、銅系素線の線径が、円相当直径で、ステンレス素線の線径と同等以上であり、第1皮膜および第2皮膜は共に、最外層の金属含有層が平均膜厚0.1〜10μmの銀含有層であるため、高い引張強度と、優れた導電性および半田濡れ性を有することが確認された。
これに対し、比較例1〜7の圧縮撚線導体は、中心線または外周線の少なくとも一方が、各素線の表面に1層以上の金属含有層からなる皮膜を有していないか、中心線または外周線の皮膜の最外層が、平均膜厚0.1〜10μmの銀含有層ではないか、銅系素線の線径が、円相当直径で、ステンレス素線の線径よりも小さいか、または中心線がステンレス素線ではないため、実施例1〜19の圧縮撚線導体に比べて、引張強度、電気特性および半田濡れ性のいずれか1つ以上の特性が劣っていることが確認された。
また、本発明の圧縮撚線導体は、特に線径が細線化されている特定の場合(実施例1〜3、5〜10、12〜15、および17〜19)に、「わらい」の抑制効果が大きいことが確認された。
1 圧縮撚線導体
3 中心線
5 外周線
13 ステンレス素線
15 銅系素線
23 第1皮膜
25 第2皮膜
31 真円
32 空隙
D 最大直径

Claims (4)

  1. 中心線と、該中心線の周りに配置された複数本の外周線とを撚り合わせてなる圧縮撚線導体であって、
    前記中心線が、ステンレス鋼からなるステンレス素線と、該ステンレス素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第1皮膜とを有し、
    前記外周線が、純銅または銅合金からなる銅系素線と、該銅系素線の外面を被覆する、1層以上の金属含有層からなる第2皮膜とを有し、
    前記銅系素線の線径が、円相当直径で、前記ステンレス素線の線径と同等以上であり、
    前記第1皮膜および前記第2皮膜は共に、最外層の金属含有層が銀含有層であり、
    前記銀含有層は、平均膜厚が0.1〜10μmであることを特徴とする、圧縮撚線導体。
  2. 前記圧縮撚線導体の横断面において、
    前記圧縮撚線導体の断面積に占める、前記銀含有層の断面積の合計面積率が1〜50%であり、
    前記銅系素線は、1本あたりの断面積の面積比が、前記ステンレス素線に対して1〜2である、請求項1に記載の圧縮撚線導体。
  3. 請求項1または2に記載の圧縮撚線導体の製造方法であって、
    前記ステンレス素線および前記銅系素線を準備する、準備工程と、
    前記ステンレス素線および前記銅系素線のそれぞれに、めっき処理を施して、前記中心線および前記外周線を得る、めっき工程と、
    前記中心線の周りに複数本の前記外周線を配置し、撚り合わせながら圧縮して、圧縮撚線導体を得る圧縮工程と、を有し、
    圧縮撚線導体の最大直径から算出される見かけ上の断面積において、前記中心線の断面積の面積率が5〜20%、前記外周線の断面積の面積率が70〜90%、空隙の断面積の面積率が2〜15%である、圧縮撚線導体の製造方法。
  4. 前記圧縮撚線導体の断面積が0.1mm未満である、請求項3に記載の圧縮撚線導体の製造方法。
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