JP2019102357A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】減液抑制の点で優れる液式鉛蓄電池を提供すること。【解決手段】正極板10と、負極板9と、正極板10と負極板9との間に配置されたセパレータ11と、正極板10又は負極板9とセパレータ11との間に配置され、繊維を含む膜体18と、を備え、膜体18は、平均細孔径が20μm以下の細孔を有し、下記式(1)で定義される膜体18の引張強度の維持率Rが、0.60以上である、液式鉛蓄電池。R=S1/S0…(1)式中、S0は、膜体の引張強度(N/cm2)を表し、S1は、液式鉛蓄電池を満充電状態にした後、60℃の湯浴中に液式鉛蓄電池を配置した状態で、電圧14.4Vでの定電圧充電を42日間継続した後の膜体の引張強度(N/cm2)を表す。【選択図】図3

Description

本発明は、鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池は、産業用に広く用いられており、例えば自動車のバッテリー、バックアップ用電源、及び電動車の主電源に用いられる。特に自動車用の鉛蓄電池は高温のエンジンルームに置かれる場合が多く、鉛蓄電池の電解液の減液抑制効果の維持(減液性能の向上)が特に求められる。
ところで、自動車には、弁機構を備えた制御弁式鉛蓄電池、又は、開放型の液式鉛蓄電池が用いられる。制御弁式鉛蓄電池では、充電時に正極から発生する酸素ガスを負極で吸収させているため、充電末期に正極から発生した酸素ガスが負極活物質の海綿状鉛と反応することにより、硫酸鉛及び水が再生される。このように、制御弁式鉛蓄電池では、正極での酸素ガスの発生によって失われた水が再生されるため、電解液の補充が不要となる(例えば特許文献1)。このような背景のもと、特に欧州では、制御弁式鉛蓄電池が多用されているが、制御弁式鉛蓄電池には、液式鉛蓄電池に比べるとコストが高いという欠点がある。
一方、液式鉛蓄電池では、電解液の再生機構が存在しないため、制御弁式鉛蓄電池に比べると減液性能に劣るという欠点がある。液式鉛蓄電池は、制御弁式鉛蓄電池よりもコストが安いため、液式鉛蓄電池の減液性能を向上させることができれば、コストと減液性能との両立が可能になると考えられている。
特開2007−250361号公報
本発明は、減液抑制の点で優れる液式鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明者らの検討によれば、平均細孔径が20μm以下の細孔を有し、引張強度が所定の範囲で維持される膜体を正極板又は負極板とセパレータとの間に配置することで、減液を抑制できることを見出した。このような効果が得られるのは、柔軟性及び伸縮性を備えた平均細孔径が小さい膜体を用いることで、電池性能を損なわない程度に電解液の対流、拡散等を低減しながら、電解液の蒸発及び過充電に由来する電解液の減液を抑制できるためであると考えられる。
すなわち、本発明は、一態様において、正極板と、負極板と、正極板と負極板との間に配置されたセパレータと、正極板又は負極板とセパレータとの間に配置され、繊維を含む膜体と、を備え、膜体は、平均細孔径が20μm以下の細孔を有し、下記式(1)で定義される膜体の引張強度の維持率Rが、0.60以上である、液式鉛蓄電池である。
R=S/S …(1)
式中、Sは、膜体の引張強度(N/cm)を表し、Sは、液式鉛蓄電池を満充電状態にした後、60℃の湯浴中に液式鉛蓄電池を配置した状態で、電圧14.4Vでの定電圧充電を42日間継続した後の膜体の引張強度(N/cm)を表す。
一態様において、繊維に占める繊維径は、5μm未満の繊維の割合が25%以上である。一態様において、繊維に占める繊維径が5μm以上20μm以下の繊維の割合は、20%以上である。
一態様において、膜体は、有機繊維を含む不織布を備える。
一態様において、セパレータは袋状のセパレータであり、正極板又は負極板と膜体とがセパレータ内に収容されている。
一態様において、膜体の厚さは、0.3mm以下である。
本発明によれば、減液抑制の点で優れる液式鉛蓄電池を提供することができる。
一実施形態に係る鉛蓄電池の全体構成及び内部構造を示す斜視図である。 一実施形態に係る鉛蓄電池の電極群を示す斜視図である。 図2におけるIII−III線に沿った矢視断面を示す模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、一実施形態に係る液式鉛蓄電池(以下、単に「鉛蓄電池」ともいう)の全体構成及び内部構造を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る鉛蓄電池1は、上面が開口している電槽2と、電槽2の開口を閉じる蓋3とを備えている。電槽2及び蓋3は、例えばポリプロピレンで形成されている。蓋3には、負極端子4と、正極端子5と、蓋3に設けられた注液口を閉塞する液口栓6とが設けられている。
電槽2の内部には、電極群7と、電極群7を負極端子4に接続する負極柱8と、電極群7を正極端子5に接続する正極柱(図示せず)と、希硫酸等の電解液とが収容されている。
図2は、電極群7を示す斜視図である。図2に示すように、電極群7は、板状の負極板9と、板状の正極板10と、負極板9と正極板10との間に配置されたセパレータ11とを備えている。電極群7は、複数の負極板9と正極板10とが、セパレータ11を介して、電槽2の開口面と略平行方向に交互に積層された構造を有している。すなわち、負極板9及び正極板10は、それらの主面が電槽2の開口面と垂直方向に広がるように配置されている。
負極板9は、負極集電体12と、負極集電体12に保持され、金属鉛(Pb)を活物質として含む負極材13とを有している。正極板10は、正極集電体14と、正極集電体14上に保持され、二酸化鉛(PbO)を活物質として含む正極材15とを有している。複数の負極板9における負極集電体12の耳部12a同士は、負極側ストラップ16で集合溶接されている。同様に、複数の正極板10における正極集電体14の耳部14a同士は、正極側ストラップ17で集合溶接されている。そして、負極側ストラップ16及び正極側ストラップ17が、それぞれ負極柱8及び正極柱を介して負極端子4及び正極端子5に接続されている。
図3は、図2におけるIII−III線に沿った矢視断面を示す模式断面図である。図3に示すように、一実施形態において、負極板9とセパレータ11との間には、膜体18が設けられている。
セパレータ11は、例えば袋状に形成されており、一実施形態において、負極板9及び膜体18は、セパレータ11内に収容されている。セパレータ11を形成する材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。セパレータ11は、これらの材料で形成された織布、不織布、多孔質膜等にSiO、Al等の無機系粒子を付着させたものであってよい。
セパレータ11の厚さは、好ましくは0.1mm以上0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以上0.3mm以下である。セパレータ11の厚さが0.1mm以上であると、セパレータの強度を確保できる。セパレータ11の厚さが0.5mm以下であると、電池の内部抵抗の上昇を抑制できる。
セパレータ11の平均孔径は、好ましくは10nm以上500nm以下、より好ましくは30nm以上200nm以下である。セパレータ11の平均孔径が10nm以上であると、硫酸イオンを好適に通過させ、硫酸イオンの拡散速度を確保できる。セパレータ11の平均孔径が500nm以下であると、鉛のデンドライトの成長が抑制され、短絡が生じにくくなる。
膜体18は、一実施形態において、負極板9の表面を覆うように負極板9に密着した状態で設けられている。膜体18は、例えばシート状又は袋状であってよい。膜体18がシート状である場合、膜体18は、負極板9に巻きつけられるようにして負極板9の表面を覆っている。膜体18が袋状である場合、負極板9は、膜体18内に収容されている。
膜体18は、繊維を含んでいる。膜体18は、例えば、有機繊維を含む織布(有機織布)、有機繊維を含む不織布(有機不織布)、又はそれ以外の多孔質膜を備えていてよく、好ましくは有機繊維を含む不織布を備えている。有機繊維としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、アラミド等の合成繊維が挙げられる。
膜体18には、スルホン化処理、フッ素処理等の乾式親水処理、シリカゾル、アルミナゾル等を含む塗布液を用いた湿式親水処理により、親水性が付与されていてよい。膜体18は、好ましくは、乾式又は湿式親水処理により親水性が付与された有機織布、有機不織布又は多孔質膜を備えている。
膜体18は、繊維径が異なる複数種類の繊維を含んでいてもよい。繊維径が5μm未満(特に1μm以上2μm以下程度)の細い繊維は、膜体18の比表面積を増加させることにより、硫酸の沈降を抑制する効果を奏すると考えられる。繊維径が5μm以上(特に5μm以上20μm以下程度)の太い繊維は、膜体18の強度を更に向上させると共に、膜体18の空間を増加させることにより、硫酸の拡散係数を大きくする効果を奏すると考えられる。太い繊維の繊維径は、好ましくは、細い繊維の繊維径の2.5倍以上である。
膜体18に含まれる全繊維中、繊維径が5μm以上の繊維が占める割合は、硫酸の拡散係数を大きくする観点から、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上であり、また、硫酸の沈降を抑制する観点から、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下、更に好ましくは80%以下、特に好ましくは75%以下である。繊維径が5μm以上20μm以下の繊維が占める割合が、上記の範囲であることが好ましい。
膜体18に含まれる全繊維中、繊維径が5μm未満の繊維が占める割合は、硫酸の沈降を抑制する観点から、好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上、特に好ましくは40%以上であり、また、硫酸の拡散係数を大きくする観点から、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下、更に好ましくは60%以下、特に好ましくは55%以下である。繊維径が1μm以上2μm以下の繊維が占める割合が、上記の範囲であることが好ましい。
膜体に含まれる繊維に占める所定の繊維径の繊維の割合は、走査電子顕微鏡(例えば株式会社日立ハイテクノロジーズ製)で得られるSEM像に基づいて測定される。具体的には、SEM像における繊維100本についてその径(SEM像における繊維の短手方向の長さ(最短距離))を測定し、繊維径の分布を求める。次いで、測定した全繊維の本数に占める所定の繊維径の繊維の本数の割合を算出する。
膜体18は、細孔を有している。膜体18の平均細孔径は、20μm以下であり、減液を更に抑制する観点から、好ましくは、19μm以下、18μm以下、17μm以下、16μm以下、15μm以下、14μm以下、13μm以下、12μm以下、11μm以下又は10μm以下である。膜体18の平均細孔径は、電池の出力を向上させる観点から、好ましくは、1μm以上、2μm以上又は3μm以上である。
膜体の平均細孔径は、水銀圧入法により測定される積算細孔径分布において、分布曲線のY軸(細孔容積又は細孔比表面積)における最小値と最大値との中間値に対応するX軸(細孔径)の値であるメディアン径として算出される。膜体の平均細孔径は、例えば、株式会社島津製作所製、オートポアIV 9500で測定できる。
膜体18の空孔率は、硫酸イオンの拡散性を確保しやすくすると共に、硫酸イオンを保持する空間を更に大きくする観点から、好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、更に好ましくは70%以上、特に好ましくは75%以上、きわめて好ましくは80%以上である。膜体の空孔率は、膜体から適当な大きさの直方体状に切り取った試料について、下記式(I)〜(III)に従い実際の体積と見かけの体積とから算出される。
空孔率(%)={1−(実際の体積/見かけの体積)}×100 …(I)
実際の体積(cm)=重量の実測値(g)/密度(g/cm) …(II)
見かけの体積(cm)=縦(cm)×横(cm)×厚さ(cm) …(III)
なお、見かけの体積を算出する際の試料の縦、横及び厚さはいずれも実測値を用いる。
膜体18の厚さは、内部抵抗の上昇を抑制する観点から、好ましくは0.3mm以下、より好ましくは0.25mm以下、更に好ましくは0.2mm以下、特に好ましくは0.15mm以下である。膜体18の厚さは、硫酸の沈降の防止能力、電池反応への影響、強度等の観点から、例えば0.03mm以上又は0.1mm以上である。膜体18が不織布を備える場合には、不織布を構成する繊維の太さ等に応じて膜体18の厚さが決定される。
以上説明した膜体18は、下記式(1)で定義される引張強度の維持率Rが0.60以上となる膜体である。
R=S/S …(1)
式中、Sは、膜体18の引張強度(単位:N/cm、「試験前引張強度」ともいう)を表し、Sは、鉛蓄電池1を満充電させた後、60℃の湯浴中に鉛蓄電池1を配置した状態で、電圧2.4Vでの定電圧充電を42日間継続した後の膜体18の引張強度(N/cm、「試験後引張強度」ともいう)を表す。
膜体18の引張強度S,Sは、引張試験機により測定された値である。具体的には、5mm×100mmの大きさに切り出した膜体18の測定試料を、引張試験機(例えば、株式会社島津製作所製、AGS−H 500N オートグラフ)に設置し、標点距離80mm、試験速度50mm/分の条件で、測定試料が破断するまで引っ張ったときの測定試料の引張強度の最大値を読み取る。この試験を測定試料3点について行い、得られた引張強度の最大値の平均値をその膜体の引張強度として定義する。
なお、鉛蓄電池1における膜体18の維持率Rを実際に算出する場合は、同等の鉛蓄電池1(例えば型番が同じ鉛蓄電池)を6つ(試験前引張強度S測定用の鉛蓄電池3つ及び試験後引張強度S測定用の鉛蓄電池3つ)準備する。3つの鉛蓄電池1からそれぞれ膜体18を取り出して、純水で水洗してから60℃の恒温槽で24時間乾燥して水分を除去した後、膜体18の試験前引張強度Sを測定する。残り3つの鉛蓄電池1については、満充電状態にした後、60℃の湯浴中に鉛蓄電池1を配置した状態で、電圧14.4Vでの定電圧充電を42日間継続した後、鉛蓄電池1から膜体18を取り出して、試験前引張強度S測定時と同様に水洗及び乾燥を経て、膜体18の試験後引張強度Sを測定する。そして、測定された引張強度S,Sのそれぞれから、引張強度の維持率Rを算出する。この際、膜体18の引張強度は、3枚の膜体18について測定し、その平均値を用いる。
膜体18の引張強度の維持率Rは、0.60以上であり、減液を更に抑制できる観点から、好ましくは0.70以上又は、より好ましくは0.80以上、更に好ましくは0.85以上、特に好ましくは0.90以上である。
膜体18の試験前引張強度Sは、好ましくは500N/cm以上、より好ましくは600N/cm以上、更に好ましくは700N/cm以上である。
以上のような引張強度の維持率R又は試験前引張強度Sを有する膜体18を得るためには、上述したような膜体18の各性状を適宜調整すればよいが、特に、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンの繊維を含む膜体を用いる、π結合及び/又はヘテロ原子(窒素原子、酸素原子等)を有する繊維を含む膜体を用いる、繊維の配向性を有さない(繊維が等方的に配置されている)膜体を用いる、繊維径が5μm未満の繊維の割合が低く、5μm以上の繊維の割合が高い膜体を用いる、厚い(例えば0.1mm以上)膜体を用いることなどが好適である。
上記実施形態では、膜体18は負極板9の主面(セパレータ11に対向する面)、側面及び底面のすべてを覆い、それらの表面に接触するように(密着した状態で)設けられていたが、他の実施形態では、膜体は、負極板9から離間するように、負極板9とセパレータ11との間に設けられていてもよい。この場合、膜体18は、例えばセパレータ11の負極側の面上に設けられていてよい。減液を更に抑制する観点からは、膜体18は、負極板9の表面に接触するように(密着した状態で)設けられていることが好ましい。
上記実施形態では、膜体18は負極板9の主面(セパレータ11に対向する面)、側面及び底面のすべてを覆っていたが、他の実施形態では、膜体は、負極板9の主面(セパレータ11に対向する面)のみを覆うように設けられていてもよい。
上記実施形態では、膜体18は、負極板9とセパレータ11との間に設けられていたが、他の実施形態では、膜体は、正極板10とセパレータ11との間に設けられていてよい。すなわち、上述した膜体に関する説明において、「負極板」を「正極板」と読み替えてよい。
<実施例1>
一酸化鉛を主成分とする鉛粉を希硫酸で練って調製したペーストを鉛合金格子に充填したペースト式極板を用いた。その後、熟成と乾燥工程とを経て未化成極板が得られた。なお、未化成の正極板及び負極板は、いずれも2価の鉛化合物である一酸化鉛(PbO)、三塩基性希硫酸鉛(3PbO・PbSO・HO)等の混合物で構成されている。化成により、正極板の未化成物質は二酸化鉛(PbO)に酸化され、負極板の未化成物質は海綿状鉛(Pb)に還元され、既化極板(正極板、負極板)が得られた。
膜体として、表1に示す平均細孔径及び引張強度を有する有機不織布(主成分:ポリプロピレン、厚さ:0.2mm)を用い、負極板近傍に配置した。当該不織布を構成する繊維は、繊維径が1〜2μmの繊維である繊維A:40%と、繊維径5〜20μmの繊維である繊維B:60%との2種類を含んでいる。セパレータとしては、厚さが0.25mm、平均孔径が30nm〜200nmである袋状のポリエチレン製セパレータを用い、負極板及び膜体をセパレータ内に収容した。電解液としては希硫酸を用いて、Dサイズ(JIS D5301。幅:173mm、箱高さ:204mm。負極板の幅:145mm、負極板の高さ(上枠部込み):113mm。)の定格容量60Ahの鉛蓄電池を作製した。
<実施例2〜4>
膜体の平均細孔径及び引張強度を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
<実施例5>
鉛蓄電池のサイズを欧州で一般的なLN1サイズ(EN 50342−2。幅:175mm、箱高さ:190mm。負極板の幅:143mm、負極板の高さ(上枠部込み):100mm。)に変更した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
<比較例1>
負極板上に膜体を設けなかった以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
<比較例2>
膜体として、表1に示すとおりの平均細孔径及び引張強度を有する有機不織布を用いた以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。比較例2で用いた膜体は、繊維径1〜2μmの繊維である繊維A:90%と、繊維径5〜20μmの繊維である繊維B:10%との2種類を含んでいる。
<比較例3>
膜体の平均細孔径及び引張強度を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。
(平均細孔径の算出)
膜体の平均細孔径は、株式会社島津製作所製、オートポアIV 9500で測定した。膜体の平均細孔径は、水銀圧入法により測定された積算細孔径分布において、分布曲線のY軸(細孔容積又は細孔比表面積)における最小値と最大値との中間値に対応するX軸(細孔径)の値であるメディアン径として算出した。
(引張強度及び維持率の測定)
膜体の引張強度は、株式会社島津製作所製、AGS−H 500N オートグラフ(引張試験機)で測定した。5mm×100mmの大きさに切り出した膜体を試験機に設置し、標点距離80mm、試験速度50mm/分の条件で、膜体が切断されるまで引っ張った。膜体の中央部付近で切断された試験片の引張強度の最大値を読み取り、その値を膜体の引張強度とした。膜体の引張強度は、電池に適用する(電池を組み立てる)前に一度測定し(試験前引張強度S)、下記の減液試験終了後に電池から膜体を取り出して再び測定した(試験後引張強度S)。これらの引張強度S,S、及びこれらから算出される引張強度の維持率R(=S/S)を表1に示す。
(減液抑制効果の評価(減液試験))
鉛蓄電池の減液性能(減液抑制の効果)を次のように測定した。まず始めに、充電が完了した鉛蓄電池を、湯浴温度が60℃±2℃に設定された湯浴中に配置した状態で、電圧14.4Vでの定電圧充電を42日間継続した。試験期間中は、1時間毎の電流値を記録し、積算充電容量(Ah)を算出した。さらに、1週間毎に電池の重量を記録し、初期からの電池重量減少量(g)を算出した。積算充電電気量と電池減少量とは、互いにおよそ比例関係にあるため、ここでは積算充電電気量(g/Ah)を減液抑制効果の指標とした。膜体を設けない場合(比較例1)の減液抑制効果を100として、以下の基準に基づいて、各実施例及び比較例の減液抑制効果を評価した。評価がA又はBであれば、減液抑制の点で優れているといえる。
A:70未満
B:70以上75未満
C:75以上90未満
D:90以上100以下
Figure 2019102357
以上の結果から、膜体の平均細孔径が20μm以下であり、かつ引張強度の維持率Rが0.60以上である実施例では、優れた減液抑制効果が得られた。一方、膜体を設けていない比較例1と膜体の平均細孔径が40μmの比較例4では、減液抑制効果の違いがほとんど見られなかった。また、引張強度の維持率Rが0.60未満である膜体を用いた比較例2及び比較例3も、減液抑制効果の点で実施例より劣っていた。これは、引張強度の維持率Rが低いことにより、極板の膨張伸縮への追従性が劣り、結果として充分に減液を抑制できなかったためと考えられる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。
1…鉛蓄電池、9…負極板、10…正極板、11…セパレータ、18…膜体。

Claims (6)

  1. 正極板と、
    負極板と、
    前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、
    前記正極板又は前記負極板と前記セパレータとの間に配置され、繊維を含む膜体と、
    を備え、
    前記膜体は、平均細孔径が20μm以下の細孔を有し、
    下記式(1)で定義される前記膜体の引張強度の維持率Rが、0.60以上である、液式鉛蓄電池。
    R=S/S …(1)
    [式中、Sは、前記膜体の引張強度(N/cm)を表し、Sは、前記液式鉛蓄電池を満充電状態にした後、60℃の湯浴中に前記液式鉛蓄電池を配置した状態で、電圧14.4Vでの定電圧充電を42日間継続した後の前記膜体の引張強度(N/cm)を表す。]
  2. 前記繊維に占める繊維径が5μm未満の繊維の割合が25%以上である、請求項1に記載の液式鉛蓄電池。
  3. 前記繊維に占める繊維径が5μm以上20μm以下の繊維の割合が20%以上である、請求項1又は2に記載の液式鉛蓄電池。
  4. 前記膜体が、有機繊維を含む不織布を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
  5. 前記セパレータが袋状のセパレータであり、前記正極板又は前記負極板と前記膜体とが前記セパレータ内に収容されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
  6. 前記膜体の厚さが0.3mm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
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