JP2019100962A - トルク測定装置付回転伝達装置 - Google Patents

トルク測定装置付回転伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】トルクを精度良く測定することができる構造を実現する。【解決手段】適応フィルタは、トルク伝達軸が正転方向に回転する場合と逆転方向に回転する場合とのそれぞれに関して、エンコーダの極番号ごとに異なる補正値を学習し、正転時の補正値をまとめたテーブルAと、逆転時の補正値をまとめたテーブルBとの2種類を備えておく。これにより、演算器は、トルク伝達軸の回転方向に関する判定結果に基づいて、適応フィルタが参照する補正値に関するテーブルを切り替える。【選択図】図7

Description

本発明は、例えば自動車用自動変速機に組み込んで、トルクを伝達するとともに、伝達するトルクの大きさを測定するために利用する、トルク測定装置付回転伝達装置に関する。
自動車用自動変速機を構成する軸の回転速度と、この軸により伝達しているトルクの大きさとを測定し、その測定結果を当該変速機の変速制御又はエンジンの出力制御を行うための情報として利用することが、従来から行われている。また、特開昭57−169641号公報には、軸の弾性的な捩れ変形量を1対のセンサの出力信号の位相差に変換し、この位相差に基づいてトルクの大きさを測定する装置が記載されている。このような従来構造について、図10を参照して説明する。
従来構造では、運転時にトルクを伝達するトルク伝達軸1の軸方向2箇所位置に、1対のエンコーダ2を外嵌固定している。1対のエンコーダ2の外周面である被検出面の磁気特性は、円周方向に関して交互に、かつ、等ピッチで変化している。また、被検出面の磁気特性が円周方向に関して変化するピッチは、1対の被検出面同士で互いに等しい。また、それぞれの被検出面に、1対のセンサ3の検出部を対向させた状態で、これら両センサ3を、図示しないハウジングに支持している。これら両センサ3は、それぞれ自身の検出部を対向させた部分の磁気特性の変化に対応して、その出力信号を変化させる。
上述のような両センサ3の出力信号は、トルク伝達軸1とともに1対のエンコーダ2が回転することに伴い、それぞれ周期的に変化する。この変化の周波数(及び周期)は、トルク伝達軸1の回転速度に見合った値をとる。このため、この周波数(又は周期)に基づいて、トルク伝達軸1の回転速度を求められる。また、トルク伝達軸1によりトルクを伝達することに伴って、トルク伝達軸1が弾性的に捩れ変形すると、1対のエンコーダ2が回転方向に相対変位する。この結果、1対のセンサ3の出力信号同士の位相差が変化する。位相差は、トルク(トルク伝達軸1の弾性的な捩れ変形量)に見合った値をとる。このため、この関係を利用して、位相差からトルクを求めることができる。図示の構造では、1対のセンサ3の出力信号は、それぞれハーネス4を通じて、図示しない演算器に送信され、該演算器により、トルク伝達軸1の回転速度及び伝達するトルクが算出される。
また従来から、センサの出力信号にデジタル信号処理を施すことで、出力信号に含まれる誤差成分などを除去することが考えられている。例えば特開2005−331496号公報には、1対のセンサの出力信号同士の位相差(又は位相差比)に含まれるエンコーダピッチ誤差に起因する周期的な誤差成分を、適応フィルタにより除去する技術が記載されている。
特開昭57−169641号公報 特開2005−331496号公報
ところで、自動車用自動変速機に組み込まれるトルク伝達軸には、一方向に回転するものだけでなく、両方向(正転方向及び逆転方向)に回転するものがある。このような両方向に回転するトルク伝達軸と、上述したような適応フィルタを組み合わせて使用する場合には、次のような改良の余地がある。
すなわち、トルク伝達軸の回転方向が変わると、位相差を求めるために参照するエッジが変わるため、計算により求められる位相差(位相差比)に差が生じる。このため、適用フィルタが補正しようとする補正値に関しても、トルク伝達軸の回転方向が正転方向の場合と逆転方向の場合とで異なるはずであるが、トルク伝達軸の回転方向に応じて、適応フィルタの補正値を切り替えることは考慮されていない。したがって、両方向に回転するトルク伝達軸を用いた場合に、適応フィルタにより誤差成分を適切に除去することが難しくなり、トルクの測定精度を確保することが難しくなる。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、両方向に回転するトルク伝達軸に関して、トルクの測定精度に関する信頼性を向上できる構造を実現することにある。
本発明のトルク測定装置付回転伝達装置は、トルク伝達軸と、第一エンコーダ及び第二エンコーダと、第一センサ及び第二センサと、演算器とを備える。
このうちのトルク伝達軸は、使用時に正転方向と逆転方向との両方向に回転し、トルクを伝達する。
前記第一エンコーダ及び第二エンコーダは、それぞれの被検出面の特性を円周方向に関して交互にかつ等ピッチで変化させ、前記トルク伝達軸に直接又は使用時にこのトルク伝達軸と同期して回転する部材に支持されている。
前記第一センサは、自身の検出部を前記第一エンコーダの被検出面に対向させており、前記第二センサは、自身の検出部を前記第二エンコーダの被検出面に対向させている。
前記演算器は、前記第一センサの出力信号と前記第二センサの出力信号との位相差又はこの位相差に基づき算出される値(例えば位相差比、トルクなど)に含まれる誤差成分を、適応フィルタにより除去する機能を備えており、この適応フィルタは、前記トルク伝達軸の回転方向に応じて、補正値に関して異なるテーブルを参照する機能を有している。
本発明では、例えば、前記演算器に、前記第一センサの出力信号と前記第二センサの出力信号との位相差に基づいて、前記トルク伝達軸の回転方向を判定する機能を持たせることができる。
本発明では、例えば、前記第一エンコーダの被検出面に検出部を対向させた第三センサをさらに備えることができる。
また、前記トルク伝達軸の正転時又は逆転時における前記第一センサの出力信号と前記第三センサの出力信号との位相差が、0度又は180度にならないように、前記第一エンコーダの被検出面に対し前記第一センサ及び前記第三センサのそれぞれの検出部が対向する位置の、周方向に関する位相をずらす。
そして、前記演算器に、前記第一センサの出力信号と前記第三センサの出力信号との位相差に基づいて、前記トルク伝達軸の回転方向を判定する機能を持たせることができる。
本発明では、例えば、任意に選択される(好ましくは隣接配置される)少なくとも2個以上のセンサに関して、それぞれのセンサに設けられた電源端子(V端子)とグランド端子(G端子)とのうちの少なくとも一方の端子を、共通の電源線又はグランド線に接続することができる。
本発明では、例えば、前記第一エンコーダの被検出面に検出部を対向させた第三センサと、前記第二エンコーダの被検出面に検出部を対向させた第四センサとをさらに備えることができる。
そして、前記演算器は、前記第一センサの出力信号と前記第二センサの出力信号との位相差からトルク算出値T1を求めるとともに、前記第三センサの出力信号と前記第四センサの出力信号との位相差からトルク算出値T2を求める。そして、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2との平均値を、前記トルク伝達軸が伝達しているトルクとして出力することができる。
上述したように、前記第三センサと前記第四センサを設ける場合にはさらに、前記演算器により、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2との差分を求め、この差分が予め設定した閾値よりも小さい場合には、前記平均値を出力するのに対し、前記差分が前記閾値よりも大きい場合には、エンジン制御装置(エンジンECU)が出力するトルク値と、前記トルク算出値T1及び前記トルク算出値T2とをそれそれ比較して差分を求め、前記トルク値との差分が大きいトルク算出値を正常でないと判断することができる。
さらには、前記演算器は、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2との差分が前記閾値よりも大きい場合に、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2との平均値を求めずに、前記トルク値との差分が小さいトルク算出値を、前記トルク伝達軸が伝達しているトルクとして出力することができる。
あるいは、前記演算器は、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2とのうち何れか片方のトルク算出値しか求められない場合に、求められない残りのトルク算出値に異常があると判断し、前記平均値を求めずに、前記片方のトルク算出値を、前記トルク伝達軸が伝達しているトルクとして出力することができる。
上述のような本発明のトルク測定装置付回転伝達装置によれば、両方向に回転するトルク伝達軸に関して、トルクの測定精度に関する信頼性を向上することができる。
図1は、実施の形態の第1例に係るトルク測定装置付回転伝達装置の断面図である。 図2は、実施の形態の第1例に関して、第一センサ、第二センサ及び第三センサの出力信号の1例を示す線図である。 図3は、実施の形態の第1例に関して、第一エンコーダ及び第二エンコーダと、第一センサ、第二センサ及び第三センサの設置位置の1例を示す模式図である。 図4は、実施の形態の第1例に関して、第一センサ、第二センサ及び第三センサのそれぞれの端子と、ハーネス中の信号線との接続状態を示す模式図である。 図5は、第一センサ、第二センサ及び第三センサのそれぞれの端子と、ハーネス中の信号線との接続状態の別例を示す模式図である。 図6は、実施の形態の第1例に関して、正転時の位相差比(Φ12/θA1)と、逆転時の位相差比(Φ12´/θA1´)との関係の1例を示す図である。 図7は、実施の形態の第1例に関して、正転時の補正値をまとめたテーブルA及び逆転時の補正値をまとめたテーブルBの1例を示す図である。 図8は、実施の形態の第2例を示す、図3に相当する図である。 図9は、実施の形態の第2例に関して、第一センサ、第二センサ、第三センサ及び第四センサのそれぞれの出力信号の1例と、演算器が行う信号処理のブロック図を示す図である。 図10は、従来構造のトルク測定装置付回転伝達装置の1例を示す略側面図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1〜図7を用いて説明する。
本例のトルク測定装置付回転伝達装置は、自動車用の自動変速機に組み込んで使用するもので、ハウジング(トランスミッションケース)5と、カウンタ軸として機能するトルク伝達軸1aと、それぞれがカウンタギヤとして機能する入力歯車6及び出力歯車7と、1対の転がり軸受8a、8bと、内軸9と、第一エンコーダ10及び第二エンコーダ11と、センサユニット12と、演算器13とを備える。
なお、本例に関する以下の説明中、軸方向に関して「片側」とは、図1の右側をいい、軸方向に関して「他側」とは、図1の左側をいう。
トルク伝達軸1aは、炭素鋼の如き合金鋼により中空円筒状に造られている。また、トルク伝達軸1aにトルクを入力するための入力歯車6を、トルク伝達軸1aの軸方向他端寄り部分(図1の左端寄り部分)に設けており、トルクを出力するための出力歯車7を、トルク伝達軸1aの軸方向片端寄り部分(図1の右端寄り部分)に設けている。また、トルク伝達軸1aのうち、入力歯車6及び出力歯車7が設置された部分を挟んだ両側部分(軸方向他端部分及び軸方向片端部)を、1対の転がり軸受8a、8bにより、ハウジング5に対し回転自在に支持している。
入力歯車6及び出力歯車7は、はすば歯車又は平歯車である。図示の例では、入力歯車6及び出力歯車7の嵌合部に関して、同心性(同軸度)を確保するための円筒面嵌合部と、相対回転を防止するためのインボリュートスプライン係合部とを、軸方向に隣接配置した構成を採用している。
1対の転がり軸受8a、8bは、例えば深溝型、アンギュラ型などの玉軸受、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、ラジアルニードル軸受、自動調心ころ軸受など(図示の例は玉軸受)であり、それぞれが円環状の外輪14a、14b及び内輪15a、15bと、複数個の転動体16とから構成されている。外輪14a、14bは、使用時にも回転しない静止輪であり、ハウジング5に内嵌固定されている。内輪15a、15bは、使用時に回転する回転輪であり、トルク伝達軸1aに外嵌固定されている。転動体16は、外輪14a、14bの軸方向中間部内周面に形成された外輪軌道と、内輪15a、15bの軸方向中間部外周面に形成された内輪軌道との間に、保持器により保持された状態で、転動自在に設けられている。また、転がり軸受8bの軸方向に関する位置決めを図るために、トルク伝達軸1aの軸方向他端部外周面に、抑えナット22を螺着している。
内軸9は、金属(アルミニウム合金を含む)製又は合成樹脂製で、略円柱状(若しくは円管状)に構成されており、トルク伝達軸1aの内側に、トルク伝達軸1aと同軸に配置されている。また、内軸9は、その軸方向片端部(図1の右端部)を、トルク伝達軸1aの軸方向片端開口の内側に位置させた状態で、その軸方向他端部(図1の左端部)を、トルク伝達軸1aの軸方向他端部に対し相対回転不能に連結している。図示の構造では、内軸9の軸方向他端部を、トルク伝達軸1aの軸方向他端部に相対回転不能に連結するために、内軸9の軸方向他端部に設けた大径部17の外周面と、トルク伝達軸1aの軸方向他端部内周面とを、締り嵌めにより嵌合固定している。なお、これら両周面同士を、相対回転不能に連結するために、例えばインボリュートスプラインやキーによる係合、かしめ、ローレット圧入、溶接、溶着などを採用することもできる。
第一エンコーダ10は、転がり軸受8aと軸方向に隣接するトルク伝達軸1aの軸方向片端部に支持固定されている。このため、第一エンコーダ10は、トルク伝達軸1aの軸方向片端部とともに(同期して)回転可能である。これに対し、第二エンコーダ11は、内軸9の軸方向片端部に外嵌固定されている。換言すれば、第二エンコーダ11は、内軸9を介して、トルク伝達軸1aの軸方向他端部に間接的に取り付けられている。このため、第二エンコーダ11は、トルク伝達軸1aの軸方向他端部と同期して回転可能である。
第一エンコーダ10は、トルク伝達軸1aの軸方向片端部に螺合固定されるナットの如き円環状のねじ環18と、ねじ環18の外周面に固定された、ゴム、合成樹脂などの高分子材料中に磁性粉を分散させて全体を円筒状とした、ゴム磁石、プラスチック磁石等の永久磁石19とから構成されている。これに対し、第二エンコーダ11は、内軸9の軸方向片端部に固定された、金属板を曲げ形成して成る、断面略コ字形で円環状の支持環20と、支持環20の外周面に固定された、ゴム磁石、プラスチック磁石等の永久磁石21とから成る。
永久磁石19、21中に含有する磁性粉としては、例えば、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライトなどのフェライト系の磁性粉や、サマリウム−鉄、サマリウム−コバルト、ネオジウム−鉄−ボロンなどの希土類元素の磁性粉を採用できる。第一エンコーダ10を構成する永久磁石19の外周面である第一被検出面と、第二エンコーダ11を構成する永久磁石21の外周面である第二被検出面とは、互いの直径が等しく、互いに同軸に、かつ、軸方向に隣り合う状態で近接(例えば軸方向に10mm以内、好ましくは5mm以内の間隔をあけて)配置されている。永久磁石19、21の外周面には、それぞれS極とN極とが、円周方向に関して交互にかつ等ピッチ(磁極幅P)で配置されており、磁気特性を円周方向に関して交互にかつ等ピッチで変化させている。永久磁石19、21の外周面の磁極(S極、N極)の総数は、互いに一致している。
センサユニット12は、転がり軸受8aを構成する外輪14aに支持固定されており、3個のセンサ(第一センサ23、第二センサ24及び第三センサ25)と、これら3個のセンサを支持した合成樹脂製の支持ブロック26と、該支持ブロック26を内側に保持した金属製で円環状のセンサキャップ27とを備えている。図示の例では、センサキャップ27を、転がり軸受8aを構成する外輪14aに内嵌固定している。
第一センサ23、第二センサ24及び第三センサ25のそれぞれの検出部には、ホール素子、ホールIC、MR素子(GMR素子、TMR素子、AMR素子を含む)などの磁気検出素子が組み込まれている。そして、センサユニット12を上述のように外輪14aに支持した状態で、第一センサ23及び第三センサ25のそれぞれの検出部を、第一エンコーダ10の被検出面(永久磁石19の外周面)に近接対向させるとともに、第二センサ24の検出部を、第二エンコーダ11の被検出面(永久磁石21の外周面)に近接対向させている。
このため、第一センサ23、第二センサ24及び第三センサ25はそれぞれ、自身の検出部を通過する磁束密度に応じて出力信号を変化させる。具体的には、第一センサ23は、図2の上段に示すように、トルク伝達軸1aの回転に伴って変化する第一エンコーダ10の被検出面の磁気特性変化に対応する、矩形波状(パルス状)の出力信号を出力する。第二センサ24は、図2の中段に示すような、第二エンコーダ11の被検出面の磁気特性変化に対応した矩形波状の出力信号を出力し、第三センサ25は、図2の下段に示すような、第一エンコーダ10の被検出面の磁気特性変化に対応した矩形波状の出力信号を出力する。
特に本例では、図2に示すように、例えばトルク伝達軸1aが正転方向に回転する際の、第一センサ23の出力信号と第三センサ25の出力信号との位相差Φ13が、0度又は180度(半周期)にならないように、第一エンコーダ10の被検出面に対して第一センサ23の検出面が対向する位置と第三センサ25の検出部が対向する位置との、周方向に関する位相をずらしている。なお、図3には、第一センサ23と第三センサ25とを、周方向に関する位相を180度異ならせた状態で(直径方向反対側に)設置した例を示しているが、第一センサ23及び第三センサ25の設置位置は、第一センサ23の出力信号と第三センサ25の出力信号との位相差Φ13が、0度又は180度に一致しなければ、図示の位置に限定されない。
また、図3には、第一センサ23と第二センサ24とを同位相となる位置に設置した例を示しているが、第一センサ23及び第二センサ24の設置位置に関しても、トルク伝達軸1aがトルクを伝達していない状態(初期状態)での、第一センサ23の出力信号と第二センサ24の出力信号との位相差(初期位相差)が分かっていれば、特に限定されない。
第一センサ23、第二センサ24及び第三センサ25の出力信号は、複数本の信号線を内部に配置した1本のハーネス(信号伝送部)28を通じて、演算器13に送信される。
図4(A)及び図4(B)に示すように、第一センサ23、第二センサ24及び第三センサ25はそれぞれ、合計2本又は3本の端子を備えている。このため、仮にそれぞれの端子に信号線(配線)を1本ずつ接続したとすると、合計6本又は9本の信号線が必要になる。したがって、ハーネス28の直径が太くなり、センサユニット12の取り扱い性が悪くなる。
そこで、図4に示した例では、第一センサ23、第二センサ24及び第三センサ25にそれぞれ設けられた電源端子30を、共通の電源線34aにそれぞれ接続している。これにより、ハーネス28内に配置する信号線の数を、6本から4本に、9本から7本にそれぞれ減少させている。これに対し、図5に示した接続態様の別例では、第一センサ23、第二センサ24及び第三センサ25がそれぞれ合計3本の端子を備える構造に関して、第一センサ23、第二センサ24及び第三センサ25にそれぞれ設けられた電源端子30とグランド端子31との両方を、それぞれ共通の電源線34a及びグランド線34bに接続している。このような構成により、ハーネス28内に配置する信号線の数を9本から5本に減少させている。
演算器13は、第一センサ23及び第二センサ24の出力信号を利用して、トルク伝達軸1aが伝達するトルクを算出する機能を有しているとともに、第一センサ23の出力信号と、第二センサ24又は第三センサ25の出力信号を利用して、トルク伝達軸1aの回転方向を判定する機能を有している。以下、演算器13が備える機能について説明する。
演算器13は、トルク伝達軸1aの回転方向を判定するために、第一エンコーダ10の被検出面に対向する第一センサ23の出力信号と、第二エンコーダ11の被検出面に対向する第二センサ24の出力信号との位相差を求める。この位相差は、例えば、第一センサ23の出力信号の第1立ち上がり(又は立ち下がり)エッジが計測されてから次の第2立ち上がり(又は立ち下がり)エッジが計測されるまでの間に計測される、第二センサ24の出力信号の立ち上がり(又は立ち下がり)エッジの入力時刻と、前記第1立ち上がり(又は立ち下がり)エッジの入力時刻との差を算出することにより求めることができる。図2に示した例では、トルク伝達軸1aの回転方向が正転方向である場合には、位相差はΦ12となり、トルク伝達軸1aの回転方向が逆転方向である場合には、位相差はΦ12´となる。
また、トルク伝達軸1aの回転速度の影響を排除するために、位相差比を求める。具体的には、位相差Φ12(又はΦ12´)を周期θA1(又はθA1´)で除することにより、位相差比Φ12/θA1(又はΦ12´/θA1´)を求める。なお、正転方向と逆転方向とで回転速度が等しい場合には、周期θA1と周期θA1´は互いに等しくなる(θA1=θA1´)。
ここで、トルク伝達軸1aの回転方向が正転方向である場合の位相差比Φ12/θA1と、トルク伝達軸1aの回転方向が逆転方向である場合の位相差比Φ12´/θA1´との間には、図6に示すように、所定の閾値Thを挟んだ大小関係が存在する。つまり、正転時の位相差比Φ12/θA1と逆転時の位相差比Φ12´/θA1´との間には、Φ12/θA1<Th<Φ12´/θA1´又はΦ12´/θA1´<Th<Φ12/θA1の関係が成立する。このため、トルク伝達軸1aの回転方向と位相差比の大きさとの関係を予め学習しておくことで、算出された位相差比を利用して、トルク伝達軸1aの回転方向を判定することができる。
あるいは、演算器13は、第一エンコーダ10にそれぞれ対向する第一センサ23の出力信号と第三センサ25の出力信号とを利用して、トルク伝達軸1aの回転方向を判定することもできる。すなわち、第一センサ23の出力信号と第三センサ25の出力信号との、LowからHigh又はHighからLowへと切り替わる順番の関係から、トルク伝達軸1aの回転方向を判定することができる。
演算器13は、上述のようにして判定したトルク伝達軸1aの回転方向を出力する。例えば、演算器13は、正転時には+5Vの電圧信号を出力し、逆転時には−5Vまたは+2.5Vの電圧信号を出力する。これに対し、トルク伝達軸1aが停止している際には、電圧信号を出力しない(0Vの電圧信号を出力する)ようにする。
また、演算器13は、トルク伝達軸1aが伝達するトルクを算出するために、回転方向を判定する場合と同様に、第一センサ23の出力信号と第二センサ24の出力信号との位相差を求める。また、トルク伝達軸1aの回転速度の影響を排除するために、位相差比を求める。
次に、位相差比に適応フィルタによるフィルタリング処理を施すことにより、この位相差比から、着磁ピッチの誤差などの周期的に変動する誤差成分を除去して修正値を得る。特に本例では、適応フィルタは、トルク伝達軸1aが正転方向に回転する場合と逆転方向に回転する場合とのそれぞれに関して、エンコーダの極番ごとに異なる補正値を学習し、図7に示すような、正転時の全ての極を対象とした補正値をまとめたテーブルAと、逆転時の全ての極を対象とした補正値をまとめたテーブルBとの2種類を備えている。このため、演算器13は、トルク伝達軸1aの回転方向に関する判定結果に基づいて、適応フィルタが参照する補正値に関するテーブルを切り替えるようにしている。
なお、3個のセンサ23〜25のうちの何れかのセンサの出力信号を利用して、トルク伝達軸1aの回転速度を求めることもできる。すなわち、トルク伝達軸1aの回転に伴い、第一、第二各エンコーダ10、11が回転すると、3個のセンサ23〜25の出力信号がそれぞれ周期的に変化する。センサ23〜25の出力信号の変化の周波数及び周期は、第一、第二各エンコーダ10、11bの回転速度、すなわち、トルク伝達軸1aの回転速度に応じた値となっている。したがって、センサ23〜25のうちの何れかの出力信号の変化の周波数又は周期と、第一、第二各エンコーダ10、11の回転速度との関係を予め求めておくことにより、センサ23〜25のうちの何れかの出力信号の変化の周波数又は周期に基づいて、トルク伝達軸1aの回転速度を求めることができる。
以上のような構成を有する本例によれば、第一センサ23の出力信号と、第二センサ24又は第三センサ25の出力信号を利用して、トルク伝達軸1aの回転方向を判定することが可能になる。このため、この判定結果を利用して、適用フィルタが参照する補正値に関するテーブルを、正転用のものと逆転用のものとで切り替えることが可能になる。したがって、トルク伝達軸1aの回転方向にかかわらず、適応フィルタにより、位相差(又は位相差比若しくはトルク)を表す信号中に含まれる周期的な誤差を適切に除去することが可能になる。この結果、本例によれば、トルクの測定精度の向上を図れる。
更に本例では、合計で3個のセンサ23〜25を設けているため、何らかの対策を施さなければ、2個のセンサを設ける場合に比べて、ハーネス28の直径が太くなり、センサユニット12の取り扱い性が悪くなりやすい。ただし、本例では、3個のセンサ23〜25の電源端子30又は/及びグランド端子31を、共通の電源線34a、グランド線34bにそれぞれ接続することで、ハーネス28中に配置する信号線の数を減らしている。このため、ハーネス28が太くなることを防止でき、センサユニット12の取り扱い性を確保できる。
具体的には、図4(A)に示したように、3個のセンサ23〜25にそれぞれ2本の端子が設けられており、このうちの1本の端子を共通の電源線34a(又はグランド線34b)に接続する場合には、信号線の数を6本から4本に減少させることができる。これに対し、図4の(B)に示したように、3個のセンサ23〜25にそれぞれ3本の端子が設けられており、このうちの1本の端子を共通の電源線34a(又はグランド線34b)に接続する場合には、信号線の数を9本から7本に減少させることができる。一方、図5に示したように、3個のセンサ23〜25にそれぞれ3本の端子が設けられており、このうちの2本の端子を共通の電源線34a及びグランド線34bに接続する場合には、信号線の数を9本から5本に減少させることができる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図8〜図9を用いて説明する。本例の特徴は、2つのエンコーダに対してそれぞれ2個ずつセンサを対向させる点にある。その他の構成については、実施の形態の第1例の場合と同じであるため、重複する図示並びに説明は省略もしくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例でも、図1に示した構造と同様に、トルク伝達軸1a(図1参照)の軸方向片端部に固定された第一エンコーダ10と、内軸9(図1参照)を介してトルク伝達軸1aの軸方向他端部に固定された第二エンコーダ11とを、軸方向に隣接して配置する。そして、このような第一エンコーダ10及び第二エンコーダ11の周囲に、合計4個のセンサ(第一センサ23、第二センサ24、第三センサ25、第四センサ35)を備えたセンサユニット12(図1参照)を配置する。これにより、第一エンコーダ10及び第二エンコーダ11に、それぞれ2個ずつのセンサを対向させている。具体的には、図8に示すように、第一エンコーダ10の被検出面に、第一センサ23及び第三センサ25の検出部をそれぞれ近接対向させるとともに、第二エンコーダ11の被検出面に、第二センサ24及び第四センサ35の検出部をそれぞれ近接対向させている。
図8には、第一センサ23と第二センサ24とを同位相となる位置に設置するとともに、第三センサ25と第四センサ35とを、互いに同位相に、かつ、第一センサ23及び第二センサ24に対して位相を180度異ならせた位置に設置した例を示しているが、第一センサ23、第二センサ24、第三センサ25及び第四センサ35の設置位置に関しては、図8に示す位置に限定されない。トルク伝達軸1aがトルクを伝達していない状態(初期状態)での、第一センサ23の出力信号と第二センサ24の出力信号との位相差(初期位相差)、及び、第三センサ25の出力信号と第四センサ35の出力信号との位相差がそれぞれ分かっていれば、第一センサ23、第二センサ24、第三センサ25及び第四センサ35の設置位置は特に限定されない。本例では、図9の左半部に示すように、トルク伝達軸1aに所定のトルクが加わった際に、最上段に示した第一センサ23の出力信号と上から2段目に示した第二センサ24の出力信号との間に位相差Φ12が生じ、下から2段目に示した第三センサ25の出力信号と最下段に示した第四センサ35の出力信号との間に位相差Φ34が生じる位置に、4個のセンサを設置している。
演算器13(図1参照)は、第一センサ23と第二センサ24との1組のセンサからトルクを求めるだけでなく、第三センサ25と第四センサ35との別の1組のセンサからもトルクを求める。具体的には、演算器13は、第一トルク演算回路36により、第一センサ23の出力信号と第二センサ24の出力信号との位相差Φ12を求め、この位相差Φ12を周期θA1で除することで、位相差比Φ12/θA1を求める。そして、この位相差比Φ12/θA1からトルク算出値T1を得る。同様に、演算器13は、第二トルク演算回路37により、第三センサ25の出力信号と第四センサ35の出力信号との位相差Φ34を求め、この位相差Φ34を周期θA2で除することで、位相差比Φ34/θA2を求める。そして、この位相差比Φ34/θA2からトルク算出値T2を得る。なお、周期θA1と周期θA2とは互いに等しい(θA1=θA2)。
演算器13は、トルク比較(故障)判定回路38により、得られた2つのトルク算出値T1とトルク算出値T2とを比較して差分(|T1−T2|)を求める。そして、この差分(|T1−T2|)と、予め設定した閾値Xとの大小関係を比較する。差分(|T1−T2|)が閾値Xよりも小さい場合には、トルク算出値T1及びトルク算出値T2はともに正常値であると判断し、トルク算出値T1とトルク算出値T2との平均値{(T1+T2)/2}を求める。そして、演算器13は、トルク出力回路39により、平均値{(T1+T2)/2}を、トルク伝達軸1aが伝達しているトルクの算出結果として出力する。
これに対し、差分(|T1−T2|)が閾値Xよりも大きい場合には、トルク算出値T1とトルク算出値T2とのうちの少なくとも一方が正常でない、換言すれば、トルク算出値を得るために利用している2組のセンサを構成する少なくとも1個のセンサに故障が生じていると判断する。この場合には、トルク比較判定回路38は、トルク算出値T1とトルク算出値T2との平均値{(T1+T2)/2}は求めずに、正常でないトルク算出値(センサ)を特定するため、エンジン制御装置(エンジンECU)40が出力するトルク値TECUと、トルク算出値T1及びトルク算出値T2とをそれそれ比較して差分(|TECU−T1|、|TECU−T2|)を求める。そして、トルク値TECUとの差分が大きい一方のトルク算出値(トルク算出値T1又はトルク算出値T2)を正常でないと判断する。これにより、故障したセンサが、正常でないと判断されたトルク算出値を得るために利用した1組のセンサのうちの何れか又は両方であると特定できる。また、演算器13は、トルク出力回路39により、トルク値TECUとの差分が小さい他方のトルク算出値(トルク算出値T2又はトルク算出値T1)を、トルク伝達軸1aが伝達しているトルクの算出結果として出力する。
上述した説明では、2つのトルク算出値T1、T2がともに得られる場合について説明したが、演算器13は、本来得られるはずの2つのトルク算出値T1とトルク算出値T2のうち、片方のトルク算出値しか得られない場合に、求められない残りの算出値に異常がある、換言すれば、残りの算出値を得るために利用している1組のセンサのうちの何れか又は両方のセンサに故障が生じていると判断できる。このため、演算器13は、トルク算出値T1とトルク算出値T2との差分を求める処理や平均値を求める処理を行うことなく、算出された片方のトルク算出値を、トルク伝達軸1aが伝達しているトルクの算出結果として出力する。
以上のような構成を有する本例では、第三センサ25及び第四センサ35を更に備えたことで、トルク伝達軸1aが伝達するトルクに関して、2種類のトルク算出値(トルク算出値T1及びトルク算出値T2)得ることができる。そして、本例では、2種類のトルク算出値の平均値を算出結果として利用するため、センサの取付精度や設置位置等に起因して生じるジッターやノイズの影響を低減することができる。したがって、トルクの測定精度の向上を図ることができる。また、本例では、2種類のトルク算出値を得られるため、トルク算出値の異常判定(センサの故障判定)を行うことが可能になり、正常なトルク算出値のみを利用して、トルクを求めることもできる。したがって、トルクの測定精度に関する信頼性を高めることもできる。さらに本例では、トルクを算出するために利用する4個のセンサのうち、片方のトルク算出値を求めるために利用する1個又は2個のセンサに故障が生じても、トルク算出機能を継続させることができる。
また、本例では、第一センサ23の出力信号と第二センサ24の出力信号、第一センサ23の出力信号と第四センサ35の出力信号、第二センサ24の出力信号と第三センサ25の出力信号、第三センサ25の出力信号と第四センサ35の出力信号とを、それぞれ比較することで、どの部分(例えばどのセンサ)が故障したかを判定することもできる。
また、本例の場合にも、実施の形態の第1例と同様に、同一のエンコーダに対向する1組のセンサ(第一センサ23及び第三センサ25、又は、第二センサ24及び第四センサ35)の出力信号同士の位相差を利用して、トルク伝達軸の回転方向を判定しても良い。なお、本例の場合にも、4個のセンサのうち、少なくとも2個のセンサに関して、電源端子とグランド端子との何れか一方の端子を共通の電源線又はグランド線に接続して、ハーネスの直径が過大になることを防止することもできる。
本発明のトルク測定装置付回転伝達装置を構成するトルク伝達軸は、自動車のパワートレインを構成する回転軸に限らず、例えば、風車の回転軸(主軸、増速器の回転軸)、圧延機のロールネック、鉄道車両の回転軸(車軸、減速機の回転軸)、工作機械の回転軸(主軸、送り系の回転軸)、建設機械・農業機械・家庭用電気器具・モータの回転軸など、各種機械装置の回転軸を対象にすることができる。
また、自動車のパワートレインを構成する場合には、例えば、トルクコンバータからトルクが入力されるインプットシャフト(タービンシャフト)や、カウンタシャフトを対象とすることができる。
また、本発明のトルク測定装置付回転伝達装置を組み込んで変速機を構成する場合の変速機の形式は、特に限定されず、オートマチックトランスミッション(AT)、ベルト式やトロイダル式等の各種無段変速機(CVT)、オートメーテッドマニュアルトランスミッション(AMT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)、トランスファーなど、車側の制御により変速を行う変速機を採用できる。
また、変速機の設置位置と駆動輪との関係は特に限定されず、前置エンジン前輪駆動車(FF車)、前置エンジン後輪駆動車(FR車)、及び、四輪駆動車などが対象となる。
また、変速機の上流側に置かれる動力源は、必ずしもガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関である必要はなく、例えばハイブリッド車や電気自動車に用いられる電動モータであっても良い。
また、上述した実施の形態では、エンコーダを永久磁石製とし、エンコーダの被検出面にN極とS極とを円周方向に関して交互に配置する構成を採用した構造を例に説明したが、エンコーダを単なる磁性材製とし、エンコーダの被検出面に凸部、舌片、又は柱部等の充実部と、凹部、切り欠き、又は透孔等の除肉部とを、円周方向に関して交互に配置する構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、センサ側に永久磁石を組み込む。
また、上述した実施の形態では、エンコーダの被検出面を円筒状とし、この被検出面にセンサの検出部を径方向に対向させた構造を例に説明したが、本発明を実施する場合には、エンコーダの被検出面を円輪状とし、この被検出面にセンサの検出部を軸方向に対向させる構造を採用することもできる。また、1対のエンコーダは、トルク伝達軸に対して直接支持されていても良いし、スリーブ、歯車、軸受用内輪等の他の部材を介して支持されていても良い。さらに、1対のエンコーダとこれら各エンコーダに対向する1個又は2個のセンサとは、トルク伝達軸の内径側に配置した内軸を利用して隣接配置する構造に限らず、トルク伝達軸の軸方向両側に互いに離隔して配置する構造を採用しても良い。
また、トルク伝達軸を回転自在に支持するための転がり軸受は、玉軸受に限らず、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、ニードル軸受等、従来から知られた各種構造の転がり軸受を使用することができる。
1、1a トルク伝達軸
2 エンコーダ
3 センサ
4 ハーネス
5 ハウジング
6 入力歯車
7 出力歯車
8a、8b 転がり軸受
9 内軸
10 第一エンコーダ
11 第二エンコーダ
12 センサユニット
13 演算器
14a、14b 外輪
15a、15b 内輪
16 転動体
17 大径部
18 ねじ環
19 永久磁石
20 支持環
21 永久磁石
22 抑えナット
23 第一センサ
24 第二センサ
25 第三センサ
26 支持ブロック
27 センサキャップ
28 ハーネス
30 電源端子
31 グランド端子
32 出力端子
33 出力端子
34a 電源線
34b グランド線
35 第四センサ
36 第一トルク演算回路
37 第二トルク演算回路
38 トルク比較判定回路
39 トルク出力回路
40 エンジン制御装置

Claims (8)

  1. 使用時に正転方向と逆転方向との両方向に回転しトルクを伝達するトルク伝達軸と、
    それぞれの被検出面の特性を円周方向に関して交互にかつ等ピッチで変化させ、前記トルク伝達軸に直接又は使用時にこのトルク伝達軸と同期して回転する部材に支持された第一エンコーダ及び第二エンコーダと、
    前記第一エンコーダの被検出面に検出部を対向させた第一センサ、及び、前記第二エンコーダの被検出面に検出部を対向させた第二センサと、
    前記第一センサの出力信号と前記第二センサの出力信号との位相差に基づいて、前記トルク伝達軸が伝達するトルクを求める機能を有する演算器と、
    を備えたトルク測定装置付回転伝達装置であって、
    前記演算器は、前記第一センサの出力信号と前記第二センサの出力信号との位相差又はこの位相差に基づき算出される値に含まれる誤差成分を、適応フィルタにより除去する機能を備えており、この適応フィルタは、前記トルク伝達軸の回転方向に応じて、補正値に関して異なるテーブルを参照する、
    トルク測定装置付回転伝達装置。
  2. 前記演算器は、前記第一センサの出力信号と前記第二センサの出力信号との位相差に基づいて、前記トルク伝達軸の回転方向を判定する機能を有している、
    請求項1に記載したトルク測定装置付回転伝達装置。
  3. 前記第一エンコーダの被検出面に検出部を対向させた第三センサをさらに備えており、
    前記第一センサの出力信号と前記第三センサの出力信号との位相差が、0度又は180度にならないように、前記第一エンコーダの被検出面に対し前記第一センサ及び前記第三センサのそれぞれの検出部が対向する位置の、周方向に関する位相がずれており、
    前記演算器は、前記第一センサの出力信号と前記第三センサの出力信号との位相差に基づいて、前記トルク伝達軸の回転方向を判定する機能を有している、
    請求項1に記載したトルク測定装置付回転伝達装置。
  4. 少なくとも2個以上のセンサに関して、それぞれのセンサに設けられた電源端子とグランド端子とのうちの少なくとも一方の端子が、共通の電源線又はグランド線に接続されている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したトルク測定装置付回転伝達装置。
  5. 前記第一エンコーダの被検出面に検出部を対向させた第三センサと、前記第二エンコーダの被検出面に検出部を対向させた第四センサとをさらに備えており、
    前記演算器は、前記第一センサの出力信号と前記第二センサの出力信号との位相差からトルク算出値T1を求めるとともに、前記第三センサの出力信号と前記第四センサの出力信号との位相差からトルク算出値T2を求め、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2との平均値を、前記トルク伝達軸が伝達しているトルクとして出力する、
    請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したトルク測定装置付回転伝達装置。
  6. 前記演算器は、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2との差分を求め、この差分が予め設定した閾値よりも小さい場合には、前記平均値を出力するのに対し、前記差分が前記閾値よりも大きい場合には、エンジン制御装置が出力するトルク値と、前記トルク算出値T1及び前記トルク算出値T2とをそれそれ比較して差分を求め、前記トルク値との差分が大きいトルク算出値を正常でないと判断する、請求項5に記載したトルク測定装置付回転伝達装置。
  7. 前記演算器は、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2との差分が前記閾値よりも大きい場合には、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2との平均値を求めずに、前記トルク値との差分が小さいトルク算出値を、前記トルク伝達軸が伝達しているトルクとして出力する、請求項6に記載したトルク測定装置付回転伝達装置。
  8. 前記演算器は、前記トルク算出値T1と前記トルク算出値T2とのうち何れか片方のトルク算出値しか求められない場合には、求められない残りのトルク算出値に異常があると判断し、前記平均値を求めずに、前記片方のトルク算出値を、前記トルク伝達軸が伝達しているトルクとして出力する、請求項5に記載したトルク測定装置付回転伝達装置。
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