JP2014164938A - 圧着端子及び圧着端子の製造方法 - Google Patents

圧着端子及び圧着端子の製造方法

Info

Publication number
JP2014164938A
JP2014164938A JP2013034013A JP2013034013A JP2014164938A JP 2014164938 A JP2014164938 A JP 2014164938A JP 2013034013 A JP2013034013 A JP 2013034013A JP 2013034013 A JP2013034013 A JP 2013034013A JP 2014164938 A JP2014164938 A JP 2014164938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
terminal
plating layer
electric wire
wire
crimp terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013034013A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikazu Okuno
良和 奥野
Akira Tachibana
昭頼 橘
Kengo Mitose
賢悟 水戸瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Automotive Systems Inc
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Furukawa Automotive Systems Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd, Furukawa Automotive Systems Inc filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2013034013A priority Critical patent/JP2014164938A/ja
Publication of JP2014164938A publication Critical patent/JP2014164938A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Electrical Connectors (AREA)
  • Connections Effected By Soldering, Adhesion, Or Permanent Deformation (AREA)

Abstract

【課題】圧着時に電線接続部が割れることなく、圧着された電線が電線接続部から抜けるのを防止し、接触抵抗を低く維持することができ、かつ、他の端子との接続を容易とする挿入力の小さい圧着端子を提供する。
【解決手段】圧着端子1は、端子接続部20と電線接続部30とを有し、端子接続部20と電線接続部30とは、トランジション部40を介して連結されている。端子接続部20は、他の端子と接する面に、第1めっき層を有し、電線接続部30は、電線の導体部分と接する面に、第2めっき層を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用ワイヤハーネス等に使用される電線に接続される圧着端子に関するものである。
一般に、圧着端子には、他の端子と接続するための部分(端子接続部)と、電線と接続するための部分(電線接続部)とが設けられている。端子接続部に他の端子を挿入することにより、端子接続部と他の端子とが接続される。また、電線接続部に電線を挿入し、電線の導体部分に対して圧着することにより、電線接続部と電線の導体部分とが接続される。したがって、端子接続部では、他の端子が容易に挿入できるよう、挿入力の低下が必要とされる。一方、電線接続部では、良好な電気的接続性を確保すべく、圧着したときに電線の導体部分との接触抵抗を小さくすることが求められている。
ところで、近年、部品の軽量化のニーズが高まっていることから、一部の電線では銅電線からアルミ電線への置き換えが進められている。しかし、アルミ電線には、導体表面に酸化被膜が形成されていることから、端子と電線の導体部分との接触抵抗が増大するという問題がある。
そこで従来、端子の電線接続部内周に凹状の溝を設けることが提案されている(特許文献1)。このような溝を設けることにより、電線接続部を電線の導体部分に対して圧着した際、圧着された電線の一部が溝の形状に応じて変形する。その際、導体部分の表面に形成されている酸化被膜が破壊され、接触抵抗を低く保つことができる。また、電線の一部が溝の形状に応じて変形することにより、圧着された電線が電線接続部から抜けにくくなるという効果もある。
特開2009−245699号公報
しかし、上記のような凹状の溝は、通常プレス成形されるため、凹状の溝を設けた部分の肉厚が薄くなっている。このため、電線接続部を電線の導体部分に対して圧着した際、当該凹状の溝に応力が集中して割れが生じやすい。そこで、圧着時の割れをなくすために圧縮率を小さくすると、電線の導体部分に形成された酸化皮膜を除去することができない。また、圧縮率を小さくすると、電線の抜け防止効果も低い。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、圧着時に電線接続部が割れることなく、圧着された電線が電線接続部から抜けるのを防止し、接触抵抗を低く維持することができ、かつ、他の端子との接続を容易とする挿入力の小さい圧着端子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る圧着端子は、他の端子と接続するための端子接続部と、前記端子接続部に連結され、電線と接続するための電線接続部と、を備える圧着端子であって、前記端子接続部は、少なくとも前記他の端子と接する面に、第1めっき層を有し、前記電線接続部は、前記電線の導体部分と接する面に、第2めっき層を有し、前記第1めっき層の表面粗さRaは、0.01μm以上0.06μm以下であり、前記第2めっき層の表面粗さRzは、0.35μm以上0.70μm以下であることを特徴とする。
本発明に係る圧着端子において、前記第1めっき層及び前記第2めっき層は、スズ又はスズの合金からなることが好ましい。
また、本発明に係る圧着端子において、前記電線接続部は、筒状であることが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る圧着端子の製造方法は、条材に、表面粗さRaが0.01μm以上0.06μm以下である第1めっき層と、表面粗さRzが0.35μm以上0.70μm以下である第2めっき層とを形成し、前記条材において第1めっき層が形成された部分を加工して前記端子接続部を形成し、前記条材において第2めっき層が形成された部分を加工して前記電線接続部を形成することを特徴とする。
また、本発明に係る圧着端子の製造方法において、前記条材に第1めっき層を形成し、前記第1めっき層の上に前記第2めっき層を形成することが好ましい。
また、本発明に係る圧着端子の製造方法において、前記条材の一部に前記第1めっき層を形成し、さらに、前記条材の他の一部に前記第2めっき層を形成することが好ましい。
本発明によれば、端子接続部が、他の端子と接する面に、表面粗さRaが0.01μm以上0.06μm以下である第1めっき層を有することで、他の端子と接続する際の挿入力が小さくなり、容易に接続することができる。また、電線接続部が、導体部分と接する面に、表面粗さRzが0.35μm以上0.70μm以下である第2めっき層を有することで、圧着された電線が電線接続部から抜けるのを防止し、接触抵抗を低く維持することができる。
本実施形態の圧着端子を示す斜視図である。 (a)は図1のA−A断面図であり、(b)は図1のB−B断面図である。 本実施形態の圧着端子の断面図である。 本実施形態の圧着端子と電線とが接続された構造の接続構造体を示す斜視図である。 (a)は本実施形態の圧着端子の製造に使用される条材の平面図であり、(b)は本実施形態の圧着端子の製造に使用される端子展開材の平面図である。 図5(b)のC−C断面図である。 他の実施形態の圧着端子を構成する端子展開材の断面図である。 他の実施形態の圧着端子を示す斜視図である。 他の実施形態の圧着端子を構成する端子展開材の平面図である。 (a)は図9のD−D断面図であり、(b)は他の実施形態の圧着端子を構成する端子展開材の断面図である。
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
[本実施形態]
図1は、本実施形態の圧着端子1を示す斜視図である。圧着端子1は、端子接続部20と電線接続部30とを有し、端子接続部20と電線接続部30とは、トランジション部40を介して連結されている。圧着端子1は、導電性と強度を確保するために、銅、アルミニウム、鋼、またはこれらを主成分とする合金等の基材で製造されている。なお、本実施形態では、雌型端子の例を示しているが、雄型端子でもよい。
端子接続部20は、雌型端子である。端子接続部20に、他の端子として例えば雄型端子を挿入することにより、端子接続部20と雄型端子とが電気的に接続される。端子接続部20は、他の端子と電気的に接続できれば、細部の形状は特に限定されない。例えば、箱型(ボックス形状)が挙げられる。
電線接続部30は、筒状であって、アルミニウム電線等の電線を挿入することができる電線挿入口31を有している。電線接続部30のトランジション部40側は、閉塞している。電線接続部30が筒状であると、圧着端子1と電線との接点に水分等が付着しないため好ましい。圧着端子1と電線との接点に水分が付着すると、圧着端子1を構成する金属と電線を構成する金属との起電力の差から、いずれかの金属が腐食してしまう。
図2(a)は、図1のA−A断面図である。図2(b)は、図1のB−B断面図である。図2(a)に示すように、端子接続部20は、基材32の内側及び外側に第1めっき層51を有する。また、図2(b)に示すように、電線接続部30は、基材32の内側及び外側に第1めっき層51を有し、さらに、基材32の内側において第1めっき層51の上に第2めっき層52を有する。
第1めっき層51の表面粗さRaは、0.01μm以上0.06μm以下である。好ましくは、0.02μm以上0.04μm以下である。表面粗さRaが0.01μm未満である場合、メス端子にオス端子を挿入際の挿入力は問題無いが、接点保持力が低下する観点から実用上好ましくない。一方、表面粗さRaが0.06μmより大きいと、メス端子にオス端子を挿入する際の挿入力が上昇してしまうため好ましくない。また、第2めっき層52の表面粗さRzは、0.35μm以上0.70μm以下である。好ましくは、0.40μm以上0.65μm以下である。表面粗さRzが0.35μm未満であると、電線圧着後の電線の引張強度が低下してしまうため好ましくない。一方、表面粗さRzが0.70より大きいと、電線圧着後の接触抵抗が上昇してしまうため好ましくない。また、第1めっき層51の厚さ、および、第2めっき層52の厚さは、0.2〜1.2μmであるのが好ましい。なお、Raは算術平均粗さ、Rzは最大高さを意味する(JIS B 0601-2001)。
第1めっき層51及び第2めっき層52は、スズ又はスズの合金からなる。めっき条件を調整することにより、第1めっき層51、第2めっき層52の表面粗さを所定の範囲に設定することができる。
なお、図2(a)及び図2(b)では、基材32の上に第1めっき層51を設けた例を示したが、基材32と第1めっき層51との間に他の層を設けてもよい。また、図2(b)では、第1めっき層51の上に第2めっき層52を積層した例を示したが、第1めっき層51と第2めっき層52との間に他の層を設けてもよい。他の層は、例えば、銅、ニッケル、又はこれらの合金等からなる。
図3は、本実施形態の圧着端子1における電線接続部30の長手方向の断面図の一部を示す。この図では第1めっき層51、第2めっき層52の表記を省略した。図3に示すように、電線接続部30は、基材32に、電線との接触圧を保つための電線係止溝34a、34bを有していてもよい。図3において、電線係止溝34aは矩形断面の溝であり、電線係止溝34bは半円形断面の溝である。このような溝(或いは突起)はセレーションとも呼ばれる。
図4は、本実施形態の圧着端子1と電線60とが接続された構造の接続構造体15を示す斜視図である。導体部分が露出した電線端部を挿入口31に挿入した状態で電線接続部30を加締めることで、電線接続部30が塑性変形して電線の絶縁被覆および導体と圧着される。これにより、電線接続部30と電線60の導体とが電気的に接続される。電線60は、絶縁被覆61と図示しないアルミニウムまたはアルミニウム系合金電線の芯線とからなっている。電線60は裸線であっても良いが、防食の観点から通常は絶縁被覆された電線を用いる。
本実施形態の圧着端子1の製造方法について説明する。本実施形態の圧着端子1は、端子接続部20が他の端子と接する面に第1めっき層を有し、電線接続部30が電線の導体部分と接する面に第2めっき層を有する端子であり、この構成を達成し得るならば製造方法は限定されるものではない。
図5(a)は、本実施形態の圧着端子1の製造に使用される条材10の平面図である。本実施形態の圧着端子1の製造方法では、まず、銅合金、アルミ合金、鋼等からなる条材10に第1のめっき処理を行い、条材10の両面に第1めっき層71を形成する。次に、第1めっき層71が形成された条材10の一部をマスキングしながら、第2のめっき処理を行い、第1めっき層71の上に第2めっき層72を形成する。これにより、図5(a)に示すように、条材10の圧延方向と平行に、第1めっき層71と第2めっき層72が形成される。第1めっき層71及び第2めっき層72は、スズ又はスズの合金からなる。条材10の表面を脱脂及び酸洗浄した後、公知の電気めっき法によりスズ層を形成することができる。めっき浴として、例えば、硫酸スズ浴、塩化スズ浴などを用いることができる。を用いることができる。
次に、第1めっき層71及び第2めっき層72が形成された条材10を、平面展開した端子形状に打ち抜き、図5(b)に示すような端子展開材100を得る。図5(b)は、本実施形態の圧着端子1の製造に使用される端子展開材100の平面図である。本実施形態の圧着端子1は、端子展開材100を曲げ加工した後にレーザ溶接することにより製造される。詳細は、後述する。端子展開材100は、加工後に端子接続部20となる端子接続部用基材200と、加工後に電線接続部30となる電線接続部用基材300と、加工後にトランジション部40となるトランジション部用基材400とが一体的に連結したものである。
図6は、図5(b)のC−C断面図である。図6に示すように、端子接続部用基材200、電線接続部用基材300、及びトランジション部用基材400は、条材10の両面に第1めっき層71を有する。また、電線接続部用基材300は、第1めっき層71上にさらに第2めっき層72を有する。これにより、端子接続部用基材200から端子接続部20が形成されると、端子接続部20は、内壁面や他の端子とのバネ接点部(図示しない)など、すなわち他の端子と接する面に、少なくとも第1めっき層を有する。また、電線接続部用基材300から電線接続部30が形成されると、電線接続部30は、内壁面、すなわち電線の導体部分と接する面に第2めっき層を有する。
次に、端子展開材100を端子形状に加工して圧着端子1を得る方法について説明する。まず、端子接続部用基材200に曲げ加工を施して、端子接続部20を得る。また、電線接続部用基材300に曲げ加工を施した後、溶接することにより、電線接続部30を得る。電線接続部用基材300に曲げ加工を施した段階では、略C字型断面となっているので、この開放部分を溶接によって接合することにより、筒状にすることができる。溶接方法としては、例えば、ファイバレーザによるレーザ溶接が挙げられる。
[他の実施形態]
本実施形態では、端子接続部用基材200、電線接続部用基材300、及びトランジション用基材400が、条材10の両面に第1めっき層71を有し、電線接続部用基材300が、第1めっき層71上にさらに第2めっき層72を有する例を示した。しかし、端子展開材100から圧着端子1が形成されたときに、端子接続部20が内壁面に第1めっき層を有し、電線接続部30が内壁面に第2めっき層を有していれば、他の形態でもよい。
図7(a)及び(b)は、他の実施形態の圧着端子を構成する端子展開材100’、100’’の断面図である。端子展開材100’、100’’は、端子展開材100とは異なる方法で、条材10へのめっき処理が行われた例である。したがって、条材10に形成される第1めっき層と第2めっき層の構成が異なる。図7(a)では、端子接続部用基材200’、電線接続部用基材300’、及びトランジション部用基材400’は、条材10の両面に第2めっき層72’を有し、また、端子接続部用基材200’は、第2めっき層72’上にさらに第1めっき層71’を有する。また、図7(b)では、端子接続部用基材200’’及びトランジション部用基材400’’は、条材10の両面に第1めっき層71’’を有し、電線接続部用基材300’’は、条材10の一方の面に第1めっき層71’’を有し、条材10のもう一方の面に第2めっき層72’’を有する。
また、本実施形態では、電線接続部30が筒状である例を示したが、図8に示すようなオープンバレル型であってもよい。図8は、他の実施形態の圧着端子1’を示す斜視図である。圧着端子1’は、本実施形態の圧着端子1と異なり、電線と接続する電線接続部が2つ形成されている。すなわち、圧着端子1’は、端子接続部21と、電線の導体部分と接続する導体接続部30aと、電線の絶縁被覆部分と接続する被覆電線接続部30bとを有し、端子接続部21と導体接続部30aは、第1トランジション部40aを介して連結され、導体接続部30aと被覆電線接続部30bは第2トランジション部40bを介して連結されている。
図9は、他の実施形態の圧着端子1’を構成する端子展開材110の平面図である。圧着端子1’は、端子展開材110を曲げ加工することにより製造される。また、端子展開材110は、条材11(図示せず)に第1のめっき処理及び第2のめっき処理を行った後、平面展開した端子形状に打ち抜くことにより得られる。図9に示すように、端子展開材110は、加工後に端子接続部21となる端子接続部用基材210と、加工後に導体接続部30aとなる導体接続部用基材300aと、加工後に被覆電線接続部30bとなる被覆電線接続部基板300bと、加工後に第1トランジション部40aとなる第1トランジション部用基材400aと、加工後に第2トランジション部40bとなる第2トランジション部用基材400bとが一体的に連結したものである。
図10(a)は、図9のD−D断面図である。端子接続部用基材210、導体接続部用基材300a、被覆電線接続部用基材300b、第1トランジション部用基材400a、及び第2トランジション部基板400bは、条材11の両面に第1めっき層81を有し、また、導体接続部用基材300aは、第1めっき層81上にさらに第2めっき層82を有する。
図10(b)は、他の実施形態の圧着端子を構成する端子展開材110’の長手方向の断面を示す断面図である。端子展開材110’は、端子展開材110とは異なる方法で、条材11へのめっき処理が行われた例である。端子展開材110’は、端子展開材110と同様に、端子接続部用基材210’と、導体接続部用基材300a’と、被覆電線接続部基板300b’と、第1トランジション部用基材400a’と、第2トランジション部用基材400b’とが一体的に連結したものである。端子接続部用基材210’、第1トランジション部用基材400a’、第2トランジション部用基材400b’、及び被覆電線接続部用基材300b’は、条材11の両面に第1めっき層81’を有し、導体接続部用基材300a’は、条材11の一方の面に第1めっき層81’を有し、条材11のもう一方の面に第2めっき層82’を有する。
上記のとおり、本発明の圧着端子は、端子接続部が、他の端子と接する面に、第1めっき層を有し、第1めっき層の表面粗さRaが、0.01μm以上0.06μm以下であることにより、挿入力が小さく、他の端子との接続を容易であるという効果を奏する。また、他の端子との接点に第1めっき層としてスズまたはスズ合金がめっきされていると、接圧を取りやすく、接点としての安定性が高い。また、本発明の圧着端子は、電線接続部が、電線の導体部分と接する面に、第2めっき層を有し、第2めっき層の表面粗さRzが、0.35μm以上0.70μm以下である。第2めっき層が凸状に形成されているため、圧着された電線が電線接続部から抜け出ることを防止できるという効果を奏する。また、凸状に形成された第2めっき層がアルミニウム電線に形成された酸化皮膜を破壊することにより、接触抵抗を低くすることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施例を説明する。
条材を電解脱脂、酸洗の前処理を行った後、以下の条件で第1のめっき処理を行うことにより、第1めっき層を形成した。次に、条材の一部をマスキングしながら、以下の条件で第2のめっき処理を行うことにより第2めっき層を形成した。めっき処理された条材を端子形状に切り抜いた。曲げ加工を施した後、レーザ溶接することにより、筒状の電線接続部を有する圧着端子を得た。圧着端子の端子接続部には、第1めっき層が形成され、電線接続部には、第2めっき層が形成されていた。なお、条材として、厚み0.25μmの銅合金FAS−680(古河電気工業社製)を用いた。FAS−680の合金組成は、ニッケル(Ni)を2.0〜2.8質量%、シリコン(Si)を0.45〜0.6質量%、亜鉛(Zn)を0.4〜0.55質量%、スズ(Sn)を0.1〜0.25質量%、およびマグネシウム(Mg)を0.05〜0.2質量%であり、残部が銅(Cu)および不可避不純物である。
(前処理条件)
[電解脱脂]
脱脂液:NaOH 60g/l
脱脂条件:2.5A/dm、温度60℃、脱脂時間60分
[酸洗]
酸洗液:10%硫酸
酸洗条件:30分 浸漬、室温
(めっき条件)
以下、実施例1〜6及び比較例1〜5に係る圧着端子の製造方法において、第1のめっき処理と第2のめっき処理の条件を示す。
[第1のSnめっき処理]
めっき液:SnSO 80g/l、HSO 80g/l
めっき条件:電流密度 0.1〜2.0A/dm、温度 30℃
[第2のSnめっき処理]
めっき液:SnSO 80g/l、HSO 80g/l
めっき条件:電流密度 3.0〜10.0A/dm、温度 30℃
各条件のサンプルにおいて、電流密度により表面粗さを変化させた。処理時間によりめっき厚を調整した。
(測定条件)
実施例1〜6及び比較例1〜5に係る圧着端子について、第1めっき層及び第2めっき層の表面粗さ、接触抵抗値、圧着強度、挿入力を測定した。測定結果を表1に示す。
[表面粗さの測定]
触針式表面粗さ計(SE−30H:製品名、(株)小坂研究所製)にて表面粗さRaおよびRzを測定した。測定距離は4mm、針の速度は0.8mm/sである。
[接触抵抗値の測定]
接触抵抗値は、圧着部と電線の間の電気抵抗値を測定し、電線分の抵抗値を差し引いた値である。電気抵抗値はHioki 3560 AC Milliohm HiTesterを用いて測定した。算出後の接触抵抗値が、0.45mΩ未満の場合を「◎」、0.45〜0.55mΩの場合を「○」、0.55mΩより大きい場合を「×」と評価した。
[圧着強度の測定]
圧着後の電線を引張試験により、電線が抜ける際の荷重を測定し、圧着強度とした。70.0Nより大きい場合を「◎」、50.0〜70.0Nの場合を「○」、50.0N未満の場合を「×」と評価した。
[挿入力の測定]
メス端子にオス端子を挿入する際の、荷重を測定し、挿入力とした。3.0N未満の場合を「◎」、3.0〜6.0Nの場合を「○」、6.0Nより大きい場合を「×」と評価した。
表1に示すように、第1めっき層の表面粗さRaが0.01μm〜0.06μmであって、第2めっき層の表面粗さRzが0.35μm〜0.70μmである実施例1〜6では、接触抵抗値及び挿入力が小さいことが分かった。特に、第1めっき層の表面粗さRaが0.02μm〜0.04μmであって、第2めっき層の表面粗さRzが0.35μm〜0.70μmである実施例4〜6では、挿入力がより小さいことが分かった。一方、第2めっき層の表面粗さRzが0.35μmより小さい比較例1、3では、圧着強度が低下してしまうため、電線接続部から電線が抜けやすい。また、第2めっき層の表面粗さRzが0.70μmより大きい比較例2、4では、圧着強度は大きくなるが、接触抵抗値が大きくなってしまう。また、第1めっき層の表面粗さRaが0.06μmより大きい比較例5では、挿入力が大きく、端子接続部に他の端子を挿入しづらいことが分かった。
1、1’ 圧着端子
10、11 条材
15 接続構造体
20、21 端子接続部
30 電線接続部
30a 導体接続部
30b 被覆電線接続部
31 電線挿入口
32 基材
34a、34b 電線係止溝
40 トランジション部
40a 第1トランジション部
40b 第2トランジション部
51、71、71’、71’’、81、81’ 第1めっき層
52、72、72’、72’’、82、82’ 第2めっき層
60 電線
61 絶縁被覆
100、100’、100’’、110、110’ 端子展開材
200、200’、200’’、210、210’ 端子接続部用基材
300、300’、300’’ 電線接続部用基材
300a、300a’ 導体接続部用基材
300b、300b’ 被覆電線接続部用基材
400、400’、400’’ トランジション部用基材
400a、400a’ 第1トランジション部用基材
400b、400b’ 第2トランジション部用基材

Claims (6)

  1. 他の端子と接続するための端子接続部と、
    前記端子接続部に連結され、電線と接続するための電線接続部と、を備える圧着端子であって、
    前記端子接続部は、少なくとも前記他の端子と接する面に、第1めっき層を有し、
    前記電線接続部は、前記電線の導体部分と接する面に、第2めっき層を有し、
    前記第1めっき層の表面粗さRaは、0.01μm以上0.06μm以下であり、
    前記第2めっき層の表面粗さRzは、0.35μm以上0.70μm以下であることを特徴とする圧着端子。
  2. 前記第1めっき層及び前記第2めっき層は、スズ又はスズの合金からなることを特徴とする、請求項1に記載の圧着端子。
  3. 前記電線接続部は、筒状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の圧着端子。
  4. 他の端子と接続するための端子接続部と、前記端子接続部に連結され、電線と接続するための電線接続部とを有する圧着端子の製造方法であって、
    条材に、表面粗さRaが0.01μm以上0.06μmである第1めっき層と、表面粗さRzが0.35μm以上0.70μm以下である第2めっき層とを形成し、
    前記条材において第1めっき層が形成された部分を加工して前記端子接続部を形成し、
    前記条材において第2めっき層が形成された部分を加工して前記電線接続部を形成することを特徴とする圧着端子の製造方法。
  5. 前記条材に第1めっき層を形成し、前記第1めっき層の上に前記第2めっき層を形成することを特徴とする、請求項4に記載の圧着端子の製造方法。
  6. 前記条材の一部に前記第1めっき層を形成し、さらに、前記条材の他の一部に前記第2めっき層を形成することを特徴とする、請求項4に記載の圧着端子の製造方法。
JP2013034013A 2013-02-23 2013-02-23 圧着端子及び圧着端子の製造方法 Pending JP2014164938A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013034013A JP2014164938A (ja) 2013-02-23 2013-02-23 圧着端子及び圧着端子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013034013A JP2014164938A (ja) 2013-02-23 2013-02-23 圧着端子及び圧着端子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014164938A true JP2014164938A (ja) 2014-09-08

Family

ID=51615389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013034013A Pending JP2014164938A (ja) 2013-02-23 2013-02-23 圧着端子及び圧着端子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014164938A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019011504A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 三菱マテリアル株式会社 防食端子材とその製造方法、及び防食端子並びに電線端末部構造
JP2019011503A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 三菱マテリアル株式会社 防食端子材とその製造方法、及び防食端子並びに電線端末部構造
JP2019137894A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 三菱マテリアル株式会社 防食端子材及びその製造方法並びに防食端子
CN111082232A (zh) * 2018-10-22 2020-04-28 矢崎总业株式会社 端子金属部

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019011504A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 三菱マテリアル株式会社 防食端子材とその製造方法、及び防食端子並びに電線端末部構造
JP2019011503A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 三菱マテリアル株式会社 防食端子材とその製造方法、及び防食端子並びに電線端末部構造
JP2019137894A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 三菱マテリアル株式会社 防食端子材及びその製造方法並びに防食端子
CN111082232A (zh) * 2018-10-22 2020-04-28 矢崎总业株式会社 端子金属部
CN111082232B (zh) * 2018-10-22 2022-02-01 矢崎总业株式会社 端子金属部

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5356544B2 (ja) 圧着端子、接続構造体、並びに圧着端子の作製方法
US8915761B2 (en) Connector terminal
JP6740635B2 (ja) 錫めっき付銅端子材及びその製造方法並びに電線端末部構造
JP6734185B2 (ja) Snめっき材およびその製造方法
JP4653133B2 (ja) めっき材料および前記めっき材料が用いられた電気電子部品
JP5419594B2 (ja) アルミニウム製導電部材との接続に用いられる接続部品用錫めっき付銅又は銅合金材料
CN104619883A (zh) 表面处理镀敷材料及其制造方法、以及电子零件
US10985485B2 (en) Tin-plated product and method for producing same
US9490550B2 (en) Aluminum-based terminal fitting
JP6812852B2 (ja) 防食端子材及び防食端子並びに電線端末部構造
JP2014164938A (ja) 圧着端子及び圧着端子の製造方法
CN110214203B (zh) 连接器用端子材及端子以及电线末端部结构
JP2004300524A (ja) Sn被覆を施した銅または銅合金部材およびその製造方法
JP2018159125A (ja) Snめっき材およびその製造方法
JP2014201753A (ja) コネクタ端子材料の製造方法およびコネクタ端子の製造方法
US9954297B2 (en) Terminal fitting and connector
JP2013254681A (ja) コネクタ端子
KR102531227B1 (ko) 방식 단자재 및 방식 단자 그리고 전선 단말부 구조
WO2018124115A1 (ja) 表面処理材およびこれを用いて作製した部品
KR20190087623A (ko) Sn 도금재 및 그의 제조 방법
JP2015079599A (ja) 雌端子金具
JP5101235B2 (ja) 電子部品用Snめっき材及び電子部品
JP2018147778A (ja) 防食端子材及び防食端子並びに電線端末部構造
JP2018026309A (ja) 端子付き電線
JP2020056090A (ja) 防食端子材とその製造方法、及び防食端子並びに電線端末部構造