JP2019108242A - 結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法及び装置 - Google Patents

結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶質酸化物セラミックスを短時間で焼成する製法と、その製法を実施するための装置の提供。【解決手段】結晶質酸化物セラミックスに含まれる酸素以外の元素の、酸化物、及び/又は炭酸塩、及び/又はリン酸塩の粉末を混合した混合粉末S1を成形S2して、得られた成形体を仮焼成する仮焼成工程S3と、圧縮空気を用い、絶対圧が0.33〜0.38MPaの加圧ガス雰囲気下で、1000〜1100℃の本焼成温度で、結晶粒の平均粒径が2〜5μmに到達するまで焼成する本焼成工程S4を含み、本焼成工程S4を大気雰囲気下で行う場合に比べて、本焼成工程S4に要する時間が4分の1以下である結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法と、その製法を実施するための製造装置。【選択図】図14

Description

本発明は、結晶質酸化物セラミックスを短時間で焼成する製法と、その製法を実施するための装置に関する。
結晶質酸化物セラミックスを固相法で製造するには、まず、原料となる粉末をよく混合し、加圧等により成形してから低温で仮焼きすることにより、水分や不必要な元素成分を水蒸気や炭酸ガス等の形で飛ばしたのちに、本焼成を行う。その後、用途に応じて必要な場合には、還元処理や高温でのアニール処理などの後処理工程を行う場合がある。
特開平11−116330号公報(特許文献1)には、透光性の高密度PLZTセラミックスを製造するための本焼成の方法として、第1段階の1150℃以下の比較的低温での減圧焼結の後に、第2段階の1200℃以上の高温での加圧酸素焼結を行う、連続2段階焼結法が記載されている。特許文献1の焼成製法では、セラミックスの透光性と緻密性の確保を課題としているため、第2段階の高温での加圧酸素焼結において緻密化を進行させ、かつ、透光性を確保できる程度まで、粒界や気孔による光の散乱を減少させる必要がある。しかし、例えば蛍光体用途など、必ずしも透光性や緻密性を必要としない一般の結晶質酸化物セラミックスの焼成製法において、1200℃未満の加圧ガス雰囲気下での本焼成による製造の可否や最適条件は全く明らかではない。
特開2009−185202号公報(特許文献2)には、ユーロピウムで付活されたニオブ酸リチウムにチタンを固溶した組成式Li1+x-yNb1-x-3yTix+4y3(x及びyは0.04≦x≦0.33、0≦y≦0.09を満たし、Eu23の添加量は0.5〜3.0wt%である)で表される超構造を形成する結晶質酸化物セラミックス蛍光体を固相法で製造できることが記載されている。しかし、その製法は、原料を乾式混合し、大気雰囲気中1000℃で3時間、1120℃で10〜15時間保持して焼成するものであり、製造には非常に長時間を要する。
H.Nakano et al, Materials Research Bulletin 83 (2016) 502−506(非特許文献1)には、結晶質酸化物セラミックスの一種であり、組成式(Ca2-x/2-yEuyx/2)(Si1-xx)O4(ただし0≦x≦0.20かつ0.02≦y≦0.05)で表されるシリケート系セラミックス蛍光体を固相法で大気雰囲気下、1100〜1500℃の温度で本焼成を行う場合、24時間以上の長時間をかけて何度も粉砕混合と焼成を繰り返した後、均質焼成できることが記載されている。
古谷彰平・奥住明日香・中野裕美、粉体工学会誌、第53巻5号、2016年、4〜8ページ(非特許文献2)には、結晶質酸化物セラミックスの一種であり、組成式(Ba1-xEux0.79(Al1-yZny10.917.14-δ(ただし0.01≦x≦0.2かつ0≦y≦0.1)で表されるバリウム系セラミックス蛍光体を固相法で大気雰囲気下において焼成製造できることが記載されている。しかし、結晶粒の平均粒径が2〜5μmに達する均質焼成のためには、仮焼成後の焼成体に対し、粉砕・混合と1200℃の温度での本焼成を何度も繰り返した後、更に後処理工程として1550℃で4時間焼成することを要し、合成(焼成製造)には非常な長時間と手間を要する。
特開平11−116330号公報 特開2009−185202号公報
H.Nakano et al, Materials Research Bulletin 83 (2016) 502−506 古谷彰平・奥住明日香・中野裕美著、粉体工学会誌、第53巻5号、2016年、4〜8ページ
従って、本発明の課題は、結晶質酸化物セラミックスの焼成において、加圧ガス雰囲気炉を使用し、最適な加圧ガス雰囲気を制御することにより、これまで大気雰囲気下での電気炉を使用した焼成では長時間を要していた材料について、低温かつ短時間で均質な粒成長を実現する焼成条件を見出し、その焼成条件を用いた結晶質酸化物セラミックスの短時間焼成製法を提供すること、及び、そのための装置を提供することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、結晶質酸化物セラミックスを焼成により製造する方法であり、
圧縮空気を用い、絶対圧が好適絶対圧区間に含まれる加圧ガス雰囲気下で、1200℃未満の本焼成温度で、結晶粒の平均粒径が用途に応じた目的とする結晶粒径に到達するまで焼成する本焼成工程を含み、前記本焼成工程を大気雰囲気下で行う場合に比べて、前記本焼成工程に要する時間が4分の1以下であることを特徴とする結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法である。
本発明の第2の形態は、本焼成工程に先立って、結晶質酸化物セラミックスに含まれる酸素以外の元素の、酸化物、及び/又は炭酸塩、及び/又はリン酸塩の粉末を混合した混合粉末を成形して、得られた成形体を仮焼成する仮焼成工程を含む結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法である。
本発明の第3の形態は、前記好適絶対圧区間が0.33〜0.38MPa、前記本焼成温度が1000〜1100℃、前記目的とする結晶粒径が2〜5μmである結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法である。
本発明の第4の形態は、前記結晶質酸化物セラミックスが、組成式Li1+x-yNb1-x-3yTix+4y3(ただし0.07≦x≦0.33かつ0≦y≦0.175)で表され、一定の周期間隔を有する超構造を形成したLNTセラミックスであり、前記混合粉末が、LiCO3、Nb25、TiO2の粉末を混合した混合粉末であり、前記超構造は、Ti原子の拡散により形成される周期構造である結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法である。
本発明の第5の形態は、LNTセラミックスの組成をTi濃度が15〜30mol%の範囲で変化させたとき、Ti濃度が大きいほど、前記超構造の一定の周期間隔が狭くなる結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法である。
本発明の第6の形態は、前記混合粉末がRE23の粉末を計0.5〜5重量%含み、前記LNTセラミックスが、REを賦活化した結晶質酸化物セラミックスであり、前記REは、希土類元素Dy、Er、Eu、Nd、Pr、Sm、Tm、Tb、Ybのうち1以上の元素である結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法である。
本発明の第7の形態は、前記結晶質酸化物セラミックスが、組成式(Ca2-x/2-yEuyx/2)(Si1-xx)O4(ただし0≦x≦0.20かつ0.02≦y≦0.5)で表されるシリケート系セラミックス蛍光体であり、前記混合粉末が、CaCO3、SiO2、CaHPO4・2H2O、Eu23の粉末を混合した混合粉末であり、前記本焼成工程より後で行われる後処理工程を含み、当該後処理工程において、大気雰囲気下でアニール処理を行い、更に、還元ガス中でEu3+イオンをEu2+イオンに還元する還元処理を行う、結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法である。
本発明の第8の形態は、前記結晶質酸化物セラミックスが、組成式(Ba1-xEux0.79(Al1-yZny10.917.14-δ(ただし0.01≦x≦0.2かつ0≦y≦0.1)で表されるバリウム系セラミックス蛍光体であり、前記混合粉末が、BaCO3、Al23、ZnO、Eu23の粉末を混合した混合粉末であり、前記本焼成工程より後で行われる後処理工程を含み、当該後処理工程において、大気雰囲気下でアニール処理を行い、更に、還元ガス中でEu3+イオンをEu2+イオンに還元する還元処理を行う、結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法である。
本発明の第9の形態は、上記の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を実施するための装置であり、気密に保つことができる焼成炉と、前記焼成炉内に配置され、原料となる混合粉末又はその成形体を保持する保持部と、加熱手段と、前記焼成炉内に酸素を含む混合ガスを加圧して送り込む加圧ガス導入手段と、前記焼成炉内のガスを外部に放出するガス排出手段を少なくとも有する結晶質酸化物セラミックス短時間焼成装置である。
本発明の第10の形態は、タイマーを備え、前記混合粉末又はその成形体の温度、及び、前記焼成炉内のガスの圧力を、自動で調整するプログラム制御を行う制御部を備えた結晶質酸化物セラミックス短時間焼成装置である。
本発明の第1の形態によれば、結晶質酸化物セラミックスを焼成により製造する方法であり、圧縮空気を用い、絶対圧が好適絶対圧区間に含まれる加圧ガス雰囲気下で、1200℃未満の本焼成温度で、結晶粒の平均粒径が用途に応じた目的とする結晶粒径に到達するまで焼成する本焼成工程を含み、前記本焼成工程を大気雰囲気下で行う場合に比べて、前記本焼成工程に要する時間が4分の1以下であることを特徴とする結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を提供することができる。
圧縮空気を用い、絶対圧が0.6MPa以下のそれほど絶対圧が高くない加圧ガス雰囲気下で、1200℃未満の本焼成温度で焼成する場合、結晶粒の均質な粒成長に最適な絶対圧が存在し、それより絶対圧が大きくなると却って粒成長が妨げられる場合があることは従来、知られていなかった。本発明は、最適な絶対圧に近い、好適絶対圧区間に含まれる絶対圧の加圧ガス雰囲気下で焼成を行うことにより、従来に比べて、本焼成工程に要する時間を大幅に短縮するものである。
ここで、好適絶対圧区間とは、本焼成工程を同じ温度条件で大気雰囲気下で行う場合に比べて、本焼成工程に要する時間が4分の1以下であるような、0.6MPa以下の絶対圧の任意の区間である。本発明者の発見は、拡散機構は結晶構造(空間群)に依存するものであるが、好適絶対圧区間を設定することができる結晶質酸化物セラミックスが多く存在する可能性がある、という点にある。好適絶対圧区間は、必ずしも上記の最適な絶対圧を含まなくてもよいが、含んでいることが望ましい。
本発明の第2の形態によれば、原料となる粉末を混合した混合粉末を成形して、得られた成形体を仮焼成する仮焼成工程を含む結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を提供することができる。
仮焼成工程は、そのままでは脆い成形体を扱いやすくするためと、本焼成工程に先立っ
て、成形体に含まれている不要な元素を、水分や二酸化炭素などの気体の形で飛ばすために実施される。仮焼成の温度は、例えば500〜850℃に選ぶことができる。
本発明の第3の形態によれば、前記好適絶対圧区間が0.33〜0.38MPa、前記本焼成温度が1000〜1100℃、用途に応じた目的とする結晶粒径が2〜5μmである結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を提供することができる。
本発明者は、圧縮空気を用いた加圧ガス雰囲気下で1000〜1100℃の低温で本焼成を行って、代表的な結晶質酸化物セラミックスであるLNTセラミックスを製造する場合に、結晶粒の平均粒径の成長速度が最大になるのは、絶対圧が約0.35MPaのとき、若しくは0.33〜0.38MPaの範囲内のときであり、絶対圧がそれを超えて大きくなると、却って均質な粒成長が妨げられることを見出した。更に、絶対圧が0.33〜0.38MPaの加圧ガス雰囲気下で焼成を行うと、大気雰囲気下で焼成を行う場合に比べて、結晶粒の平均粒径が目的とする結晶粒径に到達するまで焼成する本焼成工程に要する時間が4分の1以下で済むことを、いずれも結晶質酸化物セラミックスである、LNTセラミックスやいくつかのセラミックス蛍光体で確認した。
結晶質酸化物セラミックスを1000〜1100℃の低温で、加圧ガス雰囲気下で、焼成により製造する場合に、結晶粒の平均粒径の成長速度を最大にする最適な絶対圧(約0.35MPa或いは0.33〜0.38MPa)が存在し、それより大きな絶対圧ではかえって均質な粒成長が妨げられる場合があることは、従来知られていなかった。そのメカニズムは酸化物中では、0.33〜0.38MPaで、最も効率よく、準格子間の酸素が空孔と連携しながら、酸素原子が玉突きのように酸素を押し出して原子の拡散が促進されると考える。一方、絶対圧がそれ以上に大きくなりすぎると、ガス(酸素)分子の濃度が上がることにより、酸素イオン同志が反発し、逆に原子の拡散が阻害されると考えられる。なお、本発明者は、酸素と窒素の混合ガスを用いて、絶対圧を1気圧(0.1MPa)で一定に保ちつつ、混合ガスに占める酸素のモル比率を変えても結晶粒の平均粒径の成長速度があまり変化しない場合があるとの実験結果を得ており、上記メカニズムには酸素分圧だけでなく絶対圧が関係している可能性もある。
なお、本形態では、加圧ガスとして圧縮空気を用いているが、例えば、酸素と任意のガスの混合気体の加圧ガスであれば、同様の効果を奏すると考えられる。
本形態の本焼成工程は、結晶粒の平均粒径が2〜5μmの目的とする結晶粒径に到達したときに完了する。結晶質酸化物セラミックスの結晶粒は、その用途に応じて、結晶粒の粒径について、一定の条件を満たす最適な粒子サイズである必要がある。本形態の本焼成工程は、得られる結晶質酸化物セラミックスの結晶粒が、少なくとも蛍光体用途に適した粒径である2〜3μm以上の平均粒径を有することを確認している。
本発明の第4の形態によれば、前記結晶質酸化物セラミックスが、前記組成式で表され、一定の周期間隔を有する超構造を形成したLNTセラミックスであり、前記超構造は、Ti原子の拡散により形成される周期構造である結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を提供できる。
前記組成式で表されるLNTセラミックスは、超構造と呼ばれる、Ti原子の拡散により形成される周期構造を有する。焼成によって超構造が形成されるか否か、又、形成された超構造の周期間隔が一定であるか否かは、結晶粒の平均粒径とともに、均質な結晶粒の成長が実現できているかを判定する良い指標となる材料である。
従来、一定の周期間隔を有する超構造を形成するためには例えば、大気雰囲気下において、1120℃の温度で、のべ24〜240時間という長時間の本焼成、すなわち、粉砕・混合と焼成の繰り返しを行う必要があった。本発明の本形態では、絶対圧が0.33〜
0.38MPaの加圧ガス雰囲気下、1000〜1100℃の低温で焼成することにより、従来と比べて4分の1以下の時間で本焼成工程を完了して、一定の周期間隔を有する超構造を形成することができる。
LNTセラミックスの組成をTi濃度が15〜30mol%の範囲で変化させたとき、Ti濃度が大きいほど、前記本焼成工程に要する時間が短くなる。したがって、Ti濃度を変えることにより、本焼成工程に要する時間をコントロールすることができる。
本発明の第5の形態によれば、LNTセラミックスの組成をTi濃度が15〜30mol%の範囲で変化させたとき、Ti濃度が大きいほど、前記超構造の一定の周期間隔が狭くなる結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を提供することができる。
前記超構造とは、Ti原子によるインターグロース層を形成した周期構造であり、より正確には、Ti原子を多く含むインターグロース層と、Ti原子を最低限含む母相が周期的に積層したものである。そのため、Ti濃度が高くなると、インターグロース層の間隔が狭くなる。言い換えると、たくさんのTi原子が入ると、それらは母相に固溶しにくいため、余剰のTi原子がより多数のインターグロース層を形成し、超構造の一定の周期間隔が狭くなるのである。
インターグロース層は母相とは異なる構造を有するので、酸化物セラミックスの他の一般的な周期構造、例えば積層の周期性、層状構造の周期性、Ruddlesden−Popper相などと比べて、形成メカニズムが異なる。そのため、一定の周期間隔を有する超構造の形成の有無は、均質な結晶成長が実現しているか否かを判定する良い指標となる。本発明者は、一定の周期間隔を有する超構造の形成の有無を調べることで、結晶質酸化物セラミックスの低温での加圧ガス雰囲気下の本焼成において、均質な結晶成長を実現し、結晶粒の平均粒径の成長速度を最大にする、絶対圧の範囲を見出したものである。
本発明の第6の形態によれば、前記混合粉末がRE23の粉末を計0.5〜5重量%含み、前記LNTセラミックスが、REを賦活化した結晶質酸化物セラミックスであり、前記REは、希土類元素Dy、Er、Eu、Nd、Pr、Sm、Tm、Tb、Ybのうち1以上の元素である結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を提供できる。本形態の、REを賦活化した結晶質酸化物セラミックスは、蛍光体用途に用いることができる。
本発明の第7の形態によれば、前記結晶質酸化物セラミックスが、前記組成式で表されるシリケート系セラミックス蛍光体であり、前記混合粉末が、CaCO3、SiO2、CaHPO4・2H2O、Eu23の粉末を混合した混合粉末であり、前記本焼成工程より後で行われる後処理工程を含む、結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を提供できる。
前記シリケート系セラミックス蛍光体を製造する場合、仮焼成ののち、電気炉等を用いて、大気雰囲気下で焼成する本焼成工程を行い、その後、後処理工程を行う。従来の本焼成工程では、1000〜1100℃の低温で焼成する場合、結晶粒の平均粒径が2〜5μmに達する均質焼成のためには、遊星型ボールミルを用いて、何度も粉砕混合と焼成を繰り返す必要があり、製造には延べ24時間以上の本焼成工程の時間と手間を要していた。本発明の本形態では、絶対圧が0.33〜0.38MPaの加圧ガス雰囲気下で本焼成工程を行うことにより、従来と比べて4分の1以下の本焼成工程の時間で、1回の焼成で本焼成工程を完了して、その後、後処理工程を行い、前記シリケート系セラミックス蛍光体を製造することができる。
本発明の第8の形態によれば、前記結晶質酸化物セラミックスが、前記組成式で表されるバリウム系セラミックス蛍光体であり、前記混合粉末が、BaCO3、Al23、ZnO、Eu23の粉末を混合した混合粉末であり、前記本焼成工程より後で行われる後処理工程を含む、結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を提供できる。
前記バリウム系セラミックス蛍光体を製造する場合、仮焼成ののち、電気炉等を用いて、大気雰囲気下で焼成する本焼成工程を行い、その後、後処理工程を行う。従来の本焼成工程では、1000〜1100℃の低温で焼成する場合、どれほど焼成時間をかけ、粉砕・混合と焼成を幾度繰り返しても、均質焼成を成功させることができなかった。又、1200℃の高温で大気雰囲気下で本焼成工程を行う場合であっても、結晶粒の平均粒径が2〜5μmに達する均質焼成のためには、遊星型ボールミルを用いて、何度も粉砕混合と焼成を繰り返す必要があり、製造には延べ50時間以上の本焼成工程の時間と手間を要していた。本発明の本形態では、1000〜1100℃の低温で、絶対圧が0.33〜0.38MPaの加圧ガス雰囲気下で本焼成工程を行うことにより、わずか2時間の本焼成工程の時間で、1回の焼成で本焼成工程を完了して、その後、後処理工程を行い、前記バリウム系セラミックス蛍光体を製造することができる。
本発明の第9の形態によれば、上記の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を実施するための装置であり、気密に保つことができる焼成炉と、前記焼成炉内に配置され、前記混合粉末又はその成形体を保持する保持部と、加熱手段と、前記焼成炉内に酸素を含む混合ガスを加圧して送り込む加圧ガス導入手段と、前記焼成炉内のガスを外部に放出するガス排出手段を少なくとも有する結晶質酸化物セラミックス短時間焼成装置を提供できる。
本発明の本形態の装置は、気密に保つことができる焼成炉と加圧ガス導入手段とガス排出手段を有するから、焼成炉内の絶対圧を好適絶対圧区間の範囲内に保つことが可能であり、又、加熱手段を有するから、少なくとも1200℃以下の温度で前記混合粉末又はその成形体を加圧ガス雰囲気下で焼成することができる。したがって、当該装置を用いて、上記の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を実施することができる。
本発明の第10の形態によれば、タイマーを備え、前記混合粉末又はその成形体の温度、及び、前記焼成炉内のガスの圧力を、自動で調整するプログラム制御を行う制御部を備えた結晶質酸化物セラミックス短時間焼成装置を提供することができる。
図1は、結晶質酸化物セラミックスの一般的な焼成製法を示すフロー図である。 図2は、LNTセラミックスの本焼成工程における加圧ガスの絶対圧を4通りに変えて、結晶粒の成長度合いを撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)写真図である。 図3は、LNTセラミックスの本焼成工程における加圧ガスの絶対圧と、結晶粒の平均粒径との関係を示すグラフ図である。 図(4A)は、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法で製造したLNTセラミックスの透過型電子顕微鏡(TEM)による回折像図であり、図(4B)は、超構造の形成を示すTEM写真図である。 図5は、組成をTi濃度の異なる4通りに変化させて、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法で、1000℃の本焼成温度で1時間で焼成製造したLNTセラミックスのX線回折(XRD)パターン図(4組成)である。 図6は、同じく、1000℃の本焼成温度で1時間で焼成製造したLNTセラミックスのSEM写真図(4組成)である。 図7は、同じく、1000℃の本焼成温度で1時間で焼成製造したLNTセラミックス(Ti濃度15mol%)のTEMによる回折像図と超構造の不均質な形成を示すTEM写真図である。 図8は、同じく、1000℃の本焼成温度で1時間で焼成製造したLNTセラミックス(Ti濃度30mol%)のTEMによる回折像図と超構造の均質形成を示すTEM写真図である。 図9は、組成をTi濃度の異なる4通りに変化させて、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法で、1100℃の本焼成温度で1時間で焼成製造したLNTセラミックスのXRDパターン図(4組成)である。 図10は、同じく、1100℃の本焼成温度で1時間で焼成製造したLNTセラミックスのSEM写真図(4組成)である。 図11は、1000℃と1100℃の本焼成温度で1時間で合成(焼成製造)したLNTセラミックス(4組成)の格子定数を、横軸にTi濃度をとって図示したグラフ図である。 図12は、前記シリケート系セラミックス蛍光体について、大気雰囲気下で24時間で本焼成工程を行った試料と、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法で6時間で本焼成工程を行った試料の、XRDパターンの比較図である。 図13は、前記バリウム系セラミックス蛍光体について、大気雰囲気下で50時間で本焼成工程を行った試料と、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法で2時間で本焼成工程を行った試料の、XRDパターンの比較図である。 図14は、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法とオプションの後処理工程のフロー図である。 図15は、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成装置の断面模式図であり、当該装置の制御部の説明図を含む。
次に、本発明の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法及び装置を実施するための形態を、図面と表を参照しながら詳細に説明する。
本発明の特徴は、結晶質酸化物セラミックスの焼成製法に関して、加圧ガス雰囲気炉を使用し、最適な加圧ガス雰囲気を制御することにより、これまで大気雰囲気下における電気炉では長時間合成に要していた材料について、低温、短時間で均質焼成及び結晶粒の成長をする最適条件を見出した点にある。
図1は、固相法による、結晶質酸化物セラミックスの一般的な製法を示す。原料となる酸化物等の粉末は、その平均粒径が基準粉末粒径以下であることが望ましい。基準粉末粒径は、例えば0.1〜0.3μmである。まず、原料となる粉末を混合し、得られた混合粉末を成形した後に、成形体を仮焼成する仮焼成工程を実施し、次いで本焼成を行う本焼成工程を実施する。得られた焼成体に、還元処理やアニール処理等の後処理を行う場合には、後処理工程を実施して焼成製造が完了する。後処理を行わない場合には、本焼成工程の終了により、焼成製造が完了する。
本発明の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成方法は、上記の各工程のうち、本焼成工程に関するものである。なお、本焼成を、比較的低温で行われる第1段階の焼成と比較的高温で行われる第2段階の焼成の2段階に分けて行う場合には、第1段階の焼成が本願の「本焼成工程」に、又、第2段階の焼成が本願の「アニール処理」に、それぞれ対応する場合がある。
従来、大気雰囲気下で長時間を要して実施されていた本焼成工程を、加圧ガス雰囲気炉を使用し、最適な絶対圧の加圧ガス雰囲気下で1200℃未満の温度、例えば1000〜1100℃の低温で実施することにより、短い本焼成工程の時間で、均質焼成及び結晶粒の成長を実現することができた。又、従来の大気雰囲気下での本焼成工程では、通常、粉砕・混合と焼成を何度も繰り返して焼結反応を促進する必要があった材料についても、本発明の焼成方法による本焼成工程では、粉砕・混合と焼成の繰り返しは不要で、本焼成は1回で済み、しかも焼結助剤を必要としない。
次の表1に、従来の本焼成工程と本発明の一形態の本焼成工程の相違点を示す。
上記の表2は、焼成炉内の加圧ガスについて、絶対圧とゲージ圧および酸素分圧の関係を示している。ゲージ圧は絶対圧より大気圧(0.101MPa)だけ小さい。焼成に圧縮空気を利用する場合、空気中に酸素はモル比で20.6%含まれているから、焼成炉内の酸素分圧は絶対圧の0.206倍となる。なお、本発明は主に、加圧ガスとして圧縮空気の使用を想定しているが、酸素と任意の気体の混合ガス、例えば、圧縮空気中の窒素を希ガスで置き換えた混合ガスを使用しても、本発明と同様の作用・効果を奏するものと考えられる。
<実施例1:LNTセラミックスの場合>
代表的な結晶質酸化物セラミックスであるLNTセラミックスは、組成式Li1+x-yNb1-x-3yTix+4y3(ただし0.07≦x≦0.33かつ0≦y≦0.175)で表され、超構造を形成し得る。この超構造は、Ti元素の拡散により形成される周期構造であ
る。従来、大気雰囲気下において電気炉で焼成する場合には、この超構造を形成するためには1120℃の本焼成温度で24〜240時間という長い焼成時間が必要であった(H.Nakano et al. Journal of Alloys and Compounds 618(2015)504〜507ページ参照)。
今回、加圧ガス雰囲気炉を使用することにより、圧縮空気を使用し、絶対圧が0.35MPa(酸素分圧0.7atm) の時に、1100℃の本焼成温度で30分〜1時間という短い時間で結晶粒が粒成長し、均質な周期構造を形成することが明らかになったので、以下データを示す。
<実施例1−1> 最も適した絶対圧の検討
Ti濃度が20mol%である組成のLNTセラミックス(x=0.160、y=0.020)を焼成製造する場合において、圧縮空気の圧力を変え、最も粒成長をする圧力を検討した。図(2A)〜図(2D)に、絶対圧を0.30MPaから0.45MPaまで変化させた場合の焼成体(試料番号#1〜#4)における、粒成長度合いを撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)写真図を示す。結晶粒11と気孔12が確認できる。図2より、絶対圧が0.35MPa(試料番号#2)で最も粒成長をすること、及び粒成長が均質であることが分かる。絶対圧が0.30MPaや0.45MPaでは、粒成長の度合いが0.35MPaの場合ほどは進まず、粒成長の均質性も良くない。なお、本焼成の条件は次の表3に示す。
表3は、上記の試料(#1〜#4)と、絶対圧が0.50MPa及び0.60MPaの加圧ガス雰囲気下で本焼成を行って得た追加の試料(#5及び#6)について、本焼成の条件と得られた結晶粒の平均粒径を示す。なお、平均粒径は、通常の粒子径測定手法に従い、SEM写真の中の結晶粒について、市販の計測用ソフトを使用し、200個以上の結晶粒について最大径を測定し、平均値を計算したものである。
図3は、表3をグラフ化したものであり、本焼成工程における絶対圧と、結晶粒の平均粒径との関係を示すグラフ図である。結晶粒の平均粒径が最大となるのは絶対圧が0.35MPaのときである。本焼成温度が1100℃と低温で、本焼成工程の時間が30分と短いにも関わらず、絶対圧が0.35MPaの加圧ガス雰囲気下では結晶粒の平均粒径が2.6μmまで成長する。又、絶対圧が0.33〜0.38MPaの加圧ガス雰囲気下では結晶粒の平均粒径が2.4μm以上まで成長し、絶対圧が0.30〜0.42MPaの加圧ガス雰囲気下では結晶粒の平均粒径が2.0μm以上まで成長することがわかる。
図4に、最も粒成長した、絶対圧0.35MPaの場合(試料番号#2)について、[010]方位から撮影した透過型電子顕微鏡(TEM)写真図を示す。図(4A)はTEMによる回折像図であり、規則的な結晶格子の存在を示す。図(4B)は、超構造の形成を示すTEM写真図であり、4.5nm間隔で均質な周期構造が形成された事が分かる。
すなわち、4.5nmの一定の周期間隔21を有する超構造が形成されている。
<実施例1−2> Ti濃度及び本焼成温度が超構造形成に及ぼす影響の検討
絶対圧を0.35MPaに、本焼成工程の時間を1時間に固定し、本焼成温度が1000℃と1100℃の場合について、LNTセラミックス(x=0.125〜0.176、y=0〜0.063)の組成をTi濃度が15〜30mol%の範囲で変化させ、均質な超構造の形成について検討した。
その結果を表4及び図5〜図10に示す。
1000℃の本焼成温度では、Ti濃度が15mol%と小さい場合には超構造は形成されるものの、超構造の周期間隔は場所により異なり、均質性が悪かった(試料番号#7)。一方、Ti濃度が15mol%より大きい場合には一定の周期間隔を有する超構造が形成され、均質な超構造形成が確認できた。つまり、「1000℃,15mol%,1時間」という本焼成の条件は、境界的な場合に当たっており、この場合に比べて、本焼成温度が高いか、又はTi濃度が高いか、又は本焼成工程の時間が長い場合には、均質な超構造の形成が行われると考えられる。
又、1100℃の本焼成温度では、すべての組成で均質な超構造の形成が確認できた。
図5は、1000℃の本焼成温度で1時間で焼成製造した、4つの異なる組成のLNTセラミックス(試料番号#7〜#10)のX線回折(XRD)パターン32を示す図である。4組成とも、約24度の角度位置の回折ピークは2つのサテライトピーク(33と34)に分裂しており、Ti濃度が高いほど、両ピークの角度位置が離れているが、この分裂は超構造の形成を反映しており、Ti濃度が高いほど、超構造の(一定の)周期間隔21が狭くなることを示している。
図6は、1000℃の本焼成温度で1時間で焼成製造した、4つの異なる組成のLNTセラミックス(試料番号#7〜#10)のSEM写真図である。
図(7A)は、1000℃の本焼成温度で1時間で焼成製造した、Ti濃度が15mol%の組成のLNTセラミックス(試料番号#7)のTEMによる回折像図である。図(7B)は、同じくTEM写真図である。超構造は形成されているが、超構造の周期間隔21は場所によって5.5nm或いは7.0nmと異なり、超構造の周期性が不均質であることを示している。
図(8A)は、1000℃の本焼成温度で1時間で焼成製造した、Ti濃度が30mo
l%の組成のLNTセラミックス(試料番号#10)のTEMによる回折像図である。図(8B)は同じく、均質な超構造の形成を示すTEM写真図である。周期間隔21は3.0nmで一定であり、超構造が均質に形成されていることがわかる。
図9は、1100℃の本焼成温度で1時間で焼成製造した、4つの異なる組成のLNTセラミックス(試料番号#11〜#14)のX線回折(XRD)パターン図である。4組成とも、(012)反射のまわりにサテライトピーク(33と34)が観察され、Ti濃度が高いほど、両ピークの角度位置が離れている。この分裂は超構造の形成を反映しており、Ti濃度が高いほど、超構造の(一定の)周期間隔21が狭くなることを示す。
図10は、1100℃の本焼成温度で1時間で焼成製造した、4つの異なる組成のLNTセラミックス(試料番号#11〜#14)のSEM写真図である。結晶粒の均質な成長が見られ、平均粒径が約3μm又はそれ以上に達している。
図11は、1000℃の本焼成温度で1時間焼成(合成)したLNTセラミックス(試料番号#7〜#10)と、1100℃の本焼成温度で1時間焼成(合成)したLNTセラミックス(試料番号#11〜#14)の、それぞれの格子定数を縦軸に、横軸にはTi濃度をとって比較したものである。図(11A)はa軸の長さ(a軸の格子定数)を、図(11B)はc軸の長さ(c軸の格子定数)を示す。
LNTセラミックスの結晶粒は、超構造を形成しない場合には等方的であるが、超構造を形成すると板状の異方性をもつ結晶粒となる。この板状の狭い方向がc軸に相当し、c軸の長さが急激に小さくなると、異方性が現れたことを示している。
Ti濃度が15mol%のケースを考えると、本焼成温度が1000℃の場合と比べて1100℃の場合には、a軸の長さは割合にして約0.01%短くなりc軸の長さは割合にして約0.73%短くなる。つまり、c軸の長さが急激に短くなっている。これは、1000℃では超構造は形成されるものの、その均質性が悪いのに対し、1100℃では均質な超構造が形成され、異方性が現れたからであると考えられる。
Ti濃度が15mol%より大きなケースでも、本焼成温度が1000℃の場合に比べて1100℃の場合にc軸の長さが短くなる異方性が見られるが、異方性の程度はTi濃度が15mol%の場合より小さい。これは、Ti濃度が15mol%より大きなケースでは、本焼成温度が1000℃の場合にも、均質な超構造が形成が概ね完了しているからであると考えられる。
<実施例2:セラミックス蛍光体の場合>
次の表5に示す2つのセラミックス蛍光体は、いずれも結晶質酸化物セラミックスであり、従来、固相反応では製造が困難であった。反応を進めるためには、粉砕・混合を繰り返して何度も新生面をだし、反応を促進する必要があった。大気雰囲気下、固相法で均質焼成のためには、遊星型ボールミルを用いて、何度も粉砕・混合と焼成を繰り返す必要があったものである。今回、加圧ガス雰囲気炉を使用し、最適な絶対圧を有する加圧ガス雰囲気を用いることにより、焼結助剤を用いずに低温での短時間の本焼成工程により均質相の形成に成功した。
<実施例2−1> シリケート系セラミックス蛍光体の場合
組成式(Ca2-x/2-yEuyx/2)(Si1-xx)O4(ただし0≦x≦0.20かつ0.02≦y≦0.5)で表されるシリケート系セラミックス蛍光体は、固相法では、原料となる混合粉末を成形し、成形体を仮焼成したのち、本焼成工程を行い、その後、後処理工程を行って製造される。大気雰囲気下で本焼成工程を行う場合には、結晶粒の平均粒径が2〜5μmに達する均質焼成のためには、遊星型ボールミルを用いた粉砕・混合により、1000℃で、何度も粉砕・混合と焼成を繰り返す必要がある(非特許文献1)。しかし、本発明の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法に係る、絶対圧が0.35MPaの加圧ガス雰囲気下で、本焼成工程の時間を6時間として焼成製造することにより、これまで大気雰囲気下、電気炉で粉砕混合と焼成を繰り返し、本焼成工程の時間がのべ24時間となる焼成を行ったものと同等の、結晶粒の均質性と平均粒径を得ることができた。
図12は、y=0.3,x=0.06の前記シリケート系セラミックス蛍光体について、粉砕混合と焼成をXRDパターンを確認しながら、均質相になるまで繰り返し、大気雰囲気下で1000℃の本焼成温度で、のべ24時間の本焼成工程の時間で焼成した後、後処理工程を行って製造したもの(試料番号#115)と、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法で、絶対圧が0.35MPaの加圧ガス雰囲気下で1000℃の本焼成温度で6時間で焼成した後に、後処理工程を行って製造したもの(試料番号#15)の、XRDパターンの比較図である。
試料番号#115と試料番号#15のXRDパターンに見られるピークの角度位置とピークの相対強度はほぼ一致しており、本発明の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法で本焼成工程を行ったもの(試料番号#15)と、大気雰囲気下で長時間、本焼成工程を行ったもの(試料番号#115)が、結晶粒の結晶構造の規則性においてほぼ同等であることがわかる。
なお、上記の本焼成温度での本焼成工程の前に、大気雰囲気下において700〜800℃で数時間、含有するガス成分などを十分に飛ばし仮焼成する仮焼成工程を実施した。又、本焼成工程においては、CaOとSiO2の反応により形成される母相結晶構造に、Pイオンと賦活剤(発光中心イオン)としてのEuイオンを固溶置換した結晶構造が形成される反応が起きている。更に、本焼成工程の後で、後処理工程を実施した。後処理工程は、蛍光体として用いるために行う工程であり、本焼成工程の後、求める発光特性に応じて、1100℃〜1500℃ で4時間大気雰囲気下で最終結晶構造形成のためにアニール処理をした後、1200℃で97%Ar−3%H2還元ガス中で3時間Eu3+をEu2+イオンに還元する還元処理を行うものである。本実施例(試料番号#15)と比較例(#115)の後処理工程のアニール処理はいずれも1200℃で行った。
<実施例2−2> バリウム系セラミックス蛍光体の場合
本発明者は、バリウム系セラミックス蛍光体について、組成と結晶構造を制御することにより新しい母材での焼成製造(合成)に取り組んでいる。
本発明者が2016年に見出した新規蛍光体である、組成式(Ba1-xEux0.79(A
1-yZny10.917.14-δ(ただし0.01≦x≦0.2かつ0≦y≦0.1)で表される青色バリウム系セラミックス蛍光体は、固相法では、原料となる混合粉末を成形し、成形体を仮焼成したのち、本焼成工程を行い、その後、後処理工程を行って製造される。大気雰囲気下で本焼成工程を行う場合には、結晶粒の平均粒径が2〜5μmに達する均質焼成のためには、遊星型ボールミルを用いた粉砕・混合により、1200℃で、何度も粉砕・混合と焼成を繰り返す必要がある(非特許文献2)。しかし、本発明の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法に係る、絶対圧が0.35MPaの加圧ガス雰囲気下で、本焼成工程の時間を2時間として焼成製造することにより、これまで大気雰囲気下、電気炉で粉砕混合と焼成を繰り返し、本焼成工程の時間がのべ50時間となる焼成を行ったものと同等の、結晶粒の均質性を得ることができた。
図13は、x=0.1,y=0.01の前記青色バリウム系セラミックス蛍光体について、粉砕混合と焼成をXRDパターンを確認しながら、均質相になるまで繰り返し、大気雰囲気下で1200℃の本焼成温度で、のべ50時間の本焼成工程の時間で焼成した後に、後処理工程を行って製造したもの(試料番号#116)と、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法で、絶対圧が0.35MPaの加圧ガス雰囲気下で1100℃の本焼成温度で2時間で焼成した後に、後処理工程を行って製造したもの(試料番号#16)の、XRDパターンの比較図である。
試料番号#116と試料番号#16のXRDパターンに見られるピークの角度位置とピークの相対強度はほぼ一致しており、本発明の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法で本焼成工程を行ったもの(試料番号#16)と、大気雰囲気下で長時間、本焼成工程を行ったもの(試料番号#116)が、結晶粒の結晶構造の規則性においてほぼ同等であることがわかる。
なお、上記の本焼成温度での本焼成工程の前に、大気雰囲気下において700〜800℃で数時間、含有するガス成分などを十分に飛ばし仮焼成する仮焼成工程を実施した。又、本焼成工程においては、CaOとSiO2の反応により形成される母相結晶構造に、Znイオンと賦活剤(発光中心イオン)としてのEuイオンを固溶置換した結晶構造が形成される反応が起きている。更に、本焼成工程の後で、後処理工程を実施した。後処理工程は、蛍光体として用いるために行う工程であり、本焼成工程の後、求める発光特性に応じて、1500℃〜1600℃ で4時間大気雰囲気下で最終結晶構造形成のためにアニール処理をした後、1200℃で97%Ar−3%H2還元ガス中で3時間Eu3+をEu2+イオンに還元する還元処理を行うものである。本実施例(試料番号#16)と比較例(#116)の後処理工程のアニール処理は1550℃で行った。
<実施例3:典型的な一連の工程のフロー図>
図14は、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法とオプションの後処理工程の、典型的な一連の工程のフロー図である。
ステップS1では、焼成製造したい結晶質酸化物セラミックスに含まれる酸素以外の元素の、酸化物、及び/又は炭酸塩、及び/又はリン酸塩の粉末であって、平均粒径が基準粉末粒径以下の粉末を混合して混合粉末を得る。基準粉末粒径は0.1〜0.3μm、例えば0.2μmに選ぶことができる。ステップS2では、前記混合粉末を成形して成形体とする。ステップS3は、得られた成形体を仮焼成する仮焼成工程である。仮焼成は通常、大気雰囲気下で、例えば500〜850℃の温度で行われる。
ステップS4とステップS5は、本発明における本焼成工程を表す。ステップS4では、圧縮空気を用い、絶対圧が好適絶対圧区間に含まれる、例えば0.33〜0.38MPaの加圧ガス雰囲気下で、1200℃未満、例えば1000〜1100℃の本焼成温度で、結晶粒の平均粒径が目的とする結晶粒径に到達するまで焼成する本焼成工程が行われる。目的とする結晶粒径は、蛍光体用途の結晶質酸化物セラミックスの場合、通常2〜3μ
m以上に選ばれるが、用途によっては他の値でも構わない。ステップS5では、結晶粒の平均粒径が目的とする結晶粒径に達したか否かが判定され、YESであればステップS6に進み、NOであればステップS4に戻って、本焼成工程が継続される。なお、試料の結晶粒の平均粒径をリアルタイムで計測することは難しいから、焼成条件に応じた結晶粒の平均粒径の成長速度を予め調べておき、本焼成工程開始からの経過時間に基づいて、結晶粒の平均粒径が目的とする結晶粒径に達しているか否かを、ステップS5で判定してもよい。或いは、結晶粒の平均粒径の成長と、XRDパターン図、TEM回折像図、又はSEM写真図に現れる特徴の関係を予め調べておき、当該特徴に基づいて、結晶粒の平均粒径が目的とする結晶粒径に達しているか否かを、ステップS5で判定してもよい。
ステップS6では、結晶質酸化物セラミックスの種類や用途に基づいて、後処理工程を行うか否かが判定され、YESならばステップS7に進み、NOならばステップS8に進む。ステップS7では後処理工程が行われる。後処理工程は、例えば蛍光体用途の場合、求められる発光特性に応じたアニール処理や還元処理である。
ステップS8で全工程が終了する。
本発明の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を使用して製造された結晶質酸化物セラミックスである焼成体は、その用途により、紛体として利用する場合と、そうでない場合があり得る。前者の場合には、焼成体を、粒径が1〜5μmの粒子まで粉砕して、紛体として利用する。その場合には、紛体は基本的に、均質成長した結晶粒からなる。後者の場合には、焼成体をそのまま、或るいは複数の片に切断して利用する。蛍光体用途の場合、両方の利用の態様があり得る。
なお、本焼成工程を完了した焼成体を粉砕して紛体とし、その紛体に対して後処理工程を実施することもできる。
<実施例4:焼成製法を実施するための装置>
図15は、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を実施するための装置1の断面模式図であり、当該装置1は、気密に保つことができる焼成炉10と、焼成炉10内に配置され、混合粉末又はその成形体である被処理物3を保持する保持部2と、発熱体等の加熱手段4と、加圧ガス導入手段5と、ガス排出手段6と、圧力計7と、制御部8を有する。
焼成炉10は、炉壁15を有し、炉壁15の内面は断熱部材16で覆われている。加圧ガス導入手段5は、酸素を含む混合ガスを圧縮して加圧ガスを供給するコンプレッサ52と、コンプレッサ52と焼成炉10の内部とを気流連通するガス導入管51と、ガス導入管51の中途に設けられたガス導入弁53を含む。ガス排出手段6は、排気管61と、排気管61の中途に設けられた排気弁63と、オプションの排気処理部62を含む。排気管61の一端は焼成炉10の内部と気流連通し、排気管61の他端は排気処理部62に接続されている。排気処理部62は、排気管61を通じて送り込まれるガスを、必要ならば無害化して大気中に放出する。排気管61には、焼成炉10と排気弁63の間の部分に、圧力計7が設けられ、焼成炉10の内部のガスの圧力を計測できる。
断熱部材16で覆われた炉壁15の内面には、発熱体等の加熱手段4が設けられ、焼成炉10の内部のガスを加熱することができる。更に、ガス導入管51と排気管61の外表面の一部を断熱部材16で覆ってもよく、加えて、ガス導入管51と排気管61の外表面の一部を覆うように、加熱手段4を設けても良い。加熱手段4は、焼成炉10の内部のガスを加熱するだけでなく、赤外線やマイクロ波等の電磁波の放射を利用して被処理物3を加熱してもよい。加熱手段4は、焼成炉10の内部のガス及び被処理物を、少なくとも1000〜1100℃、又は1000℃以上1200℃未満の温度まで加熱することができ、好ましくは後処理工程のアニール処理の温度である1100〜1500℃、又は1500〜1600℃の温度まで加熱できることが望ましい。
図16は、本発明に係る結晶質酸化物セラミックス短時間焼成装置の制御部8の説明図
である。制御部8は、中央演算処理装置(CPU)81、メモリやハードディスクドライブ等の記憶手段82、入力手段83、及びディスプレイ等の表示部84を有し、圧力計7、温度センサ9、加熱手段4、コンプレッサ52、ガス導入弁53、及び排気弁63と通信回線で結ばれている。
制御部8は、圧力計7から伝達される焼成炉10内のガスの圧力、温度センサ9から伝達される被処理物3若しくは焼成炉10内のガスの温度、タイマ(図示せず)から伝達される時刻から計算される経過時間、及び、予め記憶手段82に保存された焼成温度と焼成炉10内のガスの圧力、若しくは、予め記憶手段82に保存された焼成温度と焼成炉10内のガスの圧力の変動プロファイルに基づいて、加熱手段4、コンプレッサ52、導入弁53、及び排気弁63を制御して、焼成炉10内のガスの圧力と、被処理物3若しくは焼成炉10内のガスの温度を、自動で調整するプログラム制御を行う。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更、別の実施例などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。
結晶質酸化物セラミックスは、白色LEDやディスプレイ用途の蛍光体材料等として、産業界において広範に利用されている。
本発明の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法は、従来、電気炉を用いた大気雰囲気下における焼成では、製造に長時間を要していた材料について、最適な絶対圧の加圧ガス雰囲気下で焼成を行うことにより、低温の本焼成温度で、かつ従来の4分の1以下という短時間で本焼成工程を完了し、均質な結晶粒の平均粒径の成長を実現するものである。したがって、製造の手間と時間を大幅に削減でき、又、焼結助剤を必要としないからコスト面で有利であるだけでなく、製造工程に関与するパラメータの数が少なく、その分、当該パラメータの最適化が容易であるという優位性も備える。本発明の製造方法及び製造装置は、産業上の幅広い利用可能性を有する。
1 焼成炉
2 保持部
3 被処理物
4 加熱手段
5 加圧ガス導入手段
6 ガス排出手段
7 圧力計
8 制御部
9 温度センサ
11 結晶粒
12 気孔
15 炉壁
16 断熱部材
21 周期間隔
31 ニオブ酸リチウムのXRDパターン
32 XRDパターン
33 サテライトピーク
34 サテライトピーク
51 ガス導入管
52 コンプレッサ
53 ガス導入弁
61 排気管
62 排気処理部
63 排気弁
81 CPU
82 記憶手段
83 入力手段
84 表示部
本発明の第6の形態は、前記混合粉末がREの粉末を計0.5〜5質量%含み、前記LNTセラミックスが、REを賦活化した結晶質酸化物セラミックスであり、前記REは、希土類元素Dy、Er、Eu、Nd、Pr、Sm、Tm、Tb、Ybのうち1以上の元素である結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法である。
本発明の第6の形態によれば、前記混合粉末がREの粉末を計0.5〜5質量%含み、前記LNTセラミックスが、REを賦活化した結晶質酸化物セラミックスであり、前記REは、希土類元素Dy、Er、Eu、Nd、Pr、Sm、Tm、Tb、Ybのうち1以上の元素である結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を提供できる。本形態の、REを賦活化した結晶質酸化物セラミックスは、蛍光体用途に用いることができる。

Claims (10)

  1. 結晶質酸化物セラミックスを焼成により製造する方法であり、圧縮空気を用い、絶対圧が好適絶対圧区間に含まれる加圧ガス雰囲気下で、1200℃未満の本焼成温度で、結晶粒の平均粒径が目的とする結晶粒径に到達するまで焼成する本焼成工程を含み、前記本焼成工程を大気雰囲気下で行う場合に比べて、前記本焼成工程に要する時間が4分の1以下であることを特徴とする結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法。
  2. 前記本焼成工程に先立って、前記結晶質酸化物セラミックスに含まれる酸素以外の元素の、酸化物、及び/又は炭酸塩、及び/又はリン酸塩の粉末を混合した混合粉末を成形して、得られた成形体を仮焼成する仮焼成工程を含む請求項1に記載の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法。
  3. 前記好適絶対圧区間が0.33〜0.38MPa、前記本焼成温度が1000〜1100℃、前記目的とする結晶粒径が2〜5μmである請求項1又は2に記載の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法。
  4. 前記結晶質酸化物セラミックスが、組成式Li1+x-yNb1-x-3yTix+4y3(ただし0.07≦x≦0.33かつ0≦y≦0.175)で表され、一定の周期間隔を有する超構造を形成したLNTセラミックスであり、前記混合粉末が、LiCO3、Nb25、TiO2の粉末を混合した混合粉末であり、前記超構造は、Ti原子の拡散により形成される周期構造である請求項2又は3に記載の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法。
  5. LNTセラミックスの組成をTi濃度が15〜30mol%の範囲で変化させたとき、Ti濃度が大きいほど、前記超構造の一定の周期間隔が狭くなる請求項4に記載の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法。
  6. 前記混合粉末がRE23の粉末を計0.5〜5重量%含み、前記LNTセラミックスが、REを賦活化した結晶質酸化物セラミックスであり、前記REは、希土類元素Dy、Er、Eu、Nd、Pr、Sm、Tm、Tb、Ybのうち1以上の元素である請求項4又は5に記載の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法。
  7. 前記結晶質酸化物セラミックスが、組成式(Ca2-x/2-yEuyx/2)(Si1-xx)O4(ただし0≦x≦0.20かつ0.02≦y≦0.5)で表されるシリケート系セラミックス蛍光体であり、前記混合粉末が、CaCO3、SiO2、CaHPO4・2H2O、Eu23の粉末を混合した混合粉末であり、前記本焼成工程より後で行われる後処理工程を含み、当該後処理工程において、大気雰囲気下でアニール処理を行い、更に、還元ガス中でEu3+イオンをEu2+イオンに還元する還元処理を行う、請求項2又は3に記載の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法。
  8. 前記結晶質酸化物セラミックスが、組成式(Ba1-xEux0.79(Al1-yZny10.917.14-δ(ただし0.01≦x≦0.2かつ0≦y≦0.1)で表されるバリウム系セラミックス蛍光体であり、前記混合粉末が、BaCO3、Al23、ZnO、Eu23の粉末を混合した混合粉末であり、前記本焼成工程より後で行われる後処理工程を含み、当該後処理工程において、大気雰囲気下でアニール処理を行い、更に、還元ガス中でEu3+イオンをEu2+イオンに還元する還元処理を行う、請求項2又は3に記載の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成製法を実施するための装置であり、気密に保つことができる焼成炉と、前記焼成炉内に配置され、原料となる混合粉末又はその成形体を保持する保持部と、加熱手段と、前記焼成炉内に酸素を含む
    混合ガスを加圧して送り込む加圧ガス導入手段と、前記焼成炉内のガスを外部に放出するガス排出手段を少なくとも有する結晶質酸化物セラミックス短時間焼成装置。
  10. タイマーを備え、前記混合粉末又は前記成形体の温度、及び、前記焼成炉内のガスの圧力を、自動で調整するプログラム制御を行う制御部を備えた請求項9に記載の結晶質酸化物セラミックス短時間焼成装置。
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