JP2019112514A - 冷間圧延油及び冷間圧延鋼板の製造方法 - Google Patents

冷間圧延油及び冷間圧延鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧延潤滑性を確保しつつ、脱脂剤に混入されても発泡を抑制することが可能な冷間圧延油等を提供する。【解決手段】基油、コンプレックスエステルである成分(1)、粘度指数が150以上である、分岐鎖を有するモノエステルである成分(2)、及び式(a)で示される非イオン性界面活性剤である成分(3)を含有する冷間圧延油。R1−O−[(PO)x(EO)z(PO)y]−R2・・・(a)(式中、R1及びR2は独立してアルキル基、脂肪酸残基、ヒドロキシ脂肪酸残基、ヒドロキシステアリン酸ポリエステル残基、及びポリブチレンオキシド残基から選択され、POはオキシプロピレン基を、EOはオキシエチレン基を、x、yおよびzは平均付加モル数をそれぞれ示し、x+yは3〜30であり、zは10〜200であり、POとEOはそれぞれブロック状に付加しており、重量平均分子量が2000以上10000未満である。)【選択図】なし

Description

本発明は、普通鋼、ステンレス鋼、珪素鋼等をはじめとする金属の冷間圧延時に使用する冷間圧延油、及びそれを用いた冷間圧延鋼板の製造方法に関する。
冷間圧延で使用される冷間圧延油としては、従来、様々なものが開発されている。例えば、特許文献1では、所定の基油と、所定の冷間圧延油用添加剤とを含有する冷間圧延油が提案されている。
特開2010−189461号公報
通常、冷間圧延油を用いて冷間圧延が行われた後、脱脂処理が行われるが、特許文献1に記載の冷間圧延油においては、その組成や冷間圧延の条件によって、脱脂処理で使用する脱脂剤が発泡し、脱脂を効率よく行うことができない場合がある。
そこで、本発明は、圧延潤滑性を確保しつつ、脱脂剤に混入されても発泡を抑制することが可能な冷間圧延油、及びそれを用いた冷間圧延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究した結果、基油と、コンプレックスエステルと、特定の粘度指数であって分岐鎖を有するモノエステルと、特定の非イオン性界面活性剤とを含有する冷間圧延油を用いることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下のものを含む。
[1]基油、コンプレックスエステルである成分(1)、粘度指数が150以上である、分岐鎖を有するモノエステルである成分(2)、及び式(a)で示される非イオン性界面活性剤である成分(3)、を含有する冷間圧延油。
−O−[(PO) (EO)(PO)]−R ・・・(a)
(式中、R及びRは独立してアルキル基、脂肪酸残基、ヒドロキシ脂肪酸残基、ヒドロキシステアリン酸ポリエステル残基、及びポリブチレンオキシド残基から選択され、POはオキシプロピレン基を、EOはオキシエチレン基を、x、yおよびzは平均付加モル数をそれぞれ示し、x+yは3〜30であり、zは10〜200であり、POとEOはそれぞれブロック状に付加しており、重量平均分子量が2000以上10000未満である。)
[2]前記成分(1)の含有量が5〜20重量%である上記[1]に記載の冷間圧延油。[3]前記成分(2)の含有量が5〜20重量%である上記[1]または[2]に記載の冷間圧延油。
[4]前記成分(2)に対する前記成分(1)の含有比[成分(1)/成分(2)]が0.5以上である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の冷間圧延油。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の冷間圧延油を用いて冷間圧延を行う冷間圧延鋼板の製造方法。
[6]圧延加工を行うための一対の圧延ロールを少なくとも2以上備える冷間圧延機を用いた冷間圧延鋼板の製造方法であって、
上記[1]〜[4]のいずれかに記載の冷間圧延油の含有量が1〜5体積%である低濃
度水性エマルションを、各一対の圧延ロールで加工される鋼板の両面に供給する工程、及び
連続する二対の圧延ロールの間であって、前記低濃度水性エマルションを供給する地点より上流において、前記冷間圧延油の含有量が6〜30体積%である高濃度水性エマルションを、鋼板の両面に供給する工程、を含む製造方法。
本発明により、圧延潤滑性を確保しつつ、脱脂剤に混入されても発泡を抑制することが可能な冷間圧延油、及びそれを用いた冷間圧延鋼板の製造方法を提供することができる。加えて、該冷間圧延油は、乳化安定性にも優れる。また、該冷間圧延油は、スカムの生成・堆積を抑制することができるので、冷間圧延鋼板の表面品質および作業環境の向上にも寄与することができる。
本発明の一実施形態は冷間圧延油であり、基油、コンプレックスエステルである成分(1)、粘度指数が150以上の分岐鎖を有するモノエステルである成分(2)、及び式(a)で示される非イオン性界面活性剤である成分(3)、を含有する。
基油は、従来から冷間圧延油に用いられている基油であれば特段制限されず使用でき、例えば、動植物油脂、合成エステル、鉱油などを用いることができる。動植物油脂としては、牛脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ナタネ油、綿実油等が例示される。合成エステルとしては、多価アルコールと脂肪酸との合成エステル、例えば、トリメチロールプロパントリオレート、ペンタエリスリトールテトラオレート等があげられる。鉱油としては、例えば、マシン油、スピンドル油、タービン油等があげられる。
なお、本明細書においては、以下に説明する成分(1)乃至成分(2)に該当するエステルは、基油には含まれないものとする。
本実施形態に係る冷間圧延油中、基油の含有量は通常55重量%以上であり、好ましくは70重量%以上であり、また、通常95重量%以下であり、好ましくは90重量%以下である。
成分(1)のコンプレックスエステルは、複合エステルとも称され、エステル結合を2以上有する化合物である。該コンプレックスエステルは、例えば、2以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールと、2以上のカルボキシ基を有する脂肪酸と、ヒドロキシ基を有する1価アルコール又はカルボキシ基を1個有する脂肪酸とを用いて、公知の方法により縮合反応させることにより製造することができる。なお、圧延油の潤滑性能の観点から、2以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールと、2以上のカルボキシ基を有する脂肪酸と、カルボキシ基を1個有する脂肪酸とを用いて製造したコンプレックスエステルを用いることが好ましく、炭素数12〜18の不飽和一塩基性脂肪酸及び炭素数12〜18の飽和一塩基性脂肪酸の混合物と、ヒンダード型多価アルコールとの部分エステル化生成物に、二塩基性脂肪酸を反応させて得られるコンプレックスエステルを用いることがより好ましい。
多価アルコールとは、2以上のヒドロキシ基を有する、直鎖状または分岐鎖状の炭化水素化合物を意味する。多価アルコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのヒンダート型多価アルコールがあげられる。その他、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール、2,2−ジエチル−1,3−ペンタンジオールなどを併用してもよい。
2以上のカルボキシ基を有する脂肪酸としては、直鎖状、分岐鎖状または環状の二塩基性脂肪酸であれば特に制限されるものではなく、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、トリメリット酸等の他、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの不飽和一塩基性脂肪酸の二量体(これらをダイマー酸ともいう)などがあげられる。
ヒドロキシ基を有する1価アルコールは、直鎖状または分岐鎖状であってもよく、例えば、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、オレイルアルコールなどがあげられる。
カルボキシ基を1個有する脂肪酸としては、直鎖状、分岐鎖状または環状の一塩基性脂肪酸であれば特に制限されるものではなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸などの炭素数2〜18の飽和一塩基性脂肪酸;安息香酸;シクロヘキサンカルボン酸等があげられる。カルボキシ基を1個有する脂肪酸は、単独で反応させてもよいし、2種以上を反応させてもよい。
炭素数12〜18の不飽和一塩基性脂肪酸として、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などがあげられる。
本実施形態に係る冷間圧延油中、成分(1)のコンプレックスエステルの含有量は特段限定されないが、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上であり、また通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。成分(1)の含有量を上記範囲とすることで、本発明の効果をより向上させることができる。
成分(2)のモノエステルは、粘度指数が150以上であり、且つ分岐鎖を有する。粘度指数は、JIS K 2283:2000に準じた方法で算出したものである。
成分(2)のモノエステルとしては、例えば、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
本実施形態に係る冷間圧延油中、成分(2)のモノエステルの含有量は特段限定されないが、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上であり、また通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。成分(2)の含有量を上記範囲とすることで、本発明の効果をより向上させることができる。
本実施形態に係る冷間圧延油中、上記成分(2)に対する上記成分(1)の含有比[成分(1)/成分(2)]については特段限定されないが、本発明の効果が優れる点から0.5以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましい。一方、上限値としては3.0以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましい。
また、冷間圧延油中において、基油の含有量に対する、成分(1)及び成分(2)の総含有量は特段限定されないが、基油1に対して通常0.1以上、好ましくは0.2以上、また、通常1.0以下、好ましくは0.7以下である。
成分(3)の非イオン界面活性剤は、以下の式(a)で示される界面活性剤である。
−O−[(PO) (EO)(PO)]−R ・・・(a)
式中、R及びRは独立してアルキル基、脂肪酸残基、ヒドロキシ脂肪酸残基、ヒドロキシステアリン酸ポリエステル残基、及びポリブチレンオキシド残基から選択され、POはオキシプロピレン基を、EOはオキシエチレン基を、x、yおよびzは平均付加モル数をそれぞれ示し、x+yは3〜30であり、zは10〜200であり、POとEOはそれぞれブロック状に付加しており、重量平均分子量が2000以上10000未満である。
アルキル基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。アルキル基としては、例えば、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などがあげられる。
脂肪酸残基及びヒドロキシ脂肪酸残基としては、例えば、ラウリン酸残基、ミリスチン酸残基、パルミチン酸残基、ステアリン酸残基、オレイン酸残基、リノール酸残基、デカン酸残基、ドデカン酸残基、ヒドロキシステアリン酸残基などがあげられる。
ヒドロキシステアリン酸ポリエステル残基としては、例えば、ヒドロキシステアリン酸ポリエステルのヒドロキシル基とカルボキシル基がエステル結合したヒドロキシステアリン酸ポリエステルのカルボキシル基残基があげられる。
ポリブチレンオキシド残基としては、例えば、ブチレンオキシド1〜25モル重合体残基などがあげられる。
式(a)中のR及びRの炭素数は、それぞれ10〜250であることが好ましく、12〜100であることがより好ましい。式(a)中、zはオキシエチレン基の平均付加モル数を示し、xおよびyはオキシプロピレン基の平均付加モル数を示す。zは10〜200であり、x+yは3〜30であり、5〜15であることが好ましい。尚、xとyはそれぞれ1以上である。式(a)で示される非イオン性界面活性剤の重量平均分子量は通常2000以上10000未満の範囲であり、好ましくは3000以上6000以下、より好ましくは、3000以上5500以下である。なお、重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定し、ポリエチレングリコール換算の重量平均分子量として求めた値を意味する。
式(a)で示される非イオン界面活性剤は、オキシエチレン基(EO)の両末端にオキシプロピレン基(PO)をそれぞれブロック状ポリマーの形で付加させ、このようにして得られたHO−(PO)−(EO)−(PO)−Hの両端に、脱水反応やエステル化反応などにより、アルキル基をもたらすアルコールや脂肪酸残基をもたらす脂肪酸などを反応させることにより、得ることができる。また、活性水素を有する化合物(ポリブチレンオキシド残基を含む)に対して弱い親油基であるオキシプロピレン、親水基であるオキシエチレン、弱い親油基であるオキシプロピレンの順に、ブロック付加させ、次いで、活性水素を有する化合物を反応させることによって、式(a)で示される非イオン界面活性剤を調製してもよい。
本実施形態の冷間圧延油中、上記成分(3)の含有量は、通常の添加剤を添加する範囲である限り特に限定されず、通常0.001重量%以上、好ましくは0.01重量%以上であり、また通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
本実施形態の冷間圧延油は、基油及び上記成分(1)〜(3)に加え、更に、他の界面活性剤、油性向上剤、酸化防止剤、極圧添加剤などを、本発明の効果を阻害しない範囲で含んでもよい。
また、冷間圧延油の調製方法は特段限定されず、常法に従い各成分を混合して調製することができる。
本実施形態の冷間圧延油を用いて冷間圧延鋼板を製造する方法は特段限定されないが、例えば、冷間圧延油を水と混合して乳化させた水性エマルションを、冷間圧延加工を行う鋼板の表面に接触させ、圧延ロールを用いて冷間圧延加工を行うことにより製造することができる。なお、水性エマルションの接触方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、噴霧法、塗布法などの公知の方法が挙げられる。
より具体的な冷間圧延鋼板の製造方法として、圧延加工を行うための一対の圧延ロールを少なくとも2以上備える冷間圧延機を用いた冷間圧延鋼板の製造方法を挙げることがで
きる。冷間圧延加工が施される鋼板は、各一対の圧延ロールの間を通過することにより所定形状に加工される。冷間圧延機においては、各一対の圧延ロールで加工される鋼板の両面や、上下の圧延ロールに、本実施形態の冷間圧延油の含有量が1〜5体積%となるように水で希釈した低濃度水性エマルションが供給され、該低濃度水性エマルションが接触される。水性エマルション中の冷間圧延油の含有量が1体積%以上であれば、鋼板や圧延ロールに付着する圧延油が均一になり、鋼板表面にオイルピットの濃淡模様などが発生し難い。一方、冷間圧延油の含有量が5体積%以下であれば、圧延ロールから飛散して鋼板に付着する低濃度エマルションによる付着ムラが大きくならず、鋼板表面にオイルピットの濃淡模様などが発生し難い。また、冷間圧延機は複数の、一対の圧延ロールを有するため、連続する二対の圧延ロールの間であって、低濃度水性エマルションが供給される地点より上流において、本実施形態の冷間圧延油の含有量が6〜30体積%となるように水で希釈した高濃度水性エマルションが、下流の一対の圧延ロールで加工される鋼板の両面に供給され、該高濃度水性エマルションが接触される。高濃度水性エマルションを供給することにより、圧延油を鋼板に付着させ潤滑性を向上する効果が得られる。水性エマルション中の冷間圧延油の含有量が6体積%以上であれば、高濃度水性エマルションによって鋼板に付着した圧延油が、下流の低濃度水性エマルションによって洗い流され難い。一方、30体積%以下であれば高濃度水性エマルションの粘度が高くならず、ノズル詰まりが発生し難い。
以下、実施例を比較例と共に示し、本発明の具体的な実施形態を説明するとともに、本発明による効果をより具体的に説明する。
実施例1〜6、比較例1〜4
表1に示す組成を有する冷間圧延油を調製し、以下に示す試験を実施した。なお、各評価結果の値が4以上のものを合格とした。
試験1 耐汚れ性試験
60℃に保持しながら、工業用水5Lに3体積%となるように表1記載の各冷間圧延油をそれぞれ加えて各種混合液を調製した。続いて、ベースポンプ(株式会社丸山製作所製)を用いて混合液を60℃で1分間循環させて混合し、スカム抽出鉄粉(平均粒径1μm以上)500質量ppmを加えて更に60℃で29分間循環させることにより、鉄粉含有エマルションを作製した。床面に対して90°に設置した表面鏡面仕上げ冷間圧延鋼板(SPCC−SB、Ra=0.02μm、70mm×150mm×8mm)に各鉄粉含有エマルションを60℃、0.45L/minで30分間吹き付けた後、該鋼板に付着した鉄粉含有エマルションの量を測定し、以下の評価基準に従って耐汚れ性を評価した。
(評価基準)
5:鉄粉含有エマルションの付着量が10g/m未満である。
4:鉄粉含有エマルションの付着量が10g/m以上15g/m未満である。
3:鉄粉含有エマルションの付着量が15g/m以上20g/m未満である。
2:鉄粉含有エマルションの付着量が20g/m以上25g/m未満である。
1:鉄粉含有エマルションの付着量が25g/m以上である。
試験2 圧延潤滑性試験
60℃に保持しながら、工業用水5Lに3体積%となるように表1記載の各冷間圧延油をそれぞれ加えて各種混合液を調製した。続いて、ベースポンプを用いて混合液を60℃で30分間循環させて混合し、エマルションを作製した。続いて、各種エマルションを供給しながら、SPCC−SB(Ra=0.02μm、30mm×500mm×1.2mm)を1対の圧延ロール(500mmΦ×200mm幅、SUJ−2、Hs:90、表面粗度Ra:0.3μm)にて圧延した。圧延は、高速短冊圧延試験機(大東製作所製、2段
圧延試験機、500mmφ×200mm幅、SUJ―2、Hs:90)を用い、圧延速度1200m/min、圧下率35%で実施した。エマルションはベースポンプにて60℃,1L/minで各ロールにそれぞれ供給され、ロールを介してSPCC−SBの両面にエマルションを付着させた。
1対の圧延ロール間における荷重(2つのロールの距離が最も短い部分における荷重)を、圧延時に荷重計を用いて測定し、圧延したSPCC−SBの厚さ及び中心の温度を測定した。なお、SPCC−SBの中心温度は、接触温度計(TX10:YOKOGAWA社製)にて測定した。それらの測定結果を元に、Orowanの式を利用した摩擦係数算出プログラムを用いて摩擦係数を算出し、以下の評価基準に従って圧延潤滑性を評価した。
(評価基準)
5:摩擦係数が0.030未満である。
4:摩擦係数が0.030以上0.032未満である。
3:摩擦係数が0.032以上0.034未満である。
2:摩擦係数が0.034以上0.036未満である。
1:摩擦係数が0.036以上である。
試験3 発泡性試験
脱脂液(5.0%の苛性ソーダ水溶液)に、0.5体積%となるように表1記載の各冷間圧延油を添加し、スターラー(回転数:700rpm)を用いて80℃で16時間攪拌し鹸化液を作製した。鹸化液を注入した容器(130mmφ×660mm)の下方から鹸化液を排出して、排出した鹸化液を容器の上方から注入する循環系を用いて、容器内における鹸化液の液面に泡を発生させた。なお、鹸化液の液面は、容器の底から200mmに設定した。排出した鹸化液は、鹸化液の液面から460mm離れた高さから注入した。鹸化液の温度は、60℃に設定した。循環させる鹸化液の流量は、10L/minとした。発生した泡は、容器の底から510mmの高さに設けた泡排出口から回収した。1分間の循環により回収した泡の排出量を測定し、以下の評価基準に従って発泡性を評価した。
(評価基準)
5:排出量が0g以上100g未満である。
4:排出量が100g以上200g未満である。
3:排出量が200g以上300g未満である。
2:排出量が300g以上400g未満である。
1:排出量が400g以上である。
上記表1中の各成分の詳細は以下の通りである。
動植物油脂:トリアシルグリセロール(不二製油株式会社、ユニバーNP1)
エステルA:トリメチロールプロパントリオレイン酸エステル(日油株式会社、ユニスターH−381R)
エステルB:ダイマー酸/ペンタエリスリトール/ラウリン酸エステル(花王株式会社、アドルーブE−621L)
エステルC:ステアリン酸イソトリデシル(粘度指数:166、花王株式会社、エキセパールTD−S)
エステルD:パルミチン酸2−エチルヘキシル(粘度指数:115、花王株式会社、エキセパールEH−P)
活性剤A:R−O−[(PO) (EO)(PO)]−R ・・・式(a)
(式(a)中、R及びRはステアリン酸残基であり、x+y=15であり、z=40である。POとEOはそれぞれブロック状に付加しており、重量平均分子量は3198である。)
活性剤B:非イオン性界面活性剤(クローダ社製、ハイパーマーA−60)
添加剤A:極圧剤(アルケマ株式会社、TPS32)
添加剤B:フェノール系酸化防止剤(BAFSジャパン株式会社、IRGANOX L 135)

Claims (6)

  1. 基油、コンプレックスエステルである成分(1)、粘度指数が150以上である、分岐鎖を有するモノエステルである成分(2)、及び式(a)で示される非イオン性界面活性剤である成分(3)を含有する冷間圧延油。
    −O−[(PO) (EO)(PO)]−R ・・・(a)
    (式中、R及びRは独立してアルキル基、脂肪酸残基、ヒドロキシ脂肪酸残基、ヒドロキシステアリン酸ポリエステル残基、及びポリブチレンオキシド残基から選択され、POはオキシプロピレン基を、EOはオキシエチレン基を、x、yおよびzは平均付加モル数をそれぞれ示し、x+yは3〜30であり、zは10〜200であり、POとEOはそれぞれブロック状に付加しており、重量平均分子量が2000以上10000未満である。)
  2. 前記成分(1)の含有量が5〜20重量%である請求項1に記載の冷間圧延油。
  3. 前記成分(2)の含有量が5〜20重量%である請求項1または2に記載の冷間圧延油。
  4. 前記成分(2)に対する前記成分(1)の含有比[成分(1)/成分(2)]が0.5以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷間圧延油。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷間圧延油を用いて冷間圧延を行う冷間圧延鋼板の製造方法。
  6. 圧延加工を行うための一対の圧延ロールを少なくとも2以上備える冷間圧延機を用いた冷間圧延鋼板の製造方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷間圧延油の含有量が1〜5体積%である低濃度水性エマルションを、各一対の圧延ロールで加工される鋼板の両面に供給する工程、及び
    連続する二対の圧延ロールの間であって、前記低濃度水性エマルションを供給する地点より上流において、前記冷間圧延油の含有量が6〜30体積%である高濃度水性エマルションを、鋼板の両面に供給する工程、を含む製造方法。
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