JP2019110761A - 魚釣用リールのスプール及び魚釣用リール - Google Patents
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Abstract
Description
釣糸の巻取り時、スプールはハンドルの回転操作に伴って回転するロータに連動して前後方向に往復移動する。これにより、ラインローラを介して糸巻胴部に釣糸を偏りなく巻き取ることが可能とされている。キャスティング時には、ベールアームを糸開放姿勢に倒して釣竿を前方に向けて振り出すことで、糸巻胴部に巻かれた釣糸を前方に向けて繰り出す(放出する)ことが可能とされている。
さらに、魚釣用リールの種類、釣糸の種類、ルアーの種類等に応じて、例えば材質や表面処理が異なる複数種類のスプールリングの中から最適なスプールリングを選択して付け替えることもできる。従って、状況に応じたスプールリングの使い分けを行うことができ、使い易さを向上することができると共に、例えば釣糸の飛距離を高める等のリール性能の向上化にも繋げることができる。
なお、ねじ部材として例えば止めねじを利用した場合には、連結筒部の内側に第1規制部が突出しないように、第1規制部をねじ孔の内側に潜り込ませることができる。そのため、連結筒部の内側スペースを有効に利用することが可能である。
さらに、例えばスプール本体に対して固定リングを締め付けるように取り付ける場合には、スプールリングが固定リングに伴って共回りすることを抑制できるので、固定リングの締め付けを適切に行い易い。
以下、本発明に係るスプール及び魚釣用リールの第1実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、魚釣用リールとしてスピニングリールを例に挙げて説明する。また、各図面において、各構成部材を視認可能な大きさとするために必要に応じて各構成部材の縮尺を適宜変更している場合がある。
なお、ハンドル軸線O1及びスプール軸線O2は、上下方向に互いに離間して配設されていると共に、上下方向から見て互いに略直交するように交差している。つまり、ハンドル軸線O1とスプール軸線O2とは、立体的に交差している。
リール本体2は、本体部(ボディ部)10、蓋部11及びガード部材12を備えている。本体部10は、例えばマグネシウム合金、アルミニウム合金等の軽合金製或いは高強度樹脂の成形部品とされ、その内部には各種のリール構成部材を収容する収容空間13が形成されている。本体部10の上部には、上方に向けて延びるように脚部14が一体に形成されている。脚部14の上端部には、釣竿Rに装着される装着片15が釣竿Rに沿って延びるように形成されている。
なお、図1〜図3に示す釣竿Rは、模式的に示したものであり、一般的に釣竿Rに設けられるリール取付台座(リールシート)等の構成については図示を省略している。
ガード部材12は、本体部10の後部及び蓋部11の後部を後方側から覆うカバー部品とされている。ただし、ガード部材12は必須な構成ではなく具備しなくても構わない。
図3に示すように、ハンドル組立体3は、リール本体2に対してハンドル軸線O1回りに回転可能に支持されたハンドル軸30と、ハンドル軸30に回転不能に連結され、ハンドル軸30を介してリール本体2に対してハンドル軸線O1回りに回転可能に取り付けられたハンドルアーム31と、ハンドルアーム31の先端部に回転可能に取り付けられたハンドルノブ32と、を備えている。
図1及び図2に示すように、ロータ4は、ハンドル組立体3の回転操作に伴ってスプール軸線O2回りを回転可能に組み合わされていると共に、スプール5の往復移動(スプール軸線O2に沿う前後移動)と連動して回転することで、釣糸を後述するスプール5の糸巻胴部65に巻き付ける。
ベールアーム50は、第1アーム部41の前端部41aに回動可能に取り付けられた第1ベール支持部材51と、第2アーム部42の前端部42aに回動可能に取り付けられた第2ベール支持部材52と、第1ベール支持部材51の前端部に回転可能に取り付けられたラインローラ53と、略U形状に湾曲形成され、第1ベール支持部材51と第2ベール支持部材52との間を繋ぐように配置されたベール54と、を備えている。
ベールアーム50は、釣糸をラインローラ53に案内する糸案内姿勢(図1及び図2に示す状態)と、糸案内姿勢から反転した糸開放姿勢と、の間で揺動可能とされている。ベールアーム50が糸案内姿勢に位置している状態で、ロータ4がスプール軸線O2回りに回転することで、ラインローラ53を介して釣糸をスプール5に巻き付けることが可能とされている。
図2、図4及び図5に示すように、スプール5は、スプール軸46の前端部に対して取り外し可能に固定された筒状のスプール本体60と、スプール本体60に対して前方から分離可能に組み合わされたスプールリング61と、スプール本体60に対して前方から分離可能に組み合わされ、スプール本体60に対してスプールリング61を前方から押さえ込む環状のリングカラー(固定リング)62と、を備えている。
図2に示すように、スプール5には、主に糸巻胴部65の内側に設けられ、スプール5の回転を制動する図示しない制動機構と、スプール軸線O2回りに回転可能に取り付けられ、制動機構の制動力を調整するドラグ調整ノブ70と、を備えるドラグ調整機構71が取り付けられている。なお、ドラグ調整ノブ70は、主に連結筒部68の内側に配置されている。なお、図1及び図2以外の各図面では、ドラグ調整機構71の図示を省略している。
図2及び図3に示すように、リール本体2の収容空間13内には、ハンドル軸線O1回りに回転可能にリール本体2に支持されると共に、ハンドル軸30を介してハンドル組立体3に連結された円筒状のドライブ軸75と、ドライブ軸75に形成されたドライブギア76と、ドライブギア76に噛み合うと共にドライブ軸75の回転に伴ってスプール軸線O2回りに回転するピニオンギア77と、ドライブギア76とリール本体2との間に設けられ、ドライブ軸75をハンドル軸線O1回りに回転可能に支持する軸受78と、が設けられている。
ロータ駆動機構80は、ドライブ軸75、ドライブギア76及びピニオンギア77によって主に構成されている。
図3に示すように、ドライブ軸75の内側にはハンドル軸30が左側から挿入され、ドライブ軸75に対して相対回転不能に連結されている。これにより、ドライブ軸75は、ハンドル組立体3の回転操作に伴ってハンドル軸線O1回りに回転する。なお、ドライブ軸75には、ドライブギア76が例えば一体に形成されている。
図2に示すように、オシレーティング機構81は、ピニオンギア77に噛み合う中間ギア85と、スプール軸46に平行に配置された螺軸86と、螺軸86の回転に伴って螺軸86に沿って往復移動するスライダ87と、を備えている。
次に、スプール5の構成について、詳細に説明する。
図4及び図5に示すように、スプール本体60のフランジ部67は、糸巻胴部65の前端部から径方向外側に向けて延びるように形成され、その外径はスカート部66の外径と略同径とされている。
フランジ部67の前面には、後方に向かって凹むと共にフランジ部67の全周に亘って周方向に延びる環状溝90が形成されている。環状溝90は、前方及び径方向外側に向けて開口するように形成されている。なお、環状溝90を画成する壁面のうち径方向外側を向いた壁面は、第1周面91とされている。
第1凹部92は、フランジ部67のうち環状溝90よりも径方向内側に位置する部分に形成されていると共に、前方及び径方向外側に向けて開口するように形成されている。従って、第1凹部92は、第1周面91に開口するように形成されている。
第1凹部92は、前方から見た正面視で、後述する第2凹部104と協働して径方向に長い楕円形状となるように形成されていると共に、その深さは環状溝90の深さと同等とされている。また第1凹部92は、周方向に間隔をあけて複数形成されている。例えば、第1凹部92は6つ形成され、スプール軸線O2を中心として周方向に等間隔をあけて配置されている。
ただし、ねじ孔94の数は、上述の場合に限定されるものではなく、例えば3つ以下、或いは5つ以上形成されていても構わない。なお、ねじ孔94の内周面には、図示しない雌ねじ部が形成されている。
図4及び図5に示すように、スプールリング61は、フランジ部67の外周縁部を径方向外側から囲むように形成され、フランジ部67に対して前方から分離可能に組み合わされている。
スプールリング61は、例えば硬質セラミックス等の硬質材料で形成されていると共に、所定のコーティング処理(硬質表面処理等)が施されている。これにより、スプールリング61は、例えば一定の硬度、耐久性、耐摩耗性等が確保されている。ただし、スプールリング61の材質は、硬質材料に限定されるものではなく、例えばチタン合金、アルミニウム合金等の金属製でも良い。
連結片102は、環状溝90内に前方から離脱可能に入り込んでいると共に、フランジ部67の前面に対して接触した状態で第1周面91の外側に離脱可能に嵌合している。これにより、スプールリング61の全体は、フランジ部67に対して前方から離脱可能に組み合わされている。
図7及び図8に示すように、連結片102の内端面は、第1周面91に対して、その全周に亘って例えば密に接触する第2周面103とされている。そのため、第1周面91と第2周面103との間にはシール性が確保されている。
なお、第2凹部104は、連結片102を前後方向L2に貫通するように形成されているので、前方及び後方の両方に開口している。ただし、第2凹部104は、連結片102を前後方向L2に貫通している必要はなく、少なくとも前方及び径方向内側に開口するように形成されていれば良い。
なお、ガイドリング101の前端部は、ねじ孔94及び後述するねじ部材120よりも後方側に位置している。
上述のように構成されたスプールリング61は、回り止め部105を利用して、スプール本体60のフランジ部67に対して、周方向への相対移動が抑制された状態で組み合わされている。
図6、図7及び図9に示すように、回り止め部105は、スプール本体60のフランジ部67に形成された上記第1凹部92と、スプールリング61の連結片102に形成された上記第2凹部104と、第1凹部92及び第2凹部104の内側に前方から離脱可能に嵌合された回り止めピン106と、を備えている。
図8及び図9に示すように、回り止めピン106は、スプール本体60のフランジ部67に対してスプールリング61を前方から組み合わせた後に、第1凹部92及び第2凹部104の内側に前方から嵌め込まれることで、複数の第1凹部92及び第2凹部104のそれぞれの内側に各別に嵌合される。
図4及び図5に示すように、リングカラー62は、連結筒部68に螺着されることで、連結筒部68を介してスプール本体60に対して前方から分離可能に組み合わされ、リール本体2のフランジ部67に対してスプールリング61を前方から押さえ込んでいる。
鍔部115は、連結筒部68の前端部よりも前方側に位置していると共に、その内径は連結筒部68の内径と略同径とされている。リングカラー62は、鍔部115によって例えばスプール本体60に対する過度の締め込みが防止されている。
また、例えば外郭筒部111の後端部がフランジ部67の環状溝90よりも径方向外側に位置するように、外郭筒部111を形成したうえで、押圧片113を外郭筒部111の後端部から後方に向かって延びるように形成しても構わない。
ストッパ面116は、外郭筒部111の内周面のうち、連結筒部68に形成されたねじ孔94の径方向外側に位置する部分に形成され、外郭筒部111の全周に亘って周方向に延びるように環状に形成されている。なお、ストッパ面116はスプール軸線O2に対して略平行に形成されている。
上述のように構成されたリングカラー62は、図4及び図5に示すように、連結筒部68に取り付けられた複数のねじ部材(第1規制部)120と、リングカラー62に形成された複数の係止突起(第2規制部)125と、の協働によって、スプール本体60に対する周方向への相対移動が規制されている。
本実施形態では、ねじ部材120として、ねじ孔94の雌ねじ部に螺合する雄ねじ部がねじ軸121の外周面に形成され、且つそのヘッド部がねじ軸121と同径に形成された止めねじ、いわゆるイモねじとしている。図示の例では、ねじ軸121の先端部(ねじ先)121aが平らに形成された、いわゆる「平先」のねじ部材120としているが、先端部121aの形状は特に限定されるものではない。また、ねじ軸121のヘッド部側における端面には、工具を係合させてねじ部材120を回転させるための図示しない取付穴が形成されている。取付穴としては、例えば六角穴、十字穴、マイナス穴、星穴等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
また、例えばリングカラー62を緩み方向である周方向の他方向側に回転させたときに、ねじ部材120よりも周方向の一方向側に位置する係止突起125がねじ部材120に係止する。これにより、スプール本体60に対する緩み方向側へのリングカラー62の移動を規制することができる。
上述のように、ねじ部材120及び複数の係止突起125を利用することで、スプール本体60に対するリングカラー62の周方向への相対移動を規制することができる。
従って、図5に示すように、目印溝126とねじ孔94の中心とがスプール軸線O2方向(前後方向L2)に一致するように、スプール本体60に対してリングカラー62を組み合わせることで、周方向に隣り合う係止突起125同士の間にねじ孔94を位置させることが可能となる。
次に、上述のように構成されたスピニングリール1を利用する場合について、簡単に説明する。
キャスティングを行う場合には、図1及び図2に示す状態からベールアーム50を糸開放姿勢に倒し、釣竿Rを前方に向けて振り出す。これにより、スプール5の糸巻胴部65に巻かれた釣糸を前方に向けて繰り出すことができる。
その後、釣糸を巻き上げる場合には、ベールアーム50を図1及び図2に示すように糸案内姿勢に戻す。これにより、釣糸がベールアーム50によってラインローラ53に案内される。この状態で、ハンドルノブ32を握りながら、ハンドル組立体3をハンドル軸線O1回りに適宜回転させてハンドル操作を行う。
その結果、スプール5を前後方向L2に往復移動させながらロータ4を回転させることができ、ラインローラ53を介して釣糸をスプール5の糸巻胴部65に偏りなく巻き付けることができる。
次いで、ねじ部材120を取り外した後、スプール本体60に対してリングカラー62を緩み方向側である周方向の他方向側に回転させてリングカラー62をスプール本体60から分離させ、リングカラー62を前方に取り外す。
次いで、リングカラー62の取り外し後、第1凹部92及び第2凹部104内から回り止めピン106を取り外すことで、スプールリング61をスプール本体60から前方に取り外すことができる。
さらに、スピニングリール1の種類、釣糸の種類、ルアーの種類等に応じて、例えば材質や表面処理が異なる複数種類のスプールリング61の中から最適なスプールリング61を選択して付け替えることもできる。従って、状況に応じたスプールリング61の使い分けを行うことができ、使い易さを向上することができると共に、例えば釣糸の飛距離を高める等のリール性能の向上化にも繋げることができる。
この場合には、スプール本体60に対してスプールリング61を前方から組み入れ、図8に示すように、フランジ部67に形成された環状溝90内にスプールリング61の連結片102を嵌め込みながら、フランジ部67の外周縁部にリング本体100を嵌合させる。これにより、フランジ部67に対してスプールリング61を前方から組み合わせることができる。
なお、ねじ部材120を取り付けるにあたって、上述したリングカラー62の締め付け時、鍔部115に形成された目印溝126を視認しながら、スプール本体60に対するリングカラー62の周方向位置を調整しておく。具体的には、図5に示すように、連結筒部68に形成されているねじ孔94の位置に対して、目印溝126の位置が周方向で一致するように、スプール本体60に対するリングカラー62の周方向位置を調整しておく。
先に述べたように、目印溝126を視認しながらスプール本体60に対するリングカラー62の周方向位置を調整しているので、ねじ孔94にねじ部材120を取り付けることで、周方向に隣り合う係止突起125の間にねじ部材120を配置させることができると共に、ねじ部材120と係止突起125とを互いに周方向に係止可能な状態とすることができる。
特に、複数のねじ部材120を利用しているので、複数個所でねじ部材120と係止突起125とを周方向に係止させることができ、スプール本体60に対するリングカラー62の周方向への移動を効果的に抑制して、リングカラー62の緩み止めを適切に行うことができる。
特に、スプールリング61の取り付けを行うにあたって、目印溝126を視認しながらスプール本体60に対するリングカラー62の周方向位置を調整できるので、連結筒部68にねじ部材120を取り付けるときに、ねじ孔94を係止突起125が塞いでしまうことがないうえ、ねじ部材120と係止突起125とを適切且つ速やかに周方向に係止可能な状態とすることができる。従って、スプールリング61の取り付け作業を効率良く行うことができる。
また、フランジ部67に対してスプールリング61を組み合わせた後、第1凹部92及び第2凹部104の内側に回り止めピン106を前方から嵌め込むだけの簡便な作業でフランジ部67に対するスプールリング61の周方向への相対移動を抑制することができる。従って、この点においても、スプールリング61の取り付け作業を効率良く行うことができる。
さらに、ねじ部材120として止めねじを利用しているので、連結筒部68の内側にねじ部材120の一部が突出しないように、ねじ部材120をねじ孔94の内側に潜り込ませた状態で連結筒部68に取り付けることができる。そのため、連結筒部68の内側スペースを有効に利用することができ、例えば図2に示すようにドラグ調整ノブ70等を適切に配置することができる。
上述した第1実施形態において、回り止めピン106を弾性変形可能な弾性材で形成しても構わない。弾性材としては、特に限定されるものではないが、例えばニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、エラストマ樹脂等が挙げられる。
回り止めピン106を弾性材で形成する場合には、例えば第1凹部92及び第2凹部104の外形サイズよりも、回り止めピン106を僅かに大きく形成し、第1凹部92及び第2凹部104の内側に回り止めピン106を弾性変形させた状態で嵌め込めば良い。これにより、回り止めピン106の弾性復元力を利用して、第1凹部92及び第2凹部104の内面に回り止めピン106を強く密着させることができる。
この場合には、第1凹部92及び第2凹部104の内側に回り止めピン106を嵌め込むときに、嵌め込みを進行させるにつれて弾性変形量が大きくなるように、回り止めピン106を徐々に弾性変形させることができる。従って、第1凹部92及び第2凹部104の内側に回り止めピン106を嵌め込み易くなる。また、第1凹部92及び第2凹部104の内側に回り止めピン106を嵌め込んだ後は、上述と同様の作用効果を奏効することができる。
次に、本発明に係るスプール及び魚釣用リールの第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、第1凹部92、第2凹部104及び回り止めピン106で回り止め部105を構成し、スプール本体60に対するスプールリング61の周方向への相対移動を抑制したが、本実施形態ではOリングを利用して、スプール本体60に対するスプールリング61の周方向への相対移動を抑制する。
Oリング131は、例えばニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム等の弾性材で形成されていると共に、その直径は、スプールリング61におけるリング本体100とリングカラー62の支持壁部112との間の前後方向L2の間隔よりも大きく形成されている。そのため、Oリング131は、前後方向L2に潰れるように弾性変形した状態で、スプールリング61におけるリング本体100とリングカラー62の支持壁部112との間に挟まれている。
それに加え、Oリング131を利用して高いシール性を確保できるので、例えばリングカラー62とスプールリング61との間を通じて外部からリングカラー62の内側に向けて塵埃、液体等が進入することを効果的に防止することができる。従って、例えば高い防水性能を具備したスプール130及びスピニングリール1とすることができる。
さらに、第1実施形態のように、第1凹部92及び第2凹部104の内側に回り止めピン106を嵌め込む必要がないので、スプールリング61の交換、付け替え等を効率良く行い易い。
例えば、リングカラー62のストッパ面116に、ねじ部材120の先端部121aが螺着されるねじ孔を形成し、連結筒部68のねじ孔94に捩じ込んだねじ部材120の先端部121aを、さらにストッパ面116に形成されたねじ孔に捩じ込めば良い。これにより、ねじ部材120を介して、スプール本体60とリングカラー62とを径方向に連結することができるので、係止突起125を利用することなく、スプール本体60に対するリングカラー62の周方向への相対移動を規制することができる。
例えば、スプール本体60に対してリングカラー62を前方からスライド移動によって組み合わせた後、連結筒部68のねじ孔94に捩じ込んだねじ部材120の先端部121aを、さらにストッパ面116に形成されたねじ孔に捩じ込むことで、スプール本体60に対する周方向へのリングカラー62の相対移動、及びスプール本体60に対する前後方向L2へのリングカラー62の相対移動の両方を規制することが可能である。
ただし、第1規制部をねじ部材120とした場合には、意図せずにねじ部材120がねじ孔94から抜け落ちることを効果的に防止することができるので、より好ましい。
またこれとは逆に、スプール本体60におけるフランジ部67に、第1凹部92に代えて、径方向外側に向けて突出すると共に、第2凹部104の内側に嵌合される凸部を形成しても良い。この場合であっても、スプール本体60に対するスプールリング61の組み合わせに伴って、第2凹部104内に凸部を嵌め込むことができると共に、第2凹部104及び凸部の嵌合を利用して、スプール本体60に対するスプールリング61の周方向への相対移動を抑制することが可能である。
O2…スプール軸線
1…スピニングリール(魚釣用リール)
2…リール本体
3…ハンドル組立体(ハンドル)
4…ロータ
5、130…スプール
60…スプール本体
61…スプールリング
62…リングカラー(固定リング)
65…糸巻胴部
67…フランジ部
68…連結筒部
92…第1凹部
93…第1ねじ部
94…ねじ孔
104…第2凹部
105…回り止め部
106…回り止めピン
110…ねじ筒部
114…第2ねじ部
120…ねじ部材(第1規制部)
125…係止突起(第2規制部)
126…目印溝(指標部)
131…Oリング(回り止め部)
Claims (10)
- 釣糸を前方に繰り出す魚釣用リールのリール本体に組み合わされると共に、前記リール本体に取り付けられたハンドルの回転操作に伴ってスプール軸線に沿って前後移動するスプールであって、
釣糸が巻かれる糸巻胴部、前記糸巻胴部の前端部から前記スプール軸線に交差する径方向の外側に向けて延びる環状のフランジ部、及び前記フランジ部から前方に向けて延びる連結筒部を有するスプール本体と、
前記フランジ部の外周縁部を前記径方向の外側から囲むように形成されると共に、前記フランジ部に対して前方から分離可能に組み合わされたスプールリングと、
前記連結筒部を介して前記スプール本体に対して前方から分離可能に組み合わされ、前記スプールリングを前記フランジ部に対して前方から押さえ込む固定リングと、を備え、
前記連結筒部には、前記スプール本体に対する前記固定リングの相対移動を規制する第1規制部が前記連結筒部に対して離脱可能に取り付けられている、魚釣用リールのスプール。 - 前記固定リングには、前記第1規制部と協働して、前記スプール本体に対する前記固定リングの相対移動を規制する第2規制部が形成されている、請求項1に記載の魚釣用リールのスプール。
- 前記連結筒部には、第1ねじ部が形成され、
前記固定リングは、前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部が形成されたねじ筒部を有し、前記連結筒部に対する前記ねじ筒部の螺着によって前記スプール本体に組み合わされ、
前記第2規制部は、前記第1規制部に対して前記スプール軸線回りを周回する周方向から係止可能とされ、前記スプール本体に対する前記固定リングの前記周方向への移動を規制する、請求項2に記載の魚釣用リールのスプール。 - 前記第1規制部及び前記第2規制部は、前記周方向に間隔をあけて複数配置されている、請求項3に記載の魚釣用リールのスプール。
- 前記連結筒部には、該連結筒部を前記径方向に貫通するねじ孔が形成され、
前記第1規制部は、前記ねじ孔に捩じ込み可能とされたねじ部材とされている、請求項1から4のいずれか1項に記載の魚釣用リールのスプール。 - 前記固定リングには、前記第1規制部に対する前記第2規制部の相対的な周方向位置を示す指標部が形成されている、請求項3から5のいずれか1項に記載の魚釣用リールのスプール。
- 前記フランジ部に対して前記スプール軸線回りを周回する周方向への前記スプールリングの相対移動を抑制する回り止め部を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の魚釣用リールのスプール。
- 前記回り止め部は、
前記フランジ部に形成され、前方及び前記径方向の外側に向けて開口した第1凹部と、
前記スプールリングに形成され、前方及び前記径方向の内側に向けて開口すると共に、前記第1凹部に対して前記径方向に対向配置された第2凹部と、
前記第1凹部及び前記第2凹部の内側に前方から離脱可能に嵌合された回り止めピンと、を備える、請求項7に記載の魚釣用リールのスプール。 - 前記固定リングは、前記回り止めピンを前方から押さえ込んでいる、請求項8に記載の魚釣用リールのスプール。
- ハンドルを有するリール本体と、
請求項1から9のいずれか1項に記載の魚釣用リールのスプールと、
前記ハンドルの回転操作に伴って前記スプール軸線回りを回転可能に前記リール本体に組み合わされると共に、前記スプールの前後移動と連動して回転することで釣糸を前記糸巻胴部に巻き付けるロータと、を備える、魚釣用リール。
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