JP2007093452A - ドライブシャフトの軸トルク測定方法および測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドライブシャフトに作用する軸トルクを正確に測定できる軸トルク測定方法、および測定装置を提供する。
【解決手段】各等速ジョイント2,3のいずれか一方の外輪2a,3aにセンサーターゲット5を取り付け、このセンサーターゲット5に対向して設けた第1のセンサ6によって回転パルス信号を検出する。両等速ジョイント2,3の外輪2a,3aに、前記センサーターゲット5または別の部材からなる印付き部材41,42を設け、これら印付き部材41,42は、円周上に等配して印43,44を付けたものとする。各印43,44の配列に対向して設けた第2のセンサ8,9によって各印41,42を検出する。アウトボード側の第2のセンサ9の検出パルスとインボード側の第2のセンサ8の検出パルス間における前記回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフト1に生じたねじれ角を測定し、このねじれ角を演算して軸トルクを求める。
【選択図】図2
【解決手段】各等速ジョイント2,3のいずれか一方の外輪2a,3aにセンサーターゲット5を取り付け、このセンサーターゲット5に対向して設けた第1のセンサ6によって回転パルス信号を検出する。両等速ジョイント2,3の外輪2a,3aに、前記センサーターゲット5または別の部材からなる印付き部材41,42を設け、これら印付き部材41,42は、円周上に等配して印43,44を付けたものとする。各印43,44の配列に対向して設けた第2のセンサ8,9によって各印41,42を検出する。アウトボード側の第2のセンサ9の検出パルスとインボード側の第2のセンサ8の検出パルス間における前記回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフト1に生じたねじれ角を測定し、このねじれ角を演算して軸トルクを求める。
【選択図】図2
Description
この発明は、自動車のエンジンの動力を車輪に伝達する役目を持っている駆動輪車軸、すなわちドライブシャフトにおいて、その軸トルクを測定する方法および装置に関する。このようなドライブシャフトとしては、前輪駆動車の前車軸、後輪駆動車の後車軸、全輪駆動車の全車軸が該当する。
独立懸架方式のサスペンションを採用する自動車のドライブシャフトでは、サスペンションの動きに追随しながら駆動力を伝達する必要がある。このため、ドライブシャフトの一端は等速ジョイントを介してディファレンシャルと連結され、他端は等速ジョイントを介して車軸(アクスル)と連結される。このようにしてドライブシャフトはエンジンの動力を車輪まで伝える駆動系統に組み込まれ、エンジンの動力は最終的にドライブシャフトによって車輪に伝えられる。
また、最近の自動車はあらゆる部分に電子制御技術が導入されており、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントールシステム(TCS)、ノンスリップデフ(LSD)などの走行制御では車輪速信号が利用されている。このために、通常、ドライブシャフトのアウトボード側(アクスル側)にABS(アンチロックブレーキシステム)制御用のパルサーリングが設けられ、車輪の回転に伴い歯車状のパルサーリングが回転すると、それに近接して車体側に設置された電磁ピックアップに車輪回転数に比例した周波数のパルスが発生するようになっている。
また、最近の自動車はあらゆる部分に電子制御技術が導入されており、アンチロックブレーキシステム(ABS)、トラクションコントールシステム(TCS)、ノンスリップデフ(LSD)などの走行制御では車輪速信号が利用されている。このために、通常、ドライブシャフトのアウトボード側(アクスル側)にABS(アンチロックブレーキシステム)制御用のパルサーリングが設けられ、車輪の回転に伴い歯車状のパルサーリングが回転すると、それに近接して車体側に設置された電磁ピックアップに車輪回転数に比例した周波数のパルスが発生するようになっている。
特許文献1において、両端に等速ジョイントを具備した自動車のドライブシャフトであって、各等速ジョイントすなわちインボード側、アウトボード側のそれぞれの等速ジョイントの外輪にパルサーリングを取り付け、両パルサーリングによって発生する回転信号を検出し、ドライブシャフトに生じたねじれに対応する回転信号の位相差を演算処理して軸トルクを求めるドライブシャフトの軸トルク測定方法が示されている。
また、求めた軸トルク信号に基づいてエンジンの出力を制御することにより、過大トルクの発生を防止し、この過大トルトの発生防止によってドライブシャフトの軸径および等速ジョイントのサイズダウンによる軽量化を図ることが開示されている。
特開平7−63628号公報
また、求めた軸トルク信号に基づいてエンジンの出力を制御することにより、過大トルクの発生を防止し、この過大トルトの発生防止によってドライブシャフトの軸径および等速ジョイントのサイズダウンによる軽量化を図ることが開示されている。
自動車に使用されるドライブシャフトの等速ジョイントは、自動車の急発進や急加速時等の過大トルクが発生してもこれに十分耐えられる強度が要求される。そのため、軸径やジョイント外径は大きく、重量も重くならざるを得ない。
一方、燃費改善には車体の軽量化が非常に効果的であり、ドライブシャフトも軽量化の必要にせまられている。
一方、燃費改善には車体の軽量化が非常に効果的であり、ドライブシャフトも軽量化の必要にせまられている。
この軽量化を図るには、ドライブシャフトに作用する軸トルクを正確に測定し、特許文献1に示されるように、求めた軸トルクでエンジン出力を制御し、過大トルクの発生を防止することが効果的である。
しかし、特許文献1には、上記のように両側の等速ジョイントの位相差によってドライブシャフトの軸トルクを求める方法が開示されているが、その位相差を測定する具体的な記述がなく、正確なトルクを測定する方法の確立が望まれていた。
しかし、特許文献1には、上記のように両側の等速ジョイントの位相差によってドライブシャフトの軸トルクを求める方法が開示されているが、その位相差を測定する具体的な記述がなく、正確なトルクを測定する方法の確立が望まれていた。
また、低μ(摩擦係数)路での走行では、タイヤのスリップが発生しやすく、タイヤ進行方向における路面−タイヤ間作用力が測定できれば、この測定データを利用して、車体制御によってこれを事前に防止も可能となる。そのため、この路面−タイヤ間作用力を測定できる方法の確立についても望まれる。
この発明の目的は、ドライブシャフトに作用する軸トルクを正確に測定できて、ドライブシャフトの軽量化に貢献でき、さらに、路面−タイヤ間の作用力の推定を可能とするドライブシャフトの軸トルク測定方法、および測定装置を提供することである。
この発明のドライブシャフトの軸トルク測定方法は、両端にて等速ジョイントを介して自動車の駆動系統に接続されるドライブシャフトのいずれか一方の等速ジョイントの外輪にセンサーターゲットを取り付け、このセンサーターゲットに対向して設けた第1のセンサによってセンサーターゲットを検出し発生する回転パルス信号を検出し、
前記ドライブシャフトの両端の等速ジョイントの外輪に、前記センサーターゲットまたは別の部材からなる印付き部材を設け、これら印付き部材は、互いに同じ間隔で円周上に等配して印を付けたものとし、これら各印の配列に対向してそれぞれ設けた第2のセンサによって各印を検出し、アウトボード側の第2のセンサの検出パルスとインボード側の第2のセンサの検出パルス間における前記回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフトに生じたねじれ角を測定し、この測定されたねじれ角を演算して軸トルクを求め、
さらに、設定した測定する最小分解能の軸トルクが作用した場合に相当するねじれ角度をSdeg 、第1のセンサのセンサーターゲット1回転におけるパルス数をAとすると、
S>(180/A)の関係とすることを特徴とする。上記の設定した測定する最小分解能は、適宜想定した測定する最小分解能とすれば良い。
前記ドライブシャフトの両端の等速ジョイントの外輪に、前記センサーターゲットまたは別の部材からなる印付き部材を設け、これら印付き部材は、互いに同じ間隔で円周上に等配して印を付けたものとし、これら各印の配列に対向してそれぞれ設けた第2のセンサによって各印を検出し、アウトボード側の第2のセンサの検出パルスとインボード側の第2のセンサの検出パルス間における前記回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフトに生じたねじれ角を測定し、この測定されたねじれ角を演算して軸トルクを求め、
さらに、設定した測定する最小分解能の軸トルクが作用した場合に相当するねじれ角度をSdeg 、第1のセンサのセンサーターゲット1回転におけるパルス数をAとすると、
S>(180/A)の関係とすることを特徴とする。上記の設定した測定する最小分解能は、適宜想定した測定する最小分解能とすれば良い。
ドライブシャフト両端の各等速ジョイントの外輪に印付き部材を設け、これら印付き部材の各印の配列に対向してそれぞれ第2のセンサを設けておけば、トルクによってドライブシャフトがねじれたとき、そのねじれは両側の印付き部材の印の配列によって発生するパルスの位相差となって現われる。
アウトボード側の第2のセンサの検出パルスとインボード側の第2のセンサの検出パルス間における、ドライブシャフトの回転速度に対応した回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフトに生じたねじれ角を検出することが可能となる。ドライブシャフトの回転速度に対応した回転パルス信号は、いずれか一方の等速ジョイントの外輪に取り付けられたセンサーターゲットを第1のセンサで検出することにより得られる。この場合に、ねじれ角度測定の分解能を考慮して、第1のセンサのセンサーターゲット1回転におけるパルス数を定めることで、正確に前記ねじれ角度の検出が行える。
このようにして、ドライブシャフトに生じたねじれに対応する回転信号の位相差を正確に求めることができ、この位相差を演算処理して軸トルクを求める。
アウトボード側の第2のセンサの検出パルスとインボード側の第2のセンサの検出パルス間における、ドライブシャフトの回転速度に対応した回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフトに生じたねじれ角を検出することが可能となる。ドライブシャフトの回転速度に対応した回転パルス信号は、いずれか一方の等速ジョイントの外輪に取り付けられたセンサーターゲットを第1のセンサで検出することにより得られる。この場合に、ねじれ角度測定の分解能を考慮して、第1のセンサのセンサーターゲット1回転におけるパルス数を定めることで、正確に前記ねじれ角度の検出が行える。
このようにして、ドライブシャフトに生じたねじれに対応する回転信号の位相差を正確に求めることができ、この位相差を演算処理して軸トルクを求める。
求めた軸トルクの信号に基づいてエンジンの出力を制御し、過大トルクの発生を抑えることにより、等速ジョイントのサイズダウン、軽量化を図ることができる。
軸トルクを測定することで、タイヤ進行方向における路面−タイヤ間作用力の推定が可能となる。低μ路での走行では、タイヤのスリップが発生し易いが、タイヤ進行方向における路面−タイヤ間作用力が測定できれば、この測定データを利用して、車体制御によってこれを事前に防止することが可能となる。
軸トルクを測定することで、タイヤ進行方向における路面−タイヤ間作用力の推定が可能となる。低μ路での走行では、タイヤのスリップが発生し易いが、タイヤ進行方向における路面−タイヤ間作用力が測定できれば、この測定データを利用して、車体制御によってこれを事前に防止することが可能となる。
前記センサーターゲットおよびこれに対向する第1のセンサからなる回転検出器としては、ABS制御用に一方の等速ジョイントに設けられるものを用いても良い。
この発明方法において、測定する最大のねじれ角度をBdeg とすると、前記各外輪の円周上に等配した印における円周方向に隣接する印間の成す角度が、2×Bdeg 以上の角度差を有するものとしても良い。
このように隣接する印間の成す角度と測定する最大のねじれ角度Bの関係を規制することにより、第2のセンサの検出パルスの誤検出が回避されて、ねじれを推定する計算方法が簡便化され、軸トルク検出の信頼がアップする。
このように隣接する印間の成す角度と測定する最大のねじれ角度Bの関係を規制することにより、第2のセンサの検出パルスの誤検出が回避されて、ねじれを推定する計算方法が簡便化され、軸トルク検出の信頼がアップする。
アウトボード側の印を検出する第2のセンサ出力とインボード側の印を検出する第2のセンサ出力とは、前記ドライブシャフトにトルクが作用していない状態で、位相差がゼロとなるように、前記印付き部材の外輪への固定、または第2のセンサの位相角を設定しても良い。
これにより、ドライブシャフトにトルクが作用していない状態で位相差が検出されることが回避できる。
これにより、ドライブシャフトにトルクが作用していない状態で位相差が検出されることが回避できる。
また、各センサによる検出よりも前に、予め、両等速ジョイントの外輪間のトルクと前記位相差の関係を測定もしくは計算により求めておき、この求めておいたトルクと位相差の関係により、軸トルク測定時の位相差の測定結果を補正するようにしても良い。
この補正により、軸トルク検出の精度、信頼性が向上する。
この補正により、軸トルク検出の精度、信頼性が向上する。
この発明方法において、測定されたドライブシャフトの軸トルクに相当するドライブシャフトのねじれ角度が、設定した最大のねじれ角度Bdeg 以上となった場合に、異常信号を外部に出力するようにしても良い。
これより、さらなる軸トルク検出の信頼性のアップが図れると同時に、ドライブシャフト1の破損を防止できる。
これより、さらなる軸トルク検出の信頼性のアップが図れると同時に、ドライブシャフト1の破損を防止できる。
また、センサーターゲットに対向し設置される第1のセンサを複数個用い、これら複数のセンサを、所定の間隔に離して固定しても良い。
この場合に、センサーターゲットに対向する第1のセンサの出力から求めた前記ドライブシャフトの回転方向、または外部に設けたセンサによって前記ドライブシャフトの回転方向を検出し、この回転方向の検出結果を元に、軸トルク測定時の位相差の計算式を変更しても良い。
この場合に、センサーターゲットに対向する第1のセンサの出力から求めた前記ドライブシャフトの回転方向、または外部に設けたセンサによって前記ドライブシャフトの回転方向を検出し、この回転方向の検出結果を元に、軸トルク測定時の位相差の計算式を変更しても良い。
この発明において、前記センサーターゲットは円周方向に等配された複数の歯または磁極対を有するものとし、このセンサーターゲットに対向する前記第1のセンサの出力パルスのデューティーをほぼ50%とし、設置されるD個の第1のセンサの出力は互いに(180/D)deg の位相差をもつようにし、さらに、これらD個の第1のセンサの出力によってセンサーターゲットの凹凸または磁極対によるパルス出力をD分割し、このD分割されたパルス出力を、車輪回転速度信号に利用しても良い。例えば、アンチロックブレーキシステムの制御用信号等となる車輪回転速度信号に利用しても良い。
これにより、回転検出の分解能を高めることができ、車輪用軸受に設けられる回転検出装置と同程度の回転検出精度を得ることができる。
これにより、回転検出の分解能を高めることができ、車輪用軸受に設けられる回転検出装置と同程度の回転検出精度を得ることができる。
この場合に、センサーターゲットに対向し設置されるD個の第1のセンサの出力は互いに(180/D)deg の位相差をもつように、前記D個の第1のセンサの位置を設定しても良い。
またこの場合に、センサーターゲットに対向し設置されるD個の第1のセンサの出力は互いに(180/D)deg の位相差をもつように、予め、センサーターゲットに対向する各第1のセンサ出力の測定結果からその位相差を検出して記憶しておき、この記憶しておいた検出値とセンサーターゲットの回転速度によって、第1のセンサの回転検出出力を補正しても良い。
これにより、アンチロックブレーキシステムの制御用等のセンサとしての精度アップを図ることができる。
またこの場合に、センサーターゲットに対向し設置されるD個の第1のセンサの出力は互いに(180/D)deg の位相差をもつように、予め、センサーターゲットに対向する各第1のセンサ出力の測定結果からその位相差を検出して記憶しておき、この記憶しておいた検出値とセンサーターゲットの回転速度によって、第1のセンサの回転検出出力を補正しても良い。
これにより、アンチロックブレーキシステムの制御用等のセンサとしての精度アップを図ることができる。
この発明の自動車の走行制御方法は、この発明の上記いずれかの構成のドライブシャフトの軸トルク測定方法によって求めた軸トルクの信号を、車両走行制御に用いることを特徴とする。
この発明のドライブシャフトの軸トルク測定装置は、両端にて等速ジョイント(2,3)を介して自動車の駆動系統に接続されるドライブシャフト(1)のいずれか一方の等速ジョイント(2,3)の外輪(2a,3a)にセンサーターゲット(5)を取り付け、このセンサーターゲット(5)を検出して回転パルス信号を得る第1のセンサ(6)を前記センサーターゲット(5)に対向して設ける。
前記ドライブシャフト(1)の両端の等速ジョイント(2,3)の外輪(2a,3a)に、前記センサーターゲット(5)または別の部材からなる印付き部材(41,42)を設け、これら印付き部材(41,42)は、互いに同じ間隔で円周上に等配して印(43,44)を付けたものとする。これら各印(43,44)の配列に対向して各印(43,44)を検出する第2のセンサ(8,9)をそれぞれ設ける。
アウトボード側の第2のセンサ(9)の検出パルスとインボード側の第2のセンサ(8)の検出パルス間における前記回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフト(1)に生じたねじれ角を測定するねじれ角測定手段(16)を設ける。
この測定されたねじれ角を演算して軸トルクを求める軸トルク演算手段(13)を設ける。
さらに、設定した測定する最小分解能の軸トルクが作用した場合に相当するねじれ角度をSdeg 、第1のセンサ(6)のセンサーターゲット(5)の1回転におけるパルス数をAとすると、
S>(180/A)の関係とする。
前記ドライブシャフト(1)の両端の等速ジョイント(2,3)の外輪(2a,3a)に、前記センサーターゲット(5)または別の部材からなる印付き部材(41,42)を設け、これら印付き部材(41,42)は、互いに同じ間隔で円周上に等配して印(43,44)を付けたものとする。これら各印(43,44)の配列に対向して各印(43,44)を検出する第2のセンサ(8,9)をそれぞれ設ける。
アウトボード側の第2のセンサ(9)の検出パルスとインボード側の第2のセンサ(8)の検出パルス間における前記回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフト(1)に生じたねじれ角を測定するねじれ角測定手段(16)を設ける。
この測定されたねじれ角を演算して軸トルクを求める軸トルク演算手段(13)を設ける。
さらに、設定した測定する最小分解能の軸トルクが作用した場合に相当するねじれ角度をSdeg 、第1のセンサ(6)のセンサーターゲット(5)の1回転におけるパルス数をAとすると、
S>(180/A)の関係とする。
この発明のドライブシャフトの軸トルク測定方法は、両端にて等速ジョイントを介して自動車の駆動系統に接続されるドライブシャフトのいずれか一方の等速ジョイントの外輪にセンサーターゲットを取り付け、このセンサーターゲットに対向して設けた第1のセンサによってセンサーターゲットを検出し発生する回転パルス信号を検出し、前記ドライブシャフトの両端の等速ジョイントの外輪に、前記センサーターゲットまたは別の部材からなる印付き部材を設け、これら印付き部材は、互いに同じ間隔で円周上に等配して印を付けたものとし、これら各印の配列に対向してそれぞれ設けた第2のセンサによって各印を検出し、アウトボード側の第2のセンサの検出パルスとインボード側の第2のセンサの検出パルス間における前記回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフトに生じたねじれ角を測定し、この測定されたねじれ角を演算して軸トルクを求め、さらに、設定した測定する最小分解能の軸トルクが作用した場合に相当するねじれ角度をSdeg 、第1のセンサのセンサーターゲット1回転におけるパルス数をAとすると、
S>(180/A)の関係とする方法であるため、ドライブシャフトに作用する軸トルクを正確に測定できて、その測定した軸トルクをエンジンの出力制御に用い、過大トルクを防止することにより、ドライブシャフトの軽量化に貢献でき、さらに測定した軸トルクから、路面−タイヤ間の作用力の推定が可能となる。
S>(180/A)の関係とする方法であるため、ドライブシャフトに作用する軸トルクを正確に測定できて、その測定した軸トルクをエンジンの出力制御に用い、過大トルクを防止することにより、ドライブシャフトの軽量化に貢献でき、さらに測定した軸トルクから、路面−タイヤ間の作用力の推定が可能となる。
この発明の一実施形態を、図1ないし図13と共に説明する。図1に示すように、ドライブシャフト1は両端にて等速ジョイント2,3を介して駆動系統に接続される。図示する実施形態の場合、インボード側はトリポード型スライド式等速ジョイント2によりディファレンシャル(図示せず)と連結され、アウトボード側はバーフィールド型固定式等速ジョイント3によりアクスル(図示せず)と連結される。
なお、ドライブシャフト1の両端の等速ジョイントは、図示例のような組合せに限られない。たとえば、前輪駆動車の前車軸すなわち駆動輪前車軸の場合、前輪が操舵されるため、車輪側となるアウトボード側の等速ジョイント2は大きな作動角と共に等速性が要求される。この要求を満たすため、アウトボード側の等速ジョイント2にはバーフィールド型固定式継手(ゼッパ型固定式継手)、トリポード型固定式等速ジョイントなどが用いられる。車体側となるインボード側の等速ジョイント2にはサスペンションの動きを許容する作動角が要求される。この作動角は車輪側等速ジョイント2ほど大きくないが、サスペンションの動きに伴う車体の長さ変化を可能にする必要がある。このためインボード側等速ジョイント2にはバーフィールド型スライド式継手、トリポード型スライド式継手、クロスグローブ型継手などが用いられる。独立懸架方式の駆動輪後車軸は舵取り機能が不要で大きな作動角を必要としないためカルダン継手が使用される場合もある。
インボード側の等速ジョイント2の外輪2aにはABS(アンチロックブレーキシステム)制御用のセンサーターゲット5が取り付けられている。センサーターゲット5は、歯車状のパルサーリングまたはN極とS極の磁極対が円周方向に並べて設けられた磁気エンコーダ等からなる。車体側には、センサーターゲット5に近接する位置に、電磁ピックアップ等からなるセンサ第1の6が設置され、センサーターゲット5が回転すると第1のセンサ6に回転数に比例した周波数のパルスが発生する。対応するセンサーターゲット5と第1のセンサ6とで、回転速度や回転角度を検出する回転検出器7を構成する。
ここで、図1では歯車状のパルサーリングまたは磁気エンコーダからなるセンサーターゲット5と電磁ピックアップからなるセンサ6とで第1のセンサ系を構成したが、いかなるセンサーターゲットを用いても良い。また、第1のセンサ6として、電磁ピックアップの代わりに、光学式センサや他の磁気センサを使用してもよい。なお、アウトボード側の等速ジョイント3の外輪3aにも、アウトボード側と同様なセンサーターゲット(図示せず)を設け、これに対向する第1のセンサ(図示せず)を設けても良い。
ドライブシャフト1の軸トルクの検出のためには、ドライブシャフト1の両端の等速ジョイント2,3の外輪に印付き部材41,42を設け、これら印付き部材41,42は、互いに同じ間隔で円周上に等配して印43,44を付けたものとする。これら各印43,44の配列に対向して各印43,44を検出する第2のセンサ8,9をそれぞれ設ける。印付き部材41,42は、前記センサーターゲット5であっても良く、また別の部材であっても良い。
ここでは、図3に示すように、インボード側の印付き部材41はセンサーターゲット5とし、このセンサーターゲット5における回転検出のための歯または磁極配列とは別の箇所に、同一円周上に等配して前記印43を付けている。図3(A)はセンサーターゲット5を歯車状のパルサーリングとした例であり、図3(B)はセンサーターゲット5をN,Sの磁極対を円周方向に並べたものとした例である。なお、図1,図2では、分かり易くするために、センサーターゲット5に隣接してこのセンサーターゲット5とは別に印付き部材42を設けたように図示してある。
なお、各印付き部材41,42の印43,44は、凸部または凹部や磁極等の磁気的に検出可能なものであっても、また光学的に検出可能なものであっても良い。第2のセンサ8,9は、印43,44の種類に応じて、電磁ピックアップやその他の磁気センサや、光学式センサが用いられる。
図2は、このドライブシャフトの軸トルク測定装置の概念構成を示す。この軸トルク測定装置は、軸トルク演算部11と、前記センサーターゲット5および第1のセンサ6と、インボード側,アウトボード側の印付き部材43,44および第2のセンサ8,9により構成される。
軸トルク演算部11は、上記各第2のセンサ8,9の検出パルスからドライブシャフト1に生じたねじれに対応する位相差を測定する位相差演算処理手段12、および求められた位相差から軸トルクを求める位相差対応軸トルク演算手段13により構成される。
位相差対応軸トルク演算手段13で検出されたドライブシャフト1の軸トルクは、車両走行制御手段31による走行制御に使用される。また、この軸トルク測定装置で検出する回転パルス信号は、アンチロックブレーキシステム32の制御に用いられる。
軸トルク演算部11は、上記各第2のセンサ8,9の検出パルスからドライブシャフト1に生じたねじれに対応する位相差を測定する位相差演算処理手段12、および求められた位相差から軸トルクを求める位相差対応軸トルク演算手段13により構成される。
位相差対応軸トルク演算手段13で検出されたドライブシャフト1の軸トルクは、車両走行制御手段31による走行制御に使用される。また、この軸トルク測定装置で検出する回転パルス信号は、アンチロックブレーキシステム32の制御に用いられる。
位相差演算処理手段12は、その基本的な構成としてねじれ角度測定手段16を有している。ねじれ角度測定手段16は、アウトボード側の第2のセンサ9の検出パルスとインボード側の第2のセンサ8の検出パルス間における、第1のセンサ6の出力する回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフト1に生じたねじれ角を測定する手段である。
位相差演算処理手段12は、この他に、異常判定手段19、回転方向検出手段20、回転方向対応計算式変更手段21、初期位相ずれ補正手段22、トルク・位相差関係補正手段23、パルス分割手段24、およびセンサ位置対応補正手段25を有している。これら各手段19〜25の機能、および前記ねじれ角度測定手段16の詳細については、次に述べる軸トルク測定方法と共に説明する。
位相差演算処理手段12は、この他に、異常判定手段19、回転方向検出手段20、回転方向対応計算式変更手段21、初期位相ずれ補正手段22、トルク・位相差関係補正手段23、パルス分割手段24、およびセンサ位置対応補正手段25を有している。これら各手段19〜25の機能、および前記ねじれ角度測定手段16の詳細については、次に述べる軸トルク測定方法と共に説明する。
上記構成の軸トルク測定装置を用いた軸トルク測定方法を説明する。
自動車の急発進、急加速時においては、駆動系統に発生する軸トルクは大きく、四輪及び二輪車の駆動系統の中でクラッチ部を除く最も剛性の低いところはドライブシャフト1である。そのため、ドライブシャフト1はねじられる。このねじり角度を、第1のセンサ6の回転パルス信号と、インボード側およびアウトボード側の第2のセンサ8,9のパルス信号に基づいて演算し、軸トルクを求める。
自動車の急発進、急加速時においては、駆動系統に発生する軸トルクは大きく、四輪及び二輪車の駆動系統の中でクラッチ部を除く最も剛性の低いところはドライブシャフト1である。そのため、ドライブシャフト1はねじられる。このねじり角度を、第1のセンサ6の回転パルス信号と、インボード側およびアウトボード側の第2のセンサ8,9のパルス信号に基づいて演算し、軸トルクを求める。
図5に示すように、トルクが発生していない場合はドライブシャフト1の両端におけるねじれはなく、第2のセンサ出力も位相が合っている。しかし、トルクが発生するとドライブシャフト1がねじれるため、図6のようにインボード側の第2のセンサ出力よりもアウトボード側の第2のセンサ出力が遅れ、位相差tが生じる。
図6で示されるように、インボード側の第2のセンサ出力パルスからアウトボード側の第2のセンサ出力パルス間の位相差t間に発生する第1のセンサ出力のパルス数Qをカウントすれば、軸トルクは推定できる。すなわち、センサーターゲット5の1回転当たりの第1のセンサ出力パルス数をAとすると、軸トルクは、
K×Q×(A/360) ……(1)
で計算される。ここでKは定数である。
上記位相差t間に発生する第1のセンサ出力のパルス数Qのカウントを、図2のねじれ角度測定手段16が行う。また、求められたパルス数Qを用いた上記の式(1) による軸トルクの演算を、図2の軸トルク演算手段13により行う。
K×Q×(A/360) ……(1)
で計算される。ここでKは定数である。
上記位相差t間に発生する第1のセンサ出力のパルス数Qのカウントを、図2のねじれ角度測定手段16が行う。また、求められたパルス数Qを用いた上記の式(1) による軸トルクの演算を、図2の軸トルク演算手段13により行う。
ここで、一回転中に発生する回転パルス数は多いほど、インボード側の印43の検出パルスとアウトボード側の印44の検出パルスの位相差tの検出によるねじれは、精度良く測定できる。
そこで、想定した測定する最小分解能の軸トルクが作用した場合に相当するねじれ角度をSdeg で、前記第1のセンサ6のセンサーターゲット5の1回転におけるパルス数をAとすると、 S≧(180/A)の関係にすることが望ましい。
そこで、想定した測定する最小分解能の軸トルクが作用した場合に相当するねじれ角度をSdeg で、前記第1のセンサ6のセンサーターゲット5の1回転におけるパルス数をAとすると、 S≧(180/A)の関係にすることが望ましい。
一方、ドライブシャフト1のねじれ角度、すねわち両側の印付き部材41,42間の位相差が大きくなりすぎると、位相差検出パルス数を誤カウントしてしまう可能性がある。よって、このような誤カウントを避けるため、測定する最大のねじれ角度をBdeg とすると、B>(180/A)となるようなセンサーターゲット5の歯数Aとすることで、ねじれを推定する計算方法が簡便化され、軸トルク検出の信頼性もアップすることができる。
さらに、測定されたドライブシャフト1の軸トルクに相当するドライブシャフト1のねじれ角度が、想定した最大のねじれ角度Bdeg 以上となった場合に、異常信号を外部に出力することで、さらなる軸トルク検出の信頼性もアップが図れると同時に、ドライブシャフト1の破損を防止できる。
図2の異常判定手段19は、この想定した最大のねじれ角度Bdeg を設定しておいて、ドライブシャフト1のねじれ角度が設定ねじれ角度以上となった場合に異常信号を出力するものとされる。
図2の異常判定手段19は、この想定した最大のねじれ角度Bdeg を設定しておいて、ドライブシャフト1のねじれ角度が設定ねじれ角度以上となった場合に異常信号を出力するものとされる。
また、アウトボード側の印付き部材42と第2のセンサ9の位置、インボード側の印付き部材41と第2のセンサ8の位置によって、ドライブシャフト1にトルクが作用していない状態であっても、検出される位相差が存在する場合がある。
このため、アウトボード側の印44を検出する第2のセンサ出力とインボード側の印43を検出する第2のセンサ出力とは、ドライブシャフト1にトルクが作用していない状態で、位相差がゼロとなるように、等速ジョイント2,3の外輪2a,3aへの印付き部材41,42の固定、または第2のセンサ8,9の位相角を調整することが望ましい。
このため、アウトボード側の印44を検出する第2のセンサ出力とインボード側の印43を検出する第2のセンサ出力とは、ドライブシャフト1にトルクが作用していない状態で、位相差がゼロとなるように、等速ジョイント2,3の外輪2a,3aへの印付き部材41,42の固定、または第2のセンサ8,9の位相角を調整することが望ましい。
ドライブシャフト1にトルクが作用していない状態で、図4にインボード側およびアウトボード側の印付き部材41,42を示すように、ドライブシャフト1のアウトボード側の第2のセンサ出力とインボード側の第2のセンサ出力に位相差Cがあった場合には、この値を予め測定しておき、軸トルク測定時の位相差の演算結果を補正するようにしてもよい。図2の初期位相ずれ補正手段22は、この補正を行う手段である。
図7のように、予め両等速ジョイント2,3の外輪2a,3a間のトルクと前記位相差の関係を、測定もしくは計算により求めておき、等速ジョイント2,3内部のトルクとねじれ角度の非線形性を補正するようにしても良い。これにより、より正確な軸トルクの測定が可能となる。
図2のトルク・位相差関係補正手段23は、上記のように求められたトルクと位相差の関係を記憶しておき、上記の非線形性を補正する手段である。
図2のトルク・位相差関係補正手段23は、上記のように求められたトルクと位相差の関係を記憶しておき、上記の非線形性を補正する手段である。
図3(A),(B)は、前述のように、それぞれセンサーターゲット5をパルサーリングとした例および磁気エンコーダとした例を示す。
センサーターゲット5がパルサーリングと磁気エンコーダのいずれの場合であっても、センサーターゲット5に対向し設置される第1のセンサ6を複数個用い、それぞれ、所定の間隔に離して固定することで、図8に示すように、同一センサーターゲット5に対向する第1のセンサ6の出力から求めたドライブシャフト1の回転方向を検出することができる。図2の回転方向検出手段20は、この回転方向の検出の処理を行う。この回転方向検出結果を元に、図9,図10のように軸トルク測定時の計算方法が変更される。この計算方法の変更の処理を、図2の回転方向対応変更手段21が行う。
なお、回転方向の検出は、外部に設けたセンサ(図示せず)によって求めてもよい。
センサーターゲット5がパルサーリングと磁気エンコーダのいずれの場合であっても、センサーターゲット5に対向し設置される第1のセンサ6を複数個用い、それぞれ、所定の間隔に離して固定することで、図8に示すように、同一センサーターゲット5に対向する第1のセンサ6の出力から求めたドライブシャフト1の回転方向を検出することができる。図2の回転方向検出手段20は、この回転方向の検出の処理を行う。この回転方向検出結果を元に、図9,図10のように軸トルク測定時の計算方法が変更される。この計算方法の変更の処理を、図2の回転方向対応変更手段21が行う。
なお、回転方向の検出は、外部に設けたセンサ(図示せず)によって求めてもよい。
図9にはカウントされる位相差検出パルス数Qが、Q<U/Aの場合を、図10には、Q>U/Aの場合をそれぞれ示す。Uは、センサーターゲット5の1回転当たりの第1のセンサ出力パルス数をUであり、Aはセンサーターゲット5の歯数または磁極対の数を示す。
図9に示す、Q<U/A の場合は、正転時の軸トルクが、
(軸トルク)=K×Q×(A/360) (K:定数)
として計算され、逆転時の軸トルクが、
(軸トルク)=K×(A/T−Q)×(A/360)
(K:定数、T:1回転当たりの第2のセンサ出力パルス数)
図10に示す、Q>U/A の場合は、正転時の軸トルクが、
(軸トルク)=K×(A/T−Q)×(A/360)
(K:定数、T:1回転当たりの第2のセンサ出力パルス数)
として計算され、逆転時の軸トルクが、
(軸トルク)=K×Q×(A/360) (K:定数)
として計算される。
このように、ドライブシャフト1の回転方向、および検出される位相差信号(Q)によって、軸トルク測定時の計算方法を変更することによって正確な軸トルクを可能とする。
図9に示す、Q<U/A の場合は、正転時の軸トルクが、
(軸トルク)=K×Q×(A/360) (K:定数)
として計算され、逆転時の軸トルクが、
(軸トルク)=K×(A/T−Q)×(A/360)
(K:定数、T:1回転当たりの第2のセンサ出力パルス数)
図10に示す、Q>U/A の場合は、正転時の軸トルクが、
(軸トルク)=K×(A/T−Q)×(A/360)
(K:定数、T:1回転当たりの第2のセンサ出力パルス数)
として計算され、逆転時の軸トルクが、
(軸トルク)=K×Q×(A/360) (K:定数)
として計算される。
このように、ドライブシャフト1の回転方向、および検出される位相差信号(Q)によって、軸トルク測定時の計算方法を変更することによって正確な軸トルクを可能とする。
また、通常、アウトボード側の等速ジョイント3に固定される車軸用軸受部で、車輪回転速度検出用回転センサ(ABSセンサ)が構成されるが、その精度は高く、1回転当たりの回転パルス数は約50パルスと多い。
よって、このABSセンサとして、等速ジョイント3で検出した回転パルスを利用するには、分解能を高める必要がある。この分解能を高めるためには、センサーターゲット5がパルサーリングである場合はその歯による凸と凹部の幅を同じとし、また、センサーターゲット5が磁気エンコーダである場合は、S極およびN極の極間隔をほぼ同じにする。さらに、各センサーターゲット5に対向して設置される複数個のセンサ7の出力は、互いに、センサ個数をD個とすると(180/)deg の位相差をもつようにする。さらに、これらのセンサの出力によってセンサーターゲットの凹凸もしくは極変化によるパルス出力をD分割することで、このD分割されたパルス出力を得、これをアンチロックブレーキシステム32の制御用の車輪回転速度信号として利用してもよい。
よって、このABSセンサとして、等速ジョイント3で検出した回転パルスを利用するには、分解能を高める必要がある。この分解能を高めるためには、センサーターゲット5がパルサーリングである場合はその歯による凸と凹部の幅を同じとし、また、センサーターゲット5が磁気エンコーダである場合は、S極およびN極の極間隔をほぼ同じにする。さらに、各センサーターゲット5に対向して設置される複数個のセンサ7の出力は、互いに、センサ個数をD個とすると(180/)deg の位相差をもつようにする。さらに、これらのセンサの出力によってセンサーターゲットの凹凸もしくは極変化によるパルス出力をD分割することで、このD分割されたパルス出力を得、これをアンチロックブレーキシステム32の制御用の車輪回転速度信号として利用してもよい。
図11,図12に、それぞれ第1のセンサ6を2個または3個用いた例を示している。それぞれ、図中の表のようなロジックを構成することで、各センサ7(6)の出力から、パルス分割により周波数を高めたパルスの出力を得ることができる。表中の「H」はハイレベル、「L」はローレベルを示す。また、「センサ1」,「センサ2」…とあるのは、同じ第1のセンサ6のうち、円周方向に並ぶセンサを区別するために符号「1」,「2」を付したものである。
図1のパルス分割手段24は、同図に示すようなパルス分割を行う。
図1のパルス分割手段24は、同図に示すようなパルス分割を行う。
さらに、センサーターゲット5に対向し設置されるD個の第1のセンサ6の出力は互いに(180/D)deg の位相差をもつように、各センサ位置を調整し、またセンサーターゲット5に対向し設置されるD個の第1のセンサ6の出力は互いに(180/D)deg の位相差をもつように、予め各第1のセンサ出力の測定結果から、その位相差を検出しておき、この検出した位相差とセンサーターゲット5の回転速度によって回転検出パルスの出力を補正することによって、ABSセンサとして精度アップを図ってもよい。
また、前記の各例では、センサーターゲット5に対して、センサ6をラジアル方向から対向させているが、図13に示すようにアキシアル方向に対向させてもよい。
図1の車両制御装置31は、このようにして求められた軸トルクの信号に基づいて、たとえばエンジンの点火タイミングを遅らせる等のエンジン制御を行なう。そうすることによって、過大トルクの発生を防止できる。過大トルクの発生が防止できれば、ドライブシャフト1の軸径や等速ジョイント2,3の外径のサイズダウンが可能となる。さらに、この軸トルク測定値によって、路面−タイヤ間のスリップ状態も推定して把握でき、走行制御に利用できる。
図1の車両制御装置31は、上記のようにして求めた軸トルク信号を、さらに、トラクションコントロールのためのエンジン制御や、ATトランスミッションの制御、電子制御LSD等の走行制御に利用するものであっても良い。
以上説明したところから明らかなように、この実施形態は、ABS用パルサーリング等からなるセンサーターゲット5の付いたドライブシャフト1に、印付き部材41,42を追加して軸トルクを検出するようにしたものであるため、極めて低コストで、ドライブシャフト1の軸トルクを検出することができる。また上記のように軸トルクを正確に測定することができる。そして、軸トルクの信号に基づいてエンジン制御を行なうことで過大トルクの発生を抑えることができる。したがって、ドライブシャフト1の軸及び等速ジョイント2,3のサイズダウンが実現し、車両の軽量化に寄与する。さらに、軽量化できたことで自動車の燃費が向上する。
また、軸トルクを走行制御に利用することで最適制御が可能となる。たとえば、トラクションコントロールに必要なエンジン制御用の駆動軸トルク信号として利用することができる。ATトランスミッションに駆動軸トルク制御を加えることにより効率の向上が得られ、燃費が改善される。電子制御LSDに駆動軸トルク制御を加えることにより最適なトルク配分が得られる。
また、軸トルクを走行制御に利用することで最適制御が可能となる。たとえば、トラクションコントロールに必要なエンジン制御用の駆動軸トルク信号として利用することができる。ATトランスミッションに駆動軸トルク制御を加えることにより効率の向上が得られ、燃費が改善される。電子制御LSDに駆動軸トルク制御を加えることにより最適なトルク配分が得られる。
1…ドライブシャフト
2,3…等速ジョイント
5…センサーターゲット
6…第1のセンサ
7…回転検出器
8,9…第2のセンサ
11…軸トルク演算部
12…位相差演算処理手段
13…軸トルク演算手段
16…ねじれ角度測定手段
19…異常判定手段
21…回転方向対応計算式変更手段
31…車両走行制御装置
2,3…等速ジョイント
5…センサーターゲット
6…第1のセンサ
7…回転検出器
8,9…第2のセンサ
11…軸トルク演算部
12…位相差演算処理手段
13…軸トルク演算手段
16…ねじれ角度測定手段
19…異常判定手段
21…回転方向対応計算式変更手段
31…車両走行制御装置
Claims (12)
- 両端にて等速ジョイントを介して自動車の駆動系統に接続されるドライブシャフトのいずれか一方の等速ジョイントの外輪にセンサーターゲットを取り付け、このセンサーターゲットに対向して設けた第1のセンサによってセンサーターゲットを検出し発生する回転パルス信号を検出し、
前記ドライブシャフトの両端の等速ジョイントの外輪に、前記センサーターゲットまたは別の部材からなる印付き部材を設け、これら印付き部材は、互いに同じ間隔で円周上に等配して印を付けたものとし、これら各印の配列に対向してそれぞれ設けた第2のセンサによって各印を検出し、アウトボード側の第2のセンサの検出パルスとインボード側の第2のセンサの検出パルス間における前記回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフトに生じたねじれ角を測定し、この測定されたねじれ角を演算して軸トルクを求め、
さらに、設定した測定する最小分解能の軸トルクが作用した場合に相当するねじれ角度をSdeg 、第1のセンサのセンサーターゲット1回転におけるパルス数をAとすると、
S>(180/A)の関係とすることを特徴とする、
ドライブシャフトの軸トルク測定方法。 - 請求項1において、測定する最大のねじれ角度をBdeg とすると、前記各外輪の円周上に等配した印における円周方向に隣接する印間の成す角度が、2×Bdeg 以上の角度差を有するドライブシャフトの軸トルク測定方法。
- 請求項1または請求項2において、アウトボード側の印を検出する第2のセンサ出力とインボード側の印を検出する第2のセンサ出力とは、前記ドライブシャフトにトルクが作用していない状態で、位相差がゼロとなるように、前記印付き部材の外輪への固定、または第2のセンサの位相角を設定するドライブシャフトの軸トルク測定方法。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、各センサによる検出よりも前に、予め、両等速ジョイントの外輪間のトルクと前記位相差の関係を測定もしくは計算により求めておき、この求めておいたトルクと位相差の関係により、軸トルク測定時の位相差の測定結果を補正するドライブシャフトの軸トルク測定方法。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、測定されたドライブシャフトの軸トルクに相当するドライブシャフトのねじれ角度が、設定した最大のねじれ角度Bdeg 以上となった場合に、異常信号を外部に出力するドライブシャフトの軸トルク測定方法。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、センサーターゲットに対向し設置される第1のセンサを複数個用い、これら複数のセンサを、所定の間隔に離して固定するドライブシャフトの軸トルク測定方法。
- 請求項6において、センサーターゲットに対向する第1のセンサの出力から求めた前記ドライブシャフトの回転方向、または外部に設けたセンサによって前記ドライブシャフトの回転方向を検出し、この回転方向の検出結果を元に、軸トルク測定時の位相差の計算式を変更するドライブシャフトの軸トルク測定方法。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかにおいて、前記センサーターゲットは円周方向に等配された複数の歯または磁極対を有するものとし、このセンサーターゲットに対向する前記第1のセンサの出力パルスのデューティーをほぼ50%とし、設置されるD個の第1のセンサの出力は互いに(180/D)deg の位相差をもつようにし、さらに、これらD個の第1のセンサの出力によってセンサーターゲットの凹凸または磁極対によるパルス出力をD分割し、このD分割されたパルス出力を車輪回転速度信号に利用するドライブシャフトの軸トルク測定方法。
- 請求項8において、センサーターゲットに対向し設置されるD個の第1のセンサの出力は互いに(180/D)deg の位相差をもつように、前記D個の第1のセンサの位置を設定するドライブシャフトの軸トルク測定方法。
- 請求項8において、センサーターゲットに対向し設置されるD個の第1のセンサの出力は互いに(180/D)deg の位相差をもつように、予め、センサーターゲットに対向する各第1のセンサ出力の測定結果からその位相差を検出して記憶しておき、この記憶しておいた検出値とセンサーターゲットの回転速度によって、第1のセンサの回転検出出力を補正するドライブシャフトの軸トルク測定方法。
- 請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のドライブシャフトの軸トルク測定方法によって求めた軸トルクの信号を、車両走行制御に用いることを特徴とする自動車の走行制御方法。
- 両端にて等速ジョイントを介して自動車の駆動系統に接続されるドライブシャフトのいずれか一方の等速ジョイントの外輪にセンサーターゲットを取り付け、このセンサーターゲットを検出して回転パルス信号を得る第1のセンサを前記センサーターゲットに対向して設け、
前記ドライブシャフトの両端の等速ジョイントの外輪に、前記センサーターゲットまたは別の部材からなる印付き部材を設け、これら印付き部材は、互いに同じ間隔で円周上に等配して印を付けたものとし、これら各印の配列に対向して各印を検出する第2のセンサをそれぞれ設け、アウトボード側の第2のセンサの検出パルスとインボード側の第2のセンサの検出パルス間における前記回転パルス信号のパルス数をカウントすることで、ドライブシャフトに生じたねじれ角を測定するねじれ角測定手段を設け、この測定されたねじれ角を演算して軸トルクを求める軸トルク演算手段を設け
さらに、設定した測定する最小分解能の軸トルクが作用した場合に相当するねじれ角度をSdeg 、第1のセンサのセンサーターゲット1回転におけるパルス数をAとすると、
S>(180/A)の関係とすることを特徴とする、
ドライブシャフトの軸トルク測定装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005284634A JP2007093452A (ja) | 2005-09-29 | 2005-09-29 | ドライブシャフトの軸トルク測定方法および測定装置 |
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JP (1) | JP2007093452A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016095209A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | 日本精工株式会社 | 回転装置 |
JP2018096782A (ja) * | 2016-12-12 | 2018-06-21 | 日本精工株式会社 | 角度検出装置、相対角度検出装置、トルクセンサ、電動パワーステアリング装置及び車両 |
-
2005
- 2005-09-29 JP JP2005284634A patent/JP2007093452A/ja active Pending
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