JP2016095209A - 回転装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ装置の検出部を構成する1対の磁気検出素子のピッチが所定の大きさに決まっている場合でも、前記センサ装置の検出精度を向上させる事ができる構造を実現する。
【解決手段】第一、第二各被検出面21、22に配置するS極及びN極のそれぞれの幅を磁極幅WMとし、1対のホール素子5、5のピッチをセンサピッチPSとし、前記磁極幅WMをこのセンサピッチPSと等しくした場合の差動磁束密度の振幅ADを基準振幅ASとする。この場合に、前記センサピッチPSを一定の大きさに保持したまま、前記磁極幅WMをこのセンサピッチPSと等しい大きさから増大させていった場合に、前記振幅ADが前記基準振幅ASよりも大きく(AD>AS)なる範囲で、前記磁極幅WMの大きさを設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車用自動変速機等の機械装置に組み込まれて、回転部材の伝達するトルクや回転速度を測定する為に使用するセンサ装置を備えた回転装置の改良に関する。
自動車用自動変速機を構成する軸の回転速度と、この軸により伝達しているトルクの大きさとを測定し、その測定結果を当該変速機の変速制御又はエンジンの出力制御を行う為の情報として利用する事が、従来から行われている。又、トルクの大きさを測定する為に利用可能な装置として従来から、軸の弾性的な捩れ変形量を1対のセンサの出力信号の位相差に変換し、この位相差に基づいてトルクの大きさを測定する装置が知られている(例えば特許文献1、2参照)。この様な従来構造に就いて、図5を参照しつつ説明する。
図5に示した従来構造の場合、運転時にトルクを伝達する回転部材であるトルク伝達軸1の軸方向2箇所位置に、1対のエンコーダ2、2を外嵌固定している。これら両エンコーダ2、2の外周面である被検出面の磁気特性は、周方向に関して交互に且つ等ピッチで変化している。又、これら両被検出面の磁気特性が周方向に関して変化するピッチは、これら両被検出面同士で互いに等しくなっている。又、これら両被検出面に、センサ装置である1対のセンサ3、3の検出部を対向させた状態で、これら両センサ3、3を、図示しないハウジングに支持している。これら両センサ3、3は、それぞれ自身の検出部を対向させた部分の磁気特性の変化に対応して、その出力信号を変化させるものである。
上述の様な前記両センサ3、3の出力信号は、前記トルク伝達軸1と共に前記両エンコーダ2、2が回転する事に伴い、それぞれ周期的に変化する。この変化の周波数(及び周期)は、前記トルク伝達軸1の回転速度に見合った値をとる。この為、この周波数(又は周期)に基づいて、この回転速度を求められる。又、前記トルク伝達軸1によりトルクを伝達する事に伴って、このトルク伝達軸1が弾性的に捩れ変形すると、前記両エンコーダ2、2が回転方向に相対変位する。この結果、前記両センサ3、3の出力信号同士の間の位相差比(=位相差/1周期)が変化する。又、この位相差比は、前記トルク(前記トルク伝達軸1の弾性的な捩れ変形量)に見合った値をとる。この為、この位相差比に基づいて、前記トルクを求められる。
上述の様な従来構造を実施する場合に、具体的には、例えば、前記各エンコーダ2、2の被検出面を、S極とN極とを周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置した被検出面(着磁面)とし、且つ、前記各センサ3、3として、検出部に磁気検出素子を組み込んだものを使用する事ができる。この場合に、これら各センサ3、3として、検出部に差動式ホールICを組み込んだものを使用すれば、測定精度の向上を図る面から有利になる。
これら各センサ3、3として、検出部に差動式ホールICを組み込んだものを使用する場合には、図6に模式的に示す様に、差動式ホールIC4を構成する、それぞれが磁気検出素子である1対のホール素子5、5を、前記各エンコーダ2、2の被検出面6と径方向(図6の上下方向)に対向する部分に、この被検出面6の周方向(回転方向。図6の左右方向)に離隔して配置する。この差動式ホールIC4を構成する信号処理部は、図7の(A)に示す様な、前記両ホール素子5、5が検出する磁束密度(ホール素子5の検出面を通過する磁束/ホール素子5の検出面の面積)の差である差動磁束密度を表す信号を生成する。そして、この差動磁束密度を表す信号と互いに異なる2種類の閾値(動作磁束密度Bop、復帰磁束密度Brp)とを比較する事により、図7の(B)に示す様な、High・Lowのディジタル信号を出力する。尚、差動式ホールICの詳しい構造に就いては、特許文献3、4等に記載されている為、これ以上の詳しい説明は省略する。
この様な差動式ホールIC4は、前記両ホール素子5、5を近接配置している為、何らかの原因でこれら両ホール素子5、5の検出値を表す信号に外乱に基づくノイズが入り込むと、これら両ホール素子5、5の検出値を表す信号が同時に同方向に同量ずつ変化する。この様な場合、これら両ホール素子5、5の検出値の差をとると、前記ノイズは相殺(キャンセル)されて、前記差動式ホールIC4の出力には現れない。この為、ノイズの影響を受けにくく、信頼性の高い測定を行える。又、前記両ホール素子5、5の検出値の差を求める事で、これら両ホール素子5、5の検出値を表す信号中に含まれる直流成分(DC成分)が相殺された状態で、前記差動式ホールIC4の出力信号となる為、この出力信号のゲイン(単位時間当たりの変化量)が大きくなり、測定精度を確保する上で有利になる。
この様な構造を採用する場合で、トルクの測定精度(前記各センサ3、3の検出精度)を十分に確保する為には、前記差動磁束密度を表す信号の振幅(最大振幅)ADを十分に大きくする必要がある。
従来、この様な要求に応える為には、図6に示す様に、前記S極及び前記N極のそれぞれの周方向幅である磁極幅WM(=これらS極及びN極のピッチである磁極ピッチPM)と、前記被検出面6の周方向に関する前記両ホール素子5、5同士の間隔(これら両ホール素子5、5の中心部同士の間隔)であるセンサピッチPSとを、互いに等しく(WM=PS)する事が、最も効果的であると考えられていた。この様な構成を採用すると、前記両ホール素子5、5のうちの一方(図6の右方)のホール素子5が、この一方のホール素子5を通過する磁束が最も少なくなる(この一方のホール素子5が検出する磁束密度が最も小さくなる)、前記S極の中心部に対向した状態で、他方(図6の左方)のホール素子5が、この他方のホール素子5を通過する磁束が最も多くなる(この他方のホール素子5が検出する磁束密度が最も大きくなる)、前記N極の中心部に対向する。この場合、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADは、図6に示す様に、前記両ホール素子5、5を通過する磁束の量(これら両ホール素子5、5が検出する磁束密度)を表す曲線の振幅の2倍(山頂部の値と谷底部の値との差)となる。
ところが、前記各センサ3、3の検出部に組み込む差動式ホールIC4として汎用性が高い規格品を使用する等の理由により、前記センサピッチPSが所定の大きさに決まっている場合には、上述の様な構成を採用する事、即ち、前記磁極幅WMを、このセンサピッチPSと等しく(WM=PS)する構成を採用する事が、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADを十分に大きくする上で必ずしも効果的であるとは言えない事が、本発明者の研究により分かった。要するに、前記差動式ホールIC4として汎用性が高い規格品を使用する場合、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADをより大きくして、前記各センサ3、3の検出精度の向上を図る面からは改善の余地がある。
特開平1−254826号公報 特開昭63−82330号公報 特開平8−220200号公報 特開2007−93467号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、センサ装置の検出部を構成する1対の磁気検出素子同士の周方向間隔であるセンサピッチが所定の大きさに決まっている場合でも、前記センサ装置の検出精度を向上させる事ができる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の対象となる回転装置は、使用時に回転する回転部材と、エンコーダと、センサ装置とを備える。
このうちのエンコーダは、前記回転部材に支持され、この回転部材と同心の被検出面を有すると共に、この被検出面にS極とN極とを周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されている。
又、前記センサ装置は、検出部を前記被検出面に対向させた状態で、使用時にも回転しない部分に支持され、この検出部は、前記被検出面の周方向に離隔して配置された1対の磁気検出素子を備えると共に、これら両磁気検出素子が検出する磁束密度の差である差動磁束密度を表す信号、又は、この差動磁束密度を表す信号と互いに異なる2種類の閾値とを比較する事で生成したディジタル信号を出力する。
特に、本発明のうち、請求項1に記載した回転装置の場合には、前記S極及び前記N極のそれぞれの周方向幅(=着磁ピッチ)を、磁極幅WMとし、前記被検出面の周方向に関する前記両磁気検出素子同士の間隔(これら両磁気検出素子の中心部同士の周方向間隔)を、センサピッチPSとし、前記磁極幅WMを前記センサピッチPSと等しくした場合に於ける前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADを、基準振幅ASとした場合に、前記磁極幅WMが、前記センサピッチPSよりも大きい(WM>PS)範囲であって、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADを前記基準振幅ASよりも大きく(AD>AS)できる範囲に設定されている。
上述の様な本発明の回転装置を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記磁極幅Wを、前記センサピッチPよりも大きい範囲であって、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADが最大である場合に於ける磁極幅と、必要とする分解能を確保できる範囲内での最大磁極幅(分解能を必要最低限の大きさとした場合に於ける磁極幅)とのうちの小さい方に設定する。
この場合に、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADが最大である場合に於ける磁極幅WMaは、実験やシミュレーションにより求める事ができる。この磁極幅WMaを、シミュレーションで求める場合には、例えば、次の様にして求める事ができる。即ち、前記被検出面と前記両磁気検出素子との対向間隔、及び、前記センサピッチPSを、それぞれ一定の大きさに保持したまま、S極及びN極のそれぞれの周方向幅である磁極幅を、前記センサピッチPSと等しい大きさから徐々に増大させていく。すると、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADは、初めは増大していき、その後、最大(ピーク値)に達した後、減少していく。この振幅ADが最大となる場合の前記磁極幅を、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADが最大である場合に於ける磁極幅WMaとする。
本発明を実施する場合には、実施の一態様として例えば、前記回転部材を、使用時に回転しつつトルクを伝達するものとする。
又、前記エンコーダと、前記センサ装置を構成する検出部とを、2つずつ設ける。
又、前記回転部材のうち、伝達するトルクに応じた分だけ回転方向に相対変位する2つの部位のうちの一方の部位に、前記2つのエンコーダのうちの一方のエンコーダを、これら2つの部位のうちの他方の部位に、これら2つのエンコーダのうちの他方のエンコーダを、それぞれ支持する。
又、前記一方のエンコーダの被検出面に、前記センサ装置を構成する2つの検出部のうちの一方の検出部を、前記他方のエンコーダの被検出面に、これら2つの検出部のうちの他方の検出部を、それぞれ対向させる。
そして、この様な態様を採用する事によって、演算器により、前記両検出部の出力信号同士の間の位相差に基づいて、前記トルクを算出する。
又は、別の態様として、前記エンコーダの被検出面に第一被検出部と第二被検出部とを、この被検出面の幅方向に関して複列に設けると共に、この幅方向に対する、周方向に隣り合う前記S極と前記N極との境界の傾斜方向を含めた傾斜角度を、前記第一、第二両被検出部同士で互いに異ならせる。
又、前記センサ装置の前記検出部を2つ設ける。
又、前記第一被検出部に、前記2つの検出部のうちの一方の検出部を、前記第二被検出部に、これら2つの検出部のうちの他方の検出部を、それぞれ対向させる。
そして、この様な態様を採用する事によって、演算器により、前記両検出部の出力信号同士の間の位相差に基づいて、前記回転部材により伝達するトルク、又は、この回転部材に作用する、ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント等の測定対象量を算出する。
上述の様な本発明の回転装置によれば、被検出面の周方向に関するセンサ装置の検出部を構成する1対の磁気検出素子同士の周方向間隔であるセンサピッチが所定の(一定の)大きさに決まっている場合でも、これら両磁気検出素子が検出する磁束密度の差である差動磁束密度を表す信号の振幅を大きくできる。この為、前記センサ装置の検出精度を向上する事ができる。従って、このセンサ装置の出力信号を利用した、回転部材の回転速度や、この回転部材が伝達するトルク等の測定の精度を向上させる事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す回転装置の断面模式図。 この第1例の構造が採用する、エンコーダの磁極幅WMとセンサ装置のセンサピッチPSとの関係を説明する為の模式図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1に相当する図。 同じくエンコーダ本体を取り出して示す斜視図。 トルク測定機能を備えた回転装置の従来構造の1例を示す略側面図。 従来のエンコーダの磁極幅WMとセンサ装置のセンサピッチPSとの関係の1例を示す模式図。 差動式ホールICの出力信号を生成する状況を説明する為の線図。
[実施の形態の第1例]
図1〜2により、本発明の実施の形態の第1例に就いて説明する。
回転装置である、本例のトルク測定装置付回転伝達装置7は、例えば自動車用の自動変速機に組み込んで使用する。この様なトルク測定装置付回転伝達装置7は、図示しないハウジング(ミッションケース)と、ベルト式CVT等のインプットシャフト(又はカウンタシャフト)として機能する中空状(中空筒状)のトルク伝達軸8と、転がり軸受9と、出力歯車10と、内軸11と、第一エンコーダ12と、第二エンコーダ13と、センサ装置である1個のセンサユニット14とを備える。
前記トルク伝達軸8は、炭素鋼の如き合金鋼により中空円筒状に造られたもので、軸方向一端部(図1の右端部)外周面に、トルクの入力部であるスプライン部(雄スプライン部)15が形成されている。このスプライン部15には、図示しないクラッチ、筒型軸継手、フランジ型軸継手、流体継手(トルクコンバータを含む)等の動力継手がスプライン係合され、前記トルク伝達軸8と同軸上に配置されたエンジンやモータ等の動力源の回転軸と接続されている。或いは、前記スプライン部15に、図示しない入力歯車をスプライン係合し、前記トルク伝達軸8とは同軸上に存在しない動力源の回転軸と接続する事も可能である。又、このトルク伝達軸8の軸方向他端寄り部分(図1の左端寄り部分)は、前記ハウジングに対し、前記転がり軸受9により回転自在に支持されている。従って、本例の場合には、前記トルク伝達軸8は、片持ち式の支持構造となる。
前記転がり軸受9は、例えば深溝型、アンギュラ型等の玉軸受、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、ラジアルニードル軸受、自動調心ころ軸受等であり、それぞれが円環状の外輪及び内輪と、複数個の転動体とから構成されている。このうちの外輪は、前記ハウジングに内嵌固定されており、前記内輪は、前記トルク伝達軸8の軸方向他端寄り部分に外嵌固定されている。前記各転動体は、前記外輪の内周面に形成された外輪軌道と、前記内輪の外周面に形成された内輪軌道との間に、保持器により保持された状態で、転動自在に設けられている。
前記出力歯車10は、炭素鋼の如き合金鋼製のはすば歯車又は平歯車であり、前記トルク伝達軸8の軸方向中間部に、このトルク伝達軸8と一体に形成(固定)されている。尚、前記出力歯車10を、このトルク伝達軸8とは別体として、このトルク伝達軸8の軸方向中間部外周面に外嵌固定する事もできる。この場合には、例えば、この嵌合部を、同心性を確保する為の円筒面嵌合部と、相対回転を防止する為のインボリュートスプライン係合部とを、軸方向に隣接配置した構成を採用できる。
前記内軸11は、炭素鋼の如き合金鋼又は合成樹脂により略円柱状(又は円管状)に造られたもので、前記トルク伝達軸8の内径側に、このトルク伝達軸8と同心に配置されている。又、前記内軸11は、その軸方向一端部(図1の右端部)を、このトルク伝達軸8の軸方向一端部に相対回転不能に連結すると共に、その軸方向他端部(図1の左端部)を、前記トルク伝達軸8の軸方向他端開口から軸方向他側に突出させている。図示の構造の場合には、前記内軸11の軸方向一端部を、前記トルク伝達軸8の軸方向一端部に相対回転不能に連結する為に、この内軸11の軸方向一端部に設けた大径部16の外周面と、このトルク伝達軸8の軸方向一端部内周面とを、相対回転不能に締り嵌めにより嵌合固定している。尚、これら両周面同士を、相対回転不能に連結する為に、例えばインボリュートスプラインやキーによる係合を採用する事もできる。又、本例の場合には、前記内軸11のうち、前記大径部16から軸方向に外れた部分の外周面と、前記トルク伝達軸8の内周面との間部分には、軸方向全長且つ全周に亙って、隙間(微小隙間)が設けられている。この間部分には、潤滑油を充満させて、フィルムダンパとして機能させる事もできる。
前記第一エンコーダ12は、前記転がり軸受9を構成する内輪に支持固定されている。言い換えれば、この第一エンコーダ12は、この転がり軸受9を構成する内輪を介して、前記トルク伝達軸8の軸方向他端寄り部分に間接的に支持されている。この為、前記第一エンコーダ12は、このトルク伝達軸8の軸方向他端寄り部分と共に(同期して)回転可能である。これに対し、前記第二エンコーダ13は、前記内軸11のうちで、前記トルク伝達軸8の軸方向他端開口から軸方向他側に突出した部分(軸方向他端部)に外嵌固定されている。言い換えれば、前記第二エンコーダ13は、前記内軸11を介して、前記トルク伝達軸8の軸方向一端部に間接的に支持されている。この為、前記第二エンコーダ13は、このトルク伝達軸8の軸方向一端部と共に(同期して)回転可能である。
又、前記第一、第二両エンコーダ12、13は、前記転がり軸受9を構成する内輪又は前記内軸11の軸方向他端部に支持固定される、磁性金属板から造られた断面クランク形で円環状の支持環17、18と、これら各支持環17、18の外周面に固定された、円筒状の永久磁石製のエンコーダ本体19、20とから成る。尚、これらエンコーダ本体19、20中に含有する磁性粉としては、例えば、ストロンチウムフェライト、バリウムフェライト等のフェライト系の磁性粉や、サマリウム−鉄、サマリウム−コバルト、ネオジウム−鉄−ボロン等の希土類元素の磁性粉を採用できる。そして、前記第一エンコーダ12を構成するエンコーダ本体19の外周面を、被検出面である第一被検出部21とし、又、前記第二エンコーダ13を構成するエンコーダ本体20の外周面を、被検出面である第二被検出部22としている。これら第一、第二両被検出部21、22は、互いの直径が等しく、互いに同心に、且つ、軸方向に隣り合う状態で近接(例えば軸方向に10mm以内、好ましくは5mm以内の間隔をあけて)配置されている。又、前記第一、第二両被検出部21、22には、それぞれS極とN極とが、周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されている。又、これら第一、第二両被検出部21、22に関して、周方向に隣り合うS極とN極との境界は、これら第一、第二両被検出部21、22の幅方向(軸方向)と平行な直線状になっている。又、これら第一、第二両被検出部21、22の磁極(S極、N極)の総数は、互いに一致している。尚、図示は省略するが、第一エンコーダを、トルク伝達軸8の軸方向他端部に、直接外嵌固定する構造を採用する事もできる。
前記センサユニット14は、合成樹脂製のホルダ23と、このホルダ23の先端部に軸方向に隣接する状態で包埋(保持)された、第一、第二両センサ24、25と、1本のハーネス26とを備える。これら第一、第二両センサ24、25のそれぞれの検出部には、図2に示す様な差動式ホールIC4aが組み込まれており、前記ホルダ23を前記転がり軸受9を構成する外輪に支持固定した状態で、このうちの第一センサ24の検出部に組み込まれた差動式ホールIC4aを、前記第一被検出部21に、前記第二センサ25の検出部に組み込まれた差動式ホールIC4aを、前記第二被検出部22に、それぞれ近接対向させている。前記第一、第二両センサ24、25の検出部に組み込まれた差動式ホールIC4aは、それぞれが磁気検出素子である1対のホール素子5、5と、図示しない信号処理部とを備える。このうちの1対のホール素子5、5は、前記第一被検出部21(又は前記第二被検出部22)と径方向(図2の上下方向)に対向する部分に、この第一被検出部21(又は第二被検出部22)の周方向(回転方向。図2の左右方向)に離隔して配置されている。又、前記信号処理部は、前記図7の(A)に示す様な、前記両ホール素子5、5が検出する磁束密度(ホール素子5の検出面を通過する磁束/ホール素子5の検出面の面積)の差である差動磁束密度を表す信号を生成する。そして、この差動磁束密度を表す信号と互いに異なる2種類の閾値(動作磁束密度Bop、復帰磁束密度Brp)とを比較する事により、前記図7の(B)に示す様な、High・Lowのディジタル信号を出力する。
又、本例の場合には、後述する回転速度やトルクの測定精度(前記第一、第二各センサ24、25の検出精度)を十分に確保する為に、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADを大きくする為の工夫をしている。具体的には、前記第一、第二各被検出部21、22の周方向に関する、前記S極及びN極のそれぞれの幅を磁極幅WMとし、この周方向に関する、前記第一、第二各センサ24、25の検出部に組み込んだ前記1対のホール素子5、5同士の間隔をセンサピッチPSとした場合に、前記磁極幅WMをこのセンサピッチPSよりも大きくしている。この点に就いて、以下、図2を参照しつつ説明する。
図2の(A)〜(E)は、前記第一被検出部21(又は前記第二被検出部22)と前記1対のホール素子5、5との径方向に関する対向間隔、及び、前記センサピッチPSを、それぞれ一定の大きさに保持したまま、前記磁極幅WMの大きさを、(A)<(B)<(C)<(D)<(E)の大小関係が成立する様に変えたときの、前記第一被検出部21(又は前記第二被検出部22)から出入りして前記両ホール素子5、5を通過する磁束(これら両ホール素子5、5が検出する磁束密度)の変化と、これら両ホール素子5、5が検出する磁束密度の差である前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADの変化とを示している。
先ず、図2の(B)に示す様に、前記磁極幅WMを前記センサピッチPSと等しく(WM=PS)すると、前記両ホール素子5、5のうちの一方{図2の(B)の右方}のホール素子5が、この一方のホール素子5を通過する磁束が最も少なくなる(この一方のホール素子5が検出する磁束密度が最も小さくなる)、前記S極の中心部に対向した状態で、他方{図2の(B)の左方}のホール素子5が、この他方のホール素子5を通過する磁束が最も多くなる(この他方のホール素子5が検出する磁束密度が最も大きくなる)、前記N極の中心部に対向する。この場合の前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADは、前記両ホール素子5、5を通過する磁束の量(これら両ホール素子5、5が検出する磁束密度)を表す曲線の振幅の2倍(山頂部の値と谷底部の値との差)となる。従来は、この様な構成を採用する事が、この振幅ADを十分に大きくする上で最も効果的であると考えられていた。
ところが、前記第一、第二各センサ24、25の検出部に組み込む差動式ホールIC4aとして汎用性が高い市規格品を使用する等の理由により、前記センサピッチPSが所定の大きさに決まっている場合には、上述の様な構成を採用する事、即ち、前記磁極幅WMを、このセンサピッチPSと等しく(WM=PS)する構成を採用する事が、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADを十分に大きくする上で必ずしも効果的であるとは言えない事が、本発明者の研究により分かった。
即ち、図2の(A)〜(E)に示す様に、前記ホール素子5が、このホール素子5を通過する磁束が最も多くなるN極に対向した状態では、このホール素子5を通過する磁束{このホール素子5が検出する磁束密度の最大値(ピーク値)}は、前記磁極幅WMが大きくなる程多く(大きく)、この磁極幅WMが小さくなる程少なく(小さく)なる。
この為、前記第一被検出部21(又は前記第二被検出部22)と前記1対のホール素子5、5との対向間隔、及び、前記センサピッチPSを、それぞれ一定の大きさに保持したまま、前記磁極幅WMをこのセンサピッチPSと等しい大きさから徐々に増大させると、この磁極幅WMが所定の範囲{図2に示した例では、この磁極幅WMが、(B)の場合よりも大きく、且つ、(D)の場合よりも小さくなる範囲}内に収まっている場合には、例えば図2の(C)に示す様に、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADが、基準振幅AS[磁極幅WMとセンサピッチPSとを互いに等しくした場合{図2の(B)の場合}に於ける振幅AD]よりも大きく(AD>AS)なる。又、前記所定の範囲では、前記磁極幅WMを前記センサピッチPSと等しい大きさから増大させる過程で、最初のうち、前記振幅ADはこの磁極幅WMが大きくなる程大きくなるが、この磁極幅WMが或る大きさに達したところで前記振幅ADは最大(ピーク値)に達し、それ以降、この振幅ADはこの磁極幅WMが大きくなる程小さくなる。そして、前記磁極幅WMが当該範囲よりも大きくなると、図2の(D)に示す様に、前記振幅ADは再び前記基準振幅ASと等しく(AD=AS)なる。そして、それ以降も、この振幅ADは、前記磁極幅WMが大きくなる程小さくなり、例えば図2の(E)に示す様に、前記基準振幅ASよりも小さく(AD<AS)なる。
これに対し、前記第一被検出部21(又は前記第二被検出部22)と前記1対のホール素子5、5との対向間隔、及び、前記センサピッチPSを、それぞれ一定の大きさに保持したまま、前記磁極幅WMをこのセンサピッチPSと等しい大きさから減少させると、上述の様な関係(この磁極幅WMと前記磁束密度との関係)が成立する事に起因して、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADは、前記磁極幅WMが小さくなる程小さくなり、例えば図2の(A)に示す様に、前記基準振幅ASよりも小さく(AD<AS)なる。
以上の事から、本例の場合には、前記磁極幅WMを前記センサピッチPSと等しくした場合の前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADを、基準振幅ASとした場合に、前記第一被検出部21(又は前記第二被検出部22)と前記1対のホール素子5、5との径方向に関する対向間隔、及び、前記センサピッチPSを、それぞれ一定の大きさに保持したまま、前記磁極幅WMをこのセンサピッチPSと等しい大きさから増大させる事に基づいて、前記第一被検出部21(又は前記第二被検出部22)の各N極から出る磁束(各S極に入る磁束)を増大させていった場合に、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADが前記基準振幅ASよりも大きくなる範囲内で、前記磁極幅WMの大きさを設定する。この磁極幅WMは、前記所定の範囲内で前記振幅ADが最大となる値とする事が、前記振幅ADを大きくして前記第一、第二各センサ24、25の検出精度の向上を図る面からは最も好ましい。但し、前記磁極幅WMを徒に大きくすると、前記第一、第二各エンコーダ12、13の磁極数が減少し、前記第一、第二各センサ24、25の分解能が低下する。そこで、本例の場合には、前記磁極幅WMを、前記所定の範囲内で前記振幅ADが最大となる磁極幅と、必要となる前記第一、第二各センサ24、25の分解能を確保できる範囲内での最大磁極幅(分解能を必要最低限の大きさとした場合に於ける磁極幅)とのうちの小さい方に設定する。ここで、前記所定の範囲は、前記第一、第二各エンコーダ12、13及び前記第一、第二各センサ24、25の仕様{前記センサピッチPS、前記第一被検出部21(又は前記第二被検出部22)と前記1対のホール素子5、5との対向間隔等}に基づいて、シミュレーションにより調べる事ができる。例えば、図2に示した例では、(D)に示す場合、即ち、前記磁極幅WMを前記センサピッチPSの2倍(WM=2PS)とした場合に、前記一方のホール素子5が前記S極の中心部(前記磁束密度を表す曲線の谷底部に対応する位置)に対向した状態で、前記他方のホール素子5が前記S極と前記N極との境界(前記磁束密度を表す曲線の変曲点に対応する位置)に対向した状態となり、前記振幅ADが再び前記基準振幅ASと等しく(AD=AS)なっている。この様な本例の回転装置の場合には、前記磁極幅Wを、前記センサピッチPSよりも大きく、このセンサピッチPSの2倍よりも小さい範囲(PS<W<2PS)で、且つ、必要とする分解能を確保できる値に設定する。尚、エンコーダやセンサ装置の仕様によっては、前記磁極幅WMを前記センサピッチPSの2倍よりも大きく(又は小さく)した場合に、前記振幅ADが再び前記基準振幅ASと等しく(AD=AS)なる場合もあり得る。
何れにしても、本例の場合、前記第一センサ24は、前記第一被検出部21の磁気特性変化に対応して出力信号を変化させ、又、前記第二センサ25は、前記第二被検出部22の磁気特性変化に対応して出力信号を変化させる。本例の場合には、この様な第一、第二両センサ24、25の出力信号を、前記ホルダ23から軸方向に引き出された1本のハーネス26を通じて、図示しない演算器に送信する。又、図示の構造の場合、前記ホルダ23は、前記転がり軸受9を構成する外輪の軸方向他端面に支持固定されている。尚、図示は省略するが、センサユニットを構成するホルダを、ハウジングに支持する構造を採用する事もできる。
以上の様な構成を有する本例のトルク測定装置付回転伝達装置7の場合、前記センサユニット14を構成する第一、第二両センサ24、25の出力信号{それぞれが図7の(B)に示す様な、前記差動式ホールIC4aの出力信号(High・Lowのディジタル信号)}は、前記トルク伝達軸8と共に前記第一、第二両エンコーダ12、13が回転する事に伴い、それぞれ周期的に変化する。ここで、この変化の周波数(及び周期)は、前記トルク伝達軸8の回転速度に見合った値をとる。従って、これら周波数(又は周期)と回転速度との関係を予め調べておけば、この周波数(又は周期)に基づいて、この回転速度を求められる。又、前記トルク伝達軸8によりトルクを伝達する際には、前記スプライン部15と前記出力歯車10との間部分が弾性的に捩れ変形する事に伴い、前記トルク伝達軸8の軸方向両端部同士(第一、第二両エンコーダ12、13同士)が回転方向に相対変位する。そして、この様に第一、第二両エンコーダ12、13同士が回転方向に相対変位する結果、前記第一、第二両センサ24、25の出力信号同士の間の位相差比(=位相差/1周期)が変化する。ここで、この位相差比は、前記トルクに見合った値をとる。従って、この位相差比に基づいて、このトルクを算出する事ができる。尚、この算出処理は、前記演算器により行う。この為、この演算器には、予め理論計算や実験により調べておいた、前記位相差比と前記トルクとの関係を、計算式やマップ等の型式で組み込んでおく。
特に、本例のトルク測定装置付回転伝達装置7によれば、前記第一、第二各センサ24、25の検出部に組み込まれる差動式ホールIC4aを構成する1対のホール素子5、5のセンサピッチPSが所定の大きさに決まっている場合でも、これら1対のホール素子5、5が検出する磁束密度の差である差動磁束密度を表す信号の振幅ADを大きくできて、前記第一、第二各センサ24、25の検出精度を向上させる事ができる。従って、これら第一、第二各センサ24、25の出力信号を利用した、前記回転速度及び前記トルクの測定精度を向上させる事ができる。
又、本例のトルク測定装置付回転伝達装置7によれば、センサの取り付け作業性を良好にできると共に、ハーネスの配線作業の簡略化を図れ、コスト及び重量の低減を図れる。
即ち、本例の場合には、前記トルク伝達軸8の軸方向一端部の位相を、このトルク伝達軸8の内径側に配置され、その軸方向他端部がこのトルク伝達軸8の軸方向他端開口から突出した前記内軸11に伝達する事ができる。この為、このトルク伝達軸8の軸方向他端部の位相を検出する為の前記第一エンコーダ12と、このトルク伝達軸8の軸方向一端部の位相を検出する為の第二エンコーダ13とを、このトルク伝達軸8の軸方向に関して他端側部分に隣接配置する(まとめて配置する)事ができる。従って、本例の場合には、前記第一、第二両センサ24、25を前記ホルダ23に保持した1個のセンサユニット14を使用できる為、センサの取り付け作業性を良好にできる。具体的には、前記ホルダ23を、前記転がり軸受9を構成する外輪に取り付ける作業を1回行うだけで、前記第一、第二両センサ24、25を高精度に位置決めする事ができる。又、ハーネスの本数を2本から1本に減らす事ができる為、ハーネスの配線作業の簡略化を図れる(取り回し性を良好にできる)と共に、コスト及び重量の低減を図れる。
[実施の形態の第2例]
図3〜4により、本発明の実施の形態の第2例に就いて説明する。
回転装置である、本例のトルク測定装置付回転伝達装置7aは、図示しないハウジング(ミッションケース)と、インプットシャフト(又はカウンタシャフト)として機能する中空状(中空筒状)のトルク伝達軸8と、転がり軸受9と、出力歯車10と、1個のエンコーダ27と、センサ装置である1個のセンサユニット14とを備える。
前記エンコーダ27は、前記転がり軸受9を構成する内輪に支持固定される、磁性金属板から造られた断面クランク形で円環状の支持環28と、この支持環28の外周面に全周に亙り固定された、円環状で永久磁石製のエンコーダ本体29とから構成されている。被検出面である、このエンコーダ本体29の外周面には、S極とN極とが周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されており、周方向に隣り合う、これらS極とN極との境界は、幅方向(軸方向)中央部が周方向に関して最も突出した(又は凹んだ)V字形になっている。そして、前記エンコーダ本体29の外周面のうち、幅方向片半部(図3、4の右半部)を、この幅方向に対して前記境界が所定方向に所定角度傾斜した第一被検出部30とし、幅方向他半部(図3、4の左半部)を、この幅方向に対して前記境界が前記所定方向とは逆方向に前記所定角度と同角度だけ傾斜した第二被検出部31としている。即ち、本例の場合には、前記エンコーダ本体29の外周面に、前記第一被検出部30と前記第二被検出部31とが、幅方向に関して複列に設けられている。尚、図示は省略するが、エンコーダを、トルク伝達軸8の軸方向他端部に、直接外嵌固定する構造を採用する事もできる。
本例の場合には、前記トルク測定装置付回転伝達装置7a全体として、1個のエンコーダ27のみを用いており、このエンコーダ27に、前記第一被検出部30と前記第二被検出部31とを設けている。この為、前記トルク伝達軸8の内側には、前記実施の形態の第1例の構造の様に、内軸11は設けていない。従って、図示は省略するが、トルク伝達軸を中実状とする事もできる。
又、本例の場合にも、前記センサユニット14を構成するホルダ23を、前記トルク伝達軸8の軸方向他端寄り部分を回転自在に支持する転がり軸受9を構成する外輪に対して支持固定している。そして、この状態で、前記ホルダ23の先端部に包埋された第一、第二センサ24、25のうち、第一センサ24の検出部に組み込まれた差動式ホールIC4a(図2参照)を、前記第一被検出部30に、前記第二センサ25の検出部に組み込まれた差動式ホールIC4a(図2参照)を、前記第二被検出部31に、それぞれ上述した実施の形態の第1例の場合と同様の態様で、近接対向させている。又、前記第一、第二両センサ24、25の検出部が、前記エンコーダ27の外周面に対向する位置は、このエンコーダ27の周方向に関して同じ位置としている。尚、図示は省略するが、センサユニットを構成するホルダを、ハウジングに対して支持固定する事もできる。又、第一、第二両センサの検出部が、エンコーダの外周面に対向する位置を、このエンコーダの周方向に関して互いにずらせる事もできる。
又、本例の場合も、後述するトルクの測定精度(前記第一、第二各センサ24、25の検出精度)を十分に確保する為に、前記第一、第二各被検出部30、31の周方向に関する、前記S極及びN極のそれぞれの幅を磁極幅WMとし、この周方向に関する、前記第一、第二各センサ24、25の検出部に組み込んだ差動式ホールIC4aを構成する1対のホール素子5、5(図2参照)同士の周方向間隔をセンサピッチPSとした場合に、これら磁極幅WMとセンサピッチPSとの関係を、上述した実施の形態の第1例の場合と同じ様に規制している。
又、前記トルク伝達軸8は、図示しないハウジングに対して、前記転がり軸受9により回転自在に支持されており、この転がり軸受9には予圧(初期設定予圧)が付与されている。又、前記トルク伝達軸8によりトルクを伝達する際に、このトルク伝達軸8は、軸方向中間部に設けられたはすば歯車である出力歯車10と、図示しない相手歯車である別のはすば歯車との噛合部に作用する反力のうち、アキシアル方向(軸方向)の分力(アキシアル荷重)に基づき、アキシアル方向に変位する。
以上の様な構成を有する本例のトルク測定装置付回転伝達装置7aの場合、前記トルク伝達軸8に前記アキシアル荷重が作用する事に基づいて、前記ハウジングとこのトルク伝達軸8とが軸方向に相対変位すると、前記第一、第二両被検出部30、31に対する前記両センサ24、25の検出部の走査位置が軸方向にずれる。この結果、これら両センサ24、25の出力信号{それぞれが図7の(B)に示す様な、差動式ホールIC4aの出力信号(High・Lowのディジタル信号)}同士の間の位相差比(=位相差/1周期)が変化する。この場合に、この位相差比は、前記トルク(前記アキシアル荷重)に見合った値をとる。従って、この位相差比に基づいて、このトルク(アキシアル荷重)を算出する事ができる。尚、この算出処理は、図示しない演算器により行う。この為、この演算器には、予め理論計算や実験により調べておいた、前記位相差比と前記トルク(アキシアル荷重)との関係を、計算式やマップ等の型式で組み込んでおく。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記トルク測定装置付回転伝達装置7a全体として、1個のエンコーダ27を使用するのみで、前記トルク伝達軸8が伝達するトルクを求める事ができる。この為、部品点数の削減に伴うコストの低減を図れる。又、前記トルク伝達軸8の内径側に、内軸11(図1〜4参照)を配置しなくて済む為、このトルク伝達軸8の設計の自由度を向上できる。更には、このトルク伝達軸8の強度確保を図る面からも有利になる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の回転装置を構成する回転部材は、自動車のパワートレインを構成する回転軸に限らず、例えば、風車の回転軸(主軸、増速器の回転軸)、圧延機のロールネック、鉄道車両の回転軸(車軸、減速機の回転軸)、車両の車輪支持用軸受ユニットのハブ、工作機械の回転軸(主軸、送り系の回転軸)、建設機械・農業機械・家庭用電気器具・モータの回転軸等、各種機械装置の回転軸を対象にする事ができる。又、自動車のパワートレインを構成する場合には、例えば、トルクコンバータからトルクが入力されるインプットシャフト(タービンシャフト)や、カウンタシャフトを対象とする事ができる。
又、本発明の回転装置を組み込んで変速機を構成する場合の変速機の形式は、特に限定されず、オートマチックトランスミッション(AT)、ベルト式やトロイダル式等の各種無段変速機(CVT)、オートメーテッドマニュアルトランスミッション(AMT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)、トランスファー等、車側の制御により変速を行う変速機を採用できる。又、変速機の設置位置と駆動輪との関係は特に限定されず、前置エンジン前輪駆動車(FF車)、前置エンジン後輪駆動車(FR車)、及び、四輪駆動車等が対象となる。又、前記変速機の上流側に置かれる動力源は、必ずしもガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である必要はなく、例えばハイブリッド車や電気自動車に用いられる電動モータであっても良い。
又、本発明を実施する場合、エンコーダの被検出面は、円筒面ではなく、円輪面として、センサ装置の検出部を軸方向に対向させる事もできる。
1 トルク伝達軸
2 エンコーダ
3 センサ
4、4a 差動式ホールIC
5 ホール素子
6 被検出面
7 トルク測定装置付回転伝達装置
8 トルク伝達軸
9 転がり軸受
10 出力歯車
11 内軸
12 第一エンコーダ
13 第二エンコーダ
14 センサユニット
15 スプライン部
16 大径部
17 支持環
18 支持環
19 エンコーダ本体
20 エンコーダ本体
21 第一被検出部
22 第二被検出部
23 ホルダ
24 第一センサ
25 第二センサ
26 ハーネス
27 エンコーダ
28 支持環
29 エンコーダ本体
30 第一被検出部
31 第二被検出部

Claims (2)

  1. 使用時に回転する回転部材と、エンコーダと、センサ装置とを備え、
    このうちのエンコーダは、前記回転部材に支持され、この回転部材と同心の被検出面を有すると共に、この被検出面にS極とN極とを周方向に関して交互に且つ等ピッチで配置されており、
    前記センサ装置は、検出部を前記被検出面に対向させた状態で、使用時にも回転しない部分に支持され、この検出部は、前記被検出面の周方向に離隔して配置された1対の磁気検出素子を備えると共に、これら両磁気検出素子が検出する磁束密度の差である差動磁束密度を表す信号、又は、この差動磁束密度を表す信号と互いに異なる2種類の閾値とを比較する事で生成したディジタル信号を出力する、
    回転装置であって、
    前記S極及び前記N極のそれぞれの周方向幅を、磁極幅WMとし、
    前記被検出面の周方向に関する前記両磁気検出素子同士の間隔を、センサピッチPSとし、
    前記磁極幅WMを前記センサピッチPSと等しくした場合に於ける前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADを、基準振幅ASとした場合に、
    前記磁極幅WMが、前記センサピッチPSよりも大きい範囲であって、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADを前記基準振幅ASよりも大きくできる範囲に設定されている事を特徴とする、
    回転装置。
  2. 前記磁極幅Wが、前記センサピッチPよりも大きい範囲であって、前記差動磁束密度を表す信号の振幅ADが最大である場合に於ける磁極幅と、必要とする分解能を確保できる範囲内での最大磁極幅とのうちの小さい方に設定されている、請求項1に記載した回転装置。
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