JP2019112308A - 含硫黄シラン化合物およびこの合成方法、ゴム組成物、タイヤ、接着剤組成物、ならびにシーリング剤組成物 - Google Patents

含硫黄シラン化合物およびこの合成方法、ゴム組成物、タイヤ、接着剤組成物、ならびにシーリング剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴム等の有機高分子材料との反応性が高い含硫黄シラン化合物の提供。【解決手段】式(1)と(2)とで表される化合物の反応物である含硫黄シラン化合物。(a〜hは夫々独立に整数;R1〜R4は夫々独立にアルキル基等)【選択図】なし

Description

本発明は、含硫黄シラン化合物およびこの合成方法、ゴム組成物、タイヤ、接着剤組成物、ならびにシーリング剤組成物に関する。
従来、反応性官能基および加水分解性基を有するシラン化合物は、ゴム組成物中等において、ゴム等の有機高分子材料とシリカ等の無機材料との分散性を向上させるために、シランカップリング剤の構成成分として用いられてきた。また、このようなシラン化合物は、接着剤組成物やシーリング剤組成物において、ガラス等の無機材料への接着性を改善するための接着助剤として用いられてきた。
通常、このようなシラン化合物は、ゴム等の有機高分子材料との反応性が高い反応性官能基として、メルカプト基、ポリスルフィド基、アミノ基やエポキシ基等の置換基を有し、かつシリカやガラス等の無機材料との反応性が高い加水分解性基として、アルコキシシリル基等の置換基を有する。例えば、特開平8−259736号公報(特許文献1)には、ポリスルフィド系のシランカップリング剤が開示されている。特開平11−335381号公報(特許文献2)には、反応性官能基としてアミノ基、加水分解性基としてメトキシ基を有するシラン化合物が提案されている。
特開平8−259736号公報 特開平11−335381号公報
しかしながら、特許文献1および2において提案されるシラン化合物が有する反応性官能基は、極性が高く、混合する有機高分子材料が低極性である場合、シラン化合物と有機高分子材料とは親和性が低く、分散不良や混合不良が生じてしまう傾向にあった。そのため、このようなシラン化合物をゴム組成物に含有させた場合、このゴム組成物を成形等して得られるタイヤ等のゴム組成物成形品の硬度、引張特性および粘弾特性を十分に改善することができない傾向にあった。
また、このようなシラン化合物を接着剤やシーリング剤に添加した場合、シラン化合物と低極性の有機高分子材料との親和性が低下し、無機材料との接着性が低下する傾向があった。
一方、低極性の有機高分子材料との親和性を高めるために、極性が低い反応性官能基を有する従来のシラン化合物を添加した場合、有機高分子材料との反応性が低く、シランカップリング剤や接着助剤としての性能が不十分であった。
本願発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものである。本願発明の主目的は、ゴム等の有機高分子材料との反応性が高く、かつ低極性の有機高分子材料と混合しても分散不良や混合不良等が生じることがない含硫黄シラン化合物を提供することである。
本発明の含硫黄シラン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物との反応物であることを特徴とする。
(上記式中、
aおよびbは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
cは、0〜10の整数であり、
dおよびfは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
eは、2〜10の整数であり、
gおよびhは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、
およびRは、それぞれ独立して、アルコキシ基または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である。)
上記態様においては、含硫黄シラン化合物が、下記一般式(3)で表される化合物を含むことが好ましい。
(上記式中、
iおよびjは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
kは、0〜10の整数であり、
lおよびmは、それぞれ独立して、1〜9の整数であり、
nおよびoは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
pおよびqは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、
およびRは、それぞれ独立して、アルコキシ基または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である。)
上記態様においては、含硫黄シラン化合物が、下記一般式(4)で表される化合物を含むことが好ましい場合がある。
(上記式中、
iおよびjは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
kは、0〜10の整数であり、
l、m、rおよびsは、それぞれ独立して、1〜9の整数であり、
n、o、tおよびuは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
p、q、vおよびwは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、
、R、RおよびR11は、それぞれ独立して、アルコキシ基または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基であり、
、R、R10およびR12は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である)
本発明のゴム組成物は、上記含硫黄シラン化合物およびエラストマー性ポリマーを含んでなることを特徴とする。
上記態様においては、エラストマー性ポリマーのガラス転移温度が、25℃以下であることが好ましい。
上記態様においては、ゴム組成物における含硫黄シラン化合物の含有量が、エラストマー性ポリマー100質量部に対し、0.1〜30質量部であることが好ましい。
上記態様においては、エラストマー性ポリマーが、天然ゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレンゴムからなる群より選択される1種以上のポリマーであることが好ましい。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を含んでなることを特徴とする。
本発明の接着剤組成物は、上記含硫黄シラン化合物および接着剤を含んでなることを特徴とする。
本発明のシーリング剤組成物は、上記含硫黄シラン化合物およびシーリング剤を含んでなることを特徴とする。
上記含硫黄シラン化合物の合成方法は、下記一般式(1)で表される化合物と、一般式(1)で表される化合物1molに対し、0.5〜4molの下記一般式(2)で表される化合物と、を80〜300℃の温度で反応させることを含んでなることを特徴とする。
(上記式中、
aおよびbは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
cは、0〜10の整数であり、
dおよびfは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
eは、2〜10の整数であり、
gおよびhは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、
およびRは、それぞれ独立して、アルコキシ基または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基であり、
およびRは、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である。)
本発明によれば、ゴム等の有機高分子材料との反応性が高く、低極性の有機高分子材料と混合しても、分散不良や混合不良等が生じることがない含硫黄シラン化合物を提供することができる。
図1は、実施例1で合成した含硫黄シラン化合物1のH−NMRチャートを表す。 図2は、実施例4で合成した含硫黄シラン化合物2のH−NMRチャートを表す。 図3は、実施例5で合成した含硫黄シラン化合物3のH−NMRチャートを表す。 図4は、実施例6で合成した含硫黄シラン化合物4のH−NMRチャートを表す。 図5は、実施例7で合成した含硫黄シラン化合物5のH−NMRチャートを表す。 図6は、実施例8で合成した含硫黄シラン化合物6のH−NMRチャートを表す。
本明細書において、配合を示す「部」、「%」等は特に断らない限り質量基準である。
<含硫黄シラン化合物>
本発明の含硫黄シラン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物との反応物である。
一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを反応させて得られる含硫黄シラン化合物は、一般式(1)で表される化合物由来の高分子材料との反応性が高く、かつ低極性の反応性官能基を有するため、高分子材料と混合しても、分散不良や混合不良が生じることがなく、ゴム組成物の構成成分として好適に使用することができる。また、接着剤組成物やシーリング剤組成物の構成成分としても好適に使用することができる。
上記一般式(1)中、aおよびbは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、より好ましくは、0〜3の整数であり、さらに好ましくは、0または1である。
但し、aおよびbが0の場合、架橋構造を形成しない。
また、cは、0〜10の整数であり、より好ましくは、0〜5の整数である。
上記一般式(2)中、dおよびfは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、より好ましくは、0〜5の整数である。
また、eは、2〜10の整数であり、より好ましくは、2〜8の整数である。
また、gおよびhは、それぞれ独立して、1〜3の整数である。
また、RおよびRは、加水分解性基であり、アルコキシ基、より好ましくは炭素数1〜30のアルコキシ基、さらに好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基、または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基、より好ましくは1以上の炭素数1〜30のアルキル基で置換されたアミノ基、より好ましくは1以上の炭素数1〜20のアルキル基で置換されたアミノ基である。具体的には、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基およびイソブトキシ基等が挙げられ、これらの中でも、メトキシ基またはエトキシ基が好ましい。また、1以上のアルキル基で置換されたアミノ基としては、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基およびN−イソプロピルアミノ基等が挙げられ、これらの中でも、N−メチルアミノ基またはN−エチルアミノ基が好ましい。なお、アルコキシ基およびアミノ基は、炭化水素基等の連結基を介してケイ素(Si)と結合してもよい。
また、RおよびRは、水素またはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、へキシル基およびシクロへキシル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基およびエチル基が好ましい。
本発明の含硫黄シラン化合物は、下記一般式(3)または(4)で表される化合物を含むことが好ましい。一般式(3)および(4)で表される化合物は、加水分解性基と、高分子材料との反応性が高く、かつ低極性の反応性官能基とを有しているため、低極性の高分子材料と混合した場合であっても、分散不良や混合不良が生じることがなく、ゴム組成物、接着剤組成物およびシーリング剤組成物の構成成分として好適に使用することができる。
上記一般式(3)および(4)中、iおよびjは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、より好ましくは、0〜3の整数であり、さらに好ましくは、0または1である。
また、kは、0〜10の整数であり、より好ましくは、0〜5の整数である。
また、l、m、rおよびsは、それぞれ独立して、1〜9の整数であり、より好ましくは、1〜4の整数である。
また、n、o、tおよびuは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、より好ましくは、0〜5の整数である。
また、p、q、vおよびwは、それぞれ独立して、1〜3の整数である。
また、R、R、RおよびR11は、それぞれ独立して、加水分解性基であり、アルコキシ基、より好ましくは炭素数1〜30のアルコキシ基、さらに好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基、または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基、より好ましくは1以上の炭素数1〜30のアルキル基で置換されたアミノ基、より好ましくは1以上の炭素数1〜20のアルキル基で置換されたアミノ基である。具体的には、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基およびイソブトキシ基等が挙げられ、これらの中でも、メトキシ基またはエトキシ基が好ましい。また、1以上のアルキル基で置換されたアミノ基としては、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基およびN−イソプロピルアミノ基等が挙げられ、これらの中でも、N−メチルアミノ基またはN−エチルアミノ基が好ましい。なお、アルコキシ基およびアミノ基は、炭化水素基等の連結基を介してケイ素(Si)と結合してもよい。
また、R、R、R10およびR12は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、へキシル基およびシクロへキシル基等が挙げられ、これらの中でも、メチル基およびエチル基が好ましい。
<含硫黄シラン化合物の合成方法>
本発明の含硫黄シラン化合物は、上記一般式(1)で表される化合物と、上記一般式(2)で表される化合物とを反応させることにより合成することができる。
上記一般式(1)で表される化合物と、上記一般式(2)で表される化合物との反応は、例えば、これらを混合し、加熱することにより進行させることができる。
上記した一般式(3)で表される化合物や一般式(4)で表される化合物は、一般式(1)で表される化合物と、一般式(2)で表される化合物とを混合し、加熱することにより、一般式(2)で表される化合物におけるジスルフィド結合が開裂し、これが一般式(1)で表される化合物における不飽和結合部分と反応することにより、合成されると考えられる。
上記一般式(2)で表される化合物は、上記一般式(1)で表される化合物1molに対し、0.1〜4molとなるように混合することが好ましく、0.3〜3molとなるように混合することがより好ましい。
また、加熱温度は、80〜300℃とすることが好ましく、100〜200℃とすることがより好ましい。
また、上記一般式(1)で表される化合物と、上記一般式(2)で表される化合物とを反応させることにより、一般式(3)で表される化合物や一般式(4)で表される化合物以外にも、下記一般式(5)〜(10)で表されるような化合物が不純物として合成される可能性がある。
上記した一般式におけるa〜wおよびR〜R11は上記した通りである。
また、x、x1およびx2は、1〜10の整数である。
以下、本発明の含硫黄シラン化合物の合成方法についてより具体的に説明する。
一実施形態において、本発明の含硫黄シラン化合物は、常圧窒素雰囲気としたフラスコ内に、下記式(11)で表されるビニルシクロヘキサン(VCH)および下記式(12)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドを入れ、バス温度を160℃程度としたオイルバスに浸漬し、3〜12時間加熱し、フラスコからオイルバスをはずし、室温まで放置することにより、合成することができる。
なお、1molの下記式(11)で表されるビニルシクロヘキサン(VCH)に対し、下記式(12)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドを0.9〜1.1mol混合することにより、主に下記式(13)で表される含硫黄シラン化合物を得ることができる。
また、下記式(12)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドを1.9〜2.1mol混合することにより、主に下記式(14)で表される含硫黄シラン化合物を得ることができる。
なお、ビニルシクロヘキサン(VCH)は、ブタジエン同士をディールズアルダー反応させることにより得ることができる。
また、後述する5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)は、1,4−ブタジエンとシクロペンタジエンのディールズアルダー反応させることにより得ることができる。
また、後述する2−エテニル−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4−メタノナフタレン(VNBB)は、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)と、1,4−ブタジエンとをディールズアルダー反応させることにより得ることができる。
また、上記式(12)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドは、市販されているものを使用してもよく、例えば、エボニック社製のSi−69が挙げられる。
また、後述するビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィドについても、市販されているものを使用してもよく、例えば、エボニック社製のSi−75が挙げられる。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、上記本発明の含硫黄シラン化合物およびエラストマー性ポリマーを含んでなる。ゴム組成物が本発明の含硫黄シラン化合物を含んでなることにより、ゴム組成物を成形等して得られたタイヤ等のゴム組成物成形品の硬度および引張特性を向上させることができる。また、ゴム組成物成形品の粘弾性特性を改善することができる。
ゴム組成物における含硫黄シラン化合物の含有量は、エラストマー性ポリマー100質量部に対し、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。
(エラストマー性ポリマー)
エラストマー性ポリマーは、一般的に公知の天然高分子または合成高分子であり、液状または固体状であってもよい。
エラストマー性ポリマーとしては、従来から一般的に使用されている任意のゴムを用いることができ、具体的には、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム等のジエン系ゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン系ゴム(EPDM、EPM)、エチレン−ブテンゴム(BBM)、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、フッ素ゴム等のオレフィン系ゴム、エピクロロヒドリンゴム、多硫化ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等を挙げることができ、また、水添されていてもよいポリスチレン系エラストマー性ポリマー(SBS、SISおよびSEBS等)、ポリオレフィン系エラストマー性ポリマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー性ポリマー、ポリウレタン系エラストマー性ポリマー、ポリエステル系エラストマー性ポリマーまたはポリアミド系エラストマー性ポリマー等の熱可塑性エラストマーでもよい。なお、これらは単独、または任意のブレンドとして使用することができる。
エラストマー性ポリマーは、上記したポリマーの中でも、天然ゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレンゴムからなる群より選択される1種以上のポリマーであることが好ましい。
エラストマー性ポリマーの重量平均分子量は、1,000〜3000,000であることが好ましく、10,000〜1000,000であることがさらに好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィー(Gel permeation chromatography(GPC))により測定した重量平均分子量(ポリスチレン換算)である。測定にはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、クロロホルムを溶媒として用いるのが好ましい。
エラストマー性ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、上述したように25℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがさらに好ましい。エラストマー性ポリマーのガラス転移温度(Tg)がこの範囲であると、ゴム組成物が室温でゴム状弾性を示すため好ましい。なお、本発明において、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC−Differential Scanning Calorimetry)により測定したガラス転移点である。昇温速度は10℃/minにするのが好ましい。
(その他のシラン化合物)
本発明のゴム組成物は、その他のシラン化合物を含んでなることができる。その他のシラン化合物の含有量は、エラストマー性ポリマー100質量部に対し、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.3〜10質量部であることがより好ましい。
その他のシラン化合物としては例えば、上記した一般式(2)で表される化合物を使用してもよい。
ゴム組成物は、上記一般式(2)で表されるその他のシラン化合物を、ゴム組成物に含まれるシリカの総量100質量部に対し、1〜15質量%含んでなることが好ましく、2〜12質量%含んでなることが好ましく、3〜10質量%含んでなることがさらに好ましい。
上記一般式(2)で表されるシラン化合物以外にも、以下のような構造を有するシラン化合物を使用することができる。
(無機材料)
本発明のゴム組成物は、無機材料を含んでいてもよい。無機材料としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレイおよびタルク等が挙げられ、これらの中でも、機械的特性および耐熱性をより向上させることができることから、シリカおよび/またはカーボンブラックを用いることが好ましい。
無機材料の添加量は、エラストマー性ポリマー100質量部に対し、0.1〜500質量部であることが好ましく、1〜300質量部であることがより好ましい。
(その他)
ゴム組成物は、その効果を損なわない範囲で、シリカ、カーボンブラック等の補強剤、硫黄、酸化亜鉛等の加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、架橋促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤、軟化剤、各種オイル、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤及び可塑材等の添加剤を含んでいてもよい。
シリカとしては、特に限定されないが、例えば、乾式法シリカ、湿式法シリカ、コロイダルシリカ、および沈降シリカ等が挙げられる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法シリカが好ましい。これらのシリカは、10〜300重量部の配合量で、それぞれ単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらシリカの比表面積は、特に制限されないが、窒素吸着比表面積(BET法)で通常10〜400m2/g、好ましくは20〜300m2/g、更に好ましくは120〜190m2/gの範囲であるときに、補強性、耐摩耗性および発熱性等の改善が十分に達成され好適である。ここで、窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じ、BET法で測定される値である。
カーボンブラックは、用途に応じて適宜選択使用される。一般に、カーボンブラックは粒子径に基づいて、ハードカーボンとソフトカーボンとに分類される。ソフトカーボンはゴムに対する補強性が低く、ハードカーボンはゴムに対する補強性が強い。本発明のゴム組成物では、特に補強性の強いハードカーボンを用いるのが好ましい。エラストマー性ポリマー100重量部に対して10〜300重量部、好ましくは20〜200重量部、より好ましくは30〜150重量部含んでいるのがよい。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、脂肪族および芳香族のヒンダードアミン系等の化合物が挙げられ、エラストマー性ポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部添加するのがよい。また、酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。エラストマー性ポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部添加するのがよい。
着色剤としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料、アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。エラストマー性ポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部添加するのがよい。
加硫剤としては、粉末硫黄、沈降性硫黄、高分散性硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジサルファイド等の硫黄系加硫剤や亜鉛華、酸化マグネシウム、リサージ、p−キノンジオキサム、p−ジベンゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニトロベンゼン、メチレンジアニリン等が挙げられる。
加硫助剤としては、アセチル酸、プロピオン酸、ブタン酸、ステアリン酸、アクリル酸、マレイン酸等の脂肪酸、アセチル酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ブタン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、マレイン酸亜鉛等の脂肪酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられる。
加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)等のチウラム系、ヘキサメチレンテトラミン等のアルデヒド・アンモニア系、ジフェニルグアニジン等のグアニジン系、ジベンゾチアジルジサルファイド(DM)等のチアゾール系、シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアマイド系等が挙げられる。
本発明では、配合剤および添加剤は、公知のゴム用混練機、例えば、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等で混練し、任意の条件で加硫してゴム組成物として使用することができる。これら配合剤および添加剤の添加量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
<タイヤ>
上記ゴム組成物を用いて、従来公知の方法によりタイヤを作製することができる。例えば、上記ゴム組成物を押し出し、次いで、タイヤ成型機を用いて成形した後、加硫機を用いて加熱・加圧することにより、タイヤを作製することができる。
本発明のゴム組成物を用いて、タイヤを作製することにより、硬度および引張特性を向上させることができる。また、粘弾性特性を改善することができ、低燃費性およびウェットグリップ性能を向上させることができる。
<接着剤組成物>
本発明の接着剤組成物は、上記本発明の含硫黄シラン化合物および接着剤(接着性ポリマー)を含んでなる。
接着剤組成物における含硫黄シラン化合物の含有量は、0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。
接着剤は、一液硬化型のものであってもよく、二液硬化型ものであってもよく、水分散系接着剤、溶液系接着剤、反応系接着剤、固体系接着剤、テープ系接着剤のいずれであってもよい。また、接着剤(接着性ポリマー)は、有機系接着剤であっても、無機系接着剤であってもよい。
有機系接着剤としては、例えば、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤、ビニル樹脂系接着剤、エチレン−酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、エチレン-酢酸ビニル樹脂ホットメルト接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、エチレン酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル系接着剤、塩化ビニル樹脂溶剤系接着剤、水性高分子-イソシアネート系接着剤、α−オレフィン系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、アクリル樹脂嫌気性接着剤、アクリル樹脂エマルジョン接着剤、アクリル樹脂系粘着テープ、ポリアミド系接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト系接着剤、ポリイミド系接着剤、セルロース系接着剤(エーテルセルロース、ニトロセルロース等)、ポリビニルピロリドン系接着剤、ポリスチレン系接着剤、ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリビニルアセタール系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、ウレタン樹脂溶剤系接着剤、ウレタン樹脂エマルジョン接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、ポリビニルブチラール樹脂系接着剤、ポリアロマティック系接着剤、構造用アクリル樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤、エステル系接着剤、クロロブレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、スチレンブタジエンゴム接着剤、スチレン-ブタジエンゴム系ラテックス接着剤、ポリベンズイミダソール接着剤、ポリメタクリレート樹脂溶液系接着剤、熱可塑性エラストマー系接着剤、ブチルゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、変性シリコン系接着剤、シリル化ウレタン系接着剤、ウレタンゴム系接着剤、ポリサルファイト系接着剤、アクリルゴム系接着剤等の合成系接着剤、並びにデンプン系接着剤、天然ゴム系接着剤、天然ゴムラッテクス系接着剤、アスファルト、膠、アラビアガム、漆、カゼイン、大豆タンパク、松やに等の天然系接着剤、反応性ホットメルト接着剤等が挙げられる。
無機系接着剤としては、シリカ系接着剤、はんだ、水ガラス(珪酸ソーダ、珪酸ナトリウム)、セメント(ポルトランドセメント、漆喰、石膏、マグネシウムセメント、リサージセメント、歯科用セメント等)およびセラミック等が挙げられる。
上記した接着剤の中でも、被着体の材質が厚紙や木材である場合には、セルロース系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤デンプン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン系接着剤が好ましい。また、被着体の材質がプラスチックである場合には、ビニル系接着剤、スチレン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シアノアクリレート系接着剤が好ましい。また、被着体の材質がゴムや皮革である場合には、クロロブレンゴム系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、スチレンブタジエンゴム接着剤が好ましい。また、被着体の材質が金属、陶磁器、コンクリートである場合には、エポキシ樹脂系接着剤、シリコン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤が好ましい。また、相溶性および安定性の観点からは、エポキシ系接着剤が好ましい。接着剤組成物は、上記した接着剤を1または2以上含んでいてもよい。
接着剤の重量平均分子量は、300〜500,000であることが好ましく、1,000〜300,000であることがさらに好ましい。
本発明の接着剤組成物は、上記したその他のシラン化合物を含んでいてもよい。
接着剤組成物は、その効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、老化防止剤、耐電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、核剤、透明化剤、加工性改良剤、滑剤等の添加剤を含んでいてもよい。
<シーリング剤組成物>
本発明のシーリング剤組成物は、上記本発明の含硫黄シラン化合物およびシーリング剤(シーリング性ポリマー)を含んでなる。
シーリング剤組成物における含硫黄シラン化合物の含有量は、0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。
シーリング剤(シーリング性ポリマー)は特に限定されるものではなく、一液硬化型(湿気硬化、酸素硬化、乾燥硬化、非硬化型)のものであってもよく、二液硬化型(反応硬化型)ものであってもよく、アクリル系ポリマー、アクリルウレタン系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、シリコン系ポリマー、変成シリコン系ポリマー、ポリサルファイド系ポリマー、SBR系ポリマー、ブチルゴム系ポリマー、油性コーキング系ポリマー等が挙げられ、これらの中でも、一液硬化型のポリウレタン系ポリマー、シリコン系ポリマー、変成シリコン系ポリマー、ポリサルファイド系ポリマー、ブチルゴム系ポリマーが好ましい。シーリング剤組成物は、上記したシーリング剤を1または2以上含んでいてもよい。
シーリング剤の重量平均分子量は、300〜500,000であることが好ましく、1,000〜300,000であることがさらに好ましい。
本発明のシーリング剤組成物は、上記したその他のシラン化合物を含んでいてもよい。
本発明のシーリング剤組成物は、その効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、老化防止剤、耐電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、核剤、透明化剤、加工性改良剤、滑剤、充填剤、可塑剤、フィラー、アンチブロッキング剤、架橋剤、染料および顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
被着体の材質については特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス、アルミ、銅、鉄等の金属、ナイロン、スチロール、アクリル、塩化ビニル、ABS、FRP、ポリカーボネート等のプラスチック、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム等のゴム、コンクリート、モルタル、天然石、タイル、ガラス、陶磁器等の無機材料、木材、合板、皮革、厚紙等の天然素材、その他ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアセタール等が挙げられる。
<その他>
本発明の含硫黄シラン化合物は、ゴム組成物、シーリング剤組成物および接着剤組成物に使用することができる他、例えば、電気・電子、化学、自動車、機械、食品・化粧品、繊維、パルプ、建築・土木関係の製品に適用することができる。
本発明の含硫黄シラン化合物は、パワトレイン関係製品として、ハイブリッド・電気自動車用製品、ディーゼルエンジン関係製品、スタータ、オルタネータ、エンジン冷却製品、駆動系製品など自動車関係製品に適用することができる。
具体的には、例えば、
(1)タイヤのトレッド、カーカス、サイドウォール、インナーライナー、アンダートレッド、ベルト部などのタイヤ各部、
(2)外装のラジエータグリル、サイドモール、ガーニッシュ(ピラー、リア、カウルトップ)、エアロパーツ(エアダム、スポイラー)、ホイールカバー、ウェザーストリップ、カウベルトグリル、エアアウトレット・ルーバー、エアスクープ、フードバルジ、換気口部品、防触対策部品(オーバーフェンダー、サイドシールパネル、モール(ウインドー、フード、ドアベルト))、マーク類;ドア、ライト、ワイパーのウェザーストリップ、グラスラン、グラスランチャンネルなどの内装窓枠用部品、
(3)エアダクトホース、ラジエターホース、ブレーキホース、
(4)クランクシャフトシール、バルブステムシール、ヘッドカバーガスケット、A/Tオイルクーラーホース、ミッションオイルシール、P/Sホース、P/Sオイルシールなどの潤滑油系部品、
(5)燃料ホース、エミッションコントロールホース、インレットフィラーホース、ダイヤフラム類などの燃料系部品;エンジンマウント、インタンクポンプマウントなどの防振用部品、
(6)CVJブーツ、ラック&ピニオンブーツなどのブーツ類、
(7)A/Cホース、A/Cシールなどのエアコンデショニング用部品、
(8)タイミングベルト、補機用ベルトなどのベルト部品、
(9)ウィンドシールドシーラー、ビニルプラスチゾルシーラー、嫌気性シーラー、ボディシーラー、スポットウェルドシーラーなどのシーラー類などが挙げられる。
また、乗用車用エアコン、バス用エアコン、冷凍機などの空調関係製品に適用することができる。また、コンビネーションメータ、ヘッドアップディスプレイ、ボデー製品、リレーなどのボデー関係製品に適用することができる。また、車間制御クルーズ/プリクラッシュセーフティ/レーンキーピングアシストシステム、ステアリングシステム、灯火制御システム、エアバッグ関連センサ&ECU、ブレーキコントロールなどの走行安全関係製品に適用することができる。また、カーナビゲーションシステム、ETC、データ通信モジュール、CAN−Gateway ECUなどの情報通信関係製品に適用することができる。また、自動車部品、ホース、ベルト、シート、防振ゴム、ローラー、ライニング、ゴム引布、シール材、手袋、防舷材、医療用ゴム(シリンジガスケット、チューブ、カテーテル)、ガスケット(家電用、建築用)、アスファルト改質剤、ホットメルト接着剤、ブーツ類、グリップ類、玩具、靴、サンダル、キーパッド、ギア、ペットボトルキャプライナーなどのエラストマー、ゴム履物、ベルト、ホース、防振ゴム、ゴムロール、印刷用ブランケット、ゴム・樹脂ライニング、ゴム板(ゴムシート)、導電性ゴム製品、シーリング材、シート防水、ウレタン塗膜防水、土木用遮水シート、密封装置、押出ゴム製品、スポンジゴム製品、防舷材、建築用ガスケット、 免震ゴム、舗装用ゴムブロック、非金属チェーン、医療・衛生用ゴム製品、ゴム引布製品、ゴム・ビニール手袋に適用することができる。また、タッチパネル用耐指紋コーティング、金属表面用潤滑性コート、金属塗装用プライマーなどのコーティング剤に適用することができる。
また、本発明による含硫黄シラン化合物は、無機充填剤の表面処理に使用することができる。表面処理方法としては、(1)乾式法、(2)湿式法および(3)インテグラルブレンド法がある。
乾式法は、大量の無機充填剤の表面処理をするのに適している方法で、無機充填剤をよくかき混ぜながら含硫黄シラン化合物を噴霧するか蒸気状態で吹き込むことにより行われる。また、必要に応じて加熱処理工程を入れる。この方法は、希釈剤を使用しないため作業性に優れる。
湿式法は、無機充填剤を溶媒中に分散させ、含硫黄シラン化合物も水や有機溶媒に希釈し、スラリー状態で激しくかき混ぜながら添加することにより行われる。この方法によれば、均一な表面処理が可能である。
インテグラルブレンド法は、無機充填剤を有機樹脂に混合する際に、含硫黄シラン化合物を直接有機樹脂に添加することにより行われる。この方法は、簡便であることから工業的に広く行われている。この方法で無機充填剤に含硫黄シラン化合物が作用する際には、フィラー表面への含硫黄シラン化合物の移行、加水分解および縮合の3工程を経る。したがって、この方法では含硫黄シラン化合物と有機樹脂の反応性に注意する必要があります。
含硫黄シラン化合物の添加量としては、一般的に以下の式により計算することができる。
・添加量(g)=[無機充填剤の重量(g)×無機充填剤の比表面積(m/g)]/含硫黄シラン化合物の最小被覆面積(m/g)
なお、含硫黄シラン化合物の最小被覆面積は、以下の式により計算することができる。
・最小被覆面積(m/g)=(6.02×1023×13×10−20)/含硫黄シラン化合物の分子量
なお、無機充填剤の比表面積が不明の場合、1重量%の含硫黄シラン化合物により処理し、次いで量を適宜増減して最適な結果が得られる量を見出すことにより求める。
無機充填剤としては、例えば、E−ガラス(比表面積0.1〜0.12m/g)、マイカ(比表面積0.2〜0.3m/g)、石英粉(比表面積1.0〜2.0m/g)、ケイ酸カルシウム(比表面積1.0〜3.0m/g)、磁性紛(比表面積1.0〜3.0m/g)、炭酸カルシウム(比表面積2.0〜5.0m/g)、クレイ(比表面積6.0〜15.0m/g)、カオリン(比表面積7.0〜30.0m/g)、タルク(比表面積830〜20.0m/g)、合成シリカ(比表面積200.0〜300.0m/g)などが挙げられる。
本発明による含硫黄シラン化合物を塗料またはコーティング剤に適用することにより、接着性、耐候性、耐久性、耐摩耗性、耐薬品性を向上させることができるとともに、充填剤および顔料分散性を改善することができる。
また、本発明による含硫黄シラン化合物をガラス繊維強化樹脂に適用することにより、衝撃強度、耐水性、電気絶縁性および湿潤環境下における長期安定性を向上させることができる。また、強度保持能力および断熱マットの弾性力を改善することができる。さらにガラス繊維束のほつれを防止することができる。
また、本発明による含硫黄シラン化合物を印刷用インクに適用することにより、接着性および離型性を向上させることができるとともに、濡れ性を改善することができる。
また、本発明による含硫黄シラン化合物をエラストマーに適用することにより、耐摩耗性、耐引き裂き性、追従性、伸び性を向上させることができるとともに、充填剤の分散性を改善することができる。また、混練工程を短縮させることができるため、コストを低減させることもできる。
また、本発明による含硫黄シラン化合物を熱可塑性樹脂に適用することにより、充填剤や顔料の分散性を改善することができるとともに、オレフィン樹脂などの架橋性を向上させることができる。また、高機能化や難燃性の付与も期待することができる。
本発明による含硫黄シラン化合物を有機材料または有機溶剤へ添加する場合、その添加量としては、一般的に0.2〜2.0質量%とすることができる。
本発明による含硫黄シラン化合物をプライマーとして使用する場合、まず、アルコール系溶媒、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)の1〜2%溶液を調製し、被着体に塗布することが好ましい。その後IPAを揮発させ、目的の接着剤またはコーティング剤を塗布することが好ましい。
本発明による含硫黄シラン化合物を接着向上剤として使用する場合、
接着剤またはコーティング材に、含硫黄シラン化合物を1%程度添加することができる。使用する接着剤またはコーティング材によっては、反応してゲル化する場合があるため留意する。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
含硫黄シラン化合物1の合成
真空ラインを繋げたジムロート、玉栓、滴下ロートを付けた100mLの3口フラスコに、スターラーバーを入れ、真空ラインを用いて、ドライヤーで加熱しながら、系内の脱気−窒素置換を10回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。
そのフラスコ内に、下記式(11)で表されるビニルシクロヘキサン(VCH)2.4875g(0.02257mol)および下記式(12)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドを12.2143g(0.02266mol)入れ、次いで、オイルバスに浸漬し、160℃まで温度を上昇させ、これらを反応させた。
6時間後、フラスコからオイルバスをはずし、室温となるまで放置し、14.36gの含硫黄シラン化合物1を得た(収率98%)。
得られた化合物の構造を1H−NMRおよびGC−MS測定により確認したところ、シランの導入率は100%であり、下記式(13)で表される含硫黄シラン化合物1が得られていることを確認した。NMRチャートを図1に表す。
ゴム組成物の合成
以下の各成分を100mLニーダー(東洋精機社製ラボプラストミル)を用いて混練し、ゴム組成物を得た。
(ゴム組成物組成)
・天然ゴム(RSS♯3) 100質量部
・含硫黄シラン化合物1 0.8質量部
・その他のシラン化合物A(デグザ社製、商品名:Si−69) 2.4質量部
・シリカAQ(東ソー社製、商品名:ニップシールAQ) 40質量部
・酸化亜鉛3号(東邦亜鉛社製、商品名:銀嶺R) 3質量部
・ステアリン酸(新日本理化社製、商品名:ステアリン酸300) 1質量部
・老化防止剤(大内新興化学社製、商品名:ノクラック224) 1質量部
・硫黄(細井化学社製、油処理硫黄) 2質量部
・加硫促進剤(大内新興化学社製、商品名:ノクセラーCZ) 1質量部
・加硫促進剤(大内新興化学社製、商品名:ノクセラーD) 0.5質量部
(実施例2〜3)
含硫黄シラン化合物1およびその他のシラン化合物Aの配合量を表1に示される値に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
(実施例4)
含硫黄シラン化合物2の合成
真空ラインを繋げたジムロート、玉栓、滴下ロートを付けた100mLの3口フラスコに、スターラーバーを入れ、真空ラインを用いて、ドライヤーで加熱しながら、系内の脱気−窒素置換を10回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。
そのフラスコ内に、下記式(15)で表される5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)2.52g(0.0229mol)および下記式(12)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドを12.336g(0.0229mol)入れ、次いで、160℃まで温度を上昇させ、これらを反応させた。
6時間後、フラスコからオイルバスをはずし、室温となるまで放置し、14.707gの含硫黄シラン化合物2を得た(収率99%)。
得られた化合物の構造をH−NMRおよびGC−MS測定により確認したところ、シランの導入率は97%であり、下記式(16)で表される含硫黄シラン化合物2が得られていることを確認した。NMRチャートを図2に表す。
ゴム組成物の合成
含硫黄シラン化合物1を含硫黄シラン化合物2に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
(実施例5)
含硫黄シラン化合物3の合成
真空ラインを繋げたジムロート、玉栓、滴下ロートを付けた100mLの3口フラスコに、スターラーバーを入れ、真空ラインを用いて、ドライヤーで加熱しながら、系内の脱気−窒素置換を10回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。
そのフラスコ内に、下記式(17)で表される2−エテニル−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4−メタノナフタレン(VNBB)3.26g(0.0185mol)および下記式(12)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドを9.975g(0.0185mol)入れ、次いで、160℃まで温度を上昇させ、これらを反応させた。
6時間後、フラスコからオイルバスをはずし、室温となるまで放置し、12.97gの含硫黄シラン化合物3を得た(収率98%)。
得られた化合物の構造をH−NMRおよびGC−MS測定により確認したところ、シランの導入率は98%であり、下記式(18)で表される含硫黄シラン化合物3が得られていることを確認した。NMRチャートを図3に表す。
ゴム組成物の合成
含硫黄シラン化合物1を含硫黄シラン化合物3に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
(実施例6)
含硫黄シラン化合物4の合成
真空ラインを繋げたジムロート、玉栓、滴下ロートを付けた100mLの3口フラスコに、スターラーバーを入れ、真空ラインを用いて、ドライヤーで加熱しながら、系内の脱気−窒素置換を10回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。
そのフラスコ内に、下記式(11)で表されるビニルシクロヘキサン(VCH)2.36g(0.02143mol)および下記式(19)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィドを10.18g(0.02143mol)入れ、次いで、160℃まで温度を上昇させ、これらを反応させた。
6時間後、フラスコからオイルバスをはずし、室温となるまで放置し、12.16gの含硫黄シラン化合物4を得た(収率97%)。
得られた化合物の構造をH−NMRおよびGC−MS測定により確認したところ、シランの導入率は97%であり、下記式(20)で表される含硫黄シラン化合物4が得られていることを確認した。NMRチャートを図4に表す。
ゴム組成物の合成
含硫黄シラン化合物1を含硫黄シラン化合物4に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
(実施例7)
含硫黄シラン化合物5の合成
真空ラインを繋げたジムロート、玉栓、滴下ロートを付けた100mLの3口フラスコに、スターラーバーを入れ、真空ラインを用いて、ドライヤーで加熱しながら、系内の脱気−窒素置換を10回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。
そのフラスコ内に、下記式(15)で表される5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)2.79g(0.0228mol)および下記式(19)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィドを10.853g(0.0228mol)入れ、次いで、160℃まで温度を上昇させ、これらを反応させた。
6時間後、フラスコからオイルバスをはずし、室温となるまで放置し、13.234gの含硫黄シラン化合物5を得た(収率97%)。
得られた化合物の構造を1H−NMRおよびGC−MS測定により確認したところ、シランの導入率は98%であり、下記式(21)で表される含硫黄シラン化合物5が得られていることを確認した。NMRチャートを図5に表す。
ゴム組成物の合成
含硫黄シラン化合物1を含硫黄シラン化合物5に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
(実施例8)
含硫黄シラン化合物6の合成
真空ラインを繋げたジムロート、玉栓、滴下ロートを付けた100mLの3口フラスコに、スターラーバーを入れ、真空ラインを用いて、ドライヤーで加熱しながら、系内の脱気−窒素置換を10回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。
そのフラスコ内に、下記式(11)で表されるビニルシクロヘキサン(VCH)1.63g(0.0148mol)および下記式(12)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドを15.958g(0.0296mol)入れ、次いで、オイルバスに浸漬し、160℃まで温度を上昇させ、これらを反応させた。
6時間後、フラスコからオイルバスをはずし、室温となるまで放置し、16.885gの含硫黄シラン化合物6を得た(収率96%)。
得られた化合物の構造を1H−NMRおよびGC−MS測定により確認したところ、シランの導入率は100%であり、下記式(14)で表される含硫黄シラン化合物6が得られていることを確認した。NMRチャートを図6に表す。
ゴム組成物の合成
含硫黄シラン化合物1を含硫黄シラン化合物6に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
(実施例9)
含硫黄シラン化合物7の合成
真空ラインを繋げたジムロート、玉栓、滴下ロートを付けた100mLの3口フラスコに、スターラーバーを入れ、真空ラインを用いて、ドライヤーで加熱しながら、系内の脱気−窒素置換を10回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。
そのフラスコ内に、下記式(15)で表される5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)1.76g(0.0144mol)および下記式(12)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドを15.537g(0.0288mol)入れ、次いで、160℃まで温度を上昇させ、これらを反応させた。
6時間後、フラスコからオイルバスをはずし、室温となるまで放置し、16.779gの含硫黄シラン化合物7を得た(収率97%)。
得られた化合物の構造を1H−NMRおよびGC−MS測定により確認したところ、シランの導入率は97%であり、下記式(22)で表される含硫黄シラン化合物7が得られていることを確認した。
ゴム組成物の合成
含硫黄シラン化合物1を含硫黄シラン化合物7に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
(実施例10)
含硫黄シラン化合物8の合成
真空ラインを繋げたジムロート、玉栓、滴下ロートを付けた100mLの3口フラスコに、スターラーバーを入れ、真空ラインを用いて、ドライヤーで加熱しながら、系内の脱気−窒素置換を10回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。
そのフラスコ内に、下記式(11)で表されるビニルシクロヘキサン(VCH)1.63g(0.0148mol)および下記式(19)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィドを14.0632g(0.0296mol)入れ、次いで、160℃まで温度を上昇させ、これらを反応させた。
6時間後、フラスコからオイルバスをはずし、室温となるまで放置し、15.22gの含硫黄シラン化合物8を得た(収率97%)。
得られた化合物の構造を1H−NMRおよびGC−MS測定により確認したところ、シランの導入率は98%であり、下記式(23)で表される含硫黄シラン化合物8が得られていることを確認した。
ゴム組成物の合成
含硫黄シラン化合物1を含硫黄シラン化合物8に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
(実施例11)
含硫黄シラン化合物9の合成
真空ラインを繋げたジムロート、玉栓、滴下ロートを付けた100mLの3口フラスコに、スターラーバーを入れ、真空ラインを用いて、ドライヤーで加熱しながら、系内の脱気−窒素置換を10回繰り返し、常圧窒素雰囲気下とした。
そのフラスコ内に、下記式(15)で表される5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)1.81g(0.0148mol)および下記式(19)で表されるビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィドを14.0816g(0.0296mol)入れ、次いで、160℃まで温度を上昇させ、これらを反応させた。
6時間後、フラスコからオイルバスをはずし、室温となるまで放置し、15.57gの含硫黄シラン化合物9を得た(収率98%)。
得られた化合物の構造を1H−NMRおよびGC−MS測定により確認したところ、シランの導入率は97%であり、下記式(24)で表される含硫黄シラン化合物9が得られていることを確認した。
ゴム組成物の合成
含硫黄シラン化合物1を含硫黄シラン化合物9に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
(比較例1)
含硫黄シラン化合物1を含有させず、その他のシラン化合物Aの含有量を3.2質量部へ変更した以外は実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。
<物性評価>
上記実施例および比較例で得られたゴム組成物について160℃、15分間のプレス加硫を行いゴム組成物からなる厚さ1mmのゴムシートを作製した。このゴムシートの物性を下記の方法により評価した。
(JIS−A硬度)
得られたゴムシートを6枚重ね、JIS K6353(2012年発行)に準拠して、JIS−A硬度を測定した。測定結果を表1に表す。
(引張特性)
得られたゴムシートから3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251(2010年発行)に準拠して行い、100%モジュラス(100%Mod)[MPa]および300%モジュラス(300%Mod)[MPa]を室温(25℃)にて測定した。測定結果を表1に表す。
(粘弾特性)
粘弾性測定装置(UBM社製REOGEL E−4000)を用い、JIS K 6394に準拠して、歪20μm、約0.1%、周波数10Hzの条件下において、得られたゴムシートの、測定温度0℃および60℃におけるtanδを求め、この値からtanδバランス(=tanδ(0℃)/tanδ(60℃))を算出した。比較例1および2において得られたゴムシートについても同様にして測定した。測定結果を表1に表す。なお、tanδバランスが高いほど、粘弾性特性が高いことを示す。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物との反応物である、含硫黄シラン化合物。
    (上記式中、
    aおよびbは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
    cは、0〜10の整数であり、
    dおよびfは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
    eは、2〜10の整数であり、
    gおよびhは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、
    およびRは、それぞれ独立して、アルコキシ基または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である)
  2. 下記一般式(3)で表される化合物を含む、請求項1に記載の含硫黄シラン化合物。
    (上記式中、
    iおよびjは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
    kは、0〜10の整数であり、
    lおよびmは、それぞれ独立して、1〜9の整数であり、
    nおよびoは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
    pおよびqは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、
    およびRは、それぞれ独立して、アルコキシ基または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である)
  3. 下記一般式(4)で表される化合物を含む、請求項1または2に記載の含硫黄シラン化合物。
    (上記式中、
    iおよびjは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
    kは、0〜10の整数であり、
    l、m、rおよびsは、それぞれ独立して、1〜9の整数であり、
    n、o、tおよびuは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
    p、q、vおよびwは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、
    、R、RおよびR11は、それぞれ独立して、アルコキシ基または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基であり、
    、R、R10およびR12は、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である)
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の含硫黄シラン化合物およびエラストマー性ポリマーを含んでなる、ゴム組成物。
  5. 前記エラストマー性ポリマーのガラス転移温度が、25℃以下である、請求項4に記載のゴム組成物。
  6. 前記ゴム組成物における前記含硫黄シラン化合物の含有量が、前記エラストマー性ポリマー100質量部に対し、0.1〜30質量部である、請求項4または5に記載のゴム組成物。
  7. 前記エラストマー性ポリマーが、天然ゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソプレンゴム、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、クロロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化イソブチレン−p−メチルスチレンゴムからなる群より選択される1種以上のポリマーである、請求項4〜6のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  8. 請求項4〜7のいずれか一項に記載のゴム組成物を含んでなる、タイヤ。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の含硫黄シラン化合物および接着剤を含んでなる、接着剤組成物。
  10. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の含硫黄シラン化合物およびシーリング剤を含んでなる、シーリング剤組成物。
  11. 下記一般式(1)で表される化合物と、前記一般式(1)で表される化合物1molに対し、0.5〜4molの下記一般式(2)で表される化合物とを反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の含硫黄シラン化合物の製造方法。
    (上記式中、
    aおよびbは、それぞれ独立して、0〜5の整数であり、
    cは、0〜10の整数であり、
    dおよびfは、それぞれ独立して、0〜10の整数であり、
    eは、2〜10の整数であり、
    gおよびhは、それぞれ独立して、1〜3の整数であり、
    およびRは、それぞれ独立して、アルコキシ基または1以上のアルキル基で置換されたアミノ基であり、
    およびRは、それぞれ独立して、水素またはアルキル基である)
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