JP2014164939A - 圧着端子 - Google Patents
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Abstract
【課題】筒状の圧着部を有し、電線の導体部分との接触抵抗を低く維持することができる圧着端子を提供する
【解決手段】圧着端子1は、嵌合部20と筒状圧着部30とを有し、嵌合部20と筒状圧着部30とは、トランジション部40を介して連結されている。筒状圧着部30は、基材33上に、第1めっき層34と、第2めっき層35と、をこの順に有する。第1めっき層34は、厚さが50nm〜500nmであって、筒状圧着部を構成する基材の融点よりも高い融点を有する金属からなる。
【選択図】図1
【解決手段】圧着端子1は、嵌合部20と筒状圧着部30とを有し、嵌合部20と筒状圧着部30とは、トランジション部40を介して連結されている。筒状圧着部30は、基材33上に、第1めっき層34と、第2めっき層35と、をこの順に有する。第1めっき層34は、厚さが50nm〜500nmであって、筒状圧着部を構成する基材の融点よりも高い融点を有する金属からなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車用ワイヤハーネス等に使用される電線に接続される圧着端子に関するものである。
近年、部品の軽量化のニーズが高まっていることから、銅電線からアルミニウム電線への置き換えが進められている。しかし、アルミニウム電線には、導体表面に酸化被膜が形成されていることから、端子と電線の導体部分との接触抵抗が増大するという問題がある。
そこで特許文献1では、端子の圧着部内周に凹状の溝を設けることが行われている。このような溝を設けることにより、圧着部を電線の導体部分に対して圧着した際、圧着された電線の一部が溝の形状に応じて変形する。その際、電線の導体部分の表面に形成されている酸化被膜が破壊され、接触抵抗を低く保つことができる。また、電線の一部が溝の形状に応じて変形することにより、圧着された電線が圧着部から抜けにくくなるという効果もある。
しかし、特許文献1の圧着端子は、圧着部から電線の導体部分の一部が露出する構造を有している。電線の導体部分が露出すると、腐食したり欠損する恐れがある。そこで、近年、電線接続部を筒状にすることが提案されている。筒状の圧着部に電線の導体部分を挿入して圧着することにより、外界から遮断することができる。
ここで、圧着部を筒状にするためには、圧着部を構成する金属基材をレーザ溶接等により接合する必要がある。しかし、レーザ溶接を行うと、圧着部内周に設けられた溝部分の金属が軟化する。軟化すると、導体部分の表面に形成されている酸化皮膜を破壊する力が低下する。よって、筒状の圧着部を有する圧着端子では、圧着部内周に凹状の溝を設けても、接触抵抗を低く保つことができない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、筒状の圧着部を有し、電線の導体部分との接触抵抗を低く維持することができる圧着端子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る圧着端子は、電線と圧着される筒状圧着部を有する圧着端子であって、前記筒状圧着部は、前記電線の導体部分と接する内面に形成された少なくとも1つの電線係止溝と、前記内面上に形成された第1めっき層とを備え、前記第1めっき層は、厚さが50nm〜500nmであって、前記筒状圧着部を構成する基材の融点よりも高い融点を有する金属からなることを特徴とする。
本発明に係る圧着端子において、前記第1めっき層は、Ni、Fe、Co、及びCrより選ばれる少なくとも1種の金属からなることが好ましい。
本発明に係る圧着端子において、前記筒状圧着部は、前記第1めっき層の上にSn、Au、Ag、及びCuより選ばれる少なくとも1種の金属からなる第2めっき層を備えることが好ましい。
また、本発明に係る圧着端子において、前記第2めっき層は、厚さが20nm〜120nmであることが好ましい。
また、本発明に係る圧着端子において、前記電線の導体は、アルミニウム又はアルミニウム系合金からなることが好ましい。
また、本発明に係る圧着端子において、前記筒状圧着部は、銅又は銅合金からなることが好ましい。
本発明の圧着端子は、電線と圧着接合する圧着部が筒状であるため、外部からの水分等の進入を回避することができ、防食性が高い。また、筒状圧着部は、電線の導体部分と接する内面に形成された少なくとも1つの電線係止溝と、前記内面上に形成された第1めっき層とを備え、第1めっき層は、厚さが50nm〜500nmであって、圧着部を構成する基材の融点よりも高い融点を有する金属からなる。第1めっき層を構成する金属は、圧着部を構成する基材の融点よりも高い融点を有するため、筒状圧着部を形成する際に、筒状圧着部を構成する基材がレーザ溶接等の熱で軟化したとしても、電線係止溝は硬く維持された状態にある。そのため、電線の導体部分に形成されている酸化皮膜を破壊する効果が高く、筒状圧着部と電線の導体部分との接触抵抗を低く維持することができる
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
[本実施形態]
図1は、本実施形態の圧着端子1を示す斜視図である。圧着端子1は、嵌合部20と筒状圧着部30とを有し、嵌合部20と筒状圧着部30とは、トランジション部40を介して連結されている。圧着端子1は、導電性と強度を確保するために、銅、アルミニウム、またはこれらを主成分とする合金等の基材で製造されている。なお、本実施形態では、雌型端子の例を示しているが、雄型端子でもよい。
図1は、本実施形態の圧着端子1を示す斜視図である。圧着端子1は、嵌合部20と筒状圧着部30とを有し、嵌合部20と筒状圧着部30とは、トランジション部40を介して連結されている。圧着端子1は、導電性と強度を確保するために、銅、アルミニウム、またはこれらを主成分とする合金等の基材で製造されている。なお、本実施形態では、雌型端子の例を示しているが、雄型端子でもよい。
嵌合部20は、雌型端子である。嵌合部20に、他の端子として、例えば雄型端子を挿入することにより、嵌合部20と雄型端子とは電気的に接続される。嵌合部20は、他の端子と電気的に接続できれば、細部の形状は特に限定されない。例えば、箱型(ボックス形状)が挙げられる。
筒状圧着部30は、筒状であって、アルミニウム電線等の電線を挿入することができる電線挿入口31を有している。筒状圧着部30のトランジション部40側は、閉塞している。筒状圧着部30が筒状であると、圧着端子1と電線との接点に水分等が付着しないため好ましい。圧着端子1と電線との接点に水分が付着すると、圧着端子1を構成する金属と電線を構成する金属との起電力の差から、いずれかの金属が腐食してしまう。
また、図1に示すように、筒状圧着部30の内面には、圧着端子1の長手方向と垂直な方向に沿って複数の電線係止溝32が設けられている。電線係止溝32の詳細は後述する。
図2は、本実施形態の圧着端子1における筒状圧着部の断面の一部を示す図である。筒状圧着部30は、基材33上に、第1めっき層34と、第2めっき層35と、をこの順に有する。また、筒状圧着部30には、電線係止溝32が設けられている。電線係止溝32の上にも、第1めっき層34と、第2めっき層35が形成されている。
第1めっき層34は、Ni、Fe、Co、及びCrより選ばれる少なくとも1種の金属からなるのが好ましい。これらの金属は、基材33を構成する銅または銅合金の融点よりも高い融点を有する。例えば、銅の融点は1083℃であり、Niの融点は1455℃である。このため、第1めっき層34を構成する金属は、レーザ溶接時の熱により転位が移動しにくい。レーザ溶接時の熱による軟化を抑制することができる。第1めっき層34の厚さは、50nm〜500nmであることが好ましい。より好ましくは、200nm〜400nmである。厚さが50nmより小さいと、電線導体の酸化被膜を破る効果が小さいため、好ましくない。また、厚さが500nmより大きいと、プレス時の加工性が低下するため、好ましくない。また、めっき層を厚くするためには、長時間のめっき処理が必要となるため、好ましくない。
第2めっき層35は、Sn、Au、Ag、及びCuより選ばれる少なくとも1種の金属からなるのが好ましい。これらの金属は、電線を構成するアルミニウム又はアルミニウム合金との接触抵抗が低い。第2めっき層35の厚さは、20nm〜120nmであることが好ましい。より好ましくは、50nm〜100nmである。第2めっき層を構成する金属は、第1めっき層を構成する金属よりも軟らかい。したがって、第2めっき層の厚さが120nmより大きいと、電線導体の酸化被膜を破る効果が小さくなるため、好ましくない。また、めっき層を厚くするためには、長時間のめっき処理が必要となるため、好ましくない。
電線係止溝32は、矩形断面の溝である。幅が0.05〜0.15mm、深さが0.05〜0.15mm、溝間のピッチが0.6〜0.8mmであることが好ましい。このような溝はセレーションとも呼ばれる。なお、本実施形態では、電線係止溝32は、矩形断面の溝である例を示したが、半円形断面の溝や、逆台形状断面の溝であってもよい。また、本実施形態では、電線係止溝32は、筒状圧着部30の底部側に長手方向と垂直な方向に沿って設けられているが、筒状圧着部30において電線の導体部分と接触する面に設けられれば、位置及び方向は限定されない。
図3は、本実施形態の圧着端子1と電線60とが接続された構造の接続構造体10を示した斜視図である。導体部分が露出した電線端部を挿入口31に挿入した状態で筒状圧着部30を加締めることで、筒状圧着部30が塑性変形して電線の絶縁被覆および導体と圧着される。これにより、筒状圧着部30と電線60の導体とが電気的に接続される。電線60は、絶縁被覆61と図示しないアルミニウムまたはアルミニウム系合金電線の芯線とからなっている。電線60は裸線であっても良いが、防食の観点から通常は絶縁被覆された電線を用いる。
本実施形態の圧着端子1の製造方法について説明する。
まず、金属基材(銅合金、アルミ合金など)からなる条材をめっき処理する。具体的には、条材に第1のめっき処理を行うことにより、Ni、Fe、Co、及びCrより選ばれる少なくとも1種の金属からなる第1めっき層を形成した後、第2のめっき処理を行うことにより、Sn、Au、Ag、及びCuより選ばれる少なくとも1種の金属からなる第2めっき層を形成する。めっき処理は、通常公知の電気めっきにより行うことができる。
次に、めっき処理された条材に、凸部を有した金型を用いてプレス加工することにより、電線係止溝を形成する。
次に、条材を平面展開した端子形状に打ち抜き、曲げ加工によって嵌合部や圧着部を設ける。この時、圧着部は平面からの曲げ加工では略C字型断面となっているので、この開放部分をファイバレーザによるレーザ溶接によって接合することで、筒状圧着部となる。
なお、第1のめっき処理及び第2のめっき処理は、条材全体に行ってもよいが、少なくとも圧着時に電線の導体部分と接触する部分に行えばよい。嵌合部20やトランジション部40には、特にめっき処理が施されなくてもよい。また、第1のめっき処理及び第2のめっき処理は、基材をプレスで打ち抜きした後に行っても良い。
[他の実施形態]
上記実施形態では、第1めっき層の上に第2めっき層を備えた筒状圧着部を有する圧着端子の例を示したが、第1めっき層の上に第2めっき層が形成されてなくてもよい。
上記実施形態では、第1めっき層の上に第2めっき層を備えた筒状圧着部を有する圧着端子の例を示したが、第1めっき層の上に第2めっき層が形成されてなくてもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。
条材を電解脱脂、酸洗の前処理を行った後、第1のめっき処理を行うことにより、第1めっき層を形成した。次に、第2のめっき処理を行うことにより第2めっき層を形成した。次に、プレス加工により、条材の一部に電線係止溝を設けた。めっき処理され、電線係止溝が設けられた条材を端子形状に切り抜いた。曲げ加工を施した後、レーザ溶接することにより、筒状圧着部を有する圧着端子を得た。圧着端子の筒状圧着部には、電線の導体部分と接触する面に、第1めっき層と第2めっき層が形成され、さらに、電線係止溝が設けられていた。
(条材)
FAS−680(古河電気工業社製)の合金組成:ニッケル 2.3質量%、シリコン 0.55質量%、亜鉛 0.5質量%、スズ 0.15質量%、マグネシウム 0.1質量%、残部 銅および不可避不純物
FAS−820(古河電気工業社製)の合金組成:ニッケル 2.3質量%、シリコン 0.55質量%、亜鉛 0.5質量%、スズ 0.15質量%、マグネシウム 0.1質量%、クロム 0.15質量%、残部 銅および不可避不純物
MAX375(三菱マテリアル社製)の合金組成:ニッケル 2.85質量%、シリコン 0.7質量%、亜鉛 0.5質量%、スズ 0.5質量%、残部 銅および不可避不純物
MAX251(三菱マテリアル社製)の合金組成:ニッケル 2.0質量%、シリコン 0.5質量%、亜鉛 1.0質量%、スズ 0.5質量%、残部 銅および不可避不純物
(前処理条件)
[電解脱脂]
脱脂液: 10%水酸化ナトリウム水溶液
処理温度:60℃
陰極電流密度:3.5A/dm2
処理時間:30秒
[酸洗]
酸洗液: 10%硫酸水溶液
処理温度:25℃
浸漬時間:30秒
(めっき条件)
以下、実施例1〜36及び比較例1〜5に係る圧着端子の製造方法における第1のめっき処理として、Niめっき、Coめっき、Feめっき、Crめっきの条件を示し、第2のめっき処理として、Snめっき、Auめっき、Agめっき、Cuめっきの条件を示す。
[Niめっき]
めっき液:Ni(SO3NH2)2・4H2O 500g/l、NiCl2 30g/l、H3BO3 30g/l
めっき条件:電流密度 15A/dm2、温度 50℃
[Coめっき]
めっき液:Co(SO3NH2)2・4H2O 500g/l、CoCl2 30g/l、H3BO3 30g/l
めっき条件:電流密度 5A/dm2、温度 50℃
[Feめっき]
めっき液:スルファミン酸鉄(II) 400g/l、スルファミン酸アンモニウム 30g/l、ホルマリン 100g/l
めっき条件:電流密度 10A/dm2、温度 50℃
[Crめっき]
めっき液:クロム酸 200g/l、硫酸 2g/l
めっき条件:電流密度 50A/dm2、温度 50℃
[Snめっき]
めっき液:SnSO4 80g/l、H2SO4 80g/l
めっき条件:電流密度 2A/dm2、温度 30℃
[Auめっき]
めっき液:KAu(CN)2 14.6g/l、C6H8O7 150g/l、K2C6H4O7 180g/l
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 40℃
[Agめっき]
めっき液:AgCN 50g/l、KCN 100g/l、K2CO3 30g/l
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 30℃
[Cuめっき]
めっき液:CuSO4・5H2O 250g/l、H2SO4 50g/l、NaCl 0.1g/l
めっき条件:電流密度 6A/dm2、温度 40℃
それぞれのめっき浴を使用し、処理時間を調整することで望みのめっき厚を得た。狙いのめっき厚±10nmになっているサンプルを採用し、評価を行った。めっき厚はX線などを用いて測定することが可能である。
(条材)
FAS−680(古河電気工業社製)の合金組成:ニッケル 2.3質量%、シリコン 0.55質量%、亜鉛 0.5質量%、スズ 0.15質量%、マグネシウム 0.1質量%、残部 銅および不可避不純物
FAS−820(古河電気工業社製)の合金組成:ニッケル 2.3質量%、シリコン 0.55質量%、亜鉛 0.5質量%、スズ 0.15質量%、マグネシウム 0.1質量%、クロム 0.15質量%、残部 銅および不可避不純物
MAX375(三菱マテリアル社製)の合金組成:ニッケル 2.85質量%、シリコン 0.7質量%、亜鉛 0.5質量%、スズ 0.5質量%、残部 銅および不可避不純物
MAX251(三菱マテリアル社製)の合金組成:ニッケル 2.0質量%、シリコン 0.5質量%、亜鉛 1.0質量%、スズ 0.5質量%、残部 銅および不可避不純物
(前処理条件)
[電解脱脂]
脱脂液: 10%水酸化ナトリウム水溶液
処理温度:60℃
陰極電流密度:3.5A/dm2
処理時間:30秒
[酸洗]
酸洗液: 10%硫酸水溶液
処理温度:25℃
浸漬時間:30秒
(めっき条件)
以下、実施例1〜36及び比較例1〜5に係る圧着端子の製造方法における第1のめっき処理として、Niめっき、Coめっき、Feめっき、Crめっきの条件を示し、第2のめっき処理として、Snめっき、Auめっき、Agめっき、Cuめっきの条件を示す。
[Niめっき]
めっき液:Ni(SO3NH2)2・4H2O 500g/l、NiCl2 30g/l、H3BO3 30g/l
めっき条件:電流密度 15A/dm2、温度 50℃
[Coめっき]
めっき液:Co(SO3NH2)2・4H2O 500g/l、CoCl2 30g/l、H3BO3 30g/l
めっき条件:電流密度 5A/dm2、温度 50℃
[Feめっき]
めっき液:スルファミン酸鉄(II) 400g/l、スルファミン酸アンモニウム 30g/l、ホルマリン 100g/l
めっき条件:電流密度 10A/dm2、温度 50℃
[Crめっき]
めっき液:クロム酸 200g/l、硫酸 2g/l
めっき条件:電流密度 50A/dm2、温度 50℃
[Snめっき]
めっき液:SnSO4 80g/l、H2SO4 80g/l
めっき条件:電流密度 2A/dm2、温度 30℃
[Auめっき]
めっき液:KAu(CN)2 14.6g/l、C6H8O7 150g/l、K2C6H4O7 180g/l
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 40℃
[Agめっき]
めっき液:AgCN 50g/l、KCN 100g/l、K2CO3 30g/l
めっき条件:電流密度 1A/dm2、温度 30℃
[Cuめっき]
めっき液:CuSO4・5H2O 250g/l、H2SO4 50g/l、NaCl 0.1g/l
めっき条件:電流密度 6A/dm2、温度 40℃
それぞれのめっき浴を使用し、処理時間を調整することで望みのめっき厚を得た。狙いのめっき厚±10nmになっているサンプルを採用し、評価を行った。めっき厚はX線などを用いて測定することが可能である。
(測定条件)
実施例1〜36及び比較例1〜5に係る圧着端子について、圧着強度、接触抵抗値を測定した。測定結果を表1に示す。
[圧着強度の測定]
圧着後の電線を用い、引張試験により電線が抜ける際の荷重を測定し、圧着強度とした。70.0N以上の場合を「○」、50.0N未満の場合を「×」と評価した。
[接触抵抗値の測定]
接触抵抗値は、圧着部と電線の間の電気抵抗値を測定し、電線分の抵抗値を差し引いた値である。電気抵抗値はHioki 3560 AC Milliohm HiTesterを用いて測定した。接触抵抗値が、0.45mΩ未満の場合を「◎」、0.45〜0.55mΩの場合を「○」、0.55mΩ超の場合を「×」と評価した。
実施例1〜36及び比較例1〜5に係る圧着端子について、圧着強度、接触抵抗値を測定した。測定結果を表1に示す。
[圧着強度の測定]
圧着後の電線を用い、引張試験により電線が抜ける際の荷重を測定し、圧着強度とした。70.0N以上の場合を「○」、50.0N未満の場合を「×」と評価した。
[接触抵抗値の測定]
接触抵抗値は、圧着部と電線の間の電気抵抗値を測定し、電線分の抵抗値を差し引いた値である。電気抵抗値はHioki 3560 AC Milliohm HiTesterを用いて測定した。接触抵抗値が、0.45mΩ未満の場合を「◎」、0.45〜0.55mΩの場合を「○」、0.55mΩ超の場合を「×」と評価した。
表1に示すように、銅合金からなる基材において、厚さが50nm〜500nmであってNi、Fe、Co、又はCrからなる第1めっき層を備えた実施例1〜36の圧着端子では、接触抵抗値が低いことが分かった。また、第1めっき層のみを備えた実施例1〜7の圧着端子及び、第1めっき層の上に、厚さが20nm〜120nmであってSn、Au、Ag、又はCuからなる第2めっき層を備えた実施例1〜35の圧着端子では、接触抵抗値が低いだけでなく、圧着強度が大きい。特に、厚さが200nm〜400nmであってNi、Fe、Co、又はCrからなる第1めっき層と、厚さが50nm〜100nmであってSn、Au、Ag、又はCuからなる第2めっき層を備えた実施例8〜23、27、28、32〜34の圧着端子では、圧着強度が大きく、接触抵抗値が非常に低いことが分かった。
一方、めっき層のない比較例1の圧着端子では、圧着強度が小さく、接触抵抗値が高い。また、第1めっき層がなく、第2めっき層のみを備えた比較例2の圧着端子においても、圧着強度が小さく、接触抵抗値が高い。また、第1めっき層の厚さが50nm〜500nmの範囲にない比較例3〜5では、圧着強度は大きいが、接触抵抗値が高いことが分かった。
1 圧着端子
10 接続構造体
20 嵌合部
30 筒状圧着部
31 電線挿入口
32 電線係止溝
33 基材
34 第1めっき層
35 第2めっき層
40 トランジション部
60 電線
61 絶縁被覆
10 接続構造体
20 嵌合部
30 筒状圧着部
31 電線挿入口
32 電線係止溝
33 基材
34 第1めっき層
35 第2めっき層
40 トランジション部
60 電線
61 絶縁被覆
Claims (6)
- 電線と圧着される筒状圧着部を有する圧着端子であって、
前記筒状圧着部は、前記電線の導体部分と接する内面に形成された少なくとも1つの電線係止溝と、前記内面上に形成された第1めっき層とを備え、
前記第1めっき層は、厚さが50nm〜500nmであって、前記筒状圧着部を構成する基材の融点よりも高い融点を有する金属からなることを特徴とする圧着端子。 - 前記第1めっき層は、Ni、Fe、Co、及びCrより選ばれる少なくとも1種の金属からなることを特徴とする圧着端子。
- 前記筒状圧着部は、前記第1めっき層の上に、Sn、Au、Ag、及びCuより選ばれる少なくとも1種の金属からなる第2めっき層を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の圧着端子。
- 前記第2めっき層は、厚さが20nm〜120nmであることを特徴とする、請求項3に記載の圧着端子。
- 前記電線の導体は、アルミニウム又はアルミニウム系合金からなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の圧着端子。
- 前記筒状圧着部は、銅又は銅合金からなることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の圧着端子。
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Publication Number | Publication Date |
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