JP2019105391A - 冷凍サイクルシステム用の吸音要素、それを備えた減圧部、および冷凍サイクルシステム - Google Patents

冷凍サイクルシステム用の吸音要素、それを備えた減圧部、および冷凍サイクルシステム Download PDF

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Abstract

【課題】冷媒の状態を問わず、冷媒の圧力損失を抑えつつ冷媒の圧力変動を抑えることで騒音の低減を図ることが可能な冷凍サイクルシステム用の吸音要素、それを備えた減圧部、および冷凍サイクルシステムを提供する。【解決手段】冷凍サイクルシステムに備えられて、冷媒が流れる吸音要素6は、冷媒が流れる流路100を区画する流路壁10と、流路壁10の内側に冷媒の流れの方向(D1)に沿って配置され、流路壁10との間に、流路100の周方向D2の異なる位置にそれぞれ空隙101を形成する吸音壁20とを備えている。吸音壁20には、吸音壁20の内側103から空隙101に通じる複数の開口21が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば空気調和機や冷凍機等の冷凍サイクルシステムに備えられる吸音要素、それを備えた減圧部、および冷凍サイクルシステムに関する。
空気調和機等の冷凍サイクル装置において、圧縮機構やモータ、あるいは冷媒の脈動等、種々の音源から騒音が発生する。
特に、膨張弁(減圧部)に関しては、例えばスラグ流のような大きな気泡の塊を含んだ冷媒の流れが膨張弁に流入した際に、膨張弁の絞り部における気泡の膨張、収縮、消滅に伴う急激な圧力変動によって顕著に騒音が発生する。膨張弁には、気液二相の冷媒が流れるため、気泡に起因した騒音が発生し易い。
膨張弁から発生する騒音を低減するため、膨張弁の前後における管路内に多孔質材を配置することが提案されている(特許文献1)。多孔質材により、冷媒の流れを気相および液相が混ざり合った流動状態に移行させている。
その他、膨張弁の後流で周期性を持った渦が発生することを抑制するため、膨張弁の前における管路内に、筒状の乱れ発生部材を設けることも提案されている(特許文献2)。乱れ発生部材は、ギザギザで内周側に窄まった突起を後端部に有しており、内側を通過する冷媒の流れに乱れを発生させる。冷媒の乱流状態によって渦の発生を抑制し、それによって膨張弁のニードルの自励振動を抑制している。
特開平7−146032号公報 特開2012−154529号公報
特許文献1に記載の多孔質材を使用すると、気泡を細分化して破壊時の圧力変動を抑えることはできるとしても、多孔質材により冷媒の流れに大きな抵抗が与えられるため、圧力損失が大きい。
一方、特許文献2に記載の乱れ発生部材は、多孔質材と比べれば圧力損失は小さいとしても、冷媒の流れに乱れを発生させることができるのは管路の内壁の近傍に留まる。そのため、冷媒中に大きな気泡が残り、気泡の破壊時の圧力変動が大きいものと考えられる。
さらに、特許文献1の多孔質材や特許文献2の乱れ発生部材は、気液二相の冷媒の流れに関係した騒音の低減には適用できても、それ以外の状態の冷媒、例えば、圧縮機から吐出される冷媒等による騒音の低減には適用できない。
以上より、本発明は、冷媒の状態を問わず、冷媒の圧力損失を抑えつつ冷媒の圧力変動を抑えることで騒音の低減を図ることが可能な冷凍サイクルシステム用の吸音要素、それを備えた減圧部、および冷凍サイクルシステムを提供することを目的とする。
本発明は、冷媒が循環する冷凍サイクルシステムに備えられて、冷媒が流れる吸音要素であって、冷媒が流れる流路を区画する流路壁と、流路壁の内側に冷媒の流れの方向に沿って配置され、流路壁との間に、流路の周方向の異なる位置にそれぞれ空隙を形成する吸音壁と、を備え、吸音壁には、吸音壁の内側から空隙に通じる複数の開口が形成されていることを特徴とする。
本発明の吸音要素において、吸音壁は、空隙をそれぞれ内包した複数のポケットを備え、ポケットは、流路壁よりも内方に退いており、複数の開口が形成されていることが好ましい。
本発明の吸音要素において、吸音壁は、断面環状に形成されて流路壁の内側に挿入されており、流路壁の全周に亘りポケットが並んでいることが好ましい。
本発明の吸音要素において、ポケットは、複数の開口からなる開口群が存在する第1領域と、開口群が存在していない第2領域と、を有することが好ましい。
本発明の吸音要素において、ポケットは、断面略V字状をなす第1領域および第2領域からなり、流路壁の周方向に隣り合う複数のポケットの一方の第1領域と他方の第2領域とが接続されていることが好ましい。
本発明の吸音要素は、吸音壁の内側に冷媒の流れの方向に沿って配置される壁体をさらに備え、流路の周方向に隣り合うポケットの間において、吸音壁と壁体との間に第2の空隙が形成され、壁体には、壁体よりも内方の空間から第2の空隙に通じる開口が形成されていることが好ましい。
本発明の吸音要素は、空隙と、開口の内部の空気塊とに関してヘルムホルツ共鳴が成立することで、吸音することが好ましい。
また、本発明の冷凍サイクルシステム用の減圧部は、冷媒の圧力を減少させる減圧作用部と、減圧作用部へ流入する冷媒が流れる上流部と、減圧作用部から流出した冷媒が流れる下流部と、を備え、上流部および下流部の少なくともいずれか一方に、上述の吸音要素を有することを特徴とする。
本発明の冷凍サイクルシステムは、上述の吸音要素あるいは上述の減圧部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、流路壁と、冷媒の流れる方向に沿って配置された吸音壁との間に形成された空隙と、吸音壁に形成された開口の内部の空気塊とに関して成立するヘルムホルツ共鳴による吸音作用により、吸音要素を流れる冷媒の圧力損失を抑えつつ、それでいて、冷媒の圧力変動を抑えて騒音の低減を図ることができる。本願発明の吸音要素によれば、冷媒に大きな気泡が含まれていたとしても吸音作用を得ることができる。さらに、冷媒中の気泡の存在如何に関わらず、冷凍サイクルシステムにおいて冷媒の圧力変動の低減が必要な箇所に本発明の吸音要素を適用することができる。
(a)は、本発明の第1実施形態に係る冷凍サイクルシステムを示す模式図である。(b)は、(a)に示す冷凍サイクルシステムに備えられた膨張弁を示す図であり、(c)は、(b)の部分拡大図である。(b)および(c)において、吸音壁の図示を省略している。 吸音壁を含む吸音要素と共に膨張弁を示す図である。 (a)は、図2のIIIa−IIIa線による吸音要素の模式断面図である。(b)は、吸音壁を示す模式斜視図である。 (a)は、図3(a)のIVa部を拡大して示す模式図である。(b)は、ヘルムホルツ共鳴を説明するための模式図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る吸音要素の模式断面図である。(b)は、(a)に示す吸音要素を展開して示す模式断面図である。(c)は、周波数と音圧低減効果との関係を示す図である。 (a)〜(d)は、吸音要素の変形例を示す展開模式図である。 (a)は、本発明の第3実施形態に係る吸音要素を示す模式断面図である。(b)は、(a)に示す吸音要素を展開して示す模式断面図である。 (a)は、第3実施形態の変形例に係る吸音要素を示す模式断面図である。(b)は、(a)に示す吸音要素を展開して示す模式断面図である。 本発明の変形例に係る吸音要素を示す模式断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
以下で説明する各実施形態は、冷凍サイクルシステム1(図1(a))の冷媒が流れる箇所に備えられて吸音を図る吸音要素を開示する。かかる吸音要素は、一例として、冷凍サイクルの構成要素である減圧部としての膨張弁4に備わる。なお、同じく減圧部として機能するキャピラリーチューブにも各実施形態の吸音要素を適用可能である。
冷媒が循環する冷凍サイクルシステム1は、例えば空気調和機や冷凍機、給湯機等、冷凍サイクルを利用したシステムである。
冷凍サイクルシステム1は、図1(a)に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機2と、冷媒および大気(熱源)の間で熱交換させる第1熱交換器3と、冷媒の圧力を減少させる膨張弁4と、冷媒および熱負荷の間で熱交換させる第2熱交換器5とを備えている。圧縮機2、第1熱交換器3、膨張弁4、および第2熱交換器5は、冷媒配管により接続されている。
例えば、冷凍サイクルシステム1が空気調和機であって、冷房運転される場合には、冷媒の流れを図1(a)に矢印で示すように、圧縮機2により圧縮された冷媒が第1熱交換器3により大気へと放熱される。次いで、膨張弁4により冷媒の圧力が降下し、第2熱交換器5において冷媒が蒸発しながら熱負荷を冷却する。
本実施形態の膨張弁4は、熱負荷の変動や圧縮機2の能力に応じて開度の調節が可能な電子膨張弁である。膨張弁4は、図1(b)および(c)に示すように、ハウジング40に形成されたオリフィス41Aと、オリフィス41Aに対して進退することで開度の調整が可能なニードル41Bと、第2熱交換器5の出口温度に対応した制御指令に基づいてニードル41Bを進退駆動するモータ43とを備えている。
膨張弁4において、冷媒の流れを絞り、冷媒の圧力を減少させるオリフィス41Aおよびニードル41Bが減圧作用部41に相当する。その減圧作用部41へ流入する冷媒が流れる上流管44(上流部)と、減圧作用部41から流出した冷媒が流れる下流管45(下流部)とが膨張弁4のハウジング40に設けられている。膨張弁4を構成する各部材は、アルミニウム合金あるいは銅合金等の適宜な金属材料を用いて構成されている。
なお、膨張弁4の上流部および下流部は、本実施形態のように管の形態には限らず、ハウジング40に形成された孔であってもよい。
第1熱交換器3を経た冷媒が、上流管44から膨張弁4へ流入し、オリフィス41Aを通過して霧状に噴射されると急激に冷媒の体積が膨張する。冷媒は、下流管45を通じて第2熱交換器5に向けて流れ、第2熱交換器5において室内空気から吸熱しつつ蒸発する。その後、圧縮機2へと吸入される。
膨張弁4には、気液二相流の冷媒が流入する場合がある。ここで、例えば図1(b)および(c)に示すようにスラグ流のように大きな気泡9を含んだ冷媒の流れが膨張弁4に流入する場合がある。この気泡9がオリフィス41Aおよびニードル41Bの狭隘な間隙を通過する際に、気泡の膨張、収縮、消滅により生じた圧力変動を抑えて騒音を低減するため、膨張弁4は、図2に示すように、上流管44および下流管45にそれぞれ吸音要素6を備えている。
膨張弁4を流れる冷媒に含まれる気泡に起因して発生した圧力変動は、吸音要素6により抑制され吸音が図られる。それによって、膨張弁4から冷媒配管への圧力変動の伝搬が抑制されるので、冷媒配管や、冷凍サイクルシステム1の他の部材から騒音が放射されることも抑制することができる。吸音要素6(または7)を備えた各実施形態によれば、静粛な冷凍サイクルシステム1を実現することができる。
以下、吸音要素6の構成および作用効果について説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係る吸音要素6は、図2および図3(a)、(b)に示すように、上流管44および下流管45にそれぞれ備えられている。上流管44および下流管45はいずれも円筒状に形成されている。
流路壁10は、上流管44または下流管45の長さ方向における所定の範囲を含んで構成されている。
本実施形態では、気泡9に起因した騒音の音源となり得る膨張弁4から冷媒配管を通じて膨張弁4の上流および下流へと音が伝搬するのを抑えるため、図2に示すように上流管44および下流管45の両方に吸音要素6を備えている。
但し、膨張弁4の上流および下流における静粛性の要求度合等の観点から、上流管44および下流管45のうちいずれか一方にのみ吸音要素6が備えられていてもよい。
吸音要素6は、冷媒が流れる流路100を区画する流路壁10と、流路壁10の内側に配置され、流路壁10との間に複数の空隙101を形成する吸音壁20とを備えている。吸音壁20には、吸音壁20の内側(103)から空隙101に通じる多数の微細な開口21(図3(b))が、吸音壁20を厚み方向に貫通して形成されている。
この吸音要素6は、空隙101と、空隙101に通じる開口21の内部の空気塊とに関してヘルムホルツ共鳴が成立することで、吸音する。
本実施形態において、流路壁10は、上流管44の一部における内壁、または下流管45の一部における内壁であり、断面円形状に形成されている。流路壁10の内側に形成された流路100を流路壁10の軸線方向D1に沿って冷媒が流れる。
なお、膨張弁4の上流部および下流部がハウジング40に孔あけされている場合は、その孔の内壁が流路壁10に相当する。
吸音要素6は、必ずしも、本実施形態のように膨張弁4の上流管44または下流管45に組み込まれている必要はない。その場合、吸音要素6は、配管、あるいは流路の形成された部材等、膨張弁4の上流管44または下流管45に接続される部材に備わり、内側を冷媒が流れる流路壁と、流路壁の内側に配置される吸音壁20とを備えている。
吸音壁20は、図3(a)に示すように全体として断面環状に形成されており、流路壁10の内側に挿入されている。吸音壁20の軸心は、流路壁10の軸心と一致している。
この吸音壁20は、空隙101をそれぞれ内包した複数のポケット22を備えており、ポケット22が連なった三角波の形態に構成されている。各ポケット22は、流路壁10よりも内方(流路100の径方向内側)に退いている。ポケット22は、図3(a)に示すように流路壁10の全周に亘り並んでいる。
吸音壁20は、複数のポケット22により、流路100の周方向の異なる位置にそれぞれ空隙101を形成している。吸音壁20により、吸音壁20よりも外側の各空隙101と、吸音壁20の内側(内方空間103)とが隔てられている。
後述するように、本実施形態によれば、冷媒の流れに含まれる大きな気泡9の膨張、収縮、消滅に起因して大きな圧力変動が起きたとしても、吸音要素6により、圧力変動を抑えることができる。つまり、吸音要素6によれば、冷媒に大きな気泡9が含まれていたとしても吸音作用を得ることができる。
そのため、圧力変動を抑えるために、冷媒を通過させて細分化する多孔質の部材を使用する必要がない。そのため、冷媒の流れに大きな抵抗を与える多孔質部材の使用を避けることができる。
吸音壁20は、複数のポケット22を含め、流路100を流れる冷媒の流れの方向(軸線方向D1)に沿って配置されており、軸線方向D1に沿って投影したときの投影面積が小さいため、吸音壁20により冷媒に与える圧力損失が小さい。また、吸音壁20に形成されている開口21は微細であるため、開口21の存在によっては、冷媒には殆ど圧力損失が与えられない。
さらに、吸音壁20が流路壁10の近傍に配置されることにより、吸音壁20よりも内側には広い内方空間103が残されており、その内方空間103には、冷媒に接触する部材が配置されていない。
したがって、吸音要素6によれば、冷媒の圧力損失を抑えつつ冷媒の圧力変動を抑えることができる。
本実施形態のポケット22は、断面略V字状をなす第1領域221および第2領域222を有している。図3(b)に示すように、第1領域221には、多数の微細な開口21からなる開口群210が存在している。第2領域222には、開口群210が存在していない。第1領域221に形成された開口群210の背後に、第2領域222と、流路壁10とによって閉じられた空隙101が存在している。空隙101を確保するため、第2領域222には開口21が形成されていないことが好ましい。
第1領域221の略全域に亘り分布した開口21から開口群210が構成されている。開口21は、例えば円形の貫通孔である。第1領域221には、所定の開口率が与えられている。開口率は、第1領域221の面積に対する開口群210をなす開口21の集合全体の面積の比率に相当する。
図3(b)に示すように、流路壁10の周方向D2に隣り合うポケット22,22のうち、一方のポケット22の第1領域221と、他方のポケット22の第2領域222とが接続されている。つまり、周方向D2において、開口群210の形成された第1領域221と、開口群210の形成されていない第2領域222とが交互に配置されている。
本実施形態の吸音壁20は、金属材料からなる板材に開口群210を打ち抜きにより形成し、さらに板材を細かく屏風状に繰り返し折り曲げた形状に曲げ、またさらに、板材を折り曲げ線と交差する方向に全体として円筒状に曲げることにより、周方向D2に断面V字状の複数のポケット22が連なる形態に構成されている。
吸音壁20においては、流路壁10に向けて外方(径方向外側)に突出した山20Aと、山20Aから内方に窪んだ谷20Bとが周方向D2において交互に位置している。山20Aから、谷20Bを経て、隣の山20Aまでが、1つのポケット22に相当する。
吸音壁20は、必ずしも1枚の板材から構成されている必要はなく、複数の板材を用いて構成されていてもよい。例えば、吸音壁20が周方向D2において2つに分割されており、それぞれ1/2周に相当する2つの円弧状の部材から吸音壁20が構成されていてもよい。
吸音壁20は、流路壁10(本実施形態では上流管44または下流管45の内壁)と適宜な方法により一体化されている。例えば、流路壁10よりも若干大きい外径に作られた屏風状の吸音壁20を内包に圧縮しつつ流路壁10の内側に挿入すると、吸音壁20の山20Aが流路壁10へ押圧されて固定される。その他、溶接やろう付け、ねじ止め等の適宜な方法により吸音壁20を流路壁10に組み付けることができる。
なお、吸音壁20が流路壁10に組み付けられた状態において、吸音壁20の山20Aが必ずしも流路壁10に接触している必要はなく、吸音壁20と流路壁10との間に若干の隙間があいていても許容される。
図4(a)および(b)を参照し、吸音要素6による作用を説明する。
図4(a)は、吸音壁20の1つのポケット22と、そのポケット22に対応する流路壁10とを模式的に示している。
上述のように、ポケット22の第1領域221には、内方空間103から空隙101に通じる開口21が形成されている。開口21の背後には空隙101が存在する。こうした構造の吸音要素6によれば、開口21の大きさや第1領域221の板厚、および背後の空隙101の厚みに応じた所定の周波数におけるヘルムホルツ共鳴を伴って、吸音を図ることができる。
ヘルムホルツ共鳴は、空隙101に通じる開口21の内部に存在する空気塊21A(気柱)が孔軸方向に運動するときに、周りの空気を伴ってある周波数で共振することを言う。このとき空隙101は、空気塊21Aに設けられたバネとみなすことができる。空気塊21Aが共振状態で振動すると、空気と開口21の内周部との摩擦や空気の組成気体の分子同士の摩擦が顕著に生じるため、振動エネルギーが減衰し、音圧が減少する(吸音)。
つまり、スラグ流等の気液二相流が膨張弁4に流入し、気泡9の破壊により所定の周波数の圧力変動が発生したとしても、その圧力変動を抑え、膨張弁4を音源とする音の周囲への伝搬も抑えることができる。
図4(b)は、ヘルムホルツ共鳴を説明するためのモデル図を示している。吸音要素6によれば、ヘルムホルツ共鳴型のパッシブ型吸音構造を形成することが可能となる。
ヘルムホルツ共鳴は、例えば下記の式(1)により表すことができる。
(f0:共鳴周波数、C:音速、P:開口率、l:板厚、d:孔径、L:背後空気層厚み)
開口21の孔径dは、等価直径である。つまり、開口21が円形以外、例えば矩形等の形状である場合は、開口21と面積が等しい円形の直径を適用する。
Figure 2019105391

式(1)を満たすように、圧力変動を低減させたい所定の周波数f0に適合するように、吸音壁20の板厚l、開口21の孔径d、空隙101の厚みLを定めるとよい。
ヘルムホルツ共鳴による吸音は、開口21の内部の体積であるdlが、空隙101の体積Vと比べると無視できる程に非常に小さいことを前提とする。圧力変動を低減させたい周波数f0にもよるが、開口21の孔径dは、例えば、約0.15mm程度であり、板厚lは、例えば、約1.5mm程度である。
本実施形態のポケット22の第1領域221と第2領域222とは平行でないため、図4(a)にLで示す空隙101の厚みは一定ではない。この場合でも、所定の周波数f0に合わせて、空隙101の厚みLの代表値を定めることで、所定の周波数f0を含む周波数帯域の圧力変動を低減することができる。
一例として、冷媒に起因した音が発生し易い周波数である約4kHzに共鳴周波数f0をチューニングする場合は、下記のように定めるとよい。
C:音速 200m/s
P:開口率 0.05
l:板厚 1mm
d:孔径 1mm
L:背後空気層厚さ 2mm
上記のヘルムホルツ共鳴による吸音作用を第1領域221に分布した開口21のそれぞれについて得ることができるため、圧力変動を十分に抑え、冷媒に起因した騒音の低減を図ることができる。
本実施形態のように、吸音要素6の全周に亘りポケット22が配置されていることで、全周に亘り吸音を図ることができる。但し、断面環状の吸音壁20の周方向D2の一部においてポケット22が欠損している場合も、ポケット22の存在する範囲に亘り吸音作用を得ることができるため、許容される。
開口21を多数形成して適切な開口率Pを設定するために、吸音壁20の第1領域221の面積を大きく確保することが好ましい。
本実施形態では、吸音壁20が周方向D2に屏風状に曲げられており、周方向D2に交互に位置する第1領域221および第2領域222のうちの第1領域221のみに開口21が形成されている。
この構成によれば、ポケットのない単純な断面円環状で多数の孔が一様に分布した多孔筒29(一部を図3(a)に二点鎖線で示す)を用いる場合と同等あるいはそれ以上に、周方向D2の全体として開口21を形成可能な領域を大きく確保しつつ、開口21の背後の空隙101も確保しながら、吸音効果をより十分に得ることができる。開口21を形成可能な領域を大きく確保するためには、吸音壁20の折り曲げ角度θ(図4(a))を60°以下に設定するとよい。
以上で説明した本実施形態によれば、膨張弁4に吸音要素6を備えていることで、膨張弁4を流れる冷媒の圧力損失を抑えることができ、それでいて、ヘルムホルツ共鳴による高い吸音作用により、膨張弁4から発生する冷媒に起因した騒音を十分に抑えることができる。吸音壁20の板厚lや開口21の孔径dや開口率P、空隙101の厚みLを調整することにより、所望の周波数帯域の圧力変動を低減させることができる。
吸音要素6は、大きな気泡9を含み得る気液二相流の冷媒が流れる膨張弁4あるいはキャピラリーチューブに限らず、例えば、圧縮機2の吐出管やマフラ等に適用することも可能である。例えば、圧縮機2により圧縮された冷媒の圧力変動(脈動)を抑えるために、圧縮された冷媒を吐出する吐出管に吸音要素6を備えることもできる。
つまり、本実施形態は、冷凍サイクルシステム1を流れながら状態が変化する冷媒の状態を問わず、圧力変動の抑制が必要な箇所に吸音要素6を設置して、吸音を図ることができる。
ここで、吸音要素6が適用される冷媒の流路100は、断面円形状に限らず、圧縮機2のシャフトの周りに形成されるマフラの出口流路のように、断面環状であってもよい。その場合も、シャフトの外周部とマフラの内周部との間の環状の流路100に、ポケット22に開口群210が形成された吸音壁20を配置することにより、マフラの出口部と吸音壁20とからなる吸音要素6を構成することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態(図5)について説明する。第2実施形態以降では、第1実施形態と相違する事項を中心に説明する。第1実施形態と同様の構成要素には同じ符号を付している。
第2実施形態に係る吸音要素6は、図5(a)に示すように、流路壁10と、流路壁10の内側に配置され、流路壁10との間に空隙101を内包する複数のポケット32を有した吸音壁24とを備えている。
流路壁10および吸音壁24を備えた第2実施形態の吸音要素6も、図2に示す上流管44および下流管45のうち少なくともいずれか一方に備えられている。
吸音壁24は、金属材料からなる板材を矩形波状に曲げることで、断面略U字状の複数のポケット32が周方向D2に連なる形態に構成されている。この吸音壁24も、ポケット32を含めた全体として、流路100を冷媒が流れる向き(軸線方向D1)に沿って配置されている。
ポケット32は、図5(b)に示すように、互いに略平行に配置される第1領域321および第2領域322と、第1、第2領域321,322のそれぞれの内端を連結する第3領域323とを備えている。隣り合うポケット32,32の間には、連結部324が介在している。連結部324は、流路壁10に配置されている。
これらの領域321〜324のうち、第1領域321のみに開口群210が存在しており、他の領域322〜324には開口群210が存在していない。
第1領域321の開口21の背後には、第2領域322と、第3領域323と、流路壁10とにより閉じられた空隙101が形成されている。
周方向D2に隣り合うポケット32,32のうち、一方のポケット32の第1領域321と、他方のポケット32の第2領域322とが、連結部324を介して接続されている。
開口21を形成する第1領域321の面積を十分に確保するため、流路壁10の径方向におけるポケット32の寸法(第1、第2領域321,322の高さ)が、周方向D2におけるポケット32の寸法(第3領域323の幅)よりも大きいことが好ましい。
図5(a)および(b)に示す例では、吸音壁24の矩形波における高い領域の幅と低い領域の幅との比率がほぼ1:1であるが、これに限らない。矩形波における低い領域(流路壁10から離れた部分)の幅を高い領域(流路壁10に近接した部分)の幅よりも増加させると、流路壁10の近傍のスペースの空隙101への利用率を高め、吸音効果を向上させることができる。
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、吸音壁24を備えた吸音要素6により、冷媒の状態を選ばず、冷媒の圧力損失を抑えつつ、吸音壁24の開口21の空気塊と、その背後の空隙101とに関するヘルムホルツ共鳴を伴う吸音作用により、所定の周波数の圧力変動を抑制して騒音を低減することができる。
第2実施形態では、ポケット32の第1領域321と第2領域322とが平行に配置されているため、第1実施形態とは異なり、開口21の背後の空隙101の厚みLが一定である。そのため、図5(c)に実線で示すように、所定の周波数f0において突出した音圧低減効果を得ることができる。第1実施形態のようにLが一定でない場合は、図5(c)に一点鎖線で示すように、狙いの周波数f0の前後に亘り音圧低減効果を得ることができる。
第1領域321の他、第3領域323にも開口群210を形成することができる。そうしても、開口21の背後に2以上の壁面(領域)が存在しているため、吸音作用を得ることができる。具体的には、第1領域321の開口21から空隙101を見たとき、その開口21の背後には第2領域322と流路壁10とが存在しており、第3領域323の開口21から空隙101を見たときにも、その開口21の背後に第2領域322と流路壁10とが存在している。
〔吸音壁の変形例〕
本発明の吸音要素6の吸音壁としては、第1実施形態の吸音壁20および第2実施形態の吸音壁24の他にも、例えば図6(a)〜(d)に示すような種々の形態を採用することができる。
図6(a)〜(d)にそれぞれ示す吸音壁も、金属材料からなる板材に曲げ加工を施すことで、複数のポケットが周方向D2に連なる形態に構成されている。また、いずれの吸音壁も、ポケットを含めた全体として、流路100を冷媒が流れる向き(軸線方向D1)に沿って配置されている。
図6(a)に示す吸音壁25は、台形波状の横断面を呈する形態に構成されており、流路壁10との間に空隙101を内包した複数のポケット42を有している。
ポケット42は、台形の斜辺にそれぞれ相当する第1領域421および第2領域422と、第1、第2領域421,422の各々の内端を連結する第3領域423とを備えており、第1領域421のみに開口群210が存在している。周方向D2に隣り合うポケット42,42の一方の第1領域421と、他方の第2領域422とは、連結部424を介して接続されている。
次に、図6(b)に示す吸音壁26は、正弦波状に曲げられることで、断面略V字状のポケット52が周方向D2に連なった形態に構成されている。
ポケット52は、周方向D2の一方側に位置する第1領域521と、他方側に位置する第2領域522とを備えており、第1領域521のみに開口群210が存在している。周方向D2に隣り合うポケット52,52の一方の第1領域521と、他方の第2領域522とが接続されている。
また、図6(c)に示す吸音壁27は、断面円弧状のポケット62が周方向D2に連なった形態に構成されている。
ポケット62は、周方向D2の一方側に位置する第1領域621と、他方側に位置する第2領域622とを備えており、第1領域621のみに開口群210が存在している。周方向D2に隣り合うポケット62,62の一方の第1領域621と、他方の第2領域622とは、連結部623を介して接続されている。なお、連結部623を介在することなく、隣り合うポケット62の一方の第1領域621と他方の第2領域622とが直接接続される形態に吸音壁27が構成されていてもよい。
図6(d)に示す吸音壁28は、図6(c)に示す吸音壁27を径方向に反転させて、断面略V字状のポケット72が周方向D2に連なった形態に構成されている。
ポケット72は、開口群210が形成された第1領域721と、開口群210が形成されていない第2領域722とを備えている。
図6(a)〜(d)にそれぞれ示す吸音壁(24〜28)を備えた吸音要素6のいずれによっても、開口21の内部の空気塊と、その背後の空隙101とに関して成立するヘルムホルツ共鳴による吸音作用により、流路100を流れる冷媒に生じた圧力変動を抑えて、騒音の低減を図ることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態(図7)について説明する。
第3実施形態に係る吸音要素7は、図7(a)に示すように、流路壁10と、吸音壁20とに加えて、吸音壁20の内側に配置される壁体30とを備えている。
なお、吸音要素7は、吸音壁20に代えて、第2実施形態の吸音壁24や、変形例の吸音壁25〜〜28を備えていてもよい。
壁体30は、断面円環状であり、吸音壁20の内側に、冷媒の流れの方向(軸線方向D1)に沿って配置されている。壁体30および流路壁10は、同心円状に配置されている。
壁体30が吸音壁20の内端に沿って配置されることで、周方向D2に隣り合うポケット22の間において、壁体30と吸音壁20との間に第2の空隙102が形成されている。
壁体30は、溶接、ろう付け、ねじ固定、その他の適宜な方法により吸音壁20および流路壁10に組み付けることができる。例えば、流路壁10と壁体30との間に吸音壁20を径方向に圧縮された状態に挿入することで、流路壁10、吸音壁20、および壁体30を組み付けることができる。
吸音要素7を周方向D2に展開した図7(b)に示すように、壁体30には、壁体30よりも内方の空間103から第2の空隙102に通じる多数の開口31が厚み方向に貫通して形成されている。これらの多数の開口31からなる開口群310が、壁体30に分布している。
その開口群310の背後には、第2の空隙102が存在している。開口31の孔径d、壁体30の板厚l、壁体30における開口31の面積開口率P、および第2の空隙102の厚みは、上述の式(1)に基づいて、冷媒の圧力変動の所定の周波数f0に適合するように調整することができる。
吸音要素7によれば、開口21の内部の空気塊と空隙101とに関して成立するヘルムホルツ共鳴による吸音作用に加えて、開口31の内部の空気塊と第2の空隙102とに関して成立するヘルムホルツ共鳴による吸音作用をも得ることができる。吸音壁20の内側に、冷媒の流れ方向に沿って配置される壁体30、そして壁体30の微細な開口31によっては、冷媒には殆ど圧力損失が与えられない。したがって、第3実施形態によれば、冷媒に与える圧力損失を抑えつつ、流路壁10の近傍に全周に亘り密に配置された空隙101,102を利用した吸音効果により、冷媒の圧力変動をより十分に抑えることが可能となる。
図8(a)および(b)に示す例では、吸音壁20の内側に配置される壁体34が、吸音壁20と同様に三角波の形態に構成されている。
吸音壁20と壁体34は、図8(b)に示すように、周方向D2に位相を所定の角度だけ(ここでは180°)シフトさせて配置されている。吸音壁20と壁体34との間には、断面四角形状の空隙102が形成されている。壁体34には、空隙102に通じる開口群310が形成されている。開口31の背後の空隙102の厚みLは一定である。
吸音作用を十分に得るため、開口31の孔軸と開口21の孔軸とが平行であるよりも、それらが直交している方が好ましい。
図8に示す吸音要素7によれば、流路壁10の内側に配置される2つの部材(吸音壁20および壁体34)により二段に構成されたヘルムホルツ共鳴構造により、第3実施形態(図7)と同様に、冷媒の圧力損失を抑えつつ、冷媒の圧力変動を抑えて騒音の低減を図ることができる。
なお、吸音壁20と壁体34とが必ずしも同様の形態である必要はなく、壁体34に代えて、例えば、正弦波や台形波状の横断面を呈する壁体を組み合わせることもできる。
その他、適宜な形態の吸音壁と、適宜な壁体とを組み合わせ、流路壁10と流路壁との間の第1の空隙101と、吸音壁と壁体との間の第2の空隙102とを用いて、吸音を図ることが可能である。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
本発明の吸音要素は、図9に示すように、断面円環状の吸音壁23と、流路壁13とを備えていてもよい。流路壁13は、吸音壁23に対して外方に突出した複数のポケット14を有している。周方向D2に並んだポケット14にそれぞれ、空隙101が内包されている。そして、吸音壁23には、空隙101に通じる多数の開口21からなる開口群210が形成されている。
図9に示す構成によれば、吸音壁23が単純な円環状であっても、流路壁13の形状を利用して、周方向D2の異なる位置に複数の空隙101を形成し、吸音壁23の開口内部の気柱と空隙101とに関して成立するヘルムホルツ共鳴により吸音を図ることができる。
1 冷凍サイクルシステム
2 圧縮機
3 第1熱交換器
4 膨張弁(減圧部)
5 第2熱交換器
6,7 吸音要素
9 気泡
10 流路壁
13 流路壁
14 ポケット
20 吸音壁
20A 山
20B 谷
21 開口
21A 空気塊
22,32,42,52,62,72 ポケット
23 吸音壁
24〜28 吸音壁
29 多孔筒
30,34 壁体
31 開口
40 ハウジング
41 減圧作用部
41A オリフィス
41B ニードル
43 モータ
44 上流管(上流部)
45 下流管(下流部)
100 流路
101 空隙
102 第2の空隙
103 内方空間
210 開口群
221 第1領域
222 第2領域
310 開口群
321 第1領域
322 第2領域
323 第3領域
324 連結部
421 第1領域
422 第2領域
423 第3領域
424 連結部
521 第1領域
522 第2領域
621 第1領域
622 第2領域
623 連結部
721 第1領域
722 第2領域
D1 軸線方向
D2 周方向
L 空隙厚さ
θ 角度

Claims (9)

  1. 冷媒が循環する冷凍サイクルシステムに備えられて、冷媒が流れる吸音要素であって、
    冷媒が流れる流路を区画する流路壁と、
    前記流路壁の内側に冷媒の流れの方向に沿って配置され、前記流路壁との間に、前記流路の周方向の異なる位置にそれぞれ空隙を形成する吸音壁と、を備え、
    前記吸音壁には、
    前記吸音壁の内側から前記空隙に通じる複数の開口が形成されている、
    ことを特徴とする冷凍サイクルシステム用の吸音要素。
  2. 前記吸音壁は、前記空隙をそれぞれ内包した複数のポケットを備え、
    前記ポケットは、前記流路壁よりも内方に退いており、複数の前記開口が形成されている、
    請求項1に記載の冷凍サイクルシステム用の吸音要素。
  3. 前記吸音壁は、断面環状に形成されて前記流路壁の内側に挿入されており、
    前記流路壁の全周に亘り前記ポケットが並んでいる、
    請求項2に記載の冷凍サイクルシステム用の吸音要素。
  4. 前記ポケットは、
    複数の前記開口からなる開口群が存在する第1領域と、
    前記開口群が存在していない第2領域と、を有する、
    請求項2または3に記載の冷凍サイクルシステム用の吸音要素。
  5. 前記ポケットは、断面略V字状をなす前記第1領域および前記第2領域からなり、
    前記流路壁の周方向に隣り合う複数の前記ポケットの一方の前記第1領域と他方の前記第2領域とが接続されている、
    請求項4に記載の冷凍サイクルシステム用の吸音要素。
  6. 前記吸音壁の内側に冷媒の流れの方向に沿って配置される壁体をさらに備え、
    前記流路の周方向に隣り合う前記ポケットの間において、前記吸音壁と前記壁体との間に第2の空隙が形成され、
    前記壁体には、前記壁体よりも内方の空間から前記第2の空隙に通じる開口が形成されている、
    請求項2から5のいずれか一項に記載の冷凍サイクルシステム用の吸音要素。
  7. 前記空隙と、前記開口の内部の空気塊とに関してヘルムホルツ共鳴が成立することで、吸音する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の冷凍サイクルシステム用の吸音要素。
  8. 冷媒の圧力を減少させる減圧作用部と、
    前記減圧作用部へ流入する冷媒が流れる上流部と、
    前記減圧作用部から流出した冷媒が流れる下流部と、を備え、
    前記上流部および前記下流部の少なくともいずれか一方に、請求項1から7のいずれか一項に記載の吸音要素を有する、
    ことを特徴とする冷凍サイクルシステム用の減圧部。
  9. 請求項1から7のいずれか一項に記載の吸音要素あるいは請求項8に記載の減圧部を備えることを特徴とする冷凍サイクルシステム。
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